千代田区環境まちづくり部交通施策推進課 コミュニティサイクル係 阿部豪幸
コミュニティサイクル事業に見込める効果 実証実験の目的 検証項目 サイクルポートの配置の適切性 公共交通手段としての定着可能性 交通行動の変化 その他の効果 事業採算性
実施主体 = 千代田区 実証実験の統括ポート用地 ( 公有地 ) の確保ポート用地 ( 民有地 ) の確保支援実証実験推進のための広報等実証実験の効果検証等各行政機関等との協議 調整各施策との連携その他 協定締結 運営主体 = NTT ドコモ 運営全般ポート用地 ( 民有地 ) の確保ポート用地 ( 公有地 ) の確保協力自転車等の設置 所有 管理 整備等利用促進及びマナー向上等の広報自主事業の実施 ( 付帯収入確保等 ) 効果検証への協力 ( データ提供 ) 商業観光施設 公共交通機関との連携その他 期間 平成 26 年 10 月 1 日 ~ 平成 29 年 3 月 31 日 ( 予定 ) エリア 千代田区全域 規模 ポート :30 箇所以上自転車 :300 台以上 時間 料金 24 時間 ( 一部ポート除く ) 有料( 収入は事業者帰属 ) 愛称等 愛称 : ちよくる自転車カラー : 赤 ( 一般投票で決定 ) 補助金 補助要綱 年度協定等に基づき予算の範囲内で補助 補助対象経費 1 設置等事業費 自転車 ポート関連費等 2 運営等事業費 人件費 メンテナンス費 自転車再配置費等
サイクルポート 45 箇所 (535 ラック ) ( 公 24 民 21) 無人登録機 11 箇所 ( ポート併設 4 箇所 ) 有人窓口 5 箇所
サイクルポート 操作パネル ( 登録 ) 専用 Web 又は無人登録機 ( 認証媒体 ) 専用 IC カード 交通系 IC カード おサイフケータイ パスコード ( 貸出 ) 会員証をかざす又はパスコード入力 ( 返却 ) 手動ロック後 ENTER ボタン押下 自転車の通信機とラックのビーコン ( 電池駆動 緯度経度設定 ) で情報を認識 特徴 1 全車電動アシスト機能付き! 坂の多い千代田区でも快適に移動 2 自転車に IC カードリーダー 通信機能 GPS 遠隔制御機能を搭載 簡易な貸出 返却フローの実現 GPS 活用による位置データ分析 リアルタイムでの配置状況の把握 効率的な再配置 盗難防止等に寄与 電源敷設工事不要 ポート無人化 コスト削減と柔軟な設置 撤去が可能に
項目 登録者数 ( 総数 ) 利用回数 ( 総数 ) 利用回数 (1 月 ) 平均利用時間 回転率 (1 月 ) 平均利用回数 性別 : 男性が約 6 割 H28.1 月末 年代 :20~40 代が約 8 割 16,486 件 198,629 回 14,387 回 約 40 分 / 回 1 日パス等長時間利用を含む 1.55 回転 / 日 約 407 回 / 日 居住地 : 区民利用は約 2 割 会員種別 : 一回会員が約 9 割 < 性別 > < 居住地 > < 年代 > < 会員種別 >
寒暖等気候の影響により増減はあるが 登録者は平均で 1,000 件ずつ増加中 85% 以上を一回会員が占めているが 収支改善の面から 法人会員 月額会員の 獲得が課題と言える
2015 年 5 月以降 月平均 15,000 回を記録 ( 堅調な利用需要が窺える ) 約 60% を月額会員が占める 半数以上がある程度決まったルートでの移動と言う こともでき 再配置の効率化へデータを活用していく必要がある
平日 ( 平均 ) H28.1 月平日 ( 平均 ) H27.12 月休日 ( 平均 ) H28.1 月休日 ( 平均 ) H27.12 月 時間帯別平均利用回数 ( 平日 休日 ) 平日 : 朝夕の通勤時間帯 休日 : 午後のお出かけ時間帯の利用が多い利用回数 利用目的に明確な差 ( 平日は 2 回転を超える利用あり ) 平日 休日別 利用目的別等の多角的な分析が必要 休日の利用回数向上に向けた取組みが必要 ( 観光客向けサービスの向上等 )
全体評価 ポート数の評価
空白地帯 300m 圏域でみた場合 ( 右上図 ) 一定程度カバーできているが 空白地域が存在 アンケート結果 ( 徒歩 300m 以内 駅周辺への設置希望 ) から 近隣にはあるが 不足又は駅から遠いなど ニーズを満たせていない地域が存在 ポート適正配置 = 高密度多頻度利用化 空白解消 + ニーズ充足 (300m メッシュ配置 ) ( 駅周辺への設置 ) ポート圏域 (300m 圏 ) 四ツ谷駅 ポート間 OD 量 市ヶ谷駅 半蔵門駅 水道橋駅御茶ノ水駅秋葉原駅 神保町駅 神田駅 東京駅 有楽町駅 霞ヶ関駅日比谷駅 公 民有地の開拓継続 駅周辺や道路上への設置を推進 ( 交通結節機能向上や放置自転車対策等の相乗効果も見込む ) 高密度地域では利用頻度が高く OD パターンも多様
実験開始から約 1 年半が経過し 堅調な利用実績からも事業は順調に推移していると言える 一方 ポートの適正配置 採算性確保 安全利用 公共交通としての位置付けなど解決すべき課題も浮き彫りとなってきている 効果検証 分析結果を踏まえ 都心部におけるコミュニティサイクルの本格実施に向けて 目標とする都市像とコミュニティサイクルの役割を明確にした上で 全体像から効果的な課題解決を図るとともに 持続性を担保し得る事業スキームの構築を目指す
コミュニティサイクルを展開中の4 区 ( 千代田区 中央区 港区 江東区 ) において 区境を越えた広域利用の実現に向けた相互乗り入れの広域実験を実施中 実施期間 平成 28 年 2 月 1 日 ~4 月 30 日 (3か月)( 予定 ) 対象者 4 区コミュニティサイクル会員登録者 対象ポート 自転車 4 区すべてのサイクルポートと自転車 ( 今後の増設分も含む ) 利用料金 広域用の追加料金なし 利用方法 いずれか1 区の会員であれば4 区すべてで利用可能 実施協定締結により 自転車関連情報 ポート関連情報を共有 (=4 区相互でポート 自転車の利用を可能に )
千代田区中央区港区江東区計 事業開始平成 26 年 10 月平成 27 年 10 月平成 26 年 10 月平成 24 年 11 月 - 運営 ( 株 )NTT ドコモ ( 株 ) ト コモ ハ イクシェア ( 株 ) ト コモ ハ イクシェア ( 株 ) ト コモ ハ イクシェア - ポート 45 26 32 28 131 自転車 300 200 420 350 1,270 登録者数 16,486 1,778 11,773 51,803 81,840 利用回数 198,629 8,641 163,423 650,670 1,021,363 ( ポート 自転車 = 平成 28 年 2 月 25 日現在 ) ( 登録者数 利用回数 = 平成 28 年 1 月 31 日現在 )
区境を越えた相互利用環境を実験的に作出し 乗り入れ後の利用動向等に基づく課題等を分析 検証し その対応策を講じることで 恒常的な相互利用の実現を目指す 平成 27 年 3 月 3 日 (4 区 東京都 ) 自転車シェアリング事業における相互協力に関する基本協定書 平成 27 年 7 月 1 日 (4 区 ) 自転車シェアリングにおける相互乗り入れに関する検討協議会 平成 27 年 12 月 15 日 (4 区 東京都 ( 株 )NTT ト コモ ( 株 ) ト コモ ハ イクシェア ) 広域相互利用の実現に向けた自転車シェアリング広域実験実施協定書 平成 28 年 2 月 1 日 自転車シェアリング広域実験開始 4 区検討協議会 ( 作業部会含む ):9 回都区連絡会 :10 回開催
(1) 特定ポートに自転車が集中した場合の対応 ( 再配置強化 ) 広域化により集中が想定されるポート ( 都実施の事前アンケートで把握 ) 重点周回チームを編成 ( 東京駅周辺 ) 利用実績の多いポート ( 豊洲 秋葉原 新橋 品川など ) 臨時的な再配置車両導入 ( 通勤時間帯 ) 人員の充実 ( 日中時間帯 ) (2) 個人情報の取扱い ( 各区単位で運営事業者が管理 ) (3) 料金体系の統一 ( 港区の改定により 2/1 から 4 区統一 ) (4) 役割分担 都 = 総合調整 関係者調整 周知 対応策の検討 4 区 = 関係者調整 周知 対応策の検討 課題への対応 事業者 = 運営 システム整備 個人情報管理 検証報告 対応策提示 (5) 検証方法 利用実態 ( 区跨ぎ状況 集中 空車発生等 ) を都区連絡会で検証 (6) 利用実績の管理方法 利用回数 登録者数等のカウント方法 集計様式を 4 区で統一 (7) その他 ( 収入帰属先 周知方法 案内媒体 周辺区の新規参画など )
2/14 現在 開始前 (1/25~1/31) 開始後 (2/1~2/7) 開始後 (2/8~2/14) 千代田中央港江東合計 利用回数 回転率 利用回数 回転率 利用回数 回転率 利用回数 回転率 利用回数 回転率 3,223 1.53 525 0.38 3,719 1.61 4,950 2.02 12,417 1.50 4,556 2.17 1,341 0.96 4,605 1.99 5,886 2.40 16,398 1.99 4,323 2.06 1,398 1.00 4,271 1.85 5,498 2.24 15,490 1.88 対開始前比率 134% 266% 115% 111% 125% 広域実験の開始後 各区の利用回数 回転数が増加 広域相互利用による利用促進効果を確認
2/14 現在 着地 千代田中央港江東 着地合計 ( 内 ) 区外利用合計 区外利用率 ( 流出 ) 千代田 7,570 577 623 119 8,889 1,319 14.8% 発地 中央 595 1,483 222 439 2,739 1,256 45.9% 港 634 246 7,856 140 8,876 1,020 11.5% 江東 110 465 91 10,718 11,384 666 5.9% 発地合計 8,909 2,771 8,792 11,416 31,888 4,261 13.4% ( 内 ) 区外利用合計 1,339 1,288 936 698 4,261 - - 区外利用率 ( 流入 ) 15.0% 46.4% 10.6% 6.1% 13.3% - - 実験開始当初から区外利用が堅調に推移 ( 既に 全体の 1 割以上が区外利用開始 )
実験開始直後であり潜在的な課題が表出する可能性もあるが 現状は大きな問題無く運用できていると言える 全体の流入 流出バランスは均等状態だが ポート別で見ると大きな偏りもあることから ポート別 エリア別で利用実態を把握 分析し 負荷平準化のための自転車再配置等の対策に活かしていく必要がある 適切かつ合理的な使われ方となるには一定の時間を要するが これまで机上の空論であった都心部での広域利用実験が開始できたことは大きな前進であり 貴重なモデルケースとなることは間違いない 詳細かつ多角的な分析に基づく解決策を実践することで 恒常的な広域相互利用の実現を目指していく また 各区展開 広域展開との二階層化 新規参画自治体との連携など さらに充実した運用となるよう 関係機関との協力体制を継続しつつ システムの汎用性やコストを含めた検討協議を進めていく
千代田区 : 九段坂上 中央区 : 月島特別出張所 港区 : アークヒルズサウスタワー 江東区 : 青海客船ターミナル