第 2 製造所 一般取扱所の基準 1 定義 ( 法第 10 条 政令第 3 条 ) (1) 製造所とは 危険物を製造するため 1 日 (24 時間 ) において指定数量以上の危険物を取り扱う建築物その他の工作物及び場所並びにこれらに付属する設備の一体である 1 日に製造される危険物の量が指定数量未満であっても そのために取り扱う数量が指定数量 ( 法第 10 条第 2 項の場合を含む 以下同じ ) 以上であるものは 製造所として規制する (2) 一般取扱所とは 1 日 (24 時間 ) において指定数量以上の危険物を取扱う建築物その他の工作物及び場所並びにこれらに付属する設備の一体で製造所 給油取扱所 販売取扱所及び移送取扱所に該当する以外のものをいい おおむね次の作業形態がある ア危険物を消費するもの反応 ボイラー等 希釈 溶解 印刷 混合 研究実験 塗装イ危険物の循環するものドライクリーニング 油圧装置 潤滑装置 熱媒加熱 抽出 ( 洗浄 溶媒 ) ウ危険物の詰替作業を行うもの缶詰 びん詰 ドラム詰 ローリー積場 タンカーへの払い出し場エ危険物の通過するものレッテルはり 色装 ろ過 計量オ危険物の停滞するもの熱処理 熟成 かくはん ディッピング塗装 荷出場 (3) 省令第 1 条の 3 第 7 項第 1 号の規定により貯蔵保管されている動植物油類のタンクに付属する注油口 払出口及びこれらに接続する配管 弁等の設備で 1 日に指定数量以上の動植物油類を取り扱うものは 一般取扱所として規制する ただし 払出し先が製造所 一般取扱所等許可施設の場合は払出し先の付属配管とする また 一の防油提内に多数の動植物油類のタンクがある場合 当該防油堤内の付属配管と一括して 一の一般取扱所とすることができる 2 製造所 一般取扱所の範囲 (1) 製造所 一般取扱所の範囲製造所 一般取扱所は 原則として 棟又は 1 工程のプラント単位で かつ 場所的に一体性を有すると認められる範囲 ( 配管の許可範囲は資料 1 参照 ) 及びこれらに付属する保有空地を一の製造所 一般取扱所として規制する ただし 次に掲げるものは 別件として規制する ア製造所 一般取扱所の作業工程上関連設備であっても 明らかに貯蔵を目的とする倉庫 屋外貯蔵タンク 屋内貯蔵タンク 地下貯蔵タンク ただし 当該製造所 一般取扱所 ( 次のイに掲げるものを除く ) の貯蔵タンクで貯蔵する数量が 1 日に取り扱う数量未満であれば 付属設備とすることができる また 製造プラント等で 原料や中間体 製品等を一時的に貯蔵する場合にあっては 10 日以内の数量を限度とし 付属設備とすることができる イ発電所 ボイラー設備等の一般取扱所の主タンクである屋外貯蔵タンク 屋内貯蔵タンク及び地下貯蔵タンク
(2) 他の事業所を通過する既設の一般取扱所の範囲同一事業所内に事業所の統廃合等により新たな合弁会社等を設立することで 従来同一事業所内にあった一般取扱所の危険物配管が当該合弁会社の敷地を 100mを越えて通過することとなる場合 当該合弁会社の敷地を通過する危険物配管に関する保安管理等が従前と同様一元的に行われるのであれば 当該危険物配管については新たな移送取扱所ではなく既設の一般取扱所として規制する ( 平成 11 年 6 月 11 日付け消防危第 58 号 ) 3 最大取扱数量の算定法第 10 条第 1 項の 製造所 一般取扱所の危険物取扱量 は 1 日における最大数量とし 次により算出した数量とする (1) 製造所において危険物を原料として危険物を製造する場合 1 日における原料と製品の危険物の指定数量の倍数を比較し 大なる方をもって当該製造所の最大取扱数量とする なお 原料及び製品として当該製造工程に関わるすべての危険物は 許可倍数に計上しないものも含めて許可品目の危険物とすること 当該製造所において 当該原料及び製品以外に危険物を取扱う設備等がある場合には 当該製造所の最大数量にこれらの危険物を取り扱う設備等の取扱数量を合算して 最大取扱数量とする (2) 一般取扱所においては 1 日における危険物の取扱量又は最大貯蔵量のいずれか大なる方をもって 当該一般取扱所の最大数量とする (3) ボイラー バーナー等 ( 非常用の自家発電設備を除く ) 危険物の消費にかかるものについては 使用状況等に応じて1 日における消費量を決定し算定する (4) 非常用の自家発電設備については 災害等の復旧時間を最大 24 時間以上と想定し 24 時間を最大数量とする ただし 消防用設備にのみ使用されるものについては2 時間の取扱量とする (5) 一般取扱所のうち オイル循環装置等については 当該取扱所内の最大貯蔵量をもって最大数量とする 4 隔壁 ( 政令第 9 条第 1 項第 2 号 ) 政令第 9 条第 1 項第 2 号ただし書きに規定する 防火上有効な隔壁 は 次による (1) 隔壁は 建築基準法第 2 条第 7 号に規定する耐火構造とすること ただし 公共危険がなく延焼拡大のおそれがないと認められる場合は 不燃構造とすることができる (2) 隔壁に設ける出入り口は 必要最小限の大きさとし 自閉式の特定防火設備 ( 防火戸 ) を設けること (3) 隔壁を設けることが 工作上不可能なもので防火上支障のない場合は 特例基準として隔壁にかえて次による防火設備 ( ドレンチャー設備 ) とすることができる ア水幕の幅は 防護する開口部の幅より両側へそれぞれ 0.75m 以上張り出すこと イ水幕の厚みは 0.75m 以上とすること ウ水量は 防護する開口部の床面積 ( 水幕の幅 水幕の厚み )1 m2当り 10L 毎分以上とし 30
分間以上連続放水できる量以上とすること エ水幕は 水噴霧ヘッドにより作ること オ手動または自動操作の放射方式とすること 5 地階 ( 政令第 9 条第 1 項第 4 号 ) (1) 製造所 一般取扱所の直下に地階があっても 地階の出入口が外部にあり完全に区画されている場合は 特例基準として認めることができる (2) 機器 タンク等のピットは 地階と解さない 6 建築物の構造 ( 政令第 9 条第 1 項第 5 号 ~ 第 8 号 ) (1) 政令第 9 条第 1 項第 5 号に規定する 延焼のおそれのある外壁 とは 建築基準法第 2 項第 6 号の 延焼のおそれのある部分 の規定によるもの ( 同号かっこ書きは除外する ) 及び上階または下階に他の用途部分を有するもの等の建築物の外壁をいう (2) 関連する事務所等 危険物を取り扱わない部分については 危険物を取り扱う部分と耐火構造の壁又は床 ( 開口部を設ける場合にあっては 自動閉鎖の特定防火設備 ( 防火戸 )) で防火上安全に区画した場合は 政令第 9 条第 1 項第 5 号 ( 延焼のおそれのある外壁に係る部分に限る ) 第 6 号及び第 7 号 ( 延焼のおそれのある外壁に係る部分に限る ) の基準を適用しないことができる (3) 製造所 一般取扱所の建築物の壁のうち 危険物を取り扱う部分と耐火構造の床若しくは壁または自動閉鎖の特定防火設備 ( 防火戸 ) により区画された危険物を取り扱わない部分に設ける間仕切り及び間仕切り戸等については 準不燃材料 ( 建築基準法施行令第 1 条第 5 号に規定する準不燃材料 ) の使用を認めることができる ( 平成 9 年 3 月 26 日消防危第 31 号 ) (4) 建築基準法施行令第 1 条第 6 号の難燃材料を特例基準として 採光屋根又は窓等の延焼のおそれのない部分に限り部分的に使用することができる ただし 取り扱う危険物が引火点 40 度未満の場合又は火粉等が落下する等防火上支障のある場合は使用しないこと (5) 製造所 一般取扱所の危険物を取り扱う建築物の窓又は出入口のうち 危険物を取り扱う部分と耐火構造の床もしくは壁又は随時開けることのできる自動閉鎖の特定防火設備により区画された危険物を取り扱わない部分の窓又は出入口にガラスを用いる場合の当該ガラスについては 網入りガラス以外のガラスの使用ができる この場合において当該ガラスを用いた窓又は出入口は 特定防火設備又は防火設備でなければならない ( 平成 9 年 3 月 26 日消防危険第 31 号 ) (6) 製造所 一般取扱所に付属するプラットホームの先端には 衝撃防止用の緩衝材を設けることができる またカーバイトを取り扱う場合は 衝撃火花を防止するため床上に木材を置くことができる (7) 製造所又は一般取扱所に休息室を設ける場合は政令第 9 条又は第 19 条の技術上の基準によること また 休息室内での喫煙その他火気の使用は 火災の発生を防止し得る態様で行われる必要があり たとえば次のような措置を講ずること ( 平成 14 年 2 月 26 日消防危第 30 号 ) ア休息室内における火気の使用する場所を限定すること
イ休息室の出入口に 休息室内への可燃性の蒸気及び可燃性の微粉の流入を防止するため 自動閉鎖の戸を設けるとともに敷居を高くする等の措置をとること ウ休息室に 第 5 種の消火設備を配置するといった初期消火の措置をとること 7 危険物の飛散防止設備等 ( 政令第 9 条第 1 項第 13 号 ) (1) 附帯設備政令第 9 条第 1 項第 13 号に規定する 危険物のもれ あふれ又は飛散による災害を防止するための附帯設備 には フロートスイッチ等の制御装置 電磁閉止弁 返油管 漏油受皿 囲い 水幕 ( 水洗ブース ) 等も含まれる なお サービスタンク等のフロートスイッチ 返油管等は次図の例によること ( 注 )1. 返油管は 送油管の 1.5 倍の断面積を有すること 2. ブザーはいずれか 1 個設ければよい (2) 熱交換器のあふれ又は飛散防止の構造 ( 平成 19 年 3 月 29 日消防危第 68 号 ) 製造所 一般取扱所に設置する熱交換器 ( 危険物の熱交換を行うものに限る ) であって
労働安全衛生法施行令 ( 昭和 47 年政令第 318 号 ) 第 1 条第 5 号に規定する第 1 種圧力容器に該当するものの許可 検査における政令第 9 条第 1 項第 13 号 ( 同令第 19 条第 1 項において準用する場合も含む ) の基準の適合の確認については次のとおりとする ア許可当該熱交換器が 省令第 4 条第 2 項第 3 号による設備の配置図等により労働安全衛生法施行令第 1 条第 5 号に規定する第 1 種圧力容器であることを確認する イ完成検査当該熱交換器に ボイラー及び圧力容器安全規則 ( 昭和 47 年労働省令第 33 号 ) 様式第 4 による刻印が押されていることを確認すること 8 開放型タンク等の拡散防止措置 ( 政令第 9 条第 1 項第 13 号 ) 開放型タンク及び容器 ( 洗浄槽 攪拌槽その他これらに類するもので 当該タンク又は容器の液表面上の全部又は一部が開放されているもの ) で危険物を取り扱う場合は 敷居を高くする等 危険物の拡散を防止する措置を講ずること ただし 地震等により液面揺動が生じた場合でも 液体が溢流するおそれのないものを除く 9 温度測定装置 加熱設備 ( 政令第 9 条第 1 項第 14 号 第 15 号 ) 政令第 9 条第 1 項第 15 号に規定する 当該設備に火災を防止するための附帯設備 とは 直火を用いる加熱設備又は乾燥設備が危険物の溢出に対して直火にふれないように保護し 又は遮断する設備があり 他の設備に対して不燃材料の壁で仕切られている場合とする 10 静電気除去装置 ( 政令第 9 条第 1 項第 18 号 ) (1) 静電気が発生するおそれのある設備とは 液体の危険物のうち第 4 類特殊引火物 第 1 石油類 アルコール類 第 2 石油類を貯蔵し 又は取り扱うものをいう (2) 静電気除去装置には 接地方式 蒸気放出方式 電界除電方式等の装置がある ただし 蒸気放出方式による場合には 局所湿度が 60% 程度では かえって帯電しやすいので 75% 以上にすること (3) 接地方式による場合は 次によること ア接地抵抗値は 100Ω 以下となるよう設けること イ接地導線の接続は ハンダ付け等により完全に接続すること ウ接地導線は 機械的に十分な強度を有する太さとすること エ接地端子及び接地極板は 銅など通電性及び耐食性のある金属を用いること オ接地工事は 資料 5 により行うこと 11 付属タンク ( 政令第 9 条第 1 項第 20 号 ) (1) 付属タンクに該当するものの範囲 ( 昭和 58 年 3 月 9 日消防危第 21 号 ) ア付属タンクとは 危険物を一時的に貯蔵し または滞留させるタンクであって 工程中において危険物の貯蔵又は滞留の状態に着目した場合に 屋外貯蔵タンク 屋内貯蔵タンク等と類似の形態を有し かつ 類似の危険性を有するものをいう
したがって 滞留があっても 危険物の沸点を超えるような高温状態等で危険物を取り扱うもの及び混合攪拌するタンクで その機能上タンク上部を開放して使用する構造のものは 一般的には付属タンクには含まれない 付属タンクに該当するかの判断は 一義的には タンクの名称 設置位置 ( 例えば架構の上部に設置等 ) 形状又は付属設備( 攪拌機 ジャケット等 ) の有無は関係しない イ付属タンクの例として 次の ( ア )~( ウ ) に掲げるものが挙げられる ( ア ) 危険物の物理量の調整を行うタンク当該タンクは 量 流速 圧力等の調整を目的としたものをいい 次のようなものがこれに該当する a 回収タンク b 計量タンク c サービスタンク d 油圧タンク ( 工作機械等と一体とした構造のものを除く ) ( イ ) 物理的操作を行うタンク当該タンクは 混合 分離等の操作を目的とするものをいい 次のようなものがこれに該当する a 混合タンク ( 溶解を含む ) b 静置分離タンク ( ウ ) 単純な化学的処理を行うタンク当該タンクは 中和 熟成等の目的のため 貯蔵又は滞留状態において著しい発熱を伴わない処理を行うものをいい 次のようなものがこれに該当する a 中和タンク b 熟成タンクウ本文に該当しない危険物を取り扱う設備等としては 次のようなものが考えられる ( ア ) 蒸留塔 精留塔 分留塔 ( イ ) 反応槽 ( ウ ) 分離器 濾過器 脱水器 ( エ ) 吸収塔 抽出塔 ( オ ) 熱交換器 蒸発器 凝縮器 ( カ ) 工作機械等と一体とした構造の油圧用タンク (2) 付属タンクの特例基準アタンクへのサイトグラスの設置 ( 平成 10 年 3 月 16 日消防危第 29 号 ) 次の ( ア ) から ( カ ) までに適合する場合は タンクの一部にサイトグラスを設置することができる ( ア ) サイトグラスの外側に網 蓋等を設ける等外部からの衝撃により容易に破損しない構造であること ( イ ) サイトグラスの外側に使用時以外は閉鎖できる蓋を設ける等外部からの火災等の熱により破損しない構造であること ( ウ ) サイトグラスの大きさが必要最小限であること
( エ ) サイトグラス及びパッキン等の材質が タンクで取り扱う危険物により侵されないこと ( オ ) サイトグラスの取付部が サイトグラスの熱変位を吸収できること ( カ ) タンクの気相部に設けられるサイトグラスにあっては気密試験により 取付部の漏れ又は変位に係る確認が行われていること イタンクの支柱の耐火性能 ( 平成 10 年 3 月 16 日消防危第 29 号 ) 屋外のタンクの支柱は 鉄筋コンクリート造 鉄筋コンクリート造その他これと同等以上の耐火性能を有するものとされているが ( 政令第 9 条第 1 項第 20 号ににおいて準用する政令第 11 条第 1 項第 5 号の規定 ) 製造プラント等にあるタンクの支柱について 当該支柱の周囲で発生した火災を有効に消火することができる第 3 種の消火設備が設けられている場合には この規定を免除することができる ウ屋外貯蔵タンクの放爆構造屋外のタンクにおいては放爆構造を確保することとされているが 第 2 類又は第 4 類の危険物を取り扱うタンクについて 次のアからウまでに適合する場合には 当該規定を免除することができる ( 平成 10 年 3 月 16 日消防危第 29 号 ) ( ア ) タンク内における取扱いは 危険物の異常な化学反応等によりタンクの圧力が異常に上昇しえないものであること ( イ ) タンクの気層部に不活性ガスが常時注入されている ( 不活性ガスの供給装置等が故障した場合においても気層部の不活性ガスの濃度が低下しないもの ) など 気層部で可燃性混合気体を形成しえない構造又は設備を有すること ( ウ ) フォームヘッド方式の第 3 種固定泡消火設備又は第 3 種水噴霧消火設備が有効に設置されているなど タンクの周囲で火災が発生した場合においてタンクを冷却することができる設備が設けられていること エ耐食性を有する鋼板で造られたタンクのさび止め塗装ステンレス鋼板その他の耐食性を有する鋼板で造られたタンクについては タンクのさび止め塗装を省略することができる ( 平成 10 年 3 月 16 日消防危第 29 号 ) オ液量自動覚知装置 ( ア ) 危険物が過剰に注入されることによる危険物の漏洩を防止することができる構造又は設備を有するタンク ( 平成 10 年 3 月 16 日消防危第 29 号 ) については 省略することができる なお 危険物が過剰に注入されることによる危険物の漏洩を防止することができる構造の例としては前記 7 の例図によること ( イ ) 堅固な保護金具付 ( 上 下閉止バルブ付 ) ガラスゲージとすることができる ( ウ ) 有効な強度を有するのぞき窓式とすることができる カ屋内貯蔵タンクの通気管引火点が 70 度以上 ( 引火点以上に加熱するものを除く ) で指定数量未満のものは 先端の位置を屋内の安全な空間に設けることができる 12 屋外の付属タンクに設ける防油堤 (1) 防油堤の高さ ( 平成 10 年 3 月 16 日消防危第 29 号 ) 屋外のタンクの防油堤については 高さを 0.5m 以上とすることとされているが ( 規則第
13 条の 3 第 2 項第 2 号において準用する規則第 22 条第 2 項第 2 号の規定 ) 製造プラント 等にあるタンクであって 当該タンクの側板から 下表のタンク容量の区分に応じそれぞれ 同表に定める距離を有する防油堤の部分については 高さを 0.15m 以上としてもよい (2) 防油堤が設けられている場合の屋外の危険物取扱設備の周囲に設ける囲い ( 平成 10 年 3 月 16 日消防危第 29 号 ) 屋外の危険物取扱設備の周囲には高さ 0.15m 以上の囲いを設けることとされているが ( 政令第 9 条第 1 項第 12 号 ) 当該設備の周囲に防油堤( 上記 (1) とした防油堤を含む ) が設けられるとともに次のア及びイに適合する場合 又は 当該設備が屋外のタンク ( 配管を含む ) に限られるとともにその周囲に防油堤が設けられている場合には 政令第 9 条第 1 項第 12 号の規定の適用を免除することができる ア防油堤の内部の地盤面がコンクリートその他危険物が浸透しない材料でおおわれていること イ防油堤の内部の地盤面に適当な傾斜及びためますが設けられていること (3) 防油堤の構造屋外にあるタンクに設ける防油堤の構造は鉄筋コンクリート造又は盛土造とし省令第 13 条の 3 の規定によるほか 次によること ア鉄筋コンクリート造りの防油堤 ( ア ) 鉄筋は 9 mm以上のものであること ( イ ) 壁厚はその頂部で 0.15m 以上とすること ( ウ ) 鉄筋は原則として JISG3112 鉄筋コンクリート用棒鋼 のうち SR235 SD295A SD295B,SD345 を用いることとし 防油堤として強度計算にあっては 当該鉄筋の許容応力度は 次の値とすること 鉄筋の種類 SR235 SD295A 又は SD345 SD295B 許容引張応力度 140 180 200 (N/ mm2 ) ( エ ) コンクリートのセメント基準重量は 280 kg / m3とし その許容圧縮応力度は 7N/ mm2とすること ( オ ) 鉄筋のかぶりの厚さは 50 mm以上とすること ( カ ) 防油堤の隅角部から壁高のおおむね 3~4 倍の長さ離れた位置及びおおむね 20m 以内ごとに目地を設け 当該目地には銅等の金属材料で造った伸縮継手を設けること この場合 目地部分は水平方向の鉄筋により目地をはさんで 相互の鉄筋が接続されていること ( キ ) 溝渠等は基礎に支障を生じさせるおそれのある位置に設けないこと
( ク ) 基礎底面と地盤との間に空間を生ずるおそれのある場合は あらかじめ矢板等を設ける ことにより危険物が流出しないよう措置すること 例 図 1. 高さ 0.7m の防油堤の例 ( 単位 : mm ) 2. 高さ 1.0m の防油堤の例 ( 単位 : mm ) イ盛土造の防油堤 ( ア ) 天端幅は 1m 以上とし 法面勾配は 1:1 以下とすること ( イ ) 透水性が大きい盛土材料を用いる場合は 防油堤の中央部に粘土 コンクリート等で造った壁を設けること ( ウ ) まき出しの厚さは 300 mmを超えないものとし ローラ等の締め固め機械を用いて十分に締め固めること ( エ ) 表面は コンクリート コンクリートブロック アスファルト 又は芝生 ( 常緑のものに限る ) 等により被覆すること 例図 13 高引火点危険物製造所 一般取扱所 ( 政令第 9 条第 2 項 政令第 19 条第 3 項 ) 建築物の窓及び出入口 ( 延焼のおそれのある外壁に設けるものを除く ) に 不燃材料又はガラス ( 網入りガラス以外のガラスを含む ) で造られた戸を設けることができる また屋外にある液体危険物のタンクの防油堤について 高さに係る規定は適用しない ( 平成 13 年 10 月 11 日消防危第 112 号 )