質問 2 1イオンには大きさがあると思いますか あると思う人は どれくらいの大きさだと思いますか ある 35 人 ない 5 人 すごく小さい 12 人 原子サイズ 6 人 目に見えない大きさ 5 人 原子より小さい 2 人 種類によってちがう 2 人 分子サイズ 1 人 分子の 10 分の1 1 人

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指導計画 評価の具体例 単元の目標 単元 1 化学変化とイオン 化学変化についての観察, 実験を通して, 水溶液の電気伝導性や中和反応について理解するとともに, これらの事物 現象をイオンのモデルと関連づけて見る見方や考え方を養い, 物質や化学変化に対する興味 関心を高め, 身のまわりの物質や事象を

理科学習指導案

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2 単元の評価規準関心 意欲 態度 科学的な思考 表現 観察 実験の技能 知識 理解 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事物 現象に興味 関心を持ち, それを科学的に探究しようとするとともに, 事象を日常生活との関わりで捉えようとする 酸 アルカリ, 中和と塩に関する事象 現象の中に問題を見いだし,

がお互いの性質を打ち消しあう また, その際, その他のイオンから塩が生じる パフォーマンス課題 硫酸に電極をさし, 電源装置で電圧を加えると電流が流れ, 電球が点灯する これに水酸化バリウム水溶液を少しずつ加えていくと水溶液は白く濁り, 電球は次第に暗くなり, やがて消える しかし, さらに加え続

授業では, 課題を解決するための情報を集める前に, どのような方法だと必要な情報を集めることができるのかを考えています 58.8% 41.2% 授業では, 調べたことなどを, 図, グラフ, 表などにまとめています 73.5% 26.5% 授業では, 情報を比べたり ( 比較 ), 仲間分けしたり

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第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

群教セ G04-03 平 集 理科 - 中 生徒が解決の見通しを持って実験方法を立案する理科授業 モデル図やグラフを使った予想の共有と タブレット端末の活用を通して 特別研修員奈良達也 Ⅰ 研究テーマ設定の理由 平成 29 年 3 月公示の新学習指導要領では 内容のイとして思考 判断

(2) 本単元に関わる生徒の実態及び指導方針 1 既習の学習内容 水溶液には酸性 中性 アルカリ性のものがあること 金属を変化させる水溶液があること( 小 6) 気体の発生と性質 物質への水への溶解について( 第 1 学年 ) 物質が原子や分子でできていること( 第 2 学年 ) 電流が電子の流れで

とである そこで, 紫キャベツを使った料理にレモンをかけると色が変わることを取り上げたり, 湖沼の水質の中和やあくとりなどの例を用いたりして, 興味 関心を高めるようにしたい なお,1 学年の いろいろな気体の性質,2 学年の 化学変化と原子 分子 ( 化学式と化学反応式 ),3 学年の 酸 アルカ

見いださせる 3 章 化学変化と電池 本章では電解質水溶液と2 種類の金属を用いて電池をつくる実験を行い 電流が取り出せることを見いださせる このとき化学エネルギーが電気エネルギーに変換されていることを理解させる また 電極での電子の授受をイオンのモデルで表し 電池のしくみを微視的視点でとらえさせる

7 3. 単元の指導計画 (7 時間扱い ) 時 学習内容 授業のねらい 物質の溶解と水溶液の均一性 コーヒーシュガーが水に溶ける様子を観察し, 色の様子からコーヒーシュガーの拡散と水溶液の均一性を理解する ( 観 実 ) コーヒーシュガーと食塩の溶解 物質の溶解と水溶液の均一性 2 物質が目に見え

決するための学習の見通しをもたせ, 単元を貫く課題を意識させ, 目的意識をもたせた授業を展開していきたい 本単元では, 理科での学習内容が日常生活で見られる事象に関連することに気付かせたい 日常生活の事象から酸とアルカリの性質を粒子で考え中和反応をイオンのモデルと関連付けて理解させたい それを通して

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(2) 単元構想図 学習の手立て 数は時数軸 授業の目標 視点 1 果物で電池を作り 電流を取り出す 果物電池から電流を取り出す実験を通して 電池の仕組みについて 疑問や関心を抱くことができる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) 小集団の中で果物電池を作り 疑問を出し合ったり 共有したりする姿 自

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< イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) H + ( ) (2) Na + ( ) (3) K + ( ) (4) Mg 2+ ( ) (5) Cu 2+ ( ) (6) Zn 2+ ( ) (7) NH4 + ( ) (8) Cl - ( ) (9) OH -

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事例 2-2

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Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

調査研究「教科等で考える異校種間の連携の工夫」〔理科〕

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いきたいと考えるはずである 水溶液を区別する ためには, 水溶液のどんな性質やはたらきに着目していったらよいか, 子どもたちの考えを大切にしながら学習を進めていきたい 本単元の問題を解決するためには, いくつかの実験結果から, 総合的に判断することが必要である そこで,5つの水溶液を区別するという意

単元の系統 粒子 学年 粒子の存在 粒子の結合 粒子の保存性 粒子のもつエネルギー 小学校ものの重さ 年 形と重さ 体積と重さ 4 年 空気と水の性質 空気の圧縮 水の圧縮 金属 水 空気と温度 温度と体積の変化 温まり方の違い 水の三態変化 5 年 ものの溶け方 物が水に溶ける量の限度 物が水に溶

1. 単元名 運動とエネルギー 3 章エネルギーと仕事 南中学校第 3 学年理科学習指導案 平成 26 年 10 月 16 日 ( 木 ) 第 5 校時 3 年生徒数 3 名場所理科室授業者 2. 単元について (1) 単元観本単元は 運動の規則性やエネルギーの基礎を 身のまわりの物体の運動などの観

理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭石川幸宏 1 日時平成 30 年 2 月 21 日 ( 水 ) 第 4 校時 2 学年第 1 学年 2 組 ( 男子 19 名女子 18 名 37 名 ) 3 場所海田西中学校第 2 理科室 4 単元名身のまわりの現象 ~ 力の世界 ~ 5 単元について

2 原子やイオンのつ 3 原子が電気的に中性 3 原子の構造について くりに関心をもっ になる理由を 原子 説明している て説明を聞こうと の構造から指摘して 4 陽イオンや陰イオン する いる の違いを説明でき 4 イオンは原子が電子 イオンをイオン式で を失ったり 受け取っ 表している たりして

3 単元の目標 (1) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象に進んでかかわり それらを科学的に探究するとともに 事象を日常生活とのかかわりでみようとする 自然事象への関心 意欲 態度 (2) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象の中に問題を見いだし 目的意識をもって観察

FdText理科1年

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

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(2) 単元構想図 単元デザイン 時数と手立て軸 数ねらい 引き出したい学習活動の姿 ICT の活用 カリキュラムマネジメント 疑問や知りたいことを共有する 1 電池のしくみについて 疑問や知りたいことを共有することができる ( 自然事象への関 1 果物電池を作り 電子オルゴールを鳴心 意欲 態度

Microsoft Word - 全国調査分析(H30算数)

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第 2 学年 5 組理科学習指導案 日時平成 26 年 12 月 12 日 ( 金 ) 場所城北中学校授業者酒井佑太 1 単元名電気の世界 2 単元について (1) 教材観今日の私たちの日常生活において 電気製品はなくてはならないものであり 電気についての基礎的な知識は必要不可欠である しかし 実際

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他の単元との連関 子どもが獲得する見方や考え方 教師の持つ指導ポイント 評価規準 小学 4 年生 もののあたたまり方 小学 6 年生 電気の利用 ~ エネルギーの工場と変身と銀行 ~ 中学 1 年生 光と音 ( 光のエネルギーを利用しよう ) 中学 2 年生 電流 ( 電気とそのエネルギー ) 電流

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教師の持つ指導ポイント 評価規準 中国地方の送電線網の図を利用し, 発電所からの電力を消費地に届けていることを示す その際, 送電の途中では, 電線の抵抗のために電線が発熱して電気エネルギーが損失することを, 本単元の内容をもとに考察させる ( 自然事象への関心 意欲 態度 ) エネルギーは変換の際

国語科学習指導案様式(案)

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第1学年 理科学習指導案

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

第 6 学年理科学習指導案指導者千葉市立小中台小学校本間希世 1 研究主題 (1) 市教研統一テーマ 自ら学び 心豊かに生きる力を身につけた児童生徒の育成 (2) 部会テーマ 個を生かした学習指導の進め方 小中合同主題 教材の本質にもとづき 児童の力で自然を調べる楽しさが体得される場の工夫と指導方法

子葉と本葉に注目すると植物の成長の変化を見ることができるという見方や, 植物は 葉 茎 根 からできていて, それらからできているものが植物であるという見方ができるようにしていく また, 学んだことを生かして科学的なものの見方を育てるために, 生活の中で口にしている野菜も取り上げて観察する活動を取り

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「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

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ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

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Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

第4学年算数科学習指導案

○数学科 2年 連立方程式

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瑞浪市調査結果概略(平成19年度全国学力・学習状況調査)

4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

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彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

1 平均正答率1 平均正答率1 平均正答率1 平均正答率 小学校 6 年生 1252 人 ( 小学校第 5 学年内容 ) 8 6 全国 弘前市 コメント 話すこと 聞くこと の中の 意図 立場を明確にし

本時の評価規準 ( 観点 / 方法 ) 1. 今まで学習したことをもとに, 実験を適切な操作で行い, 各極で発生した物質を同定 することができる ( 観察 実験の技能 / ワークシートへの記述 ) 2. 食塩水に電流を通したときの陽極および陰極での変化の様子を粒子モデルを使って図 示し, そのモデル

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3 特別支援学級における学習指導案 特別支援学級においても 学習指導案は授業の設計図としての働きに変わりはありません しかし 特別支援学級では 児童生徒の実態から指導の内容や計画を考えることに大きな意味があります 通常の学級の学習指導案では 例えば 単元について は学習指導要領に沿った指導計画に基づ

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ア 単元の指導内容と身に付けさせたい力 この単元では, いろいろな水溶液を使い その性質や金属を変化させる様子を調べ, 水溶液に は 1 酸性 アルカリ性及び中性のものがあること 2 気体が溶けているものがあること 3 金 属を変化させるものがあることなど 水溶液の性質や働きについての考えを児童がも

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現行の学習指導要領(1998年公示,2002年実施)は,教育の総合化をキーワードに,「生きる力の育成」と「ゆとりある教育」をねらいとしている

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第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

Ⅲ 化学変化とイオン 単元における観察 実験の位置付け 学習活動備考 課題 どのような水溶液が電流を通すのだろうか 実験 1 電解質や非電解質の水溶液について電流を通すか調べる実験 様々な水溶液を用意するが この後に 塩化銅水溶液や塩酸の電気分解に触れるため この 2 つの水溶液は用意しておくとよい

中学校における授業実践事例 1 第 3 学年社会科 消費生活と経済 1 学校名 職氏名萩市立田万川中学校教諭室谷雄二 2 生徒 3 学年 15 人 3 学習指導案 (1) 題材名消費生活と経済 (2) 題材の目標経済活動の意義について消費生活を中心に理解させるとともに 価格の働きに着目させて市場経済

4 調査結果について (1) 教科に関する調査の結果 ( 公立 ) の平均正答率を % として換算した市内の領域 観点 問題形式別正答率 グラフの途切れは, 問題が出題されなかった項目 < 小学校 > : 概要 : 課題 : 今後の学習ポイント国語 A( 基礎 ) 国語 B( 活用 ) 話すこと聞く

第○学年 ○○科指導計画

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1 単元名 分数 ( 全 10 時間 ) 教材名 分数をくわしく調べよう ( 東京書籍 4 年下 ) 第 4 学年算数科学習指導案平成 26 年 11 月 26 日 ( 水 ) 5 校時 4 年 1 組 ( 男子 13 名 女子 10 名計 23 名 ) 指導者上田稚子 ( 学習指導要領 ) A 数

Transcription:

理科学習指導案 日時 : 平成 25 年 5 月 31 日 ( 金 ) 公開授業 Ⅰ 学級 : 岩手大学教育学部附属中学校 3 年 B 組 40 名会場 : 第 1 理科室授業者 : 佐々木俊 1 単元名 化学変化とイオン 2 単元について (1) 生徒観本単元で扱うイオンを普段の生活の中で経験する機会は少ないと考える 事前調査によると 生活の中においてはドライヤーや空気清浄機などで使用されているマイナスイオン発生装置や 滝つぼなどから発生するといわれているマイナスイオン効果 アルカリイオン水やスポーツ飲料などがほとんどである これらのことから イオンはからだにいいはたらきをする 空気をきれいにする といった誤った概念として構築されていることを読み取ることができる イオンの存在自体は私たちの生活に溶け込んでいるが 化学変化のしくみやイオンの存在については 普段目にせず それらを理解していなくても利用できるため 改めて考えることは少ない さらに身近な事象として 濡れた手でコンセントを操作すると感電しやすい ということを知っている生徒も多いが イオンが関わるそれらの原理については理解していない現状がある このように日常生活の中で見聞きしたり 利用している事象を科学的にとらえることは非常に難しいことである 本単元の学習内容との関わりでは 化学変化と原子 分子において 水の電気分解について学習している その際 精製水では電流が流れないことを確認し 水酸化ナトリウムを溶かすことで電流が流れるようになり 分解する実験を行っている さらに 化学変化が原子の組み合わせが変わることで起こることを原子 分子のモデルで学習している 電流とそのはたらきでは 金属などのように電流が流れる物質 (= 導体 ) とガラスなどのように電流が流れない物質 (= 不導体 ) があることを学んでいる その際 電流が自由電子の移動により起こる現象であることを学んでいる 本単元を学習するにあたり 化学変化やイオンと日常で用いられるものとを関連づけ 微視的な見方や考え方でとらえさせることは生徒にとって意義深いものである 観察 実験を行った際に 目に見える物質の性質や反応を 目に見えない原子 分子 イオンの概念を用いて考察し 粒子 に対する科学的な概念の構築を図りたいと考える 授業を行う学級は男女 20 名 計 40 名である 4 名ずつの 10グループ編成で授業を実施している 理解力の高い生徒も多く 若干固定化の嫌いもあるが発言も積極的な方である 観察 実験もグループごとに安全に配慮し 協力して取り組むことができる 話合い活動では交流が深まる班もあるが 家庭や塾での予習した内容を語ろうとし先行し過ぎる生徒がいる半面 間違ったことを話すことが恥ずかしさから聞くだけになってしまう生徒がいる現状である 表現活動の機会と時間を十分に確保できていない現状があるため 言葉や式やモデルを使って 思考 判断の過程や結果を表現する力を育てていきたい 資料イオン概念実態調査 質問 1 あなたは イオンという言葉を聞いたことがありますか あると思う人は いつどこで聞きましたか? ある 39 人 ない 1 人 いつ : 日常生活 11 人 テレビを見て 10 人 幼稚園の頃 1 人 塾 1 人 どこで : ドライヤー 10 人 マイナスイオン 9 人 空気清浄機 6 人アルカリイオン水 4 人 扇風機 3 人 加湿器 3 人 ナノイオン 2 人 滝 2 人 エアコン 2 人 家電量販店 2 人 本 マンガ 2 人 洗濯機 1 人 論文 1 人 電気スタンド 1 人 消臭剤 1 人 温泉 1 人 ショッピングモール 1 人

質問 2 1イオンには大きさがあると思いますか あると思う人は どれくらいの大きさだと思いますか ある 35 人 ない 5 人 すごく小さい 12 人 原子サイズ 6 人 目に見えない大きさ 5 人 原子より小さい 2 人 種類によってちがう 2 人 分子サイズ 1 人 分子の 10 分の1 1 人 電子サイズ 1 人 粒子程度 1 人 顕微鏡でぎりぎり見える程度 1 人 人には見えないくらい 1 人 分からない 1 人 2イオンには形があると思いますか あると思う人は どんな形だと思いますか ある 33 人 ない 7 人 丸 12 人 球 6 人 原子によってちがう 3 人 電子の形 1 人 うす雲のようなものが原子核のまわりに存在する 1 人 電子が抜けた もしくは増えた形 1 人 分からない 4 人 3イオンには重さがあると思いますか あると思う人は どれくらいの重さだと思いますか ある 36 人 ない 4 人 すごく軽い 14 人 何も感じないくらい軽い 8 人 原子レベル 4 人 空気より軽い 2 人 水素やヘリウム程度 1 人 空気ぐらいの重さ 1 人 原子より軽い 1 人 電子と同じ重さ 1 人 1 円玉の 1 億分の 1 1 人 体重計では計れない 1 人 分子の 10 分の1 1 人 分からない 1 人 4イオンには性質や働きがあると思いますか あると思う人は どんな性質や働きがあると思いますか ある 34 人 ない 6 人 +-の性質を持っている 4 人 原子が電気を持ったもの 1 人 原子が電気を帯びたもの 1 人 原子から電子が離れたもの 1 人原子と似たような性質 1 人 静電気のもとになる電子をつけたり離したりする 1 人 物質に電流を通す 1 人 物質にくっつく 2 人 体にいいはたらき 5 人 美容 うるおいを与える 3 人 空気をきれいにする 2 人 何かをきれいにする 1 人 たぶん気体だと思う 1 人 分からない 7 人 質問 3 イオンはどんなものからできていると思いますか 原子 10 人 水 4 人 目に見えない何か 4 人 空気みたいなもの 3 人 陽子と中性子と電子 原子 2 人 たくさんの物質の組み合わせ 2 人 電子 2 人 粒子 1 人 電気 1 人 空気の純度 1 人 分からない 9 人 質問 4 イオンとはそもそも何だと思いますか あなたの考えをかいてください 不安定な原子が刺激を受け 電子を手放したり受け取ったりする現象 2 人 原子に電気を帯びさせたもの 1 人 原子の中で電子の数がかわったときの状況 1 人 原子に寄り添っているもの 1 人 原子に電子がついているかついていないか 1 人 原子が + -の電気を持つときに変化する電子 1 人 +と- の電気を帯びているもの 1 人 原子からできているもの 4 人 物質をつくっているもの 2 人 生活と関わりがないようで 実は関わりのあるもの 3 人 生活によい影響を与えるもの 1 人 目に見えない生活にあまり影響のないもの 3 人 体をきれいにするもの 1 人 あってもなくてもいいもの 1 人 わるいものではない 1 人 空気の純度 1 人 空気に含まれている物体 2 人 小さくて軽い何か 1 人 不思議なもの 1 人 きれいなもの 1 人 マイナスイオン 1 人 物質の種類を決めるもの 1 人 分からない 8 人 (2) 教材観学習指導要領の改訂により 国際的な通用性 内容の系統性の確保などの観点から 平成 10 年度の学習指導要領で削除されたイオンの内容が 水溶液とイオン として復活した エネルギー 粒子 生命 地球 などの科学の基本的な見方や概念を柱として 小 中学校の一貫性が重視され 理科の内容の構造化が図られている その中でも本単元は 粒子 の中の 粒子の保存性 に関する単元である 本単元に関わりが深い粒子概念の形成については 小学校 6 学年で 水溶液の性質 において いろいろな水溶液の性質を調べ その性質やはたらきから分類してきた これを受けて 中学校第 1 学年の 身のまわりの物

質 の単元で 物質同士の反応を巨視的にみる学習をしている また 第 2 学年の 化学変化と原子 分子 の単元では 物質は原子 分子という最少単位からなり 化学反応は原子の結びつきが変わる反応であることを 化学反応式を用いて説明するとともに 身のまわりの物質を粒子としてたとえることにより 様々な現象にあてはめて理解することに取り組んでいる イオンの概念は生活経験を通して形成していくのが難しい概念である イオン概念とこれまで中学校で扱ってきた他の学習内容とが関わりを持ち イオンを用いて考えていくことで 事象を科学的に説明することができ より確かな概念として構築されると考える 本単元は学習指導要領第 1 分野の内容 (6) に位置付けられており 化学変化についての観察 実験を通して 水溶液の電気伝導性や中和反応について理解させるとともに これらの現象をイオンのモデルと関連付ける見方や考え方を養う単元である また 目に見える現象を 目に見えないイオンやモデルやイオン式で表すことを理解することで モデルや記号を使って物質の変化をより伝わりやすく説明できるという科学の基礎的な考え方を養うことができる単元である これまでの学習を踏まえ 水溶液の電気的な性質や酸とアルカリの性質など 観察 実験を通して見いだすことで 興味 関心を持たせ 実験技能を高めることができる また 目的意識を持って水溶液の電気伝導性や中和反応に関わる観察 実験を行わせ 結果を分析して解釈し 自らの考えを表現させることを通して 科学的な思考力 判断力 表現力の向上を図るのに適した単元であるといえる (3) 学びの自覚化について本校理科の目標は 生涯にわたって日常生活や社会において生きてはたらく力 = 探究力を育成すること である この探究力をはぐくむ中心的な役割を担うのが科学的な思考力 判断力 表現力であると考え それらを高めるために 次の 1~3 を手立てとして研究を行ってきた 1 学習内容の分析 2 教材開発 3 単元デザインの工夫本単元では 特に 1 2に重点を置いて研究を進めてきた 1 学習内容の分析指導にあたっては 原子が電気を帯びること イオンという粒子があることをはじめに教え込むのではなく 電解質水溶液に電流を流したときの変化をじっくり観察させることから始めていきたい その際 それぞれの極から発生する物質が何であるのかていねいに予想し 自分なりの仮説を持たせたい 物質名を調べる方法についても全体で確認し その実験方法に沿って実験を進ませたい 物質の同定が終わった後 予想との比較を進め 自分の言葉で考察を記入することができるようにしていきたい また それぞれの極に決まった物質が析出する理由を生徒に考えさせ 自分の考えをまとめた上でグループでの交流を通して 水溶液中には +と- の電気を持った粒子があり それらが陽極と陰極に引かれるのでないかという仮説を生徒から引き出していきたい そして イオン概念を紹介するとともに 次への課題としてつなげながら学習を構築していきたい 生徒自身が自らの課題を意識して仮説を立てる 仮説をもとに検証方法を考える 実際に検証する 他者との関わり合いの中で検証の結果をもとに考察を記入するという学習過程を経験していく中で 自分がこれまで持っていた知識や考え方を生かして解決できたという自己効力感が生まれると考える そうすることで 学習前の事象に対する考え方を振り返り 学習後の変容の様子を客観的にとらえることが学びの自覚化につながるものと考える この他に学習する内容として 電池の仕組み 酸とアルカリを示すイオン 中和反応などがある どれも現象を目で見ることはできるのだが 起きた理由を説明する際には目に見えない原子 分子 イオンなどのモデルを必要とする 自分の考えを表現することや他の意見を取り入れる機会を意識的に設け それらを総合的にとらえて考察することができるように指導を行っていきたい その実践をしていくためにも 生徒が説明できる場面があると考え 理由を言いやすいような発問の仕方や言葉遣いを工夫することにしていきたい また 予想 考察の場面で 学習形態を工夫して 各自の考えを交流する機会を設け 表現力の育成を図っていきたい

自らの学びを見取る活動の1つとして 一枚ポートフォリオ評価法 ( One Page Portfolio Assessment:OPPA) を活用している 生徒は学習前に自分がどのような考えを持っているのかを明確にするとともに 学習後に自らが持っていた素朴概念と学習によって獲得した概念を比較 分析することができ 自己の学びの深まりを実感できることが学びの自覚化につながるものと思われる 生徒一人一人が自己の学びを振り返ることで 自己の変容を意識化させることができ 授業に臨む学習意欲の向上につながっている また 学習後に完成した一枚ポートフォリオをもとにすれば 指導計画が適切なものであったか また 扱った題材が妥当なものであったかなど 教師側の評価の手立てにもなる 学習前と学習後に記入したコメントや学習履歴に記入したコメントから自分自身の変容を客観的に見取り 学習したことへの実感を伴った授業を構築し 今後の学習への意欲を引き出すことで学習者としての力を高めたいと考えている 3 単元の指導目標及び評価規準 (1) 指導目標化学変化についての観察 実験を通して 水溶液の電気伝導性や中和反応について理解するとともに これらの事物 現象をイオンのモデルと関連づけて見る見方や考え方を養い 物質や化学変化に対する興味 関心を高め 身のまわりの物質や事象を新たな見方や考え方でとらえさせる 化学変化についての観察 実験を通して 水溶液の電気伝導性や中和反応について理解するとともに これらの事物 現象をイオンのモデルと関連づけて見る見方や考え方を養う ア水溶液とイオン ( ア ) 水溶液の電気伝導性 ( イ ) 原子の成り立ちとイオン ( ウ ) 化学変化と電池イ酸 アルカリとイオン ( ア ) 酸 アルカリ酸とアルカリの性質を調べる実験を行い 酸とアルカリのそれぞれの特性が水素イオンと水酸化物イオンによることを知ること ( イ ) 中和と塩中和反応の実験を行い 酸とアルカリを混ぜると水と塩が生成することを理解すること ( 内容の取扱い ) ウイの ( ア ) については phにも触れること エイの ( イ ) については 水に溶ける塩と水に溶けない塩があることにも触れること (2) 評価規準 自然事象への関心 意欲 態度 水溶液とイオン 酸 原子の成り立ちとイオン 化学変化と電池に関する事物 現象にすすんでかかわり それらを科学的に探究しようとするとともに 事物を日常生活とのかかわりで見ようとする 科学的な思考 表現 水溶液の電気伝導性 原子の成り立ちとイオン 化学変化と電池に関わる事物 現象のなかに課題を見いだし 目的意識をもって観察 実験などを行い 水溶液の種類と電気伝導性 イオンの存在 イオンのモデルと関連づけた化学変化による電流の発生について自らの考えを導き 表現している 観察 実験の技能 水溶液の電気伝導性 原子の成り立ちとイオン 化学変化と電池に関する事物 現象についての観察 実験の基本操作を習得するとともに 観察 実験の計画的な実施 結果の記録や整理などの仕方を身につけている 自然事象についての知識 理解 観察 実験などを通して 水溶液には電流が流れるものと流れないものがあること イオンが存在していること イオンの生成が原子の成り立ちと関係していること 電池では化学エネルギーが電気エネルギーに変換されていることなどについて基本的な概念を理解し 知識を身につけている

4 単元の指導計画及び評価計画 (1) 第 1 章水溶液とイオン (10 時間 ) 時 テーマ 内 容 関思技知心表能理 備考 1 電流を流す水溶液 身のまわりにある水溶液について考える 2 実験 1の実施 水溶液の導電実験 3 実験 1のまとめ ( 非 ) 電解質の分類 4 実験 2の実施 塩化銅水溶液の電解 5 実験 2のまとめ 塩酸の電解 ( 演示 ) 6 電解の水溶液モデル 水溶液に電流が流れるときのモデルを考える 7 原子とは 原子のつくりとその特徴 8 イオンのできる様子 イオンと電子移動の関係 9 水溶液中のイオン 電離のようすを イオン式を用いて表す 10 イオンからイオンから原子 ( 分子 ) がどのようにしてでき原子 ( 分子 ) へるか (2) 第 2 章化学変化と電池 (5 時間 ) 時 テーマ 内 容 関思技知心表能理 備考 1 実験 3の実施 電流を取り出す 2 実験 3のまとめ 電池のしくみ 3 電池のイオンモデル 電圧が発生し 電流が流れるしくみ 4 大きな電圧を得るにはどうすべきか 電池の追加実験 5 実験まとめ 身のまわりの電池の種類 (3) 第 3 章酸 アルカリとイオン (9 時間 ) 時 テーマ 内 容 関思技知心表能理 備考 1 水溶液の性質 実験 4の実施 まとめ phとは 2 酸 酸やアルカリに含まれているイオンの移動の 3 アルカリ ようすを実験で観察 4 中和実験の導入 基礎操作 こまごめピペットの使い方塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の混ぜ合わせ 5 中和反応と塩 硫酸と水酸化バリウム水溶液 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和実験 本時 6 塩のでき方 塩と水の生成のしくみ 7 濃度と体積の関係 濃度のちがう水溶液を使った中和実験 まとめ 8 単元末テスト 5 本時について (1) 主題 中和反応と塩 (2) 指導目標 酸性とアルカリ性の水溶液を混ぜ合わせて中性になった水溶液に 電流が流れるかどうかを確かめる実験や モデルを用いて考えを交流する活動を通して 中和反応とその際に生成する塩についての理解を深めさせる (3) 評価規準 1 中和反応が起きた水溶液中のイオンのようすをモデルとして書き表し そのようなモデルになる理由を説明することができる 科学的な思考 表現 2 酸とアルカリの水溶液を混ぜ合わせて中性にする実験を行い phの数値を計測する 電流が流れるかどうかという実験を正しく行うことができる 観察 実験の技能

(4) 指導の構想本時は 学習指導要領第 1 分野 (6) 化学変化とイオンの ( イ ) 中和と塩に関する学習であり 以下の学習内容を学び取ることができるように授業を展開していきたい 学習内容 1H + とOH - が結びつくことで H 2 Oが生成し お互いの性質を打ち消し合うこと 2 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜ合わせた場合 水を蒸発させることで水溶液中の Na + と Cl - が結びつき塩化ナトリウム ( 食塩 ) が生成されること 3 塩は水に溶ける物質もあるが 硫酸と水酸化バリウム水溶液を混ぜ合わせたときにできる硫酸バリウム BaSO 4 のように水に溶けない塩もできることがあること この学習内容に対する理解を深めるため 中和反応を起こす実験から phの変化 電球の明るさの変化をつかみとることができるか また それらの情報から水溶液中のイオンのようすをイメージして 通電したかそうでないかの理由づけとしてイオンモデルを想起できるかがポイントになる 生徒が中和に対して 酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液が混ざり合うと害がなくなる 性質が弱くなる 酸性とアルカリ性が打ち消し合う 混ぜれば中性になる などの素朴概念とつながりを持たせながら学習を進めていきたい 導入では 既習事項の確認から入る 水溶液中にイオンが存在すると電流が流れること phと水素イオンの数量の関係など 観察 実験の結果から考察する際に必要となる事柄についてふれていきたい また 塩酸や硫酸 水酸化ナトリウム水溶液や水酸化バリウム水溶液の水溶液中に存在するイオンの種類や数などの確認を行う その後 2つの実験を見せる 1つは硫酸と水酸化バリウムである 混ぜ合わせた瞬間に白くにごるため 中和という化学変化が起きていることをイメージしやすい事象である もう 1つは塩酸と水酸化ナトリウム水溶液である こちらは混ぜ合わせても見た目には変化を感じ取ることができない事象である 同じ中和反応であるのに なぜ混ぜ合わせたときのようすにちがいが生まれるのかという観点から 課題に対する意識を焦点化できるように進めていきたい 展開では 課題に対する予想から入りたい これまでの学習を通して 目に見える現象の説明として 私たちの目に見えない粒子レベルで考えることを繰り返し行ってきた 中和反応や混ぜ合わせたことで 水溶液中でどのようなことが起こっているか イオンモデルを使って予想を立てることができるように働き掛けたい 実験検証ではこまごめピペットを正しく使い 滴下した場合には必ずガラス棒でかき混ぜるなど 基礎的な操作を大切に進めさせたい 1 班 4 人で2 つの実験を行うのは厳しいところがあるが その中でも ph 試験紙が示した色から phの数値の読み取り 導電確認器についている電球の明るさの確認を確実に行わせたい ph 試験紙が示す phの数値の変化が 酸の性質を示すイオン H + の数が変化したという考えのもとになり H + とOH - とが結びついて H 2 Oができ お互いの性質を打ち消し合うこと の学習につながっていく 導電確認器を使用することで中性のときの水溶液中のイオンの状態を判断することができる 水溶液が中性になったときに電流を流さなければ水溶液中にはイオンが存在しておらず 酸の陰イオンとアルカリの陽イオン結びつき硫酸バリウムという物質が生成していることが想像できる それに対して電流を流せば水溶液中にイオンが存在しており 酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが結びつくことなく存在しているのではないかという考えのもととなる 考察場面では 自分なりの考えをイオンモデルで書き表した後 グループでの意見交流を行いながら班としての考えをまとめさせたい イオンの結びつきを想起できない生徒もいると思うが 他の班員の説明を聞きながらイオンがどのように存在しているのかをイメージすることにつなげていきたい その後 各班 1 人が別の班の机に出向き 自分たちの班の考えを説明 質問などに答える機会を設けて表現力の育成と理解の深化を図っていきたい 終末では 水溶液が中性になったときのイオンモデルを書き なぜそのようなイオンモデルになったのか 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜた場合 と 硫酸と水酸化バリウム水溶液を混ぜた場合 のちがいにつながる理由づけも含めた内容を一人一人がまとめていきたい

(5) 本時の展開段学習活動及び学習内容階 1 既習事項を確認する 水溶液にイオンが存在するとき電流が流れること ph の数値と水素イオンの数の関係 塩酸 水酸化ナトリウム 硫酸 水酸化バリウムの水溶液中でのイオン式 時 間 10 分 学びの自覚化との かかわり 導 入 2 2 種類の水溶液を混ぜ合わせる実験を教師が行い 生徒は観察する 塩酸 + 水酸化ナトリウム水溶液 無色透明は変わらない 硫酸 + 水酸化バリウム水溶液 白色の物質が析出する 3 課題を把握する 同じ中和反応であるのに なぜ混ぜ合わせたときのようすにちがいがあるのかということに焦点化する 酸とアルカリの水溶液を混ぜ合わせたとき 変化なく無色透明のままだったり 白くにごったりするのはなぜだろうか? 4 課題に対する予想を立てる この段階では既有の知識から考える生徒 実験の様子から考える生徒 イ オンモデルを用いて考える生徒がそれぞれいて構わないと考えているが イオンモデルで考えるように働き掛ける 5 水溶液を混ぜ合わせ 中性にする実験を実施する こまごめピペットを正しく使うことができているか確認する 水溶液を混ぜ合わせながら ph の数値の変化 電球の明るさの変化につい て記録する 1 つ 1 つの実験を班全員で分担して行う 30 分 それぞれの水溶液中に存在するイオンから 混ぜ合わせたときにどうなるのかを考える 考えがまとまらない生徒は イオンの持つ+ -の電気に着目するように働き掛け この時点での自分の考えを持たせたい 展 6 実験結果を共有する 5 の実験でどのような変化 現象が見られたか全体で確認する 開 7 実験結果をもとに考察し 意見交流をする イオンモデルを班内で交流する 代表 1 人が他の班へ行き 自分の班の考えを発表する ホワイトボードとイオンマグネットを利用して考える ph の変化から水 H 2 Oの生成が想起されること 電流が流れるときはイオンとして存在し 電流が流れないときは分子として存在していることなどが説明の中でふれられているかどうかを確認し 必要に応じてふれる 生成する塩が水溶性水溶性なのか不溶性なのかについてもふれる 実験で得られた情報をもとに水溶液中でのイオンに対するイメージを固める ph の変化からの生成を 電流が流れるかどうかとうことから塩が水溶性であ るか否かを構成するイオンが結合しているか否かの 2 点が 説明の中で満たさせれているかどうかを確認し 必要に応じてふれる

終 8 意見交流した内容をまとめる 文章とモデルの両方で表現させるように働き掛ける 10 分 予想と考察の段階を比較をすることで本時の学 なかなか書けない生徒には別のイオンモデルを使用して説明する 習を通しての個々の変容 末 をとらえる