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取組の詳細 作期の異なる品種導入による作期分散 記載例 品種名や収穫時期等について 26 年度に比べ作期が分散することが確認できるよう記載 主食用米について 新たに導入する品種 継続使用する品種全てを記載 26 年度と 27 年度の品種ごとの作付面積を記載し 下に合計作付面積を記載 ( 行が足りない

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1. 測定原理 弱酸性溶液中で 遊離塩素はジエチル p フェニレンジアミンと反応して赤紫色の色素を形成し これを光学的に測定します 本法は EPA330.5 および US Standard Methods 4500-Cl₂ G EN ISO7393 に準拠しています 2. アプリケーション サンプル

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日本脳炎不活化ワクチン ( シード ) 平成 24 年 7 月 4 日 ( 告示第 1622 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した日本脳炎ウイルスを同規格に適合した株化細胞で増殖させて得たウイルス液を不活化したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 名称日本脳炎ウイル

3 エアロゾルの飛散の抑制 第二 入浴設備における衛生上の措置 一入浴設備における衛生上の措置に関する基本的考え方近年 入浴設備は 湯水を再利用し これを節約するため ろ過器を中心とする設備 湯水を一時的に貯留する槽及びこれらの設備をつなぐ配管を含め 複雑な循環構造を形成することが多くなっている こ

条例施行規則様式第 26 号 ( 第 46 条関係 ) ( 第 1 面 ) 産業廃棄物処理計画書 平成 30 年 6 月日 長野県知事 様 提出者 住 所 東御市下之城畔 ( 法人にあっては 主たる事業所の所在地 ) 氏 名 川西保健衛生施設組合長花岡利夫 ( 法人にあっては 名称及び代

714 植 物 防 疫 第 63 巻 第 11 号 2009 年 岡山県で発生した Rhizobium radiobacter Ti による ブドウ根頭がんしゅ病 岡山県農業総合センター農業試験場 は じ め かわ ぐち あきら 川 口 章 12 月のサンプルから AT06 1 AT06 8 株 を

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みどりノートユーザマニュアル(Web版)

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養液栽培における 高温性水媒伝染病害の 安全性診断マニュアル ネギ編

ネギ養液栽培における病害 管理のポイント ネギに病原性のある高温性ピシウム菌の種類 1Pythium aphanidermatum ( 根腐病 ) 2Pythium myriotylum ( 未報告 ) 高温性ピシウム菌による被害 根が暗褐色水浸状に腐敗 重要ポイント 設内に病原菌を ま い うにしましょう 苗および栽培初期の感染は被害が大きくなります 2 培養液の温度は 25 にしましょう 20 では病原菌がいても発病しません 病原菌を 加さ い うにしましょう 病原菌の遊走子密度を 10 個 /L 以上にしない (p.139 )

病害管理ポイントと診断フロー 1. 育苗 1) 種子 原水 2) 装置 資材 3) 栽培環境 4) 循環培養液 苗 洗浄殺菌苗の廃棄再播種液温管理金属銀剤 診断 原水 循環培養液 ( ベイト-LAMP 法 ) 苗 ( 見取り 植物体 -LAMP 法 ) 2. 本ぽ 1) 培養液 ( 親タンク ) 各系統 全系統 2) 定植苗 診断 培養液 ( ベイト -LAMP 法 ) 次作へ 廃棄 洗浄殺菌金属銀剤 高 EC 管理 診断 苗 ( 見取り 植物体 -LAMP 法 ) 3) 栽培環境 4) 装置 資材の洗浄殺菌 発病株の廃棄液温管理金属銀剤 高 EC 管理 発病した系統 診断 水溶液 ( ベイト -LAMP 法 ) 3

安全性診断票 育苗期 調査項目 調査方法 調査時期 間隔 結果発病リスク対策 未検出低ベイト -LAMP 法による定期的なモニタリング 原水槽 原水 ベイト -LAMP 法 5~10 月随時 (1 ヶ月に 1 回程度 ) 検出 高 原水槽の洗浄 殺菌周辺環境の確認と対応 ( 雨水 土砂の浸入等 ) 消毒剤の投入対応後の安全診断 苗生産施設 循環養液 ベイト -LAMP 法及びメンブレン培養 - LAMP 法 5~10 月随時 (1 ヶ月に 1 回程度 ) 未検出低ベイト -LAMP 法による定期的なモニタリング 検出 高 苗発病の慎重な確認培養液タンクの洗浄 殺菌オクトクロス投入または交換対応後の安全診断 苗生産施設 セル苗 見取り 萎凋株は植物体 -LAMP 法 5~10 月随時 (1 ヶ月に 1 回程度 ) 未検出低ベイト -LAMP 法による定期的なモニタリング 検出 高 苗の廃棄 育苗トレイ洗浄 殺菌 再播種本ぽ対応 ( 培養液温度 20 以下 定植直後の培養液調査 ) 本ぽ 水溶液 ( 洗浄 殺菌直後 ) ベイト -LAMP 法及びメンブレン培養 - LAMP 法 5~10 月随時 ( 特に前作で発病があった場合の洗浄 殺菌直後 ) 未検出低特になし ( 通常の管理 ) 検出 高 栽培装置の再洗浄 殺菌対応後の再調査 表 定植期 ネギ本ぽ定植後の安全診断票 調査項目 調査方法 調査時期 間隔 結果発病リスク対策 本ぽ 循環培養液 ベイト -LAMP 法及びメンブレン培養 - LAMP 法 5~10 月随時 ( 定植日 ) 未検出低特になし ( 通常の管理 ) 検出 高 培養液温度管理 (20 以下 ) 培養液 EC 濃度管理終了後の洗浄 殺菌 メンブレン培養 -LAMP 法は検出後 菌濃度を確認する場合に使用する

1 育苗時の管理ポイント 1) 種子 原水 p 消毒済みの種子を使用していますか p 清浄な原水を使用していますか 地下水を使用していても 状況によりピシウム菌等が検出されることがあります 原水中の微生物の状況を一度確認しておくことが大切です ピシウム菌等が頻繁に検出される場合は 原水槽への雨水等の浸入を防いだり 原水の殺菌処理について検討する必要があります 原水からのピシウム菌の検出方法については p.61 を参照してください 2) 装置 資材 p セルトレイなどの資材は洗浄 殺菌していますか p 資材 培地の保管方法は適切ですか 資材を適切に殺菌消毒しても その後の保管方法により病原菌が再度付着することがあります 地面に近いところや埃がたちやすいところに消毒済みの資材を長期間置かないようにしましょう 資材の温湯殺菌装置 資材の衛生的な保管例

3) 栽培環境 p 培養液の温度は 25 未満に管理していますか p 培養液の EC は適切ですか p 育苗場所や培養液タンク付近の地面が土壌の場合は シートを張るなど土埃が培養液に混入しにくくしていますか 4) 潅水用培養液 苗 p 潅水用の培養液から病原菌が検出されていませんか p 苗が発病していませんか 閉鎖系の苗生産施設を導入している場合は 循環養液に病原ピシウム菌が侵入すると被害が甚大になることがあります そのため 苗の循環養液には細心の注意が必要であり 定期的な診断と対応が必要です 培養液や苗からのピシウム菌の検出方法については p.58 61 を参照してください 検 さ た の 発病したトレイの苗は廃棄しましょう 原水 使用資材の再確認をしてください 移植前の苗の発病を入念にチェック

2 本ぽの管理ポイント 1 培養液 ( 親タンク ) p 清浄な原水を使用していますか p 培養液中から病原菌が検出されていませんか ネギの養液栽培装置は 数ベッド単位で系統が細分化されている場合が多く 各系統の循環培養液を検査することは困難です そのため 通常は各系統に培養液を供給する親タンクの培養液を検査するのがよいでしょう 培養液からのピシウム菌の検出方法については p. 61 を参照してください 検 さ た の 培養液温度を低く管理しましょう(20 ) 金属銀剤を親タンク内に設置しましょう す に使用している は交換時期を過ぎている可能性あるため 追加交換してください 原水の再確認をしてください 2 苗 p 移植後の苗が発病していないか 本ぽに移植後 早期に萎凋症状が認められた場合は 被害が系統全体に及ぶ危険性があります このため 症状の原因を明らかにすることにより 的確な対応をすることができます 苗からのピシウム菌の検出方法については p.58 を参照してください 発病した の 培養液温度を下げます (20 ) 培養液の EC を 4.0 ds / m 付近ま げます 収穫後は資材の洗浄 殺菌を徹底し 栽培開始前の循環培養液を検査しましょう 根腐病の初期症状

3) 栽培環境 p 培養液の温度は 25 未満に管理していますか p 培養液の EC は適切に管理していますか p 培養液タンク付近の地面が土壌の場合は シートを張るなど土埃が培養液に混入しにくくしていますか 4) 装置 資材の洗浄殺菌 p 収穫後の残さは施設周辺に廃棄していませんか p 洗浄後のパネルや防根シートなどに根が付着していませんか p 栽培ベッドの底に泥や残渣が沈殿していませんか (p.137) p 塩素消毒の場合は 濃度および処理時間は適正ですか p 温湯消毒の場合は 温度および処理時間は適正ですか 発病が認められた栽培系統は しっかりと洗浄および殺菌を行い 次作へ病原菌が伝染しないようにする必要があります 消毒後は次作の定植前に病原菌の検出がないか診断しましょう 資材殺菌方法の詳細については p.89 を参照してください

データ集 発病と液温の関係 小型容器を用いた室内試験において ネギ根腐病菌 (Pythium aphanidermatum P. myriotylum) の遊走子を添加し 水温を変えて感染率を調べた結果 20 の水温でも感染し 菌量が高くなるほど感染率が高まりました 図 Pythium aphanidermatum( 左 ) P. myriotylum( 右 ) の接種濃度と液温が根の感染に及ぼす影響 高温性のピシウム菌による発病を抑制するためには 液温を 25 未満に管理するとともに菌密度を下げるようにしましょう

データ集 発病と菌密度の関係 小型容器 (700ml) を用いた室内試験において ネギ根腐病菌 (Pythium aphanidermatum) の遊走子の添加量を変えて発病を調べた結果 100 個 / L で発病が確認され 10 個 / L では根への感染は確認されましたが 地上部の発病は見られませんでした ネギ根腐病菌 (Pythium aphanidermatum) の接種濃度が発病度と根の感染に及ぼす影響 ピシウム菌による発病を抑制するためには 菌密度を高めない管理をしましょう 10

データ集 発病と菌密度の関係 小型栽培装置を用いたほ場試験において 液温 25 に設定し ネギ根腐病菌 (Pythium aphanidermatum P. myriotylum ) の遊走子の添加量を変えて発病を調べた結果 両菌ともに 100 個 / L 以上で地上部の発病が確認されました 60 発病度 60 発病度 40 20 根褐変程度 40 20 0 0 1 個 /L 1 10 個 /L 1 10^2 個 /L 1 10^3 個 /L 1 10^4 個 /L 1 個 /L 1 10 個 /L 1 10^2 個 /L 1 10^3 個 /L 5 10^3 個 /L 無接種 根褐変程度 P. aphanidermatum P. myriotylum Pythium aphanidermatum Pythium myriotylum 2 種ネギ根腐病菌の接種濃度の違いが発病と根の感染に及ぼす影響及び最終調査時の培養液菌量 試験装置 : 培養液 40 L 培養液 EC:2.0 ds / m 40 株 / 区 ピシウム菌による発病を抑制するためには 菌密度を高めない管理をしましょう 11

データ集 発病と菌密度の関係 M 式水耕装置を用いたほ場試験で 夏期にネギ根腐病菌 (P. myriotylum ) の遊走子の添加量を変えて発病を調べた結果 病徴の進展は遅れましたが 10 個 / L でも発病が確認されました 盛夏期にはより低濃度でも発病しますので注意してください ネギ根腐病菌の接種濃度が発病と根の感染に及ぼす影響 ネギ根腐病菌の接種濃度が試験期間中の培養液中の遊走子数の推移に及ぼす影響 M 式水耕装置 (3.6 m2 / 区 ) 培養液 EC2.0 ds / m 320 株 ピシウム菌による発病を抑制するためには 菌密度を高めない管理をしましょう 12