アンカー型イソマルトメガロ糖 ( 直鎖 環状 ) とは 難消化性糖 ( 単糖 ) オリゴ糖 メガロ糖 多糖 重合度 D- グルコース プレビオティック作用 ( 大腸発酵 ) O O フレキシブル部分 O O n' α-1,6 結合のイソマルト糖構造 O O 作用未知

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JST 新技術説明会 2016.3.8 北海道大学大学院農学研究院 : 原博 木村淳夫 石塚敏大阪府立大学大学大学大学院生院生命環境科学命環境科学研究科 : 北村進一 鈴木志保 農研機構食品総合研究所 : 日本食品化工 ( 株 ) : 舟根和美藤本佳則 飯塚貴久 飯塚貴久 相沢健太 相沢健太 本成果は 平成 26 年度農林水産業 食品産業科学技術研究推進事業 アンカー型イソマルトメガロ糖の生産技術確立とその分子特性に基づく食品素材の開発 により得られたものである 1

アンカー型イソマルトメガロ糖 ( 直鎖 環状 ) とは 難消化性糖 ( 単糖 ) オリゴ糖 メガロ糖 多糖 重合度 1 2 9 10 100 100 D- グルコース プレビオティック作用 ( 大腸発酵 ) O O フレキシブル部分 O O n' α-1,6 結合のイソマルト糖構造 O O 作用未知 食物繊維作用 ( 高分子物理作用 ) α-1,4 結合からなるアンカーなるアンカー構造 さまざまな物質と相互作用可能 ( フラボノイド可溶化作用 ) 新規機能 * 結合の柔軟さと 中分子であるメガロ柔軟さと 中分子であるメガロ糖としてのサイズ * アンカー構造付加による安定化 2

アンカー メガロ糖へのアンカー構造付加によるクラス2分子との相互作用の強化 α-1,4結合からなる環状グルコース重合体 シクロデキストリン は 結合からなる環状グルコース重合体 シクロデキストリン は 環の中への包接作用 環の中への包接作用で 可溶化形式が異なる 中への包接作用で 可溶化形式が異なる 3

アンカー ( 黄色部 ) 導入によるメガロ糖 -C 60 複合体の安定化ー分子動力学動力学計算より大阪府立大学北村進一 イソマルトメガロ糖 アンカー アンカー型イソマルトメガロ糖 Cib-9 (µg/ml) 可溶化フラーレン van del Waals energy (kcal/mol mol) 0-20 -40-60 -80-100 -120 C 60 非アンカー型 (CI-8) -140 0 20 40 60 80 100 120 140 160 time (ps ( ps) van del Waals energy (kcal/ kcal/mol mol) 0-20 -40-60 -80-100 -120 アンカー型 (Cib-9) -140 0 20 40 60 80 100 120 140 160 time (ps ( ps) 力場 : CHARMm 温度 : 300 K 溶媒 : 誘電率モデル Step: : 2 fs フラーレン (C 60 ): BCS クラス 2 分子 4

Biopharmaceutics Classification System (BCS) provided by FDA The fundamental basis for the BCS was established by Gordon Amidon クラス 1 高い溶解性高い膜透過性 クラス 3 高い溶解性低い膜透過性 BCS Classification クラス 2 低い溶解性高い膜透過性 クラス 4 低い溶解性低い膜透過性 BCSクラス2 分子生理活性物質 : 多い生体利用性 : 低い クラス 2 化合物は溶解律速 溶解度の増加が吸収率 ( 速度 ) 改善 機能性を有する食品成分はクラス 2 に属するものが多数フラボノール類 ( お茶 リンゴなど ) イソフラボン類 ( 大豆など ) その他ポリフェノール類 ( レスベラトロール クルクミン等 ) オリザノール ( 植物ステロール ) ( 米など ) 5

産学連携の経歴 2014 年度農林水産業 食品産業科学技術研究推進事業 発展融合ステージ に採択 ( 2016) アンカー型イソマルトメガロ糖開発チーム ( コンソーシアム ) メガロ糖生産開発 実用化チーム 北海道大学大学院農学研究院 農業 食品産業技術総合研究機構食品総合研究所 日本食品化工株式会社 物理化学的機能解析機能解析チーム大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 生理機能解析チーム北海道大学大学院農学研究院 糖質酵素 物理化学物理化学 食品生理作用食品生理作用の各エキスパートの混成チーム + 糖質酵素合成に高度な技術を持つ企業参画 6

メガロ糖開発研究課題 メガロ糖生産技術開発 北海道大 農 ( 木村 ) 日本食品化工 ( 株 ) 直鎖イソマルトメガロ糖天然酵素による生産法確立 C 末削除体 DDase ( 食品 X) 天然型 ( 酢酸菌 )DDase ( 食品 ) アンカー型メガロ糖生産 農研機構食総研 ( 舟根 ) 環状イソマルトメガロ糖アンカー付加法確立 既存製品 ( 低純度 ) 天然型 GSase α-1,3 分岐 ( アンカー ) フラボノイドなど 20 種 可溶化特異性 メガロ糖フラボノイド可溶化と吸収促進安全性北海道大 農 ( 原 石塚 ) 生理機能解析 分岐メガロ糖単一分子分取可溶化分子構造解明大阪府大大 ( 北村 ) 物理化学的機能解析 7

直鎖イソマルトメガロイソマルトメガロ糖の糖の天然酵素天然酵素による生産技術の開発 北海道大学大学院農学研究院木村淳夫 天然酵素を生産する酢酸菌の培養 5% フラクトース 0.5% 酵母エキス 菌体法 遊離酵素法 イソマルトメガロ糖生産 200 mm マルト - ヘキサオース /- ヘプタオース ph 4.2 45 4 日間 * 天然酵素 DDase は 菌体結合型 菌体結合型 収率は 35% ( でんぷんより ) 平均重合度が約 15 アンカー部分 40% 収率は 60% ( でんぷんより ) 平均重合度が約 16 アンカー部分 35% 直鎖メガロ糖大量生産プロセスの開発 天然酵素で生産されたアンカー型イソマルトメガロ糖の構造 α-(1 6)- 鎖主鎖 α-(1 4)- 鎖アンカー 平均重合度 : 12.1( ( 分子量 =2,098) α-(1 6) 割合 :68.4% L-IMS 1 kg 8

環状メガロ糖生産技術のメガロ糖生産技術の開発 ( 分岐 = アンカー構造の導入 ) 農研機構食品総合研究所舟根和美 GSase アクセプタ反応 スクロース 乳酸菌グルカンスクラーゼ (GSase) 遊離 CGTase カップリング反応 CDグルカノトランスフラーゼ (CGTase) マルトオリゴ糖 C-IMS フルクトース α-1,3 アンカー型 C-IMS C-IMS α-1,4 アンカー型 C-IMS mv 750 500 250 0 (IG-2) (IG-3) IG-4 IG-5 CI-7 CI-8 CI-9 CI-10 α-1,3 分岐 CI-11 CI-12 L. citreum S32 mv 40 20 0 1 2 3 4 Glc 5 (IG-2) 6 (IG-3) 7 (IG-4) 8 9 IG-5 10 CI-7 11 CI-8 α-1,4 分岐 (CI-9) 12 13 14 15 (CI-10) CGTase 14418 16 (CI-11) (CI-12) 5 10 15 20 25 30 min 0 5 10 15 20 25 min 9

可溶化試験 : 作用が高かったフラボノイド 3 種 + レスベラトロール 可溶化濃度 ケルセチン ミリセチン メガロ糖濃度 可溶化濃度 ルテオリン配糖体 レスベラトロール 直鎖メガロ糖 : 0-20 mm フラボノイド : 1 mm メガロ糖濃度 アンカー型直鎖イソマルトメガロ糖のフラボノイド可溶化作用 特異性 :B 環に複数水酸基 ( 抗酸化性強 ) 北海道大学大学院農学研究院原博 10

直鎖メガロ糖 : 0-20 mm フラボノイド : 1 mm アンカー型メガロ糖 採血 フラボノイド + メガロ糖 投与カニューレ門脈 腸 ケルセチン溶解度 相対値 3 2 1 0 フラボノイド可溶化 オリゴ糖 オリゴ糖 アンカー型非アンカー型メガロ糖 イソマルト糖 0 10 20 30 重合度 門脈血ケルセチン濃度 Total quercetin-derivatives (µmol/l) μmol/l 60 50 40 30 20 10 0 フラボノイド吸収促進 a ab a b ab b 7.5 15 30 min メガロ糖添加群オリゴ糖添加群対照群 アンカー型直鎖直鎖メガロ糖によるフラボノイド吸収促進 ( ラット ) 北海道大学大学院農学研究院篠木亜季 熊谷祐也 木村淳夫 原 博 11

アンカー構造をもつ環状環状メガロ糖分子の単離とヘスペレチン可溶化作用 溶解度 ヘスペレチン 単離分岐 CI9,10 腸モデル膜透過 6.1 倍 CIb9 CIb10 ヘスペレチン + 分岐メガロ糖 環状メガロ糖ヘスペレチン複合体分子構造 透過速度 O OCH 3 OH O 大阪府立大学北村進一 12

13 13 13 13 アンカー型メガロ糖の今後の展開アンカー型メガロ糖の今後の展開アンカー型メガロ糖の今後の展開アンカー型メガロ糖の今後の展開ダブルアンカー型直鎖メガロ糖天然型酵素天然型酵素天然型酵素天然型酵素 (DDase) 工業生産プロセス工業生産プロセス工業生産プロセス工業生産プロセス確立確立確立確立フラボノイド可溶化機構分子間相互作用解析食品設計新規生理機能開発安全性試験安全性試験安全性試験安全性試験 II アンカー型イソマルトメガロ糖アンカー型イソマルトメガロ糖アンカー型イソマルトメガロ糖アンカー型イソマルトメガロ糖新規機能性糖質素材新規機能性糖質素材新規機能性糖質素材新規機能性糖質素材第 2 世代のアンカー型メガロ糖高機能型フラボノイド吸収促進フラボノイド吸収促進フラボノイド吸収促進フラボノイド吸収促進 ( 機能性の増強 ) ( 機能性の増強 ) ( 機能性の増強 ) ( 機能性の増強 ) 糖尿病糖尿病糖尿病糖尿病動脈硬化症動脈硬化症動脈硬化症動脈硬化症大腸がん大腸がん大腸がん大腸がん認知症認知症認知症認知症消化管バリア機能消化管バリア機能消化管バリア機能消化管バリア機能増強増強増強増強炎症性腸疾患炎症性腸疾患炎症性腸疾患炎症性腸疾患慢性炎症の軽減慢性炎症の軽減慢性炎症の軽減慢性炎症の軽減免疫機能免疫機能免疫機能免疫機能調整調整調整調整低粘度低粘度低粘度低粘度無味無臭無味無臭無味無臭無味無臭幅広い用途幅広い用途幅広い用途幅広い用途アンカー型アンカー型アンカー型アンカー型直鎖直鎖直鎖直鎖メガロ糖メガロ糖メガロ糖メガロ糖シングルアンカー型直鎖メガロ糖との違い解析アンカー型アンカー型アンカー型アンカー型環状環状環状環状メガロ糖メガロ糖メガロ糖メガロ糖

ダブルアンカー型直鎖イソマルトメガロ糖によるフラボノイド可溶化申し訳ありませんが スライドをご覧ください 14

現在の市場へのイソマルトメガロ糖導入によるの市場へのイソマルトメガロ糖導入による経済経済効果 γ シクロデキストリン市場 ( 用途類似 ):10 億円 / 年同等の新規糖質市場開拓新規糖質市場開拓により 費用対効果 X10 倍イソマルトメガロ糖利用利用した機能性した機能性食品開発により健康志向飲料市場 :2,000 億円 1% 程度 = 20 億円 / 年サプリメント市場 :1.2 兆円 2% 程度 = 240 億円 / 年 15

従来技術とその問題点 フラボノイドなどの BCS クラス II 分子可溶化 従来技術 1, シクロデキストリンによる可溶化包接であるため可溶化できる分子が限定される 2, 糖転移フラボノイド配糖体対象分子自体の化学修飾であるため用途が限定される 16

新技術の特徴 ( 従来技術との比較 ) アンカー型イソマルトメガロ糖によるフラボノイド類 (BCS クラス II 分子 ) 可溶化技術 1, 包接と異なるため 多くのフラボノイド分子に適用できる 2, 緩やかな分子間相互作用であるため 解離が妨げられない吸収が阻害されない 3, でんぷん原料の糖質素材であるため その利用範囲が余り限定されない食材としての利用も可能である 17

想定される用途 幅広い用途 低粘度無味無臭 でんぷん食品パン 麺類 パスタ類 飲料スポーツドリンクなど サプリメント各種フラボノイド類他のポリフェノール類 18

実用化に向けた課題 酵素生産の効率化技術 アンカー型メガロ糖に使用する糖転移酵素の効率的調製法の確立 安全性試験 原料 : でんぷんやショ糖 酵素生産菌 ( 食用 ) 安全性は高いが 用途によりより厳密な安全性試験が必要 直鎖タイプと環状タイプの差別化 ( 用途開発 ) * 環状タイプの開発が予想外に進んでいる 19

企業への期待 効率的生産酵素 (DDase) の発現系構築高力価の酵素の安価 安定供給 用途開発 ( 商品開発 ) での提携 各種動物試験 ( 吸収動態や生理作用 ) メガロ糖-フラボノイド複合体の分子構造解析をもとにした食品設計 ( コンソーシアム内で実施予定 ) 20

本技術に関する知的財産権 発明の名称 : 可溶化剤出願番号 : 特願 2015-071049 出願人 : 北海道大学 大阪府立大学農業 食品産業技術総合研究機構発明者 : 原博 北村進一 鈴木志保 中野歩美 舟根和美 発明の名称 : ダブル及びシングルアンカー型イソマルトメガロ糖 その製造方法及びその利用出願番号 : 特願 2015-248676 出願人 : 北海道大学発明者 : 木村淳夫 原博 ラングビ-ラヌッチ 21

産学連携の経歴 2014 年 -2016 年 農林水産業 食品産業科学技術研究推進事業発展融合型課題 アンカー型イソマルトメガロ糖の生産技術確立とその分子特性に基づく食品素材の開発 に採択される 産学官コンソーシアムを結成 22

お問い合わせ先 北海道大学大学院 教授原博 農学研究院 TEL 011-706 - 3352 FAX 011-706 - 2504 e-mail hara@chem.agr.hokudai.ac.jp 23