シンポジウム 将来を見すえての病院経営 ―急性期・慢性期および療養医療の今後について―

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平成 24 年度診療報酬説明会リハビリテーション関連 平成 24 年 4 月 21 日 公益社団法人 高知県理学療法士協会 医療部

体制強化加算の施設基準にて 社会福祉士については 退院調整に関する 3 年以上の経験を有する者 であること とあるが この経験は 一般病棟等での退院調整の経験でもよいのか ( 疑義解釈その 1 問 49: 平成 26 年 3 月 31 日 ) ( 答 ) よい 体制強化加算の施設基準にて 当該病棟に

一般会計負担の考え方

Q: 療養病棟が 2 病棟 (60 床 +60 床 ) あり 人員配置が共に施設基準をクリアしている場合には 2 病棟合計の 120 床に対して医療区分 2 3 の割合が 8 割以上となればよいのでしょうか 1 病棟 (60 床 ) 毎に 8 割以上でなければならないのでしょうか A: 療養病棟入院

高齢化率が上昇する中 認定看護師は患者への直接的な看護だけでなく看護職への指導 看護体制づくりなどのさまざまな場面におけるキーパーソンとして 今後もさらなる活躍が期待されます 高齢者の生活を支える主な分野と所属状況は 以下の通りです 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 脳卒中発症直後から 患者の

リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度

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地域包括ケア病棟 緩和ケア病棟 これから迎える超高齢社会において需要が高まる 高齢者救急に重点を置き 地域包括ケア病棟と 緩和ケア病棟を開設いたしました! 社会福祉法人 恩賜財団済生会福岡県済生会八幡総合病院

資 _ 図表 37-1 人口動態 二次医療圏市区町村人口 人口密度 2025 年総人口 2040 年総人口 年総人口増減率 年総人口増減率 2015 年 人口 2025 年 人口 2040 年 人口 年 人口増減率 年 人口増減率 全国

1 届出 施設基準に 病院の一般病棟又は療養病棟の病棟 ( 病室 ) 単位で行うもの とあるが 一般病棟入院基本料や療養病棟入院基本料からの移行のみでなく障害可能である 者施設等入院基本料や亜急性期入院医療管理料 回復期リハビリテーション病棟入院料からの移行は可能か? 2 届出 当院は一般 10 対

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第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

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平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2

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脳卒中の医療連携体制を担う医療機関等における実績調査 調査内容 平成 28 年度の実績 ( 調査内容は別紙様式のとおり ) 別紙 1: 急性期の医療機能を有する医療機関用別紙 2: 急性期及び回復期の医療機能を有する医療機関用別紙 3: 回復期の医療機能を有する医療機関用別紙 4: 維持期の医療機能

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

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グループ紹介 上尾中央医科グループ 上尾中央医科グループは 関東圏を中心とする病院 老健 学校 研究所などからなる関東有数の医療機関グループです * 理念 : 愛し愛される病院 施設 * 施設 : 病院 27 老健 20 学校 3 等 * 総病床数 :9,167 床 * 総職員数 :15,534 詳

1.2 回答者の属性回答病院の設置主体は医療法人が 81.7% 社会福祉法人が 7.4% 社会医療法人が 5.7% であった ( 図表 1) ( 図表 1) 設置主体 5.7% 4.6% 0.6% n=175 医療法人 7.4% 社会福祉法人 ( 図表 3) 療養病床割合 ( 対総病床数 ) n=1

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医師等の確保対策に関する行政評価・監視結果報告書 第4-1

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

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医科診療報酬点数表関係 別添 1 在宅患者支援療養病床初期加算 在宅患者支援病床初期加算 問 1 療養病棟入院基本料の注 6の在宅患者支援療養病床初期加算及び地域包括ケア病棟入院料の注 5の在宅患者支援病床初期加算の算定要件に 人生の最終段階における医療 ケアの決定プロセスに関するガイドライン 等の

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脳血管疾患による長期入院者の受診状況~レセプトデータによる入院前から退院後5年間の受診の分析

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな

私たちの人生 病気やケガのリスクと 経済的影響は? 50 ( 千人 ) 1, 通院入院 ( 歳 )

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7 時間以上 8 時間未満 922 単位 / 回 介護予防通所リハビリテーション 変更前 変更後 要支援 Ⅰ 1812 単位 / 月 1712 単位 / 月 要支援 Ⅱ 3715 単位 / 月 3615 単位 / 月 リハビリテーションマネジメント加算 (Ⅰ) の見直し リハビリテーションマネジメン

特集 リハビリテーション科専門医のロールモデルとリハビリテーションのエビデンス Jpn J Rehabil Med 2016;53: 回復期リハビリテーション病棟をさらに進化させるために リハビリテーション科専門医に期待すること The Role Which is Expected

統合失調症患者の状態と退院可能性 (2) 自傷他害奇妙な姿勢 0% 20% 40% 60% 80% 100% ないない 0% 20% 40% 60% 80% 100% 尐ない 中程度 高い 時々 毎日 症状なし 幻覚 0% 20% 40% 60% 80% 100% 症状

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

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居宅介護支援事業者向け説明会

平成28年度診療報酬改定説明会(H )質疑応答集について

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Q3 回復期リハ病棟の施設基準とは? A3 標榜科名リハビリテーション科を標榜していること 医師病棟ごとに常勤の専任医を 1 名以上配置すること PT OT 看護職員 看護補助者 夜勤看護職員 夜勤看護補助者 リハ施設基準 病室床面積 廊下幅 その他の構造設備 リハ実施体制 日常生活機能評価 地方社

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各論第 3 章介護保険 保健福祉サービスの充実

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第 4 回医療情報化に関するタスクフォース 在宅医療 介護における情報連携の推進 議論のポイント 第 4 回タスクフォースにおいては 在宅医療 介護において共有すべき情報について リハビリ病院 介護施設 ケアマネジャー 在宅診療を行う医師のそれぞれの立場から 具体的な項目が挙げられるとともに 持続的

⑩-1【資料8カガミ】病床機能転換等の一覧

地域医療構想の概要 1 地域医療構想の位置づけ 平成 25 年 3 月に 医療法に基づき 本県の疾病対策及び医療提供体制の基本方針である第 6 期岐阜県保健医療計画を策定した 平成 27 年 4 月に施行された改正医療法に基づき 保健医療計画の一部として 将来 (2025 年 ) あるべき医療提供体

認知症医療従事者等向け研修事業要領

第 2 部 医療圏と基準病床数 ( 第 1 章医療圏 ) 第 2 部 医療圏と基準病床数 医療圏とは 地域の医療需要に対応して包括的な医療を提供していくための区域であり 具体的には 医療資源の適正な配置と医療提供体制の体系化を図るための 地域的単位のこ とです 医療圏は 医療法により 初期の診断 治

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DOTS 実施率に関する補足資料 平成 26 年 12 月 25 日 結核研究所対策支援部作成 平成 23 年 5 月に改正された 結核に関する特定感染症予防指針 に DOTS の実施状況は自治体による違いが大きく実施体制の強化が必要であること 院内 DOTS 及び地域 DOTS の実施において医療

クリニカルインディケーター 2017 の刊行にあたって 当院は開院以来 重症者にも対応できる医療 リハケア体制の整備 スタッフの量的および質的充実に向けた教育 研修体制の構築 チームアプローチの徹底や情報共有の強化 急性期病院および地域医療 介護との連携推進 生活 期リハの充実等 様々な取り組みを組

図表 リハビリテーション評価 患 者 年 齢 性 別 病 名 A 9 消化管出血 B C 9 脳梗塞 D D' E 外傷性くも幕下出血 E' 外傷性くも幕下出血 F 左中大脳動脈基始部閉塞 排尿 昼夜 コミュニ ケーション 会話困難 自立 自立 理解困難 理解困難 階段昇降 廊下歩行 トイレ歩行 病

正誤表 正誤箇所 誤 正 医科 - 基本診療料 -35/47 注 3 診療に係る費用 ( 注 2 及び注 4に規定する加算 注 3 診療に係る費用 ( 注 2 及び注 4に規定する加算 注の見直し 当該患者に対して行った第 2 章第 1 部医学管理等の 当該患者に対して行った第 2 章第 1 部医学

【資料1】結核対策について

平成18年4月制度改正にかかる請求明細書・給付管理票の記載例について

地域包括ケア病棟入院料等の主な算定要件 施設基準 地域包括ケア病棟入院料 1 地域包括ケア入院医療管理料 1 地域包括ケア病棟入院料 2 地域包括ケア入院医療管理料 2 点数 ( 日 ) 2,558 点 2,558 点 2,058 点 2,058 点 算定上限 60 日 看護配置 13 対 1 その

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摂食嚥下訓練 排泄訓練等を開始します SCU で行うリハビリテーションの様子 ROM 訓練 ( 左 ) と端坐位訓練 ( 右 ) 急性期リハビリテーションプログラムの実際病棟訓練では 病棟において坐位 起立訓練を行い 坐位耐久性が30 分以上となればリハ訓練室へ移行します 訓練室訓練では訓練室におい

脳卒中に関する留意事項 以下は 脳卒中等の脳血管疾患に罹患した労働者に対して治療と職業生活の両立支援を行うにあ たって ガイドラインの内容に加えて 特に留意すべき事項をまとめたものである 1. 脳卒中に関する基礎情報 (1) 脳卒中の発症状況と回復状況脳卒中とは脳の血管に障害がおきることで生じる疾患

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福岡県のCTやMRIと医療費の関係に関する研究

心疾患患による死亡亡数等 平成 28 年において 全国国で約 20 万人が心疾疾患を原因として死亡しており 死死亡数全体の 15.2% を占占め 死亡順順位の第 2 位であります このうち本県の死亡死亡数は 1,324 人となっています 本県県の死亡率 ( 人口 10 万対 ) は 概概ね全国より高

2011 年 11 月 2 日放送 NHCAP の概念 長崎大学病院院長 河野茂 はじめに NHCAP という言葉を 初めて聴いたかたもいらっしゃると思いますが これは Nursing and HealthCare Associated Pneumonia の略で 日本語では 医療 介護関連肺炎 と

基本料金明細 金額 基本利用料 ( 利用者負担金 ) 訪問看護基本療養費 (Ⅰ) 週 3 日まで (1 日 1 回につき ) 週 4 日目以降緩和 褥瘡ケアの専門看護師 ( 同一日に共同の訪問看護 ) 1 割負担 2 割負担 3 割負担 5, ,110 1,665 6,

介護老人保健施設 契約書

個人情報保護・情報管理・情報システム 平成22年度新採用職員合同オリエンテーション 平成22年4月2日(金) 14:40~15:50

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H まで経過措置注意喚起

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シンポジウム 1 A 会場 3 月 18 日 ( 土 ) 14:50~16:50 発症直後から生活復帰を目指すには - 急性期 ~ 回復期の時期を中心に - 座長木戸保秀 シンポジスト高橋秀寿 橋本康子仲井培雄 松山リハビリテーション病院院長埼玉医科大学国際医療センター運動 呼吸器リハビリテーション

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介護老人保健施設 ( 老健施設 ) の現状について 1. 建物の改修等について 2. 在宅強化型の収支状況について 3. 在宅復帰支援機能 在宅療養支援機能について 4. 老健施設における医療について 1

地域包括ケアシステムの構築について 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年を目途に 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 医療 介護 予防 住まい 生活支援が包括的に確保される体制 ( 地域包括ケアシステム ) の構築を実現 今後

Microsoft PowerPoint  税-1(平成28年度補てん状況把握)

届出上の注意 1 届出前 1 ヶ月の各病棟の勤務計画表 ( 勤務実績 ) 及び 2 つの勤務帯が重複する各勤務帯の申し送りの時間が分かる書類を添付すること 2 7 対 1 特別入院基本料及び 10 対 1 特別入院基本料を算定する場合には 看護職員の採用活動状況等に関する書類を添付すること

Transcription:

2016 年 2 月 4 日 ( 木 )17:30~19:30 第 10 回在宅医療推進会議ステーションコンファレンス東京 602BCD 在宅療養を支える 慢性期医療の役割 一般社団法人日本慢性期医療協会会長医療法人平成博愛会博愛記念病院理事長 武久洋三

日本の医療の特徴 フリーアクセス 病床数が多い 平均在院日数が長い 外来受診が多い 寝たきりが極端に多い 平均寿命が長く 健康寿命と解離 2016 年 1 月武久洋三作成 1

医療分野についての国際比較 (2012 年 ) ( 平均在院日数 ) アメリカイギリスドイツフランス スウェーデン 日本 平均在院日数 6.1 1 7.2 9.2 9.1 1 5.8 31.2 平均在院日数 ( 急性期 ) 5.4 1 5.9 7.8 5.1 5.6 17.5 ( 出典 ):OECD Health Data 2014 OECD Stat Extracts 注 1: 1 は 2011 年のデータ 日本はびまん性に中途半端な機能の病院が全国に散在している状態 2

寝たきりは外国はほとんど 無いと言うが 日本には どうして寝たきりが多いかを 考えたことはあるか 2016 年 1 月武久洋三作成 3

急性期での入院期間を 外国並みに短縮すれば 日本にも寝たきりは 少なくなるのではないか 2016 年 1 月武久洋三作成 4

そうすれば 安倍首相が 言うように 介護離職 を 防ぐための特養等を 50 万床も 作らなくて済むのではないか 2016 年 1 月武久洋三作成 5

日本の医療を守りながら 超高齢社会の医療を持続させる には 急性期の入院日数を短縮 し 寝たきりをなくして介護施設 の必要性を減らすことしかない 2016 年 1 月武久洋三作成 6

急性期医療の定義 病状が不安定な状態から ある程度安定した状態になるまで 平成 19 年厚生労働省 DPC 分科会 7

急性期とは 手術や急性期処置が終了して 数日間 ~1 週間 ではないか! 2015 年 2 月武久洋三作成 8

急性期病院での入院日数別 リハビリでの在院日数比較 < 全体 > =p<0.01 ** FIM 効率比較 < 全体 > FIM 効率 =1 日当たりの FIM の向上点数のこと (FIM 利得 / 在院日数 ) リハビリ提供単位数 3.77 単位 3.85 単位 リハビリ提供単位数 3.77 単位 3.85 単位 ` シャピロ ウィルクの正規性検定 マン ホイットニー検定 急性期病院での入院期間が短ければ 急性期治療後を受け持つ慢性期病院での入院期間も短いことが分かる また 急性期病院での入院期間が短い方が 1 日当たりのFIM 向上点数を示すFIM 効率も高いことが分かる 9

院入院日数( 日 ) 自80 70 60 50 40 30 20 10 急性期在院日数で比較する後方病院での入院日数 ** ** * ** ** ** ** * ** =p<0.05 =p<0.01 0 ~7D 8~14D 15~21D 22~28D 1M~2M 2M~ 急性期病院入院期間 `Kruskal-Wallis 検定 `Steel-Dwass 検定 10

( 点 ) 80 75 後方病院の入院時 FIM 点数 < 全体 > ( 急性期病院での入院日数別 ) ** ** ** =p<0.01 70 65 60 69.63 67.97 64.53 55 50 54.58 45 40 ~1M 1M~2M 2M~3M 3M~ 急性期病院入院期間 `Kruskal-Wallis 検定 `Steel-Dwass 検定 急性期病院での入院期間が長ければ 後方病院の入院時 FIM 点数が低い 11

脳血管疾患 対象者 (n) / 性別 482 名 / 男性 264 名, 女性 218 名 平均 ) 年齢 ±SD 76.2±12.2 歳 平均 ) 急性期病院在院日数 ±SD 43.1±47.1 日 平均 ) 自院在院日数 ±SD 80.2±52.7 日 平均 ) 提供単位数 ( 患者一人 1 日あたり ) 4.55 単位 急性期在院日数 対象者数 1 ヶ月未満 201 1 か月以上 281 調査期間中に死亡された方 新たな疾患の発症や急性増悪により著しく状態不良となった方を除く リハビリでの在院日数比較 < 脳血管 > 急性期病院での入院日数別 FIM 効率比較 < 脳血管 > FIM 効率 =1 日当たりの FIM の向上点数のこと (FIM 利得 / 在院日数 ) ** =p<0.01 リハビリ提供単位数 4.68 単位 4.46 単位 ` シャピロ ウィルクの正規性検定 マン ホイットニー検定 リハビリ提供単位数 4.68 単位 4.46 単位 12

対象者 (n) / 性別 平均 ) 年齢 ±SD 平均 ) 急性期病院在院日数 ±SD 平均 ) 自院在院日数 ±SD 廃用症候群ほか ( 呼吸器疾患 内臓疾患など ) 平均 ) 提供単位数 ( 患者一人 1 日あたり ) リハビリでの在院日数比較 < 廃用ほか > 480 名 / 男性 271 名, 女性 209 名 81.5±9.6 歳 45.3±44.9 日 54.1±35.9 日 3.00 単位 急性期病院での入院日数別 ** ** =p<0.01 急性期在院日数 対象者数 1 か月未満 208 1 ヶ月以上 272 調査期間中に死亡された方 新たな疾患の発症や急性増悪により著しく状態不良となった方を除く FIM 効率比較 < 廃用ほか > FIM 効率 =1 日当たりの FIM の向上点数のこと (FIM 利得 / 在院日数 ) リハビリ提供単位数 2.76 単位 2.87 単位 ` シャピロ ウィルクの正規性検定 マン ホイットニー検定 リハビリ提供単位数 2.76 単位 2.87 単位 13

対象者 (n) 平均 ) 年齢 ±SD 回復期リハ病棟 平均 ) 急性期病院在院日数 ±SD 平均 ) 自院在院日数 ±SD 平均 ) 提供単位数 ( 患者一人 1 日あたり ) 646 名 78.4±12.3 歳 37.4±37.6 日 78.2±41.2 日 5.92 単位 リハビリでの在院日数比較 < 地域包括ケア病棟 > 急性期病院での入院日数別 ** =p<0.01 急性期在院日数 対象者数 1 か月未満 301 1 ヶ月以上 345 調査期間中に死亡された方 新たな疾患の発症や急性増悪により著しく状態不良となった方を除く FIM 効率比較 < 地域包括ケア病棟 > FIM 効率 =1 日当たりの FIM の向上点数のこと (FIM 利得 / 在院日数 ) リハビリ提供単位数 5.69 単位 6.18 単位 ` シャピロ ウィルクの正規性検定 マン ホイットニー検定 リハビリ提供単位数 5.69 単位 6.18 単位 14

たとえ動けなくてもまずは口から食べ て自分で排泄出来ることは人間の原点 2014 年 3 月武久洋三作成 15

リハビリテーションにおける医療と介護の連携に関する調査 リハビリの実施内容 ( 複数回答 ) 図表 17 通所リハ (n=3,415) リハビリ継続理由 : 本人回答 ( 複数回答 ) 図表 45 通所リハ (n=2,786) 痛み 痛みを治したい 心身機能 身体機能を治したい 筋力や体力をつけたい歩けるようになりたい 言葉や記憶を治したい ADL IADL 排泄などの動作ができるようになりたい ( 注 1) 家事ができるようになりたい ( 注 2) 社会的活動 社会的活動をできるようになりたい ( 注 3) その他 職員やなじみの仲間などに会いたい 専門のリハビリテーションを受けたい 何となく続けている 注 1) 選択肢全文は 日常生活を送る上での基本的な動作 ( 移動や食事 排泄 入浴 着替えなど ) ができるようになりたい 注 2) 買い物や掃除 料理など家事ができるようになりたい 注 3) 病気やけがになる前に行っていた趣味活動や仕事をするなどの社会的活動をできるようになりたい 平成 27 年 5 月 20 日第 122 回介護給付費分科会リハビリテーションにおける医療と介護の連携に関する調査研究事業 ( 結果概要 ) より 16

17

着用している下衣 ( パンツ ) の変化 初期にバルーンやオムツだった患者さんが リハパンや布パンツに移行できている 入院時にバルーンとオムツで 64% を占めていたが 退院時にオムツを着用している者は 3% までに減少している 18

高齢になれば手術をしても 1 年ももたない のであれば意味がないから手術はする べきではないと公言する人がいる 2011.5 月武久洋三作成 19

やっと死ねたのに 無意味な心肺蘇生を する必要があるのか 2011.5 月武久洋三作成 20

儀式のように家族が間に合うように 生かしておいて下さいとは 儀式のような意味ない 心肺蘇生はすべきなのか 2011.5 月武久洋三作成 21

折角 死ねたのに 生き返らせられるとは 2011.5 月武久洋三作成 22

医療は家族の 言いなりにするのか 2011.5 月武久洋三作成 23

医療の主体性と独自性 専門性はどこにいったのか 2011.5 月武久洋三作成 24

老衰は病気ではない という考え方 それを誰が判定するか 2011.5 月武久洋三作成 25

一方で食べなくなったら もうターミナルなのだから 何もしないでよいという矛盾 2011.5 月武久洋三作成 26

ターミナル論争の勘違い 本来は心肺停止となった時にCPRをするかどうかの意味であったのが 高齢になったので病気になっても一切治療しなくてよいのではないか という意味にすりかえられている怖さ 2013 年 11 月武久洋三作成 27

2014 年 8 月 21 日厚生労働省平成 26 年度人生の最終段階における医療体制整備事業説明会資料より 28

2014 年 8 月 21 日厚生労働省平成 26 年度人生の最終段階における医療体制整備事業説明会資料より 29

ターミナルの定義 1) 癌末期であり多臓器不全に陥っている状態 2) 重症感染症により 治療にもかかわらず多臓器不全に陥っている状態 3) 重篤 進行性である基礎疾患を背景に呼吸不全となり 治療にもかかわらず悪化の一途を辿り 改善の見込みがない状態 上記 1)~3) のいずれかの状態にあり いかなる治療をしたと しても 余命 1 ヶ月未満であると医師が判断した場合と定義する 博愛記念病院ターミナルの定義 30

ターミナル患者に胃瘻を造設 しても仕方ないと言われるが 胃瘻で長く生きる人は内臓機能 が良好ということである ターミナルではないということだ 2016 年 1 月武久洋三作成 31

これからは在宅に関わらない病院は 地域の中で生きていけない 2014 年 10 月武久洋三作成 32

慢性期医療の範囲 一般慢性期病床 地域包括ケア病棟 回復期リハビリ病棟 医療療養病床 ( 在宅復帰機能強化型 重度長期慢性期病床 ) 障害者等入院基本料算定病棟 特殊疾患病棟 介護療養型医療施設 介護老人保健施設 介護老人福祉施設に於ける医療 SNW SNR 在宅及び居住系施設に於ける医療 2015 年 8 月武久洋三作成 33

医療はどんどん高度となり 医療ニーズに対して専門職の 相対的不足がある上に 患者側の 要望も複雑化してきている 2015 年 9 月武久洋三作成 34

在宅の往診や訪問看護について 重症患者に対するサービスを 評価するべきではないか 2015 年 9 月武久洋三作成 35

認定看護師 と 特定看護師 とは根本的に異なるものである 認定看護師 とは看護業務のレベルを日本看護協会が認定したもの 特定看護師 とは 医師の業務の一部を看護師が行うことができることを厚生労働省が認めた資格 2015 年 9 月武久洋三作成 36

特定看護師は急性期医療 特に ICU,HCU にて必要というよりも 慢性期医療にこそ必要である 2015 年 9 月武久洋三作成 37

急性期病院 (AH) ( 高度急性期 ) 病院分類 多機能病院 (MFH) 専門病院 (SH) 2015 年 11 月武久洋三作成 38

5:1(HCU,ICU) 7:1 10:1 病棟機能分類 地域包括 (10:1~13:1) 回復期リハ (13:1) 15:1 20:1 25:1 2015 年 11 月武久洋三作成 39

病院内施設として認めてもよい機能 介護療養型医療施設 SNW HCF SNR 老健 特養 GH CH 2015 年 11 月武久洋三作成 40

老健 病院C H 2015 年 11 月武久洋三作成 特養 G H MFH リハセンター老健特養 SNR HCF 慢性期回リハ地域包括 7:1 手術 処置外来厨房外 41

病院内介護施設や SNR は あくまでも在宅復帰を目途とする ものとする 社福の特養は 収容型を 容認することにより 差を明確にする方がよい 2016 年 2 月武久洋三作成 42

地域包括ケアシステムの 施設連携は水平型から 垂直型になるだろう 2016 年 1 月武久洋三作成 43

良質な在宅医療がなければ 日本の医療は成り立たない 2015 年 2 月武久洋三作成 44