Microsoft PowerPoint - 【資料6】生命保険協会提出資料

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運用商品一覧 作成日 :2019 年 10 月 8 日 規約名 フジ アスティ企業型確定拠出年金 運営管理機関名 第一生命保険株式会社 < 商品ラインアップの選定 > 選定理由 複数の資産に分散投資を行うバランス型投資信託と 基本 4 資産 ( 国内外の株式 債券 ) を投資対象とする単一資産型投資

1. 指定運用方法の規定整備 今般の改正により 商品選択の失念等により運用商品を選択しない者への対応として あらかじめ定められた指定運用方法 に係る規定が整備されます 指定運用方法とは 施行日(2018 年 5 月 1 日 ) 以降 新たに確定拠出年金制度に加入された方が 最初の掛金納付日から確定拠

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Microsoft Word - 法令解釈通知(新旧)

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【資料3-1】投資信託協会提出資料

も は により が される があります 3 で が した には を に する の が です 1

スライド 1

リターン大2 運用商品を選ぼう 確定拠出年金は 自分で選んだ商品で運用し その運用結果によって将来の受け取り額が決まります なお 投資信託は預金とは異なり 運用の結果によっては損失が生じる可能性があります ご加入の方からの運用指図がないご資産は 未指図資産という現金相当の資産として管理されます 所定

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年金制度の体系 現状 ( 平成 26 年 3 月末現在 ) 加入員数 48 万人 加入者数 18 万人 加入者数 464 万人 加入者数 788 万人 加入員数 408 万人 国民年金基金 確定拠出年金 ( 個人型 D C ) 確定拠出年金 ( 企業型 DC) 厚生年金保険 被保険者数 3,527

基本方針に関する取組状況

確定拠出年金(DC)における継続投資教育の効果

ハッピーエイジング 30 損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント バランス資産配分固定型信託報酬 ( 年率 税込 ) % 国内外の株式 ( 新興国含む ) 債券に分散投資 / 外貨建資産の為替ヘッジ 国内外の株式比率は 70% を基本とします 合成ベンチマークを上回る運用成果を目指しま

年金制度のポイント

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SBI証券、個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)についての個人投資家向けアンケート調査

確定拠出年金制度に関する改善要望について

個人型確定拠出年金の加入対象者の拡大

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中小企業退職金共済制度加入企業の実態に関する調査結果の概要

将来返上認可 過去返上認可 6 基金 解散認可 1 基金 一括納付による解散である 3 指定基金制度ア概要年金給付等に要する積立金の積立水準が著しく低い基金を 厚生労働大臣が指定します この指定された基金に対して 5 年間の財政健全化計画を作成させ これに基づき事業運営を行うよう重点的に指導すること

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スライド 1

企業年金のポータビリティ制度 ホ ータヒ リティ制度を活用しない場合 定年後 : 企業年金なし A 社 :9 年 B 社 :9 年 C 社 :9 年 定年 ホ ータヒ リティ制度を活用する場合 ホ ータヒ リティ制度活用 ホ ータヒ リティ制度活用 定年後 :27 年分を通算した企業年金を受給 A

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2/5 ヘ ーシ Q1. 年金通算とは何ですか? A. これまで各企業や基金では 加入者の老後の安定の一助となるよう さまざまな年金制度をつくり運営してきました しかし 従来の終身雇用を前提とした制度では 現代のライフスタイルに対応することが難しくなってきています 転職など雇用の流動化に対応し これ

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さくらグループ厚生年金基金制度の今後について 安定した年金給付を継続していくため 厚生年金基金制度の見直しを進めています はじめに はじめに さくらグループ厚生年金基金は 平成 9 年 4 月に設立され これまで退職された多くの加入員の皆様に一時金給付や年金給付を行ってきました また 基金制度は当社

Ⅰ. 厚生年金基金の取扱について 1. 残余財産の分配について (1) 分配の有無 Q1: 代行部分返納後に残余財産があれば 基金の上乗せ部分に係る 分配金 として 加入者 受給待期者 受給者に分配することになりますが 現時点および最終時点で残余財産はいくらになりますか? A1: 仮に平成 27 年

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基金通信

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そくりょう DC のしくみ スケールメリットを活かした高品質で低コストな確定拠出年金制度の枠組み 事務取り纏めスキーム 標準スキーム 個別事務スキーム オプションスキーム 企業 A 企業 B 企業 C 企業 D 企業 E 企業 F 代表事業主 ( 全国測量業厚生年金基金 ) 子会社を参加させることも

みずほインサイト 政策 2018 年 10 月 18 日 ideco 加入者数が 100 万人超え加入率引き上げへさらなる制度見直しを 政策調査部上席主任研究員堀江奈保子 naoko. ideco( 個人型確定拠出年金 ) の加入

確定拠出年金制度に関する改善要望について

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確定拠出年金向け説明資料 スミセイのスーパー積立年金 (10 年 ) 確定拠出年金保険 ( 単位保険別利率設定型 /10 年 ) 商品提供会社 : 住友生命保険相互会社 運営管理機関 : 労働金庫連合会 本商品は元本確保型の商品です 1. 基本的性格 払込保険料は 毎月 1 日に新たに設定される保険

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b. 通算加入者等期間に算入する期間及び移換申出の手続きア. 移換元制度の算定基礎期間を ( 重複しない範囲で ) 全部合算することイ. 移換申出の手続きは 本人が移換元事業主に対して行うこと c. 手数料移換に関する手数料はかからないこと d. 課税関係確定給付企業年金の本人拠出相当額は拠出時にも

個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入状況

( 別紙 ) 本日の委員会の概要内容は必要と思われる箇所を抜粋し 弊社として解釈のうえ記載したものであることを予めご理解願います (1) 企国課長からの説明 ( 配布資料 1~3) ( 説明の概要 ) 1 これまでの主な意見の整理 ( 資料 1) 厚生年金本体の将来の財政への影響は可能な限り回避すべ

○ 問合せ先専用フリーダイヤル

することを可能とするとともに 投資対象についても 株式以外の有価証券を対象に加えることとする ただし 指標連動型 ETF( 現物拠出 現物交換型 ETF 及び 金銭拠出 現物交換型 ETFのうち指標に連動するもの ) について 満たすべき要件を設けることとする 具体的には 1 現物拠出型 ETFにつ

なるほどNISA 第9回 財形貯蓄・確定拠出年金などとの違い

個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入状況

ることにより 例えば 掛金の年払いや半年払いが可能になるほか 賞与の支給月に通常月より多く拠出することも可能になる (2) ライフコースの多様化への対応働き方の多様化が進むなか 生涯にわたり継続的に老後に向けた自助努力を行う環境を整備するため 以下の改正が行われる a. 個人型 DCの加入対象者の拡

農中確定拠出年金 1 年定期 ( プラン名 : みずほ J 個人型プラン ) 相手方農林中央金庫種類定期預金預入機間 1 年 ( プラン名 : 四国みずほ ) ( 受付金融機関四国銀行 ) 5 71 株式会社みずほ銀行 (

ファンド名説明 ifree 8 資産バランス 本を含む世界の 8 資産へ均等に分散投資します 株式および不動産投資信託に投資することで世界の経済成 の果実を享受するとともに これらとは値動きの異なる債券にも投資することで安定した収益の確保も期待できます これまで預貯 中 だったお客様が幅広く資産を分

ピクテ・インカム・コレクション・ファンド(毎月分配型)

柔軟で弾力的な給付設計について

いとなります 年 9 月 12 日現在 マネックス証券調べ マネックス証券の ideco 取扱い商品ラインアップ 分類 ( 投資対象地域 ) パッシブ 名称 ( は ideco 初 ) [ 運用会社名 ] 実質的な運用管理報酬 ( 年率 税込 ) 国内株式 DIAM DC 国内株式イン

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日韓比較(10):非正規雇用-その4 なぜ雇用形態により人件費は異なるのか?―賃金水準や社会保険の適用率に差があるのが主な原因―

1. 口座管理機関 ( 証券会社 ) の意見概要 A 案 ( 部会資料 23: 配当金参考案ベース ) と B 案 ( 部会資料 23: 共通番号参考案ベース ) のいずれが望ましいか 口座管理機 関 ( 証券会社 ) で構成される日証協の WG で意見照会したところ 次頁のとおり各観点において様々

る 連合会は 管理運用の方針の策定及び変更等退職等年金給付調整積立金の管理及び運用に係る専門的事項を検討する場合には 資金運用委員会の専門的知見を活用する 3 退職等年金給付調整積立金の管理及び運用におけるリスク管理連合会は 連合会を除く管理運用機関 ( 組合 市町村連合会及び連合会をいう 以下同じ

確定拠出年金制度に関する改善要望について

移換手続きの手引き (60 歳前に企業型 DC のある企業をご退職されたお客さまへ ) この資料では 確定拠出年金を DC (Defined Contribution) と記載しています 北陸銀行 平成 30 年 4 月現在

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< 目的 > 専ら被保険者の利益 にはそぐわない目的で運用が行われるとの懸念を払拭し 運用に対する国民の信頼を高める 運用の多様化 高度化が進む中で 適切にリスクを管理しつつ 機動的な対応を可能に GPIF ガバナンス強化のイメージ ( 案 ) < 方向性 > 1 独任制から合議制への転換基本ポート

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1度を知ろう日本の年金制度 4 階建ての建物になぞらえることができます 国民年金基金 企業型確定拠出年金加入者については 規約に定めがある場合に限ります 企業型確定拠出年金 厚生年金基金 その他の企業年金 ( 企業年金 ) 厚生年金 ( 公的年金 ) 国民年金 ( 公的年金 ) 年金払い退職給付 4

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運用商品ラインアップ 運用商品の詳細および最新の運用実績等については ホームページからご確認ください 区分 商品 コード パッシブ型 商品名 セレクション 日本インデックス 信託財産 信託報酬率 年率 税込 留保額 商品概要 主に日本のに投資します % 委託会社 商品 コード

( 別紙 ) 本日の委員会の概要内容は必要と思われる箇所を抜粋し 弊社として解釈のうえ記載したものであることを予めご理解願います (1) 企業年金連合会からの説明 ( 配布資料 ) 資料に加え 以下のような意見が述べられた 厚生年金基金制度は厚生労働省の指導を受けながら労使合意のもとお

確定拠出年金とは 確定拠出年金は 公的年金に上乗せして給付を受ける私的年金のひとつです 基礎年金 厚生年金保険と組み合わせることで より豊かな老後生活を実現することが可能となります 確定拠出年金には 個人型 と 企業型 のつのタイプがあります 個人型確定拠出年金の加入者は これまで企業年金のない企業

ご自身の加入限度額は? 加入条件 お さまの 性 自 者 年金 者種 1 者 に確定 年金や 確定拠出年金 ( 型 ) がない 確定拠出年金 ( 型 ) に加入している 2 者 加入できる 確定 年金がある 者 基本的には 60 歳未満のすべての方 にご加入いただけます 国民年金を免除されている方等

図 -33 退職金制度の有無 第 33 表退職金制度の有無とその根拠 ( 事業所数の割合 ) (%) 退職金退職金制度の根拠退職金区分合計制度有労働協約就業規則社内規定その他無回答制度無調査計 (100.0) (3.0) (

(4) インターネット投資信託のご契約数 普及率 25,000 20,000 15,000 10,000 普及率 投資信託口座数に対するインターネット投資信託のご契約率 2. 商品ラインアップ ご契約数普及率 (%) 14,178 14, % 21.2% 16,266 多様な商品のライ

4. つみたてNISA 商品のおもな選定理由について (1) つみたてNISA は長期運用 資産分散 時間分散により 投資リスクを低減しながらリターンを目指す制度であることから 商品選定にあたっては 長期運用と資産分散の観点を重視しました (2) 複数の投資信託商品を購入いただき組合せるのではなく

ideco CHOICE 個人型確定拠出年金 (ideco) の 対象商品をどう選ぶ? 選べる商品はこの 2 タイプ 元本確保型 元本変動型 元本を確保 100 元本の変動がある 定期預金 みずほ DC 定期預金 (1 年 ) 投資信託 株式 債券 バランスなど計 2 7 本 投資信託

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参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

確定拠出年金小委員会とりまとめについて.PDF

GPIFのオルタナティブ投資について 現行中期計画( 基本ポートフォリオ ) における位置付け 分散投資によるリスクの低減や運用の効率化を進めるため 基本ポートフォリオにおいて オルタナティブ資産での運用について明記 ( 平成 26 年 10 月厚生労働大臣認可 ) 運用体制の整備に伴い管理 運用さ

「つみたてNISA」専用商品の取扱開始について

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企業年金におけるスチュワードシップ・コード の受入れ促進に向けて

中小企業の退職金制度への ご提案について

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特別勘定運用レポートをご覧いただくにあたって 当資料をご覧いただく際にご留意いただきたい事項 当資料はご契約者さま等に対し 三井住友海上プライマリー生命のえがお ひろがる 積立金自動移転特約付通貨選択一般勘定移行型変額終身保険 の特別勘定および特別勘定が主たる投資対象とする投資信託の運用状況を開示す

Microsoft Word 号 ポイント制退職金制度移行

法及び国民年金法の規定によって 少なくとも 5 年ごとに国民年金及び厚生年金の財政検証を行っている 直近で行われたのは平成 26 年で 様々な経済や人口の前提に基づいて将来的な給付水準 ( 所得代替率 ) をシミュレーションしており 2050 年 60 年時点での所得代替率はいずれも約 50% にと

1 加入資格 次のいずれかに該当する方は 個人型プランに加入することができます 第 1 号被保険者となる方 自営業者とその家族 自由業 学生など 国民年金の第 1 号被保険者 第 2 号被保険者となる方 会社員や公務員 私立学校教職員など 60 歳未満の厚生年金保険の被保険者 ( 国民年金の第 2

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平成29年度企業年金税制改正に関する要望.pdf

個人情報保護法の3年ごと見直しに向けて

今後検討すべき課題について 日本経済団体連合会社会保障委員会年金改革部会長代理小林由紀子 2019 年 3 月 19 日 1

Transcription:

第 2 回社会保障審議会企業年金部会確定拠出年金の運用に関する専門委員会平成 29 年 3 月 10 日 資料 6 確定拠出年金の運用に関する専門委員会説明資料 確定拠出年金の運用改善に向けて 平成 2 9 年 3 月 1 0 日生命保険協会企業保険委員会

本日お話すること はじめに 運用商品提供数の上限について 企業型における運用商品選定にあたっての考え方 ( 第一生命の例 ) 企業型における労使合意の流れ 範囲 企業型における運用商品提供数の実態 ( 第一生命の例 ) 企業型における運用商品ラインアップの説明 企業型における運用商品提供数の上限についての意見 個人型における運用商品提供の実態および上限に関する意見 指定運用方法の基準について デフォルト商品選定にあたっての考え方 実態 デフォルト適用者への働きかけ 指定運用方法の基準についての意見 まとめ 1

はじめに 確定拠出年金の運用改善の促進のため 運用商品提供数 及び デフォルト商品設定 に関する見直しの必要性は共有している 一方 我が国の企業型確定拠出年金 ( 企業型 ) の多くは退職金制度として実施されており 労使の実情によって企業のニーズは異なることから 多様性への配慮も必要 また 個人型確定拠出年金 ( 個人型 ) の 運用商品提供数 については 加入者が自ら運営管理機関を選択できることを踏まえた検討が必要 DC 制度の設立方法と移換元の制度 従前の制度については DC へ移換した 764 まったく新規で DC 設立 175 従前の制度については解約分配 70 移換元の制度 件数 占率 退職一時金 175 23.6% 適格退職年金 493 66.6% 確定給付企業年金 77 10.4% 厚生年金基金 54 7.3% 出典 : 企業年金連合会 第 4 回確定拠出年金制度に関する実態調査 注 : 複数の制度からDCへ移換される場合があるため 合計件数は764 件を上回る 2

運用商品提供数の上限について 3

企業型における運用商品選定にあたっての考え方 ( 第一生命の例 ) 運用商品選定時の基本スタンスは以下の通り 運用商品選定の基本スタンス 1. 従業員目線のわかりやすく魅力的な運用商品 2. 事業主固有の制度内容 特性を踏まえた運用商品ラインアップの組成 3. 公平 中立な運用商品選定 4. 徹底した品質管理体制 運用商品の種類 カテゴリ種類主な選定のポイント 元本確保型 定期預金 保険 スイッチングに備えた待機資金としての活用 ペイオフ対策で複数の商品提供機関を用意することもある 満期までの保有を前提とした安定資金としての活用 受取方法のバリエーションが豊富 ( 一時金 終身年金 確定年金など ) 元本確保型以外投資信託 リスク リターン特性が異なる幅広い選択肢を用意 4

参考 運用商品選定のベースとなる商品ラインアップ ( 第一生命の例 ) 商品ラインアップの提案に際しては 以下のようなラインアップを第一次案として提示する その後 事業主との協議や労使協議を経て商品ラインアップが決定 元本確保重視投資の初心者向けラインアッフ バランス重視初心者 ~ 中上級者まで幅広い層向けラインアッフ 利回り重視投資の中上級者向けラインアッフ 生命保険 2 生命保険 2 生命保険 2 定期預金 4 定期預金 2 定期預金 1 バランス 5 バランス 5 バランス 5 国内株式 2 国内株式 3 国内株式 4 国内債券 1 国内債券 1 国内債券 1 外国 ( 先進国 ) 株式 1 外国 ( 先進国 ) 株式 1 外国 ( 先進国 ) 株式 1 外国 ( 新興国 ) 株式 1 外国 ( 先進国 ) 債券 1 外国 ( 先進国 ) 債券 1 外国 ( 先進国 ) 債券 1 外国 ( 新興国 ) 債券 1 国内不動産投信 1 国内不動産投信 1 外国 ( 先進国 ) 不動産投信 1 元本確保型 6 元本確保型 4 元本確保型 3 元本確保型以外 10 元本確保型以外 12 元本確保型以外 16 合計 16 合計 16 合計 19 定期預金の本数が多く 投資信託の選択肢が少ないため 中上級者には物足りない 基本のカテゴリがそろったバランスの良いプラン 新興国を投資対象から外すことで過度なリスクは回避 元本確保型の選択肢を減らし 投資信託の選択肢を充実 積極的に投資をしたい加入者が多い企業さま向けの構成 5

企業型における労使合意の流れ 範囲 前記の考え方で運営管理機関からラインアップ ( 案 ) を提案し 退職金制度や従業員の特性などを踏まえて 企業の労使のご担当者とすり合わせを実施し ラインアップを決定 1 運営管理機関からラインアップの提案 2 事業主と運営管理機関の協議 運用商品選定の考え方に従って 運営管理機関から商品ラインアップ ( 案 ) を提案する 商品ラインアップ ( 案 ) の協議にあたっては 次の点を考慮 - 想定利回りの有無 水準 - 従業員の投資経験 - 退職金からの移行有無 - 選択性の有無 - 運用商品のコスト 運用実績 3 労使協議 労使協議においては運営管理機関が提示する具体的な商品ラインアップ ( 案 ) について協議される その際上記 2 と同様の情報が労働組合へ提示され これらの情報も踏まえて労使協議が行われる 4 商品ラインアップ決定 6

企業型における運用商品提供数の実態 ( 第一生命の例 ) 実際に提供されている運用商品提供数は下図のとおり 運用商品の提供本数は 約 4 割の規約において 20 本を超える一方 30 本を超える運用商品を採用している規約は 1 割未満 労使協議を踏まえた次の企業ニーズから 投資対象毎に複数の選択肢を確保するよう提示されている - 加入者の知識レベルに応じて 各資産クラスに複数の選択肢を用意してほしい - 金融商品の進化に合わせて 最新の商品をラインアップしてほしい 運用商品の提供状況 ( 本数 ) 運用商品の提供状況 ( 投資対象別 ) 26~30 本 9.9% 21~25 本 22.8% 31 本以上 6.5% 3~10 本 12.1% 16~20 本 26.3% 11~15 本 22.4% 投資対象 当社平均 市場平均 1 元本確保型商品 4.2 本 4.7 本 2 主に日本株式の投資信託等 3.4 本 3.4 本 3 主に日本債券の投資信託等 1.6 本 1.4 本 4 主に外国株式の投資信託等 2.0 本 2.3 本 5 主に外国債券の投資信託等 1.8 本 1.8 本 6バランス型投資信託等 5.5 本 4.3 本 7その他 0.5 本 0.7 本 全体 ( 平均本数 ) 18.9 本 18.4 本 2017 年 1 月 20 日時点 ( 規約ベース ) 企業年金連合会 2015 年度決算確定拠出年金実態調査 による本数 7

企業型における運用商品ラインアップの説明 一般的には DC 法令に定める記載事項を満たす形で 主に 商品内容 で分類した運用商品ラインアップを説明しているケースが多い 商品内容 で分類した例 ( 第一生命 ) 8

参考 運用商品ラインアップの説明の工夫 ( 個人型の例 ) 法令要件を満たす情報開示に加え 各社が見せ方を工夫している 例えば 運用商品を加入者の運用スタイルや投資経験に応じて分類して提示することで 加入者が着目すべき商品が絞られ 加入者が商品を選びやすくなる 加入者の運用スタイル で分類した例 ( 日本生命 ) 加入者の投資経験 で分類した例 ( 第一生命 ) 9

企業型における運用商品提供数の上限についての意見 運用商品提供における選択肢の過多は加入者の選択を困難にするという側面は理解 一方 労使協議を踏まえた前述の企業ニーズから 運用商品提供数を一律に制限することは望ましくない ついては 原則は政令で定める本数を上限としつつ 例外として 選択肢を分類して提示する場合など 適切な選択が損なわれる恐れがない場合 には 労使協議により政令で定める本数を超える本数を設定できることとしてはどうか 運用商品上限数の考え方 ( イメージ ) 政令に定める数 X 本 本数 原則 X 本以下で設定 例外 X 本超の設定可能 適切な選択が損なわれる恐れがない場合 ( 例 ) 選択肢を分類して提示している場合 投資教育の充実等により金融リテラシーを高める取り組みを実施している場合 定期的に運用商品ラインアップの適切性を検証することを規約に定めた場合 10

個人型における運用商品提供の実態および上限に関する意見 運用商品選定にあたっての考え方 や 運用商品ラインアップの説明 は企業型 DC と同様 実際に提示している商品の実態 は下表のとおり 加入者は 特徴ある運営管理機関のラインアップのなかから 自分に合った運営管理機関を選択できる 運用商品提供数の上限についての意見 に関しては 個人型は加入者が運営管理機関を選択できることから上限の設定は不要と考える 個人型 DC において実際に提示している商品の実態 (HP 公表ベース ) 投資対象第一生命日本生命住友生命 スタンダード 明治安田生命 シンプル 1 元本確保型商品 1 本 2 本 3 本 2 本 1 本 2 主に日本株式の投資信託等 3 本 4 本 4 本 4 本 1 本 3 主に日本債券の投資信託等 2 本 1 本 1 本 2 本 1 本 4 主に外国株式の投資信託等 3 本 3 本 2 本 1 本 5 主に外国債券の投資信託等 3 本 4 本 2 本 1 本 6 バランス型投資信託等 8 本 4 本 5 本 5 本 2 本 7 その他 4 本 2 本 2 本 1 本 合計 24 本 20 本 19 本 16 本 5 本 11

指定運用方法の基準について 12

デフォルト商品選定にあたっての考え方 実態 デフォルト適用者への働きかけ 現行 デフォルト商品の選定においては安全性が重視されており 結果としてほとんどのケースで元本確保型が選択されている 預金と保険との比較においては 流動性と利回りのいずれをより重視するかに関する労使の選好が働いており 現状は定期預金と保険が約 50% ずつとなっている 現状 法令解釈通知において デフォルト選択者に対する通知が求められており 例えば 年 2 回発行される残高通知において選択を促すメッセージを表示する対応を実施 デフォルト商品選定にあたっての考え方 ( 第一生命の例 ) デフォルト商品の実態 ( 第一生命の例 ) 種類 定期預金 設定の視点 元本が確保されることを重視 保険と比較し より流動性を重視 傷害保険 10.9% バランスファンド 1.7% 保険 元本が確保されることを重視 定期預金と比較し より利回りを重視 生命保険 37.8% 定期預金 49.6% バランスファンド 元本の確保よりも 長期的な運用の観点から利回りを重視 13

指定運用方法の基準についての意見 1 分散投資効果が見込まれる商品 を指定運用方法として設定することには賛成 一方 指定運用方法を 分散投資効果が見込まれる商品 に限定することには以下の懸念があり 労使の理解が得られない場合がある - 退職金制度によってはリスクを取った運用を行わなくて良い場合がある - 業種によっては 勤続年数が短いケースや DC 加入時に 50 歳を超えているケースなど 長期投資メリットが十分に得られない場合がある DC 想定利回りの設定状況 業種毎の平均勤続年数 設定していない 252 設定した 469 DC 想定利回りとは 確定拠出年金を退職給付制度から移行する場合において 従来制度と同水準の給付額となるように資産形成するために必要となる運用利回りのこと 出典 : 企業年金連合会 2015 年度決算確定拠出年金実態調査 出典 : 厚生労働省 平成 27 年賃金構造基本統計調査の概況 に基づき作成 14

指定運用方法の基準についての意見 2 指定運用方法として設定する 分散投資効果が見込まれる商品 には 現在の法令解釈通知で示されている考え方 ( 下表参照 ) を引き続き適用することでよいのではないか 新たな商品の開発等を考慮し 個別具体的な運用方法は例示にとどめることで 商品提供機関の創意工夫の余地を残すことが望ましい また 労使の実情にあった指定運用方法を選択できるよう 元本確保型商品 も設定できるようにすべきではないか 指定運用方法に含まれるべきと考える選択肢 種類指定運用方法の要件想定する企業属性 ( イメージ ) 分散投資効果が見込まれる商品 元本確保型商品 複数の資産の組み合わせによりリスクが分散され 資産分散効果や時間分散効果が得られる運用方法 ( 法令解釈通知より抜粋 ) 商品提供機関の創意工夫を促す観点から 具体的な運用方法は例示にとどめるべき 元本が確保される運用の方法 以下のような労使の実情に応じて 元本確保型も指定運用方法として認めるべき ( 例 )- 運用リスクをとる必要性が低い場合 - 十分な運用期間を確保できず 分散投資効果が期待し難い場合 - 市場環境や加入者の金融リテラシー等を踏まえ 定期的に指定運用方法を再評価する場合 DC 想定利回りが設定されている企業 加入者の大多数に長期投資の効果が期待できる企業 DC 想定利回りが設定されていない企業または同利回りが低い企業 離転職の多い企業 長期勤続者 ( 高齢層 ) が多い企業 徐々に資産運用を浸透させていきたい企業 (PDCA の視点 ) 15

参考 指定運用方法の柔軟な取扱い 労使によっては 指定運用方法を検討する際 分散投資効果が見込まれる商品 元本確保型商品のいずれか一つを選択することが困難な場合がある そこで 単一のデフォルト商品 に加え あらかじめ選択した 複数商品の組合せ であるデフォルトポートフォリオも指定運用方法の一形態として認めることも考えられるのではないか 指定運用方法の柔軟な取扱い 単一商品を指定運用方法に設定 提示商品から 1 つの商品として設定 複数商品の組合せを指定運用方法に設定 提示商品から 1 つの組み合わせとして設定 16

まとめ DC 加入者の資産運用の改善は 老後の所得確保の観点から重要であり 当協会の会員会社も法改正の趣旨を踏まえて事業主と対話している 一方で 退職金制度の一環として実施される DC 制度においては 労使が置かれている状況は多様であり DC 制度の維持 拡大も踏まえれば DC 資産運用の改善 に加え 労使の多様性の尊重 も視野に入れる必要がある 個人型については 加入者が運営管理機関を選択できることから 運営管理機関自らの創意工夫を促すため 運用商品上限に関する特段の規制は不要と考える 企業型 DC における DC 資産運用の改善 と 労使の多様性の尊重 の両立 DC 資産運用の改善 労使の多様性の尊重 運用商品提供数の上限 運用商品提供数は原則 X 本以下 運用商品提供数の X 本超のニーズ 原則 X 本以下とし 適切な選択が損なわれる恐れがない場合 には X 本超 指定運用方法の設定 分散投資効果が見込まれる商品 元本確保型を含めた選択肢 分散投資効果が見込まれる商品および元本確保型 ( 労使の実情に応じて設定 ) 17