資料5 親の会が主体となって構築した発達障害児のための教材・教具データベース

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平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

3 情緒障害 選択性かん黙等のある児童生徒については 情緒障害の状態になった時期や その要因などに応じて中心となる指導内容が異なります 例えば カウンセリング等を中心とする時期 緊張を和らげるための指導を行う時期 学習空白による遅れなどを補いながら心理的な不安定さに応じた指導を行って自信を回復する時

S.E.N.S養成カリキュラム(2012年度版)シラバス

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

釧路市幼児教育振興計画(完成版).doc

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

010国語の観点

2 調査結果 (1) 教科に関する調査結果 全体の平均正答率では, 小 5, 中 2の全ての教科で 全国的期待値 ( 参考値 ) ( 以下 全国値 という ) との5ポイント以上の有意差は見られなかった 基礎 基本 については,5ポイント以上の有意差は見られなかったものの, 小 5 中 2ともに,

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H30全国HP

山口大学教育学部附属特別支援学校通級指導教室におけるICT 活用研修プログラム開発プロジェクト 通級指導教室における ICT 活用に関するアンケート タブレット端末の活用事例 本校では 地域の特別支援教育の充実に貢献することを目的に 山口県教育委員会 山口大学と連携を図りながら

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

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特別な支援を必要とする 子どもの受け入れと対応

回数テーマ学習内容学びのポイント 2 過去に行われた自閉症児の教育 2 感覚統合法によるアプローチ 認知発達を重視したアプローチ 感覚統合法における指導段階について学ぶ 自閉症児に対する感覚統合法の実際を学ぶ 感覚統合法の問題点について学ぶ 言語 認知障害説について学ぶ 自閉症児における認知障害につ

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

Taro-① 平成30年度全国学力・学習状況調査の結果の概要について

2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

スライド 1

(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

文部科学省教科書課説明資料(全会場共通)

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2 全国 埼玉県 狭山市の平均正答率 ( 教科に関する調査の結果 ) ( 単位 %) (1) 小学校第 6 学年 教科ごとの区分 教科 狭山市 埼玉県 全国 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 学習指導要領の

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(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

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領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

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24 京都教育大学教育実践研究紀要 第17号 内容 発達段階に応じてどのように充実を図るかが重要であるとされ CAN-DOの形で指標形式が示されてい る そこでは ヨーロッパ言語共通参照枠 CEFR の日本版であるCEFR-Jを参考に 系統だった指導と学習 評価 筆記テストのみならず スピーチ イン

特別支援 高等部

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教科別の指導 算数 学習指導案 平成 27 年 12 月 1 日 ( 火 ) 第 5 校時場所教室指導者 T1 T2 T3 T4 1 題材名 買い物をしよう 2 題材について (1) 学級及び児童の実態途中省略数に関する実態では どの児童も 2 桁の繰り上がりのある足し算や 繰り下がりのある引き算の


平成 22 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 22 年 4 月 20 日 ( 火 )AM8:50~11:50 平成 22 年 9 月 14 日 ( 火 ) 研究主任山口嘉子 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (105 名 )

国語 B では 話すこと 聞くこと 領域において 全国及び県平均を上回っているが 他の三つの領域においては 全国及び県平均を下回っている 活用する力を育成する取組のさらなる充実が必要である 設問 1 の目的に応じて 話し合いの観点を整理する力は身についてきている 設問 3 の二つの詩を比べて読み 自

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学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

1. 調査結果の概況 (1) の児童 ( 小学校 ) の状況 < 国語 A> 今年度より, ( 公立 ) と市町村立の平均正答率は整数値で表示となりました < 国語 B> 4 国語 A 平均正答率 5 国語 B 平均正答率 ( 公立 ) 74.8 ( 公立 ) 57.5 ( 公立 ) 74 ( 公立

タイトル(MSゴシック太字16pt)

1

2 平成 27 年度に終了した研究課題について 研究成果報告書サマリー集や研究成果 ( 別紙 1 参照 ) の内容は 例えば下記のような場面で用いられ 貴機関や学校等での課題の改善に活用できましたか? 活用の場面研修会やセミナー所管する学校 教職員への情報提供関係機関 ( 医療 保健 福祉 教育 労

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平成24年5月17日

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

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町全体の状況を把握 分析するとともに 平均正答率については 全国 全道との比較を数値以外の文言で表現します また 質問紙調査の結果や 課題解決に向けた学力向上の取組を示します (3) 学校ごとの公表小規模校において個人が特定される恐れのあることから 学校ごとの結果公表はしません (4) 北海道版結果

第 2 部 東京都発達障害教育推進計画の 具体的な展開 第 1 章小 中学校における取組 第 2 章高等学校における取組 第 3 章教員の専門性向上 第 4 章総合支援体制の充実 13

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資料3-1 特別支援教育の現状について

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

瑞浪市調査結果概略(平成19年度全国学力・学習状況調査)

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①H28公表資料p.1~2

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中学校 (3 年 ) 国語では A( 知識問題 ) は ほぼ全国平均なみです B( 活用問題 ) は 課題が見られます 数学では A( 知識問題 ) B( 活用問題 ) ともに 課題が見られます 国語 A( 知識に関する問題 ) 国語 B( 知識を活用する問題 ) 言語事項は ほぼ全国平均なみです

KABC Ⅱ 検査報告書作成日 : 年月日 1 氏名 : 男 女検査年月日 : 年月日生年月日 : 年月日 ( 歳 ) 検査者 : 学校 学年 : 2 相談内容 ( 主訴 ) 3 検査結果 1) 全般的な知的水準 ( 認知総合尺度 ) および習得度の水準 ( 習得総合尺度 ) 2) 認知面および習得

回数 テーマ 内容 2 発達障害のある児童の心理 行動特性 1 学習障害のある人の心理 行動特性 3 発達障害のある児童の心理 行動特性 2 ADHD のある人の心理 行動特性 4 発達障害のある児童の心理 行動特性 3 自閉スペクトラム症のある人の心理 行動特性 5 発達障害に対する支援 1 学習

< 中学校 A B 問題 > ( 単位 %) 教科富士見市埼玉県全国 国語 A 国語 B 数学 A 数学 B < 中学校国語 A> ( 単位 %) 話すこと 聞くこと

障害学生受入促進研究委託事業報告書_第1章_障害学生の大学進学の現況

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国語 B 柏原 埼玉県 全国 話すこと 聞くこと 書くこと 読むこと 算数 A 柏原 埼玉県 全国 数と計算 量と測定 図形 数量関係 算数 B 柏原 埼玉県 全国

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

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調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

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履修モデル 1 短期大学士 ( ) 二種免許状 保育士 認定ベビーシッター の区分 資格 単位数保育士 資格必要単位数 保育士 認定ベビーシッター 卒修業科選目択必 個々の学生の得意な分野を伸ばし 魅力のある保育者を育てる 子どもの保健 Ⅰ 1 必修 必修 4 保育原理 1 必修 必修 2 児童家庭

実践 報告書テンプレート

算数でも 知識 (A) 問題 活用 (B) 問題とも 全領域で全国平均を上回りました A 問題では 14 問中 12 問が全国平均を上回り うち8 問が5ポイント以上上回りました 下回った2 問は 直径と円周の長さの関係理解 と 除法で表す2 量関係の理解 でした B 問題では 10 問中 9 問が

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

平成 25 年度の全国学力 学習状況調査の下野市の全体の結果 ( 国語, 算数 数学 ) は, 小学校, 中学校ともに, すべての領域で, 全国平均正答率を上回る結果となった 小学校の全国学力調査全体結果について 小学校は国語 AB, 算数 AB ともに, 数ポイント全国平均正答率を上回っていた 小

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2015年度 SCスケジュール0401(一覧).xls


通常学級における特別支援教育の取り組み ( 中村義行 ) れまでの特殊教育をしのぐ特別支援教育での 実践知 を提案し, 現場教員の動揺 困惑に対応できる展望と具体的取り組みが求められる 本論文では, このような特別支援教育への転換内容を把握し, 特別支援教育の理念と実践を模索する取り組みとして, 大

視覚障害のある教員の合理的配慮について

教育学科幼児教育コース < 保育士モデル> 分野別数 学部共通 キリスト教学 英語 AⅠ 情報処理礎 子どもと人権 礎演習 ことばの表現教育 社会福祉学 英語 AⅡ 体育総合 生活 児童家庭福祉 英語 BⅠ( コミュニケーション ) 教育礎論 音楽 Ⅰ( 礎 ) 保育原理 Ⅰ 英語 BⅡ( コミュニ

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

聴覚障害特別支援学校(聾学校)で取り扱われる特徴的な自立活動の内容に関する調査

指導方法等の改善計画について

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

平成 29 年度全国学力 学習状況調査 北見市の結果等の概要 Ⅰ 調査の概要 1 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析するとともに教育施策の成果と課題を検証し その改善を図り 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等

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Transcription:

1 文科省 障害のある児童生徒の教材の充実に関する検討会 資料 2013.6.4 資料 5 親の会が主体となって構築した 発達障害児のための 教材 教具データベース 山岡修 (NPO 法人全国 LD 親の会 顧問 )

全国 LD 親の会山岡修 2 特別支援教育とは? 特別支援教育とは 従来の特殊教育の対象の障害だけでなく LD ADHD 高機能自閉症を含めて障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて その一人一人の教育的ニーズを把握して その持てる力を高め 生活や学習上の困難を改善又は克服するために 適切な教育や指導を通じて必要な支援を行うものである ( 今後の特別支援教育のあり方について, 文部科学省協力者会議, 2003)

特別支援教育とは? かつての特殊教育 障害の種別と程度に応じて 盲聾養護学校 特殊学級といった 箱 ( 設備 ) が用意され 振分けられる仕組み 子ども達が制度に合わせなくてはいけない仕組み 特別支援教育が目指す姿 障害の種別を超え 一人ひとりのニーズに応じた 一貫性のある支援を提供 学校や教員が 子ども達一人ひとりのニーズに合わせていく仕組み 全国 LD 親の会山岡修 3

全国 LD 親の会山岡修 4 LD( 学習障害児 ) に対する指導方法は? 学習障害児に対する指導について ( 報告 ) より ( 平成 11 年 7 月 2 日 ) 従来の特殊教育においては 障害の種類や程度に応じた固有な指導内容 方法 あるいは指導形態があるが 学習障害児については 1 困難のある特定の能力の種類により指導方法等が異なることもあり 学習障害児に共通した一般的な指導方法は現時点では確立されていない さらに 2 同一の能力に困難を有していても 個々の学習障害児に生じている学習上のつまずきや困難などは様々であり これらを改善するためには 個々の実態に応じた指導を行うことが必要である 1 学習障害児の持つ困難は多様 指導法も多様 2 同じ困難でも 要因は様々 ( 逆から見ると )

全国 LD 親の会山岡修 5 発達障害のある子どもに対する指導方法を確立するには? 発達障害のある児童 生徒が示す 困難は多種 多様であり 同じ指導法は使えない A 君 : 計算 ( 繰り下がり算 ) が苦手 忘れ物が多い 縄跳びがうまく跳べない ちょっとしたことにすぐイライラする B 君 : 文字を読むことが苦手 人の気持ちがわからない ハサミをうまく使いこなせない C 君 : 聞いたことを覚えられない 計算 ( 繰り下がり算 ) が苦手 姿勢の保持ができない 一人ひとりバラバラであり 個人別に分類しても他の子どもにその指導法を当てはめることは難しい

全国 LD 親の会山岡修 6 発達障害のある子どもに対する指導方法を確立するには? 発達障害のある児童 生徒が示す 困難は多種 多様であり 同じ指導法は使えない A 君 : 計算 ( 繰り下がり算 ) が苦手 忘れ物が多い 縄跳びがうまく跳べない ちょっとしたことにすぐイライラする B 君 : 文字を読むことが苦手 人の気持ちがわからない ハサミをうまく使いこなせない C 君 : 聞いたことを覚えられない 計算 ( 繰り下がり算 ) が苦手 姿勢の保持ができない 困難別にパーツとして捉えると 共通点が見つかり 指導法が他に応用できる可能性がある

全国 LD 親の会山岡修 7 発達障害のある子どもに対する指導方法を確立するには? 計算 ( 繰り下がり算 ) が苦手 13-7 = 6 困難の要因 1 数の大小を見分けられない 2 一桁の引き算 足し算 3 10 の補数が頭に入っていない (3+7=10 4+6=10 ) 4 短期記憶が悪い 視覚認知 聴覚認知 視空間認知 言語理解 音韻処理 継次処理 感覚 目と手の協応運動 注意集中 短期記憶

全国 LD 親の会山岡修 8 発達障害のある子どもに対する指導方法を確立するには? 発達障害児に対する指導の中心は 通常の学級 通常の学級の教員が指導できるような仕組みが必要 世の中には すぐれた指導法や教材 教具が沢山あるが 大半が 一代限りの宝物 として埋もれている 指導法や教材 教具を紹介している本やサイトは多々あるが 体系的に整理されていないものが大半であり A 君に使えるものが探せない 発達障害児の持つ困難を体系的に整理して 指導法や教材 教具を整理し紹介する DB を作れば良いのではないか? と色々な機関や研究者に提案したが 取り組んでくれる機関はなかった それなら 親の会で作ってしまおう

全国 LD 親の会山岡修 9 発達障害児のためのサポートツール データベース ( 教材 教具 DB) ( 全国 LD 親の会作成 ) http://www.jpald.net/research/ 平成 18 年度 19 年度 文部科学省 障害のある子どもへの対応における NPO 等を活用した実践研究事業 を受託 専門家や教員の方の御協力を得て LD ADHD 高機能自閉症等の軽度発達障害向けの教材 教具の実証研究 を実施し 約 440 の教材 教具データベースを構築 平成 21 年度 ~ 日本財団の助成を受けて データベースの拡充に取り組み 現在約 1000 種類の教材 教具を掲載している

全国 LD 親の会山岡修 10 全国 LD 親の会が作成している 発達障害児のためのサポートツール データベース ( 教材 教具 DB) http://www.jpald.net/research/

全国 LD 親の会山岡修 11 全国 LD 親の会が作成している 発達障害児のためのサポートツール データベース ( 教材 教具 DB) 教師 保護者等がデータベースを利用しやすいように 次の区分で検索できるように 1000 の教材 教具をデータベース化 1. 教材 教具分類 ( 区分 1- 区分 2- 学習の領域 ) 区分 1 : 国語 算数 その他の教科 運動と姿勢 日常生活活動 行動 対人関係 社会性 区分 2 : 国語 : 聞く 話す 読む 書く 2. 困難 の記述 子どもの 困難 をエピソードとして できるだけ具体的に記述 例 : 長い言葉や新しい単語などに対して何度でも聞き返す 3. 困難の要因 認知 感覚 運動 注意集中 記憶 その他 の 6 区分に分類

全国 LD 親の会山岡修 12 全国 LD 親の会が作成している 発達障害児のためのサポートツール データベース ( 教材 教具 DB) 困難の要因 区分 1 区分 2 学習の領域 困難 注意集認知感覚運動中 1. 国語聞く 話す 読む 書く 2. 算数数と計算 数量関係 量と測定 図形 文章題 ことばの聞き分け 話の聞き分け ことばの理解話 指示の理解 音韻操作 聞き漏らしや聞き間違いがある聴いたことをすぐに忘れる長い言葉や新しい単語などに対して何度も聞き返す 記憶その他 サポート ツール 名称

全国 LD 親の会山岡修 13 全国 LD 親の会が作成している 発達障害児のためのサポートツール データベース ( 教材 教具 DB) 区分 1 区分 2 学習の領域困難 サポート方法 / ツール名称 国語聞くことばの聞き分け 聞き漏らしや聞き間スリーヒントゲームのカ違いがあるルタ 国語聞くことばの聞き分け 国語聞くことばの聞き分け 国語聞くことばの聞き分け 聞いたことをすぐ忘れる 聞いたことをすぐ忘れる 聞いたことをすぐ忘れる スリーヒントカルタ きくきくドリル 聞いて書こう 教材 教具は 魔法の杖 ではなく 適切な指導法が必要なので 指導した 実証データ も掲載している

全国 LD 親の会山岡修 14 障害のある子どもに対する指導方法を確立するには? 障害のある児童生徒が持つ困難やニーズは多様 一人一人の児童生徒が持つ困難を的確に把握し その困難の要因に合せた適切な指導を行っていくことが求められる 困難やニーズを体系的に整理し 指導法や教材 教具を提供できるようなデータベースの構築が必要 親の会の力では限界があり 国の機関等で このデータベースを元にして 増殖 拡充させていくようにしていただきたい

LD ADHD 高機能自閉症等の発達障害向けの教材 教具の実証研究報告書 (2008 年全国 LD 親の会 ) ( 抜粋 )