7 結果 1 酸度 糖度の調査各品種の酸度 糖度及び糖酸比 ( 糖度 / 酸度 ) を表 1に示す では 5 品種を測定した 糖度では ヌートカ が最も高い 13.00% 黒 ( 冷凍試料 が最も低い 10.20% を示した 一方酸度は スキーナ が最も高い 1.92% 黒 が最も低い 0.99%

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31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長

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イオン化傾向 イオン化傾向 1 金属の単体はいずれも酸化されて陽イオンになりうる 金属のイオンのなりやすさを表したものをイオン化傾向という イオン化傾向 K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb (H) Cu Hg Ag Pt Au e- を出してイオンになりやすい酸化されやすい イ

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化学 1( 応用生物 生命健康科 現代教育学部 ) ( 解答番号 1 ~ 29 ) Ⅰ 化学結合に関する ⑴~⑶ の文章を読み, 下の問い ( 問 1~5) に答えよ ⑴ 塩化ナトリウム中では, ナトリウムイオン Na + と塩化物イオン Cl - が静電気的な引力で結び ついている このような陽イ

1 次の問い ( 問 1~ 問 5) に答えよ (23 点 ) 問 1 次の単位変換のうち, 正しいもののみをすべて含む組み合わせは どれか マーク式解答欄 1 (a) 1.0 kg = mg (b) 1.0 dl = ml (c) 1.0 g/cm 3 = 1.

▲ 電離平衡

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9 果実酒 9-1 試料の採取 3-1 による ただし 発泡のおそれのあるものは綿栓をして 速やかに試験に供する 9-2 性状 3-2 による 別に試料及び貯蔵容器において 皮膜の状態についても観察する 9-3 ガス圧 8-3 に準じて測定する 9-4 検体の調製 ガスを含むときは 8-4 によって

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注釈 * ここでニッケルジメチルグリオキシム錯体としてのニッケルの重量分析を行う場合 恒量値を得るために乾燥操作が必要だが それにはかなりの時間を要するであろう ** この方法は, 銅の含有量が 0.5% 未満の合金において最も良い結果が得られる 化学物質および試薬 合金試料, ~0.5 g, ある

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てた後, ビーカーに水を 500 ml 入れて 1 度目の洗浄をした. 洗浄液の phをphメーターで測定した. さらに二度目の洗浄を 500 ml の水で行った. この洗浄液の ph も測定した. さらに流水で枝豆の洗浄を行った. その後この枝豆をめのう乳鉢ですりつぶし, 水を少量加えてその液の

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18 福島県農業総合センター研究報告第 5 号 1 緒言 表 1 試験区の構成 福島県会津地域の観光ブルーベリー園では 北部ハイブッシュ系品種が多く導入されており 6 月下旬から 8 月上旬頃までが主な収穫期となっている 一方 観光ブルーベリー園における来園者の需要は 5 月下旬頃から 9 月中旬頃

(b) 精密さ 精密度 * precision 測定値のばらつきの程度 標準偏差の大きさに相当する (c) 精度 accuracy 測定結果の正確さと精密さを含めた 測定量の真の値との一致の度合い 補正 correction は 正確さを期すために行われる ( 系統誤差を打ち消すために行われる )

比重 (15/4 ) で次式によって算出したもの S=1443/(1443+ 日本酒度 ) A はアルコール分 ( 度 ) を第 2 表により比重 (15/15 ) に換算したものである なお 振動式密度計により検体及びその留液の密度が測定できる場合は 次式によって計算する E=(Ds-Da) 0.

オキサゾリジノン系合成抗菌剤リネゾリド点滴静注液 リネゾリド注射液 配合変化表リネゾリド点滴静注液 組成 性状 1. 組成 本剤は 1 バッグ中 (300mL) に次の成分を含有 有効成分 添加物 リネゾリド 600mg ブドウ糖 g クエン酸ナトリウム水和物 クエン酸水和物 ph 調節

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を加え,0.05 mol/l チオ硫酸ナトリウム液で滴定 2.50 する.0.05 mol/l チオ硫酸ナトリウム液の消費量は 0.2 ml 以下である ( 過酸化水素として 170 ppm 以下 ). (4) アルデヒド (ⅰ) ホルムアルデヒド標準液ホルムアルデヒド メタノール液のホルムアルデヒ

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留意点 指導面 酸化剤または還元剤の標準液を用いて, 還元剤または酸化剤の水溶液の濃度を滴定によって求める操作を酸化還元滴定という 使用する器具や操作方法は中和滴定と同じである 代表的な酸化剤である過マンガン酸カリウム水溶液は過マンガン酸イオンMnO 4- の紫色であるが, 還元されると希薄水溶液中

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○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

折計示度を除く ) に寄与する割合が10% 未満のものに限る ) をいう うんしゅうみかんうんしゅうみかんの果実の搾汁若しくは還元果汁又はこれらに砂糖類 蜂ジュース蜜等を加えたものをいう グレープフルーツグレープフルーツの果実の搾汁若しくは還元果汁又はこれらに砂糖類 蜂ジュース蜜等を加えたものをいう

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スライド 1

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必要があれば, 次の数値を使いなさい 原子量 O= 標準状態で mol の気体が占める体積. L 問題文中の体積の単位記号 L は, リットルを表す Ⅰ 次の問いに答えなさい 問 飲料水の容器であるペットボトルに使われているプラスチックを, 次の中から つ選び, 番号をマークしなさい ポリエチレン

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テレビ学習メモ 数学 Ⅰ 第 40 回 第 5 章データの分析 相関係数 監修 執筆 湯浅弘一 今回学ぶこと データの分析の最終回 今までの代表値を複合し ながら 2 種類のデータの関係を数値化します 相関係数は 相関がどの程度強いのかを表しています 学習のポイント 12 種類のデータの相関関係を

涼しげな見た目とシャリシャリ感がたまらないフローズンモヒート 5 6 枚くらい 氷 150g 程度 水 1バカルディスペリオール 業務用 Ribbonライムシロップ シュガーシロップ 氷をブレンダーにかける 2さらにミントの葉 水を入れ ブレンダーにかける お好みのフルーツをお楽しみいただけるモヒー

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イ果実果実 ( 濃縮果汁を除く 以下この項において同じ ) の名称を表示する なお 三種類以上の果実を使用した場合は 使用量が上位三位以下の果実の名称を その他果実 と表示することができる ロ濃縮果汁濃縮果汁を希釈したものは 濃縮還元 果汁 と 濃縮果汁を希釈していないものは 濃縮 果汁 と表示する

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7 結果 1 酸度 糖度の調査各品種の酸度 糖度及び糖酸比 ( 糖度 / 酸度 ) を表 1に示す では 5 品種を測定した 糖度では ヌートカ が最も高い 13.00% 黒 ( 冷凍試料 が最も低い 10.20% を示した 一方酸度は スキーナ が最も高い 1.92% 黒 が最も低い 0.99% を示した 糖度と酸度の比で示される糖酸比は 黒 が最も高い 10.30 スキーナ が最も低い 6.20 となった ブルーベリーでは 3 品種を測定した 糖度は ブルーゴールド が最も高い 12.37% ブリギッタ が最も低い 11.40% を示した 一方酸度は ブルーゴールド が最も高い 1.12% ブリギッタ が最も低い 0.55% を示した 糖度と酸度の比で示される糖酸比は ブリギッタ が最も高い 20.73 ブルーゴールド が最も低い 11.04 となった また ボイセンベリーは とげなし 1 種類を測定し 糖度 11.07% 酸度 1.22% 糖酸比 9.07 だった 2 食味調査各品種の食味調査の結果を表 2 に示す では おいしい の回答は スキーナ ヌートカ の 2 品種で 75% を超えた カスバート ジョイゴールド 黒 はそれぞれ約 60% 約 48% 約 38% だった 甘すぎる の回答は ジョイゴールド 黒 の 2 種で 50% 近くとなり カスバート ヌートカ スキーナ でそれぞれ約 32% 約 18% 約 11% だった 酸っぱい の回答は 黒 が最も高く約 15% スキーナ が約 11% で続き ヌートカ カスパード が約 7% ジョイゴールド が約 4% だった ブルーベリーでは おいしい の回答が ブルーレイ で約 70% ブルーゴールド で約 52% ブリギッタ で約 43% だった 甘すぎる の回答は ブリギッタ で約 57% ブルーレイ で約 13% ブルーゴールド では回答が無かった 酸っぱい は ブルーゴールド で約 48% ブルーレイ で約 17% ブリギッタ では回答は無かった ボイセンベリー とげなし は 酸っぱい 約 55% おいしい 約 38% 甘すぎる 約 7% だった 3 生果及び冷凍試料の酸度 糖度 糖酸比の比較生果及び冷凍試料の酸度 糖度 糖酸比の比較を表 3 に示す 3 品種調査したでは 冷凍で測定した糖度に比べ 生果で測定した糖度は同じか やや高かった一方 酸度で比較すると 生果の方が同じかやや低かった 糖酸比は生果で測定したものが冷凍に比べ同じかやや高く その差は 5% 以内だった 3 品種調査したブルーベリーでは糖度 酸度とも生果の方が冷凍に比べ同じかやや高かった 糖酸比は生果がやや高く その差は 7% 以内だった ボイセンベリー ハスカップ ジュンベリーでは各 1 品種ずつ調査し 表 3 のとおりの結果となった 8 考察 ブルーベリーでそれぞれ 食味で おいしい と回答した割合と 糖度 酸度 糖酸比の相関を求めた ( 図 1~6) では 酸度と糖酸比で絶対値で 0.97 を超える強い相関が示され 酸度が高く 舌が感じる酸っぱさが強い ( 糖酸比が低い ) ほど食味が高く評価される可能性が示唆された 一方 糖度とも 約 0.68 の正の相関が示され 酸度 糖酸比との相関と相反する結果となったように見える これは 酸度の高い品種ほど糖度も高い傾向が見られたためである この傾向は偶然によるものか糖度と酸度の間に関連があるのかは さらなる調査が必要である また 糖酸比の最も大きかった 黒 で 酸っぱい の割合が最も高くなっている 糖酸比が大きいほど甘く感じるはずであるが 異なる結果となった これは 今回の調査では 酸っぱい の項目の中に より甘味がある方が良い という意味を含んでいたので 黒 が最も低かった糖度を反映したと思われる また ブルーベリーでの食味との相関は 糖度で約 -0.10 酸度で約 0.16 糖酸比で約 -0.39 と 比較的相関が弱い結果となった 今回は 3 品種での調査だったので 今後はより多くの種類での

調査が必要である なお の カスバート ジョイゴールド 黒 については 食味調査は生果で実施したが 糖度 酸度の測定は約 6 ヶ月間冷凍で保存した試料を用いている 冷凍による糖度 酸度への影響を調査するため 生果と冷凍試料の糖度 酸度及び糖酸比の比較を行った その結果 については 冷凍試料の糖酸比が生果と比べて低下しており その差は 5% 以内だった 冷凍保存すると糖酸比が 5% 低下するものとして 上記の 3 品種の測定結果を生果の糖酸比に換算すると カスバーと 7.91 8.31 ジョイゴールド 8.66 9.09 黒 10.30 10.82 となる この数値を考慮し食味と糖酸比での相関を求めると約 -0.98 であり 食味との関係についての傾向について 冷凍試料での測定は大きな影響は及ぼさなかったと思われる また 参考として 中央農試のブルーベリーの評価結果を用いて 食味と 糖度 酸度 糖酸比の相関を求めた ( 表 4 及び図 7~9) 糖度 糖酸比とで正の相関を示し 酸度とは負の相関を示した 相関の絶対値は糖酸比 糖度 酸度の順で大きく 糖酸比が食味に大きく影響しているものと考えられ 食味が甘く感じられるものほど高い評価を得る傾向にある 一方 本調査ではブルーベリーは 3 種の比較であるが 糖酸比約 15 の ブルーレイ が最も評価が高く 糖酸比 20 を超えた ブリギッタ では 甘すぎる が おいしい を超え 中央農試の評価とは異なる傾向を示した この結果は 当センターの調査試料数が十分でなかったこともあるが 食味対象者の嗜好によっても影響を受けたことも考えられる すなわち 糖酸比の低いものが高い評価を得る傾向にあったの結果もあわせ 当センター食味調査対象者が 酸味に対し高評価を与えた可能性が考えられる 小果樹の品種選定時においては 小果樹を利用する側の好み等を考慮しながら 導入する品種について糖度 酸度 糖酸比を検討する必要性がある 表 1 ブルーベリー ボイセンベリーの糖度 酸度 糖酸比糖度 酸度及び糖酸比収穫日品目品種糖度 (%) 酸度 (%) 糖酸比 スキーナ 11.90 1.92 6.20 ヌートカ 13.00 1.84 7.07 カスバート ジョイゴールド 黒 12.10 1.53 7.91 12.30 1.42 8.66 10.20 0.99 10.30 23.8.19 ブルーベリーブルーゴールド 12.37 1.12 11.04 23.8.19 ブルーベリーブルーレイ 11.50 0.75 15.33 23.8.19 ブルーベリーブリギッタ 11.40 0.55 20.73 23.8.3 ボイセンベリーとげなし 11.07 1.22 9.07 カスパード ジョイゴールド 黒の糖度 酸度は冷凍試料による計測

表 2 ブルーベリー ボイセンベリーの食味調査結果食味調査の結果収穫日品目品種調査数甘すぎおいしい酸っぱい 23.8.3 23.8.3 23.8.3 スキーナ 28 ヌートカ 28 カスバート ジョイゴールド 黒 23.8.19 ブルーベリーブルーレイ 23.8.3 ボイセンベリーとげなし 28 29 26 23.8.19 ブルーベリーブルーゴールド 23 23 23.8.19 ブルーベリーブリギッタ 23 29 食味調査結果の上段は実数 下段は調査数に対する割合 (%) 表 3 生果及び冷凍試料の酸度 糖度 糖酸比の比較 3 22 3 10.71 78.57 10.71 5 21 2 17.86 75.00 7.14 9 17 2 32.14 60.71 7.14 14 14 1 48.28 48.28 3.45 12 10 4 46.15 38.46 15.38 0 12 11 52.17 47.83 3 16 4 13.04 69.57 17.39 13 10 0 56.52 43.48 2 11 16 6.90 37.93 55.17 品目品種糖度酸度糖酸比 ブルーベリー 収穫当日計測 13.00 1.84 7.07 冷凍試料計測 13.00 1.84 7.07 当日 / 冷凍試料 10 10 10 収穫当日計測 11.90 1.92 6.20 冷凍試料計測 11.60 1.92 6.04 当日 / 冷凍試料 102.59 10 102.59 収穫当日計測 9.60 2.15 4.47 冷凍試料計測 9.50 2.22 4.28 当日 / 冷凍試料 101.05 96.85 104.34 収穫当日計測 11.50 0.75 15.33 冷凍試料計測 10.80 0.75 14.40 当日 / 冷凍試料 106.48 10 106.48 収穫当日計測 12.40 1.12 11.04 ブルーベリー ブルーゴールド 冷凍試料計測 12.00 1.09 11.01 ブルーベリー ハスカップ ジュンベリー ヌートカ スキーナ チルコチン ブルーレイ ブリギッタ ボイセンベリーとげなし 当日 / 冷凍試料 103.33 103.03 100.30 収穫当日計測 11.40 0.55 20.73 冷凍試料計測 10.90 0.54 20.19 当日 / 冷凍試料 104.59 101.85 102.69 収穫当日計測 11.07 1.22 9.07 冷凍試料計測 10.80 1.26 8.57 当日 / 冷凍試料 102.50 96.83 105.86 収穫当日計測 11.20 3.08 3.64 冷凍試料計測 11.50 3.02 3.81 当日 / 冷凍試料 97.39 101.99 95.49 収穫当日計測 15.30 0.52 29.42 冷凍試料計測 15.90 0.51 31.18 当日 / 冷凍試料 96.23 101.96 94.38

図 1 食味と糖度の相関 ( ) 糖度 9 8 7 6 5 3 相関 =0.684288 1 5.00 1 15.00 図 2 食味と酸度の相関 ( ) 酸度 9 8 7 6 5 3 相関 =0.975865 1 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50 図 3 食味と糖酸比の相関 糖酸比 9 8 7 6 5 3 相関 =-0.97605 1 5.00 1 15.00

図 4 食味と糖度の相関 ( ブルーベリー ) ブルーベリー糖度 8 7 6 5 3 相関 =-0.09612 1 11.00 11.50 12.00 12.50 図 5 食味と酸度の相関 ( ブルーベリー ) ブルーベリー酸度 8 7 6 5 3 1 相関 =0.162233 0.50 1.00 1.50 図 6 食味と糖酸比の相関 ( ブルーベリー ) ブルーベリー糖酸比 8 7 6 5 3 1 相関 =-0.38876 5.00 1 15.00 25.00

表 4 北海道中央農業試験場によるブルーベリー各品種の評価 ブルーベリー品種 食味 糖度 酸度 糖酸比 ブルータ 3.1 12.3 0.54 22.6 ウエイマウス 2.7 11.0 0.79 14.0 ジューン 3.7 12.9 0.36 35.6 デューク 2.9 11.6 0.64 18.1 スパータン 3.1 12.3 0.54 22.8 ハリソン 3.1 12.5 0.62 20.1 レカ 2.9 12.0 0.87 13.8 ノースランド 3.1 12.4 0.48 25.9 ノースブルー 2.7 11.2 0.79 14.1 パトリオット 3.2 12.3 0.66 18.6 プル 3.4 13.6 0.81 16.8 ヌイ 2.6 12.1 0.97 12.5 ブルーヘブン 3.0 11.9 0.52 22.9 ブルーチップ 2.9 11.8 0.64 18.6 ランコカス 3.5 13.8 0.55 24.9 トロ 2.9 11.0 0.61 18.0 シエラ 3.1 12.8 0.85 15.2 ブルークロップ 3.1 12.1 0.78 15.6 ブルーレイ 2.6 12.2 0.60 20.3 バークレイ 3.0 12.1 0.47 25.7 ダロー 2.7 12.5 1.29 9.7 ハーバート 2.9 12.4 0.88 14.1 ブリギッタ 2.7 12.8 1.19 10.7 図 7 食味と糖度の相関 ( 中央農試験フ ルーヘ リー ) 図 8 食味と酸度の相関 ( 中央農試験フ ルーヘ リー ) 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 相関 =0.619443 糖度 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 相関 =-0.553849 酸度 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 図 9 食味と糖酸比の相関 ( 中央農試験フ ルーヘ リー ) 糖酸比 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 相関 =0.708365 0.5 0.0 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0