(1) 児童観本学級の児童は, 理科の学習に興味をもって取り組んでいる 特に, 観察や実験に意欲的である 昨年度は, 変える条件, 変えない条件を考えながら実験に取り組んできたことにより, 条件に目を向けて調べようとする力は育ってきている 本単元にかかわる児童の実態を把握するために, 発電, 蓄電,

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第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

5 指導について (1) 単元について 3 年磁石の性質 4 年電気の働き 5 年電流の働き ( 本単元 ) 磁石に引きつけら 乾電池の数とつな 鉄心の磁化 極の変化 れる物 ぎ方 電磁石の強さ 異極と同極 光電池の働き 電気の通り道 電気を通すつなぎ方 電気を通す物 6 年電気の利用 中学 2 年

他の単元との連関 子どもが獲得する見方や考え方 教師の持つ指導ポイント 評価規準 小学 4 年生 もののあたたまり方 小学 6 年生 電気の利用 ~ エネルギーの工場と変身と銀行 ~ 中学 1 年生 光と音 ( 光のエネルギーを利用しよう ) 中学 2 年生 電流 ( 電気とそのエネルギー ) 電流

第 2 学年 5 組理科学習指導案 日時平成 26 年 12 月 12 日 ( 金 ) 場所城北中学校授業者酒井佑太 1 単元名電気の世界 2 単元について (1) 教材観今日の私たちの日常生活において 電気製品はなくてはならないものであり 電気についての基礎的な知識は必要不可欠である しかし 実際

(Microsoft Word - 201\214\366\212J\216\366\213\3061\224N\211\271.docx)

教師の持つ指導ポイント 評価規準 中国地方の送電線網の図を利用し, 発電所からの電力を消費地に届けていることを示す その際, 送電の途中では, 電線の抵抗のために電線が発熱して電気エネルギーが損失することを, 本単元の内容をもとに考察させる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) エネルギーは変換の際

第6学年2組 理科学習指導案

理科学習指導案(形式)

表紙

3 単元の目標 (1) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象に進んでかかわり それらを科学的に探究するとともに 事象を日常生活とのかかわりでみようとする 自然事象への関心 意欲 態度 (2) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象の中に問題を見いだし 目的意識をもって観察

Taro-6年 理科 電気の利用.jtd

Microsoft Word - ⑦-1電流がうみ出す力

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第4学年1組 理科学習指導案

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について関心をもって話し合っている 6 身近な電気器具について興味 関心をもっている 電圧の特徴を 結果から見いだしている 6 実験結果から 電流の大きさが加えた電圧の大きさに比例することを見いだしている 7 直列回路と並列回路での抵抗の値がどのようになるか 実験の結果から見いだしている 8 水温の

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

子葉と本葉に注目すると植物の成長の変化を見ることができるという見方や, 植物は 葉 茎 根 からできていて, それらからできているものが植物であるという見方ができるようにしていく また, 学んだことを生かして科学的なものの見方を育てるために, 生活の中で口にしている野菜も取り上げて観察する活動を取り

小学校理科の観察,実験の手引き 第3学年A(1) 物と重さ

7 3. 単元の指導計画 (7 時間扱い ) 時 学習内容 授業のねらい 物質の溶解と水溶液の均一性 コーヒーシュガーが水に溶ける様子を観察し, 色の様子からコーヒーシュガーの拡散と水溶液の均一性を理解する ( 観 実 ) コーヒーシュガーと食塩の溶解 物質の溶解と水溶液の均一性 2 物質が目に見え

○数学科 2年 連立方程式

第 6 学年 1 組理科学習指導案単元名 : 瀬野川の生き物のつながり 生き物のくらしと環境 男子 18 名女子 21 名計 39 名 単元について 指導者澄川和生 単元観本単元は, 小学校学習指導要領解説理科編第 6 学年 内容 B(3) の 動物や植物の生活を観察したり, 資料を活用したりして調

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

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Microsoft Word - ④「図形の拡大と縮小」指導案

画像, 映像などの気象情報や天気と1 日の気温の変化の仕方に興味 関心をもち, 自ら気象情報を収集して天気を予想したり天気の観測をしたりしようとしている 気象情報を活用して, 天気の変化を予想することができる 1 日の気温の変化の仕方を適切に測り, 記録することができる 天気の変化は気象情報を用いて

1. 単元名 運動とエネルギー 3 章エネルギーと仕事 南中学校第 3 学年理科学習指導案 平成 26 年 10 月 16 日 ( 木 ) 第 5 校時 3 年生徒数 3 名場所理科室授業者 2. 単元について (1) 単元観本単元は 運動の規則性やエネルギーの基礎を 身のまわりの物体の運動などの観

検流計は 下記の単元で繰り返し使用します 学年単元内容 4 電気の働き 5 電流の働き 電流の強さや向きを調べるために使用する 6 電気の利用 直列つなぎ 並列つなぎについても繰り返し指導します 指導改善のポイント 直列 並列つなぎ 1 直列 並列つなぎのそれぞれの特徴を比較する活動を取り入れる 2

国語科学習指導案様式(案)

Microsoft PowerPoint - H29小学校理科

Microsoft Word - 社会科

第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭石川幸宏 1 日時平成 30 年 2 月 21 日 ( 水 ) 第 4 校時 2 学年第 1 学年 2 組 ( 男子 19 名女子 18 名 37 名 ) 3 場所海田西中学校第 2 理科室 4 単元名身のまわりの現象 ~ 力の世界 ~ 5 単元について

第4学年理科学習指導案

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できるようにする 野菜を学年園やプランターで栽培する計画を立てさせる際には, 平成 27 年度全国学力 学習状況調査 2(5) に取り組ませ, 前学年までに学習した植物の成長にかかわる知識や経験も活用して考える必要があることに気付かせる 実際に野菜を育てる活動に取り組ませることにより, 知識や経験を

体育科指導案

での生活では, 理科の学習という意識が薄くなっている 理科の学習が自分の生活に役に立っていると 感じている児童は多いが, 便利にしてくれると感じている児童は少ない このことから理科で学習した 内容が, 生活の中で生かされていることを実感できるような指導を行っていきたい ( 学習活動への意識に関するこ

第 6 学年理科学習指導案 平成 28 年度 12 月 6 日 ( 火 ) 第 5 校時 場所 理科室 1 単元名変わり続ける大地 2 単元について本単元では 第 5 学年 流れる水のはたらき 第 6 学年 大地のつくり の学習を踏まえて 地球 につ内容の関連と学習の系統性いての基本的な見方や概念を

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

Microsoft Word - t2gika1.doc

関心 意欲 態度科学的思考力観察 実験の技能 表現第 5 学年理科学習指導案平成 16 年 6 月 15 日 ( 火 ) 第 3 校時指導者宇多幹子場所理科室 1 単元名 植物の発芽と成長 2 単元の目標と評価規準 植物の発芽と成長を, それにかかわる条件に着目しながら調べる活動を通して, 見いだし

Microsoft Word - 全国調査分析(H30算数)

4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

解答類型

とで児童に活動の見通しを持たせ, 自分で課題を立て情報を集め整理し, 発表する等に取り組めるようにしていきたい 調査計画の場面では, 目的に照らしてどのような調査をしていくことがよいのか児童にしっかりと考えさせたい 例えば, データはどう集めたらよいのか, アンケートを実施する場合には, 誰にアンケ

理科学習指導案

第4学年算数科学習指導案

理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭柚中朗 1 日時平成 30 年 1 月 24 日 ( 水 ) 2 学年第 2 学年 1 組 ( 男子 14 名女子 18 名計 32 名 ) 3 単元名天気とその変化 ~ 大気の動きと日本の天気 ~ 4 単元について (1) 単元観本単元は, 学習指導要領

※ 教科 理科テキスト 小4 1学期 5月 電池のはたらき

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

授業案4年「3 電気のはたらき」

第6学年2組 理科学習指導案

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★数学学習指導案最終(知的障害)

Microsoft PowerPoint - syogaku [互換モード]

第 4 学年算数科指導案 平成 28 年 11 月 2 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 4 年 2 組男子 22 名女子 10 名指導者垣見遥 ともなって変わる量 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 児童の考えを引きだす算数的活動の工夫 ~ 1 単元名 ともなって変わる量 2 単元の目標 ともなって

第4学年理科学習指導案

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Microsoft Word - 数学指導案(郡市教科部会)

Microsoft Word - 中学校数学(福島).doc

社会科学習指導案

第4学年理科学習指導案

4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

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第1学年 理科学習指導案

第 6 学年算数科学習指導案 日時平成 25 年 月 日 ( ) 校時対象第 6 学年 組 名学校名 立 小学校授業者 1 単元名 速さ ( 学校図書 6 年上 ) 2 単元の目標速さについて理解し 求めることができるようにする 3 単元の評価規準 単元の評価規準 ア算数への関心 意欲 態度 速さを

Taro-(HP)指導案(改訂).jtd

第 3 学年社会科学習指導案 1 小単元名 わたしたちのまちのようす 平成 24 年 6 月 27 日 ( 水 ) 第 3 学年 2 組 3 3 名指導者 : 今橋美都 2 単元について本単元は学習指導要領の第 3 学年及び第 4 学年の内容 (1) アの内容に基づいている (1) 自分たちの住んで

し, 定期的に評価することで 自己の考え を自覚する場面を意図的に設定している 本教材の学習においては, 様々な情報の中から必要な情報を取り出し, 整理 分析し, それに基づいた自分の考えを表現する活動を通して, 自己の考えの深まりや広がり を実感させることによって, 課題改善につなげたいと考えてい

平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

第 1 学年国語科学習指導案 日時 平成 27 年 11 月 11 日 ( 水 ) 授業 2 場所 八幡平市立西根中学校 1 年 2 組教室 学級 1 年 2 組 ( 男子 17 名女子 13 名計 30 名 ) 授業者佐々木朋子 1 単元名いにしえの心にふれる蓬莱の玉の枝 竹取物語 から 2 単元

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2 単元の目標 廿日市市 についての魅力を目的意識や相手意識を明確にして地域内外に発信することができる 自分たちの住む 廿日市市 に愛着をもつことができる 3 単元の評価規準 学習方法 自分自身 他者や社会 課題発見力 思考力 判断力 表現力 主体性 自らへの自信 対象と積極的にかかわる中で, 課題

Microsoft Word - 小学校第6学年国語科「鳥獣戯画を読む」

1 単元名 分数 ( 全 10 時間 ) 教材名 分数をくわしく調べよう ( 東京書籍 4 年下 ) 第 4 学年算数科学習指導案平成 26 年 11 月 26 日 ( 水 ) 5 校時 4 年 1 組 ( 男子 13 名 女子 10 名計 23 名 ) 指導者上田稚子 ( 学習指導要領 ) A 数

Microsoft Word - 201hyouka-tangen-1.doc

5 単元の評価規準と学習活動における具体の評価規準 単元の評価規準 学習活動における具体の評価規準 ア関心 意欲 態度イ読む能力ウ知識 理解 本文の読解を通じて 科学 について改めて問い直し 新たな視点で考えようとすることができる 学習指導要領 国語総合 3- (6)- ウ -( オ ) 1 科学

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英語科学習指導案

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

3 題材の目標 (1) (2) 4 題材の評価規準 ( 指導要録の四つの観点 ( 生活や技術への関心 意欲 態度 ) から題材の学習を通して目指す生徒の姿を示します ) 文章の語尾は 評価規準の作成, 評価方法の工夫改善のための参考資料 ( 中学校技術 家庭 ) 平成 23 年 11 月 ( 国立教

指導案

の 問を提示して定着度を確認していく 1 分けて計算するやり方 70 = =216 2 =6 2 筆算で計算する方法 題材の指導計画 ( 全 10 時間扱い ) ⑴ ⑵ ⑶ 何十 何百 1 位数の計算 1 時間 2 位数 1 位数

Microsoft Word - chojugiga_sidoan_new.docx

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい


H30全国HP

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算数科学習指導案 指導者中野智子 1 日時平成 30 年 10 月 19 日 ( 金 ) 第 6 校時 2 学年第 6 学年 1 組男子 12 名女子 9 名計 21 名 3 単元名資料の調べ方 4 単元について (1) 単元観本単元は, 小学校学習指導要領第 6 学年の内容 [D データの活用 ]

(Microsoft Word - \217\254\212w\202U\224N\201i\216R\217\343\201j.doc)

【大竹市】玖波小学校 算数「垂直・平行と四角形」(4年)HP

Transcription:

系統性の視点平成 28 年度小 中学校理科 エネルギー 領域指導力向上研修事業 第 6 学年理科学習指導案 日時 : 平成 28 年 11 月 10 日 ( 木 ) 場所 : 遠野市立遠野北小学校理科室学級 :6 年 1 組 ( 男子 12 名, 女子 13 名 ) 指導者 : 竹花史華 1 単元の目標及び指導等について 単元名 単元の目標 電流と私たちのくらし 身の回りに見られる電気の利用について興味 関心をもって追究する活動を通して推論する能力を育てるとともに, 以下 4 つについての見方や考え方を養うことがねらいである 電気は, つくりだしたり蓄えたりすることができること 電気は, 光, 音, 熱などに変えることができること 電熱線の発熱は, その太さによって変わること 身の回りには, 電気の性質や働きを利用した道具があること 領域エネルギー (Ⅰ エネルギーの変換と保存,Ⅱ エネルギー資源の有効利用 ) 学年小 3 小 4 小 5 小 6 中 1 中 2 中 3 高校 Ⅰ Ⅱ 電気の通り道磁石の性質 電気の働き 電流の働き 電気の利用 電流電流と磁界 エネルギー 科学技術の発展等 熱波電気 エネルギーとその利用 本単元の内容は, エネルギー領域の エネルギーの変換と保存 と エネルギー資源の有効利用 に位置付けられている 電気の性質や働きの理解が中心であり, 生活との関連として, 電気の効率的な利用についても学習する これまでの学習を受けて 小 3 では電気を通すつなぎ方と通さないつなぎ方があること, 電気を通すものと通さないものがあること, 小 4 では乾電池の数やつなぎ方を変えるとモーターの回る向きや速さが変わること, 光電池を使ってモーターを回すことなどができること, 小 5 では電磁石に電流を流した時の鉄心の磁化や極の変化, 電流の強さや導線の巻数によって電磁石の強さが変わることを学習している 本単元では, これまでの学習も振り返りながら, 生活に見られる電気の利用について興味 関心をもって追究する活動を通して, 発電, 蓄電, エネルギー変換などの電気の性質や働きについての理解を図っていく また, 学んだことを生かしておもちゃづくりを行い, 理解を深めさせる 1 これからの学習を見通して 電気について, 中 2 では, 電流や電圧, 磁界や静電気などについての基本的な性質を理解させるとともに, 日常生活や社会と関連付けながら電流と磁界についての科学的な見方や考え方を養う 高校では, 電気や磁気に関する現象を実験などを通して探究し, 基本的な概念や原理 法則を系統的に理解させ, 日常生活や社会と関連付けて考察できるようにする エネルギーについては, 中 3 で, 生活の中では様々なエネルギーを変換して利用しており, 変換の前後でエネルギーの総量は保存されること, エネルギー資源の安定的な確保と有効利用が重要であることを日常生活や社会と関連付けて認識させる 高校では, 利用可能な様々なエネルギーの特性や利用などについて物理学的な視点から総合的に理解させる そこで本単元では, 光, 音, 熱などが電気によって発生すること ( 変換していること ) を理解させ, 光や音などの様子から目に見えない電気を実感させ, 中学 高校での電気やエネルギーの本質的な学習につなげていきたい

(1) 児童観本学級の児童は, 理科の学習に興味をもって取り組んでいる 特に, 観察や実験に意欲的である 昨年度は, 変える条件, 変えない条件を考えながら実験に取り組んできたことにより, 条件に目を向けて調べようとする力は育ってきている 本単元にかかわる児童の実態を把握するために, 発電, 蓄電, 電気の変換, 電気の利用の4つの視点で事前調査を行ったところ, 下表のような結果になった 設問問題選択肢選択数視点 1 電気はどのようにつくられているか知っていますか 2 電気は自分でもつくることができると思いますか 3 電気はためることができると思いますか 4 電気は光に変えることができると思いますか 5 電気は音に変えることができると思いますか 6 電気は熱に変えることができると思いますか 7 電気で何か物を動かせると思いますか 8 ドライヤーやこたつはどうやって暖まると思いますか 9 暮らしの中でどんなものに電気が使われているか知っていますか ( 複数回答可 ) 3 発電蓄電アはい 例 ) ソーラーパネル (2) 水力 (1) 地熱 (1) モーターを回す (1) イいいえ 22 アはい 9 例 ) ソーラーパネルを光に当てる (3) 自転車みたいなものをこぐ (2) 導線をつないで (1) モーター (1) 分からない (2) イいいえ 16 アはい 16 イいいえ 9 電電イいいえ 3 アはい 22 アはい 20 イいいえ 5 アはい 25 イいいえ 0 イいいえ 3 例 ) 電気がどうにかしている(8) 電気が熱に変わる(5) モーターが動いている(1) 電気で空気を暖める(1) 電気自体に暖かさがある(1) 電気が火に変わっている(1) 電気で摩擦を起こしている(1) アはい 22 アはい 25 例 ) テレビ(20) 扇風機(19) 電気自動車(9) エアコン(9) 冷蔵庫(9) 電気(7) 電子レンジ(5) 電球(5) ドライヤー(5) 充電器(4) コンセント(3) 炊飯器(3) ゲーム(3) 時計(3) ラジカセ(3) 洗濯機(2) パソコン(2) IH(2) 暖房(1) 電話(1) オーブントースター(1) こたつ(1) コンロ(1) イいいえ 0 気の変換気の利用2

発電については, 設問 1で25 人中 22 人の児童が, 電気がどのようにつくられているか知らないと回答している 児童にとって身近なものとして, 学校での太陽光発電, 遠野市には道の駅 遠野風の丘 や貞任高原風力発電所に風を利用した発電施設があるが, 電気をつくる方法としてイメージできていない また, 設問 2では, 自分で電気をつくることができないと回答した児童が16 名であった 4 学年で, 光電池に日光を当てて電気をつくった経験はあるが, 電気をつくるということに結び付いていないことがわかる よって, 身近な物を使って電気をつくっている場面を見せたり, 実際に電気をつくったりする場を取り入れていくことで身近でも電気をつくっているということに気付かせていく必要があると考える 蓄電については, 電気はためることができると思っている児童が多い 日常生活で携帯やゲーム機の充電をしたり, 充電しているところを見たりしているためと考えられる 電気の変換については, 電気は光や音, 熱, 運動に変換することができると思っている児童が多い ドライヤーやこたつの暖まり方について聞いたところ, 様々な考えが出てきた 電気が熱に変わっていると考えている児童はいるが, 電熱線が発熱することによって暖まっているということを知っている児童はいなかった 一方, 設問 9のように, 暮らしの中では様々な物に電気が使われているということに気付いている これらのことから, 多くの児童は, 電気を光や音, 熱などに変換して身近に利用しているという生活概念をもっているが, 逆に光や音, 熱などから電気に変換できるイメージはあまりもっていない したがって, 電気をつくり出す活動を十分に行い, 発電, 蓄電について理解を図るとともに, 電気の変換についても具体的な電気器具を調べながら何に変換しているか指摘できるようにする必要がある (2) 教材観本単元は, エネルギー を柱とした内容のうち エネルギーの変換と保存, エネルギー資源の有効利用 に位置付けられている 児童はこれまで, エネルギーの変換と保存 にかかわって, 小 3で電気を通すつなぎ方や電気を通す物を調べて 電気の回路 を, 小 4では乾電池や光電池の働きを調べて 電気の働き を, 小 5では電磁石を調べて 電流の働き について学習している これらの学習では, 電気によって明かりを点灯させたり, 光によって電気をつくって物を動かしたりするなど, エネルギー変換が関係する活動を行っている しかし, エネルギー変換の視点での学習は行っていない よって, 本単元はエネルギー変換を理解しようとする最初の学習となる はじめに, モーターの軸を回転させることによって豆電球を点灯させる実験を行い 発電 を学習する 次に, 同様の原理である手回し発電機を用いてモーターを回したり, 電子オルゴールを鳴らしたりすることで, 電気は 変換 できることを学習する コンデンサーを用いた実験では, 電気を 蓄電 ( 充電 ) できること, 蓄電した電気で明かりを点けたり, モーターを回したりできることを学習する また, 電熱線を使った実験では, 電気は熱に変換できること, 電熱線の太さの違いによって発熱量が異なることを学習する これらの追究活動を通して, エネルギーの 3

変換と保存 のうちエネルギーの変換についての見方や考え方を養う ただし, エネルギーの保存については小学校段階では扱わない エネルギー資源の有効利用 については, 発光ダイオード等を取り上げ, 電気の効率的な利用の観点から考察を行う (3) 指導観はじめに, 日常生活の電気を使った場面を想起させたり, 電気をつくっている場面を見せたりしながら, 電気は身近でよく使われていて私たちの生活にはなくてはならないものであることを意識させていきたい そして, 発電, 発電や蓄電をした電気の変換, 効率的なエネルギー変換, 蓄電, 発熱, 電気の性質を生かしたおもちゃづくりというように, 最後には, 再び日常生活に戻るような単元計画を立てた 発電の場面では, 身近な物を使って電気をつくることができるということや手回し発電機を使って簡単に電気をつくることができるということを経験させていく つくった電気を豆電球や発光ダイオードなどの光に変えられること, オルゴールの音に変えられること, モーターなどの運動に変えられることを実験を通して理解させていく また, それと同時に電気は使うとなくなるということを実感させていく その後, 電気は蓄えることができるのではないかと推論することにつなげ, 蓄えた電気も使うといずれはなくなってしまうということから, エネルギーの有効活用につなげていきたい また, 豆電球と発光ダイオードの点灯時間の比較から, エネルギーの有効活用の方法へ迫ることもできると考えている 日常生活でも発光ダイオードが使われているということに気付かせるために, 写真や実物を活用する 単元の中では, 前時に学習したこととかかわらせて問題意識をもたせるようにしていきたい 例えば, 電気は風力発電などでつくることができる 自分でも電気をつくれるのではないか モーターを使って発電をすることができた 手回し発電機にもモーターが入っているので手回し発電機でも電気をつくることができるのではないか というように関連させながら学習を進め, 自分たちで問題意識をもち, 意欲的に学習に取り組めるようにしていきたい 実験の計画を立てる際には, どの条件を同じにすればよいか, どの条件を変えるか などという発問をし, 条件制御を全体やグループで考えるような時間を取りながら, 条件制御をして実験を計画できるような力をさらに身に付けさせていきたい 実験の結果をまとめる際には, 表を活用していく 表に表すことにより, 比較しながら考察することができる手立てになると考える 4

2 単元の評価規準 自然事象への関心 意欲 態度 手回し発電機などを使い, 自分で電気をつくったり蓄えたり変換したりできるということに興味 関心をもち, 自ら電気の性質や働きを調べようとしている 電気の性質や働きを利用した道具やおもちゃをつくろうとしている 科学的な思考 表現 豆電球や発光ダイオードの点灯やモーターの回転, 電熱線の発熱などの電気による現象から, 電気の性質や働きについて推論し, 自分の考えを表現している 観察 実験の技能 発電, 蓄電, 変換について, 手回し発電機などを使って, 安全に実験している 豆電球と発光ダイオードの点灯比較実験や電熱線の太さの違いによる発熱実験の結果を記録している 自然事象についての知識 理解 電気は, つくったり蓄えたりすることができることを理解している 電気は, 光, 音, 熱などに変えることができることを理解している 電熱線の発熱は, 太さによって変わることを理解している 身の回りには電気の性質や働きを利用した道具があることを理解している 3 単元の指導計画 時 学習活動 1 電気がどのようにつくられたり利用されたりしているかを調べる 2 自分でも電気をつくることができるか調べる 3 手回し発電機を使って電気をつくることができることを調べる 評価規準 ( : 総括に用いる評価 : 指導のための評価 ) ( 塗りつぶしはその時間で重視する観点 ) 評価方法 行 : 行動観察記 : 記述分析発 : 発言 自然事象への関心 意欲 態度 科学的な思考 表現 観察 実験の技能 自然事象への知識 理解 発電の仕組みや 暮らしの中 電気の仕組みに興 で使われてい 味をもち, 電気は る電気は発電 どのようにつくら 所でつくられ れ, どのように利 ていることを 用されているかを 理解している 調べようとしてい 記 る 行 発 モーターの軸をどのように回せば電気を起こすことができるか考え, 表現している 記 発 モーターが入っている手回し発電機を見て, 電気をつくることができる器具だと推論している 発 電気はつくることができることを理解している 記 手回し発電機を使って電気をつくることを理解している 記 5

4 作った電気は光や音, 運動に変えることができることを調べ, まとめる 5 つくった電気は蓄えることができることをコンデンサーを使って調べる 6 蓄えた電気は, どんなものに利用できるかを調べ, まとめる 7 豆電球と発光ダイオードの点灯時間の違いを調べ, 電気の有効利用について考える 8 9 10 本時 電熱線が発熱することを確かめる 電熱線の太さによって発熱の仕方が変わることを調べる 11 電熱線の太さによって発熱の仕方が変わることをまとめる 12 13 14 電気を利用したおもちゃをつくってまとめをする つくった電気は蓄えることができるということに興味をもち, 調べようとしている 行 発 電気が熱に変換されることに興味をもち, 進んで発熱される例について調べようとしている 行 発 電気の性質を利用したおもちゃづくりに興味をもち, 進んで製作しようとしている 行 記 コンデンサーにつないだ電気が他のものに変換されたことを考え, 表現している 記 豆電球と発光ダイオードの点灯時間の違いを消費する電気の量と関係づけて説明している 記 発 6 手回し発電機 電気はつくに色々な器具をることができ, 接続し, 電気がつくった電気光 音 運動などを光 音 運動に変換されて利に変えて利用用されているこすることがでとを調べ, 結果をきることを理記録している 解している 行 記 記 コンデンサーを手回し発電機に正しく接続して電気をためている 行 道具を正しく使い, 電熱線が発熱する実験を行っている 行 電熱線の太さに 電熱線の太さよって発熱の仕方による発熱の仕が違うことを考方の違いを調べえ, 表現している て記録している 記 発 行 電熱線の太さによる発熱の仕方に着目しながら, 効果的な電気の利用のされ方について考え, 表現している 記 発 電気の性質を利用したおもちゃを工夫してつくっている 行 発 電気はコンデンサーにためて使うことができることを理解している 記 電熱線の太さによって発熱の仕方が違うことを理解している 記

展開(38分)平成 28 年度小 中学校理科 エネルギー 領域指導力向上研修事業 4 本時の指導 (1) 目標電熱線の太さと発熱の関係について, 実験をもとに自分の考えをもち, 表現することが できる 電熱線の太さによる発熱の違いを, 表などに表し結果を記録することができる (2) 評価 電熱線の太さによって発熱の仕方が違うことを考え, 表現している 思考 表現 (3) 展開 段階 導入(5分) 電熱線の太さによる発熱の仕方の違いを調べて記録している 技能 学習内容 1 前時までの想起 2 学習問題の把握 学習活動 ( 主な発問 ) ホットボンドを速く切るにはどうすればよいかを考えていたことを想起する 本時は電熱線の太さに注目していくことを確認する 指導上の留意点 総括に用いる評価 方法 指導のための評価 方法 前時までの学習の内容を掲示で想起させる 電熱線の太さを変えると, 発熱のしかたはどうなるのだろうか 3 予想 4 解決の見通し (1) 結果 (2) 方法 5 実験 6 結果の確認 7 考察 太さの違う電熱線が使われている道具を見て, どちらが速く温まるか考え, 理由も書く どのように実験をすればよいですか 変える条件は何ですか 同じにする条件は何ですか 班ごとに実験をする 分担を決めて実験をする 太い電熱線, 細い電熱線ともに 3 回ずつ実験をして, ホットボンドが切れた時間を表に記録し, 平均を出す 全体で結果を確認する 実験結果から分かった事実と考察をノートに書く 前時に描いた図などをもとに自分の考えを書かせる 前時の実験をもとに実験方法の見通しをもたせる 実験が正しく行われているか机間チェックし, 適宜指導する 電熱線の太さによる発熱の仕方の違いを調べて記録している 行動 電熱線の太さによって発熱の仕方が違うことを考え, 表現している 記 発 8 班内の交流 考察したことを班内で発表する 7

終9 学習の振り返り末(2分10 次時の予告)5 板書計画電熱線の太さを変えると, 発熱の仕方はどうなるのだろうか 予 太い電熱線が多く発熱する 細い電熱線が多く発熱する どちらも同じ 実電熱線の太さを変えてホットボンドの切れる時間を比べる 変える : 電熱線の太さ同じ : 電流の大きさ電熱線の長さ 8 平成 28 年度小 中学校理科 エネルギー 領域指導力向上研修事業 本時で分かったことや次時にやりたいことを発表する 次時には, 本時の学習をまとめ, 他の条件を変えて調べることを確認する 結 細い電熱線 太い電熱線 考 1 2 3 4 5 6