Gartner Symposium/ITxpo 2017 オープンシアターセッション (OT-12) ディープラーニングは万能なのか? 2017 年 10 月 31 日株式会社 NTT データ数理システム
目次 1. NTTデータ数理システムのご紹介 2. Deep Learningの最近の動向 3. Deep Learning 事例紹介 4. まとめ 2
NTT データ数理システムのご紹介 会社名 : 株式会社 NTT データ数理システム 所在地 : 東京都新宿区信濃町 35 信濃町煉瓦館 1 階 資本金 : 5,600 万円 (NTT データ 100% 出資 ) 従業員数 : 約 100 名 (80% が技術者 ) 沿革 : 1982 年 4 月 数理システム設立 2012 年 2 月 NTTデータグループ入り 2013 年 9 月 NTTデータ数理システムに社名変更 数理科学とコンピュータサイエンスを軸にして 社会のあらゆる分野に起こる問題解決のためのソリューションを提供する専門家集団です 3 3
NTT データ数理システムのソリューションの歩み 株式会社数理システム設立 ビジネスの方向性 1982 1990 2000 2010 物理現象への問題解決 NTT データグループへ参画 アナリティクス 物理的現象 大規模線形計算 有限差分法 計算幾何学 半導体プロセス デバイスシミュレーション BSD/OS 代理店 エキスパートシステム Common Lisp 交通シミュレーション 物理シミュレーション 最適化モデリング言語 自動微分 回路シミュレーション 数理最適化 大規模並列計算 HPC グラフアルゴリズム 逆問題 アナリティクス 統計パッケージ S-PLUS の販売を開始 AI 汎用離散シミュレーション メタヒューリスティクス ビッグデータ ストリームアルゴリズム データマイニング テキストマイニング 機械学習 IoT Deep Learning ( 画像 自然言語 強化学習 ) 4 4
NTT データ数理システムのビジネス 主な業務内容 ビジネス アナリティクス領域における パッケージソフトウェアの開発 販売 アプリケーション開発 分析コンサルティング事業 開発 分析対象領域 AI 機械学習 深層学習 数理計画 最適化 統計解析 マイニング 知識データベース 言語処理 パターン認識 シミュレーションなどの科学計算 パッケージ製品 受託コンサルティング導入実績数 2,000 社以上 自社パッケージによる開発 チューニング 5 5 NTT データ数理 システムの強み数理科学のプロ集団としての豊富な経験 取引実績 NTT データグループとの事業連携の強化による包括的なサービス提供
Deep Learning の最近の技術動向
なぜ今 機械学習? 大量のデータ Big Data IoT 複雑な問題を解くための多くのデータが利用可能に 機械学習の発展複雑なモデルとそれを解くための学習方法の発展 転移学習 半教師付き学習 高度な学習方法 複雑な問題 単純な回帰やクラス分類にとどまらない 複雑なモデル Deep Learning 7 7
AI の 3 つのブーム 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 第 1 次 AI ブーム 計算機の登場とともに人間の知能をシミュレーションする試み 推論と探索 理論はできても実践が困難 第 2 次 AI ブーム 特定分野の専門家知識をルール化するエキスパートシステム 記述ルールが膨大となり 実現が困難なことが判明 第 3 次 AI ブーム 計算機資源の進化により大規模な処理が可能 ネットの普及で膨大なデータが蓄積 古典的統計手法から Deep Learning 様々なモデルが現実の問題に適用 現実の問題に適用されることで 加速度的に発展 8 8
タスクの複雑化 Classification タスク 犬 画像の分類 Detection 人 顔 範囲予測 + 画像分類 犬 Natural Image Caption 人が犬を抱きかかえています 範囲予測 + 画像分類 + 文書生成 9 9
Deep Learning による実現方法 Neural Image Caption(NIC) CNN と RNN を直接組み合わせて画像から説明文を生成するモデル CNN で画像から抽出した特徴量を RNN の隠れ層の初期値として文書を生成する 出力 = 画像の説明文 y t 犬が公園 m t 入力 = 画像 CNN CNN(Image) x t 特殊単語 犬 が RNN 10 10
Deep Learning は万能か? 万能といわれる Deep Learning ですが 何にでも適用すればよいという訳ではありません その計算コストの大きさから 適用するに足る問題に適用しないと 無駄が多くなります 既存の問題の精度向上 Deep Learning である必要性が薄い ( 画像認識を除く ) Descriptive 現状把握 認知 Predictive 予測 分類画像認識など Generative 文書生成自然言語処理など Prescriptive 計画 制御ロボティクスなど 今まで解けなかった問題への適用 Deep Learning 以外の手法では難しい 11 11
Generative Model( キャプションの自動生成 ) Natural Image Caption (NIC) A man and a woman are walking on the beach. A group of people are hiking up a mountain. A dog runs through the grass. A basketball player slam dunks the ball. http://nic.droppages.com/ Oriol Vinyals, Alexander Toshev, Samy Bengio, Dumitru Erhan. Show and tell: A neural image caption generator. Computer Vision and Pattern Recognition (2015) 12 12
Prescriptive Model( 自動運転シミュレーション ) 自車の状態や他社との関係から次にとる行動 ( アクセル ブレーキ ハンドル操作 ) を決定します 自動運転車 https://github.com/sisl/gail-driver Alex Kuefler, Jeremy Morton, Tim Wheeler, and Mykel Kochenderfer Imitating Driver Behavior with Generative Adversarial Networks. arxiv:1701.06699 13 13
Deep Learning 事例紹介 2017 NTT DATA
NTT データ数理システム事例 2 : 感情を持ったチャットボットの開発 発話に意図や多様性を持たせる目的で その時ごとに応答時のテンションが変わるチャットボットを作成しました Google の他言語翻訳の仕組みを用い チャットボットに感情ラベルを付与することで実現 < サンプル > ( 入力文 ) 好きです < ニュートラル > ( 回答文 ) 私も好きです < 弱気 > ( 回答文 ) 本当ですか? < 強気 > ( 回答文 ) 知っていますけど < 親しみ > ( 回答文 ) 私も好きですよ < 曖昧 > ( 回答文 ) えっと 15 15
NTT データ数理システム事例 3 : 超高層建物の振動制御 NTT ファシリティーズ様地震動 ( とくに長周期地震動 ) に対する超高層建物の損傷低減と居住者の不安軽減を目的に AI を活用した 従来技術よりも高いアクティブ制振技術を開発しました 建物の揺れをパッシブ制振と比較して 50% 以上低減できることが確認できました 出典 :AI( 人工知能 ) を活用する超高層建物向けアクティブ制振技術を開発 NTT ファシリティーズ http://www.ntt-f.co.jp/news/2017/170830.html アクティブ制振 直接的に外部からのエネルギーを使って建物の振動を制御する制振 制御理論的 問題ごとに物理モデルを立てて制御する 入力が事前にわかっていれば正しい解を求めることが可能 強化学習 物理モデルを陽に扱わず 入力と評価式を基に試行し制御方法を学習する 16 16
まとめ Deep Learning の活用にあたって Deep Learning により AI の新たな Phase へ Deep Learning 前夜と Deep Learning 以降で出来ることが大きく変わってきました実際の問題に適用することで新たな問題も生まれ加速度的に発展しています Deep Learning の適用の注意 既存の問題に安易に適用しない 精度向上? 時間削減? 理論保証はない ( 今後に期待 ) 上手く使うには試行錯誤 スキル 経験が重要になってくる 複雑な問題に適用しよう 今まで解けなかった問題もモデル化できるかも? 17 17
記載されている会社名 商品名 又はサービス名は 各社の商標又は登録商標です