あっせん文(国民健康保険における限度額適用・標準負担額減額認定証 の申請に係る被保険者の負担軽減)

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はじめに 日本の医療保険制度は 一人ひとりが何らかの公的医療保険に 加入し 互いの医療費を支えあう 国民皆保険 という考え方に基 づいています 患者さんが医療機関で支払う医療費の自己負担額はかかった医療費の一部で 残りは保険から支払われています しかし病気によっては 保険からの支払いがあったとしても

1. 高額療養費制度について 高額療養費制度とは 患者さんの高額な医療費負担を軽減するための制度です 医療機関や薬局で 診察や治療を受けたときや薬局でお薬を受け取ったときなどに 支払った医療費の自己負担額が一定の金額 ( 自己負担限度額 ) を超えた場合 加入している健康保険 に申請することで 超え

○国民健康保険税について

はじめに この冊子では タルグレチンによる皮膚 T 細胞性リンパ腫の治療を受ける方に対して 高額療養費制度を活用した時の医療費 ( 自己負担限度額 ) がどのくらいかかるかを紹介しています 高額療養費制度では 年齢や所得によって自己負担限度額が異なります 自己負担限度額の計算例も示していますので ご

国保 70 歳未満 公費負担公費負担医療番号 受給者番号 公費負担者公費負担医療番号 受給者番号 した住所職業上の理由 男 女 明 大 3 昭 4 平 生 区ア 職務上 下船後 3 月以内 3 通勤災害 公費負担公費負担医療番号 受給者番号 公費負担者公費負担医療番号 受給者番号 男 女 明 大 3


スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

01 鑑文

常務理事事務長係係 70 歳以上 ソニー健康保険組合理事長殿 1 被保険者証の記号 番号 健康保険限度額適用認定申請書 [ 兼食事療養標準負担額減額申請書 ( 被保険者が非課税の場合に限る )] 被保険者の氏名 押 被保険者本人が氏名を記入した場合は押不要 平成年月日 認 日中連絡の取れる電話番号

目 次 はじめに 抗がん剤治療は 患者さんの身体的 精神的な負担に加えて 医療費も大きな負担の一つとなっているのではないでしょうか 1. 制度とは 2. 制度を利用するには 1 限度額適用認定証を提示すると 窓口での支払いが自己負担限度額までとなります 2 の払い戻し 参考自己負担限度額を計算してみ

高額療養費制度とは 高額療養費の支給を受けるには 健康保険限度額適用認定証 記号 交付 番号 氏名 生 適用対象者 入院時の食事負担や差額ベッド代等は含みません 1 氏名 生 住所 発効 有効期限 適用区分 保 険 者 健 康 保 険 証 に記載されています に交付申請し 事前に 認 定 証 1 を

Microsoft PowerPoint - (H27.1~)高額療養費制度を利用される皆さまへ

知っておきましょう!窓口負担の豆知識


はじめに 私たちの暮らしの中で 病気やケガなどによって不意な出費が必要になるときがあります 特に がんに罹ると治療のために 長期にわたって高額な医療費を支払うケースが少なくありません そのため 患者さんやご家族の方は 身体的 精神的負担だけでなく 経済的にも悩んでしまうことがあると思います このよう

参考資料

記 1 標準報酬月額の決定に係る制度の概要 (1) 定時決定保険者等 ( 被保険者が 全国健康保険協会が管掌する健康保険の被保険者である場合は厚生労働大臣 健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者である場合は当該健康保険組合をいう 以下同じ ) は 健康保険法 ( 大正 11 年法律第 70 号 )

スライド 1

[高額療養費制度について] 医療費による経済的な負担を軽くするための高額療養費制度という制度があります 医療費が高額になりそうな時には あらかじめ限度額適用認定証などの所得の 認定証 の交付を受けて医療機関の窓口で提示することで 入院 外来診療ともに窓 口での支払いを自己負担限度額までにとどめること

高額療養費制度を利用される皆さまへ

高額療養費制度を利用される皆さまへ

報道資料

【事務連絡】「高額療養費制度の見直しに関するQ&A」の送付について

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高額療養費制度とは 高額療養費の支給を受けるには 高額な医療費による負担を軽くするため 医療機関や薬局の窓口でご自 身が支払う医療費が定められた上限額 を超えた場合 記号 交付 番号 氏名 生 適用対象者 入院時の食事負担や差額ベッド代等は含みません 1 健康保険限度額適用認定証 被 その超えた分の

( 保 241) 平成 30 年 11 月 29 日 都道府県医師会社会保険担当理事殿 日本医師会常任理事松本吉郎 高齢者に係る高額療養費制度の見直し等について ( 再々周知 ) 平成 30 年 8 月 1 日から 70 歳以上の高齢者に係る高額療養費制度が見直されたことに伴い 診療報酬請求書等の記

高額療養費制度を利用される皆さまへ

国民健康保険、後期高齢者医療及び介護保険に係る保険料の還付の促進及び還付加算金の取扱いの改善(あっせん)

⑵ 外来年間合算の支給額計算の基礎となる合算対象額は 基準日において 同一保険者の同一世帯に属しているか否かにより判断されます ( 例 ) 下記の事例の場合 基準日において 甲と乙が同一世帯であれば 3 と 4 は合算できるが 甲と乙が別世帯であれば 3 と 4 は合算できない 基準日保険者である

入院時生活療養費の見直し内容について(厚生労働省保険局保険課:H29.4.7)

平成 30 年 4 月からの制度改正で 市区町村は都道府県と一緒に 国民健康保険を運営していきます Q なぜ制度改正をするの? 国保は会社勤めの方々が加入している保険と比べて 1 国保加入者の平均年齢が高い また 医療費も高額になりやすい 2 国保加入者は非正規労働者や定年退職者が多く 保険税の負担

国民健康保険に加入されている皆さまへ これまで 国民健康保険の財政運営や 被保険者資格の管理などは市区町村単位で行っていましたが 平成 30 年度から都道府県単位に変更します この変更で 同一県内で他の市区町村に引っ越した場合でも 引っ越し前と同じ世帯であることが認められれば 高額療養費の該当回数の

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2018年8月改定対応(高額療養費制度の見直し)

< 現行 > 対象者医療区分 Ⅰ(Ⅱ Ⅲ 以外の者 ) 1 * 医療の必要性の低い者医療区分 Ⅱ Ⅲ 1 2 * 医療の必要性の高い者 ( 指定難病患者を除く ) 3 指定難病患者 2 生活療養標準負担額のうちにかかる部分 1 日につき32 1 日につき 1 日につき < 見直し後 > 対象者医療区

2015年1月改定対応(高額療養費算定基準額対応)

2018年8月改定対応(高額療養費制度の見直し)(第二版)

平成 27 年 1 月から難病医療費助成制度が変わりました! (H26 年 12 月末までに旧制度の医療費助成を受けている人は 3 年間の経過措置 を受けられます ) 分かり難い場合は協会又は自治体の窓口へお問い合わせください H27 年 1 月からの新制度 1. 難病医療費助成の対象は ALS 重

保育所に入所できないことを事由とする育児休業手当金の延長要件の見直し(地方公務員の「パパ・ママ育休プラス」の場合)(あっせん)

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神戸市高額療養費支給制度のご案内.indd

健保連業務支援 G 補足資料 高額療養費の制度改正事項 平成 29 年 8 月施行 1 の引き上げ ( 対象 :70 歳以上の者 ) 1 70 歳以上の外来におけるの引き上げ 70 歳以上の外来におけるが これまでの一般ので 12,000 円 現役並みので 44,400 円だったものが 一般ので 1

神戸市高額療養費支給制度のご案内H30.indd

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議案第49号-医療福祉費支給に関する条例の一部改正【確定】

【通知】海外療養費・出産育児一時金の支給の適正化に向けた対策等について

後期高齢者支援金等賦課額 ( 後期高齢者支援金等分 ) 所得割一般被保険者に係る後期高齢者支援金等賦課総額の 100 分の50に相当する額を基礎控除後の総所得金額等の総額で除して得た数 ( 小数点以下第 4 位未満の端数は 切り上げ ) 被保険者均等割 世帯別平等割 賦課限度額 一般被保険者に係る後

別添 保発 1216 第 4 号平成 28 年 12 月 16 日 全国健康保険協会理事長殿 厚生労働省保険局長 ( 公印省略 ) 出産育児一時金等の支給申請及び支払方法について の一部改正について 出産育児一時金及び家族出産育児一時金 ( 以下 出産育児一時金等 という ) の直接支払制度の取扱い

1 医療費と健康保険2 医1 医療費と健康保険 医療費の自己負担割合 3 割 2 割 1 割 6 歳 ( 義務教育就学後 )~70 歳未満 0 歳 ~6 歳 ( 義務教育就学前 ** ) 75 歳以上 * 70 歳以上の現役並み所得者 70~75 歳未満 ( 現役並み所得者を除く *** ) ( 現

の両方を提出する必要がある 問 3 還付額は 領収証に記載されている金額を還付するのか それともレセプト情報から自己負担分を計算するのか 領収証により保険診療に係る一部負担金の額を確認して還付する 問 4 領収証の紛失 または医療機関等の全壊等により 対象の被保険者が負担した一部負担金の額の確認が取

がん免疫療法による治療 高額療養費制度について(悪性黒色腫)

4-2砺波市重度心身障害者等医療費の助成に関する条例施行規則

2015年1月改定対応(難病・小児慢性対応)

治療費を軽減するための制度高額療養費制度高額医療 高額介護合算制度 医療費控除 傷病手当金制度 障害年金高額療養費制度の具体例このガイドブックは ベクティビックス による大腸がん治療を受ける患者さんが安心して治療を受けられるように 治療にかかる費用およびその費用に対する各種サポートなどについて 解説

(頭紙)公布通知

寒い日が続きますが いかがお過ごしでしょうか? 立春も過ぎて 春はまだかな~と外を眺める今日この頃です 寒い日が続いたと思ったら ちょっと暖かくなったり 体調の維持が難しい日が続きますね うがいと手洗いを徹底して 風邪の予防に努めましょう!! 1. 難病医療費助成制度等の患者登録について ( 調剤シ

Microsoft Word - (修正後)◆1-1_記載要領通知(肝がん・肝硬変)通知.rtf

第 3 条条例第 3 条第 2 項第 2 号の所得割の額 ( 以下 所得割の額 という ) の算定は 次の各号に掲げる場合に応じ 当該各号に定める方法により行うものとする (1) 地方税法第 314 条の7 並びに附則第 5 条の4 第 6 項及び第 5 条の4の2 第 6 項の規定による控除をされ

日の属する月の初日から65 歳の誕生日の前日までの期間 (2) 条例第 2 条第 2 項第 2 号に掲げる重度心身障害者等である受給者受給資格の登録をした日の属する月の初日から70 歳の誕生日の属する月の末日 ( その誕生日が月の初日であるときはその日の属する月の前月の末日 ) までの期間 (3)

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国民健康保険で受けられる給付 保険の給付 1 3 区分 療養の給付 2 3 負担割合 1 2 療養費として払い戻されるもの 高額療養費の支給 高額療養費の自己負担限度額 70 歳未満の方 区分 所得要件 自己負担限度額 ( 月額 )


区分に応じ 当該各号に掲げる書類に必要な事項を記載して交付しなければならない (1) 条例第 2 条第 2 項第 1 号に掲げる重度心身障害者等である受給者重度心身障害者等医療費受給資格証 ( 様式第 3 号 ) 及び福祉医療費請求書 ( 様式第 6 号 ) 又は重度心身障害者等医療費 ( 療養費払

表紙 雛形(都道府県、市町村、関係団体)介護保険計画課

Microsoft PowerPoint - 資料8-3_ユースケース資料.pptx

後期高齢者医療制度のしくみ 後期高齢者医療制度で受けられる給付 後期高齢者医療制度は 都道府県ごとに設置されている後期高齢者医療広域 連合 広域連合 と市町村が協力して運営しています 被保険者 対象となる人 75歳以上の人 一定の障がいのあ る65歳以上75歳 未満の人で 申請 により広域連合の 認

「診療報酬請求書等の記載要領等について」の一部改正について

Microsoft Word - 反映版【改正中】管理票記載方法(小慢) (4)

に該当する者については 同項の規定にかかわらず受給資格者とする 3 病院等に入院等したことにより 本市の区域内に住所を変更したと認められる第 1 項各号に該当する者については 同項の規定にかかわらず受給資格者としない 4 第 1 項及び第 2 項の規定にかかわらず 次の各号のいずれかに該当する者は

                       

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高額介護合算療養費制度について

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健疾発 1225 第 2 号 平成 26 年 12 月 26 日 [ 改正経過 ] 第 1 次改正平成 27 年 9 月 30 日健疾発 0930 第 1 号第 2 次改正平成 27 年 12 月 28 日健難発 1228 第 1 号第 3 次改正平成 29 年 9 月 29 日健難発 0929 第

者となった日から翌年の 6 月 30 日 ( 当該受給者となった日が 1 月から 6 月までに属する場合は 当該受給者となった日の属する年の 6 月 30 日 ) までの期間とする (2) 条例第 2 条第 2 項第 2 号に掲げる重度心身障害者等である受給者毎年 8 月 1 日から翌年の 7 月

健康保険及び厚生年金保険の滞納保険料に過誤納付が判明した場合の延滞金の取扱いについて(あっせん)

飛島村居宅介護 ( 介護予防 ) 住宅改修に係る事業者の登録及び住宅改 修費受領委任払い制度取扱要綱 ( 趣旨 ) 第 1 条 この要綱は 介護保険法 ( 平成 9 年法律第 123 号 以下 法 と いう ) 第 45 条第 1 項に規定する居宅介護住宅改修又は同法第 57 条第 1 項に規定する

○ 01_通知(案)

岡山県医療費負担制度の概要 ( 保険医療機関 関係者の皆様へ ) 1 単県医療費負担制度の概要 単県医療制度は 医療保険各法の規定により療養の給付等を受けた場合における自己負担額を軽減する制度です ( 保険調剤が行われた場合の自己負担額に対して負担する制度です ) (1) 医療保険における自己負担限

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目 次 1 様式及び記載方法等について 1 2 算定事例 (1) 協会けんぽ等の被保険者の場合 6 (2) 国保組合の被保険者の場合 7 (3) 国保保険者と福祉医療費を請求する市町村が異なる場合 8 (4) 次の公費負担医療等を併用する場合 ( 国保 協会けんぽ等 国保組合 )9 ア公費 10(

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2 社会保障 2.1 社会保障 2.2 医療保険 2.3 年金保険 2.4 介護保険 2.5 労災保険 2.6 雇用保険 医療保険は社会保険を構成する1つです 医療保険制度の仕組みや給付について説明していきます 医療保険制度 医療保険制度は すべての国民に医療を提供することを目的とした制

( 例 2) 特定被災区域にある住家と区域外にある住家を行き来して生活しており 特定被災区域の家が被災したが 住民票は区域外にある場合 公共料金の支払等により生活実態が確認されれば対象として差し支えない ( 例 3) 学生で特定被災区域外に居住している ( 区域外に住民票 ) が 特例により 特定被

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健康保険料と国民健康保険料の二重払いの解消(概要)

国民健康保険加入者の皆さんへ 皆さんの保険税は国保をささえる大切な財源です 平成 30 年度 国民健康保険 ( 国保 ) は 病気やけがに備えて加入者の皆さんが 国民健康保険税 ( 国保税 ) を納め 医療費の支払いにあてる保険制度です 医療費の支払いは 病院などで支払う一部負担金のほか 国などから

保険年金管理課資料編

平成 29 年 4 月から 保険料の軽減率が変わります 後期高齢者医療保険料は 1 被保険者全員に納めていただく定額部分 ( 均等割 ) と 2 所得に応じて納めていただく部分 ( 所得割 ) があります 平成 29 年 4 月から 保険料が下のように変わります 1 均等割の額が変わる方 元被扶養者

○ 01_通知(案)

行政苦情救済推進会議の意見を踏まえたあっせん

「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業について」の一部改正について(厚生労働省健康局長:H )

宇部市乳幼児医療費助成要綱

により 次の各号に定める者に対して届書の提出を求めるものとする ただし 第 1 号に該当する場合で 届出すべき事項を公簿等によって確認することができるときは 当該届出を省略させることができる (1) 世帯に属するすべての被保険者が老人保健法 ( 昭和 57 年法律第 80 号 ) の規定による医療又

公的医療保険が対象とならない治療 投薬などの費用 ( 例 : 病院や診療所以外でのカウンセリング ) 精神疾患 精神障害と関係のない疾患の医療費 医療費の自己負担ア ) 世帯 ( 1) における家計の負担能力 障害の状態その他の事情をしん酌した額 ( しん酌した額が自立支援医療にかかった費用の 10

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( 別記 ) 公益社団法人日本医師会会長公益社団法人日本歯科医師会会長公益社団法人日本薬剤師会会長一般社団法人日本病院会会長公益社団法人全日本病院協会会長公益社団法人日本精神科病院協会会長一般社団法人日本医療法人協会会長一般社団法人日本社会医療法人協議会会長公益社団法人全国自治体病院協議会会長一般社

記 1 年金給付に関する通知書年金額改定通知書は 物価の変動等に応じて年金額が改定された場合に日本年金機構が年金受給者に改定された年金額を通知するものである ( 厚生年金保険法 ( 昭和 29 年法律第 115 号 ) 第 2 条の 2 厚生年金保険法施行規則( 昭和 29 年厚生省令第 37 号

Transcription:

総評相第 164 号 平成 25 年 8 月 6 日 厚生労働省保険局長殿 総務省行政評価局長 国民健康保険における限度額適用 標準負担額減額認定証の申請に係る被保険者の負担軽減 ( あっせん ) 当省では 総務省設置法 ( 平成 11 年法律第 91 号 ) 第 4 条第 21 号の規定に基づき 行政機関等の業務に関する苦情の申出につき必要なあっせんを行っています この度 当省に対し 私は 国民健康保険に加入している低所得者であり 病院や薬局での窓口負担額が高額療養費の負担上限額までで済むようにするため 毎年役場に限度額適用 標準負担額減額認定証の交付申請に出向いている しかし 高齢で身寄りもなく また 入院しているため役場への出頭が大きな負担となっている このため 例えば 限度額適用 標準負担額減額認定証を医療機関等に提示しなくても 窓口負担額が低所得者の負担上限額までで済むなど手続の改善を図ってほしい との申出がありました この申出について総務大臣が開催する行政苦情救済推進会議において民間有識者の意見を聴取するなどにより検討した結果 当省としては 市町村又は特別区が行う国民健康保険において 被保険者の属する世帯の世帯主等 ( 以下 被保険者等 という ) から郵送による限度額適用 標準負担額減額認定証の交付申請の希望があった場合に 国民健康保険の保険者である市区町村 ( 以下 市町村国保 という ) が郵送による申請を認めるよう貴省が必要な措置を講じること等が必要と考えますので 御検討ください なお これに対する貴省の措置結果等について 平成 25 年 11 月 6 日までにお知らせください 1

記 1 制度の概要 (1) 高額療養費制度市町村又は特別区が行う国民健康保険では 国民健康保険法 ( 昭和 33 年法律第 192 号 ) 第 57 条の2の規定に基づき 療養の給付について支払われた一部負担金の額又は療養に要した費用の額からその療養に要した費用につき保険外併用療養費等として支給される額等を控除した額が著しく高額であるときは 被保険者等に対し 高額療養費が支給されている 高額療養費が支給された場合の自己負担上限額については 国民健康保険法施行令 ( 昭和 33 年政令第 362 号 ) 第 29 条の3の規定に基づき 被保険者の年齢及び所得に応じ 一般的に表 -1 及び表 -2のとおりとなっている 表 -1 被保険者が 70 歳未満の場合の自己負担上限額 所得区分 自己負担上限額 (1 月当たり ) 上位所得者 150,000 円 + ( 医療費 - 500,000 円 ) 1% 一般 80,100 円 + ( 医療費 - 267,000 円 ) 1% 低所得者 ( 住民税非課税世帯の者 ) 35,400 円 ( 注 )1 本表は 厚生労働省の資料に基づき当局が作成した 2 上位所得者 とは 国民健康保険料 ( 税 ) の算定の基礎となる基礎控除後の総所得金額が 600 万円を越える者である 表 -2 被保険者が 70 歳以上 75 歳未満の場合の自己負担上限額自己負担上限額 (1 月当たり ) 所得区分外来 ( 個人ごと ) 現役並み所得者 80,100 円 + ( 医療費 44,400 円 ( 課税所得 145 万円以上など ) - 267,000 円 ) 1% 一般 12,000 円 44,400 円低所得者 Ⅱ(Ⅰ 以外の者 ) 24,600 円 ( 住民税非課 8,000 円 Ⅰ 15,000 円税世帯の者 ) ( 注 )1 本表は 厚生労働省の資料に基づき当局が作成した 2 低所得者 Ⅰ とは 同一世帯の世帯主及び国民健康保険被保険者が住民税非課税で その世帯の所得から必要経費 控除額 ( 公的年金については控除額 80 万円 ) を差し引いた額が 0 円となる者である 3 外来は 個人ごとに医療機関に支払った自己負担額のうち 外来に要した費用が自己負担上限額を超えた場合 自己負担上限額を超えた額が高額療養費として支給される 2

(2) 高額療養費の現物給付被保険者等は 国民健康保険法第 57 条の2の規定に基づく高額療養費の支給を受けるためには 国民健康保険法施行規則 ( 昭和 33 年厚生省令第 53 号 ) 第 27 条の 17 の規定に基づき 高額療養費支給申請書を保険者に提出しなければならない 高額療養費の支給については レセプト ( 医療機関等から保険者へ提出する診療報酬の請求書 ) の確定後に国民健康保険の保険者が審査した上で支給することから 受診した月から3~4か月程度の期間を要する このため 国民健康保険法施行令第 29 条の4 第 1 項の規定に基づき 年齢区分及び所得区分に応じて必要とされる書類 ( 限度額適用認定証 限度額適用 標準負担額減額認定証及び高齢受給者証 ) を提示することにより 自己負担上限額を超える医療機関等への支払いが不要となる 高額療養費の現物給付 が行われている このような取扱いを利用するために必要な書類は 年齢区分及び所得区分に応じ 表 -3のとおりとされている 表 -3 高額療養費の現物給付を利用するために必要な書類所得低所得 ( 住民税非課税世上位又は現役一般帯 ) 年齢並み所得 70 歳未満 2 限度額適用 標準一般と同じ 2 限度額適用認定証負担額減額認定証 70 歳以上 ~ 75 歳未満 2 高齢受給者証 3 限度額適用 標準負担額減額認定証 2 高齢受給者証 ( 注 ) 本表は 厚生労働省の資料に基づき当局が作成した 一般と同じ 表 -3の書類のうち 入院することが決まったときや 高額な外来診療を受けるときなどに 被保険者等が保険者に申請し交付されるものは 限度額適用認定証及び限度額適用 標準負担額減額認定証である ( 国民健康保険法施行規則第 27 条の 14 の2 第 1 項及び第 27 条の 14 の4 第 1 項 ) なお 限度額適用認定証及び限度額適用 標準負担額減額認定証は 有効期限 ( 毎年 7 月 31 日まで ) が付されており 有効期限後においても利用す 3

る場合には 再度 所得区分の判定が必要となるため 改めて保険者に交付申請する必要がある (3) 限度額適用 標準負担額減額認定証の交付申請手続上記 1(2) のとおり 限度額適用認定証及び限度額適用 標準負担額減額認定証は 国民健康保険法施行規則第 27 条の 14 の2 第 1 項及び第 27 条の 14 の4 第 1 項の規定に基づき 保険者に申請しなければならないとされているが その具体的な方法については法令等において規定されておらず 保険者の判断により窓口や郵送等によるものが認められている 当局が限度額適用 標準負担額減額認定証について 16 市町村国保を抽出して郵送による交付申請の可否を確認したところ 表 -4のとおり いずれの市町村国保においても認められていた しかし そのうち 10 市町村国保 (62.5%) では 郵送による交付申請は 本人に身寄りがなく かつ 病気等により市町村国保の窓口に出頭することが困難である場合などに限定されていた また 郵送による限度額適用 標準負担額減額認定証の交付申請を身寄りがない等の者に限定せずに認めている6 市町村国保は 本制度では 出頭主義とされていないこともあり 被保険者の利便性を考慮して 限定していないと説明している 一方で 申請者を身寄りがない者などに限定している 10 市町村国保の中には その理由として郵送による交付申請の場合 補正が困難になると説明しているものがあった さらに これら 16 市町村国保における限度額適用 標準負担額減額認定証の郵送による交付申請に関する周知の状況を確認したところ ホームページ又は広報誌において 郵送による申請が可能である旨の周知が行われていたものは3 市町村国保 (18.7%) であった 4

表 -4 国民健康保険における限度額適用 標準負担額減額認定証の郵送に よる交付申請の可否等 郵送によ 郵送による申請が 限 郵送による交付申請が可能 市区町村区分 る交付申定されているか否かである旨の周知等請 交付 ( 限定なし 限定ありホームページ広報誌にお の可否 ) における周知 ける周知 中核市 A 中核市 B 特例市 C 特例市 D 一般市 E 特別区 F 政令市 G 政令市 H 政令市 I 政令市 J 政令市 K 中核市 L 中核市 M 特例市 N 特例市 O 特別区 P - 計 16 :6 :10 :3 :13 :2 :14 ( 注 ) 本表は 市町村国保のホームページの確認結果及び市町村国保に対する電話照会の結果に基づき 当局が作成した なお 当局が健康保険を管掌している全国健康保険協会のホームページを確認したところ 同協会においては 限度額適用認定証及び限度額適用 標準負担額減額認定証ともに郵送による交付申請が可能となっている 2 厚生労働省の見解当省としては 保険者が限度額適用 標準負担額減額認定証の郵送による交付申請を認めることにより生じる新たな事務負担 費用負担や 保険料滞納者への納付相談を実施することができなくなるなど 保険料収納事務への影響等を考慮する必要があると考えており 行政サービスの一環として 保 5

険者の判断により対応するよう助言するにとどめざるを得ないものと考えている なお 保険者において希望者への郵送申請を実施することとした場合には その旨を被保険者等に周知するよう 併せて助言することは可能と考えている 3 改善の必要性上記 2において厚生労働省が見解を示しているように 郵送による限度額適用 標準負担額減額認定証の交付申請を認めた場合には 市町村国保において新たな事務及び費用の負担が生ずることや 保険料滞納者への納付相談が実施できなくなることなど 保険料収納事務への影響等の発生も懸念されることから 市町村国保の判断により可能な範囲で対応すべきものと考える しかし 市町村国保において 被保険者等から郵送による限度額適用 標準負担額減額認定証の交付申請の希望があった際に 本人に身寄りがなく かつ 病気等により市町村国保の窓口に出頭することが困難である場合などに限らず 郵送による申請を認める取扱いは 被保険者等の利便の向上につながると考えられる したがって 厚生労働省は 次の措置を講ずる必要がある 1 市町村国保において可能と判断する場合には 行政サービスの一環として 被保険者等から郵送による限度額適用 標準負担額減額認定証の交付申請の希望があった際には 本人に身寄りがなく かつ 病気等により市町村国保の窓口に出頭することが困難である場合に限らず これを認めるよう市町村国保に対して助言を行うこと 2 市町村国保が1に係る措置を講ずる際には その旨を被保険者等に周知するよう市町村国保に対して必要な助言を行うこと 6