平成27年度 小・中道徳教育 研究の実際2

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4 研究主題との関連 自分を見つめ 友達の思いを大切にする子供の育成 道徳授業の充実を通して 研究主題に迫るために 4 年生では子供たちの目指すべき児童像を 自分の思いを見つめる子 友達の思いに気付く子とした また 目指すべき具体的な児童像を 資料の世界観に浸り 登場人物に自分を重ねながら登場人物の

Taro-6年HP

(3) 資料について本資料は混雑したお店で孫が積んである段ボールを崩してしまい困っているおばあさんの代わりに わたし とその友達の友子が 整理していると 事情の知らない店員に叱られてしまう その後 おばあさんにお礼を言われたが わたし と友子はすっきりしないで帰る 数日後 店員からお詫びの手紙が来た

平成27年度 小・中道徳教育 研究の実際6

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

道徳学習指導案

Microsoft Word - 24授業実践.docx

第 3 学年道徳学習指導案 1 主題名どうすることが正しいか 1-(3) 勇気 平成 27 年 9 月 11 日 ( 金 ) 第 3 学年 2 組 34 名 授業者久米亨 2 資料名 思いきって言ったらどうなるの? ( 出典 : 光文書院 ) 3 主題設定の理由 (1) ねらいとする価値について中学

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第 2 学年道徳学習指導案 平成 27 年 6 月 12 日 ( 金 ) 第 2 学年 2 組 34 名授業者川田聡子 1 主題名友達と助け合う心 2-(3) 信頼 友情 助け合い 2 資料名 森のともだち ( 出典 : 東京書籍 みんなたのしく ) 3 主題設定の理由 (1) ねらいとする価値につ

この時期の児童は 自己主張が強くなりがちである 友だちと意見がくい違うと 一方的に自分の意見が正しいと信じ込み 相手の立場や気持ちを受け入れようとしない場面が多々ある しかし 時間がたつと冷静に判断でき どうすべきなのかわかるときもある そこで 自分と異なる意見にも耳を傾け 相手の立場や気持ちを認め

2年生学級活動(性に関する指導)指導案

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「埼玉発世界行き」高校生留学奨学金交付要綱

(3) 教材について本教材は ピアノの稽古に一緒に行く約束をしたよし子とえり子の話である それぞれの思いで行動した結果 心がすれ違ってしまう どう考えて行動すればよかったのか 同じ出来事を二人がそれぞれの立場から書いた日記でそれぞれの思いを知ることができる そこで 本時では よし子の日記を読んで話し

生徒自身, 思いやりをもった行動ができたと感じていても, 相手の立場に立った行動になっていないこともあるこのキャストの心情を考えることで, 相手の気持ちや立場に共感し, 相手のことを考えた上でキャストがとった思いやりある行動, 親切な行為を学ばせたい (4) 生徒の実態と関わらせた指導の方策 ( 指

解答類型

第 5 学年道徳学習指導案 研究主題 摂津市立鳥飼北小学校 指導者 一人ひとりの力を伸ばし 自尊感情を高め 互いに学び合える授業をめざす 1 正しく読み取る力を育成する 2 自尊感情を高め 道徳性を高める 研究仮説 Ⅰ 国語科の授業を中心に 読む 書く についての取り組みを行うことで 正しく読みとる

いとする価値 生命の尊さ と自己の生き方との関わりについて, さらに考えを深める時間としたい これは, 内容項目 生命の尊さを知り, 生命あるものを大切にすること に関する学習を道徳の時間を要にし, 関連する各教科 領域または日常生活と組み合わせて作成したものである 導入では, 生命に関する価値を確

う来なかった 翌々日の月曜日 あきらは じゅんに いいよ と返事をもらったのに どうしてこなかったのか と詰め寄った それに対して じゅんからは いいよ って 断ったじゃないか という返事が返ってきた という内容である ここでは 文字だけで思いを伝える難しさと 相手の立場をよく考えて情報を発信する大

あなたの立場とわたしの気持ち

平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

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意見にも なぜそう考えるのか根拠を示した上で 相手にきちんと伝えることなどを指導してきた 道徳の授業においては 相手の立場や気持ちを考え 広い心で人の過ちを許そうとする心情を育てたいと考え 6 月に お別れ会 2 -( 4 )( 学研 ) を行った 児童は 自分を見つめる場面で 友だちが一緒に遊びに

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Microsoft Word - 小学校第6学年国語科「鳥獣戯画を読む」

Microsoft Word - 社会科

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< 心の中でおうえんしながらそっと見守ったぼく > ぼくの状況 家に用事があったけれど じっとおばあさんを見ていた < 最初に声をかけたぼく > ぼくの状況 お母さんのお手伝いをする約束を果たすため 下校を急いでいた おばあさんの状況 不自由な足を一生懸命動かして坂を上っている この間より足どりが重

いろいろな衣装を知ろう

道徳の時間学習指導案 指導者 T1 長手英克 T2 浜井綾子 1 学年第 4 学年 15 名 2 主題名本当の友達 B 友情, 信頼 3 ねらいなつみに逆上がりを教えようと思うようになったてつおの気持ちを考えることを通して, 友達には自分とは違ったよさがあり, それぞれが力を発揮すると一人ではできな

Microsoft Word - 第3学年国語科学習指導案 .docx

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道徳学習指導案

道徳学習指導案

平成27年4月1日

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

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案3                            ⑤なかまの誘い方(小学校低学年)

国語科学習指導案様式(案)

中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

Microsoft Word - 6年国語「パネルディスカッションをしよう」

られる 日常の生活場面でも, そのことを裏付けるような行動が時折見られることがある (3) 教材について 1 教材名 手品師 出典 : 新しい道徳 6 東京書籍 2 価値 A-(2) 正直, 誠実 3 教材について本教材は, あまり売れない手品師が大劇場のステージに立てるチャンスを捨て, 男の子と交

小学校 第○学年 学級活動(給食)指導案

4. 評価規準集団活動や生活への関心 意欲 態度学級や学校の生活の充実と向上にかかわる問題に関心をもち 他の児童と協力して自主的に集団活動に取り組もうとしている 集団の一員としての思考 判断 実践楽しく豊かな学級や学校の生活をつくるために話し合い 自己の役割や責任 集団としてのよりよい方法などについ

<小学校 生活科>

教材文の分析 場面 赤鬼と青鬼の心の動き ( 内面 ) 考えられる発問 中心発問 1 木の立札を立てた赤鬼 2 きこりたちの話を聞いてがっかりした赤鬼 3 村で大暴れをするという青鬼の提案を聞き 考え込んでしまう赤鬼 赤鬼 青鬼という友達はいるけど もっと友達を増やしたい 人間たちの仲間に入りたい

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7 学習指導過程 段階 導入 学習活動 1 友達との絆 について考える 2 教材 心のレシーブ の範読を聞いて話し合う 主な発問と予想される児童の心の動き 友達との絆 を深めるためには何が大切だと思いますか 困っていたら助けること 一緒に遊ぶこと 仲良くすること チーム分けの時, どこかやる気のない

3 第 3 学年及び第 4 学年の評価規準 集団活動や生活への関心 意欲態度 集団の一員としての思考 判断 実践 学級の生活上の問題に関心 楽しい学級をつくるために を持ち 他の児童と協力して意 話し合い 自己の役割や集団と 欲的に集団活動に取り組もう してよりよい方法について考 としている え 判

道徳学習指導案

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Microsoft Word - chojugiga_sidoan_new.docx

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

第 3 学年道徳学習指導案 平成 28 年 10 月 28 日 ( 金 )5 校時武蔵村山市立第三小学校第 3 学年 3 組 3 5 名 東京都オリンピック パラリンピック教育愛称 教諭野中哲平 研究主題 人との関わりを大切にし 豊かに表現できる児童の育成 ~ グローバル人材育成に向けたオリンピック

(2) 指導の実際 1 話すこと 聞くこと の実践ア協働による教材研究の柱 モデルの提示について対話のためのスキルの定着や対話の深まりを目指し, 教師や代表グループによる対話のモデルを提示し, 気付いたことや発見したことを基に自分たちの対話や話合いの様子を振り返らせ, 学びの充実を図るようにする 共

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道徳科学習指導案 指導者 T1 重森恵美子 T2 毛利佐由理 1 日時平成 30 年 6 月 27 日 ( 水 )5 校時 2 学年第 1 学年 (16 名 ) 3 主題名 だれにでもおなじように [C 公正, 公平, 社会正義 ] 4 ねらい誰に対しても同じように接することがすてきであることに気づ

から 自分はよいと思っていても, 相手は迷惑がっているかもしれないから 自分がいらいらしている時などは思いやりを忘れてしまうから 相手のことを思っても, どうしたらよいか分からないことがあるから などがあったこれらの結果から, 多くの児童が思いやりの心で人に接することは大切であるが, 相手との人間関

第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

第 1 学年国語科学習指導案 日時 平成 27 年 11 月 11 日 ( 水 ) 授業 2 場所 八幡平市立西根中学校 1 年 2 組教室 学級 1 年 2 組 ( 男子 17 名女子 13 名計 30 名 ) 授業者佐々木朋子 1 単元名いにしえの心にふれる蓬莱の玉の枝 竹取物語 から 2 単元

内容 児童 経験したことや調べたことから選んで話す 内容 ( 考え ) を分かりやすく話す はっきりした発音で声の大きさを考えて話す 丁寧な言葉を使って話す 相手の顔を見ながら話す 大事なこと

子葉と本葉に注目すると植物の成長の変化を見ることができるという見方や, 植物は 葉 茎 根 からできていて, それらからできているものが植物であるという見方ができるようにしていく また, 学んだことを生かして科学的なものの見方を育てるために, 生活の中で口にしている野菜も取り上げて観察する活動を取り

著作権教育実践事例

深く考えさせるために ロベーヌの感じ方や考え方をとらえさせ その変化に気付かせる また 経済的援助という親切な行動だけでなく 心からロベーヌを気遣うジョルジュの温かな心遣いや言動に注目させ そのことが相手の立場を考えた真心からの親切な行為であることに気付かせたい さらに 真に相手に対する思いやりの心

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H26関ブロ美術プレ大会学習指導案(完成版)

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活実態と関連を図りながら重点的に指導していきたい また, 栄養教諭による給食献立の栄養バランスや食事によるエネルギー量を基盤として, グループごとに話合い活動を取り入れるなどの指導の工夫を行いたい また, 授業の導入にアイスブレイクや, カード式発想法を取り入れることにより, 生徒が本気で語ることが

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アンケート調査結果や日常の様子から 親切 とは 相手の立場になって相手の気持ちを考えて行うことであることに気がついていない児童が多く 相手の気持ちを考えて親切にしよう という意識が高まっていないということが考えられる 指導に当たっては 本時を 道徳学習プログラム やさしさにっこり において体験してき

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とができる児童が増えてきている 総合的な学習の時間の 私たちにできることは何だろう では 調べ学習や実際の車いす体験の学習を通して 相手の気持ちを考えて親切な行動をすることの大切さを学んできている 一方で 仲の良い友達には親切にできるが そうでない友達には同じように親切にできない児童がいる また 困

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

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5 児童の実態と主題に迫るための手だて (1) 児童の実態本学級の児童は明るく 男女の仲もよい いろいろな場面で声を掛け合ったり 仕事を手伝ったりできる児童も多い 話し合い活動では 友達の意見のいいところを取り上げて考えをまとめることができたり 人の意見を聞いて自分の考えを変えることができたりする児

3 本時のねらい 相手の立場を理解し 思いやりの心をもって温かく見守ろうとする心情を育てる 4 他の教育活動との関連 事前指導 ( 日常の指導 ) 当番係活動 仲間と協力して果たせるようにして 全員で取り組むことを大切にしてきた (5 月学校行事 ) 運動会 表現運動や応援合戦など 力を合わせて競技

Microsoft Word - 研究協議会資料(保健分野学習指導案)

第 6 学年算数科学習指導案 日時平成 25 年 月 日 ( ) 校時対象第 6 学年 組 名学校名 立 小学校授業者 1 単元名 速さ ( 学校図書 6 年上 ) 2 単元の目標速さについて理解し 求めることができるようにする 3 単元の評価規準 単元の評価規準 ア算数への関心 意欲 態度 速さを

価 がら読んでいる 語句には性質や役割の上で類別 規 文章を読んで考えたこ があることを理解している 準 とを発表し合い 一人 指示語や接続語が文と文との意 一人の感じ方につい 味のつながりに果たす役割を理 て 違いのあることに 解し 使っている 気付いている 学 登場人物の思いを想像し 時代の状況

トコラージュ というメディアの形態を提案する 本単元では 説明文の 構成メモ をフォトコラージュの形でまとめる このことにより 資料を活用して説明文を書くことが容易になる フォトコラージュとは次に示すように 2 枚以上の写真と それに対する説明文を対応させた情報伝達の形式である 本学級では 社会科の

第4学年算数科学習指導案

る どうぞゲーム 隣の人と 2 人 1 組になり, 席を立ってジャンケンをする 1 回目は 負けた人が勝った人に 座れば? と冷たく言って椅子に座るよう勧める 勝った人は ありがとう と言って座る 1 分間続ける 2 回目は 負けた人は 立っていると大変でしょう どうぞ と言って 勝った人に椅子に座

第5学年 道徳学習指導略案

平成 30 年度佐賀県教育センター小 中学校道徳科 3 授業実践 (1) 小学校 2 年生の授業実践 1 1 主題名 自分らしく (A-4 個性の伸長 ) 2 教材名 ありがとうりょうたさん ( 東京書籍 ) 3 教材について 本教材は 主人公のりょうたとその友達のゆきおの個性が際立つように書かれて

活動を通して新たな自分の良さを知り それを自信に変えられるようにしたい 4 指導計画 2 時間扱い ( 本時 2/2 時 ) 時指導計画 1 〇資料 花をさかせた水がめの話 を読み 自分のいいところについて考えるきっかけを作る 2 〇 いいところ見つけ の活動を通して 自分のいいところを認めると同時

第1学年道徳学習指導案

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

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第 3 4 学年 ( 複式学級 ) 学級活動指導案 平成 26 年 6 月 11 日 ( 水 ) 第 5 校時指導者教諭 ( 学級担任 ) 養護教諭 1 題材 バランスよく食べよう ( 第 3 学年及び第 4 学年 (2) 日常の生活や学習への適応及び健康安全キ食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい

7 指導過程

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

第1学年5組 道徳学習指導案

ことが大切である 本単元では, 児童にとってもっとも身近な存在である父親や児童が選んだ相手に手紙や暑中見舞いを出すことで, 気持ちを伝える学習ができるように工夫する この学習を通し, 障害児学級の児童の感情表現を豊かにし, 人とのかかわりを広げることにつながっていくと考える (4) 個に応じた支援に

お断りゲーム 隣の人と 2 人 1 組で, ジャンケンをし, 勝った方が隣の人にいろんな 頼みや誘い をする される方はそれを断る 2 度行う 1 度目は, いや! むり! などポイントをはずして断る 教師の合図で30 秒間繰り返す 2 度目は,1 度目に出たお願いや誘いを断り方のポイント 4. 全

Transcription:

授業実践 (2) 小学校 5 年生 銀のしょく台 1 主題名広い心をもって 内容項目 B-(11) 相互理解 寛容 2 教材名 銀のしょく台 ( 出典 私たちの道徳小学校 5 6 年 ) 3 資料のあらすじ 19 年間の刑期を終え 牢屋から出たものの泊まる所も食べるものも見付からず困り果てているジャン バルジャンをミリエル司教は自分の教会に招き入れる 食事をふるまい 寝る場所を準備してあげたにも関わらず ジャンは司教の大切な銀の食器を盗み 逃げ出してしまう 次の日 兵隊に捕らえられ 教会に戻ってきたジャンに対し 司教は 銀の食器はジャンにあげたもの と言う さらに もう一つの大切なものである銀の燭台も この燭台もあげたものなのに と手渡す 4 本時のねらいミリエル司教の行いについて話し合う活動を通して 自分を犠牲にしてまでも相手を許すことの難しさやすばらしさに気付き 友達の過ちや失敗を広い心で受け止めようとする心情を育てる 5 授業の実際 導 入 学習活動 主な手立て主な発問 ( ) 児童の発言 ( ) 1 資料を読んだ感想を伝え合う 資料を読ませる前にミリエル司教やジャンについての説明を行い 話の内容をつかみやすくさせた ミリエル司教についてどう思いましたか 自分の大切なものをあげてすごい 困っている人を助けてあげるなんて優しい 展 2 自分が司教の立場だったら相手を許せるか考える 自分だったらどうするのか考えさせ ネームプレートを黒板に貼らせた 互いの考えをグループで交流させ 全体の場で伝え合わせた あなただったら 自分の大事な物を盗んだ相手を許せますか 許せる ( 選んだ児童なし ) 許せない 大切にしてきたものだから許せない いろんな思い出がつまっているものを盗まれるのはいやだから許せない 開 3 ジャンを許したミリエル司教の気持ちを考える 児童の意見を集約して板書でまとめた ミリエル司教は どんなことを考えながらジャンに対して この銀のしょく台もあなたにあげたのに と言ったと思いますか 貧しい人を助けたい 困っている人を助けたい 1 生活が心配 また捕まるのはかわいそう もう牢屋に入ってほしくない 2 捕まらないように いつまでも幸せになってほしい 3 これからの人生を考えて 4 ミリエル司教の心のよさに気付く 書く活動 1 ミリエル司教の姿から どんな心が大切だと感じましたか 相手を思う心 相手のことを自分のこととして考える心 授業実践 (2)-1

平成 27 年度 小 中学校道徳教育 話合い 苦しい思いをしている人や困っている人 展 司教の心のよさを考えさ がいたとき 助けようと思う心 せることで 相手の立場や 自分も失敗することがあるので 相 思いを考え 理解すること 手の失敗を責めるのではなく 許そ のよさに気付かせた うと思う心も大切だと思う 開 5 本時の学習で感じたこ 今日の学習を振り返って 考えたことや感じたことを書きましょ とを基に これからの自 う 分について考える 自分が相手の立場だったらどう思うか考えて困っている人たちを 書く活動② 助けたい 終 実際の生活の中で友達の どんな相手でも相手を思う心が大切なんだなと思った 失敗を許せなかった経験 これまでの自分は いつも小さな失敗をした人に 大丈夫 と声 を想起させ 本時の学習で をかけることしかしていなかったけど 銀のしょく台 を勉強し 考えたことや感じたこと て 相談にのることをプラスしていきたい を基に自分にもできるこ [書く視点] とを考えさせ 今後の生活 感じたこと 考えたこと につなげさせた これまでの自分 これからの自分 末 6 ジャンのその後につい て知る 司教と別れた後 その思い ミリエル司教の思いは ジャンの心に を受け ジャンが正直な人 届いたと思いますか 間になったことを知らせ た 6 授業のまとめ 書く活動について 相手の失敗を責めるのではなく 相手の立場を考えて行動したミリエル司教の心のよさに気付き 書く活動②において これからの生活の中で自分にできることや気を付けていきたいことを考え ることができました 本時の学習で学んだ心のよさを より具体的な場面の中で自分にできることを考えさせるための 手立てが必要であったと考えます 話合いについて ネームプレートを使って自分の考えを示し 友達の考えに触れることで 自分にとって大切な物 をジャンに渡したミリエル司教の思いを多角的に考えることができました グループや全体での話合いを行ったことで 相手の立場に立って物事を考えることの大切さ に気付いたり 思いを強めたりすることができました 話合いをグループだけではなく 2人組でも行わせることで より多くの友だちと意見を交流さ せることができたと考えます さらにより多くの考えに触れることができるような活動のさせ方 を考えていく必要性を感じました 授業実践 2 2

第 5 学年道徳科学習指導案 1 主題名広い心をもって 内容項目 B-(11) 相互理解 寛容 2 資料名 銀のしょく台 ( 私たちの道徳 ) 3 主題設定の理由 ねらいとする価値について 児童の実態について 本学級の児童は, 自然体験教室 や学級での様々な活動に参加する際, 自分の考えをしっかりともち, それらを互いに伝え合いながら活動を進めることができている 相手の意見が自分の考えとは違っていても, 臆せず伝えようと努力したり, 最初から批判せず, いいところを取り入れてより良い活動にしようと心掛けたりする児童も増えている 互いの違いに気付きながらも, それを受け入れながらより良い生活へつなげようと行動し始めているこの時期だからこそ, 本学級のあ児童に, 自分に対して謙虚になるとともに, 他人に対して寛容な心で接しようとする心を育てたい 資料について 本資料は, 困っているところを助けたジャンに自分の食器を盗まれたミリエル司教が, それを責めるのではなく, それはあなたにあげたもの とうそをついて助けた上に, ジャンに正直な人間になってあほしいと大切な銀のしょく台まで手渡すという話である 子どもたちは, 自分の意見や立場を大切にすあるあまり, 相手の思いや立場を受け入れることが難しく, それが原因で人とぶつかることがある それゆえ, ミリエル司教のすばらしさを知るとともに, より良い人間関係を作るのに相手のことを考えて行動することのよさや大切さに気付かせるのに適した資料であると考える 指導の重点 広がりと深まりのある人間関係を築くためには, 謙虚な心と広い心が大切である 自分も過ちを犯す存在であることを自覚し, 自分を謙虚に見て, 他人の過ちを許す態度や相手から学ぶような広い心をもつことで寛容な心をもつことができ, 周囲の人とのより良い関わりをもつことができるようになる この時期の児童は, 互いのものの見方や考え方の違いをこれまで以上に意識するようになる また, 自分の意見にこだわり, その違いを受け入れられず, ぶつかったり, 相手を避けたりするなどして人間関係を広げられなくなってしまう時期でもある そこで, この時期に, 自分と異なった立場や相手の過ちを広い心で受け止めようとする心情を育てることは大切であると考える 導入では, ミリエル司教について感じたことを発表させる 児童の意見から, 自分の大切な物を盗んだ相手を許した司教について子どもたちの思いを伝え合わせる 展開前段では, もし自分がミリエル司教の立場だったらジャンを許すことができたのか考えさせる 子どもたちの意見からミリエル司教の行動の難しさに気付かせる その後, しょく台はジャンにあげたものだ と言った時の司教の思いを考えさせることで, しょく台を盗まれたことを責めるのではなく, ジャンの立場や気持ちを考えて許すことを決めたミリエル司教の思いを感じ取らせる 展開後段では, ミリエル司教の心のよさを考えさせ, 相手の失敗や行動だけにとらわれるのではなく, その立場や思いを理解することのよさに気付かせる 終末では, 気付いたよさをもとに自分にもできることを考えさせる また, その後のジャンについて伝えることで, ミリエル司教の思いがジャンに届いたことを知らせるとともに, そのような思いがよりよい人間関係を作るために大切な心であることに気付かせたい 4 ねらいミリエル司教の行いについて話し合う活動を通して, 自分を犠牲にしてまでも相手を許すことの難しさやすばらしさに気付き, 友だちの過ちや失敗を広い心で受け止めようとする心情を育てる 授業実践 (2)-3

5 展開 学習活動主な発問 ( 〇 ) と予想される反応 ( ) 指導上の留意点期待される児童の変化 ( 教師の願い ) 導入/展開1 資料を読んだ感想を伝え合う 2 自分が司教の立場だったら相手を許せるか考える 書く活動 1 銀のしょく台 を読んで, 感じたことを発表しましょう 自分の大切な物をあげた司教はすごく優しい人だと思う すごい人 自分だったら許せない あなただったら, 自分の大事な物を盗んだ相手を許せますか 許せる 相手にも盗む理由があると思うから 相手が反省しているはずだから 許せない 自分の大事な物を盗んだから 親切にしたのに, ひどいことをしたから 資料を読ませる前にミリエル司教やジャンについての説明を行い, 話の内容をつかませやすくする 初めて会った人, それも困っているところを助けてあげたにもかかわらず自分の大切な物を盗んだ相手を許した司教をどう思うかたずねる 自分だったらどうするのか考えさせ, ネームプレートを黒板に貼らせる また, それぞれの理由を発表させる ネームプレートの置かれた場所や児童の発言から, 自分の大切な物を盗んだ相手を許すことがとても難しいことに気付かせる また, それはミリエル司教にとっても同じであることにも気付かせる 3 ジャンを許したミリエル司教の気持ちを考える ああああああああ ああ 4 ミリエル司教の心のよさに気付く 話合い ミリエル司教は, どんなことを考えながら, ジャンに対して この銀のしょく台もあなたにあげたのに と言ったと思いますか これでジャンが捕まらなくてすむ (1) 家族の所に帰ってほしい (2) これを売って食べ物を買ってほしい (2) これからは二度と悪いことをしないでほしい (3) 正直な人になってほしい (3) ミリエル司教の姿から, どんな心が大切だと感じましたか 相手の失敗を許す心 相手の立場に立って考える心 相手のことを自分のことのように考える心 児童の意見をいくつかに集約しながら黒板にまとめていく 集約例 1 ジャンが捕まらないように 2 ジャンの生活が心配 3 ジャンに正しい人生を送ってほしい 児童の意見の中でどの意見が一番ミリエル司教の心の中にあったのか考えさせ, 今のことだけではなく, ジャンの人生をしっかりと考えた上での言葉であったことに気付かせる ミリエル司教の心のよさを考えさせることで, 相手の失敗や行動だけにとらわれるのではなく, その立場や思いを考え, 理解することのよさに気付かせる 最初にワークシートに自分の考えを書かせる その後, グループでワークシートに書いたことを伝え合わせ, 考えを交流させる さらに, 全体の場で, 子供たちの様々な思いや考えを発表させる 授業実践 (2)-4

5 本時の学習から感じたことを基に, これからの自分について考える 書く活動 2 6 ジャンのその後について知る 授業実践 (2)-5 /終末 今日の学習を振り返って, 考えたことや感じたことを書きましょう ああああ ミリエル司教の思いは, ジャンの心に届いたと思いますか 事前アンケートの結果から, 実際の生活の中でも友達の失敗を許せなかったことがある児童がいることを伝え, 本時の学習で考えたことや感じたことを基に自分にもできることを考えさせ, 今後の生活につなげさせる ミリエル司教と別れた後, ジャンもまた貧しい人を助ける人になったこと, その結果多くの人に慕われて市長になったこと, 自分の身代わりにされそうな人を全てをなげうって助けたことを伝え, ミリエル司教の思いを受け, ジャンが正直な人間になったことを知らせる

授業実践 (2)-6 銀のしょく台名前()1自分の大事な物をぬすんだ相手をゆるせるゆるせない223今日の学習をふり返ろう 3今日の学習をふり返ろう ふり返りのポイント 学習を通して感じたこと 考えたこと これまでの自分をふり返って理由