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カンキツ病害 1. かいよう病 Xanthomonas campes tris pv.citri 生態と防除のねらい 病原菌は 枝葉や樹上果実の病斑部で越冬するが 秋の病斑と秋季感染の潜伏越冬病斑は翌春の病原菌の増殖力が強く 伝染源の主体をなしている 平均気温 28 前後で最も増殖力が大きく 雨媒伝

**************************************** 2017 年 4 月 29 日 日本植物病理学会殺菌剤耐性菌研究会 耐性菌対策のための DMI 剤使用ガイドライン 一般的な耐性菌対策 1. 薬剤防除だけに頼るのではなく 圃場や施設内を発病しにくい環境条件にする 1)

リンゴ黒星病、うどんこ病防除にサルバトーレME、フルーツセイバーが有効である

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月中旬以降の天候によって塊茎腐敗による被害が増加する事例も多い 平成 28 年度は疫病の発生面積率は19.9% と例年に比べてやや少なかったものの 塊茎腐敗の発生面積率は 14.8% と例年に比べてやや多かったとされる ( 平成 現在 北海道病害虫防除所調べ ) かつては 疫病には

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76 キク品種の白さび病抵抗性と白さび病菌レース 胞子で 7 22 である 両胞子のこのような性質から 噴霧器 発病は担子胞子形成の適温に支配され 最適な条件は 7 前後で 湿度が高く葉面が濡れている状態である キク白さび病菌レースと白さび病抵抗性 キク品種 罹病葉 植物病原菌では 同じ菌であっても

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カンキツ病害 1. かいよう病 Xanthomonas campes tris pv.citri 生態と防除のねらい 病原菌は 枝葉や樹上果実の病斑部で越冬するが 秋の病斑と秋季感染の潜伏越冬病斑は翌春の病原菌の増殖力が強く 伝染源の主体をなしている 平均気温 28 前後で最も増殖力が大きく 雨媒伝

Ⅱ りんご生産情報 1 生育 作業の進み 病害虫の動き (1) 生育ステージふじの落花日は 黒石 ( りんご研究所 ) で平年より2 日早い5 月 15 日 五戸 ( 県南果樹部 ) で平年より2 日早い5 月 18 日であった 満開日 ( 月. 日 ) 地域年つがるジョナゴールド王林ふじ 黒 石

スダチ栽培におけるマイナー害虫の被害と防除 徳島県立農林水産総合技術支援センター病害虫防除所兼田武典 Takemichi Kaneda はじめに スダチ (Citrus sudachi Hort.ex Shirai; 図 1) は徳島特産の緑色が美しい小型の香酸カンキツである 近年の食生活の多様化と

ブドウ 1. 黒とう病 Elsinoe ampelina < 生態と防除のねらい > 病原菌は結果母枝や巻ひげ等の病斑部で越冬し 4 ~ 5 月から降雨のたびに胞子を作り 新梢や新葉 巻ひげ等に感染し発病する この新病斑が二次伝染源となり 次々に伝染を繰り返す 発病は 4 月下旬頃から認められるが

キノンドー顆粒水和剤 2 年目 継続 1. 目的製剤変更による効果確認 樹齢 20 年生栽植密度 m 20 本 /10a (6) 試験内容試験面積 40 a 試験区 20 a 対照区 20 a 7/2 キノンドー顆粒水和剤 1,000 倍 500 リットル 7/2 キノンドーフロアブ

圃場試験場所 : 県農業研究センター 作物残留試験 ( C-N ) 圃場試験明細書 1/6 圃場試験明細書 1. 分析対象物質 およびその代謝物 2. 被験物質 (1) 名称 液剤 (2) 有効成分名および含有率 :10% (3) ロット番号 ABC 試験作物名オクラ品種名アーリーファ

梢の発生が期待できるよう9月には必ず仕上げ摘果を徹底し 適正葉果比に仕上げましょう 着果量が中庸以上の樹では早生温州では9月中 普通温州では10 月上旬までに行いましょう(表2) ⑴着果過多樹着果量が多く肥大が悪い樹は 商品性の低い小玉果や傷果 病害虫被害果を中心に早急に

( ウ ) 薬剤散布後の状況 マシン油乳剤 3 通りの倍率でマシン油乳剤を散布し 定期的に状況を観察した 本種はチョコレート色の蝋物質 ( 殻 ) に覆われており 外観は月日の経過とともに少しずつ黒ずんできたように思われたが 内部の成虫の生死や産卵の有無などの判断は難しく 防除効果の確認は幼虫発生期

スライド 1

2 カンキツの摘果 夏秋梢伸長抑制剤 1. 使用薬剤 ターム水溶剤 ( 1-ナフタレン酢酸ナトリウム 22%) 2. 対象品種 カンキツ 3. 対象樹 樹勢の安定した樹 ( 健全樹 ) 対象品種 使用時期 使用目的 使用方法 一次生理落果発生期 立木全面散布 摘果 温州ミカン ( 満開 10~ 20

平成 30 年産米づくりのポイント ~ 水稲種子の消毒時の注意点について ~ JA 全農ちば営農支援部今年も水稲栽培に向けた準備の時期がやって来ます イネばか苗病や細菌性の苗立枯病など種子伝染性の病害の発生を防ぐためには 薬剤による種子消毒を中心とした対策が必要不可欠のため しっかりとした対策を実施

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石原の農薬登録情報 2 登録変更に関するお知らせ 2016 年 4 月 12 日 5 月 13 日までの間に登録された弊社の新農薬 ( 適用拡大を含む ) は 次の通りです ( 下線部が適用拡大になりました ) 4/20 付け適用拡大トアロー 和剤 CT 作物名適用病害虫名希釈倍数 10a 当り散布

スプレーストック採花時期 採花物調査の結果を表 2 に示した スプレーストックは主軸だけでなく 主軸の下部から発生する側枝も採花できるため 主軸と側枝を分けて調査を行った 主軸と側枝では 側枝の方が先に採花が始まった 側枝について 1 区は春彼岸前に採花が終了した 3 区 4 区は春彼岸の期間中に採

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ジベレリン協和液剤 ( 第 6006 号 ) 2/ 年 6 月 13 日付け 25 不知火 はるみ 3 回以内 水腐れ軽減 0.5 ~1ppm 500L/10a 着色終期但し 収穫 7 日前まで 果実 ぽんかん 水腐れ軽減 0.5ppm 500L/10a 着色始期 ~4 分

あたらしい 農業技術 No.510 環境にやさしい柑橘の草生栽培 平成 20 年度 - 静岡県産業部 -

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本年 10 月 11 日 ~11 月 10 日の間に登録登録されたされた新農薬 ( 適用拡大を含む は 次の通りですりです 下線部が適用拡大適用拡大になりましたになりました 登録日 薬剤名 10/24 テルスタ - フロアブル 登録内容 ( 適用拡大を含む のあらまし 対象作物内容 もも 対象害虫の

Transcription:

長期講習会資料 中晩柑の病害虫防除 山口県萩農林事務所 農業部 1 黒点病 (1) 症状 果実に感染した時 病原菌の密度が低い場合には 0.1 ~ 0.5mm の黒色で円形の黒点となる 密度が高い場合には6~8 月の感染では泥塊状となったり 8 月以降の感染では涙斑状となったりする 葉や枝でも発病するが 問題になることは少ない (2) 伝染源果実の黒点病 主に 樹冠内の枯れ枝 防風垣として使うマキなどでも 枯れ枝があると感染し 伝染源になる 葉の黒点の中では菌は死んでいる (3) 伝染方法 葉の病斑からの2 次伝染はしない 降雨があると 多量の胞子が枯れ枝上に形成され 雨滴と共に飛散する (4) 感染期間放置された枯れ枝も伝染源になる 20 ~ 28 で発生し 24 ~ 25 が適温 果実では 6 月上旬 ~10 月中旬まで感染する (5) 防除方法ア耕種的防除 枯れ枝をせん除する せん定枝を園外に持ち出し 焼却等伝染源とならないように処分する 通風 採光を良好にし 枯れ枝を発生させない イ化学的防除 ジマンダイセン水和剤 エムダイファー水和剤等により防除する 散布後の降水量が 200 ~ 250mm を越えるか 前回の散布から 1 か月経過したら 薬剤の効果が無くなるので 再度散布する パラフィン系展着剤のアビオン E を添加すると効果が増大する 防除時期のめやす幼果期 (6/ 上 ) 梅雨期(7/ 上 ) 秋雨前期(8/ 中 ~ 下 ) - 1 -

2 かいよう病 (1) 症状 果実 葉 枝に発病する 夏から秋に出来た病斑は 翌年の越冬伝染源になりうる 感染には 種間差があり アマナツは感染しやすい種類に含まれる (2) 伝染源 前年 枝や葉に付着した病斑内で越冬した菌が第 1 次伝染源となる 枝病斑は最も強力な伝染源となる 果実のかいよう病 (3) 伝染方法 降雨により胞子が形成され 強風雨により胞子が飛散し 2 次伝染する ミカンハモグリガや風傷など 傷口から多く感染するため 台風の来襲が多い年には多発する 夏秋梢は柔らかく ミカンハモグリガの被害も多く 菌の活動も活発なため ほとんどが感染する (4) 防除方法ア耕種的防除 強風を避けるため 防風垣や防風ネットを設置する 伝染源である発病葉 発病枝の除去を行う 特に夏秋枝や葉のかいよう病梢は発病しやすいので除去を徹底する 罹病性品種( レモン等 ) との混植を避ける 品種別の罹病しやすさは以下のとおり ( 最強 ) ユズ キンカン 無防除で栽培可能 ( やや強 ) ポンカン ハッサク 防除が必要 ( 中程度 ) 温州みかん イヨカン 防除が必要 ( やや弱 ) アマナツ 防除が必要 ( 最弱 ) レモン グレープフルーツ 防除が必要イ化学的防除 冬期 発芽期の防除として IC ボルドーまたはコサイドボルドーを散布する 防除時期 3/ 下発芽前 5/ 上 6/ 上 マシン油との近接散布は避ける ミカンハモグリガの防除をする - 2 -

3 そうか病 (1) 症状 葉 枝 果実に 白っぽいかさぶたのような病斑や金平糖のトゲのような突起ができる ( 強 ) ナツミカン ハッサク 伊予柑 清見 デコポン はるみ 平戸ブンタン ( 中 ) スダチ ユズ 日向夏 ( 弱 ) 温州ミカン レモン 晩白柚 (2) 伝染源 旧葉の病斑で越冬する 新鮮な病斑ほど胞子形成能が高く 伝染源として重要 新しくできた病斑からも伝染する (3) 伝染方法 雨等で濡れた状態になると 胞子を作り 雨滴に混じって飛散 伝染する (4) 感染期間 若い組織ほど感染しやすく 硬化した葉や枝には感染し難い 4,5 月の長雨は 低温と日照不足をもたらし 多発しやすい (5) 防除方法ア耕種的防除 越冬病斑を除去する 降雨後 湿潤状態が続くと多発しやすいので 通風 採光を良好にする イ化学的防除 防除適期は 発芽伸長期 (4 月中下旬 ) 落果期(5 月上中旬 ) 幼果期(6 月上中旬 ) で 4 月に芽が5 mm 程度出た時にデランフロアブルを散布するのが最も効果的 防除薬剤は デランフロアブル フロンサイド SC 等 4 炭疽病 (1) 症状 樹上の日焼け果に発生するもの 赤 ~ 褐色の小斑点を生じて さび果 と呼ばれる症状を示すもの ( さび果病 ) 貯蔵中に果実が腐敗するもの( 炭疽病 ) の3 種がある (2) 伝染源 枯れ枝で越冬し 胞子を形成する (3) 伝染時期 方法 雨水により伝播 侵入する 夏季の日焼けにより果皮障害が発生すると 潜在していた炭疽病菌が繁殖し 発病する さび果は 6~ 10 月頃 ( 主に9 月 ) に果皮に感染し そのまま潜伏して 12 ~1 月頃発症する 貯蔵果実の発病は 生育期間中に果実表面に感染 潜伏していた病原菌が 果実の活性が弱まると 発病する 主に果梗部から発病することが多い (4) 防除方法 - 3 -

ア耕種的防除 袋掛け等により日焼け果の発生を防止する 枯れ枝を除去するとともに整枝 剪定により採光を良くし 枯れ枝の発生を防ぐ イ化学的防除 さび果対策としては 黒点病の防除を兼ねてジマンダイセン水和剤 エムダイファー水和剤を散布する 貯蔵病害対策としては ベンレート水和剤を他の貯蔵病害防除と兼ねて収穫前に散布する 5 かいよう虎斑病 (1) 症状 果皮にアバタ状の斑点ができる 斑点が少し窪んでいるものとコルク化し盛り上がっているものがある ユズ イヨカンで被害が大きい (2) 原因と対策 アブラムシによりウイルス(CTV) の強毒系統に感染すると発生する その他 虫 傷やトゲ等で 果皮の油胞がつぶれ 油液が果皮についても発生する 樹勢が低下した樹で 樹皮をはく皮すると枝幹に溝がある樹は強毒系統に感染しているので早めに伐採する 6 貯蔵病害 ( 青かび病 緑かび病 軸腐病 黒腐病 ) (1) 症状 貯蔵中に腐敗する 青かび病及び緑かび病は 果皮に淡青色または灰緑色のカビを生じるので わかりやすい 軸腐病は 外観上の変化が少ないので分かりにくいが 軸の周辺から水浸状の腐敗を生じる 黒腐病や軸腐病は ヘタの部分から侵入するこ緑かび病とが多いので へた枯防止剤 ( マデック EW) でヘタを健全に保つことが大事 (2) 伝染源 空気中に浮遊している菌 (3) 伝染方法 通常管理( 特に収穫 予措及び貯蔵 ) の作業中に ハサミなどで付いた傷から侵入する 又 果実の活性が低下するとヘタから侵入し易くなる - 4 -

(4) 防除方法ア耕種的防除法 作業の際は 果実に傷を付けないようにする 特に 収穫時は 1ハサミ傷を付けないよう収穫する 2 果軸は他の果実を傷つけないよう2 度切りして短くする の2 点に留意する 腐敗果の早期発見に努め 発見し次第除去する 貯蔵量を適正(800 ~ 1,000Kg / 坪 ) にし 過湿 ( 適正庫内湿度 70 ~ 80%) にならないよう ( コンテナの積み上げは5 段程度まで ) 換気に注意( 外気温が室温に近い時に行う ) する イ化学的防除法 収穫前に トップジン M, ベンレート ベフランを散布する 青かび病 軸腐病 6 ミカンハダニ (1) 症状 葉及び果実に寄生し 吸汁する 果実では 吸汁痕が黄白色になり 外観品質が劣る (2) 生態 年間 5~6 世代誕生する 高温 乾燥で増加する (3) 防除方法 ( ア ) 生育期防除 ミカンハダニは増殖が急激であるため 初期防除に重点を置き 園内での密度を増やさないようにする 主な防除時期は 1 増加が始まる6 月上旬 2 夏季の増加が始まる8 月上旬 3 貯蔵庫内での発生を抑制するための9 月中旬 の3 回 6 月はマシン油乳剤で ( 夏マシンと呼ぶ ) 8 月は登録のある薬剤で 高温期でも効果を発揮するサンマイト水和剤 ( 速効的 ) やオサダン水和剤 ( 遅効的 ) 等を利用する 9 月中旬は 長期間残効があるダニエモンフロアブルが有効 秋季には コロマイト水和剤 ( 速効的 分解が早い 高温 乾燥時に薬害 ) を利用する ( イ ) 冬期防除 3 月下旬にマシン油により防除する ( ウ ) 薬剤抵抗性 薬剤抵抗性を獲得しやすいため 同一系統薬剤は 連続して使用しない - 5 -

7 カイガラムシ類 ( ヤノネカイガラムシ ナシマルカイガラムシ イセリヤカイガラムシ ) (1) 症状 枝や幹に寄生し 樹勢を衰弱させたり 枝を枯死させる 糞にカビが繁茂し 黒いスス病を発生させる 果実に寄生すると 寄生部位周囲の着色が遅れ 外観品質が劣る (2) 生態ヤノネカイガラムシ年間 3 回発生する (3) 防除方法ア耕種的防除 風通しの悪い場所発生するため 通風 採光を良好にする イ天敵利用 イセリヤカイガラムシについては 放任園等で天敵を捕獲して放飼することができる 他のカイガラムシについては 寄生蜂など天敵はいるが 極めて小さい (5mm 前後 ) ので個人では困難だが 以前山口県が放飼していることから県域に分散していると考えられる 各カイガラムシの天敵としては ヤノネツヤコバチヤノネカイガラムシの寄生跡 ( ヤノネカイガラムシ ) ヤノネキイロコバチ ( ヤノネカイガラムシ ) ベダリアテントウ ( イセリヤカイガラムシ ) ウ化学的防除 生育が揃う 第一世代の幼虫を狙って防除することが重要である 成虫には薬剤の効果は低い ( ア ) 生育期防除 第一世代のふ化(6 月上中旬 ) に行う ( イ ) 冬期防除 特に ヤノネカイガラムシが問題となる園では 必ず実施する 薬剤は マシン油乳剤を散布する イセリヤカイガラムシ ナシマルカイガラムシ - 6 -

8 ゴマダラカミキリ ( 幼木で要注意 ) (1) 症状 主幹部に食入し 維菅束( 養水分の需給路 ) を食い荒らす その結果 著しい樹勢衰弱を引き起こす 幹の周囲に沿って完全に維菅束が食べられた場合 樹は枯死する (2) 生態 6 月下旬に 成虫が飛来し 主幹部樹皮ゴマダラカミキリ ( 成虫 ) 下に産卵する (3) 防除方法ア耕種的防除 主幹部の雑草を除去する また 株元にネット( 柔らかいもの ) を巻いて捕殺する 6 月下旬 8 月上旬には園内を見回って成虫または幼虫を捕殺 刺殺する 成虫は 見つけ次第 捕殺する 木質部に入っている幼虫を見つけたら 針金のようなもので刺殺する イ化学的防除 成虫の防除には 6 月中下旬に 殺虫剤 ( スプラサイド乳剤 ) を散布する 幼木 若木では 産卵防止のために 必ず6/ 下 8/ 上に主幹部にモスピラン水溶剤 200 倍を散布する 9 ミカンハモグリガ ( エカキムシ ) (1) 症状 葉( まれに果実表面 ) に侵入し 葉肉細胞を食い荒らす 食害しながら葉内部で脱皮を繰り返し 葉縁をすこし折り曲げてその中で蛹化し まもなく羽化 脱出する 食害痕をたどっていき 葉縁が折り曲げられていたら既に脱出したものと考える 被害が激しいと 樹勢が低下する (2) 生態 平年ならば6 月以降に出現する このころには 春葉は硬化して侵入できないが 7 月以降に発生する夏秋梢に寄生する (3) 防除方法 - 7 -

ア化学的防除 モスピラン水溶剤またはアドマイヤーフロアブル等で2 週間毎に防除する 幼木は アクタラ水溶剤 25 倍液を主幹部散布する 10 チャノキイロアザミウマ (1) 症状 軸の周囲を円形に食害する 果頂部も食害する (2) 生態 成虫または蛹で 土中で越冬する 年間 7~8 世代発生する 防風垣のマキや サンゴジュで増殖し かんきつ類に飛来する (3) 防除方法ア耕種的防除 防風垣を防風ネットに変える タイベックシートは忌避効果がある イ化学的防除 6 月から10 月まで 長期間にわたり加害するので 適時的確な防除が必要となる 6 月上旬及び7 月中旬にアドマイヤーフロアブルやコテツフロアブル等で防除する チャノキイロアザミウマ 果実の被害 11 ミカンサビダニ (1) 症状 果実や葉を食害し 果実では 灰白色 ~ 汚褐色のさびが生じる 葉では ちりめん状のしわが出来る (2) 生態 年間 15 回程度発生する 高温乾燥条件で多発する 春から高温が続き から梅雨の年は多発するおそれがある ミカンサビダニ - 8 -

加害は 7 月下旬から8 月上旬が最も著しい (3) 防除方法ア化学的防除 体長 0.2mm( シャーペンの芯の直径くらい ) 視認による発生の把握は無理 1 果でも被害果を発見したら 園全体に発生していると考え 被害果 ( 左 ) と健全果ただちに防除する ミカンサビダニも ミカンハダニと同様 抵抗性を獲得しやすいので 同一系統薬剤の連用は避ける 虫体が小さく増殖が早いので 散布ムラのないよう できれば手散布で 十分量の薬液を散布する 散布時期及び薬剤は 多発園では 6 月中旬 ( 葉に集まる ) にオサダン水和剤 25 7 月上中旬にオサダン水和剤 8 月中下旬にサンマイトフロアブル それでも発生が止まらないときは 9 月中旬にコテツフロアブルを散布する < 参考 ミカンサビダニとジマンダイセン> ジマンダイセン水和剤は 黒点病に効果のある薬剤として 以前から多くの産地で利用されてきた ジマンダイセン水和剤は ミカンサビダニににも効果を有し 以前は黒点病と同時に防除されていたため ミカンサビダニのみでの 6 月防除は必要なかった しかし 近年 ジマンダイセン水和剤の連年多用にともない ミカンサビダニが ジマンダイセン水和剤に抵抗性を示している これらの産地では ミカンサビダニのみを狙った防除が必要である 山口県では 大島地域で ジマンダイセン抵抗性ミカンサビダニが見つかっている 12 訪花昆虫 ( ハナムグリ ケシキスイ等 ) (1) 症状 果皮に細い糸状の傷ができる 開花期に吸蜜に来て 雌しべの根本の果実の基を傷つける 果実が大きくなるにつれて 傷も大きくなり 商品性を損なう (2) 生態 ハナムグリ: 成虫で土中越冬する 年 1 回 4 月中 下旬に越冬成虫が出現し 開花期に飛来する ケシキスイ: 成虫で越冬 年何回も発生するが 詳しい生態は不明 (3) 防除方法 開花初期と開花盛期が防除適期 発生が少ない場合は 開花初期のみ 多い場合は 初期と盛期の2 回防除する 薬剤は モスピラン水溶剤等が有効である - 9 -

13 カネタタキ (1) 症状 果皮をなめるように食害し 緑色の表皮がなくなり白くなる (2) 生態 枯れ枝内で卵で越冬する 年 1 回発生し 6 月ごろふ化 8 月に成虫になる (3) 防除方法 7 月下旬に コテツフロアブルを散布する 14 アゲハの幼虫 (1) 症状 成虫が幼葉に産卵し ふ化した幼虫が葉を食べる (2) 防除方法 モスピラン水溶剤をミカンハモグリガ防除と兼ねて散布する - 10 -

農薬使用上の注意 1 全般的な注意点 (1) 農薬の作り方 1 タンクに所定量の水を用意する 2 必要量の農薬を秤り取る 3 1のタンクから バケツ1 杯程度の水をくみ出す 4 3のバケツに 2の農薬を入れ よく混ぜる このとき 入れる水の量が 練る ほど少ないと 農薬成分の物理性が壊れる事があるので 軽く撹拌できる程度の水を入れる 農薬が入っていた袋が空になった場合は 秤り取った農薬を入れるよりも前に 水の中で袋を洗う 5 4のバケツの水を 1のタンクに移し よく混ぜてから散布する (2) ポジティブリスト平成 18 年から ポジティブリスト制度が始まっている 周囲に農作物がある場合は その生産者の方とよく話し合ってから農薬を散布する 不明な場合は 農林事務所農業部や JA 等に相談する 2 中晩柑の病害虫防除に係る注意点 (1) かんきつ類 で登録のある薬剤を使うアマナツやイヨカン等で登録のある殺菌剤及び殺虫剤は 少ないので かんきつ類 で登録のある薬剤を使用する (2) 混植や間植しているほ場では 栽培しているどの作物にも登録のある薬剤を使用する 又 使用する際は どの作物にも収穫前日数に違反しないようにする (4) 薬の違法使用には罰則がある登録がない農薬 植物生育調節剤 除草剤を散布すると 罰金 100 万円または 3 年以下の懲役 またはこの併科に処せられることがあります (H15 年改正農薬取締法 ) 農産物に基準以上の農薬が検出されたら その地域の農産物に対する信頼がなくなって 一般農家に大きな損害を与えますので 登録のない薬がかからないように 使用時期や使 用濃度にも十分気をつけて使用してください - 11 -