平成 28 年度 児童 生徒の学力向上を図るための調査 及び 全国学力 学習状況調査 の調査結果に基づく 課題及び授業改善のポイント 葛飾区立渋江小学校 国 語 結果と分析 東京都 児童 生徒の学力向上を図るための調査 国語 ( 第 5 学年 ) 本校 74.1 55.0 71.3 東京都 76.5 61.8 74.3 差 - 2.4-6.8-3.0 授業改善のポイント すべての書く学習活動において 既習の漢字を正確に書くように意識させる 読む活動では音読したり暗唱したりする言語活動を取り入れ 児童が語感や読んだ響きなどから言葉についてイメージを豊かに膨らませることができるようにする また 自らがイメージした情景を他者に分かりやすく伝えられるよう 説明する時の文章の構成や比喩などの表現方法を指導する A(18~20 問 ) B(16~17 問 ) C(13~15 問 ) D(0~12 問 ) 本校 16 25 35 24 差 -9 ± 0 +10-1 正答数分布では 学力分布層の C 層 D 層に約 55 % の児童が属している ただし 最も上位の A 層は 16% となっており 授業中の個別指導や放課後の補充学習で支援を続けてきた成果と考えられる 都の平均正答率に比べて 本校の平均正答率は 3% 下回っている A 教の内容 では 全体として 書く能力 及び 言語事項の知識 理解 に課題がみられる これらの能力の向上を図るために 漢字の学習 熟語の意味 指示語 つなぎ言葉 について立ち戻る指導を行う必要がある 物語的文章を読む際には 登場人物の関係や表現 叙述の工夫 作者の視点など検討の観点を明確にした読み取りや読み深めを行う 主語述語の関係については 区別して指導する 主語に 何は ( が ) 誰は ( が ) があてはまること 述語は動きや様子 性質を表す言葉であることなどを理解できるよう指導する その際 視覚的に捉えやすいようにカードやワークシートを活用したり グループやペアで理由を添えて説明し合う場を設けたりする 目的や意図を明確にした短作文を書く活動を継続して行い 事実や感想 意見の書き分け方や接続語や指示語の適切な使い方など具体的に指導する また 作品を交流する言語活動を充実する B 読み解く力 では 特に 意図や背景 理由を理解 解釈 推論して解決する力 に課題がみられた しかし一方で この力については正答率の個人差が大きい傾向もみられる 資料から読み取った内容をもとに推論する際 その考えが適切かどうかを叙述に戻って検証することについて理解の差があるためと考える 理や社会 総合的な学習の時間において ひとつの資料から分かることや それだけでは分からないことなどを話し合う活動を重ねる また 児童が自ら資料をまとめる活動を行い 資料の意図 目的 構成 長所や短所などについて理解を深めることができるようにする
全国学力 学習状況調査 国語 ( 第 6 学年 ) 国語 A 主として知識話す 聞く 書くこと 読むこと 本校 81.5 64.8 75.9 69.3 全国 72.9 72.8 78.5 72.9 差 +8.6-8.0-2.6-3.6 国語 B 主として活用話す 聞く 書くこと 読むこと 全体 本校 51.9 46.0 65.4 55.4 全国 51.1 53.4 69.3 57.8 差 +0.8-7.4-3.9-2.4 説明的な文章を読む際には 中心となる語に着目させる またその文の内容が事実であるのか 感想や表現であるのかなど 区別して捉えることができるように指導する その際は指示語や接続語 文末表現に注目するようにする 疑問や課題を解決する方法を自ら考える活動を充実する 示されたいくつかの方法から選んだり 方法の一部を自分で考えたりすることも有効と考える そのことで 目的に応じた話合いや読書活動を行う有効性や技能 ( 話し合った内容の整理の仕方 効果的な調べ活動の進め方 ) について理解が深まるようにする 取材した事柄を記事にして書く際 伝えたいことの中心を明確にし 自分で調べた内容や関係者に取材した事柄の中から取捨選択する指導を行う また 聞いて分かったことや 感じたことをメモする方法について具体的に指導する 全国の平均正答率に比べて 本校の正答率は 話すこと 聞くこと の領域以外は 少し下回っている 記述式の問題形式の正答率が低いが 無回答率は概ね下回っており あきらめないで取り組んでいる様子がうかがえる A 知識 の結果からは 漢字を書く設問の正答率が 全国平均より低い 無回答率はほとんど全国平均より低くこれまでの授業改善の成果であると考えられる しかし 書き手の表現の仕方をよりよくするために助言する の設問で正答率に課題が残った B 活用 では 話し手の意図を捉えながら聞き 話の展開に沿って質問する 目的や意図に応じて 表を基に自分の考えを書く の解答に課題があった 文章から適切な内容を書き抜く記述式の問題では 無解答率が他の設問より高い
算 数 東京都 児童 生徒の学力向上を図るための調査 算数 ( 第 5 学年 ) 本校 61.3 34.7 56.2 東京都 67.7 42.9 62.9 差 - 6.4-8.2-6.7 A(25~31 問 ) B(20~24 問 ) C(15~19 問 ) D(0~14 問 ) 本校 17 29 20 34 差 -8 + 4-5 + 9 生活場面に結びつけて分数で表す有効性を考える機会を設け 日常的に分数を用いるよう意識付ける その際に分母や分子の意味や分数どうしの比べ方について確認するようにする 単位量当たりの大きさでは どちらを単位量として設定しているかについて確認し 言葉の式を活用しながら式の意味や求めた数値の内容を明確にする指導を重ねる また 数直線や図に表して数値の意味理解や比較を視覚的に行えるようにし 単位量当たりの大きさを求める有効性を理解するようにする 正答数分布では 一番正答率の低い D 層に全体の 3 割以上が含まれている D 層と B 層を頂点とした二極化傾向がみられる 平均正答率より低い C 層と D 層を合わせた割合は 54% であり 半数以上であるが 昨年度より 9% 減少している 習熟度別少人数指導により 中下位層の児童に学習内容の定着が見られる 習熟度別少人数指導の効果が出てきている 比較量と割合については 数量の関係が比較的容易な場面 ( 割合 50% など ) から段階的に基準量と比較量との大きさの関係を捉えるようにする また 数量の関係を数直線や図などに表して基準量と割合から比較量を求める式を考える活動に重点を置くようにする A 教の内容 では 全体として 数量や図形についての技能 及び 数量や図形についての知識 理解 に課題がみられる 整数の表し方 小数のかけ算 わり算 四則計算の順序 複合図形の面積 の内容において立ち戻る指導を行う必要がある B 読み解く力 では 必要な情報を正確に取り出す力 意図や背景 理由を理解 解釈 推論して解決する力 比較 関連付けて読み取る力 に課題がみられる 図をもとに二数の関係を立式したり 規則性をもとに必要な個数を求めたりする際に 求めた答が適切かどうかを図に戻って点検する意識が希薄な児童が多かったと考える グラフの読み取りでは他教の学習でもグラフ資料から分かることを考える活動を行い グラフから適切な内容を読み取る経験を重ねるようにする 立体図形の見取図や展開図を描いたり展開図を組み立てて立体図形を構成したりする作業的 体験的な算数的活動を充実する 経験をもとに辺や面 頂点などの構成要素の個数や面の形 辺や面の平行 垂直の関係を捉えるようにし 併せて体積の概念についても感覚的に理解できるようにする 判断したことや結論を出したことをそのままにせず 目的や条件に沿ったものかどうかを点検するよう習慣づける また 考えを順序立てて説明する表現の仕方を指導する 具体的には 内容を示す順番や接続語の適切な使い方について振り返り 助言する
全国学力 学習状況調査 算数 ( 第 6 学年 ) 算数 A 主として知識数と計算 量と測定 図形 数量関係 本校 78.1 72.2 75.9 64.8 全国 80.5 78.5 78.8 68.5 差 +2.4-6.3-2.9-3.7 問題文や資料から考えるべきポイントを正しく読み取る力が必要である そのために 漫然と書かれていることを読むのではなく アンダーラインを引いたり書き込みをしたりするなど 書きながら読む 方法を助言する 記述式問題への 無解答 を改善するために ペアやグループで話し合う場を設ける等 言語活動の充実を図り 自分の考えを表現する力を身に着けさせる 算数 B 主として活用数と計算 量と測定 図形 数量関係 本校 44.1 44.1 35.2 46.3 全国 44.4 43.7 36.3 42.9 差 -0.3 +0.4-1.1 + 3.4 本校の正答率は A 問題 も B 問題 も全国の平均正答率に比べて あまり差がなく 上回っている領域もある 記述式の問題形式の正答率が低いが 無回答率は概ね下回っており あきらめないで取り組んでいる様子がうかがえる A 知識 の結果からは 漢字を書く設問の正答率が 全国平均より低い 無回答率はほとんど全国平均より低くこれまでの授業改善の成果であると考えられる しかし 書き手の表現の仕方をよりよくするために助言する の設問で正答率に課題が残った B 活用 では 話し手の意図を捉えながら聞き 話の展開に沿って質問する 目的や意図に応じて 表を基に自分の考えを書く の解答に課題があった 文章から適切な内容を書き抜く記述式の問題では 無解答率が他の設問より高い
A 知識 では 1 より小さい数でわった時のわられる数と商の関係 少数の大小関係 単位量当たりの大きさを求める立式 百分率を用いた図に当てはまる数値を組み合わせる などの設問で課題が見られた 一方で 分数 整数の計算 立体図形の辺や面のつながりや位置関係 の設問では理解が定着していた B 活用 では 基準量 比較量 割合の関係 図形の性質の活用 等の設問で大きな課題が残った 示された説明を解釈し 用いられている考えを別の場面に適用する 設問や 示された除法の式並べた形に関連付け 角の大きさを基に式の意味を説明する 設問も正答率が大幅に低い これらの多くは記述式の問題形式であり 無解答率が他の設問よりかなり高い 理 東京都 児童 生徒の学力向上を図るための調査 理 ( 第 5 学年 ) 本校 57.5 55.8 57.1 東京都 63.5 59.2 62.4 差 - 6.0-3.4-5.3 A(19~25 問 ) B(16~18 問 ) C(13~15 問 ) D(0~12 問 ) 本校 13 20 37 29 差 -12-5 +12 + 4 正答数分布では CD 層の割合が約 66% となり 課題が多いことが明らかである 振り子時計の進み方 では実験の結果から結論を導き出してまとめを行うだけでなく 生活場面に結論を当てはめたり 生活の中で使われている道具の仕組みに着目したりして考えられるようにさせる 例えば メトロノームについている重りを変えることで テンポが変わることを学習活動に組み入れることで 学習内容が定着するようにする 電磁石と磁石の退け合い では 自然の性質や規則性を適応したものづくりを行ったり 学的な言葉や概念を使用して考えたりする機会を設定する ものづくりの際には どのような性質や仕組みを利用するのかを明確にした設計図や完成予想図などを作成し 実際に操作しながら行う そして 電磁石や磁石のどのような性質を利用して製作したかについて 説明をすることによって学習内容が定着するようにする
A 教の内容 では 思考 判断 表現 自然現象についての知識 理解 に課題がみられる 電気を通すもの 通さないもの や { 電流の回路と電池のつなぎ方 自然事象についての知識 理解 などの設問の正答率が低かった 器具の名称については 名称を正確に理解していることが必要となる 教師が使用の目的や器具の用途を明らかにし 具体的な操作方法を示すし 児童が実際に操作を行うことで 実験 観察内容への実感が伴う理解ができるようにする B 読み解く力に関する内容 では 意図や背景 理由を理解 解釈 推論して解決する力 必要な情報を正確に取り出す力 比較 関連付けて読み取る力 の設問の正答率が低かった 顕微鏡の操作方法 では 単なる作業としてだけでなく 自然の事物 現象を観察する中で 対象や目的に応じて意図的に操作させ身に付けるようにする 例えば 児童が実際に操作する時間を確保した上で 演示物の顕微鏡で見えている様子をテレビモニターに映しながら それぞれの操作によって見えている様子がどのように変わるのかを捉えられるようにする 関心 意欲 態度 では 4 教のうち 最高の 92.2% で 都の平均と 2.4% しか変わらない この意欲を上手に活かして 授業に向かわせ 学習理解を確実に行うようにする グラフの読み取りでは他教の学習でもグラフ資料から分かることを考える活動を行い グラフから適切な内容を読み取る経験を重ねるようにする 特に理では 数値の単位や増減の度合いを丁寧に読み取り 生活経験をもとに事象の変化を具体的にイメージできるようにする 児童に 観察や実験の目的意識をしっかりともたせ さらに 興味 関心を高めていく 実験の考察を友達同士で交流する場を設け 学的な思考力を伸ばすとともに 学習のまとめを児童とともにつくり上げ 知識 理解の定着を図る
社 会 東京都 児童 生徒の学力向上を図るための調査 社会 ( 第 5 学年 ) 本校 68.7 62.0 67.0 東京都 72.9 71.7 72.6 差 - 4.2-9.7-5.6 A(20~23 問 ) B(18~19 問 ) C(14~17 問 ) D(0~13 問 ) 本校 24 13 30 33 差 -1-12 + 5 + 8 正答数分布では CD 層の割合が約 63% となり 課題が多いことが明らかである 掲示した大型地図や地図帳を使う機会を日常的に設け 児童が地図の扱いに慣れるようにする 他教の学習や朝の会のスピーチの時などにも地図をもとに位置の確認や東京から見た方位や距離などを正確に捉えることを指導する 資料を読み取る場面では 5W1H の視点から いつですか なにがありましたか など具体的な発問や指示を行い 児童が必要な情報を取り出す経験を重ねる また 目的に応じて年表や新聞記事 掛図といった様々な資料から情報を読み取る機会を充実する 様々な情報を自ら集め 比較 関連付けて分かった事実を説明する活動を充実する その際に 目的や手段 原因と結果 との関係から事実を捉え つまり ~ たとえば ~ などの言葉を使って説明するようにする 理や総合的な学習の時間でも事実を説明する活動を充実する A 教の内容 では 社会的な思考 判断 表現 社会的事象についての知識 理解 では基礎的な内容が定着していないことがうかがえた 日本の都道府県の名前と場所の正答率が 41.0 % である 立ち戻って繰り返し指導を行う必要がある B 読み解く力 では 全体として 必要な情報を正確に取り出す力 意図や背景 理由を理解 解釈 推論して解決する力 に課題がみられる 資料から分かることを説明する最適な文章を選ぶ際に 記述されている内容を区切りながら丁寧に確認したり資料をもとに言い切れる内容かどうかを検証したりする姿勢が求められる