( 資料 3) 比較検討した住宅 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資料 4) 住宅の選択理由 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資

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表紙

【補論】戸建注文住宅と消費税の影響度に関する考察

約 6 倍になると予測されており これら高経年マンションが増えていく中 経年による建物 設備の劣化等に対応するための大規模修繕や改修等の資金不足の問題が深刻化している 今後 良質なマンションを維持していくためにも 特にマンション共用部のリフォームについての支援が急務である (4) 賃貸住宅のリフォー

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新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

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各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

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公表資料2014セット版

15. 返済試算額の入手方法 平成 27 年 10 月 21 日現在 融資窓口にお申し出いただくか 当行ホームページのシミュレーション画面で試算できます 最寄りの道銀までお問い合わせください 16. 事務手数料 27,000 円 ( 消費税込み ) の手数料をお支払いただきます 17. その他全額繰

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報道関係者各位 2019 年 2 月 1 日野村不動産アーバンネット株式会社 リリースカテゴリー 都市型コンパクトタウン 都市再生 地方創生グローバルへの取組み不動産テック 働き方改革健康 介護ニーズ社会課題定期報告 レポート 不動産情報サイト ノムコム 住宅購入に関する意識調査 ( 第 16 回

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4 住宅購入 名称住宅購入に対する各種税金と給付金に関する支援 担当部課 概要新築または中古の住宅を取得するとかかる税金があります また 所得税控除や給付金が支払われる制度もあります 1. 不動産取得税 ( 県税 ) 土地や家屋などの不動産の取得時に 県が課税する税金です お問い合わせ先 神奈川県藤

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

< > 特別県営住宅 1 棟 県営住宅 2 棟の合計 3 棟である 県営住宅はほぼ満室の状態であるが 特別県営住宅は入居率が 53.3% である 特別県営住宅の間取りは 3LDK であり 約 60 m2と約 70 m2の広さのものがある 特別県営住宅は外観が県営住宅とほとんど変わらず 面積が若干広い

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スライド 1

1. 国土交通省土地 建設産業局関係の施策 不動産流通に関する予算要求が拡大 ここ数年 国の住宅 不動産政策において 不動産流通に関する施策が大幅に拡大している 8 月に公表された国土交通省の 2019 年度予算概算要求概要によると 土地 建設産業局における施策は大きく 4 項目あるが 全体の予算額

四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

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成長可能性に関する説明資料

目次 1 調査概要 P2~P4 2 平成 29 年度の販売見込みについて ( 住宅事業者 ) P5~P6 3 平成 29 年度の住宅の買い時感について ( 一般消費者 ) P7 4 住宅で重視するポイントは?( 住宅事業者 一般消費者 ) P8~P9 5 建物の性能で重視する事項は?( 住宅事業者

ご存知ですか 中古住宅の瑕疵の保証期間は 売主によって異なります 中古住宅における売買契約には 宅建業者が自ら売主となる場合 宅建業者の仲介により 元の所有者( 個人 ) が売主になる場合 ( 以下 個人間売買 といいます ) の2 種類のケースがあります ( 日本では 個人間売買の数が圧倒的に多く

建設の施工企画 特集 5 長寿命化 維持管理 リニューアル 住宅の長寿命化への取組 国土交通省住宅局住宅生産課 今後の住宅政策においては これまでの つくっては壊す フロー消費型社会から いいものをつくっ て きちんと手入れして 長く大切に使う という ストック重視型への転換を図ってい

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マイホームを欠陥から守る

平成 28 年 12 月 国土交通省住宅局

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平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査 経済状況に関する事項

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図表 2 住宅ローン減税の拡充 消費税率が 5% の場合 消費税率が 8% または 10% の 場合 適用期間 ~2014 年 3 月 2014 年 4 月 ~2017 年末 最大控除額 (10 年間合計 ) 200 万円 (20 万円 10 年間 ) 400 万円 (40 万円 10 年間 ) 控

平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省

1 住みかえ派の 90.3% リフォーム派の 86.9% が シニアライフを送る住まいに 満足! シニアライフを送る 現在の住まいに対して 住みかえを行った人の 90.3% リフォームを行った人の 86.9% が 非常に満足 (100 点 ) または まあまあ満足(75 点 ) と回答し いずれも満

目 次 調査結果について 1 1. 調査実施の概要 3 2. 回答者の属性 3 (1) 主な事業地域 3 (2) 主な事業内容 3 3. 回答内容 4 (1) 地価動向の集計 4 1 岐阜県全域の集計 4 2 地域毎の集計 5 (2) 不動産取引 ( 取引件数 ) の動向 8 1 岐阜県全域の集計

2030年の住宅市場~“移動人口”の拡大が人口減少下における住宅市場活性化の鍵に~

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

1. 住宅地価格査定マニュアル 改訂の概要 (1) 大都市圏版 と 標準版 の区分を廃止し 一本化 1 改訂前は 査定地 ( 事例地 ) が所在する地理的要因に基づき大都市圏版または標準版のいずれかを査定者が選択し かつ 大都市圏版と標準版では各査定項目の評点について異なる設定としていますが 改訂で

「住宅リフォーム実例調査」および「住宅リフォーム潜在需要者の意識と行動に関する調査」について(案)

中古マンション概況 212 における首都圏中古マンションの成約は 31,397 件 ( 前比 8.7% 増 ) 3 ぶりに前を上回り 過去最高のとなっています 都県 地域別に見ても すべての都県 地域で増加となっています の 1 m2当たり単価は首都圏平均で 万円 ( 前比 1.9% 下

2 補助対象住宅について 16 中古住宅の定義は 申請日において新築から 2 年を超えている住宅又は既に人が住んだことがある住宅であり 居住の用に供することを目的として建築した住宅をいいます 17 マンションの定義は 二以上の区分所有者が存する建物で 人の居住の用に供する専有部分のあるものであって

お使いみち JA 住宅ローン商品概要 ( 基金協会保証型 KHL 保証型 ) 住宅の新築 増改築 住宅および敷地の購入 マンション購入 中古住宅購入 住宅用土地の購入 (2 年以内に住宅を新築し 居住することが条件です ) 住宅金融支援機構 ( 旧住宅金融公庫 ) 他行住宅ローンの借換え 上記の付帯

BL住宅金融公庫適合証明手数料案

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保険の仕組み 消費者 ( 発注者 ) 工事請負契約 保険加入の依頼 登録事業者 ( リフォーム事業者 ) 保険金の 保険金 保険金の 保険加入 支払 直接請求 支払 手続 登録事業者が倒産等した場合検査 ( 建築士 ) 保険法人 ( 出所 ) 住宅瑕疵担保責任保険協会ホームページ 保険金の支払対象

<調査Ⅱ>住宅所有者への老後生活に関する調査

まんがでわかる!安心R住宅

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中古マンション概況 首都圏における 213 年 1~3 月の中古マンション成約は 9,663 件 ( 前年同期比 12.2% 増 ) で 6 期連続で前年同期を上回り 増加率は 2 ケタに拡大しています すべての都県 地域で前年同期を上回っています の 1 m2当たり単価は首都圏平均で

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< 調査結果 > 住宅ローン完済まで平均 13.7 年 当初の予定より繰り上げた期間平均 11.2 年 Q. 住宅購入時の 住宅価格 頭金額 親からの援助額 住宅ローン借入額 住宅ローンを組んだ時に設定した返済期間 繰り上げ返済した期間 ローン完済までの期間 年収 ( 住宅購入時 ) 年齢 ( 住宅

( 高齢層では単身世帯が増加 ) 高齢化が進む中で高齢者の単身世帯が急増している 65 歳以上の単身世帯は 2000 年の 407 万世帯から 2016 年には 821 万世帯へと倍増している そして単身無職世帯では消費支出が可処分所得を月 4 万円程度上回り 貯蓄の取り崩しにより 生計を立てている

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不動産経済 表紙OL

報道関係者各位 2015 年 9 月 1 日 アットホーム株式会社 トレンド調査 30 代 40 代男女に聞く 実家に対する思い 調査 実家が空き家になる可能性がある 29.1% 実家がなくなるのは寂しい 68.4% 不動産情報サービスのアットホーム株式会社 ( 本社 : 東京都大田区 代表取締役

平成23年度 住宅リフォーム実例調査

Microsoft Word - 3

2-1 沖縄県の住宅事情 (1) 人口 世帯数及び住宅ストックの状況 1 平成 22 年 ~42 年に人口 2.7% 増 ( 全国 :8.9% 減 ) 世帯数 13.0% 増 ( 全国 :5.9% 減 ) 推計によると 本県は人口 世帯数ともに平成 37 年まで増加する ( 全国では人口 H22 世

設 拡充又は延長を必要とする理由 関係条文 租税特別措置法第 70 条の 2 第 70 条の 3 同法施行令第 40 条の 4 の 2 第 40 条の 5 同法施行規則第 23 条の 5 の 2 第 23 条の 6 平年度の減収見込額 百万円 ( 制度自体の減収額 ) ( - 百万円 ) 東日本大震

Ⅰ. 平成 27 年 4 月 1 日から平成 28 年 3 月 31 日にリフォームされた住宅に関連しておたずねします 問 1. 現在の住宅はいつ頃どのように取得しましたか ( 取得時期 内に数字を記入 取得時期 取得方法 ともに はひとつ ) 取得時期 1. 平成年頃 2. 昭和年頃 3. 大正以


左記に該当しない方 ボタンを選択した場合 ( 特定増改築等 ) 住宅借入金等特別控除 というリンクになった文字をクリックすると 住宅借入金等特別控除の入力画面が表示されます 所得 所得控除等入力 画面で ( 特定増改築等 ) 住宅借入金等特別控除 というリンクになった文字をクリックすると 3 ページ

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

Microsoft Word NO0257


図表 II-39 都市別 世帯主年齢階級別 固定資産税等額 所得税 社会保険料等額 消 費支出額 居住コスト 年間貯蓄額 ( 住宅ローン無し世帯 ) 単位 :% 東京都特別区 (n=68) 30 代以下 (n=100) 40 代

b. 世帯主年齢階級別 負担率 図表 II- 6-4 墨田ブロックの世帯主年齢階級別 平均負担率 図表 II- 6-5 墨田ブロックの世帯主年齢階級別 負担率の分布 合計 5% 未満 % 以上 1% 未満

Transcription:

リサーチ メモ 住宅市場動向調査 からみた既存住宅取得の現状 2017 年 4 月 28 日 去る 4 月 19 日 国土交通省から 平成 28 年度住宅市場動向調査報告書 が発表された 本調査は 住み替え 建て替え前後の住宅やその住宅に居住する世帯の状況及び住宅取得に係る資金調達の状況等について把握するため 国土交通省が平成 13 年度から毎年度実施している調査である 調査対象は 前年度中に住み替え等を行った者であり 対象地域は 注文住宅は全国 その他の住宅は三大都市圏である 本稿では この平成 28 年度調査報告書から 既存住宅 ( 本調査では 中古住宅 ) の取得に関する特徴的な部分をピックアップしてその現状を紹介する なお 調査結果の詳細は 国土交通省のホームページ http://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000116.html をご覧いただきたい 1. 住み替え前の住宅と住み替え前後の延べ床面積 (1) 住み替え前の住宅の種類全ての住宅の種類において 住み替え前の住宅は民間賃貸住宅の割合が最も多い その中で相対的に 中古戸建住宅取得世帯は 民間賃貸住宅の割合が高く 中古マンション取得世帯は 分譲マンション取得世帯と並び持家の割合が高い ( 資料 1) (2) 住み替え前後の延べ床面積住み替え前後の延べ床面積は 注文住宅 ( 新築 ) 分譲戸建住宅 中古戸建住宅で大幅に広くなっており 注文住宅 ( 建て替え ) 分譲マンション 中古マンション リフォーム住宅では大きな増減はない ( 資料 1) 住み替え前の住宅の種類 (%) ( 資料 2) 延べ床面積 ( m2 ) 注 ) リフォーム住宅 : 平成 27 年度中に増築 改築 模様替えなどの工事を実施した住宅 一般財団法人土地総合研究所 1

( 資料 3) 比較検討した住宅 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資料 4) 住宅の選択理由 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資料 5-1) 中古住宅にしなかった理由 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 ( 資料 5-2) 中古住宅にした理由 (%) 中古戸建住宅取得世帯中古マンション取得世帯 一般財団法人土地総合研究所 2

住み替え後の延べ床面積は 中古戸建住宅は分譲戸建住宅よりやや広く 中古マンションは分譲マンションよりやや狭いが それぞれの差はわずかである ( 資料 2) 2. 住み替えに関する意思決定 (1) 比較検討した住宅住宅取得に当たって いずれの住宅も同じ種類の住宅と比較検討した世帯が最も多い これを除くと 注文住宅取得世帯は分譲戸建住宅 中古戸建住宅 分譲戸建住宅取得世帯は注文住宅 中古戸建住宅 分譲マンション取得世帯は中古マンション 分譲戸建住宅 中古戸建住宅取得世帯は分譲戸建住宅 中古マンション 中古マンション取得世帯は分譲マンション 中古戸建住宅と比較検討している世帯が多い ( 資料 3) (2) 住宅の選択理由住宅の選択理由として 住宅の立地環境が良かったから 住宅の種類に係る 一戸建てだから / マンションだったから の割合はいずれの住宅でも高い 一方 注文住宅 分譲戸建住宅 分譲マンション取得世帯では 新築住宅だから の割合が高く 中古戸建住宅 中古マンション取得世帯では 価格 / 家賃が適切だったから の割合が最も高くなっている ( 資料 4) (3) 新築か中古かの選択理由注文住宅 分譲戸建住宅 分譲マンション取得世帯が中古住宅を選ばなかった理由は 新築の方が気持ちが良いから が最も多く リフォーム費用などで割高になる 隠れた不具合が心配だった が続く 一方 中古戸建住宅 中古マンション取得世帯が中古住宅を選んだ理由は 予算的にみて中古住宅が手頃だったから が最も多く 新築住宅にこだわらなかった リフォームで快適に住める が続く ( 資料 5-1 5-2) 3. 世帯に関する事項 (1) 世帯主の年齢世帯主の年齢は 注文住宅 ( 新築 ) 分譲戸建住宅 分譲マンションでは 30 歳代が最も多く 中古戸建住宅 中古マンションでは 30 歳代と 40 歳代が 3 割程度で並んでいる 世帯主の平均年齢は 分譲戸建住宅 注文住宅 ( 新築 ) 分譲マンション 中古戸建住宅 中古マンションの順に高くなっている ここ 5 年間では 分譲マンション 中古戸建住宅 中古マンションで平均年齢が上昇している ( 資料 6) ( 資料 6) 世帯主の年齢 (%) 平均年齢世帯主の平均年齢の推移 一般財団法人土地総合研究所 3

(2) 世帯年収世帯年収 ( 税込み ) は 分譲マンションが平均 835 万と最も高く 次いで注文住宅 中古マンション 分譲戸建住宅 中古戸建住宅と続くが これらはいずれも 600 万台であり 大きな差はない ( 資料 7) 4. 住宅の購入資金と住宅ローンの返済状況 (1) 住宅の購入資金住宅の購入資金は 分譲マンションが平均 4,423 万と最も高く 次いで注文住宅 ( 土地を購入した新築住宅 ) 分譲戸建住宅と続いている これらと比べると 中古戸建住宅と中古マンションはそれぞれ 2,693 万 2,656 万と安く 借入金の額も 1,536 万 1,364 万と低くなっている ( 資料 8) (2) 住宅ローンの返済状況住宅ローンの返済期間は 注文住宅 分譲戸建住宅 分譲マンションの取得世帯では 30 年を超え 中古戸建住宅 中古マンションの取得世帯では 26 年程度である また 住宅ローンのある世帯の年間返済額は 前者が 100 万を超え 後者は 90 万台である ( 資料 9 10) ( 資料 7) 世帯年収 (%) 平均世帯年収 ( 資料 8) 購入資金 ( 万 ) 自己資金比率 (%) ( 資料 9) 住宅ローンの返済期間 ( 年 ) ( 資料 10) 住宅ローンの年間返済額 ( 万 ) 返済負担率 (%) 注 ) 返済負担率 : 年間返済額 世帯年収 100 一般財団法人土地総合研究所 4

5. 中古住宅の建築時期とリフォームの実施状況等 (1) 中古住宅の建築時期中古住宅の建築時期は 中古戸建住宅 中古マンションとも 平成 7 年 ~ 平成 16 年 が最も多く 平均築後年数は 中古戸建住宅が 20.8 年 中古マンションが 22.1 年である なお リフォーム住宅は 25.8 年 民間賃貸住宅は 17.2 年である ( 資料 11) (2) リフォームの実施状況購入前後のリフォームの実施状況をみると 売主によるリフォームのみ が最も多く 中古戸建住宅で 31.1% 中古マンションで 35.4% である 中古戸建住宅 中古マンションとも全体として約 7 割でリフォームが行われている 建築時期別には 中古戸建住宅では建築時期が古いほどリフォームが行われており 築 5 年以内で 4 割程度 築 26 年以上で 9 割を超えている 中古マンションでは築 15 年以内が 4 割程度 築 16 年以上が 8 割程度でリフォームが行われている ( 資料 12) ( 資料 11) 建築時期 (%) 平均築後年数 ( 資料 12) 購入前後のリフォームと建築時期 (%) 中古戸建住宅中古マンション ( 資料 13) インスペクションの認知 (%) 中古戸建住宅中古マンション ( 資料 14) インスペクションの実施の有無 (%) 中古戸建住宅中古マンション ( 資料 15) 瑕疵保険への加入 (%) 中古戸建住宅中古マンション 一般財団法人土地総合研究所 5

(3) インスペクションと瑕疵保険インスペクションの認知は 内容を含めて 名前だけ 合わせて 知っている が 中古戸建住宅で 28.8% 中古マンションで 22.3% である インスペクションを実施したのは 中古戸建住宅で 11.9% 中古マンションで 7.4% である ( 資料 13 14) また 瑕疵保険に加入しているのは 中古戸建住宅で 17.7% 中古マンションで 22.6% である ( 資料 15) 6. 結び (1) 以上 平成 28 年度調査報告書から 既存住宅取得に関する特徴的な部分を概観した 改めて ( 資料 4) の住宅の選択理由をみると 住宅の種類を問わず 住宅の立地環境が良かったから のほか 一戸建てだから / マンションだったから の割合が高く それぞれ一戸建て又はマンションへの強い志向を示している また ( 資料 5-1 5-2) を合わせてみると 注文住宅 分譲戸建住宅 分譲マンション取得世帯では 新築住宅だから 新築の方が気持ちが良いから の割合が高く 中古戸建住宅 中古マンション取得世帯では 価格 / 家賃が適切だったから 予算的にみて中古住宅が手頃だったから 新築住宅にこだわらなかった の割合が高くなっている これらから 1 住宅の立地環境の良否 2 一戸建てか マンションか 3 新築か 中古かの三つが住宅選択の大きな要因となっていることが伺われる (2) そこで ( 資料 3) の住宅取得に当たり比較検討した住宅をみると 同じ種類の住宅以外では 特に分譲戸建住宅と中古戸建住宅 分譲マンションと中古マンションの取得世帯において 相互に住宅の比較検討が行われていることが分かる これらに係る平均の数値を整理すれば 以下のとおりである 分譲戸建住宅中古戸建住宅分譲マンション中古マンション 相互比較検討割合 延べ床面積 築後年数 価格 借入金額 返済期間 年間返済額 25.6% 103.2 m2 新築 3,810 万 2,783 万 31.2 年 116.3 万 39.9% 107.7 m2 20.8 年 2,693 万 1,536 万 26.1 年 94.9 万 31.8% 77.2 m2 新築 4,423 万 2,694 万 30.7 年 137.3 万 35.2% 72.0 m2 22.1 年 2,656 万 1,364 万 26.8 年 98.9 万 世帯主年世帯年収齢 38.9 歳 646 万 44.3 歳 634 万 43.3 歳 835 万 46.0 歳 650 万 1 延べ床面積はほとんど変わらないこと 2 築後年数は当然異なるが 価格が大きく異なり これを反映し借入金額や返済期間 年間返済額も異なること 3 新築住宅取得世帯の方が世帯主年齢は若く 世帯年収も年齢も加味して高いこと 特に分譲マンション取得世帯で際立っていることが特徴である (3) 中古戸建住宅 中古マンションとも 購入前後に約 7 割でリフォームが行われている その内容や金額は調査されていないが 中古住宅取得世帯では リフォームで快適に住める 保証やアフターサービスがついていたから 品質が確保されていることが確認されたから リフォームされてきれいだったから と さほど負担や懸念があるものとは捉えられていない ( 資料 5-2) 一方 新築住宅取得世帯では リフォーム費用などで割高になる 隠れた不具合が心配だった 給排水管などの設備の老朽化が懸念 保証やアフターサービスが無いと思った などと 実際に中古住宅を取得した世帯とは認識に大きなギャップがあることが伺われる ( 資料 5-1) インスペクションや瑕疵保険の普及は 中古住宅取得世帯に対してもまだまだ十分とは言えない状況にある 住生活基本計画 ( 全国計画 : 平成 28 年 3 月閣議決定 ) が掲げる既存住宅の流通等による住宅ストック活用型市場への転換を加速するためには まずもってリフォームや隠れた不具合に対する住宅取得者の懸念を払拭し この認識のギャップを埋めていくことが重要と考えられる ( 丹上健 ) 一般財団法人土地総合研究所 6