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エクセルによる表計算の方法 (2): 偏差値の計算 UENO Toshihiko, Professor of Russian Politics Department of Russian Language and Studies, Faculty of Foreign Studies, Sophia University e-mail: uenot_gosudarstvo@yahoo.co.jp; URL: http://www.geocities.jp/collegelife9354/index.html エクセルを使って 二乗や平方根を含む計算をします 二乗や平方根を含む計算で一般的なのは偏差値の計算です しかし 偏差値は 一般には 学校などで成績評価のために使用されるだけです とはいえ その計算の過程で行われるさまざまな計算は 一般的な統計処理においてしばしば使われる計算ですので重要です では 偏差値とは何でしょうか 1 偏差 : 偏差値を求めるには まず偏差を求めなければなりません 偏差とは 素点の偏 ( かたよ ) り具合 あるいは散らばり具合を示す数値のことです A 君 B 君 C 君 D 君の 4 人が受けた試験の素点をそれぞれ 90 点 70 点 60 点 20 点として考えてみましょう まず (90+70+60+20) 4=60 の計算式で平均点を出します 次に各人の素点と平均点の差を出します 各人の素点から平均点を引けばよいのですが 平均点以下の D 君の場合はマイナスの数値となってしまいます 平均点より高いか低いかを問題にするのではなく 平均点から何点離れているのかということだけを問題にしているのですから 素点 - 平均点 つまり 素点- 平均点 の絶対値を出します ( 数式 α は α の絶対値 という意味です ) すると A 君 30 B 君 10 C 君 0 D 君 50 となります この数値が 偏差 で 偏差が大きいほど平均点から離れていることを意味します 2 標準偏差 : 標準偏差とは 各人の偏差の母集団全体での平均値です つまり 標準偏差は 試験を受けた全員が 全体として大きく散らばっているのか それとも平均点の前後にひとかたまりになっているのかを示すことになり 標準偏差が大きければ大きいほど 素点が大きく散らばっていることを意味します 標準偏差は 1で求めた各人の偏差の平均ということですが 注意しなければならないのは D 君のように平均点以下の人がいるので 計算の際に 素点と平均点との差の絶対値を用いなければならないことです 絶対値は 2 乗してから平方根を求めることで得られるので ( 素点 - 平均点 ) 2 の合計 学生数の平方根を求めれば 標準偏差が得られます {(90-60) 2 +(70-60) 2 +(60-60) 2 +(20-60) 2 }=900+100+0+1600=2600 これを学生数 4 で割ると 650 です その平方根 25.50 が標準偏差です ちなみに 標準偏差が 20~25 くらいが試験問題としては適切であり 標準偏差が 10~15 くらいの小さい値の場合は素点の差が出にくい試験問題ということになります 3 偏差値 : 偏差値は平均からの距離を示す数値ですが 実際の距離は 平均点の偏差値である 50 を偏差値から引いた数値です したがって 偏差値の 60 と 40 とは平均点 ( 偏差値 50) からの距離が等しいということです 計算式としては 偏差値は ( 素点 - 平均点 ) 標準偏差 10+50 の値です 各人の素点と平均点の差 ( つまり個人の偏差 ) が標準偏差の何倍かを計算し つまり ( 素点 - 平均点 ) 標準偏差を求め その数字が小さいのでわかりやすくするために 10 倍して 50 を足した数値です 50 を足すのは 偏差値をすべてプラスの数字にするためです それでは 各人の偏差値を計算してみましょう A 君 (90-60) 25.50 10+50=61.76 B 君 (70-60) 25.50 10+50=53.92 C 君 (60-60) 25.50 10+50=50 D 君 (20-60) 25.50 10+50=34.31 以上をまとめると 偏差値の計算式は以下のとおりとなります 偏差値 =( 得点 - 平均点 ) 10 ( 得点 - 平均点 ) 2 の合計 学生数 +50 上の数式の ルート記号の部分の数値が標準偏差で すでに述べたように この数値が大きければ大きいほど得点のばらつきが大きいことを意味しています 皆さん 偏差値の仕組み 少しはわかっていただけましたか? それでは 実際に偏差値の計算をやってみましょう 1

1. データのコピー 偏差値は少なくとも 50 個程度のデータがないと計算する意味がありません そこで データは 既存の もの ( ロシア語学科のある学年の学生 50 人分のあるテストの得点 ) をコピーして使うことにします 1エクセルを立ち上げます 2エクセルはそのままにしておいて Internet Explorer を立ち上げます 3リンクの Yahoo! Japan をクリックします 4Yahoo! Japan の検索窓に 上野俊彦 と入力し 検索 ボタンをクリックします 5ウェブ検索結果の 上野俊彦のホームページ (Ueno's Seminar Home) をクリックします 6 Russian Politics / Ueno s Seminar のページ( アドレスは http://www.geocities.jp/collegelife9354/index.html ) が出たら トップページの エクセル用サンプルデータ ( エクセルファイル ) ( アドレスは http://www.geocities.jp/uenot_lecture1/testsample.xls) をクリックします 7 ファイルのダウンロード の画面が出たら 開く(O) ボタンをクリックします 8データの数字が並んでいるエクセルの画面が出たら A1 にカーソルを移動させてマウスの左ボタンを押しながら B52 まで移動して A 列と B 列の 1 行目から 52 行目までを反転させます 9メニューの コピー ボタンをクリックします 10エクセルそのものを終了させてしまわないように注意しながら コピー元のデータの数字が並んでいる表の右上の ボタンをクリックします 11 クリップボードに大きな情報があります この情報をほかのプログラムに貼り付けられるようにしますか と尋ねるダイアログボックスが現れたら はい (Y) をクリックします 12コピー元の表画面だけが閉じられます エクセルが終了してしまったら エクセルをもう一度立ち上げてください 12エクセル画面上の左上の Office ボタンをクリックし メニューが出たら 新規作成 (N) をクリックします 13 新しい Book をダブルクリックして 新しい Book の Sheet1 を開きます 14カーソルを A1 に置き 貼り付け ボタンをクリックします エクセル用サンプルデータ ( エクセルファイル ) のデータが貼り付けられます 15Internet Explorer を終了します 2. 偏差値の計算の手順 2.1. データ数の計算 データ数はあらかじめわかっているとは限りませんので データ数を数えます エクセルの画面の一番左端の列に行番号があるので一番下のデータの行番号を見ればデータ数がわかるはずだと思われるかも知れませんが このデータは 学生の名簿順にテストの得点が入力されているものと考えてください 学生数が 50 名だからといっても 欠席者がいるとデータ ( テストの得点 ) の数は 50 にはなりません データ数の計算は以下の手順で行います 1カーソルをセル B53 に置きます( セル B53 をクリックします) 2 画面上部のメニューバーのいちばん右の 編集 の Σ ボタンをクリックします すると 計算式表示欄に =SUM(B45:B52) と表示されます 学生番号 55042 の学生が欠席してテストを受験していないために得点欄であるセル B44 が空白になっているからです 2

3 計算式表示欄にカーソルを移動して SUM を COUNT に B45 を B3 と書き換えて( =COUNT(B3:B52) と書き換えて) Enter キーを押します 計算式 =COUNT(B3:B52) は セル B3 からセル B52 までのデータの個数を数える という意味です 3セル B53 に 47 という計算値が自動入力され データの個数すなわち受験者数が 47 したがって欠席者数が 3 であるということがわかります 2.2. 平均点の計算 平均点は 各学生の得点の合計 受験者数 ですから まずは各学生の得点の合計を計算し それを 2.1. で求めた受験者数で割ります 計算は以下の手順で行います 1セル B54 にカーソルを移動します 2 Σ ボタンをクリックします すると 計算式表示欄に =SUM(B45:B53) と表示されます 3セル B45 からセル B53 までを囲む 点滅している枠線の角にカーソルを移動し カーソルが斜め矢印に変わったら マウスの左ボタンを押しながら 枠線を上に広げて セル B3 から始まるようにします 同様にして 枠線の下端を一段あげて 枠線がセル B52 で終わるようにします なぜならば セル B53 は得点ではなく受験者数ですので 学生の得点の合計の計算に含めてはいけないからです 4 計算式表示欄に =SUM(B3:B52) と表示されていることを確認して Enter キーを押します 5セル B54 に 2926 という計算値が自動入力されます これは各学生の得点の合計です 6セル B55 にカーソルを移動します 7 Σ ボタンをクリックします すると 計算式表示欄に =SUM(B54) と表示されます 計算式表示欄の計算式の B54 の後ろにカーソルを移動して テンキーの / ( スラッシュ ) キーを押し さらにセル B53 をクリックします 8 計算式表示欄に =SUM(B54/B53) と表示されていることを確認して Enter キーを押します 9セル B55 に 62.25532 という計算値が自動入力されます これが受験した全学生の平均点です 10 以下の方法で この数字の小数点以下第 3 位を四捨五入して小数点以下第 2 位までを表示するよう変更します 1) カーソルをセル B55 に置きます( セル B55 をクリックします) 2) 画面上部のメニューバーの左から 4 番目の 数値 の 小数点以下の表示桁数を減らす ボタンを何回かクリックし 小数点以下の桁数を 2 にします 3) セル B55 の値 すなわち平均点が 62.26 に変更されます 2.3. 標準偏差の計算 2.3.1. ( 得点 - 平均点 ) 2 の計算 標準偏差の計算は まず各学生の ( 得点 - 平均点 ) 2 の計算から始めます その方法は以下のとおりです 1カーソルをセル C3 に置きます( セル C3 をクリックします) 2 Σ ボタンをクリックします すると 計算式表示欄に =SUM(A3:B3) と表示されます 3この計算式を =SUM(B3-$B$55)*(B3-$B$55) と変更します この計算式の意味は ( 学生番号 55001 の学生の得点 - 平均点 ) 2 すなわち =SUM(B3-B55) 2 な 3

のですが 次数を使用するのではなく 次乗 (2 乗 ) が同じ数値を 2 回掛けることであるという性質を利用して =SUM(B3-B55)*(B3-B55) とし しかも この数式を コピー > 貼り付け したときに B3 の部分は B4 B5 B6 と変わっても B55 を絶対参照するようにする( つねに B55 で引き算するようにする ) ため 絶対参照の記号 $ を挿入しているのです $ の挿入は B53 を反転させている状態で F4 キーを押します 4 計算式表示欄に =SUM(B3-$B$55)*(B3-$B$55) と表示されていることを確認して Enter キーを押します 5セル C3 に 115.45 という計算値が自動入力されます なお 計算値が小数点以下第 2 位まで表示されない場合は または小数点第 3 位以下まで表示される場合は 2.2.10で示した方法で修正してください 上の3で作成した計算式は 次乗 (2 乗 ) 計算を同じ数値を 2 回かけ算するということに置き換えた計算式でしたが 次乗 (2 乗 ) 3 乗 4 乗など示すエクセルの乗数計算の関数である POWER を使うこともできます 例えば 2 5 すなわち 2 の 5 乗は エクセルの関数では =POWER(2,5) と記述します したがって =SUM(B3-$B$55)*(B3-$B$55) は =POWER((B3-$B$55),2) となります 2.3.2. 全データの ( 得点 - 平均点 ) 2 の一括自動入力 1カーソルをセル C3 に置きます( セル C3 をクリックします) 2 コピー ボタンをクリックします 3セル C4 にカーソルを移動して マウスの左ボタンを押したままカーソルをセル C52 まで移動して セル C4 からセル C52 までを反転させます 4 貼り付け ボタンをクリックします 5 全データの ( 得点 - 平均点 ) 2 の計算結果が一括自動入力されます 6 欠席者の値 ( セル C8 C34 C44 の値) を削除します 2.3.3. ( 得点 - 平均点 ) 2 の合計 の計算 1カーソルをセル C53 に置きます( セル C53 をクリックします) 2 Σ ボタンをクリックします すると 計算式表示欄に =SUM(C45:C52) と表示されます 3 計算式 =SUM(C45:C52) を 2.2.3および4で示した方法で =SUM(C3:C52) に変更します 3 Enter キーを押します 4セル C53 に 19260.94 という計算値が自動入力されます 2.3.4. ( 得点 - 平均点 ) 2 の合計 学生数 の計算 1カーソルをセル C54 に置きます( セル C54 をクリックします) 2 Σ ボタンをクリックします すると 計算式の欄に =SUM(C53) と表示されます 3 計算式表示欄にカーソルを移動して =SUM(C53) を =SUM(C53/B53) と書き換えて Enter キーを押します 4セル C54 に 409.81 という計算値が自動入力されます なお 計算値が小数点以下第 2 位まで表示されない場合は または小数点第 3 位以下まで表示される場合は 2.2.10で示した方法で修正してください 4

2.3.5. 標準偏差の計算 標準偏差は 2.3.4. で求めた ( 得点 - 平均点 ) 2 の合計 学生数 の平方根です 平方根の求め方は以下の とおりです 1カーソルをセル C55 に置きます( セル C55 をクリックします) 2 Σ ボタンをクリックします すると 計算式の欄に =SUM(C45:C54) と表示されます 3 計算式表示欄にカーソルを移動して =SUM(C45:C54) を =SQRT(C54) と書き換えて Enter キーを押します 計算式 =SQRT(C54) は セル C54 の平方根を求める という意味です 4セル C55 に 20.24369 という計算値が自動入力されます なお 計算値が小数点以下第 2 位まで表示されない場合は または小数点第 3 位以下まで表示される場合は 2.2.10で示した方法で修正してください 値は 20.24 に変更されます この値が標準偏差 すなわち得点のばらつき具合を示す数値です 2.4. 偏差値の計算 1カーソルをセル D3 に置きます( セル D3 をクリックします) 2 Σ ボタンをクリックします すると 計算式の欄に =SUM(A3:C3) と表示されます 3 計算式表示欄にカーソルを移動して =SUM(A3:C3) を =SUM(B3-$B$55)*10/$C$55+50 と書き換えて Enter キーを押します B3-$B$55 は 学生番号 55001 の学生の 得点 - 平均点 $C$55 は 2.3.5. で求めた標準偏差です 4セル D3 に 55.30767 という計算値が自動入力されます 一般に偏差値には自然数が用いられるので 2.2.10で示した方法で 小数点以下の数字を四捨五入してください 55 となります 学生番号 55001 の学生の偏差値は 55 ということになります 5 全データの偏差値を 2.3.2. で示した方法で一括自動入力します 平均点 62.26 に近い点数をとった学生 ( 例えば 学生番号 55013 55041 55046 55047 の学生 ) の偏差値が 50 またはそれに近い数値であることが確認できれば 偏差値の計算が正しくできたことがわかります 6 欠席者の値 ( セル C8 C34 C44 の値) を削除します 3. データの並べ替え データを得点順に並べ替えます その方法は以下のとおりです 1 A3 から D52 までを範囲指定して反転させます 2 画面上部のメニューバーの データ タブをクリックし 左から 3 番目の 並べ替えとフィルタ の 並べ替え ボタンをクリックします 3 並べ替え ダイアログボックスが出たら 最優先されるキー で 列 B を選択し 降順 にチェックを入れて OK ボタンをクリックします 最高得点は 学生番号 55045 の学生の 96 点 偏差値 67 であること 最低得点は 学生番号 55035 の学生の 12 点 偏差値 25 であることがわかります 5