2014~2016年度 東海経済見通し

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( 平成 31 年 1 月判断 ) 平成 31 年 1 月 財務省北陸財務局 富山財務事務所 富山市丸の内 1 丁目 5 番 13 号 ( 富山丸の内合同庁舎 5 階 ) TEL(076) ( 財務課直通 )

Economic Indicators   定例経済指標レポート

平成 31 年 1 月 17 日東北経済産業局 管内 ( 東北 6 県 ) の経済動向 ( 平成 30 年 11 月分 ) ~ 一部に弱い動きがみられるものの 緩やかに持ち直している ~ 鉱工業生産 : 個人消費 : 住宅着工 : 公共投資 : 設備投資 : 持ち直しの動きとなっている足踏み状態とな

実体経済 物価 (1) 現状判断 関連統計の動き 生産 輸出 増加している 増加している 鉱工業生産は 4~6 月に続き 7~9 月も前期比増加した後 10 月は小幅ながら前月比減少した 業種別にみると 輸送機械は 自動車部品を中心に緩やかに増加している 電子部品 デバイス はん用 生産用機械 (

統計から見た三重県のスポーツ施設と県民のスポーツ行動

2018年夏のボーナス見通し

関西の景気動向 2013 年 11 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター 1. 景気の現状関西の景気は 持ち直しのペースがひところと比べて鈍化している 輸出 ( 円ベース )

1 ( ) 4.1% 4.4% 4.% 1 ( ) 1.2%( ) 1.6% 3.8% 1( ) 5.6% 4, % 8 6.5% % 2 4.3% 47.8% 18.8% % 13 2, % 2.2% 13.% 218 ( ).

Economic Indicators   定例経済指標レポート

October vol

グラフで見る関西経済

2017年夏のボーナス見通し

1. 総論 総括判断 都内経済は 回復している 項目前回 ( 1 月判断 ) 今回 (3 年 1 月判断 ) 前回比較 総括判断回復している 回復している ( 注 )3 年 1 月判断は 前回 1 月判断以降 1 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している ( 判断の要点 ) 個人消費

けた この間 生産指数は 上昇傾向で推移した (2) リーマン ショックによる大きな落ち込みとその後の回復局面平成 20 年年初から年央にかけては 米国を中心とする金融不安 景気の減速 原油 原材料価格の高騰などから 景気改善の動きに足踏みが見られたが 生産指数は 高水準で推移していた しかし 平成

第1章

物価の動向 輸入物価は 2 年に入り 為替レートの円安方向への動きがあったものの 原油や石炭 等の国際価格が下落したことなどから横ばいとなった後 2 年 1 月期をピークとし て下落している このような輸入物価の動きもあり 緩やかに上昇していた国内企業物価は 2 年 1 月期より下落した 年平均でみ

日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

関西の景気動向 2013 年 5 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター 1. 景気の現状関西の景気は 持ち直している 輸出は 円安が進み 米国経済も回復基調をたどるなど 環境が

月別の売上でみると 百貨店については 夏物衣料が好調だった 7 月と一部店舗で閉店セールを行った 9 月を除いて前年同月を下回っています 一方 スーパーについては 台風の影響があった 8 月を除いて 前年同月を上回っています 1,2 1-3 平成 28 年百貨店 スーパー販売額合計 ( 北海道 :

【No

2 自動車登録台数 ( 台 ) 2,, 図 2 消費税導入 税率引き上げ時における自動車登録台数 ( 三重県 ) の推移 景気後退期, 6, 物品税の廃止による反動増 駆け込み需要 反動減 4, アジア通貨危機平成 9 年 5 月 ~ リーマンショック 2, 平成 9 年 月金融危機 ( 三洋 拓銀

別紙2

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1 概 況

1. 総論 総括判断 県内経済は 平成 28 年 (216 年 ) 熊本地震の影響が一部に残るものの 緩やかに回復している 項目前回 (29 年 1 月判断 ) 今回 (3 年 1 月判断 ) 総括判断 平成 28 年 (216 年 ) 熊本地震の影響が一部に残るものの 緩やかに回復している 平成

当面の金融政策運営について(貸出増加支援資金供給の延長等、12時29分公表)

経済・物価情勢の展望(2018年1月)

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1. 総論 総括判断 県内経済は 緩やかに回復しつつある 項目前回 (3 年 4 月判断 ) 今回 (3 年 7 月判断 ) 前回比較 総括判断緩やかに回復しつつある 緩やかに回復しつつある ( 注 )3 年 7 月判断は 前回 4 月判断以降 足下 (7 月末 ) の状況までを含めた期間で判断して

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チーフエコノミスト : 高田創 [ 経済予測チーム ] 山本康雄 ( 全体総括 ) 米国経済小野亮 山崎亮

経済・物価情勢の展望(2017年7月)

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(5月号)~輸出は好調も、旧正月の影響を均せば増勢鈍化

関西経済レポート (2019 年 9 月 ) 令和元年 (2019 年 )9 月 30 日 ~ 輸出減少が継続 インバウンド消費はプラスの伸びを維持 ~ 足元の経済情勢と当面の見通し 関西経済は輸出 生産が斑模様であるが 内需が下支えとなり底堅く推移している 企業部門では 輸出は中国経済の減速等によ

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2016年冬のボーナス見通し

管内 ( 東北 6 県 ) の経済動向 平成 27 年 1 月 15 日 < 管内の経済動向 > ~26 年 11 月の経済指標を中心として ~ 全体の動向 : 緩やかな持ち直し傾向にあるものの 一部に弱い動きがみられる 鉱工業生産 : 生産は一進一退で推移している 個人消費 : 持ち直し傾向にある

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

本稿の分析目的 本稿では 平成 6 4 月に実施された消費増税による産業活動への影響について 前回の消費増税時 ( 平成 9 ) あるいはリーマンショック時にみられた産業活動への影響と比較しながら考察する 特に 前回増税時との比較においては 増税の前平均からの変動を比較することで 6 4 月に実施さ

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中国:PMI が示唆する生産・輸出の底打ち時期

経済・物価情勢の展望(2017年10月)

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

資料1

平成 22 年基準 秋田県鉱工業生産指数月報 平成 30 年 12 月分 鉱工業生産指数の推移 季節調整済指数全国 東北 : 平成 27 年 =100 秋田 : 平成 22 年 =

1. 自社の業況判断 DI 6 四半期ぶりに大幅下落 1 全体の動向 ( 図 1-1) 現在 (14 年 4-6 月期 ) の業況判断 DI( かなり良い やや良い と回答した企業の割合から かなり悪い やや悪い と回答した企業の割合を引いた値 ) は前回 ( 月期 ) の +19 から 28 ポイ

1. 総論 総括判断 県内経済は 緩やかに回復している 項目前回 (3 年 1 月判断 ) 今回 (3 年 4 月判断 ) 総括判断 平成 28 年 (216 年 ) 熊本地震の影響が一部に残るものの 緩やかに回復している 緩やかに回復している 前回比較 ( 注 )3 年 4 月判断は 前回 1 月

2019年度はマクロ経済スライド実施見込み

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2. 利益剰余金 ( 内部留保 ) 中部の 1 企業当たりの利益剰余金を見ると 製造業 非製造業ともに平成 24 年度以降増加傾向となっており 平成 27 年度は 過去 10 年間で最高額となっている 全国と比較すると 全産業及び製造業は 過去 10 年間全国を上回った状況が続いているものの 非製造

4月CPI~物価は横ばいの推移 耐久財の特殊要因を背景に、市場予想を上回る3 ヶ月連続の上昇

建設経済モデルによる建設投資の見通し

エコノミスト便り

個人消費の回復を後押しする政策以外の要因~所得の減少に歯止め、節約志向も一段落

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(1月号)~輸出の好調続くも新型スマホ関連がピークアウトへ

3003金融経済概観

PowerPoint プレゼンテーション


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12月CPI

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1. 総論 総括判断 県内経済は 回復しつつある 項目前回 (29 年 1 月判断 ) 今回 (3 年 1 月判断 ) 前回比較 総括判断緩やかに回復しつつある 回復しつつある ( 注 )3 年 1 月判断は 前回 29 年 1 月判断以降 3 年 1 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判

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< 判断の推移 > 前月今月期間 総括判断 一部に弱い動きがみられるものの 緩やかに改善 緩やかに改善 ( ) 1 か月 ( 上方修正は 7 か月ぶり ) 生産緩やかな上昇傾向 ( ) 2 か月 個人消費足踏み状態 緩やかな持ち直しの動き ( ) 1 か月 ( 上方修正は 18 か月ぶり ) 設備投

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

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【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(10月号)~輸出はスマホ用電子部品を中心に高水準を維持

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2911金融経済概観

月初の消費点検(3/4)~消費税増税の判断を控えて~

平成10年7月8日

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第 3 節食料消費の動向と食育の推進 表 食料消費支出の対前年実質増減率の推移 平成 17 (2005) 年 18 (2006) 19 (2007) 20 (2008) 21 (2009) 22 (2010) 23 (2011) 24 (2012) 食料

(Taro-\222\262\215\270\225[.A4\207B.jtd)

はじめに 我が国の建設投資は 社会経済活動 市場動向等に与える影響は極めて大きい このため 国土交通省では 国内建設市場の規模とその構造を明らかにすることを目的とし 昭和 35 年度から毎年度 建設投資推計及び建設投資見通しを作成し 建設投資見通し として公表している 作成の方法と留意点 建設投資推

長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていく 一億総活躍社会の実現に向け アベノミクス 新 三本の矢 に沿った施策を実施する 戦後最大の名目 GDP600 兆円 に向けては 地方創生 国土強靱化 女性の活躍も含め あらゆる政策を総動員することにより デフレ脱却を確実なものとしつつ 経済の好循環をより

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平成 25 年 3 月 19 日 大阪商工会議所公益社団法人関西経済連合会 第 49 回経営 経済動向調査 結果について 大阪商工会議所と関西経済連合会は 会員企業の景気判断や企業経営の実態について把握するため 四半期ごとに標記調査を共同で実施している 今回は 2 月下旬から 3 月上旬に 1,7

九経マンスリー ( 平成 3 年 2 月 ) 平成 3 年 4 月 12 日経済産業局 今月の管内経済動向 : 地域の経済は 緩やかに改善している 生産は横ばい傾向 輸出は 2 か月連続のマイナス 個人消費は持ち直している 雇用情勢は改善している 国内需要や海外経済の動向などを引き続き注視する必要が

SERIまんすりー2月号 今月のみどころ

1. 各都市の不動産市場トレンド 1-1. オフィス価格指数 対前回変動率 (2016 年 4 月から 2016 年 10 月まで ) 図表 1-1は オフィス価格指数の各都市 対前回変動率 今回 (2016 年 10 月現在 ) 対前回変動率が最も高かったのは 東京 の +3.4% 次いで 大阪

2019年の日本経済

2 / 6 不安が生じたため 景気は腰折れをしてしまった 確かに 97 年度は消費増税以外の負担増もあったため 消費増税の影響だけで景気が腰折れしたとは判断できない しかし 前回 2014 年の消費税率 3% の引き上げは それだけで8 兆円以上の負担増になり 家計にも相当大きな負担がのしかかった

高値となった後 下がり始めた 前述の通り CI 一致指数は 生産や雇用など様々な経済指標を統合し算出されている そのため CI 一致指数の上昇 下降にどの指標 が寄与しているのかについても 内閣府は詳細に発表している 表 1は 各指標がCI 一致指数に対してプラスに寄与したのか マイナスに寄与したの

個人消費 ( やや良い ) スーパー 百貨店売高 スーパー売高は 全店ベースで前年同期を 年 月期の個人消費関連 は スーパー売高が 全店ベース ( 前年同期比.% 増 ) は 新規出 回り 既存店ベースは 前年同期を下回る 百貨店売高は前年同期を回る 店効果などにより 前年同期を回 りました 品目

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経済・物価情勢の展望(2016年10月)

< 判断の推移 > 前月今月期間 総括判断改善 18 か月 生産高水準で推移 9 か月 個人消費緩やかに持ち直し 持ち直し ( ) 1 か月 ( 上方修正は 1 か月ぶり ) 設備投資増加 5 か月 公共投資持ち直しの動き 堅調 ( ) 1 か月 ( 上方修正は 7 か月ぶり ) 住宅投資一進一退の

九経マンスリー ( 平成 29 年 11 月 ) 平成 3 年 1 月 16 日経済産業局 今月の管内経済動向 : 地域の経済は 緩やかに改善している 生産は横ばい傾向 輸出は13 か月連続のプラス 個人消費は持ち直している 雇用情勢は改善している 国内需要や海外経済の動向などを引き続き注視する必要

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不動産経済 表紙OL

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令和元年 7 月 22 日 北陸地域の総合経済動向 ~ 一部に弱い動きがみられるものの 改善している ~ 経済概況 令和元年 5 月指標を中心として 鉱工業生産指数は 高水準で推移しているものの 一部に弱い動きがみられる 個人消費は 持ち直している 設備投資は 高水準で横ばいとなっている 住宅投資は

公表内容 2 本機関は業務規程第 22 条に基づき 需要想定の前提となる経済指標として 以下の項目の見通しを策定し 公表します ( 全国の経済見通しの策定 ) 第 22 条本機関は 需要想定の前提となる人口 国内総生産 (GDP) 鉱工業生産指数 (IIP) その他の経済指標について 当年度を含む

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月例経済報告

Transcription:

214 年 12 月 25 日 報道機関各位 調査レポート 214~216 年度東海経済見通し ~14 年度の落ち込みの後 再び回復へ ~ 東海経済は消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動による落ち込みの後 再び回復に向かおうとしている 景気動向指数の動きをみると年初をピークに下落傾向で推移してきたが 足下で持ち直しの動きがみられる また 各種経済指標の動きをみると 個人消費や住宅投資は 消費増税の影響もあって 依然低い水準で推移しているが 生産など企業部門の活動には 持ち直しの動きがみられる 設備投資は 全国と比べて強めの動きとなっている 14 年度の東海の実質域内総生産 (GRP) は 消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動減や物価上昇による実質所得の減少で 個人消費 住宅投資など内需が大きく減少したことが影響し 前年比 -1.7% とリーマンショックによる景気の落ち込みが続いた 29 年度以来 5 年ぶりのマイナス成長になると見込まれる 15 年度は 家計の実質所得の増加により消費が増加に転じると見込まれることや 設備投資の増加が続くことなどから 同 +2.1% とプラス成長に転じると予想される 16 年度については 17 年 4 月に予定されている消費税率の再引き上げを前にした駆け込み需要が見込まれるため 同 +2.3% とプラス成長が続くと見込まれる 東海経済の景気の振幅は 全国に比べて大きくなる傾向がある 東海経済の先行きを全国の動きとの対比でみると 14 年度の落ち込み幅は全国 (-.8%) と比べて大きくなる見込みである 15 年度はプラス成長に転じるが プラス幅は全国 (+1.5%) に比べて大きくなる 16 年度についても東海の成長率は全国 (+1.6%) を上回る見込みである 三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング株式会社 調査部主任研究員塚田裕昭 15-851 東京都港区虎ノ門 5-11-2/ 461-851 名古屋市東区葵 1-19-3 TEL:3-6733-17/52-37-116

はじめに 東海経済 ( 東海 3 県 : 岐阜県 愛知県 三重県 ) は消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動も影響した落ち込みの後 再び回復に向かおうとしている 景気動向指数の動きをみると年初をピークに下落傾向で推移してきたが 足下で持ち直しの動きがみられる また 各種経済指標の動きをみると 個人消費や住宅投資は 消費増税の影響もあって 依然低い水準で推移しているが 輸出や生産など企業部門の活動は 持ち直しの動きが続いている 設備投資は 全国と比べて強めの動きとなっている 14 年度の東海の実質域内総生産 (GRP) は 消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動減や物価上昇による実質所得の減少で 個人消費 住宅投資など内需が大きく減少したことが影響し 前年比 -1.7% とリーマンショックによる景気の落ち込みが続いた 29 年度以来 5 年ぶりのマイナス成長になると見込まれる 15 年度は 家計の実質所得の増加により消費が増加に転じると見込まれることや 設備投資の増加が続くことなどから 同 +2.1% とプラス成長に転じると予想される 16 年度については 17 年 4 月に予定されている消費税率の再引き上げを前にした駆け込み需要が見込まれるため 同 +2.3% とプラス成長が続くと見込まれる 東海経済の景気の振幅は 全国に比べて大きくなる傾向がある 東海経済の先行きを全国の動きとの対比でみると 14 年度の落ち込み幅は全国 (-.8%) と比べて大きくなる見込みである 15 年度はプラス成長に転じるが プラス幅も全国 (+1.5%) に比べて大きくなる 16 年度についても東海の成長率は全国 (+1.6%) を上回る見込みである 図表 1. 東海経済の成長率と寄与度 ( 前年比 %) 4. 3.5 ( 実績推計 ) 3. 3.1 ( 実績 ) 2.1 2.3 2.5 2. 1.5.9 1.8 1..5. -.5-1. -1.5-2. -1.7-2.5-3. 11 12 13 14 15 16 ( 出所 ) 内閣府 県民経済計算 予測は MURC 個人消費住宅投資設備投資在庫政府消費公共投資移出入 不突合 GRP 1/16

1. 東海経済の現状 東海 3 県が作成している景気動向指数 (CI 一致指数 ) の動きを見ると 東海経済は 214 年に入って後退局面入りしていた可能性がある 各県のCI 一致指数は いずれも 14 年 1-3 月期にピークをつけ その後 低下基調となっていた 消費税引き上げ前の駆け込み需要もあって 高水準の値をつけたCI 一致指数は 税率引き上げ前に到来した駆け込み需要向け生産のピークからの下落の影響を受けて年初から低下し その後も低下基調が続いてきた ( 図表 2) 景気動向指数の動きをみるかぎり 東海経済は 全国同様 消費税率引き上げのあった 14 年 4 月より前から既に低下していたと言える もっとも 直近の数字である 9 月の一致指数は 東海地区最大の経済規模を持つ愛知県で 4 ヶ月ぶりに前月比でプラスとなるなど 持ち直しの動きがみられる 単月の動きでの判断は難しいが 全国の一致指数もこのところ持ち直しの動きが見られていることや 最近の各種経済指標の動きを勘案すると 東海経済は 全国と同様 足下では持ち直してきていると考えられる 14 年の東海経済の動きをまとめてみると 1-3 月期にピークをつけ 4-6 月期 7-9 月期に後退 1-12 月期に持ち直しという ひしゃげたN 字型の動きをした 1 年と言うことができるだろう 図表 2. 景気動向指数 (21 年 =1) 145 14 135 13 125 12 115 11 15 1 95 9 1 11 12 13 14 ( 出所 ) 内閣府 景気動向指数 各都道府県 景気動向指数 愛知 CI 岐阜 CI 三重 CI 全国 CI ( 年 月次 ) 以下では 企業 家計 政府といった経済活動の主体別に 関連する経済指標の動向を追 いながら 足下の東海経済の状況について見ていくこととする (1) 企業の動向 1 生産企業の生産活動を示す指標である鉱工業生産指数は 東海においては 消費税率引き上げ前の駆け込み需要に向けた生産増もあって 13 年は増加基調で推移したが 14 年 1 月をピークに減少基調となった ( 図表 3) 生産の減少は年半ばの 6 月まで続いたが 6 月をボトムに再び持ち直しの動きが見られる 業種別に見ると 東海の主力業種である乗用車を含む輸送機械が 生産全 2/16

体の波を形作っている様子が見て取れる 高額の消費財である乗用車は 消費税率引き上げ前の駆け込み需要とその反動減が大きい 輸送機械が主力であることが 東海の生産が全国に比べて振幅の大きいことの一因となっている 輸送機械は 反動減の影響が依然残っており 14 年後半においても減少傾向で推移している 輸送機械が減少傾向で推移する中 年後半以降の生産の持ち直しに寄与しているのが はん用 生産用 業務用機械 電子部品 デバイス 電気機械等の業種である はん用 生産用 業務用機械は東海の主力業種のひとつであるが 駆け込みの反動減を経て 力強い動きを示している 電子部品 デバイスも新型スマートフォンの世界的な需要増などから同様の動きを示している 図表 3. 鉱工業指数 (21 年 =1 季節調整値) 13 12 11 1 9 生産 ( 東海 3 県 ) 出荷 ( 中部 5 県 ) 8 在庫 ( 中部 5 県 ) 生産 ( 全国 ) 7 1 11 12 13 14 ( 注 1) 東海 3 県 = 愛知 岐阜 三重 中部 5 県 = 愛知 岐阜 三重 富山 石川 ( 年 月次 ) ( 注 2) 生産 ( 全国 ) の は製造工業生産予測結果から試算した予測 ( 出所 ) 経済産業省 鉱工業指数 中部経済産業局 管内鉱工業指数 (21 年 =1 季調値 ) 図表 4. 主要業種の鉱工業指数 2 18 16 はん用 生産用 業務用機械 (99.1) 電子部品 テ ハ イス (951.) 輸送機械 (3648.8) 生産 ( 東海 3 県 ) 14 12 1 8 6 4 1 11 12 13 14 ( 注 1) 凡例括弧内の数字は付加価値ウェイト ( 鉱工業 =1.) ( 注 2) 東海 3 県 = 愛知 岐阜 三重 ( 出所 ) 中部経済産業局 管内鉱工業指数 ( 年 月次 ) 3/16

2 輸出 14 年の東海の実質輸出は 概ね横ばい圏で推移してきている ( 図表 5) 輸出金額を地域別に 見ると アジア向けが最大となっているが 14 年は EU 向け輸出が伸びている 品目別には 工作機械が前年比で見て高い伸びが続いている一方 電気機械 自動車部品などは低調となっている 図表 5. 輸出 ( 前年比 %) ( 基準時 =1) 8 11 7 実質輸出 ( 全国 右目盛 ) 1 6 5 4 3 2 1 実質輸出 ( 東海 4 県 右目盛 ) -1 2 その他米国 -2 EU アジア 1 輸出総額 ( 中部 5 県 左目盛 ) -3 1 11 12 13 14 ( 年 月次 ) ( 注 1) 実質輸出 = 東海 4 県の基準は27 年 12 月としMURC 試算 全国の基準は21 年 ( 注 2) 中部 5 県 = 愛知 岐阜 三重 静岡 長野 東海 4 県 = 愛知 岐阜 三重 長野 ( 出所 ) 財務省 貿易統計 日本銀行 実質輸出入 日本銀行名古屋支店 東海 3 県の金融経済動向 3 設備投資地域 ( 所在地 ) ベースでの設備投資の動向を把握すべく作成された指標に内閣府 地域別設備投資総合指数 がある 設備投資総合指数の動きをみると 東海の設備投資は 11 12 年度とほぼ横ばいで推移したが 13 年度に入って以降 増加基調となり 増加ペースを拡大させている 全国の設備投資が 14 年度に入って減少に転じている一方で 東海の設備投資は 14 年度入り後も第 2 四半期まで増加を続けている ( 図表 6) 東海の設備投資は このところ全国と比べ強い動きとなっていたと言える 図表 6. 設備投資総合指数 ( 東海 ) と QE 指数 ( 全国 ) (25 年度 =1) 11 15 1 95 9 85 8 75 東海 全国 7 9 1 11 12 13 14 ( 出所 ) 内閣府 MURC ( 年度 四半期 ) ( 注 ) 季節調整値 QE 指数は QEの実質値を25 年度 =1として指数化したもの 9 8 7 6 5 4 3 4/16

図表 7. 東海 3 県の設備投資総合指数 (25 年度 =1) 12 岐阜 愛知 11 三重 東海 3 県 1 9 8 7 6 1 11 12 13 14 ( 出所 ) 内閣府 MURC ( 年度 月 ) ( 注 ) 季節調整値 設備投資をおこなう際の資金調達は 自己資金もしくは銀行借り入れ等の外部資金調達で行われるが 東海の銀行貸出残高の状況を見ると 全国に比べれば低水準ながら このところ前年比増加が続いている ( 図表 8) 図表 8. 国内銀行の貸出残高 ( 前年比 %) 5 4 3 2 1-1 貸出 ( 東海 3 県 ) -2 貸出 ( 全国 ) -3 1 11 12 13 14 ( 注 ) 東海 3 県 = 愛知 岐阜 三重 ( 年 月次 ) ( 出所 ) 日本銀行 都道府県別預金 現金 貸出金 ( 国内銀 (2) 家計の動向 1 個人消費東海の個人消費は 全国とほぼ同様の動きとなっている 消費税率引き上げによる駆け込み需要とその反動減がみられ その後は回復してきているが 力強さを欠いている サービス消費も含めた広義の消費の動きを表す内閣府 消費総合指数 ( 東海 ) をみると 駆け込み消費 反動減 反動減からの回復の動きが確認できる 東海での駆け込みと反動の度合いは全国と比べて振幅が大きくなっている 14 年度に入ってからの水準は 全国と同様に 11 年度後半程度に留まっている ( 図表 9) 5/16

図表 9. 消費総合指数 ( 東海 ) とQE 指数 ( 全国 ) (25 年度 =1) 114 112 11 18 16 14 12 1 98 東海 全国 96 9 1 11 12 13 14 ( 出所 ) 内閣府 MURC ( 年度 四半期 ) ( 注 ) 季節調整値 QE 指数は QEの実質値を25 年度 =1として指数化したもの 図表 1. 東海 3 県の消費総合指数 (25 年度 =1) 1 岐阜愛知 95 三重東海 3 県 9 85 8 75 7 65 6 1 11 12 13 14 ( 出所 ) 内閣府 MURC ( 年度 月 ) ( 注 ) 季節調整値 消費の動向は 賃金の動向の影響を受ける 東海の賃金動向は全国と比べて早くから相対的に良好なものとなっており 名目賃金 ( 現金給与総額 ) は 13 年 4 月以降 前年比での増加基調が続いてきている ( 図表 11) 全国の名目賃金が前年比でプラス基調となったのが 14 年度に入ってからであることを考えると かなり早くから東海の賃金は改善していたと言える このことが 13 年度に東海の消費の伸びが全国に比べて大きかった一因と考えられる ところが 13 年半ば以降 物価の上昇もあって 東海においても実質賃金は前年比でマイナスとなった 14 年 4 月の消費増税後は さらに落ち込み幅が拡大した ( 図表 12) この実質賃金の低下が足下の消費の低迷につながっていると考えられる 6/16

図表 11. 現金給与総額と所定内 所定外給与 ( 前年比 %) 1 8 6 4 2-2 ( 前年比 %) 5 現金給与総額 ( 東海 3 県 左目盛 ) 所定内給与 ( 東海 3 県 左目盛 ) 4 所定外給与 ( 東海 3 県 右目盛 ) 3 2 1-1 -4 1 11 12 13 14 ( 注 ) 東海 3 県 = 愛知 岐阜 三重 ( 出所 ) 各都道府県 毎月勤労統計調査地方調査 -2 ( 年 月次 ) 図表 12. 東海の実質賃金 ( 現金給与総額 ) ( 前年比 %) 3. 2. 1.. -1. -2. -3. -4. 東海 全国 -5. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 13 14 ( 出所 ) 毎月勤労統計 東海の数値は MURC 試算 ( 年 / 月 ) (21 年 =1) 12 11 1 99 98 97 図表 13. 全国の実質賃金 ( 現金給与総額 ) 96 95 実質賃金指数 名目賃金指数 94 1 11 12 13 14 ( 出所 ) 厚生労働省 毎月勤労統計 ( 注 ) 季節調整値 ( 年 / 月 ) 7/16

2 住宅投資東海の住宅着工は 13 年に入って消費税率引き上げ前の駆け込みにより高水準で推移した後 同年の秋頃をピークにして減少基調で推移してきた ( 図表 14) 県民経済計算の住宅投資に近い動きをするとみられる内閣府 住宅投資総合指数 をみても 東海の住宅投資は 全国と同様 11 年度第 4 四半期を底に増加基調となり 14 年度以降は減少基調となっている様子が確認できる ( 図表 15) 足下の水準は駆け込みが発生する前の 12 年度以前とほぼ同等まで低下している 図表 14. 住宅着工 ( 前年比 %) 4 3 2 1 新設住宅着工戸数 ( 季調済年率 右目盛 ) ( 万戸 ) 14 12 1 8 6-1 持家 ( 東海 4 県 ) 貸家 ( 東海 4 県 ) -2 分譲 ( 東海 4 県 ) 合計 ( 全国 ) 合計 ( 東海 4 県 ) -3 1 11 12 13 14 ( 注 ) 東海 4 県 = 愛知 岐阜 三重 静岡 季節調整は当社試算 ( 出所 ) 国土交通省 建設着工統計 4 2 ( 年 月次 ) 図表 15. 住宅投資総合指数 ( 東海 ) とQE 指数 ( 全国 ) (25 年度 =1) 95 9 85 8 75 7 65 6 55 東海 全国 5 9 1 11 12 13 14 ( 出所 ) 内閣府 MURC ( 年度 四半期 ) ( 注 ) 季節調整値 QE 指数は QEの実質値を25 年度 =1として指数化したもの 8/16

図表 16. 東海 3 県の住宅投資総合指数 (25 年度 =1) 1 岐阜愛知 95 三重東海 3 県 9 85 8 75 7 65 6 1 11 12 13 14 ( 出所 ) 内閣府 MURC ( 年度 月 ) ( 注 ) 季節調整値 3 消費者物価東海の消費者物価は全国と同様 消費税率引き上げにより高い伸び率となっているが エネルギー価格の低下も影響して上昇幅は鈍化してきている ( 図表 17) 税率引き上げの影響を除いた消費者物価 ( 除く生鮮 ) の前年比は1% 程度とみられる 図表 17. 消費者物価指数 ( 前年比 %) 4. 生鮮食品を除く総合 ( 東海 4 県 ) 食料及びエネルキ ーを除く総合 ( 東海 4 県 ) 生鮮食品を除く総合 ( 全国 ) 3. 食料及びエネルキ ーを除く総合 ( 全国 ) 2. 1.. -1. -2. 1 11 12 13 14 ( 注 ) 東海 4 県 = 愛知 岐阜 三重 静岡 ( 出所 ) 総務省 消費者物価指数 ( 年 月次 ) 9/16

(3) 政府の動向 1 公共投資 13 年度の東海の公共投資は 12 年度補正予算による経済対策の実施や 12 年度に実施予定の工事の後ずれ分もあって 4 年ぶりの増加となったと見込まれる 14 年度に入ってからも 13 年度補正予算分や 14 年度予算分の前倒し執行により 第 1 四半期の公共工事請負額は前年比大幅増で推移してきたが その後は前年比での減少が続いている ( 図表 18) 東海の公共投資は 足下では増加が一服してきていると考えられる 図表 18. 公共工事請負額 ( 前年比 %) ( 億円 ) 6 3, 4 2, 2 1, -2-1, 東海 3 県請負金額 ( 右目盛 ) -4 季調済前月比 ( 東海 3 県 ) -2, 前年比 ( 東海 3 県 ) 前年比 ( 全国 ) -6 1 11 12 13 14-3, ( 注 ) 東海 3 県 = 愛知 岐阜 三重 ( 年 月次 ) ( 出所 ) 日本銀行名古屋支店 東海 3 県の金融経済動向 保証事業会社協会 北海道建設業信用保証 ( 株 ) 東日本建設業保証 ( 株 ) 西日本建設業保証( 株 ) 公共工事前払金保証統計 図表 19. 公共投資総合指数 ( 東海 ) とQE 指数 ( 全国 ) (25 年度 =1) 1 95 9 85 8 75 7 65 東海全国 6 9 1 11 12 13 14 ( 出所 ) 内閣府 MURC ( 年度 四半期 ) ( 注 ) 季節調整値 QE 指数は QEの実質値を25 年度 =1として指数化したもの 1/16

図表 2. 東海 3 県の公共投資総合指数 (25 年度 =1) 12 11 1 岐阜三重 愛知東海 3 県 9 8 7 6 5 4 1 11 12 13 14 ( 出所 ) 内閣府 MURC ( 年度 月 ) ( 注 ) 季節調整値 2. 東海経済見通し 以上 各種経済統計の動きから東海経済の現状についてみてきた 以下では これまでの内容を踏まえた上で 県民経済計算ベースでみた東海経済の見通しについて述べる 県民経済計算の実績値は 11 年度が直近のものである このため 12 年度 13 年度の実績推計値については 内閣府 地域別支出総合指数 の東海地区の値などを利用して推計した その上で 14 年度以降について 足下までの東海地区の各種経済指標の動きなどから推計をおこなった 見通しの前提となる世界経済の動向や内外の経済対策など外部要因については 12 月 9 日公表の当社 214/215 年度経済見通し と同様のものを想定した (1) 実質域内総生産 (GRP) 14 年度の東海の実質域内総生産 (GRP) は 消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動減や物価上昇による実質所得の減少で 個人消費 住宅投資など内需が大きく減少したことが影響し 前年比 -1.7% とリーマンショックによる景気の落ち込みが続いた 29 年度以来 5 年ぶりのマイナス成長になると見込まれる 15 年度は 家計の実質所得の増加により消費が増加に転じると見込まれることや 設備投資の増加が続くことなどから 同 + 2.1% とプラス成長に転じると予想される 16 年度については 17 年 4 月に予定されている消費税率の再引き上げを前にした駆け込み需要が見込まれるため 同 +2.3% とプラス成長が続くと見込まれる ( 図表 21) 11/16

図表 21. 東海の実質 GRP ( 前年比 %) 6 4 2-2 -4-6 -8 東海 (GRP) 日本経済 (GDP) 関西 (GRP) -1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 ( 出所 ) 内閣府 予測はMURC ( 注 ) 実績は東海 関西は11 年度 日本経済は13 年度まで 実質域内総生産 (GRP) は 個別需要項目の積み上げではなく 単体で推計 GRP 総額から 別途推計した個別需要項目の値を差し引いた残差が 移出入 + 統計上の不突合 (2) 個人消費 14 年度の東海の個人消費は 前年度に生じた消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動や 物価上昇による実質所得の減少などにより前年比 -4.% と 8 年度以来 6 年ぶりの減少となると見込まれる 15 年度は 14 年度に引き続いての名目賃金の上昇や消費税率の再引き上げの延期の影響により 実質所得がプラスに転じ 実質消費も同 +2.3% と増加に転じると予想される 16 年度については 17 年度 4 月に予定されている消費税率の引き上げ前の駆け込み需要が見込まれるため 同 +2.6% と伸び率の拡大が見込まれるが 引き上げ幅が前回よりも小さいことや 自動車など高額消費については前回の駆け込み時に需要の先食いがあったと考えられるため 駆け込み需要の規模は 13 年度に比べて小さいものに留まると見込まれる ( 図表 22) 図表 22. 東海の個人消費 ( 前年比 %) 6 4 2-2 -4-6 -8 東海総合指数 ( 東海 ) 日本経済関西 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 ( 出所 ) 内閣府 予測はMURC ( 注 ) 実績は東海 関西は11 年度 日本経済は13 年度まで (3) 住宅投資 14 年度の東海の住宅投資は 前年度に生じた消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動によ 12/16

り前年比 -12.8% と大幅な減少が見込まれる 15 年度は 反動減の一巡により同 +2.% と増加 に転じると見込まれる 16 年度については 17 年 4 月に予定されている消費税率の引き上げ前 の駆け込み需要が発生するため 同 +4.5% と伸び率が拡大するが 8% への増税前に需要の先 食いが行われていたと考えられ 駆け込み需要は 13 年度にくらべて小規模なものに留まると予 想される ( 図表 23) ( 前年比 %) 15 1 5 図表 23. 東海の住宅投資 -5-1 東海 -15 総合指数 ( 東海 ) 日本経済 -2 関西 -25 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 ( 出所 ) 内閣府 予測はMURC ( 注 ) 実績は東海 関西は11 年度 日本経済は13 年度まで (4) 設備投資 14 年度の東海の設備投資は前年比 +3.% と 13 年度を上回る伸びとなり 12 年 13 年に引き続き 3 年連続で全国の伸びを上回ると見込まれる ( 図表 24) 基本的には既往設備の維持更新のための投資が中心となるが 円安の進展もあって 国内既往設備の活用に企業の目が向くようになることは 維持更新投資を促すことにつながると考えられる 15 年度については同 +3.7% 16 年度は同 +3.9% と前年比での増加が続くと見込まれる 図表 24. 東海の設備投資 ( 前年比 %) 15 1 5-5 -1-15 -2 東海総合指数 ( 東海 ) 日本経済関西 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 ( 出所 ) 内閣府 予測はMURC ( 注 ) 実績は東海 関西は11 年度 日本経済は13 年度まで 13/16

(5) 公共投資 14 年度の東海の公共投資は 前年比 +1.2% と 2 年連続での増加が見込まれる ( 図表 25) 公 共工事総合指数の動きは 14 年度に入って大きく落ち込んでいるが 14 年度に開始された工事 に それ以前に開始された工事の進捗分が加わるため 引き続き前年比で増加となる 15 年度 については 追加の経済対策による公共工事の増加が想定されるものの 過年度の経済対策の押 し上げ効果のはく落により 同 -1.3% と 3 年ぶりに減少となると見込まれる 16 年度も過年度 の経済対策の押し上げ分のはく落で同 -3.4% とマイナス幅が拡大し 2 年連続での減少となる だろう ( 前年比 %) 15 1 5-5 -1-15 -2-25 図表 25. 東海の公共投資 東海総合指数 ( 東海 ) 日本経済関西 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 ( 出所 ) 内閣府 予測はMURC ( 注 ) 実績は東海 関西は11 年度 日本経済は13 年度まで (6) 政府消費東海の政府消費については 全国とほぼ同様の推移になると想定した 予測期間中の伸び率は 14 年度は同 +.4% 15 年度は同 +1.3% 16 年度は+1.3% と増加基調での推移を見込んでいる ( 図表 26) 図表 26. 東海の政府消費 ( 前年比 %) 4 3 2 東海日本経済関西 1-1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 ( 出所 ) 内閣府 予測はMURC ( 注 ) 実績は東海 関西は11 年度 日本経済は13 年度まで 14/16

(7) 輸出入 < 参考 > 本見通しでは 県民経済計算 (25 年基準 ) の表象形式にあわせて 統計上の不突合を含んだ移出入のネットの値の予測値のみを算出している 1 ( 巻末 見通し総括表参照 ) 県民経済計算ベースでは 輸出 輸入のそれぞれの数字は公表されないため 本見通しにおいても 個別の数字の算出はしていない ここでは 参考までに 輸出数量と輸入数量の実績と予測値の推移のグラフを掲載しておく 2 輸出数量については 世界経済の緩やかな回復を背景に増加傾向の推移を見込んでいる ( 図表 27) 図表 27. 東海の輸出数量と輸入数量 (21 年 =1) 輸出数量 (21 年 =1) 輸入数量 13 12 11 全国東海 13 12 11 全国東海 1 1 9 9 8 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 ( 出所 ) 財務省 予測はMURC 8 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 ( 出所 ) 財務省 予測はMURC 1 県民経済計算は 25 年基準より表象形式の変更があり 移出入については 輸出入 統計上の不突合も含んだネットの数字のみ公表されることとなった 県によっては 移出入のうちの輸出入の内訳を公表しているところもあるが 東海 3 県のすべての県で公表しているわけではないため 県民経済計算ベースでの東海の輸出 輸入の数字は知ることができない状態となっている 2 名古屋税関管内通関統計ベースの輸出数量 輸入数量を延長した サービスの輸出 輸入は含まれていない 15/16

図表 28. 東海経済見通し総括表 ( 前年比 :%) 211 年度 212 年度 213 年度 214 年度 215 年度 216 年度 ( 東海 : 実績 ) ( 東海 : 実績推計 ) ( 東海 : 実績推計 ) 実質 GRP 東海.9 1.8 3.1-1.7 2.1 2.3 全国.4 1. 2.1 -.8 1.5 1.6 個人消費 東海.7 1.5 3.2-4. 2.3 2.6 全国 1.4 1.8 2.5-2.7 1.5 1.8 住宅投資 東海.5.9 1.2-12.8 2. 4.5 全国 3.2 5.7 9.3-11.7 2.2 9.7 設備投資 東海 2.9 3.3 4.9 3. 3.7 3.9 全国 4.8 1.2 4. 1. 3.6 3.1 在庫投資 ( 寄与度 ) 東海.3.1 -.4.4 -.1 -. 全国 -.2. -.5.4 -.2 -.1 政府消費 東海 2.5 1.2 1.6.4 1.3 1.3 全国 1.2 1.5 1.6.5 1.1 1.1 公共投資 東海 -6.8-5.1 4.7 1.2-1.3-3.4 全国 -3.2 1. 1.3 1.6 -.4-7.8 移出入 ( 寄与度 ) 東海 -.4.4.3 -..1.1 純輸出 ( 寄与度 ) 全国 -1. -.8 -.5.5. -.1 ( 参考 ) 輸出数量 東海 9.7 1.1 -.1.8 2.3 1.6 全国 -5.3-5.8.6.6 1.8 1.5 名目 GRP 東海 -.1 1. 2.5.6 2.9 2.6 全国 -1.3.1 1.8 1.8 2.3 1.8 GRPデフレータ ( 固定年基準方式 ) 東海 -1. -.8 -.6 2.3.8.3 ( 連鎖方式 ) 全国 -1.7 -.9 -.3 2.6.8.2 ( 出所 ) 内閣府 財務省 予測はMURC ( 注 ) 移出入 ( 関西 ) は 統計上の不突合を含む 輸出数量は通関統計ベースのものであり サービス輸出は含まない - ご利用に際して - 本資料は 信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが 当社はその正確性 完全性を保証するものではありません また 本資料は 執筆者の見解に基づき作成されたものであり 当社の統一的な見解を示すものではありません 本資料に基づくお客様の決定 行為 及びその結果について 当社は一切の責任を負いません ご利用にあたっては お客様ご自身でご判断くださいますようお願い申し上げます 本資料は 著作物であり 著作権法に基づき保護されています 著作権法の定めに従い 引用する際は 必ず出所 : 三菱 UFJリサーチ & コンサルティングと明記してください 本資料の全文または一部を転載 複製する際は著作権者の許諾が必要ですので 当社までご連絡下さい 16/16