(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

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2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

(1) 改正の内容 内容 現行制度 特例制度 納税猶予対象株式 納税猶予税額 発行済議決権株式総数の 3 分の 2 に達するまでの株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係る贈与税の全額 相続の場合 : 納税猶予対象株式に係る相続税の 80% 取得した全ての株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

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注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

労働基準法が改正されます

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) 第十条の二 第四十二条の五 第六十八条の十 租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) ( 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除 ) 第十条の二青色申告書を提出する個人が 平成三十年四月一日 ( 第二号及

平成 30 年度税制改正 ( 所得税 ) の主な内容 1. 給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除への振替給与所得控除及び公的年金控除の控除額を一律 10 万円引き下げ 基礎控除の控除額が一律 10 万円の引き上げとなる 2. 給与所得控除 公的年金等控除 基礎控除の見直し (1) 給与所得控除の

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

経 ViewPoint 営相談 相続時における小規模宅地等の特例の改正 谷口敬三相談部東京相談室 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 ( 以下 小規模宅地等の特例 ) は 一定の要件を満たす宅地等 ( 特定事業用等宅地等 特定居住用宅地等 貸付事業用宅地等 ) につ

アクタスマネジメントサービス㈱

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

改正 ( 事業年度の中途において中小企業者等に該当しなくなった場合等の適用 ) 42 の 6-1 法人が各事業年度の中途において措置法第 42 条の6 第 1 項に規定する中小企業者等 ( 以下 中小企業者等 という ) に該当しないこととなった場合においても その該当しないこととなった日前に取得又

平成23年度税制改正の主要項目

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

2 引き続き居住の用に供している場合 とされる場合本人が 転勤などのやむを得ない事情により 配偶者 扶養親族その他一定の親族と日常の起居を共にしないこととなった場合において その家屋等をこれらの親族が引き続きその居住の用に供しており やむを得ない事情が解消した後は 本人が共にその家屋に居住することに

事業承継関連税制について 関東経済産業局 平成 30 年 6 月 中小企業金融課

(0830時点)PR版

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

2. 二世帯住宅と特定居住用宅地等 [1] 区分所有なし : 外階段 / 親族が取得する場合 Q. 被相続人 A が所有する宅地の上に A の所有する建物があり 1 階に A が居住し 2 階に子 B とその家族が居住しています ( 建物内部では行き来ができない構造 ) A と B は別生計です こ

Ⅰ 法人関連税制 1 減価償却制度 2 年連続の大改正になった背景 減価償却制度については 平成 19 年度税制改正により 残存価額および償却可能限度額の取扱いが廃止される大改正が行われ 定率法はいわゆる 250% 定率法 と呼ばれる従来にない新しい計算の仕組みが採用されました そして平成 20 年

[2] 財務上の影響 自己株式を 取得 した場合には 通常の有価証券の Ⅰ. 株主資本 ように資産に計上することはせず 株主との間の資本取 1. 資本金 引と考え その取得原価をもって純資産の部の株主資本 2. 資本剰余金 (1) 資本準備金 から控除します そのため 貸借対照表上の表示は金額 (2

Ⅲ.( 見直し ) 基礎控除基礎控除について 次の見直しを行う 1 控除額を一律 10 万円引き上げる 2 合計所得金額が 2,400 万円を超える個人についてはその合計所得金額に応じて控除額が逓減し 合計所得金額が 2,500 万円を超える個人については基礎控除の適用はできないこととする 上記の見

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

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改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

「図解 外形標準課税」(仮称)基本構想

1 設備投資をして生産性を高めたい! ~ 中小企業経営強化税制の創設 ~ ~ 固定資産税特例の拡充 ~ 利用できるのは 法 人 個人事業主 法人税 所得税固定資産税 省力化のため セルフレジ ( 複数台合計で約 1,500 万円 ) を導入したい! 何か使える支援策はないかしら? 経営力を向上させる


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平成16年版 真島のわかる社労士

平成30年3月決算における税務上の留意事項

2018年度税制改正大綱

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

2. 控除の適用時期 Q. 12 月に取得した自宅の所在地に 年末までに住民票を移しましたが 都合で引っ越しが翌年になってしまった場合 住宅ローン控除はいつから受けることになりますか A. 住宅ローン控除の適用を受けるためには 実際に居住を開始することが必要です したがって 住民票を移した年ではなく

3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

平成30年度税制改正大綱の概要

住宅取得等資金贈与の非課税特例 教育資金一括贈与の非課税特例 結婚 子育て資金贈与の非課税特例 相続時精算課税制度 贈与者 贈与年の 1 月 1 日現在で 60 歳以上の父母または祖父母 受贈者 贈与者の直系卑属 ( 子 孫 ひ孫等 ) で贈与の年の 1 月 1 日現在 20 歳以上 受贈年の合計所

平成20年2月

A. 受贈者に一定の債務を負担させることを条件に 財産を贈与することを 負担付贈与 といいます 本ケースでは 夫は1 妻の住宅ローン債務を引き受ける代わりに 2 妻の自宅の所有権持分を取得する ( 持分の贈与を受ける 以下持分と記載 ) ことになります したがって 夫は1と2を合わせ 妻から負担付贈

速報!  平成27年度税制改正セミナー

事業承継税制の全体像は ( 図表 1) の通りである ( 図表 1) 事業承継税制の全体像 経営者 1 代目 経営者 2 代目 一括贈与 大臣認定 贈与税の課税 贈与税の納税猶予の適用 相続税の納税猶予制度と同様 雇用確保を含む 5 年間の事業継続を行い その後も株式を継続保有 生前贈与により株式の

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1. はじめに 中小企業経営者の高齢化が進展する中 事業承継の円滑化は喫緊の課題です 平成 30 年度税制改正において 事業承継の際に生ずる相続税 贈与税の負担を軽減する 非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例 ( 以下 事業承継税制 ) が抜本的に改正されました 本改正では

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相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

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××税制(所得税・法人税・法人住民税・事業税)

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平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

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平成 28 年度税制改正の概要 1. 復興特区関係 * (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の5 年延長及び要件の緩和 * 要件緩和 : 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造でも対象となるよう緩和 (2) 被災雇用者等を雇

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

試験研究費 9,, 7,, Check7 14,, 14,, Check8 7,, 2,, 14,, 6,, 6,, 税務弘報

平成19年12月○日

未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

収益事業開始届出 ( 法人税法第 150 条第 1 項 第 2 項 第 3 項 ) 1 収益事業の概要を記載した書類 2 収益事業開始の日又は国内源泉所得のうち収益事業から生ずるものを有することとなった時における収益事業についての貸借対照表 3 定款 寄附行為 規則若しくは規約又はこれらに準ずるもの

第一法基通改正7

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納税猶予打切りリスクの緩和 利子税率の引き下げ 承継 5 年超で 5 年分の利子税の免除 債務控除方式の変更 債務控除を株式以外の財産から行うことで 納税猶予の効果を高める < 平成 27 年度税制改正 > 贈与税の納税猶予 免除制度の拡充 1 代目が存命中に 2 代目が 3 代目に納税猶予 免除制

2018年度税制改正大綱

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平成 28 年 12 月 農林水産省 平成 29 年度税制改正主要事項 1. 新規 拡充事項 (1) 生産資材価格の引下げ及び農産物の流通加工構造の改革のための法整備を前提とした次の措置の創設 ( 所得税 法人税 登録免許税 ) 1 同法の認定を受けた事業再編事業者が事業再編計画に記載された機械装置

参考. 改正前の制度概要 ( 改正対象は太字 ) (1) 税の納税猶予の全体像 ( 概要 ) の要件 会社の代表者であったこと 時には代表権を有していないこと と同族関係者で決議数の 50% 超の株式を保有かつを除いた同族内で筆頭株主であったこと 認定対象会社の要件 の要件 会社の代表者であること

1 特別償却の適用例 コネクテッド インダストリーズ税制 (IoT 税制 ) よくあるご質問補足資料 例 ) a. 5,000 万円の課税対象設備を購入 ( 対象設備の法定耐用年数は 5 年とする ただし の計算法は 定額法 とする ) 5,000 万円 5 年 = 1000 万円 b. 当年度で

作成する申告書 還付請求書等の様式名と作成の順序 ( 単体申告分 ) 申告及び還付請求を行うに当たり作成することとなる順に その様式を示しています 災害損失の繰戻しによる法人税 額の還付 ( 法人税法 805) 仮決算の中間申告による所得税 額の還付 ( 法人税法 ) 1 災害損失特別勘

( 相続時精算課税適用者の死亡後に特定贈与者が死亡した場合 ) (6) 相続時精算課税適用者 ( 相続税法第 21 条の9 第 5 項に規定する 相続時精算課税適用者 をいう 以下 (6) において同じ ) の死亡後に当該相続時精算課税適用者に係る特定贈与者 ( 同条第 5 項に規定する 特定贈与者

個人版事業承継税制の創設について 現行税制上の事業承継支援特例を踏まえた検討

2. 改正の趣旨 背景 中小企業経営者の高齢化が進んでいるが その半数以上が事業承継の準備を終えていない このような現状を放置すると中小企業の廃業の増加により地域経済に深刻な打撃を与える恐れがある 事業承継の円滑な実施は 事業が継続されることによる雇用の維持に加え 休廃業企業のうち一定数は経常利益が

新・NPO法人申請マニュアル.pwd

02_(案の2①)概要資料(不均一)

はじめに 会社の経営には 様々な判断が必要です そのなかには 税金に関連することも多いでしょう 間違った判断をしてしまった結果 受けられるはずの特例が受けられなかった 本来より多額の税金を支払うことになってしまった という事態になり 場合によっては 会社の経営に大きな影響を及ぼすこともあります また

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102 第 4 章 農業 農地の承継時の特例 資価格は 国税庁 HPの路線価ページから確認できます なお 平成 30 年度税制改正において 対象となる農地の範囲等が改正されました 詳細は 後記 6を参照してください 3 適用要件 (1) 被相続人この特例の対象となる被相続人は 次のいずれかに該当する

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内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

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ViewPoint 営 平成 30 年度税制改正 法人編 坂本和則部東京室執行正浩部大阪室 平成 30 年度税制改正では 法人に関係する改正として デフレ脱却と経済再生に向け 賃上げや生産性向上 地域の中小企業の設備投資を促進するための税制上の措置などが講じられました 今回は 平成 30 年度税制改正項目のうち 多くの会社に関係する主な改正について解説をします. 賃上げや生産性向上のための税制 賃上げや国内投資に積極的な企業の税負担を軽減する一方 賃上げや国内投資に消極的な企業に係る租税特別措置の適用要件を制限する見直しが行われました [] 所得拡大促進税制の改組 () 青色申告書を提出する法人が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度 ( 設立事業年度などを除く ) において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に 下表 および2の要件を満たすとき ( 雇用者給与等支給額 ( 注 ) が比較雇用者給与等支給額 ( 注 2) 以下である場合を除く ) は 雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額の 5%( その事業年度の教育訓練費の額が前事業年度および前々事業年度の教育訓練費の額の年平均額に対し 20% 以上増加した場合は 20%) 相当額の法人税額の特別控除 ( 適用年度の法人税額の 20% を限度 ) ができることとされました 継続雇用者給与等支給額 ( 継続雇用者 ( 注 3) に対する適用年度の給与等の支給額 ) が継続雇用者比較給与等支給額 ( 継続雇用者に対する前事業年度の給与等の支給額 ) 比 3% 以上増加 2 国内設備投資額が当期償却費総額の 90% 相当額以上 注 : 適用年度 ( 本制度の適用を受ける事業年度 ) の所得の金額の計算上 損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額 注 2: 前事業年度の所得の金額の計算上 損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額 注 3: 適用年度および前事業年度の期間内の各月において 給与等の支給がある国内雇用者で一定のもの

(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与等支給額が対前年度比.5% 以上増加しているとき ( 雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額以下である場合を除く ) は 雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額の 5%( 下表 および2の割増要件を満たす場合には 25%) 相当額の法人税額の特別控除 ( 適用年度の法人税額の 20% を限度 ) ができることとされました 継続雇用者給与等支給額が継続雇用者比較給与等支給額比 2.5% 以上増加 2 次に掲げる要件のいずれかを満たすこと その事業年度の教育訓練費の額が前事業年度の教育訓練費の額に対し 0% 以上増加 適用年度終了の日までに 中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受け その計画に従って経営力向上が確実に行われたものとして一定の証明がされたこと 注 4: 事業年度開始の日前 3 年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が 5 億円を超える中小企業者 [2] 情報連携投資等の促進に係る税制の創設 青色申告書を提出する法人で 生産性向上特別措置法の認定革新的データ産業活用事業者であるものが 同法の施行の日から平成 33 年 3 月 3 日までの期間内に 特定ソフトウエアの新設または増設をする場合において その新設または増設に係る 革新的情報産業活用設備 ( その製作の後事業の用に供されたことがないものに限る ) の取得等をして事業の用に供したとき( 貸付けの用に供した場合を除く ) は その取得価額の 30% 相当額の特別償却とその取得価額の5% または3%( 下表に定める割合 ) の法人税額の特別控除との選択適用ができることとされました 税額控除額は その事業年度の法人税額の 20%( 下表 2の場合は 5%) 相当額が限度とされます 革新的情報産業活用設備 とは 特定ソフトウエアならびにその特定ソフトウエアとともに取得等する機械装置および器具備品の取得価額の合計額が 5,000 万円以上のものをいいます 継続雇用者給与等支給額が継続雇用者比較給与等支給額比 3% 以上増加の場合 5% 2 上記 に掲げる場合以外の場合 3% [3] 中小事業者等の生産性向上を実現するための固定資産税の軽減措置 生産性向上特別措置法における先端設備等導入計画の認定を受けた中小事業者等が 同法の施行の日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に一定の機械 装置等を取得した場合に その取得資産に係る固定資産税について 課税標準を最初の3 年間 価格にゼロ以上 2 分の 以下の範囲内において 市町村の条例で定める割合を乗じて得た額とする軽減措置が講じられました [4] 租税特別措置の適用要件の見直し 大企業 ( 中小企業者のうち適用除外事業者に該当するものを含む ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 2

33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度等において 下表 および2のいずれにも該当しない場合 ( その事業年度 ( 設立事業年度および合併等事業年度のいずれにも該当しない事業年度に限る ) の所得金額が前事業年度の所得金額以下である場合を除く ) には 一定の税額控除の規定 ( 特定税額控除規定 ( 注 )) を適用しないこととされました 継続雇用者給与等支給額が継続雇用者比較給与等支給額を超えること 2 国内設備投資額が当期償却費総額の 0% 相当額を超えること注 : 特定税額控除規定とは 次の (a)~(c) の規定をいう (a) 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除 (b) 地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除 (c) 革新的情報産業活用設備を取得した場合の法人税額の特別控除 2. 競争力強化のための税制措置 自社の株式を用いた事業再編 (M&A) を円滑化するため M&Aに応じた株主に対する課税を繰り延べる措置が創設されました また 多段階型再編など多様な手法による事業再編の円滑な実施を可能とするための組織再編税制の適格要件の見直しなどが行われました [] 特別事業再編を行う法人の株式を対価とする株式等の譲渡に係る所得計算の特例の創設 産業競争力強化法の認定特別事業再編事業者 ( 注 ) の行った特別事業再編により 法人がその有する他の法人の株式等を譲渡し 対価として認定特別事業再編事業者の株式の交付を受けた場合は その譲渡した株式等の譲渡損益の計上を繰り延べることとされました 注 : 産業競争力強化法等の一部を改正する法律の施行の日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に 産業競争力強化法の特別事業再編計画について認定を受けた法人に限る [2] 組織再編税制における適格要件の緩和等 支配関係がある法人間の組織再編成の適格要件について 当初の組織再編成の後に完全支配関係がある法人間で従業者または事業を移転することが見込まれている場合にも 当初の組織再編成の適格要件のうち従業者従事要件および事業継続要件を満たすものとされました また 当初の組織再編成の後に適格株式分配が見込まれている場合には その適格株式分配の直前まで完全支配関係が継続することが見込まれていれば完全支配関係の継続要件を満たすものとされました これらの改正は 平成 30 年 4 月 日以後に行われる組織再編成に適用されます 3. 税務手続きの電子化等の推進 特定法人 ( 注 ) の各事業年度の所得に対する法人税等 ( 注 2) の申告 ( 確定申告書のみならず 中間申告書および修正申告書等も含む ) については 申告書記載事項または添付書類記載事項を電子情報処理組織 (e-tax または eltax) を使用する方法で提供することにより行わなければならないとされました この場合において 電気通信回線の故障や災害などの理由により電子情報処理組織を使用す 3

ることが困難であると認められるときは 税務署長の承認を受けて 例外的に書面により申告を行うことができるとされました これらは平成 32 年 4 月 日以後に開始する事業年度分の法人税等について適用されます また 添付書類記載事項の光ディスク等による提出など 利便性の向上に向けた施策を順次実施していくこととされています 注 : 特定法人とは 事業年度開始の時における資本金の額等が 億円を超える法人ならびに保険業法に規定する相互会社 投資法人および特定目的会社 注 2: 法人税のほかに 地方法人税 消費税および地方消費税 法人住民税 法人事業税も対象 4. 事業承継税制の拡充 中小企業の経営者の高齢化が急速に進展するなかで 集中的な代替わりを促すため 事業承継税制の抜本的な拡充として非上場株式等に係る相続税 贈与税の納税猶予制度の特例制度の創設と原則制度の一部改正がされました 特例制度は平成 30 年 月 日から平成 39 年 2 月 3 日までの間に贈与等により取得する特例認定承継会社 ( 平成 30 年 4 月 日から平成 35 年 3 月 3 日までに特例承継計画を都道府県に提出し経営承継円滑化法の認定を受けた会社 ) の非上場株式に係る贈与税または相続税について適用され 原則制度の改正は平成 30 年 月 日以後に贈与等により取得するものについて適用されます [] 特例制度の創設 内容原則制度特例制度 対象株式数 発行済議決権株式総数の 2/3 が上限取得した全ての発行済議決権株式 納税猶予割合贈与税 00% 相続税 80% 贈与税 00% 相続税 00% 贈与者 被相続人の要件 後継者の要件 雇用確保要件 譲渡 合併 解散時等の納税猶予税額の減免 相続時精算課税制度の適用対象者 先代経営者からの承継のみ ( 次項 [2]) ご参照 ) が対象 代表権を有するか有する見込みの後継者 人のみへの承継 雇用の 8 割以上を 5 年間平均で維持 経営承継期間 (5 年 ) 後で 譲渡対価等が納税猶予額を下回る場合にその差額が免除される 相続時精算課税制度の適用は父母または祖父母から贈与者の子または孫のみ 複数人 ( 代表者以外の者を含む ) からの承継も対象 代表権を有する複数人 ( 最大 3 名 ) への承継も対象 雇用要件を未達成の場合も猶予継続可能 ( 雇用確保要件を実質的に撤廃 ) 一定の要件を満たす場合において その時の譲渡 ( 合併 ) の対価の額 ( 解散の場合は相続税評価額 ) を基に納付金額を再計算し 当初の納税猶予税額を下回る場合は当該差額が免除される 特例後継者が贈与者の推定相続人以外の者であっても相続時精算課税制度の適用が可能 [2] 原則制度の一部改正 複数人 ( 代表者以外の者を含む ) からの承継も対象となります ( 改正前は先代経営者からの承継 ) 4

5. その他 () 青色申告書を提出する法人が平成 30 年 4 月 日 ( 一定の法人は改正エネルギー使用合理化法の施行日 ) から平成 32 年 3 月 3 日までの間に高度省エネルギー増進設備等の取得等をした一定の場合に その取得価額の 30% の特別償却 ( 中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度は適用除外事業者を除く ) については 取得価額の7% の税額控除との選択適用 ) 制度が創設されました (2) 青色申告書を提出する法人が平成 30 年 4 月 日から平成 32 年 3 月 3 日までの間に再生可能エネルギー発電設備等の取得等をした一定の場合に 取得価額の 20% の特別償却制度が創設されました (3) 交際費等の損金不算入制度の適用期限 接待飲食費に係る損金算入の特例および中小法人に係る損金算入の特例の適用期限がそれぞれ平成 32 年 3 月 3 日まで2 年延長されました (4) 中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度は適用除外事業者を除く ) が取得価額 30 万円未満の少額減価償却資産を取得等した場合に 年間 300 万円を限度として取得価額の全額を損金に算入することができる特例の適用期限が平成 32 年 3 月 3 日まで2 年延長されました (5) 中小企業者の欠損金等以外の欠損金の繰戻しによる還付制度の不適用措置について その適用期限が平成 32 年 3 月 3 日まで2 年間延長されました (6) 日本に進出する外国企業等の事業利益に対する課税の有無を決める 恒久的施設 (PE) の範囲について 主に PE 認定の人為的回避を防止するための見直しが行われ 平成 3 年 月 日以後に開始する事業年度分の法人税について適用されます (7) 収益認識に関する会計基準への対応として 法人税における収益認識等について 資産の販売等に係る収益の認識時期や収益の額などについて法令上明確化されるとともに 返品調整引当金および長期割賦販売等に係る延払基準が経過措置を講じたうえ廃止されました (8) そのほか 地方拠点強化税制の見直し や 企業主導型保育施設用資産の割増償却制度の創設 などの改正が行われました 内容は 208 年 7 月 20 日時点の情報に基づいて作成されたものです 本情報は 法律 会計 税務などの一般的な説明です 個別具体的な法律上 会計上 税務上等の判断や対策などについては専門家 ( 弁護士 公認会計士 税理士など ) にごください また 本情報の全部または一部を無断で複写 複製 ( コピー ) することは著作権法上での例外を除き 禁じられています みずほ総合研究所部東京室 03-359-7077 / 大阪室 06-6226-70 http://www.mizuho-ri.co.jp/service/membership/advice/ 5