SW 論 Ⅴ4 実習スーパービジョンとスーパービジョンの基本的理解 (2) Ⅰ. 前回のふりかえり ~レスポンス ペーパーから ~ 記録について 記録の内容の真偽についてですが 実習先の利用者に 話を盛り上げようとするために 生活暦を偽る方がいらっしゃいました ( 中略 ) 記録に会話の内容を記載する際には 事実か否かの確認を行うことを心がけたいです 事実でないことを日常的に話す人がいる場合は その内容には耳を傾けて 内容が同じものなのか 違っているのかについては記録しておいた方が良いと思います よりよい記録を書くために の中で 他の人が書いた記録をたくさん読むという項目があった ( 中略 ) 私は 1 ヵ所の施設に 2 人で実習に行っている 相手がどのような記録を書いているのか交換して読んでみたら また新しい気づきが得られると思うので 今度やってみたい 一番刺激をもたらし 学びを深めてくれる存在は 皆さんの身近にいる存在です 先生によっては 必ずしも 思った や 感じた を使わない記録を書かなくても良い ( 思った 感じた を使っても良い ) という人もいました どちらを信じて書くかは 自分自身で決めるべきでしょうか 自分で決めて下さい 自己決定です 思った 感じた を絶対使うなとは言いませんが 多用すると文章が幼くなるので わたしはオススメしません 新聞の社会問題についてだけではなく 論説も見るようになりました 記事よりも主観的な意見のコントロールの仕方が参考になると思いました 高校のときに国語力が足りないということで 国語の先生に新聞にある時論を読み 書き写すように言われたことを思い出しました 時論を読むと 自分の文章の終わり方の幼稚さや語彙のボキャブラリーの無さを思い知らされました 情報の共有と秘密保持について ( 実習中に利用者宅に訪問して ) その際 会話の中で ~さんは歴史が好きだそうですね などと話してしまっていたのを思い出し クライエントは実習生が何で自分の事を知っているんだと思っていたかもしれないなと反省した 間接的に得た情報を本人に話してしまうことで 不安にさせる場合も考えられるので 今後気をつけたい 同意を取ることは必要なことではあるが 支援を受けるために半強制的に同意する形にとなっている気がします しかしながら 半強制的でも 同意がなければ支援は進まず 利用者の利益を損なう可能性がでてきます 利用者本人が納得し 同意を得て支援が進むのが一番良い形ですが 利用者の状況等を考えると厳しくなってくることもあり ジレンマが生まれるところでもあると思います 前期実習では いくつもの事業所を職場実習としてまわったが 秘密保持 < 情報の共有となっているように感じる場面がいくつかあった ( 実習生の立場で事情をよく知らないということを抜きにしても ) 秘密保持と情報の共有は 日本社会福祉士会の倫理綱領だが 社会福祉士以外の専門職にも両立は必要だと感じた 実習に行ったり 講義を受けていて 福祉は判断が難しい場面が多いと感じました だからこそやりがいを感じたり 難しい場面を乗り越えた時の達成感や喜びはとても大きいものです
スーパービジョンについて スーパービジョンは社会福祉のみにあてはまる言葉なのですか? ( 実習中に ) どう支援すべきか 私はいつも自信を持てずにおりましたし その方の現状把握で前期実習はいっぱいいっぱいだったと思います なので ある程度 自分の意思や方針を持てていないと せっかくのスーパービジョンもうまく活かせないのかもしれないと 講義を聞いて考えさせられました スーパービジョン関係には信頼関係が必要ということでしたが 私自身最初は指導者の方が苦手だったのですが 前期の終わり頃には深く話すことができるようになったので 信頼関係の重要さに納得できました 何をもって信頼関係が成立していると言えるのか自信がない 後期はそのあたりも考えて指導者と接していきたい 何をもって信頼関係なのか それをスーパービジョン関係だけでなく ワーカーと利用者との関係で考えるとまたどうなるでしょうか 実習記録がなかなか返ってこないのは 信頼関係がうまく築けていないからなのかと不安になります 指導者さんが忙しいだけでしょう 自分が道に迷ったときに導いてくれるのが スーパーバイザーというイメージがある スーパービジョンは個人の成長だけではなく 機関の提供するサービスの質の向上も含まれるように 組織としての底上げに影響するということで 個人だけの問題ではないと考えた スーパービジョンの理解を深めるために 実習では個別 SV を行う 指導者と施設長が主にスーパーバイザーとなり 様々な助言 指導をいただきました 指導者からは現場での実践的なものが多く 施設長からは運営や管理体制など組織に関するもので 2 人だけでも聞ける話が異なるので より多くのスーパービジョンを受けることも良いのではないかと考えた しかし より多くの人から受ける場合 スーパーバイジーの整理する力も必要になるのではとも考えた スーパービジョンを受ける時に スーパーバイザーは複数いた方がより効果的なのか? 実習中に ワーカーさんが先輩にスーパービジョンをしてもらっているという場面を見ることがありました 普段から 支援において悩むことがあればきいてもらっているとのことだったので 組織として行われていなくても 先輩 後輩の信頼関係の上で スーパービジョンが成立することがあることを知りました スーパービジョンって構造化 ( 行う日時や場所が決められている ) されている必要はないのか? 実習中に その場その場で指導者から指導を受けることは ライヴ スーパービジョン にあたるのでしょうか その他 授業や就職関係の講演で 読書をしますか という質問をされることが多く 毎度答え方に悩んでいる デジタル書籍は 読む というより 眺める ようなイメージがあるし 小説を読書に入れてもいいのかと思ってしまう いつまでも小学生の頃みたいに 面白そう 読みやすい を基準にした読書は良くないように思う 趣味としての読書と 勉強のための読書を分ければ良いのではないでしょうか 面白そう が基準で選択することは どんな分野や領域のことについても 生活をしていく上では絶対必要だと思います
Ⅱ. 実習スーパービジョンとは 実習期間中には実習指導者 実習担当教員より行われる 実習前 実習後の年間を通じて 実習担当教員より行われる 実習施設 機関の実習指導者と養成校の担当教員が連携して行われる 実習生が社会福祉士として身につけるべき知識 技術 専門職価値 倫理の理解を確認し 専門職として自覚を養い 成長を促すために行われる Ⅳ. 実習スーパービジョンの特色 スーパーバイザーが 2 人いる 実習開始前 実習中 実習終了後 それぞれにスーパービジョンが行われる 定期的に また必要に応じて随時行われる 実習プログラムを中心に進められる 実習生の主体性によって 実習プログラムの内容や指導の方向も決まる Ⅴ. 実習スーパービジョンのプロセス 実習開始前 : 実習施設 * 事前訪問 1: 実習指導者との 実習生の や の確認 事前学習の指示 * 事前訪問 2: を含む を確認し 実習生が何を学びたいかを実習指導者が理解する 実習先で学べる 学べないか等も含め 実習生と指導者の間で調整を行う 実習生の責任や態度について自覚を促す * 事前学習 : 大学にて の明確化を含む の作成の他 大学での授業を中心に事前学習を進める 実習生としての責任と態度を身につけていく
実習中 実習先で: 定期的 もしくは必要に応じて指導者より SV を受ける 教員より: 巡回指導及び帰校日指導で SV を受ける の進み具合 理解度のチェック実習へのの維持何かしら課題が発生している場合 実習指導者と教員との協働で解決を図る 実習終了時 : 実習施設 ふりかえりを行い 総括と から達成された課題 達成されなかった課題の確認 実習終了後 : 大学 実習をふまえ 今後の課題を確認 実習報告を通し 事前学習からの流れで学んだことをまとめていく * 実習中の実習 SV の材料 実習生からの話 実習記録 実習指導者とのコミュニケーション 実習指導者の観察 他の職員からの観察やコミュニケーションにもとづいた情報 * 大学での実習 SV の材料 学生からの話 実習指導者からの話 実習記録 Ⅵ. 実習スーパービジョンを理解するポイント 職場実習 職種実習 ソーシャルワーク実習 スーパービジョンの 3 つの機能がどのように果たされているか スーパービジョン関係はどのようなものか Ⅶ. 日本での SV の現状 - 日本ソーシャルワーカー協会が行った総括 (1999 年 ) より- 職場外に個人的レベルでスーパーバイザーを得ている例が多い スーパーバイザーは大学教員が多い その場合( 職場外で大学教員がバイザー ) 管理的機能について明らかに限界がある 自己覚知の側面を強調されるとバイジーは外部のバイザーに向かう傾向を持つ バイジー側が SV を自らの心理的問題の解決に結びつけているとすると 職場の上司 先輩はバイザーの役割を果たすことができない
* そもそも SV というシステムが定着していない 職場で SV が重視されないし 行われもしない 職場外に SV の機会を求める * スーパーバイザーの養成がなされていない 何をもってスーパーバイザーとするのか? 認定社会福祉士 認定上級社会福祉士 実習指導者については 実習指導者講習会の受講が義務付けられている * 契約 という意識 形の未定着 誰に SV をしてもらうか? * 組織外の人に SV を頼むメリット デメリット メリット : デメリット : * 組織内の人に SV を頼むメリット デメリット メリット : デメリット : システムとしてスーパービジョンが組み込まれている領域 * 包括的 継続的ケアマネジメント支援業務 (H24) 1 2 Ⅷ.SV について さらに考えを深めるポイント 職場外でスーパービジョンを行ってくれる人って 実際どんな人なのか? 職場でいわゆる スーパービジョン は行われていないが 管理者や所長によって 定期的に面談が行われている これはスーパービジョンではないのか? 職場でいわゆる スーパービジョン は行われていないが 何か困ったときや悩みがある時は上司や先輩が親身に話を聞いてくれて いろいろとアドバイスをしてくれる これはスーパービジョンではないのか? 地域ケア会議やケアカンファレンスでは 他機関 多職種の人からいろいろケースについてアドバイスをもらえる これはスーパービジョンではないのか?