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第14章 国民年金 

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(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 16,490 円 ( 平成 29 年度 ) 付加保険料月額 400

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 15,250 円 ( 平成 26 年度 ) 付加保険料月額 400

Microsoft Word ①概要(整備令)

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国民年金

強制加入被保険者(法7) ケース1

老齢基礎年金 老齢基礎年金を受けられる方 老齢基礎年金は 原則として受給資格期間が 25 年 (300 ヵ月 ) 以上ある方が 65 歳になったときから受けられます 受給資格を満たしているときは 本人の希望により 60 歳から 70 歳までの間で年金を受け始める年齢を変更することができます (17

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高齢者福祉

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

年金・社会保険セミナー

8-1 雇用保険 雇用保険の適用基準 1 31 日以上引き続き雇用されることが見込まれること 31 日以上雇用が継続しないことが明確である場合を除き この要件に該当することとなります このため 例えば 次の場合には 雇用契約期間が31 日未満であっても 原則として 31 日以上の雇用が見込まれるもの

1 2

Q 私の経営は 一戸一法人です 今年短期間ですが意欲的に働いてくれた若い人を来春から 3 月 25 日から 10 月末まで 1 日 8 時間 週 5 日働いてもらう予定です 失業保険に加入したいと思っています 加入できますか またどんな給付が受けられますか? A 法人経営なので雇用保険は適用事業所と

目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

退職後の健康保険の任意継続ってなに?

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農業者年金は 平成 14 年に大きな制度改正がありました 平成 13 年 12 月までに加入されていた方を対象とした制度は旧制度と呼び 平成 14 年 1 月以降に加入された新制度と区別されています 新制度では 農業者老齢年金のほか 保険料の国庫補助を受けた方の補助金額分については特例付加年金として

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年金制度のしくみ 3 階私的年金みらい企業年金基金 2 階 1 階 公的年金 厚生年金 国民年金 共済年金 自営業者など会社員の配偶者会社員公務員など 国民年金の加入者区分 第 1 号被保険者 第 33 号被保険者 第 2 号被保険者 3 階建ての年金制度 日本の公的年金制度は 国民年金 から全ての

企業年金のポータビリティ制度 ホ ータヒ リティ制度を活用しない場合 定年後 : 企業年金なし A 社 :9 年 B 社 :9 年 C 社 :9 年 定年 ホ ータヒ リティ制度を活用する場合 ホ ータヒ リティ制度活用 ホ ータヒ リティ制度活用 定年後 :27 年分を通算した企業年金を受給 A

表 2 イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けることができます 支給要件 a 組合員期間が1 年以上あること b 組合員期間等が25 年以上あること (P.23の表 1 参照 ) c

新規裁定当該期間 ( 月又は年度 ) 中に新たに裁定され 年金受給権を得た者が対象であり 年金額については裁定された時点で決定された年金額 ( 年額 ) となっている なお 特別支給の老齢厚生年金の受給権者が65 歳に到達した以降 老齢基礎年金及び老齢厚生年金 ( 本来支給もしくは繰下げ支給 ) を

ただし 対象期間の翌年度から起算して3 年度目以降に追納する場合は 保険料に加算額が上乗せされます 保険料の免除や猶予を受けず保険料の未納の期間があると 1 年金額が減額される 2 年期を受給できない3 障害基礎年金や遺族基礎年金を請求できない 場合がありますのでご注意ください 全額または一部免除

第 7 章 年金 福祉 1 年金 日本の公的年金制度は, 予測できない将来へ備えるため, 社会全体で支える仕組みを基本としたものです 世代を超えて社会全体で支え合うことで給付を実現し, 生涯を通じた保障を実現するために必要です 働いている世代が支払った保険料を高齢者などの年金給付に充てるという方式で

2 厚年と国年の加入期間がある人 昭和 36 年 3 月以前 20 歳未満および 60 歳以後の厚年の被保険者期間 昭和 36 年 3 月以前の厚年期間のみの人 坑内員 船員 ( 第 3 種被保険者 ) の場合 昭和 61 年 3 月までの旧船員保険の

現在公的年金を受けている方は その年金証書 ( 請求者及び配偶者 請求者名義の預金通帳 戸籍謄本 ( 受給権発生年月日以降のもの ) 請求者の住民票コードが記載されているもの ( お持ちの場合のみ ) 障害基礎年金 受給要件 障害基礎年金は 次の要件を満たしている方の障害 ( 初診日から1 年 6か

平成 28 年 9 月度実施実技試験 損保顧客資産相談業務 139

2 障害厚生年金障害厚生年金は次の1~3の条件すべてに該当する方が受給できます 1 障害の原因となった病気やケガの初診日 ( 1) が 厚生年金保険の被保険者である期間にあること 2 障害の原因となった病気やケガによる障害の程度が 障害認定日 ( 2) に法令により定められている障害等級表 ( 3)

無年金・低年金の状況等について

社会保障に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案《概要》

障害厚生年金 厚生年金に加入している間に初診日 ( 障害のもととなった病気やけがで初めて医者にかかった日 ) がある病気やけがによって 65 歳になるまでの間に 厚生年金保険法で定める障害の状態になったときに 受給要件を満たしていれば支給される年金です なお 障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害

今回の改正によってこの規定が廃止され 労使協定の基準を設けることで対象者を選別することができなくなり 希望者全員を再雇用しなければならなくなりました ただし 今回の改正には 一定の期間の経過措置が設けられております つまり 平成 25 年 4 月 1 日以降であっても直ちに希望者全員を 歳まで再雇用

年金額の改定について 公的年金制度は平成 16 年の法改正により永久に年金財政を均衡させる従来の仕組みから おおむね ( 100 ) 年間で年金財政を均衡させる仕組みへと変わった この年金財政を均衡させる期間を 財政均衡期間 という これにより 政府は少なくとも ( 5 ) 年ごとに財政の検証をおこ

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介護保険制度 介護保険料に関する Q&A 御前崎市高齢者支援課 平成 30 年 12 月 vol.1

2 社会保障協定のねらい 社会保障協定とは 国際間の人的移動の活発化に伴う年金等における課題の解決 協定発効前 二重負担の課題 在ルクセンブルク日本企業勤務の日本人 厚生年金保険料の徴収 ルクセンブルク年金保険料の徴収 年金受給資格の確保の課題 ルクセンブルク年金の最低加入期間である10 年を満たさ

例 言 厚生年金保険被保険者厚生年金保険被保険者については 平成 27 年 10 月 1 日から被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律が施行されたことに伴い 厚生年金保険法第 2 条の5の規定に基づき 以下のように分類している 1 第 1 号厚生年金被保険者第 2

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農業者年金制度について 令和元年 8 月現在

しくみ2 厚生年金は基礎年金に上乗せ 厚生年金保険が適用されている事業所に勤めるサラリーマン等は 国民年金と厚生年金保険の2つの年金制度に加入することになります 厚生年金保険から支給される年金は 加入期間とその間の平均収入に応じて計算される報酬比例の年金となっていて 次のように基礎年金に上乗せするか

農業者年金

退職後の医療保険制度共済組合の年金制度退職後の健診/宿泊施設の利用済組合貸付金/私的年金退職手当/財形貯蓄/児童手当個人型確定拠出年金22 共イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けるこ

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() 審査確認欄 この裁定請求書の記載及び確認内容は 事実と相違ないことを確認します また 請求者は 経営継承に必要な農地等及び特定農業用施設等を保有していないことを確認します ( 自留地を除く ) 年月日 諸名義関係チェック欄 ( 該当に ) 経営移譲管理カードより転記 ( 一致 ) すること 該

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5. 退職一時金に係る就業規則のとりまとめ 退職一時金に係る就業規則の提供があった企業について 退職一時金制度の状況をとりまとめた なお 提供された就業規則を分析し 単純に集計したものであり 母集団に復元するなどの統計的な処理は行っていない 退職一時金の支給要件における勤続年数 退職一時金を支給する

平成19年度分から

基金からの支給に関する手続きのご案内

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1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

他の所得による制限と雇用保険受給による年金の停止 公務員として再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額停止となり 特別 ( 本来 ) 支給の老齢厚生年金の一部または全部に制限がかかることがあります なお 民間に再就職し厚生年金に加入された場合は 経過的職域加算額は全額支給されますが

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はじめに 定年 は人生における大きな節目です 仕事をする 働く という観点からすれば ひとつの大きな目標 ( ゴール ) であり 定年前と定年後では そのライフスタイルも大きく変わってくることでしょう また 昨今の労働力人口の減少からも 国による 働き方改革 の実現に向けては 高齢者の就業促進も大き

第七条二被用者年金各法の被保険者 組合員又は加入者 厚生年金保険法 国家公務員共済組合法 地方公務員等共済組合法 私立学校教職員共済法 国内居住要件 被用者年金各法 社会保険の適用事業所にお勤めの方 国家公務員 地方公務員 私立学校教職員 なし 年齢要件なし (65 歳以上の老齢厚生年金等の受給権者

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国民健康保険で受けられる給付 保険の給付 1 3 区分 療養の給付 2 3 負担割合 1 2 療養費として払い戻されるもの 高額療養費の支給 高額療養費の自己負担限度額 70 歳未満の方 区分 所得要件 自己負担限度額 ( 月額 )

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厚生年金基金から残余財産の交付を受けた DB の加入員期間の期間算入 解散した厚生年金基金の残余財産の交付を受けて DB を新設する際に 以下のように 解散日から DB の設立までの期間が数日空くケースが考えられる 法令上 このような取扱いはできない < 例 > 平成 27 年 9 月 28 日厚生

Ⅰ. 厚生年金基金の取扱について 1. 残余財産の分配について (1) 分配の有無 Q1: 代行部分返納後に残余財産があれば 基金の上乗せ部分に係る 分配金 として 加入者 受給待期者 受給者に分配することになりますが 現時点および最終時点で残余財産はいくらになりますか? A1: 仮に平成 27 年

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

一元化後における退職共済年金および老齢厚生年金の在職支給停止 65 歳未満の場合の年金の支給停止計算方法 ( 低在老 ) 試算表 1 年金と賃金の合算額が 28 万を超えた場合に 年金額の支給停止 ( これを 低在老 といいます ) が行われます 年金と賃金の合算額 (c) が 28 万以下の場合は

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第 1 号被保険者 資格取得の届出の受理 種別変更の届出の受理 資格喪失の承認申請 ( 任意脱退 ) の受理 資格喪失届出の受理 資格喪失の申出 第 1 号被保険者 任意加入被保険者 付加保険料の納付の申出の受理 付加保険料の納付しないことの申出の受理 に申請 届出または申出をした場合 被保険者 世

時効特例給付制度の概要 制度の概要 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律 ( 平成 19 年 7 月 6 日施行 ) に基づき 年金記録の訂正がなされた上で年金が裁定された場合には 5 年で時効消滅する部分について 時効特例給付として給付を行うこととされた 法施行前

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自動的に反映させないのは133 社 ( 支払原資を社内で準備している189 社の70.4%) で そのうち算定基礎は賃金改定とは連動しないのが123 社 (133 社の92.5%) となっている 製造業では 改定結果を算定基礎に自動的に反映させるのは26 社 ( 支払原資を社内で準備している103

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ライフプランニングと資金計画 問題 1. ファイナンシャル プランナーの顧客に対する行為に関する次の記述のうち 職 業倫理や関連法規に照らし 最も適切なものはどれか 1. 税理士資格を有しないファイナンシャル プランナーが 住宅ローン相談セミナーを開催し その出席者に対して無償で確定申告書の作成代行

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この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

国民年金基金にご加入いただいたみなさまへ

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書き方 ( 例 ) 別記第 17 号様式 農業生産法人報告書 自 至 平成 年 月 日平成 年 月 日 伊達市農業委員会会長様 平成年月日 主たる事務所の所在地伊達市 町 番地 法人の名称株式会社 代表者氏名 印電話番号 次のとおり農地法第 6 条第 1

特別障害者一人につき 75 万円を所得から控除することができます 障害者控除は 扶養控除の適用がない16 歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます ⑶ 心身障害者扶養共済掛金の控除 P128 条例の規定により地方公共団体が実施するいわゆる心身障害者扶養共済制度による契約で一定の要件を備えて

Transcription:

農業者年金 6 つのポイント 3 農業の担い手には保険料の国庫補助あり (1) 保険料の国庫補助が設けられている趣旨 農業者年金制度には 農業者の老後生活の安定及び福祉の向上 とともに 農業者の確保に資する という農業政策としての目的があります この目的を達成するよう ア若い時期から長い期間 農業の担い手として頑張る方を支援する イその中でも 農業経営が確立されずに農業所得が低い時期 ( 若い年代 ) を厚く支援する ウ家族がそろって加入する場合を支援するために 一定の要件を満たす農業の担い手に対して 保険料の国庫補助が設けられています (2) 保険料の国庫補助の要件 保険料の国庫補助は ア 60 歳までに保険料納付期間等 ( カラ期間含む ) が 20 年以上見込まれる イ農業所得 ( 配偶者 後継者の場合は支払いを受けた給料等 ) が 900 万円以下 ウ認定農業者で青色申告者など 次の 保険料の国庫補助対象者と補助額 の表の必要な要件に該当する という 3 つの要件を満たす方が 月額 2 万円のうち 1 万円から 4 千円の国庫補助 を受けることができます

保険料の国庫補助対象者と補助額 区分 1 2 3 4 必要な要件 認定農業者で青色申告者 認定就農者で青色申告者 区分 1 又は 2 の者と家族経営協定を締結し経営に参画している配偶者または後継者 ( 注 ) 認定農業者または青色申告者のいずれか一方を満たす者で 3 年以内に両方を満たすことを約束した者 国庫補助額 35 歳未満 35 歳以上 10,000 円 6,000 円 (5 割 ) (3 割 ) 10,000 円 6,000 円 (5 割 ) (3 割 ) 10,000 円 6,000 円 (5 割 ) (3 割 ) 6,000 円 4,000 円 (3 割 ) (2 割 ) 5 35 歳まで (25 歳未満の場合は 10 年以内 ) に区分 1 の者となることを約束した後継者 ( 注 ) 6,000 円 (3 割 ) - 保険料の国庫補助を受ける期間の保険料は 2 万円で固定され 加入者が負担する保険料は 2 万円から国庫補助額を差し引いた金額となります ( 注 ) 区分 3 及び区分 5 の 後継者 は経営主の直系卑属である必要があります 保険料納付期間が 20 年以上の特例 60 歳までに保険料納付期間が 20 年以上見込まれることとは 保険料を納められるのは60 歳までですから 単純には 40 歳になるまでの方でないと保険料の国庫補助は受けられなくなりますが 40 歳以上の方でも 旧農業者年金制度加入者で脱退一時金又は特例脱退一時金を受給されなかった方は 旧農業者年金制度の保険料納付済期間も新制度の保険料納付期間に合算できますので 保険料の国庫補助が受けられる場合があります 例えば 50 歳の方で 旧農業者年金制度に 10 年加入した場合には これから 10 年の保険料納付期間が見込まれ 合わせて保険料納付期間が 20 年以上となりますので この要件をクリアすることができます

保険料の国庫補助が受けられる期間は ア 35 歳未満であれば要件を満たしているすべての期間イ 35 歳以上であれば 10 年以内とされ 通算して 20 年以内となっています 保険料の国庫補助を受けられる期間が終了すると通常加入の保険料 ( 月額 2 万から6 万 7 千 ) となります 例えば 区分 1( 認定農業者で青色申告者 ) で 20 歳から加入して国庫補助を受ける場合 20 歳から 35 歳になるまでの 15 年間は1 万円の補助が 35 歳から 40 歳になるまでの 5 年間は6 千円の補助が受けられ 補助額は最高 216 万円となります なお 政策支援を受けている期間中の保険料は補助をあわせて 2 万円で固定されますが 期間終了後は通常加入 ( 通常加入への変更手続きが必要 ) に移行するため 保険料は 2 万円から 6 万 7 千円の間で千円単位で自由に設定できるようになります 20 歳加入 ( 補助対象区分 1,2,3) の場合の保険料の国庫補助 ( 金額 期間 ) 国庫補助 (5 割 10,000 円 ) 特例保険料 (5 割 10,000 円 ) 国庫補助 (3 割 6,000 円 ) 特例保険料 (7 割 14,000 円 ) 通常保険料 (20,000~67,000 円 ) 20 歳 35 歳 40 歳 60 歳 アの期間 (15 年 ) イの期間 (5 年 ) 特例保険料 10,000 円 特例保険料 14,000 円 ( 補助期間合計 20 年 ) 補助額合計 216 万円 ( 参考 1)30 歳加入の場合 30 歳 45 歳 アの期間 (5 年 ) 特例保険料 10,000 円 イの期間 (10 年 ) 特例保険料 14,000 円 ( 補助期間合計 15 年 ) 補助額合計 132 万円 ( 参考 2)39 歳加入の場合 39 歳 49 歳 イの期間 (10 年 ) 特例保険料 14,000 円 ( 補助期間合計 10 年 ) 補助額合計 72 万円

(3) 特例付加年金の受給要件 国庫補助による保険料とその運用益は 将来 農業経営から引退 ( 経営継承 ) すれば 特例付加年金として受けることができます 農業者老齢年金と特例付加年金の概念図 保険料の国庫補助 を受けない者 保険料 + 運用益 農業者老齢年金 保険料の国庫補助 国庫補助 + 運用益 経営継承 特例付加年金 を受けた者 保険料 + 運用益 農業者老齢年金 この特例付加年金を受給する要件は 以下の二つです ア保険料納付済期間が 20 年以上 次の期間の合計が 20 年以上であること ( ア ) 保険料納付済期間 ( イ ) カラ期間 ( ) ( ウ ) 旧制度の保険料納付済期間 ( エ ) 旧制度のカラ期間 カラ期間 とは 農業者年金の加入者が厚生年金の適用となるなどして農業者年金から脱退した場合に 一定の要件に該当する厚生年金の加入期間などを 年金額の算定には反映しませんが 20 年間の加入期間 に算入することができる期間です <カラ期間の例 > いずれも農業者年金の加入者が 出稼ぎで厚生年金に加入した期間 農業に従事しながら会社勤めをして ( 兼業となって ) 厚生年金に加入した期間 ( 最長 10 年 ) 農林漁業団体の常勤役員になって厚生年金に加入した期間 農業法人化して厚生年金に加入した期間 国民年金の保険料納付を免除された期間

イ経営継承 ( ア ) 農地等の権利を持っている方 対象となる農地等 1 農地 採草放牧地 2 残存耐用年数が 10 年以上の畜舎又は温室 3 残存耐用年数が 10 年未満の畜舎 温室などの農畜産物の生産に使っている施設 ( パイプを直接地面に差し込む等の簡易なビニールハウス本体は除かれます ) 権利移転等後継者又は第三者 ( 注 ) に権利の移転 設定 ( 期間 10 年以上 ) をして 農業経営から引退する後継者又は第三者 ( 注 ) に権利の移転 設定をするか 農業に使わなくする ( 売却 供用廃止 用途変更 ) かして 農業経営から引退する ( 注 ) 第三者 は 1 及び 2 と 3 では要件が異なります 1 及び 2 の第三者は 60 歳未満の経営者 農業法人 農地保有合理化法人 JA 等 3 の第三者には このような要件はありません ( イ ) 農地等の権利を持っていない方 家族経営協定の経営参画条項を変更することにより 農業経営から引退する ( 注 )( ア ) ( イ ) ともに 経営継承の時期についての年齢制限はありません 特例付加年金と経営移譲年金を併給する場合の注意点旧農業者年金に加入していた方が 経営移譲年金を受給するためには 65 歳までに経営移譲することが必要です このため 現行の農業者年金で保険料の国庫補助を受けていた方が 旧農業者年金の加入者でもあった場合 特例付加年金と経営移譲年金を併せて受給するためには 65 歳までの経営継承 ( 移譲 ) が必要となりますので 注意してください

(4) 保険料の国庫補助の活用に当たってのポイント ア 国庫補助による保険料とその運用益による年金 ( 特例付加年金 ) を受給するには 経営継承 が必要 この場合 ( ア ) 農地や農業施設の権利を持っている方の経営継承は その権利を後継者や第三者に継承 ( 移転 設定 ) する必要がありますが この経営継承の時期は 例えば 65 歳までという年齢制限はなく ご自分の体力や経営の都合に合わせた時期にすることができます このため 65 歳から農業者老齢年金を受給しながら農業を続け 65 歳以降にしかるべき時期が来た時点で 経営継承して特例付加年金を受給するという選択もできます ( イ ) 農地等の権利を持たない配偶者の経営継承は 家族経営協定を変更 ( 共同経営者 としての立場を削除 ) すればよいのです 家族経営協定と保険料の国庫補助 1 家族経営協定とは農業就業人口の 6 割は女性が占めています それにもかかわらず就業条件が不明確で 女性には利益の分配も行われない状況がみられます 家族経営協定とは 家族皆で経営方針 仕事の役割 給料 休日などについて 話し合って取り決めごとを書面にします 2 保険料の国庫補助を受けるための要件 経営主 ( 認定農業者又は認定就農者でかつ青色申告者 ) と その配偶者又は後継者 が 下記 3 の内容を定めた家族経営協定を締結していることです 3 保険料の国庫補助を受けるために家族経営協定に盛り込むべき事項 1 農業経営に関する基本的事項 ( 規模 生産方式 経営管理の方法 農業従事の態 様その他 ) についてその配偶者又は後継者の合意に基づいて決定されること 2 農業経営から生じる収益が 経営主とその配偶者又は後継者の双方に帰属するこ と 3 将来の経営継承について 経営主とその配偶者又は後継者の合意により行うこと

( ウ ) 将来 経営継承ができなかった場合には 国庫補助による保険料とその運用益による年金 ( 特例付加年金 ) は受給できなくなりますが 自分が掛けた保険料とその運用益による年金 ( 農業者老齢年金 ) は 無条件で 65 歳から受給できます イ 20 年以上加入 できること この場合 ( ア ) 旧制度 ( 平成 13 年 12 月末までの加入 ) に加入されていない方は 現行制度への加入を 40 歳の誕生月 ( ただし 各月 1 日生まれは誕生月の前月 ) までにする必要があります ( イ ) 旧制度に加入されていた方で 脱退一時金又は特例脱退一時金を受給してい ない方は 旧制度の加入期間も現行制度の加入期間に合算できます ( ウ ) 35 歳未満の方は 35 歳になるまでの期間すべてが国庫補助の対象になり 35 歳以上の方でも 10 年間は補助対象になります ( なお 両方の期間を通算して 20 年以内 ) つまり 若いうちに加入した方が補助を長く受けることができます ( エ ) 60 歳までに 20 年間の加入期間 ( カラ期間を含む ) が実現できなかった場合には 国庫補助による保険料とその運用益による年金 ( 特例付加年金 ) は受給できなくなりますが 自分が掛けた保険料とその運用益による年金 ( 農業者老齢年金 ) は 無条件で 65 歳から受給できます

ウ保険料の国庫補助を受ける期間は 自分の支払う保険料と国庫補助による保険料を合わせて月額 2 万円を超えることはできない この場合 ( ア ) 保険料の国庫補助対象期間が過ぎるか 国庫補助を受けることを選択しなく なった後に 2 万円以上の保険料を選択できることとなります ( イ ) 保険料の国庫補助を選択する期間が短くても 20 年加入要件や経営継承な どの要件を満たしていれば 国庫補助による保険料とその運用益による年金 ( 特例付加年金 ) は受給できます エ同一家族 ( 経営 ) 内で 要件を満たせば何人でも補助の対象になる この場合 農業所得 900 万円以下という所得の要件は ( ア ) 経営主は申告する農業所得の金額 ( イ ) 配偶者や後継者の方は 経営主から支払われた給料等の金額で判断すること となります つまり その経営全体の所得ではなく それぞれの所得が 900 万円以下であれば良いということです 保険料の国庫補助は 一つの経営で要件を満たせば何人でも受けられます! 最近は 配偶者や後継者の方が経営主と家族経 営協定を締結して保険料の国庫補助を受けられ る方が増えています!