視察 研修会報告書 埼玉県 さいたま市 視察報告書 ( 自治体政策青年ネットワーク (JISSEN) 視察研修会 ) 写真 : さいたま市議会 平成 25 年 8 月 1 2 日 江東区議会民主党参加者 : 鈴木綾子
政策研修会 研修項目と訪問先 (8 月 1 日 ) 日時 :2013 年 8 月 1 日 ( 木 )12:45~8 月 2 日 ( 金 )15:30 主催者 : 自治体政策青年ネットワーク (JISSEN) 場所 : 衆議院議員会館 埼玉県庁 さいたま市役所 1 日目 : 政策勉強会 1. 子どもの貧困について 日時 : 平成 25 年 8 月 1 日 13:30 15:30 場所 : 衆議院第一議員会館会議室対応者 : 国立社会保障 人口問題研究所 阿部 彩氏 2. 電子書籍の普及 国立国会図書館の取組および現状 日時 : 平成 25 年 8 月 1 日 16:00 17:00 場所 : 衆議院第一議員会館会議室対応者 : 国立国会図書館電子情報部広瀬課長補佐
埼玉視察 視察項目と訪問先 (8 月 2 日 ) 2 日目 : 先進事例視察 1. 埼玉県におけるウーマノミクスの取組県庁内保育所 ( コバトン保育園 ) 視察 日時 : 平成 25 年 8 月 2 日 10:00 11:00 場所 : 埼玉県庁 県議会棟埼玉県庁内保育所 コバトン保育園 対応者 : さいたま市ウーマノミクス課 2. さいたま市における公共施設マネジメント計画日時 : 平成 25 年 8 月 2 日 13:00 14:00 場所 : さいたま市役所 議会棟対応者 : さいたま市行財政改革推進本部公共施設マネジメント推進チーム 3. さいたま市における環境未来都市実現の取組 官民連携による EV 生活向上実証実験 日時 : 平成 25 年 8 月 2 日 13:00 14:00 場所 : さいたま市役所 議会棟対応者 : さいたま市環境未来都市推進課土屋愛自課長
研修会 (JISSEN) 報告 1. 子どもの貧困について 子どもの貧困についての調査研究の第一人者である 国立社会保障 人口問題研究所の阿部彩氏にお話を伺った 前半では 子どもの貧困の現状 貧困を生み出す複合的な要因 ひとり親が抱える深刻な子どもの貧困 の状況の調査報告 後半では 子どもの貧困を解消する為の 包摂政策 について 教育 発達障害の子どもへの適切なプログラム 雇用状況の改善等の複合的なアプローチが必要であるとのお話 子どもの貧困については 要因が複雑で多岐にわたるため 包括的な取組が重要であるということを改めて認識させられた 出典 : 阿部彩氏提供資料より
研修会 (JISSEN) 報告 2. 電子書籍の普及 国立国会図書館の取組および現状 国立国会図書館の担当者より 電子書籍普及についてお話を伺った 電子書籍の市場動向 電子書籍の市場動向 日米比較 公共図書館における電子書籍の普及がなかなか進まない現状やその課題 国立国会図書館としての電子書籍の取り組み等の話を伺った 国会図書館として 資料の利用や保存の両立を図るための 古文書や歴史的資料 官報や雑誌などを中心に 資料のデジタル化を行っている取組についても説明を頂いた 公共図書館における電子書籍の取り組みについては 千代田区や佐賀県武雄市 札幌市など全国でも先進事例があるが 国家事業として資料のデジタル化を進め 広く電子化された書籍を公開できる仕組みを進めているということについて 参考になる事例を伺った 公共図書館の電子書籍利用については 著作権の課題 電子化できる図書の点数や種類がまだ限られていること ユーザー教育の視点など 解決すべき課題はあるが 国会図書館として電子化をすすめ 図書のインターネット公開が普及することで 今後全国的に電子書籍の利用が広がっていくという期待感を持てた 公共図書館への電子書籍の普及については 国の施策 先進的な自治体の事例など 今後も注目していき 江東区への提言も続けて行きたい
埼玉視察 埼玉県におけるウーマノミクスの取組 1-1. 埼玉県版ウーマノミクスとは? 現在の日本社会では 働き手の減少が経済停滞の要因となっており 出産や子育てを機に仕事を退職する女性が 6 割にのぼり 欧米諸国に比べて女性の就業率が低い状況である そこで 埼玉県では 女性の活躍によって経済を活性化することを目指し 埼玉版ウーマノミクス の取組を行っている
埼玉視察 埼玉県におけるウーマノミクスの取組 出典 : 埼玉県ウーマノミクス課提供の視察資料より抜粋 1-1. 埼玉県におけるウーマノミクスの施策概要 埼玉県版ウーマノミクスでは 働きやすい環境に変える 女性の活躍の場をつくる 消費拡大 の 3 つの観点から施策を実施 平成 24 年度の成果
埼玉視察 埼玉県におけるウーマノミクスの取組 平成 25 年度の取組 多様な働き方実践企業の認定 出典 : 埼玉県ウーマノミクス課提供の視察資料より抜粋
埼玉視察 埼玉県におけるウーマノミクスの取組 企業内保育所設置の推進 埼玉県では ウーマノミクスの一環として 企業内保育所の設置推進の為の施策を行っている 設置費用の助成 ( 上限 500 万円 ) の他 複数企業が共同で設置をする場合の運営費の助成 設置検討企業に対するアドバイザー派遣などの施策を行うなど 充実した内容である 出典 : 埼玉県ウーマノミクス課提供の視察資料より抜粋写真 : 視察風景
埼玉視察 埼玉県におけるウーマノミクスの取組 県庁内モデル保育所 コバトン保育園 視察 コバトン保育園は 埼玉県庁に隣接する職員会館内に 県庁と企業 病院 福祉施設が 共同で利用 する新しいタイプの企業内保育所 保育園は県庁の職員の子どもだけではなく 企業に勤める子どもも利用可能 受け入れ枠は 15 県庁職員の子ども 3 人 民間企業の子ども 12 人という枠で運用 県職員以外の子どもが入所する場合は 園への直接申し込みではなく 利用者の企業に運営協議会に企業が入り 県庁と利用者の企業が協定を結ぶという仕組みをとっている 現状は県職員の子ども 3 名 近隣病院の子ども 1 名が入所しており 県職員の子どもの入所は待機が発生しているとのこと
埼玉視察 埼玉県におけるウーマノミクスの取組 コバトン保育園 視察風景 所感 埼玉県のウーマノミクスの取組については 女性の活躍を促進する理念のもと 施策が体系的に整理され 運用されていた 東京都でもワークライフバランス施策は様々あるが 参考にすべき点が多かった 企業内保育所の民間枠の利用促進については課題があるものの コバトン保育園のモデルは 400 人以上の待機児童を抱える江東区にとっては 特に示唆深いものだった 企業内保育所に着いては 企業が 一社で単独で設置する場合 設置 運用にかかる費用や稼働面の問題で課題が大きいが 共同設置のモデルは大変参考になった
さいたま市視察 さいたま市における公共施設マネジメント計画 2. さいたま市における公共施設マネジメント計画の概要 さいたま市では 昭和 45-46 年に施設が集中的に建設されており 老朽化した施設の建て替えなどが課題になっている 財政面の影響を財源ベースで精査すると すべてを改修 更新するのは難しい状況にある そこで 施設の新設の抑制や複合化 長寿命化を ハコモノ と インフラ に分けて全体目標を設定し 計画 方針を作成 市民との意識共有や協働を行うなど 見える化を徹底しながら公共施設のマネジメントを行うという取組を行っている
さいたま市視察 さいたま市における公共施設マネジメント計画 さいたま市の施設の現状 さいたま市では 昭和 45-46 年に施設が集中的に建設されており 学校を中心に 築 30 年以上の施設が大半である 財政面の影響を財源ベースで精査すると すべてを改修 更新するのは難しい状況にある
さいたま市視察 さいたま市における公共施設マネジメント計画 ハコモノ三原則 インフラ三原則 の設定
さいたま市視察 さいたま市における公共施設マネジメント計画 分野別方針の策定 公共施設のマネジメントについては コミュニティ関連施設 道路 橋りょうなど 分野別に方針を設定
さいたま市視察 さいたま市における公共施設マネジメント計画 内部マネジメント 施設をつくる前の白書の更新と進行管理 ( 出口のコントロール ) つくった後の 1 分野別アクションプラン策定 2 事前協議制度の創設 ( 入口のコントロール ) など 内部マネジメントを強化 延べ床面積 200 m2以上が事前協議の対象 それ以下はチェックシートを作成
さいたま市視察 さいたま市における公共施設マネジメント計画 市民との意識の共有と協働の推進 公共施設マネジメントは重要であるが 実際に施設の複合化を行う場合 住民の合意形成が不可欠であるため 広報ツールの充実や ワークショップの実施により 市民との意識を共有し 協働の推進に力を入れている点が大変特徴的である マンガパンフレットの他 パブリックコメントの実施 シンポジウムの開催 出前講座の実施 などにより 市民への PR を推進 公共施設マネジメントの必要性について ストーリー付けを行い 市民に対して説明
さいたま市視察 さいたま市における公共施設マネジメント計画 市民との意識の共有と協働の推進 住民の合意のもと 共にまちづくりを行っていくという意識を醸成するため 該当地域の住民に対して ワークショップを実施 モデルケースを使って 複合化のポジティブな面を説明することや複合化に成功した施設のフィールドワークを交えるなどの工夫を凝らしている ワークショップのコーディネーターは 大宮と豊洲にキャンパスを持つ 芝浦工業大学の志村秀明教授
さいたま市視察 さいたま市における公共施設マネジメント計画 今後の課題 今後の公共施設マネジメントの課題として さいたま市では アクションプランの策定 複合化の実例の蓄積 台帳 データベースの一元化 マネジメントのシステム化 PPP の活用 アセットマネジメントの推進 をあげている 所感 公共施設の老朽化に伴う立て替えの問題は 全国の自治体に共通の課題であり 江東区においても課題の一つである 江東区では 公共施設白書があり 改修方針等は明示されているが さいたま市のように 全ての施設を対象としたマネジメントシステムの確立については 今後の課題であると考えられる 江東区においても 将来にわたり持続可能な施設運営ができるよう 現在の施設マネジメント状況について確認し 今後提言を行いたい
さいたま市視察 さいたま市における環境未来都市実現の取組 さいたま市では 暮らしやすく 活力のある都市として 継続的に成長する環境未来都市 の実現を目指し 国の地域活性化総合特区 ( 次世代自動車 スマートエネルギー特区 ) として 本田技研工業など 企業と連携して EV 生活向上実証実験を実施している さいたま市では これまでの取組としても E-KIZUNA プロジェクトを行い EV の普及に努めて来た経緯があり 今回の取組はこれまでの知見を生かしたもの
さいたま市視察 さいたま市における環境未来都市実現の取組 次世代自動車 スマートエネルギー特区の取組では 2012 年度から 2016 年度までの 5 年間で 3 つの重点プロジェクトを行う予定
さいたま市視察 さいたま市における環境未来都市実現の取組
さいたま市視察 さいたま市における環境未来都市実現の取組 所感 さいたま市では 都市が抱える今日的課題である 地球温暖化 エネルギー問題 少子高齢化対策と地域活性化 などの課題に対応し 先進的なエネルギーマネージメント まちづくりなどを進めていくための取組をいち早く 特区として行っている 先進技術を生かした企業とのコラボなども以前から行い 従来の行政の形にとらわれない新しい仕組みの創出などを行政として積極的に行っている 江東区においても 豊洲地区の グリーン エコアイランド構想 など先進的な取組を計画中であるが さいたま市の事例は大変参考になるものだった さいたま市の事例について今後とも注視し 江東区への提言にも結びつけていきたい