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はじめに 近年 がんに対する治療の進歩によって 多くの患者さんが がん を克服することができるようになっています しかし がん治療の内容によっては 造精機能 ( 精子をつくる機能のことです ) が低下し 妊娠しにくくなったり 妊娠できなくなることがあります また 手術の内容によっては術後に性交障害を

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婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

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背部痛などがあげられる 詳細な問診が大切で 臨床症状を確認し 高い確率で病気を診断できる 一方 全く症状を伴わない無症候性血尿では 無症候性顕微鏡的血尿は 放置しても問題のないことが多いが 無症候性肉眼的血尿では 重大な病気である可能性がある 特に 50 歳以上の方の場合は 膀胱がんの可能性があり

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外来化学療法室を 初めて利用される方へ

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前立腺の変化を知る

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

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インスリンが十分に働かない ってどういうこと 糖尿病になると インスリンが十分に働かなくなり 血糖をうまく細胞に取り込めなくなります それには 2つの仕組みがあります ( 図2 インスリンが十分に働かない ) ①インスリン分泌不足 ②インスリン抵抗性 インスリン 鍵 が不足していて 糖が細胞の イン

2. 転移するのですか? 悪性ですか? 移行上皮癌は 悪性の腫瘍です 通常はゆっくりと膀胱の内部で進行しますが リンパ節や肺 骨などにも転移します 特に リンパ節転移はよく見られますので 膀胱だけでなく リンパ節の検査も行うことが重要です また 移行上皮癌の細胞は尿中に浮遊していますので 診断材料や

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妊娠のしくみ 妊娠は以下のようなステップで成立します Step1 卵胞発育脳にある下垂体から分泌される 卵胞刺激ホルモン (FSH) が卵巣内の卵胞を発育させます Step2 射精 精子の子宮内侵入性交により精液が腟内に入ります 腟に入った精子は 子宮を通過して 卵管を登っていきます Step3 排

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染症であり ついで淋菌感染症となります 病状としては外尿道口からの排膿や排尿時痛を呈する尿道炎が最も多く 病名としてはクラミジア性尿道炎 淋菌性尿道炎となります また 淋菌もクラミジアも検出されない尿道炎 ( 非クラミジア性非淋菌性尿道炎とよびます ) が その次に頻度の高い疾患ということになります

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腹腔鏡補助下膀胱全摘除術の説明と同意 (2) 回腸導管小腸 ( 回腸 ) の一部を 導管として使う方法です 腸の蠕動運動を利用して尿を体外へ出します 尿はストーマから流れているため パウチという尿を溜める装具を皮膚に張りつけておく必要があります 手術手技が比較的簡単であることと合併症が少

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2018/10/26 札幌医科大学講義 精巣機能とは 精巣機能とその異常 ~ 精巣機能障害と男性不妊症 ~ NTT 東日本札幌病院泌尿器科伊藤直樹 精子形成 精細管にて形成される 精細胞が分化 増殖する セルトリ細胞に支持される 男性ホルモン (androgen) 産生 間質にあるライディッヒ細胞にて産生される ( 精巣の模式図 ) 間質 精細管 精巣組織 ( 精子形成 ) 男性の内性器 成熟しつつ内側へ進んでいく 精原 ( 祖 ) 細胞 精母細胞 ( 精液の産生 ) 精嚢 (70%) 前立腺 (30%) 精子細胞 精子 ( 精子形成と精路 ) 射精管精管精巣上体精巣 精巣機能とは 精巣機能の調節 ( 視床下部ー下垂体ー精巣系 ) 精子形成 : 父親となるために必要 (Fatherhood) 欠如した場合 - 男子不妊症 男性ホルモン産生 : 男となるために必要 (Manhood) 欠如した場合 -2 次性徴 ( 陰毛発育 外性器発育 射精 声変わりなど ) の欠如 性機能障害 (Erectile dysfunction: ED) Feedback 視床下部 下垂体 精巣 LH-RH (LH-releasing hormone) LH (Luteinizing hormone) FSH (Follicular stimulating hormone) テストステロン ( 男性ホルモン ) LH-RH: 黄体ホルモン放出ホルモン LH: 黄体ホルモン FSH: 卵胞刺激ホルモン 1

精巣機能の発現 ( 思春期 ) 視床下部 下垂体 精巣 LH-RH 1 LH, FSH 2 テストステロン 3 いずれのレベルに異常があっても 2 次性徴が欠如する 精巣機能障害の診断 問診 :2 次性徴 ( 思春期 ) の有無 既往歴 診察 : 陰毛 陰茎 精巣 前立腺 内分泌学的検査 LH, FSH, テストステロン基礎値 LH-RH test: LH, FSH の反応性を見る ( 下垂体機能検査 ) hcg test: テストステロンの反応性を見る ( 精巣機能検査 ) hcg: ヒト胎盤性ゴナドトロピン (LH 作用を有する ) 精液検査 男子思春期の変化 男子器の成熟 ( タナー分類 ) 精巣の増大と陰嚢の変色 ( タナー段階 II) 陰茎の長大化 ( 男性器のタナー段階 III) 陰茎の付け根から陰毛が発生 精通の発生 初めての射精で 白濁液 声変わりの発生約 1オクターブ程低くなる 声変わりしかけている時は声がかすれて出ないことが多い 腋毛 髭 体毛の発生 ( 陰毛のタナー段階 IV) ( 勃起時に ) 包皮が自然に後退し 陰嚢 包皮の黒みが完全に大人になる ( 男性器のタナー段階 V) 体格の男性化 : 肩幅が広くなる 筋肉の発達 顔面の変化 ( 女性に比べて著明に現れ 顔面骨がより発達し 眉弓骨が隆起する ) 心理面での変化 : 身体の大きな変化に対する戸惑い 羞恥心 子供から大人への過渡期 ( 甘えが許されない ) 低ゴナドトロピン (LH,FSH) 性精巣機能不全 視床下部 低ゴナドトロピン性精巣機能低下症視床下部からの LH-RH 分泌不全 あるいは下垂体異常でゴナドトロピン (LH, FSH) が分泌されず 結果的に精巣機能が発現しないもの テストステロン 下垂体 精巣 LH-RH ( 黄体ホルモン放出ホルモン ) LH ( 黄体ホルモン ) FSH ( 卵胞刺激ホルモン ) 2

低ゴナドトロピン性精巣機能低下症 ( 原因 ) 原因 特発性低ゴナドトロピン性類宦官症 ( 視床下部 ) Prader Willi synd. 性腺機能不全 (Hypogonadism) 筋緊張低下 (Hypotonia) 知能障害 (Hypomentia) 肥満 (Obesity),15q11 13 欠損 Laurence Moon Biedl synd.( 視床下部性 ) 性腺機能不全 知能障害 肥満 奇形 ( 多指 ) 網膜色素変性 下垂体腫瘍 頭部外傷 ( 視床下部 下垂体性 ) 低ゴナドトロピン性精巣機能低下症 ( 症状 ) 思春期前に発症している場合 思春期徴候がおとずれない ( 二次性徴の欠落 ) 15~16 歳になっても声変わり 陰茎増大 陰毛発育 射精などがない 思春期後に発症した場合 原因は脳腫瘍 外傷 性欲の喪失 髭が伸びない 勃起 射精障害 低ゴナドトロピン性精巣機能低下症 ( 検査所見 ) 身体所見 陰毛欠如 矮小陰茎 小さな精巣 前立腺はほとんど触れない 内分泌所見 LH, FSH, テストステロンは測定感度以下 LH-RH test: 多くは視床下部性であり 理論的には反応するが LH, FSHの上昇は不良 hcg(lh 作用 ) test: 反応するがテストステロンの上昇は不良 低ゴナドトロピン性精巣機能低下症 ( 治療 ) 目的 :Manhood, fatherhood の獲得 ゴナドトロピン補充療法が基本 LH-RH の持続皮下投与 LH(hCG: ゴナトロピン )+FSH( ゴナール F) 併用療法 ( 週に 1~3 回の皮下注射が必要 ) 特定疾患に指定されている 低ゴナドトロピン性精巣機能低下症 ( 治療 ) テストステロン補充療法 ゴナドトロピン療法に対する反応性が悪い場合考慮する Manhood を早急に獲得することは患者の QOL 向上にきわめて重要である ( テストステロン補充を行うと 急速に声変わり 髭などが出現し 男らしくなる ) エナルモンデポー 125mg を 2 週に 1 回筋注 骨端線の閉鎖を促進するので 身長発育には十分注意する 思春期遅発症 14 歳までに精巣増大が認められない 性器成長開始から完成までに 5 年以上かかっている 低ゴナドトロピン性精巣機能不全症との鑑別が難しい 二次性徴の程度 身長等を総合的に評価しホルモン補充療法を考慮する 患児の身体的劣等感など QOL に配慮する 3

高ゴナドトロピン (LH, FSH) 性精巣機能不全 高ゴナドトロピン性精巣機能低下症 視床下部 LH-RH ( 黄体ホルモン放出ホルモン ) 精巣機能に異常があり 視床下部 下垂体へのフィードバックがかからず ゴナドトロピンが上昇している病態 テストステロン 下垂体 精巣 LH ( 黄体ホルモン ) FSH ( 卵胞刺激ホルモン ) 高ゴナドトロピン性精巣機能低下症 Klinefelter 症候群 原発性精巣機能不全 Mumpus 精巣炎 薬剤性 ( 抗癌剤 ) 放射線への暴露 男子不妊症 高ゴナドトロピン性精巣機能低下症 ( 症状 ) 低ゴナドトロピン性精巣機能低下症ほど男性化徴候が全く欠落することは稀 症状は男性ホルモンの産生能障害の程度による 男性ホルモンがある程度維持されていると 全く症状がなく 不妊症に対する精査中に偶然発見されることもある 高ゴナドトロピン性精巣機能低下症 ( 治療 ) テストステロン補充療法 テストステロンデポー (2 週間毎筋注 ): 日本で最もよく使用されている 経口剤 : 肝機能障害の少ないものは未承認 経皮剤 ( パッチ ジェル ): 日本では未承認 ゴナドトロピン補充療法は当然無効 Klinefelter 症候群 染色体 :47XXY(2 本以上の X 1 本以上の Y) 約 800 人に 1 人 種々の程度の類宦官症 小さな精巣 女性化乳房 不妊症 ( 無精子症 ) 悪性腫瘍 ( 乳癌 精巣外胚細胞腫瘍 ) テストステロンは低下 ~ 正常 LH FSH は上昇 診断は染色体検査 ( 要 informed consent) 治療 : 男性ホルモン補充療法 精巣内精子採取術 (Testicular sperm extraction: TESE) 4

抗癌剤投与による精子形成能障害 生殖年齢男性に対する抗癌剤治療 精巣腫瘍 白血病 悪性リンパ腫 抗癌剤投与中は全例無精子症となる 治療後 精子形成は回復するが 回復の程度は治療前の状態に依存する 治療後 1 年間は避妊したほうがよいとされている 小児に対する抗癌剤治療の将来的な妊孕能への影響は不明 思春期早発症 2-3 年早く二次性徴が開始する状態 思春期早発症 視床下部 下垂体が早くに活動を始めてしまう中枢性が最も多い 視床下部 下垂体の近くの腫瘍性もある 9 歳以下で精巣の大きさが 3-4 ml 以上になった時は要注意 10 歳前に陰毛 11 歳前にひげや声変わりを認める 一時的に身長が伸びた後 小柄のままで成長が停止する 幼い年齢で陰毛 声変わりなどが出現するために 本人や周囲が戸惑う心理社会的問題が起きる 治療 : 低身長を防ぐ 男性化を抑えるためにテストステロン産生を抑制する (LH-RHアナログ投与) 男性更年期障害 男性ホルモンの作用臓器 加齢に伴う血中遊離テストステロンの低下 筋肉 肝臓 骨 脳心血管系腎臓陰茎 精巣 前立腺 血中遊離テストステロン (pg/ml) 30 25 20 15 10 5 0 0 20 40 60 80 100 年齢 ( 歳 ) 5

男性ホルモン低下により出現する症状 血中テストステロン低下は生存率低下と関係する 性欲低下 性機能低下 射精消失 不妊 抑うつ 注意力低下 イライラ感 筋力低下 骨密度低下 体毛減少 倦怠感 調子が悪い 女性化乳房 ほてり 記憶力 認知力低下 (Arch Intern Med 166: 1660-1665, 2006) 40 歳以上 退役軍人 858 例 2 回のテストステロン値で 3 群に分ける テストステロン (ng/dl) HR <250 250< 正常 1 境界 1.31 低下 1.68* 不妊症とは 男性不妊症 - 病態 診断 治療について - 通常の性交渉を有するカップルにおける 1 年間の妊娠率は約 90%:1 年で妊娠なければ不妊症と診断 不妊カップル : 約 15% 不妊症の原因 (WHO 1996) 精液検査の基準値 (WHO 2010) 男性のみ :24% 不明 :11% 男女両方 :24% 女性のみ :41% 精液量 ph 精子濃度精子運動率精子正常形態精子生存率白血球数 1.5ml 以上 7.2 以上 1500 万 /ml 以上前進 + 非前進運動精子 40% 以上もしくは前進運動精子 32% 以上 Kruger s strict criteria で 4% 以上 58% 以上 100 万 /ml 未満 6

一般成人男性の精子数はどの程度か 一般成人男性に無精子症 乏精子症はどの程度いるのか? ( 万個 /ml) 12000 10000 8000 6000 4000 2000 0 1975-1980 年 1998 年妊婦パートナー 精子濃度 (%) 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 1975-1980 年 1998 年妊婦パートナー 無精子症乏精子症 男性不妊症の原因 = 問診のポイント 既往歴 ( 幼少時 ) 停留精巣 思春期遅延 精巣捻転 NOA Oligo 既往歴 ( 成人 ) 糖尿病 脊髄損傷 勃起 射精障害 感染症 : 性感染症 精巣上体炎 OA ムンプス精巣炎 NOA 癌 : 抗癌剤 放射線 NOA 手術歴 原因不明な場合が多い 精巣固定術 ( 停留精巣 ) NOA Oligo ソケイヘルニア OA 精管結紮 ( パイプカット ) OA 後腹膜リンパ節郭清 ( 精巣癌 ) 射精障害薬 タガメット ( ヒスタミンH2 受容体拮抗薬 : 胃潰瘍治療 ): 抗男性ホルモン作用 抗うつ薬 抗精神病薬精巣毒性 殺虫剤 重金属 放射線 タバコ ステロイドなど 男性不妊症の分類 無精子症 ( 閉塞性 非閉塞性 ) 精子がいない 乏精子症 ( 精子数 1500 万 /ml 未満 ) 精子が少ない 精子無力症 ( 精子運動率 40% 未満 ) 精子の動きが悪い 膿精液症 ( 白血球 100 万 /ml 以上 ) 精液が感染してる 性機能障害 勃起しない 射精障害 精液がでない 膣内射精できない OA: 閉塞性無精子症 NOA: 非閉塞性無精子症 Oligo: 乏精子症 男性不妊症 : 診断 治療の流れ 精液検査 : 正常 勃起 逆行性射精 射精障害を確認 無精子症 閉塞性? 非閉塞性 :FSH と精巣容積 ( 正常 :15ml 以上 ) から診断 閉塞性無精子症 : 精路再建 射精管閉塞解除手術 TESE 非閉塞性無精子症 :MD-TESE 乏精子症 精子無力症 精索静脈瘤あれば手術 低ゴナドトロピン性精巣機能不全症 : ホルモン補充療法 無精子症とは 多くの場合 精液量は正常 (1.5ml 以上 ) だが 精液中に精子が認められないもの 遠心分離し 沈渣に精子が認められないことを確認する 500g 15 分間遠心 閉塞性と非閉塞性とに分けられる 病態は全く異なるので鑑別診断が重要 上記以外は人工授精 (IUI) 体外受精や顕微授精をお勧めする 治療効果の evidence が認められている薬剤 サプリメントはない 7

閉塞性無精子症 閉塞性無精子症に対する治療 精巣での精子形成は正常だが 精路の閉塞 欠損があるもの 精巣容積は正常 血中 FSH, テストステロンは正常 精管の閉塞 精管結紮 ( パイプカット ) 後 鼠径ヘルニア術後 射精管閉塞 ( 精液量も減少 1.0ml 以下 ) 精巣あるいは精巣上体レベルでの閉塞 精管の欠損 先天性両側精管欠損症 外科的に治癒可能な場合が多い 精管精管吻合術 精管結紮後 鼠径ヘルニア術後 精管 : 内腔が狭い内腔 :10-0 ナイロン 6 針筋層 :9-0 ナイロン 6 針非常に難しい片側 2 時間 ( 切るのは 5 分 ) 閉塞性無精子症に対する治療 射精管閉塞に対する経尿道的射精管開放術 閉塞性無精子症に対する治療 先天性両側精管欠損症 精路再建は不可能 精巣内精子採取術 (TESE) しかない 採取した精子を用いて顕微授精 (ICSI) 行う 切開中 ( 精液が出てきた ) 開放後 非閉塞性無精子症 精巣機能の調節 ( 視床下部ー下垂体ー精巣系 ) 精巣での精子形成が不良のため 精巣容積が小さい 血中 FSH が上昇 テストステロンは正常 Y 染色体の微小異常が認められる場合が多い クラインフェルター症候群も疑う 精巣容積は非常に小さい 精巣内精子採取術 (TESE) を行う 精子が得られた場合は顕微授精 (ICSI) を行う フィードバックが不十分 ( フィードバック ) テストステロンインヒビン 精子 視床下部 下垂体 精巣 LH-RH (LH 放出ホルモン ) LH ( 黄体ホルモン ) FSH ( 卵胞刺激ホルモン ) 8

Needle TESE 精巣内精子採取術 (Testicular sperm extraction:tese) 閉塞性無精子症 (OA) が疑われる場合勧めている 局所麻酔 18G needle で組織採取 片側精巣に施行 日帰り外来手術 Micro(microdissection)-TESE Micro or Needle-TESE における精子採取率 非閉塞性無精子症が疑われる場合に勧めている 脊椎あるいは全身麻酔 両側精巣に施行 2 泊 3 日入院 Needle TESE ( 確認 30 例 3 例不明 ) 22/30 (73.3%) Micro TESE ( 確認 189 例 8 例不明 ) 54/189 (28.6%) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 精子採取率 (%) Micro or Needle-TESE-ICSI の成績 精子採取できた 43 例中 顕微授精 (Intracytoplasmic sperm injection: ICSI) を施行し胚移植した 35 例についての検討 Y 染色体の微小欠損 (Y-linked microdeletion) Azoospermic factor (AZF) Micro-TESE (n=31) 妊娠なし :22.6%(7/31) Needle-TESE (n=4) Yp Centromere AZFa AZFc Yq 出産 67.7% (21/31) 出産 100% (4/4) AZFb 妊娠 :9.7%(3/31) 合計 : 妊娠率 28/35 (80%) 出産率 25/35 (71.4%) AZFa, AZFb に微小欠損 :TESE でほとんど精子は採取できない AZFc に微小欠損 :TESE で 50% 以上精子を採取できる 9

乏精子症 精子無力症に対する治療 精索静脈瘤 原因として精索静脈瘤が最も多い 精索静脈瘤以外の原因は明らかではない 有効な薬物療法はない 精索静脈瘤が認められなければ人工授精 体外受精や顕微授精を勧める 精巣静脈が逆流している状態 静脈血が停滞し陰嚢温度が上昇する その結果精子数が減少したり精子運動率が低下する 陰嚢温度は 33-34 治療は逆流を止めるために精巣静脈を全て結紮 切断する ー精索静脈瘤ー 精索静脈瘤に対する顕微鏡下低位結紮術 男性不妊症の約 4 割に認められる 妊孕能を有する男性でも 1 割に認める ( ほとんどグレード 1) 90% は左側 グレード分類 グレード 1: 立位かつ腹圧をかけると認める グレード 2: 立位で認める グレード 3: 臥位で認める 治療による精液所見の改善 : 約 70% 治療による妊娠率 :40-50% 最近の臨床研究では 1 年後の妊娠率が手術群で 60% 非手術群で 10% 外そけい輪上に約 3cm の皮膚切開 静脈を全て結紮切断 動脈とリンパ管は可能であれば温存 精管は動脈を付着させて温存 手術時間 :30-60 分 手術前後での精子濃度 精子運動率の比較 ( 術後 3 ヵ月以上経過例 : 術前術後平均値の比較 ) (x10 6 /ml) 精子濃度 (%) 精子運動率 35 30 25 20 15 10 5 40 P<0.001 32.1 35 p=0.019 33.8 30 +10.4 +21.7 23.4 25 10.4 20 15 10 5 妊娠率 不妊症例 55 例中 術後 3 ヵ月以上経過し フォローできた 33 例 なし 12 例 (36.4%) 妊娠率 :63.4% 自然妊娠 6 例 (18.2%) AIH 5 例 (15.2%) IVF ICSI 10 例 (30.3%) 0 Pre Post 0 Pre Post 10

膿精液症 男性不妊症例における性機能障害 ( 東邦大学 2,147 例 ) 定義 (WHO): 精液 1ml 中に 100 万個 / 以上の白血球の存在 原因 : 前立腺炎と考えられるが 会陰部不快感 排尿痛 頻尿などの有症状者は少ない 白血球が産生する活性酸素 (ROS) が妊孕性 運動率を低下させるとする説があるが明らかではない 原因菌 : マイコプラズム クラミジア 治療 ニューキノロン薬 ST 合剤 テトラサイクリンなど 4 週間 精液所見の改善 :40-80% 治療による妊娠率の向上は不明 精索静脈瘤 (21.4%) 閉塞性無精子症 (3.3%) その他 (4.0%) 乏精子症 非閉塞性無精子症 (42.4%) 勃起障害 (28.9%) 男性不妊症における射精障害 ART 時代 逆行性射精 射精感あるが 精液が出てこない 膀胱側へ射精される 病態 : 膀胱頸部機能不全 DM 脊髄損傷 骨盤内手術 治療 : 抗うつ薬 ( アモキサン トフラニール ) ハッチキス法 : マスターベーション後に膀胱内精液を回収 膣内射精障害 妻との sex で射精できない 近年 急増している ( タイミング法が契機 ) マスターベーション方法の誤り ART: Assisted Reproductive Technology 補助生殖技術 具体的には顕微授精 極論を言えば 1 匹の精子で妊娠可能 保険外診療のため非常に高額 ( 補助あり しかし百万円単位の出費を覚悟 ) ART 時代の泌尿器科医の役割は?? ART 時代における泌尿器科医の役割 閉塞性無精子症に対する精路再建術 非閉塞性無精子症に対する精巣内精子採取術 (TESE) 精索静脈瘤に対する根治術 性機能不全 (ED) に対する精査 治療 逆行性射精の治療 ( アモキサン or 精子回収 ) 低ゴナドトロピン性精巣機能低下症の治療 男性不妊症診療の問題点 肉体的健康を害する疾患ではないが 精神的 社会的に重大な問題 不妊症診療に対する熱意 治療選択は夫婦の人生観によって異なるため十分なInformed consentが必要 仕事が忙しく 来院しにくい 性生活の情報も重要 たまにセックスレス夫婦もいる ED 射精障害も十分確認する必要がある 非閉塞性無精子症では遺伝子異常が関与している可能性がある 遺伝カウンセリングも重要である Micro-TESEで精子採取できなかった場合 本人 奥様の精神的ダメージはかなり大きい 11

日本生殖医学会生殖医療専門医 725 名 (2018/04/01 現在 ) 中泌尿器科医は 55 名 (7.6%) 北海道に泌尿器科生殖医療専門医は 1 名 日本専門医機構による専門医制度改革 18 の基本領域専門医 ( 泌尿器科専門医など ) 29 のサブスペシャリティー領域専門医 生殖医療専門医は泌尿器科専門医が唯一取得できるサブスペシャリティー専門医 多くの若手泌尿器科医に興味をもって欲しい 12