第 3 学年 1 組理科学習指導案 平成 17 年 11 月 22 日 ( 木 ) 第 5 時限場所第 2 理科室指導者教諭林幸康 1. 単元名 豆電球にあかりをつけよう (10 時間完了 ) (1) 単元目標 1 乾電池や豆電球, 導線などを使い, 電気を通すつなぎ方や電気を通すもの調べを意欲的に行うことができるようにする 2 さまざまな実験場面における豆電球が点灯するかしないかの比較から, それらの違いを考えるとともに, 電気回路や電気を通すもの通さないものについて自分なりのイメージを持つことができるようにする 3 電気を通すつなぎ方や電気を通すもの調べの実験を, 豆電球や乾電池, 導線などを適切に使い行うとともに, その結果を分かりやすく記録することができるようにする 4 電気回路の仕組みや電気を通すもの通さないものの存在について理解するとともに, 科学の世界の楽しさを実感できるようにする (2) 単元構想 先生! 太陽がどんどん動いてるよ!! 前単元 太陽の動きと光のはたらきを調べよう において, 太陽の動きを影の記録によって調べる実験中に子どもが発した言葉である 3 年生になり初めて理科を学習してきた子どもは,2 学期に初めて実験に取り組んだ 時間とともに影の動きが明確に分かるこの実験は, 普段当たり前に見てきた太陽や影に対する見方を大きく変えた 身近な現象を科学的にとらえることの面白さを実感したのである そこで, このように科学の扉を開き一歩を踏み出した子どもに, 一人一人が実験器具を操作することができ, 実験結果が明快で, 生活の中になじんでいる電気をあつかう本単元を設定することで, 科学の面白さをより実感してもらいたいと考えた 本単元 豆電球にあかりをつけよう は, 豆電球を点灯させるという活動を通して, 電気回路の基本的な仕組みや電気を通すもの通さないものの違いといった内容を学習する これらは, この先の学年において学習していく電気に関する科学的な見方考え方の基本を養う内容といえる それだけに, 知識を与えるのではなく, 豆電球, 電池, 導線を使った子どもなりの実験にたっぷりと浸らせることで, 電気に対するイメージを体感的に膨らませたいと考える 本学級は, 好奇心旺盛で活動的ではあるものの雑さの目立つ男子とやさしく面倒見はよいものの積極性に欠ける女子によって構成されている そこで, 初めての実験である太陽の動き調べでは, 男子と女子をペアにし 2 人 1 組で実験に取り組ませた その結果, 男子は, 実験結果を正確に記録することの大切さを, 女子は, 結果に対する発想豊かな考え方をそれぞれ学んだ ただ, 実験のすべてを一人で行ってこそ自分なりのイメージを大きくすると考えると, 物足りなさも感じた そこで, 本単元においては, 一人一実験を基本に, 電気の世界とじっくり向き合わせることで, 一人一人に電気に対する科学的な見方考え方を育むことができたらと考えている 本単元の導入では, 箱の上に出た豆電球にあかりをつける教師演示を行う 普段, 当たり前に電灯をつけている子どもは それぐらいできる という思いから 自分もつけてみたい と興味を示すであろう そこで, 箱の中から, 材料である電池とソケット付導線を出す そして, 一人に一つ豆電球, 電池, ソケット付導線を配付し, 早速自由に取り組ませる 子どもは豆電球をつけることに夢中になるであろうが, 電気を通すつなぎ方を考えさせるためには, つかない場合との比較が欠かせない そのため, ワークシートには, 豆電球がつかないつなぎ方を書くスペースを多く用意しておき, つかないつなぎ方を調べる実験意欲を支えていきたい 豆電球がついたつなぎ方とつかないつなぎ方との比較から, 電気回路の仕組みをまとめたところで, 電気回路に対するイメージをより明確にするために, 長い導線で作った回路を示し, 子どもに揺さぶりをかける さらに, 他にもつくか心配な回路を子どもから引き出し, 実際に実験に取り組ませたい その結果から, 回路ができていればつくという認識が深まるにちがいない こうして, 豆電球をつけることに自信を持った子どもに, 銅線部分が出ていないソケット付導線を配付する つくはずの回路でつかない結果から, 子どもは, 銅線部分が出ていないことに着目し, 電気を通さない部分があることを発見するであろう そこで, 電気を通すものと通さないものを調べよう という問題を軸に, 実験に取り組ませる ここでの活動は, 豆電球, 電池, 導線付ソケットがばらばらの状態では取り組みにくい そのため, 子どもはもっと実験をしやすい状態にしたいと考えるにちがいない そこで, 簡易テスターを紹介する この簡易テスターを使うことで, 子どもは, より多くの電気を通す物と通さない物を見つけてくるであろう その結果を話し合うことで電気を通す物と通さない物の違いは解決されるにちがいない 最後に単元のまとめとして, 豆電球を使ったおもちゃ作りに取り組ませる 簡易テスター作りを経験している子どもは, 自分なりの発想で作ることができるおもちゃに大いに興味を示すであろう また, 国語の時間を使って自分のおもちゃを紹介する時間を用意することで, おもちゃ作りに対する意欲をさらに高めるであろう 本単元をくぐりぬけた子どもが, 日常の生活のさまざまな事象に対して, その不思議さや巧みさを感じながら, 科学的な見方考え方をさらに育んでいってくれることを期待している 授業 48-1
(3) 単元計画 (11 時間完了 ) 数字 : 時間数 子供の思い 願い どうやってつけてるんだろう? 電気をつけるくらい簡単だ 導線はどこにつなげばいいんだろう 簡単につけれたよ 豆電球がつくときは, 豆電球と導線と電池が輪 ( 回路 ) になってるよ 導線がこんなに長いと電気はつかないよ 回路になってるからつくよ 導線がぐちゃぐちゃになってたらどうだろう 豆電球が高いところにあったらどうかな 豆電球の点灯 豆電球 ソケット付導線 電池の提示 豆電球にあかりをつけてみたい!! 豆電球がつくつなぎ方 豆電球にあかりをつけてみよう 3 意欲の持続化豆電球がつかないつなぎ方 比較 電池の + 極 - 極の説明 回路についての説明 ソケットなしで作る回路の提示 回路をつくれば豆電球にあかりをつけることができるんだ 長い導線で作った回路の提示 他にも心配な回路はないだろうか? 教師支援 既習経験を掘り起こす演示 自由試行の時間の十分な確保 ワークシートによる追究 うまく操作できない子への個別支援 既習知識への揺さぶり 回路に対するイメージの把握 1 つのわになっていればどんなときでも豆電球に明かりはつくのだろうか?1( 本時 1/1) 導線がぐちゃぐちゃになった回路導線がすごく長い回路豆電球が高い場所にある回路 どんなに長い距離でもつくんだ 迷路になってても大丈夫 水の流れとはちがうね きちんと回路になっていれば豆電球はつくんだ いろいろな線で回路をつくってみよう 1 回路に対するイメージの深化 既習知識への揺さぶり 銅線部分の出ていない導線磨いていないエナメル線針金アルミ箔毛糸 電気が流れない線があるんだよ どんなものが電気を通さないのかな 導線をつなぐのが難しくなった もっと簡単にできないかなあ 電気を通すものは全部金属みたいだよ 金属でも塗料とかが塗ってあると通らないよ 豆電球を使ったおもちゃは面白そうだぞ 面白いおもちゃができたよ みんなにも紹介したいな 回路にしてもあかりがつかないものがあるぞ 電気が流れるもの流れないものを調べよう 4 豆電球と導線と電池がばらばらだと調べにくいなあ 簡易テスターの提示 簡易テスターを使った実験活動 電気を通すもの 電気を通さないもの 比較 電気を通すものと通さないものの違いが分かったよ! 豆電球を使ったおもちゃの紹介 学習したことをうまく使えば, 楽しいおもちゃが作れそうだぞ 豆電球を使ったおもちゃを作ろう 2 材料の確保おもちゃの発表会を開こう ( 国語 ) 話し合いの場の設定による問題意識の熟成 実験器具改良へのきっかけづくり 一人調べの時間の十分な確保 うまく操作できない子への個別支援 おもちゃ作りへの意欲化 自由な発想の保障 うまく発想できない子への個別支援 発表の場の確保 授業 48-2
2. 本時の学習 (1) 本時の目標 1 長い導線などを使ってつくるさまざまな回路についての実験の結果とソケット付導線だけで作った回路での結果とを比較し, 形や長さに関係なく回路になっていれば豆電球に明かりがつくということがわかるようにする 2 エナメル線を使って, いろいろな回路を正確に組み, 実験を行うことができる (2) 展開段階学習活動教師の支援 導入 (8) \/ 展開 (27) \/ 終末 (10) 1. 前時までの学習の確認 豆電球がつくつなぎ方 回路の仕組み 2. 実験内容の想起みんなが心配になったつなぎ方を思い出そう 具体物を提示しながら1つの輪になっている様子を見せることで, 本時の支えとなる回路の仕組みを確認する 実験への意欲化を図るために, クラスで問題となった回路を発表させるととも 導線がすごく長い回路 導線がぐちゃぐちゃになった回路 に, 回路図を黒板に貼付する 実験の確実に結線できるようにビニール 豆電球が高い場所にある回路 etc. コードの扱い方について説明する 3. 学習課題の確認 ( 前時に提示 ) 学習課題の確認のため黒板に板書する 心配なつなぎ方でも明かりがつくか調べてみよう 4. 予想 実験 自分なりの予想をしよう 導線が長いのは電気がとどかなくてつかない すべて1つの輪になっているからつくにちがいない グループごとに実験を始めよう 机上に準備された実験器具 ( 豆電球 ソケット付導線 電池 両端の銅線部分を出し適当な長さに切ったビニールコード ) を使用 5. 結果の記入 結果をワークシートにまとめ, 自分の考えを記入する どんなに長い導線でもちゃんと電気はとどくんだ 迷路みたいな導線も電気は通っていく 電気は水とちがって上にものぼってく やっぱり1つの輪だから全部つくんだ 6. 結果と考えの発表結果と考えを発表する 7. まとめ明かりのつくつなぎ方についてまとめよう 豆電球に明かりがつくつなぎ方は, その形や長さなどに関係なく,1つの輪になっていれば豆電球にあかりをつける 8. 感想今日の授業の感想を書こう 実験の結果に見通しを持たせるために, 結果の予想とともに理由をワークシートに記入させる 実験への意欲を減退させないよう, 理由の記入に困っている子には, 無理に書かなくてもよいことを助言する 実験の不備によるグループ毎の結果の食い違いが生まれないよう, 机間指導によって, 各グループの回路を確認する ex.) 導線とビニールコードのつなぎ目電池とビニールコードのつなぎ目豆電球のソケットへのはめ方 実験結果をもとに考えることができるようにするため, 結果についてわかったことなどを記入するよう助言する クラス全体の実験結果を把握するために, 白紙の座席表に, グループ毎の結果をまとめておく 回路の認識を深めるために, 前時 ( 豆電球がつくつなぎ方 ) の結果とを比較して記入するよう助言する まとめとして, 子どもが実験に使った回路よりもさらに長い回路を用意し, 豆電球をつける演示実験を行い, 定着をはかる (3) 評価 1 クラスで問題になった回路の実験結果から, 明かりがつくわけを自分で考えて書くことができたか ( 学習活動 5 のノート記録や学習活動 6 の話し合いの様子から ) 2 グループで協力し, 問題となる回路を組み, 正確な実験結果を出すことができたか ( 学習活動 4 の実験の様子から ) 授業 48-3
授業 48-4
授業 48-5
授業 48-6
授業 48-7