第 5 回市民のリスク意識調査資料編 2010 年 8 月 26 日株式会社三菱総合研究所 1. 調査概要 (1) 調査方法 : 非公開型インターネットアンケート ( 株式会社マクロミル ) (2) 調査対象 : インターネット調査モニター ( 日本在住の 20 歳以上の男女 ) (3) 調査期間 :2010 年 07 月 29 日 ( 木曜日 )~2010 年 07 月 30 日 ( 金曜日 ) (4) 有効回答者数 :1,032 名 ( 男性 516 名女性 516 名 ) 2. 回答者の属性回答者の属性は現在の日本の人口構成に近いサンプルとなるよう配慮しました (1) 性別 (2) 年齢構成 性別 女性 50.0% 男性 50.0% 年齢 12 才未満 0.0% 60 才以上 7.6% 55 才 ~59 才 6.5% 50 才 ~54 才 10.9% 12 才 ~19 才 0.0% 20 才 ~24 才 9.5% 25 才 ~29 才 15.5% 45 才 ~49 才 10.2% 30 才 ~34 才 1% 40 才 ~44 才 14.9% 35 才 ~39 才 14.1% (3) 地域 (4) 職業 地域 四国地方 1.9% 中国地方 4.5% 近畿地方 15.4% 中部地方 17.0% 九州地方 8.2% 北海道 4.5% 東北地方 8.0% 関東地方 40.5% 職業 パート アルバイト 10.2% 専業主婦 22.8% 学生 6.0% その他 7.9% 自由業 1.7% 公務員 3.9% 自営業 5.8% 経営者 役員 2.4% 会社員 ( 事務系 ) 15.4% 会社員 ( その他 ) 9.4% 会社員 ( 技術系 ) 14.4% - 資料編 1 -
3. 調査結果 (1)2010 年 1~6 月 最も怖いと感じたニュース 2010 年の上半期 (6 月末まで ) の 最も怖いと感じたニュース について 設問で挙げた 21 のニュースのうち 世界金融不安 (12.3%) が一番怖いと回答した人が最も多く 次いで 広島県工場内自動車暴走 12 人殺傷事件 (12.0%) 3 番目に 雇用情勢の悪化 (11.3%) という結果となりました ただし 特にない の回答者割合が過去の調査結果と比較してかなり高く 2010 年の上半期は突出して 怖いと感じたニュース は例年と比べて少なかったと考えられます 0% 10% 20% 30% 40% 世界金融不安 ( ギリシャ危機等による世界的株安 ユーロ安等 )( 通年 ) 12.3 11.2 6.6 広島県工場内自動車暴走 12 人殺傷事件 (6 月 ) 12.0 10.6 6.5 雇用情勢の悪化 ( 失業率の悪化 新卒求人の水準悪化等 )( 通年 ) 11.3 8.2 8.0 宮崎県における口蹄疫の流行 (4 月 ~) 11.1 7.8 チリ巨大地震に伴う津波 (2 月 ) 11.0 5.5 4.7 足利市連続乳児骨折傷害事件 (5 月 ) 4.1 3.0 米国における自動車大規模リコール (1 月 ) 2.2 韓国海軍哨戒艦沈没に伴う朝鮮半島情勢悪化 (3 月 ~) 3.7 5.4 5.1 大手航空会社更生法申請 経営破綻 (1 月 ) 2.4 2.2 大阪府羽曳野市居酒屋銃発砲 4 人殺傷事件 (1 月 ) 2.3 2.40.9 高校同級生刺傷事件 ( 神奈川県 / 山口県 )(6 月 ) 高速増殖原型炉 もんじゅ 運転再開 ( 再開前後のトラブル発生等を含む ) (5 月 ) 宮城県石巻市男女 3 人殺傷 連れ去り事件 (2 月 ) 2.2 2.0 1.7 1.7 1.5 3.3 浜名湖ボート転覆女子生徒死亡事故 (6 月 ) 3.2 1.0 1.5 0.9 東海道新幹線架線切断事故 (1 月 ) 1.5 羽田空港航空管制システムトラブル (1 月 ) 2.0 沖縄県米軍普天間基地移設問題 ( 通年 ) 2.9 3.4 大相撲暴力団交際 賭博問題 ( 通年 ) 4.1 1.3 1.5 中国 4 邦人死刑執行 (4 月 ) 1.1 反捕鯨船 調査捕鯨船団監視船衝突事故 (1 月 ) 1.2 1.0 0.3 政府日米安保条約改正時核持ち込み密約認定問題 (3 月 ) 0.7 0.5 その他 ( 上記以外で脅威と感じるニュースベスト3がある ) 1.8 特にない 8.4 11.8 18.5 無回答 0.0 4.3 8.1 設問 : 上記の 2010 年 1 月から 6 月までの半年間に発生した出来事のうち あなたの生活の安全性を脅かした ( 怖いと感じた ) ニュースについて 最も怖いと感じたもの から 3 番目に怖いと感じたもの まで順番をつけて 3 つ選択してください - 資料編 2 -
(2) 市民個人が脅威と感じるリスク市民が最も脅威と感じるリスクは 自然災害の発生 であり ( 44.0% ) 第 4 回調査 (2009 年 12 月 ) の結果 ( 34.2% ) から 9.8% も増加しました ゲリラ豪雨などの気候変動に伴う極端現象の増加などが 自然災害の発生 に関する危機意識の高まりに寄与した可能性があります 一方 調査結果 (1)2010 年 1~6 月 最も怖いと感じたニュース において自然災害の回答トップである チリ巨大地震に伴う津波 が 5 位 (11.0%) に留まっていることから推察すると 自然災害の発生 の実績に基づいて増加したのではなく 他のリスクの数値が低下したため 相対的に上昇したという可能性もあります 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 自然災害の発生 ( 地震 風水害 他 ) 44.0 13.4 11.7 10.5 21.9 8.3 雇用問題 ( リストラ 会社の倒産 過労死 他 ) 7.5 7.2 7.0 テロ 6.7 8.3 5.6 6.6 6.8 5.0 5.4 5.5 病気やけが ( 災害や事故を除く ) 4.9 4.7 7.4 政情不安 ( 戦争 他 ) 3.9 4.5 4.9 事故に遭遇 ( 交通事故 火災 ( 放火を除く ) 他 ) 2.4 7.2 7.4 1.8 科学技術災害の発生 ( 原子力災害 危険物等災害 他 ) 5.8 1.7 食品の安全性の破綻 少子高齢化に伴う問題 ( 年金問題 老人介護問題 労働力不足 他 ) 4.0 3.6 3.6 1.1 医療現場の崩壊 ( 医療機関不足 医師不足 他 ) 3.2 4.8 2.1 環境問題 ( 温暖化 廃棄物問題 環境汚染 エネルギー 資源枯渇 他 ) 3.7 1.5 教育現場の崩壊 2.5 0.7 インフラ障害に伴う問題 ( 大規模停電 システム障害 他 ) 1.9 1.0 0.5 情報化に伴う問題 ( ネット犯罪 個人情報漏洩 サイバーテロ 他 ) 1.8 無回答 0.0 3.4 設問 : 上記のような 災害や様々な危機 について あなた個人として 最も脅威に感じるもの から 3 番目に脅威に感じるもの まで順番をつけた上で 最大 3 つ選択してください - 資料編 3 -
(3) 国家としての脅威 (3) 市民個人が脅威と感じるリスク と同様に 国家 ( 日本 ) として最も脅威と感じるリスクは 自然災害の発生 でした (27.8%) この結果は 2009 年 12 月の調査結果 (16.8%) から 11.0% も高くなっています 一方で 政情不安 (1%) は 2009 年 12 月の調査結果 (18.6% 第 1 位 ) から 5.2% 低下し 第 3 位となっています テロ については 2009 年 12 月の 15.0% から 14.4% に は 7.7% から 7.5% に それぞれ微減しています 0% 10% 20% 30% 40% 50% 自然災害の発生 ( 地震 風水害 他 ) 27.8 9.2 9.4 テロ 14.4 9.8 6.5 政情不安 ( 戦争 他 ) 1 9.5 5.8 10.9 8.7 8.9 7.5 16.1 9.2 雇用問題 ( リストラ 会社の倒産 過労死 他 ) 7.2 9.1 7.9 少子高齢化に伴う問題 ( 年金問題 老人介護問題 労働力不足 他 ) 7.8 5.3 7.6 教育現場の崩壊 2.5 4.0 4.2 科学技術災害の発生 ( 原子力災害 危険物等災害 他 ) 医療現場の崩壊 ( 医療機関不足 医師不足 他 ) 1.2 環境問題 ( 温暖化 廃棄物問題 環境汚染 エネルギー 資源枯渇 他 ) 0.9 インフラ障害に伴う問題 ( 大規模停電 システム障害 他 ) 3.1 4.3 3.2 5.5 5.9 食品の安全性の破綻 2.9 2.8 0.3 情報化に伴う問題 ( ネット犯罪 個人情報漏洩 サイバーテロ 他 ) 1.9 1.5 上記の中には特にない 2.0 2.5 無回答 0.0 3.9 設問 : 上記のような 災害や様々な危機 について 国家 ( 日本 ) として 最も脅威に感じるもの から 3 番目に脅威に感じるもの まで順番をつけた上で 最大 3 つ選択してください - 資料編 4 -
(4) 個人の対策実施状況様々な脅威に対して 個人がどのような対策を実施しているかを尋ねたところ 病気やけが 食品 事故など 自らの身を守るためにできることが多いリスクについて対策を講じている傾向が確認されました については 第 1 回調査 (2008 年 8 月 ) の結果 ( 12.5% ) から第 3 回調査で倍増しました ( 26.9% ) が 今回の調査でも減少しておらず ( 27.6% ) 対策を実施する意識がある程度定着していると考えられます 全体としては 最も多くの人が対策を講じている 病気やけが においても 41.3% に留まっており 個人による対策実施には課題や限界があると考えられます ( どちらかといえば ) 対策を講じている ( どちらかといえば ) 対策を講じていない分からない 0% 20% 40% 60% 80% 100% 病気やけが ( 災害や事故を除く ) 41.3 55.2 食品の安全性の破綻 32.2 62.2 5.6 事故に遭遇 ( 交通事故 火災 ( 放火を除く ) 他 ) 3 6 4.7 27.6 69.3 3.1 環境問題 ( 温暖化 廃棄物問題 環境汚染 エネルギー 資源枯渇 他 ) 27.2 66.7 6.1 自然災害の発生 ( 地震 風水害 その他 ) 26.4 70.7 2.9 情報化に伴う問題 ( ネット犯罪 個人情報漏洩 サイバーテロ 他 ) 23.3 68.9 7.8 22.9 71.8 5.3 14.3 76.7 8.9 インフラ障害に伴う問題 ( 大規模停電 システム障害 他 ) 7.0 84.8 8.2 設問 : 脅威に対する日頃からの備え ( 平常時の対策 準備 ) としてあなた自身は 対策を講じていると思いますか 上記に示す脅威のそれぞれについて ( どちらかといえば ) 対策を講じている ( どちらかといえば ) 対策を講じていない 分からない から選択してください - 資料編 5 -
(5) 行政の対策実施状況行政の平常時の対策 準備について ( どちらかといえば ) 対策を講じている と考える人は第 3 回調査 (2009 年 6 月 ) と比較した場合 全般的に減少しています 例えば 自然災害の発生 では 49.9% から 37.8% に については 44.0% から 31.0% へと減少しており 昨年に比べて行政による対策があまり実感されていないといえます ( どちらかといえば ) 対策を講じている ( どちらかといえば ) 対策を講じていない分からない 0% 20% 40% 60% 80% 100% 自然災害の発生 ( 地震 風水害 その他 ) 37.8 52.5 9.7 環境問題 ( 温暖化 廃棄物問題 環境汚染 エネルギー 資源枯渇 他 ) 34.0 55.7 10.3 31.0 58.0 10.9 食品の安全性の破綻 27.5 60.7 11.8 科学技術災害の発生 ( 原子力災害 危険物等災害 その他 ) 25.3 61.0 13.7 23.1 65.9 11.0 テロ 21.5 6 15.0 政情不安 ( 戦争 他 ) 2 6 15.1 インフラ障害に伴う問題 ( 大規模停電 システム障害 他 ) 16.2 64.4 19.4 16.0 70.9 13.1 情報化に伴う問題 ( ネット犯罪 個人情報漏洩 サイバーテロ 他 ) 14.1 69.6 16.3 少子高齢化に伴う問題 ( 年金問題 老人介護問題 労働力不足 他 ) 12.0 77.7 10.3 雇用問題 ( リストラ 会社の倒産 過労死 他 ) 11.3 76.8 11.8 医療現場の崩壊 ( 医療機関不足 医師不足 他 ) 78.2 11.1 教育現場の崩壊 9.7 78.0 12.3 設問 : 脅威に対する日頃からの備え ( 平常時の対策 準備 ) として国や自治体は 対策を講じていると思いますか 上記に示す脅威全てについて ( どちらかといえば ) 対策を講じている ( どちらかといえば ) 対策を講じていない 分からない から選択してください - 資料編 6 -
( 参考 )2009 年 1~12 月 最も怖いと感じたニュース 2009 年の 1 年間で 最も怖いと感じたニュース について 第 4 回調査 (2009 年 12 月 ) と同様の設問にて今回あらためて調査しました 今回 設問で挙げた 37 のニュースのうち 新型インフルエンザ A/H1N1 の流行 ( 25.1% ) と回答した人が最も多く 次いで 北朝鮮によるミサイル発射実験 核実験 ( 14.4% ) 3 番目に 世界金融不安 ( 14.2% ) という結果となりました 0% 10% 20% 30% 40% 50% 新型インフルエンザ A/H1N1 の流行 ( 通年 ) 25.1 14.9 7.5 北朝鮮によるミサイル発射実験 核実験 (4 5 7 月 ) 世界金融危機 ( 経営環境悪化による解雇問題 政府デフレ宣言等を含む )( 通年 ) 駿河湾を震源とする地震 ( 東名高速道路崩落を含む )(8 月 ) 3.7 14.4 14.2 4.1 1 10.0 9.5 8.0 島根県立大学女子学生殺人遺棄事件 (11 月 ) 3.6 2.9 2.9 中央大学教授刺殺事件 (1 月 ) 2.8 2.3 2.2 足利事件冤罪判決 ( 逮捕から 17 年後 )(10 月 ) 2.8 2.6 2.8 麻薬等乱用 蔓延問題 ( 通年 ) 2.3 6.7 裁判員制度運用開始 (5 月 ) 2.2 2.4 2.1 平成 21 年 7 月中国 九州北部豪雨 (7 月 ) 2.0 2.3 2.0 飲酒大学生永福町駅ホーム突き落し事件 (5 月 ) 1.8 2.5 2.2 秋葉原耳かき嬢ストーカー殺人事件 (7 月 ) 1.8 2.5 1.8 銀座眼科レーシック手術による感染症トラブル発覚 (2 月 ) 2.9 3.3 西淀川女児遺棄事件 (4 月 ) 1.3 花王 エコナ関連製品 特定保健用食品表示許可取下げ 販売自粛 (9 月 ) 2.1 3.0 1.3 1.7 マクラーレン社製ベビーカーによる指切断事故 (11 月 ) 3.2 1.2 0.4 香川県受精卵移植医療ミス (2 月 ) 1.0 1.2 千葉大学園芸学部女子学生殺人遺棄事件 (10 月 ) 2.8 2.1 1.2 0.9 その他 ( 上記以外で脅威と感じるニュースベスト3がある ) アリコジャパン顧客情報流出 (7 月 ) 2.1 1.5 0.9 JR 福知山線脱線事故をめぐる調査情報漏洩問題 (9 月 ) 0.7 0.6 麹町クレーン横転事故 (4 月 ) 0.2 0.6 0.5 大雪山系トムラウシ山遭難事故 (7 月 ) 0.6 1.5 埼玉県連続結婚詐欺殺人事件発覚 (10 月 ) 0.9 0.6 1.0 鳥取県連続詐欺殺人事件発覚 (11 月 ) 0.5 1.3 浅間山 桜島噴火 (2 月 ) 0.5 0.5 成田国際空港における貨物機墜落炎上事故 (3 月 ) 0.5 0.9 真相報道バンキシャ! 誤報問題(7 月 ) 0.7 0.4 0.2 愛知県うずら鳥インフルエンザ発生 (2 月 ) 1.3 0.4 1.1 群馬県老人福祉施設 たまゆら 火災 (3 月 ) 0.4 0.3 メガライナー ( 大型バス ) 出火事故 (5 月 9 月 ) 0.3 0.4 1.7 ペッパーランチO-157 食中毒 (9 月 ) 1.8 0.3 0.9 九州電力玄海原子力発電所プルサーマル発電開始 (11 月 ) 0.1 0.2 0.1 L&G 円天 詐欺事件(2 月 ) 0.2 0.2 0.9 板橋区クレーン横転事故 (6 月 ) 0.2 0.2 大阪市東成区消火器破裂による負傷事故 (9 月 ) 0.5 0.0 0.3 改正臓器移植法案成立 (7 月 ) 特にない 6.2 0.0 無回答 2.5 5.4 7.6 12.3 設問 : 上記の 2009 年の 1 年間に発生した出来事のうち あなたの生活の安全性を脅かした ( 怖いと感じた ) ニュースについて 最も怖いと感じたもの から 3 番目に怖いと感じたもの まで順番をつけて 3 つ選択してください 以上 - 資料編 7 -