目次 はじめに P1 第 1 章基本的な考え方 P2 1. 背景 P2 2. 用語の定義 P2 3. 対象施設 P3 4. 開設基準 P3 5. 施設管理者の役割 P3 6. 災害時要援護者への対応 P3 7. 一時滞在施設 災害時帰宅支援ステーション及び避難所の区分 P5 第 2 章一時滞在施設の

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( 時差退社計画の作成 ) ⑸ 管理権原者は 従業員等の徒歩による帰宅経路を把握し グループ毎の時差退社計画を作成しておく 時差退社計画表 別表 2のとおり 2 震災時の活動計画 1 家族等との安否確認の実施に関すること ( 家族との安否確認 ) (1) 従業員は 震災時に家族等の安否を確認し に報

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目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

目次 はじめに P1 第 1 章平常時 P3 1. 企業等における施設内待機のための計画策定と従業員等への周知 P3 2. 企業等における施設内待機のための備蓄について P3 3. 平時からの施設の安全確保 P5 4. 従業者等との安否確認手段 従業者等と家族との安否確認手段の確保 P8 5. 帰宅

作成例 ( 共同住宅用 ) 消防計画 この計画で定めたことは 居住者が守らなければなりません 1 防火管理者等の業務について 年月日作成 防火管理者は 次に掲げる業務を行う 1 消防署への報告及び連絡 2 居住者への火災予防対策 火災発生時及び地震発生時に近隣者が行うべき行動の呼び掛け 3 建物 屋

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大津市避難所運営マニュアル

(溶け込み)大阪事務所BCP【実施要領】

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

Ⅱ 一時滞在施設の確保

東京事務所版 BCP 実施要領目次応急頁 < 第 1グループ> 直ちに実施する業務 1 事務所における死傷者の救護や搬送 応急救護を行う一時的な救護スペースの設置 運営 備蓄の設置 医療機関への搬送 1 2 事務所に緊急避難してきた県民や旅行者等への対応 避難 一次避難スペースの運営 指定避難所への

事業所防災計画 ( 帰宅困難者対策 ) 作成例 東京都震災対策条例に基づく事業所防災計画に関する告示の一部改正 ( 平成 24 年 3 月告示第 5 号 ) 平成 年月日施行 1 震災に備えての事前計画 1 保護者等との安否確認のための連絡手段の確保に関すること ( 児童 生徒の保護者 教員の家族と

首都圏で大地震が起きると 建物 が 倒 れ ま す! 揺れで建物が倒れます 窓ガラスが割れ 道路に飛び散ります 火災があちこちで起きます 特に木造の建物が集まっている 火災 が 起 き ま す! 地域では 大規模な火災が起きる場合があります 道路 が 通れ な く な り ま す! 建物が倒れて道路

事業所防災計画 ( 帰宅困難者対策 ) 作成例 東京都震災対策条例に基づく事業所防災計画に関する告示の一部改正 ( 平成 24 年 3 月告示第 5 号 ) 平成 24 年 10 月 1 日施行 1 震災に備えての事前計画 1 家族等との安否確認のための連絡手段の確保に関すること ( 従業員及び従業

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

1 首都直下地震対策の具体的な推進 ( 提案要求先内閣官房 内閣府 国土交通省 ) ( 都所管局総務局 政策企画局 ) (1) 首都直下地震等の災害から住民の生命と財産を守るとともに 首都機能への打撃を最小限にとどめるため 財政上の措置を実 施するなど 首都直下地震対策を具体的に推進すること (2)

資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

5 安全 減災措置 建物建物は地震対策はなされていますか? 耐震補強 耐震 制震 免震設備状況 ( リスト ) 耐震 安全性診断 ( 発災前 ) 耐震 安全性診断を受けていますか? 施行証明書 実施状況 ( リスト ) 応急危険度判定 ( 発災後 ) 転倒 転落の防止措置 6 本部への被害状況の報告

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職員の運営能力の強化 避難所担当職員研修の実施 全庁対象の避難所担当職員研修(5 回開催で約 400 名参加 ) 区毎の避難所担当職員研修 男女共同参画の視点に立った避難所づくり 共助による災害時要援護者支援の取り組みについて説明 各区災害対策本部との連絡 避難所内の課題解決の調整など 地域団体等へ

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2 被害量と対策効果 < 死者 負傷者 > 過去の地震を考慮した最大クラス あらゆる可能性を考慮した最大クラス 対策前 対策後 対策前 対策後 死者数約 1,400 人約 100 人約 6,700 人約 1,500 人 重傷者数約 600 人約 400 人約 3,000 人約 1,400 人 軽傷者

「南九州から南西諸島における総合的防災研究の推進と地域防災体制の構築」報告書

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奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

3 歯科医療 ( 救護 ) 対策 管内の歯科医療機関の所在地等のリスト整理 緊急連絡網整備 管内の災害拠点病院 救護病院等の緊急時連絡先の確認 歯科関連医薬品の整備 ( 含そう剤等 ) 自治会 住民への情報伝達方法の確認 病院及び歯科診療所での災害準備の周知広報 - 2 -

事務連絡平成 24 年 4 月 20 日 都道府県各指定都市介護保険担当主管部 ( 局 ) 御中中核市 厚生労働省老健局総務課高齢者支援課振興課老人保健課 大規模災害時における被災施設から他施設への避難 職員派遣 在宅介護者に対する安全確保対策等について 平成 23 年 3 月 11 日に発生した東

大阪市防災 減災条例 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章本市の責務 ( 第 4 条 - 第 7 条 ) 第 3 章市民の責務 ( 第 8 条 ) 第 4 章事業者の責務 ( 第 9 条 ) 第 5 章災害予防 応急対策 ( 第 10 条 - 第 25 条 ) 第 6

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国土技術政策総合研究所 研究資料

防災業務計画 株式会社ローソン

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<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

☆配布資料_熊本地震検証

H25 港南区区民意識調査

3 熊野地区 被災 共助 第 3 回ワークショップの議論をもとに わが地区における地震による時系列での と それへの 共助 をまとめました 1 建物倒壊 注 1 の は活動内容を示し は活動準備を示す 老朽木造住宅面的被害木造密集市街地激しい揺れブロック塀 電柱の倒壊建物倒壊家具の転倒ガラスの飛散生

第 7 章鹿児島県と連携した耐震改修促進法による指導及び助言等 国の基本方針では 所管行政庁はすべての特定建築物の所有者に対して法に基づく指導 助言を実施するよう努めるとともに 指導に従わない者に対しては必要な指示を行い その指示に従わなかったときは 公表すべきであるとしている なお 指示 公表や建

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災害時に必要な物資の備蓄に関する行政評価・監視<中間報告>

( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

目次 はじめに P1 第 1 章帰宅困難者等への提供が求められる情報 P2 第 2 章情報提供における関係機関間の連携と情報の流れ P4 第 3 章施設管理者に期待される情報提供のあり方 P37 1. 企業等 P37 2. 学校 P39 3. 大規模集客施設 P40 4. 一時滞在施設 P41 5.

病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

ウ火元責任者は 自主検査の結果 異常が認められたときは 防火管理者及び防火管理責任者 ( 工事責任者 ) に報告し 指示を受けて対処する (2) 放火対策ア建物の外周部及び階段等には 可燃性の工事用資材又は梱包材等は置かないようにする やむを得ず置く場合は整理整頓し防炎シート等で覆い保管する イ工事

大規模地震発生直後における 施設管理者等による建物の緊急点検に係る 指針 平成 27 年 2 月 内閣府 ( 防災担当 )

帰宅困難者対策の考え方について 資料 帰宅困難者対策について首都直下地震等への備えを万全とするためには 行政 交通機関 民間企業等が連携した総合的な対応が不可欠である 特に 帰宅困難者等の発生による混乱を防止するためには むやみに移動を開始しない という基本原則を徹底する必要がある (

震災に備えての事前計画 防災についての任務分担 防災責任者 ( ) 火 元 責 任 者 ( ) 建物 施設担当 ( ) 火気 電気設備担当 ( ) 消 火 器 担 当 ( ) 防 災 訓 練 担 当 ( ) 建築物 工作物の点検と補強防災責任者は 別表 1 自主検査表( 定期 ) に基づき 建築物及

平成 31 年 3 月 22 日北海道管区行政評価局 道の駅 の運営 管理等に関する調査 調査結果に基づく改善通知 北海道管区行政評価局では 道の駅 に求められている各種機能の効果的な発揮を推進する観点から 道の駅 の運営 管理の実態等を調査し その結果を取りまとめ 必要な改善措置について北海道開発

Microsoft Word - 02.H28秋 重点提言本文【合本】1110.doc

1 首都直下地震の概要想定震度分布 (23 区を中心として震度 6 強の想定 ) 首都直下地震 想定震度分布 出典 : 中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 ) ( 平成 25 年 12 月 ) 2

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

学校の危機管理マニュアル作成の手引

第11回市民講座の準備について

建築物等震災対策事業について

第 1 はじめに 1 ガイドライン策定の目的安全で安心なまちづくりを進める上で 近年 防犯カメラの設置は広く有用であると認められており 市内においても防犯カメラの設置が進んでいます しかし その一方で 知らないうちに自分の姿が撮影され 目的外に利用されること等に不安を感じる市民の方もいます そこで

本書の目的介護保険サービス事業所は, 高齢者の方が多く利用しており, 災害発生時には避難等の援助が必要となるため, 事業者は, 災害発生時に迅速かつ適切な行動をとれるように備えておく必要があります 本書は, 介護保険サービス事業所が災害対応マニュアルを作成する際に特に留意する点についてまとめています

< 被害認定フロー ( 地震による被害木造 プレハブ > 第 次調査 ( 外観による判定 一見して住家全部が倒壊 一見して住家の一部の階が全部倒壊 地盤の液状化等により基礎のいずれかの辺が全部破壊 いずれかに いずれにも ( 傾斜による判定 全壊 外壁又は柱の傾斜が/ 以上 ( % 以上 ( 部位

4 回答者属性 (1) 性別 人数割合 (%) 男性 女性 49.4% 0.4% 男性 5 女性 % 2 0.4% (2) 年代別 人数割合 (%) 20 代 % 30 代 % 40 代 % 50 代 % 60~6

4 災害時における他機関 他施設との協定の締結状況災害時に他機関 他施設との協定を結んでいる施設は 97 施設で 1 か所と締結している施設が多くありました 締結先は 地元自治会 町内会 病院 近隣施設 社会福祉施設 物流会社 福祉ネットワーク 市町村等でした 図 2 災害時における他機関 他施設と

第 5 部 南海トラフ地震防災対策推進計画

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目 次 ページ はじめに 1 地区防災計画制度について 1 防災計画の全体像 地区防災計画制度の全体イメージ 2 地区防災計画とは 2 3 本冊子 手引き の活用方法 2 手引きの構成 手引きの活用イメージ 地区防災計画 作成の手引き 1 制度の背景 3 (1) 作成の目的 (2) 自助 共助の重要

-災害に備えて-

北栄町耐震改修促進計画の目的等 目的 本計画は 町民生活に重大な影響を及ぼす恐れのある地震被害から 町民の生命 財産を保護するとともに 地震による被害を軽減し 社会秩序の維持と公共の福祉に資するため 建築物の計画的な耐震化を促進することを目的とします 計画の実施期間 本計画の実施期間は 国及び県の実

避難所講演資料

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新規文書1

国土技術政策総合研究所 研究資料

1 東日本大震災での多くの被害が発生!! 平成 23 年 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は 三陸沖を震源としたマグニ チュード 9.0 仙台市内での最大震度 6 強 宮城野区 という巨大な地震でした 東部沿岸地域では 推定 7.1m 仙台港 もの津波により 家屋の浸水やライフラ

目 次 第 1 はじめに 2 1 ガイドライン策定の目的 2 2 ガイドラインの対象となる防犯カメラ 2 3 防犯カメラで撮影された個人の画像の性格 2 第 2 防犯カメラの設置及び運用に当たって配慮すべき事項 3 1 設置目的の設定と目的外利用の禁止 3 2 設置場所 撮影範囲 照明設備 3 3

その他の法令等 消防法京都市火災予防条例道路法廃棄物の処理及び清掃に関する法律 対象 状況屋外における火災予防上危険なもの ( 火災の危険が迫っている場合のみに限定 ) 空き家, 空き地で火災予防上危険なもの認定区域内に生じている道路の交通に支障を及ぼすおそれのある行為自己所有地でごみ ( 一般廃棄

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平常時の防災活動 家庭内対策 指導ポイント 家屋の耐震診断と補強 家具などの転倒 落下防止と避難経路の確保 市町においては耐 家具の転倒による被害を防ぐ 震診断や耐震補強の ため タンス 食器棚などの家 補助を行っていま 具は 動かないようあらかじめ す 固定しておきましょう 冷蔵庫 などキャスター

機関との連携及び協力の下に 必要な措置を講じなければならない 3 知事は 前二項に規定する帰宅困難者対策を実施するに当っては 高齢者 障害者 外国人等の災害時に援護を要する者に対して 特に配慮しなければならない ( 都民の責務 ) 第三条都民は 大規模災害の発生に備えて あらかじめ 家族その他の緊急



三鷹市耐震改修促進計画(改定素案)

() 港南区の防災 箇条 港南区の防災 箇条は平成 年に定められましたが 初めて言葉を聞いた が% と最も多く 認知度は低くなっています 内容を知っており 箇条をもとに災害時の備えを実施している は% にとどまっています [ 性年代別防災五箇条認知度 ] 高齢者の方が認知度が高くなる傾向にあり 男女

ください 5 画像の保存 取扱い防犯カメラの画像が外部に漏れることのないよう 一定のルールに基づき慎重な管理を行ってください (1) 取扱担当者の指定防犯カメラの設置者は 必要と認める場合は 防犯カメラ モニター 録画装置等の操作を行う取扱担当者を指定してください この場合 管理責任者及び取扱担当者

地震被害予測システムにより建物被災度を予測 また 携帯電話と地図を利用した 被害情報集約システム では GPS 機能と地理情報システムとの連係により 現在位置周辺にある同社施工済物件を検索し 物件や周辺の被害状況を文字 静止画 動画を添付して報告することができる これら被害情報を地理情報システムに集

イ留意事項 ( ア ) 対処基本方針が廃止された場合は 救援の継続や復帰のための措置について 何らかの措置により行います ( イ ) 復帰のための措置 a 誘導以外の措置 b 市長 知事による誘導 (2) 別紙第 1 情報計画 参照 2 構想 (1) 活動方針市 ( 環境防災課ほか各課 ) は 県

者のために個室や隔離したスペースを確保する 身近な福祉避難所 また 一般の避難所や身近な避難所では避難生活が困難な要配慮者を避難させるために 社会福祉施設等に開設する 福祉避難所 と重層的に福祉避難所を設置することを想定している (2) 要配慮者とは福祉避難所の対象者として想定されるのは 法律上 要

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スライド 1

平成  年  月  日

4 被災生活の環境整備主な修正概要 避難所毎に運営マニュアルを作成し 避難所の良好な生活環境を確保するための運営基準等を明確にしておく 避難所運営マニュアルの作成 訓練等を通じて 住民の避難所の運営管理に必要な知識の普及に努める 県 DMAT( 災害時派遣医療チーム ) の活動終了以降の医療提供体制

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港区マンション震災対策ハンドブック

つがる市小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備建設に関するガイドライン 平成 29 年 11 月 15 日公表 1 目的本ガイドラインは つがる市 ( 以下 市 という ) において小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備及び設備建設に伴う送電線等の付帯設備 ( 以下 小形風力発電設備等 という

大規模災害対策マニュアル

1 ガイドライン策定の目的防犯カメラについては テレビや新聞で報道されているように 犯罪の解決や犯罪の抑止につながることなど その効果は社会的に認められており さまざまな施設に防犯カメラが設置されております しかし その効果が認知される一方で 防犯カメラにより個人のプライバシーなどの人権が侵害される

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なお 本通知は 地方自治法 ( 昭和 22 年法律第 67 号 ) 第 245 条の 4 第 1 項の規 定に基づく技術的助言として発出するものであることを申し添える 2

Transcription:

首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 一時滞在施設の確保及び運営のガイドライン 平成 24 年 9 月 10 日 首都直下地震帰宅困難者等対策協議会

目次 はじめに P1 第 1 章基本的な考え方 P2 1. 背景 P2 2. 用語の定義 P2 3. 対象施設 P3 4. 開設基準 P3 5. 施設管理者の役割 P3 6. 災害時要援護者への対応 P3 7. 一時滞在施設 災害時帰宅支援ステーション及び避難所の区分 P5 第 2 章一時滞在施設の確保 P6 1. 都県 市区町村 国及び事業者の役割分担 P6 2. 一時滞在施設の情報 P6 第 3 章一時滞在施設の運営の準備 ( 平常時 ) P7 1. 運営計画の作成 P7 2. 運営体制の取決め P7 3. 受入れのための環境整備 P8 4. 訓練等における定期的な手順の確認 P11 第 4 章一時滞在施設の運営 ( 発災時 ) P12 1. 開設の判断 P12 2. 開設できない場合の対応 P12 3. 開設 運営の流れ ( 総括 ) P12 4. 発災直後から一時滞在施設開設まで ( 発災直後から概ね 6 時間後まで ) P15 5. 帰宅困難者の受入等 ( 概ね12 時間後まで ) P15 6. 運営体制の強化等 ( 概ね1 日後から3 日後まで ) P15 7. 一時滞在施設の閉設 ( 概ね4 日後以降 ) P15 第 5 章一時滞在施設の確保 運営に関する行政の支援策 P17 1. 平常時の支援策 P17 2. 災害時の支援策 P17 参考 1 一時滞在施設開設訓練参考 2 一時滞在施設における安全確保についての配慮 P19 P21

はじめに 本ガイドラインは 一時滞在施設の確保に係る国 都県 市区町村及び事業者の役割分担を明確化し 連携を図るとともに 平常時 発災時等の各段階における一時滞在施設の運営の参考となる手順等を示すことにより 発災後の迅速な一時滞在施設の開設と円滑な運営を実現することを目的とする 本ガイドラインにおいて想定する首都直下地震は 中央防災会議において建物被害等が最大になる ( 冬 18 時 風速 15m/sの場合 ) と想定される現行の東京湾北部地震 (M7.3) とし 発生時刻は 帰宅困難者等が最も多く発生すると想定される平日昼 12 時とする 1

第 1 章基本的な考え方 1. 背景 首都直下地震発生時において 駅周辺の滞留者や路上等の屋外で被災した外出者等については 帰宅が可能となるまでの間 待機する場所がないことが想定される このような帰宅困難者等を一時的に受け入れるための一時滞在施設を可能な限り多く確保するとともに 災害時における運営方法をあらかじめ明確にしていく必要がある 2. 用語の定義 (1) 帰宅困難者地震発生時に外出している者のうち 近距離徒歩帰宅者 ( 近距離を徒歩で帰宅する人 ) を除いた帰宅断念者 ( 自宅が遠距離にあること等により帰宅できない人 ) と遠距離徒歩帰宅者 ( 遠距離を徒歩で帰宅する人 ) (2) 一時滞在者帰宅が可能になるまで待機する場所がない帰宅困難者を一時的に受け入れる施設 (3) 災害時帰宅支援ステーション災害時 救急 救助活動が落ち着いた後に帰宅困難者の徒歩帰宅を支援するため 可能な範囲で水道水 トイレ 地図等による道路情報 ラジオ等で知り得た通行可能な道路に関する情報などを提供する施設 (4) 避難所地震等による家屋の倒壊 焼失などで被害を受けた者又は現に被害を受けるおそれのある者を一時的に受け入れ 保護するため市区町村が開設する施設 (5) 施設管理者一時滞在施設として提供する施設を所有 管理する事業者等 (6) 施設滞在者一時滞在施設内に滞在している帰宅困難者等 2

3. 対象施設 一時滞在施設の対象となる施設は 帰宅困難者等を一時的に受け入れることについて 都県や市区町村の指定を受けるか 協定を締結した施設とする 例えば 集会場 庁舎やオフィスビルのエントランスホール ホテルの宴会場 学校等が想定される 一時滞在施設として使用する施設については 当該施設が発災時において担うべき役割 立地条件や施設ごとの特徴を踏まえるとともに 施設の安全性の観点から 最新の耐震性 ( 昭和 56 年に導入された新耐震基準 ) を有した建物 ( 耐震改修により同基準を満たした建物を含む ) であることが必要である 4. 開設基準 1 受け入れた帰宅困難者が安全に帰宅開始できるまで 最長で発災後 3 日間の運営を標準とする 2 帰宅困難者の受入は 床面積あたり3.3m2につき2 人の収容を目安とする ( 避難所管理運営の指針 ( 東京都 ) を参考 ) 5. 施設管理者の役割 施設管理者は 災害発生時の状況に応じて 可能な範囲で以下の支援を行う また 必要に応じ 受入者へ施設運営の協力を要請する 1 施設の安全を確認した後 帰宅困難者を速やかに受け入れる 2 水や食料 ブランケットなどの支援物資を配布する 3トイレやごみの処理などの施設の衛生管理を行う 4 周辺の被害状況や道路 鉄道の運行状況などの情報収集及び施設滞在者に対する情報提供を行う 6. 災害時要援護者への対応 施設管理者は 市区町村や関係機関とも連携し 災害時要援護者に特に配慮する (1) 高齢者 障がい者 乳幼児 妊婦 遠距離通学の小中学生等 待機スペースの一部を優先スペースにすることや具体的な避難誘導方法 3

を検討する あわせて 障がい者については 必要な支援や配慮を受けるため障がい者が他者に支援を求めるカード ( 例 : ヘルプカード ( 東京都 )) の活用やユニバーサルデザイン ( 例 : 大きくはっきりとしたピクトグラム ( 図記号 )( 東京都 )) の案内板の活用等が考えられ 今後 関係機関とも連携しながら検討する ユニバーサルデザインについては 店舗等内部のユニバーサルデザイン整備ガイドライン ( 東京都 ) 等参照 (2) 外国人誘導の案内や情報提供などについて配慮する 例えば 英語 中国語等の誘導案内板による対応も検討する 4

7. 一時滞在施設 災害時帰宅支援ステーション及び避難所の区分 本ガイドラインにおいて使用する施設等の定義は以下のとおりである 区分 1 一時滞在施設 災害時帰宅支援ステーション 避難所 設置時期 発災から72 時間 ( 最大 3 日間 ) 程度まで 2 発災後 協定を結んだ地方公共団体から要請を受けた時 発災から2 週間程度まで ( 復旧 復興の状況によってはそれ以上 ) 目的 帰宅困難者等の受け入れ 徒歩帰宅者の支援 地域の避難住民の受け入れ 支援事項 食料 水 毛布又はブランケット 3 トイレ 休憩場所 情報等 2 水道水 トイレ 帰宅支援情報等 食料 水 毛布 トイレ 休憩場所 情報等 対象施設 集会場 庁舎やオフィスビルのエントランスホール ホテルの宴会場 学校等 4 コンビニエンスストア ファミリーレストラン ガソリンスタンド 都立学校等 学校 公民館等の公共施設 1 上記以外の施設について参考として記載する 避難場所 : 地震による火災が延焼拡大して地域全体が危険になったときなどに一時的に避難する場所 ( 大規模な公園 大学等 ) 2 本表の記載内容はあくまで目安であり 発災時の対応は施設や周辺の状況 協定の内容等によって異なることに留意が必要である 3 ブランケット : アルミ等の極薄素材で作られた防風 防寒 防水シート 4 対象となる施設はあくまで例示であり 全ての施設で上記の支援が行われるわけではないことに留意が必要である 5

第 2 章一時滞在施設の確保 1. 都県 市区町村 国及び事業者の役割分担 (1) 都県都県が所有 管理する施設を一時滞在施設として指定する また 広域的な立場から 事業者団体に対して 一時滞在施設の提供について協力を求める (2) 市区町村市区町村が所有 管理する施設を一時滞在施設として指定する また 地元の事業者等に協力を求め 民間施設について一時滞在施設の提供に関する協定を締結するよう求める (3) 国国が所有 管理する施設について 市区町村又は都県からの要請を受け 又は自主的に一時滞在施設として帰宅困難者等を受け入れる (4) 事業者等事業者や学校等は 市区町村や都県の要請に応じて 管理する施設を一時滞在施設として提供することを検討し 受入れ可能な場合は 市区町村と協定を締結する 事業者団体は 加盟事業者に対して それぞれが管理する施設を一時滞在施設として提供することについて協力依頼を行う 2. 一時滞在施設の情報 一時滞在施設として確保した施設の名称や所在地等は 原則として公表する 民間施設等で施設管理者側が非公表を希望した場合でも 発災時は公表を前提とし 地域における施設への誘導方法などと整合性を図ることにより開示する あわせて行政機関や駅前滞留者対策協議会等の関係機関において情報共有する 6

第 3 章一時滞在施設の運営の準備 ( 平常時 ) 1. 運営計画の作成 施設管理者は 帰宅困難者等の受入に係る運営計画又は防災計画をあらかじめ作成しておく その際 可能であれば 他の一時滞在施設等との連携や行政機関との連携 地域における帰宅困難者対策の取組への参加等についても運営計画又は防災計画に明記する 施設管理者は 運営計画又は防災計画を冊子等にまとめ 自らの従業員等に周知する テナントビルの場合や事業者が複数存在する複合ビルの場合 施設管理者は他の事業者等と連携し 建物ごとの個別の事情に応じて 予め役割分担を取り決める 2. 運営体制の取決め 施設管理者は 一時滞在施設が発災時に機能するよう 運営計画又は防災計画に 運営体制に関する次の点を定めておくことが必要である (1) 施設内における受入場所 (2) 受入れ定員約 3.3m2当たり2 人を目安とする ただし 実際の定員の算出に当たっては 施設の状況や特性を考慮する また 通路として使用する部分等についても考慮する (3) 運営要員の確保施設管理者は 一時滞在施設の運営に係る要員の確保に努める なお 運営要員の確保にあたっては 施設滞在者やその他のボランティアの活用等も検討する (4) 関係機関との連絡の手順施設管理者は 一時滞在施設の円滑な運営を図るため 行政機関や関係機関 地元の駅前滞留者対策協議会等への連絡手段の確保についてあらかじめ定めておく (5) 施設滞在者への情報提供の手順 7

(6) 備蓄品の配布手順 (7) 災害時要援護者への対応 (8) セキュリティ 警備体制の構築施設管理者は 施設内 事務所内にある商品 物品や重要情報を適切に管理する体制の整備を行う また 帰宅困難者を受け入れた際のトラブル防止 ( 盗難等 ) の体制の整備もあわせて行う 3. 受入れのための環境整備 (1) 平時からの施設の安全確保一時滞在施設として確保された施設については 災害時に帰宅困難者等を安全に受入れられるよう日頃からオフィス家具類の転倒 落下 移動防止対策 事務所内ガラス飛散防止対策等に努める また 災害発生時の建物内の点検箇所をあらかじめ定めておくとともに 安全点検のためのチェックリストを作成する なお 従業員等で設備等の応急復旧に対応する場合には 工具類の備えについても検討する また 停電時等の対応も含め 建物及び施設滞在者の安全確認の方針等を一時滞在施設の運営計画又は防災計画で定めておく 8

施設全体 1 2 点検項目 建物 ( 傾斜 沈下 ) 建物 ( 倒壊危険性 ) 3 隣接建築物 周辺地盤 施設内部 ( 居室 通路等 ) 1 床 2 壁 天井材 3 廊下 階段 傾いている 沈下している 傾いているように感じる 大きなX 字状のひび割れが多数あり コンクリートの剥落も著しく 鉄筋がかなり露出している 壁の向こう側が透けて見える 斜めやX 字形のひび割れがあるが コンクリートの剥落はわずかである 隣接建築物や鉄塔等が施設の方向に傾いている 周辺地盤が大きく陥没または隆起している 隣接建築物の損傷や周辺地盤の地割れがあるが 施設への影響はないと考えられる 傾いている または陥没している フロア等 床材に損傷が見られる 間仕切り壁に損傷が見られる 天井材が落下している 天井材のズレが見られる 施設の安全点検のためのチェックリスト ( 例 ) 点検内容 大きなX 字状のひび割れが多数あり コンクリートの剥落も著しく 鉄筋がかなり露出している 壁の向こう側が透けて見える 斜めやX 字形のひび割れがあるが コンクリートの剥落はわずかである 判定 ( 該当 ) 建物を退去 要注意 専門家へ詳細診断を要請 建物を退去 要注意 専門家へ詳細診断を要請 建物を退去 建物を退去 要注意 専門家へ詳細診断を要請 立入禁止 要注意 / 要修理 要注意 / 要修理 立入禁止 要注意 専門家へ詳細診断を要請 立入禁止 点検継続 専門家へ詳細診断を要請 4 ドアドアが外れている または変形している 要注意 / 要修理 該当する場合の対処 応急対応等 窓枠が外れている または変形している 5 窓枠 窓ガラス 窓が割れている またはひびがある 照明器具 吊り器具が落下している 6 照明器具 吊り器具 照明器具 吊り器具のズレが見られる 什器 ( 家具 ) 等が転倒している 7 什器等 書類等が散乱している 設備等 外部からの電力供給が停止している ( 商用電源の途絶 ) 1 電力 照明が消えている 空調が停止している 停止している 2 エレベータ 警報ランプ ブザー点灯 鳴動している カゴ内に人が閉じ込められている 3 上水道 停止している 4 下水道 トイレ 水が流れない ( 溢れている ) 異臭 異音 煙が発生している 5 ガス 停止している 6 通信 電話 停止している 7 消防用設備等 故障 損傷している セキュリティ 要注意 / 要修理 要注意 / 要修理 要注意 / 要修理 要注意 / 要修理 要注意 / 要修理 / 要固定 要注意 / 要復旧 代替手段の確保 / 要復旧 ( 例 ) 非常用電源を稼働 要復旧 メンテナンス業者に連絡 メンテナンス業者または消防機関に連絡 代替手段の確保 / 要復旧 ( 例 ) 備蓄品の利用 使用中止 / 代替手段の確保 / 要復旧 ( 例 ) 災害用トイレの利用 立入禁止 / 要復旧 要復旧 代替手段の確保 / 要復旧 ( 例 ) 衛星携帯電話 無線機の利用 代替手段の確保 / 要復旧 消防設備業者に連絡 1 防火シャッター閉鎖している 要復旧 2 非常階段 非常用出口 閉鎖している ( 通行不可である ) 3 入退室 施錠管理 セキュリティが機能していない 要復旧 復旧できない場合 立入禁止 要復旧 / 要警備員配置 外部者侵入に要注意 ( 状況により立入禁止 ) 避難所管理運営の指針 ( 区市町村向け )( 東京都 ) 及び 業務継続のための官庁 施設の機能確保に関する指針 ( 国交省 ) を参考とした 9

(2) 記録 帳票の整備施設管理者は 事後に災害救助法による費用の支弁を地元自治体に求めることを考慮し 地元自治体における避難所運営基準等に準じて 書類 帳票等を一時滞在施設に整備し 保存しておくことが望ましい 具体的な書類 帳票等については 地元自治体や事業者が それぞれの実情を踏まえて作成する 以下に必要と考えられる書類 帳票等を例示する 1 受入者名簿 2 受入記録日計表 3 物品受払簿 4 一時滞在施設運営及び収容状況記録票 5 一時滞在施設設置に要した物品受払証拠書類 (3) 情報入手手段及び施設滞在者への情報提供体制の準備施設には テレビ ラジオ インターネットと接続できるパソコン等を備えておく また その他の災害に強い通信手段の確保に努める 入手した情報を施設滞在者に提供できるよう ホワイトボードなどの掲示板や周辺の地図を準備しておくとともに 可能であれば 館内放送等で伝達する (4) 安否確認のための体制整備 ( 特設公衆電話 Wi-Fi など ) 帰宅困難者が家族等と安否確認を行えるよう 特設公衆電話やWi-Fi 等の通信手段を整備しておく 災害用伝言板サービス等の使い方を説明できる体制を整えておく (5) 備蓄品 非常用電源設備等の確保施設管理者は 帰宅困難者の受入れに必要な水 食料 ブランケット 簡易トイレなどの物資の備蓄に努める 施設管理者は 施設内に必要な物資の備蓄が困難な場合においては 行政や関係機関との連携により 災害時に利用可能な備蓄手段及び輸送手段等の確保について検討する また 非常用電源設備や電池等の確保を行うなど 可能な範囲で災害時の停電時等に備えておくことが望ましい (6) 防災関係者連絡体制の整備施設管理者は 災害時の都県及び市区町村の連絡先を把握するほか 近隣の警察 消防及び他の一時滞在施設等の防災関係者連絡先一覧を事前に作成し 配備する 10

4. 訓練等における定期的な手順の確認 施設管理者は 地震を想定した自衛消防訓練等にあわせて一時滞在施設の開設に関する訓練を年 1 回以上定期的に実施し 帰宅困難者等の受入れの手順等について確認し 必要な場合は手順の改善を行う また 施設管理者は当該訓練の結果について検証し必要に応じて計画等に反映させる 11

第 4 章一時滞在施設の運営 ( 発災時 ) 1. 開設の判断 施設管理者は 発災時の国や都県 政令指定都市の一斉帰宅抑制の呼びかけ あるいは所在地の市区町村からの要請等により 当該施設の待機場所や施設入口などの安全確認及び行政機関やその他関係機関から提供される災害関連情報等による周辺状況を確認の上 一時滞在施設を開設する なお 施設管理者による自主的な判断による開設を妨げるものではない 2. 開設できない場合の対応 施設管理者は 建物の安全や周辺状況を確認した結果 一時滞在施設として開設できないと判断した場合 速やかに協定締結先の都県や市区町村にその旨を報告する また 施設管理者は 当該施設が一時滞在施設としてあらかじめ公表されている場合においては 帰宅困難者等による混乱を回避するためにも 施設の入口やその他の目に触れやすい場所に 一時滞在施設として開設できない旨の掲示を行う 3. 開設 運営の流れ ( 総括 ) 災害発生からの経過時間に応じて 目標とする一時滞在施設の運営の流れは 概ね次のとおりである なお フロー図は標準的な例を示したものであり 災害の規模 各施設の実情等により適宜柔軟に対応することが必要である 12

一次滞在施設運営のフロー ( 例 ) 一旦帰宅困難者を受け入れた後 余震等により受入が困難となった場合は 関係機関と連携し 周辺の一時滞在施設への移動を検討する 大規模な集客施設や駅等が一時滞在施設の指定を受けている場合は 首都直下地震帰宅困難者等対策協議会大規模な集客施設及び駅等の利用者保護ガイドライン もあわせて参考とする 13

一時滞在施設運営チェックリストの例 ( 時系列 ) 日時 ( 発災後 ) 6 時間後まで 12 時間後まで 1 日後まで 3 日後まで 4 日後以降 実施事項 1 施設の安全確認チェックリストを基に施設の安全を確認する 都県又は市区町村に開設が出来るかどうかを報告する ( 施設の安全が確認できない場合 ) 屋外等へ避難誘導し 他の施設情報を提供する 2 一時滞在施設内の区域設定受入者立入禁止区域を設定する 運営組織使用区域 ( 活動拠点 物資配布場所等 ) を設定する 受入者用区域を設定する 災害時要援護者優先スペースや女性優先スペースを確保する 3 一時滞在施設の運営準備施設の運営にあたっている従業員等が中心になって 運営組織を立ち上げる 防火設備 放送設備 通信設備 非常用電源等の確認を行う 備蓄物資の確認を行う 散乱危険物の除去や清掃等を行う 一時滞在施設であることの表示を行う 施設の入口や施設内の目に触れるところに施設利用案内の掲示を行う 設備等の状況に応じて トイレ 給水 空調設備を確保する 4 通信手段の確保複数の通信手段を確保し 柔軟に対応できるように努める 通話は輻輳の可能性が高いため 受入者に災害用伝言板サービスの使用を勧める 近隣の一時滞在施設との伝令要員を確保できることが望ましい 5 一時滞在施設の開設報告当該一時滞在施設の開設情報を 都県または市区町村に報告する 1 帰宅困難者の把握 受入れ受入者用区域に帰宅困難者を誘導する 受入者名簿等の帳票を作成し 日毎に運営状況を把握する 2 保健衛生活動原則として 負傷者は最寄の病院または医療救護所へ誘導する 喫煙区域や簡易トイレの使用区域を設定し 適正な衛生管理を行う ライフラインの復旧後は トイレ等の衛生管理を行う 3 水 食料等の供給水道施設の被害状況を確認する 近隣の給水拠点の稼働状況を確認する 必要に応じて給水拠点から飲料水を入手する 適宜 自治体に水道施設の復旧状況を確認する 水 食料の備蓄状況を把握し 計画的に備蓄を配付する 4し尿処理 ごみ処理水洗トイレが使用可能か否かを確認し 使用不可の場合は早期復旧に努める ごみの排出およびし尿処理のルールを確立する 5 情報の収集 伝達防災関係機関から適宜 災害関連情報を収集する 出入り口等の見やすい場所に掲示板等を設置して 情報を提供する 通話は輻輳の可能性が高いため 災害用伝言板サービスの使用を勧める 6 受入可能人数を超過した場合の報告受入可能人数を超過し 周辺施設との連携が必要であることを都県または市区町村に報告する 1 受け入れた帰宅困難者も含めた施設の運営 ( 共助 ) 施設管理者のみでの対応が困難な場合は 受入者に運営協力を依頼する 協力を得られた受入者も含めた組織運営体制に再編成する 1 帰宅支援情報の提供テレビ ラジオ パソコン等を設置し 交通機関の運行状況等の情報を提供する 代替搬送手段 安全な帰宅経路等 受入者の帰宅支援情報を提供する 1 帰宅誘導帰宅支援情報を提供し 受入者の帰宅を誘導する 方面別帰宅や距離に応じた時差帰宅の指示を行い 帰宅開始時の混乱防止に努める 2 一時滞在施設の閉設 部署 担当者 ( 事前記入 ) 対応状況 対応済 対応中 非対応 14

4. 発災直後から一時滞在施設開設まで ( 発災直後から概ね 6 時間後まで ) (1) 建物内の被害状況の把握や施設の安全性の確認 (2) 施設内の受入スペースや女性優先スペース 立入禁止区域の設定 (3) 従業員等による運営組織の編成 備蓄や設備の確認などの運営準備 (4) 一時滞在施設であることの表示 (5) 施設利用案内の掲示等施設の入口や施設内の目に触れる所に下記の趣旨の文章を掲示する 共助の観点から管理者が自主的に施設を開放していること 一時滞在施設は 災害時という特殊な状況下で開設されるため 施設管理者の指示に従うとともに 施設管理者が責任を負えない場合もあることを理解した上で 施設内において行動すること 余震等の影響で建物の安全性や周辺状況に変化が生じた場合 施設管理者の判断により 急きょ閉鎖する可能性があること 負傷者の治療等 施設において対応できない事項等 (6) 電話 特設公衆電話 FAX 無線機 Wi-Fi 等の通信手段の確保 (7) 市区町村等への一時滞在施設の開設報告 5. 帰宅困難者の受入等 ( 概ね 12 時間後まで ) (1) 帰宅困難者の受入開始 (2) 簡易トイレ使用区域の設定 医療救護所の設置などの保健衛生活動 (3) 計画的な備蓄の配布など 水 食料等の供給 (4) し尿処理 ごみ処理のルールの確立 周知 (5) テレビ ラジオ インターネット等での情報の収集及び受入者への伝達 (6) 受入可能人数を超過した場合の市区町村等への報告 6. 運営体制の強化等 ( 概ね 1 日後から 3 日後まで ) (1) 受入者も含めた施設の運営 (2) 公共交通機関の運行再開や 搬送手段等に関する帰宅支援情報の提供 7. 一時滞在施設の閉設 ( 概ね 4 日後以降 ) 15

(1) 一時滞在施設閉設の判断 (2) 帰宅支援情報の提供 (3) 受入者の帰宅誘導 16

第 5 章一時滞在施設の確保 運営に関する行政の支援策 1. 平常時の支援策 (1) 一時滞在施設に関する普及啓発都県及び市区町村は 住民に対して一時滞在施設の役割や利用方法 所在地について普及啓発に努める また 一時滞在施設を利用する際には 施設の運営に可能な範囲で協力することや 施設管理者が責任を負えない場合もあるといった留意事項についてもあわせて普及啓発に努める (2) 防災関係機関への周知都県及び市区町村は 一時滞在施設の名称や所在地等を 警察 消防をはじめとする各防災関係機関へ周知し 災害時における連携に努める (3) 一時滞在施設の運営に係る費用等の考え方の整理運営に係る費用 ( 備蓄品等の消耗器材費等 ) について 国庫補填の対象となる災害救助法の考え方 ( 適用可能性や費用負担 ) を明確にできるよう努める (4) 民間一時滞在施設の確保に関する支援策民間施設の協力を得るために 国 都県 市区町村は 災害救助基金の活用等の必要な仕組みや補助等の支援策について検討し 地域の実情に応じて支援策を具体化していく (5) ガイドラインに基づくマニュアル等の整備都県及び市区町村は 首都直下地震帰宅困難者等対策協議会一時滞在施設の確保及び運営のガイドライン を参考に 各地域の実情に応じた具体的な一時滞在施設の運営マニュアル等を整備する 2. 災害時の支援策 (1) 一時滞在施設への情報提供国 都県及び市区町村は 交通機関の復旧情報や道路の被災 復旧に関する情報等 帰宅が可能かどうかの判断が可能な情報を適宜提供する (2) 一時滞在施設間の調整都県及び市区町村は 一時滞在施設からの報告をもとに受入人数や各種物資の過不足を把握し 施設間の調整を行う 17

都県及び市区町村は 受入者の帰宅などにより施設の滞在人数が少数となったとき 他の一時滞在施設に移動させるなど 一時滞在施設の早期閉設を支援する (3) 施設滞在者への退去要請都県及び市区町村は 施設管理者の要請に基づき 一定期間を超えてなお滞在する施設滞在者等に対する退去要請等の対応を実施する 18

< 参考 1> 一時滞在施設開設訓練 訓練概要 平成 24 年 2 月 3 日に実施された帰宅困難者対策訓練では ターミナル駅の周辺に一時滞在施設を開設する訓練を実施しました 訓練会場となった各施設は 公立施設や民間施設など多岐にわたり 管理者は首都直下型地震が発生したとの想定で 東京都からの要請に基づく施設の開設 3 日間の施設の運営を訓練しました 各施設では 発災時に備え開設の準備 帰宅困難者の誘導 備蓄品の配布 情報の提供などの施設運営の手順などを確認し アンケート により今後の検討課題を整理しました 平成 24 年 3 月 9 日公表 平成 23 年度東京都帰宅困難者対策訓練結果 ( 平成 24 年 2 月 3 日実施 ) 19

訓練の様子 ( 四谷区民センター : 公共施設 ) ( 東京都第一本庁舎 : 公共施設 ) ( ホテルメトロポリタン : 民間施設 ) ( 東京国際フォーラム : 民間施設 ) 20

< 参考 2> 一時滞在施設における安全確保についての配慮 大規模災害発生時において 一時滞在施設の施設管理者は 可能な限り 施設の安全確保を図るため 下記の点に配慮することが必要である 1. 行政があらかじめ定めた耐震性能等の基準を満たすこと一時滞在施設として使用する施設については 最新の耐震性 ( 昭和 56 年に導入された新耐震基準 ) を有した建物 ( 耐震改修により同基準を満たした建物も含む ) であることが必要である 2. 施設内の安全点検等を施設管理者が実施すること (1) 平常時の対応 1オフィス家具類の転倒 落下 移動防止措置 事務所内ガラス飛散防止措置等に努めること 2 災害発生時の建物内の点検箇所をあらかじめ定めておくとともに 安全点検のためのチェックリストを作成すること (2) 発災時の対応発災時において 一時滞在施設が開設するまでの間 下記のことを行う 1チェックリストに基づき建物内の被害状況の把握や施設の安全性を確認すること 2 施設内に 受入スペースや立入禁止区域を設定すること 3. 一時滞在施設の施設利用案内を帰宅困難者に対し明示発災時において 一時滞在施設が開設するまでの間に 施設の入口や施設内の目に触れる所に下記の趣旨の文章を掲示する 1 共助の観点から管理者が自主的に施設を開放していること 2 一時滞在施設は 災害時という特殊な状況下で開設されるため 施設管理者の指示に従うとともに 施設管理者が責任を負えない場合もあることを理解した上で 施設内において行動すること 3 余震等の影響で建物の安全性や周辺状況に変化が生じた場合 施設管理者の判断により 急きょ閉鎖する可能性があること 4 負傷者の治療等 施設の状況により対応できない事項等 21