住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

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注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

基本資料1-平成25年税制改正ポイント(表紙).pdf

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

2015 年 1 月いよいよ施行! 相続税増税の影響と対策 Part 1 相続税はどう変わる? 影響は? Part 2 相続税の負担を軽減するには?

未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ

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平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

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Japan Tax Newsletter

1 個人所得課税 現行の所得税の税率構造に加えて 課税所得 4,000 万円超について 45% の税率を設けます 日本版 ISA を創設します ( 最大 500 万円の少額上場株式等の非課税投資を可能とする措置 ) 金融所得課税の一体化を拡充します ( 公社債等の利子及び譲渡損失と上場株式等に係る所

1. 相続税 (1) 基礎控除額の引き下げ 1) 改正の趣旨現在 ( ) の相続税の仕組みは 下図の通りです すなわち 合計課税価格から 基礎控除額を除いた課税遺産総額が相続税の計算の対象となるため 合計課税価格が基礎控除額の範囲内である場合には 相続税が課税されません その結果として 現状の相続税

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

2. 二世帯住宅と特定居住用宅地等 [1] 区分所有なし : 外階段 / 親族が取得する場合 Q. 被相続人 A が所有する宅地の上に A の所有する建物があり 1 階に A が居住し 2 階に子 B とその家族が居住しています ( 建物内部では行き来ができない構造 ) A と B は別生計です こ

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

税制改正を踏まえた生前贈与方法の検討<訂正版>

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

相続人の居住用または事業用の宅地については2 割または5 割評価にするという小規模宅地等の評価減の特例があるが 平成 22 年度税制改正により 原則として申告期限まで居住または事業を継続していなければ適用が認められなくなっている 今回 基礎控除額が引き下げられることと合わせ 都市部の独居老人が亡くな

2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

以下本人の給与収入速報 平成 29 年度税制改正解説所得課税 ~ 配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し 2 配偶者の給与収入が 万円超 15 万円以下の場合の改正案の控除額及び改正前後の影響について 配偶者特別控除 配偶者の給与収入 万円超 15 万円 15 万円以上 11 万円 11 万円以上 1

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

(2) 父母 ( 祖父母 ) から子 ( 孫 ) への住宅取得等資金の贈不 父母 ( 祖父母 ) など直系尊属から その子 ( 孫 ) へ居住用の家屋の新築 取得または増改築のための金銭 ( 住宅取得等資金 ) を贈不した場合 表の通りの金額について贈不税が非課税となります また 贈不税の基礎控除

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

経 ViewPoint 営相談 相続時における小規模宅地等の特例の改正 谷口敬三相談部東京相談室 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 ( 以下 小規模宅地等の特例 ) は 一定の要件を満たす宅地等 ( 特定事業用等宅地等 特定居住用宅地等 貸付事業用宅地等 ) につ

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

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Microsoft Word - 第67号 来年からの贈与税改正と相続時精算課税を選択する際の注意点

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

平成23年度税制改正の主要項目

平成16年版 真島のわかる社労士

このうち 申告納税額がある方 ( 納税人員 ) は640 万 8 千人で は41 兆 4,298 億円 申告納税額は3 兆 2,037 億円となっており 平成 28 年分と比較すると 人数 (+0.6%) (+ 3.4%) 及び申告納税額 (+4.6%) はいずれも増加しました 所得者区分別の状況イ

平成 25 年度 税制改正 個人所得課税 3 所得税の最高税率の見直し 日本版 ISA の創設及び金融所得課税の一体化の拡充 住宅税制 復興支援のための税制上の措置 資産課税 8 相続税の基礎控除の引下げ及び税率構造の見直し等 贈与税の見直し 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設 事業承

(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

第 5 章 N

平成 25 年度 税制改正 個人所得課税 3 所得税の最高税率の見直し 日本版 ISA の創設及び金融所得課税の一体化の拡充 住宅税制 復興支援のための税制上の措置 資産課税 8 相続税の基礎控除の引下げ及び税率構造の見直し等 贈与税の見直し 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設 事業承

Microsoft Word - FP2級法改正情報 doc

法人税 結婚 子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設教育資金贈与の見直し非上場株式等に係る贈与税 相続税の納税猶予制度の見直し法人税率の引き下げについて 個人 (20 歳以上 50 歳未満の者に限る 以下 受贈者 という ) の結婚 子育て資金の支払に充てるためにその直系尊属 ( 以下

住宅取得等資金贈与の非課税特例 教育資金一括贈与の非課税特例 結婚 子育て資金贈与の非課税特例 相続時精算課税制度 贈与者 贈与年の 1 月 1 日現在で 60 歳以上の父母または祖父母 受贈者 贈与者の直系卑属 ( 子 孫 ひ孫等 ) で贈与の年の 1 月 1 日現在 20 歳以上 受贈年の合計所

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

税法入門コース 相続税 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 4 回 第 4 回 第 1 章 第 2 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 4 章 第 5 章 テーマ 1 相続税 贈与税とは? テーマ 2 用語の説明 テーマ 1 相続人となれる人は? テ

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

所令要綱

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

スライド 1

5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

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投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

目次 平成 25 年度税制改正の概要... 3 第 1 章個人所得税... 3 (1) 所得税の最高税率引上げ... 3 (2) 金融関係税制 上場株式等の配当 譲渡所得の軽減税率廃止 公社債等に係る利子 譲渡所得の申告分離課税 株式等に係る譲渡所得等の分離

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<ライフプランニング>

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消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

平成27年度税制改正要望結果について

スライド 1

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(0830時点)PR版

(3) 年金所得者公的年金等の収入金額が400 万円以下であり かつ その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合において公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20 万円以下である場合には 確定申告の必要はありません また 上記 (2) 又は (3) に該当する方であっても 医療費控除や住宅借入金

2. 控除の適用時期 Q. 12 月に取得した自宅の所在地に 年末までに住民票を移しましたが 都合で引っ越しが翌年になってしまった場合 住宅ローン控除はいつから受けることになりますか A. 住宅ローン控除の適用を受けるためには 実際に居住を開始することが必要です したがって 住民票を移した年ではなく

Ⅲ.( 見直し ) 基礎控除基礎控除について 次の見直しを行う 1 控除額を一律 10 万円引き上げる 2 合計所得金額が 2,400 万円を超える個人についてはその合計所得金額に応じて控除額が逓減し 合計所得金額が 2,500 万円を超える個人については基礎控除の適用はできないこととする 上記の見

1 生命保険料控除が改組され『介護医療保険料控除』が新設されました

特別障害者一人につき 75 万円を所得から控除することができます 障害者控除は 扶養控除の適用がない16 歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます ⑶ 心身障害者扶養共済掛金の控除 P128 条例の規定により地方公共団体が実施するいわゆる心身障害者扶養共済制度による契約で一定の要件を備えて

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相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

2 税額控除等の計算 ( 単位 : 円 ) 項目対象者計算過程金額 答案用紙 Chapter2 問題 3 課税価格の計算 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 分割財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 2 みなし取得財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について


テキスト編 第 1 章相続税 贈与税とはなにか 目次 1 相続税が課税される理由 1 2 どれくらいの遺産がある場合 相続税は課税されるか 2 3 贈与税が課税される理由 3 4 相続税と贈与税の関係 4 第 2 章相続人と相続分 1 相続人と相続順位 5 2 相続の承認と放棄 14 3 相続人の相

2011年税制改正のポイント

表 の計算式 答 合計は 0. 例 所得が 0 の場合 復興特別所得税を上乗せした 合計は 0 000万円以下 0% % 0万円 % 0万円 000万円以下 000万円以下 億円以下 700万円 億円以下 700万円 3億円以下 0% 700万円 億円以下 0% 700万円 3億円超 700万円 3

野村資本市場研究所|顕著に現れた相続税制改正の影響-課税対象者は8割増、課税割合は過去最高の8%へ-(PDF)

問題 1 1 問題 1 1 納税義務者 相続税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 一 ) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの

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3. 生命保険料控除の改組 1 平成 24 年 1 月 1 日以後に締結した保険契約等 ( 新契約 ) に係る生命保険料控除は 新たに介護保険料控除を設け 一般生命保険 個人年金保険のそれぞれの適用限度額を 4 万円とし 合計適用限度額が 12 万円に引き上げる 2 平成 23 年 12 月 31

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Microsoft Word - 平成15年税制改正(2).doc

法人税 faq

相続税の改正 -平成23年度税制改正大綱

4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

平成 28 年度税制改正の概要 1. 復興特区関係 * (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の5 年延長及び要件の緩和 * 要件緩和 : 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造でも対象となるよう緩和 (2) 被災雇用者等を雇

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e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

Ⅰ 法人関連税制 1 減価償却制度 2 年連続の大改正になった背景 減価償却制度については 平成 19 年度税制改正により 残存価額および償却可能限度額の取扱いが廃止される大改正が行われ 定率法はいわゆる 250% 定率法 と呼ばれる従来にない新しい計算の仕組みが採用されました そして平成 20 年

スライド 1

暦年課税の贈与を毎年する人のデータ 暦年課税の贈与は 現金を贈与するのか不動産を贈与するのかで違ってきます 土地は路線価方式または倍率方式で評価し建物は固定資産税評価額で評価しますので 現金での贈与の場合よりも税率は低くなります ただし不動産の贈与では 土地や建物の贈与または共有持分の贈与になります

12. 小規模宅地等の特例の見直し 1. 改正のポイント (3) 適用時期平成 30 年 4 月 1 日以後に相続又は遺贈により取得する宅地等に係る相続税について適用される ただし (2)1 の改正について 平成 30 年 3 月 31 日においての別居親族の要件を満たしていた宅地等を平成 32 年

の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

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ネクストウィル タックスレビュー では 毎月 1 回 法人税 所得税 相続税等の税務情報を配信させていただきます 特に 税制改正等の注目度の高い税務については なるべく早く取り上げていきたいと思います ご自分が税務でお悩みの方は もとより 日頃から税務でお悩みの方と接する機会の多い 弁護士 司法書士 不動産鑑定士 社会保険労務士等の士業 の先生方 不動産関連業界及び金融機関の方々などのクライアントサービスに役立つ情報の配信を心がけております ぜ ひご活用ください - 平成 5 年度税制改正大綱のポイント - 平成 5 年 1 月 4 日に 平成 5 年度税制改正大綱 が発表されました 大綱では 民間投資や雇用を喚起し持続的成長を可能とする成長戦略に基づく 政策税制措置をこれまでになく大胆に講ずる としており 新たな投資促進税制等が創設されました 一方 税制には 少子 高齢化が進展する中で 社会保障の安定財源を確保するとともに 格差の是正という課題への対応も求められており 大綱では所得税及び相続税について改定が加えられています 税制の変更だけでなく 新たに創設された制度もありますので 今号では平成 5 年度税制改正の主なものを紹介したいと思います 1. 法人課税 (1) 設備投資促進税制 ( 創設 ) 国内事業用の生産等設備の年間総投資額が一定額を上回る場合 生産等設備のうち機械装置の取得価額に対して特別償却又は税額控除の適用ができる制度 () 雇用労働促進税制 ( 創設 ) 国内雇用者に対する給与等支給額が一定額を上回る場合 雇用者給与等支給増加額に対して税額控除が適用できる制度 (3) 商業 サービス業及び農林水産業の中小企業等の設備投資促進税制 ( 創設 ) 中小企業等が経営改善のために行う店舗改修等に伴い 固定資産の取得等を行った場合 設備投資額の取得価額に対して特別償却又は税額控除の適用ができる制度 (4) 交際費等の損金不算入制度における中小法人に係る損金算入の特例の改正定額控除限度額の 600 万円から 800 万円への引き上げ及び定額控除限度額までの金額の損金不算入措置 ( 10%) の廃止 (5) 雇用促進税制の拡充雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除制度について 税額控除限度額を増加雇用者数 1 人あたり 1/5

. 個人所得課税 0 万円から 40 万円に引き上げ (1) 所得税の最高税率の見直し の所得税の税率構造に加えて 課税所得 4,000 万円超について 45% の税率を設定 ( の最高税率 40%) ( 平成 7 年分以後の所得税から適用予定 ) () 金融 証券税制 1 少額投資非課税制度 ( 日本版 ISA) の拡充非課税口座内の少額上場株式等に係る譲渡所得等の非課税措置について 非課税口座開設期間を平成 6 年 1 月 1 日から平成 35 年 1 月 31 日までの 10 年間に延長するとともに 非課税投資総額をの年最大 300 万円から年最大 500 万円に拡大 ただし 非課税期間については スキーム ( 未施行 ) の 10 年間から 5 年間に短縮 上場株式等の譲渡損失及び配当所得等の損益通算の特例の対象範囲の拡充 当該特例の対象に 特定公社債等の利子所得及び譲渡所得等を加え 上場株式等の配当所得及び譲渡 所得等の損益通算を可能とする (3) 住宅税制 1 住宅ローン減税 住宅借入金を有する場合の所得税額の特別控除の適用期限の延長及び借入限度額 控除額等の適用内容の変更 の年最大 0 万円の控除額を 40 万円に拡大し 最大控除額も 00 万円から 400 万円に拡大 認定長期優良住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除の適用期限の延長 の年最大 50 万円の控除額を 65 万円に拡大し 控除対象限度額も 500 万円から 650 万円に拡大 特定の増改築などに係る住宅借入金などを有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例の適用期限の延長 3. 資産課税 (1) 相続税 贈与税の見直し 1 相続税の基礎控除 定額控除 5,000 万円 3,000 万円 比例控除 1,000 万円に法定相続人数を乗じた金額 600 万円に法定相続人数を乗じた金額 /5

相続税の税率控除 1,000 万円以下の金額 10% 同左 3,000 万円以下の金額 15% 同左 5,000 万円以下の金額 0% 同左 1 億円円以下の金額 30% 同左 3 億円以下の金額 40% 億円以下の金額 40% - 3 億円以下の金額 45% 3 億円超の金額 50% 6 億円以下の金額 50% - 6 億円超の金額 55% 上記改正は平成 7 年 1 月 1 日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用 () 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の見直し 1 特定居住用宅地等に係る特例の適用対象面積を 330 mまでに拡充 ( 40 m ) 特例の対象として選択する宅地等の全てが特定事業用宅地等及び特定居住用宅地等である場合には それぞれの適用対象面積まで適用を拡充 ( それぞれの限度面積まで併用可 ) なお 貸付事業用宅地等を選択する場合における適用対象面積の計算についてはどおり調整を行うものとする 3 老人ホームに入所したことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋の敷地の用に供されていた宅地等における特例適用の条件の明確化 (3) 未成年者控除及び障害者控除の引き上げ 1 未成年者控除 0 歳までの 1 年につき 6 万円 0 歳までの 1 年につき 10 万円 障害者控除 85 歳までの 1 年につき 6 万円 ( 特別障害者については 1 万円 ) 85 歳までの 1 年につき 10 万円 ( 特別障害者については 0 万円 ) 3/5

(4) 相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産に係る贈与税の税率構造の見直し 1 0 歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産に係る贈与税の税率構造 00 万円以下の金額 10% 同左 300 万円以下の金額 15% 400 万円以下の金額 15% 400 万円以下の金額 0% 600 万円以下の金額 0% 600 万円以下の金額 30% 1,000 万円以下の金額 30% 1,000 万円以下の金額 40% 1,500 万円以下の金額 40% - 3,000 万円以下の金額 45% 1,000 万円超の金額 50% 4,500 万円以下の金額 50% - 4,500 万円超の金額 55% 上記 1 以外の贈与財産に係る贈与税の税率構造 00 万円以下の金額 10% 同左 300 万円以下の金額 15% 同左 400 万円以下の金額 0% 同左 600 万円以下の金額 30% 同左 1,000 万円以下の金額 40% 同左 - 1,500 万円以下の金額 45% 1,000 万円超の金額 50% 3,000 万円以下の金額 50% - 3,000 万円超の金額 55% (5) 相続時精算課税制度の適用要件の見直し 1 受贈者の範囲に 0 歳以上である孫を追加 ( 推定相続人のみ ) 贈与者の年齢要件を 60 歳以上に引き下げ ( 65 歳以上 ) (6) 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設受贈者 (30 歳未満の者に限る ) の教育資金に充てるためにその直系尊属が金銭等を拠出した場合において 受贈者 1 人につき 1,500 万円までの教育資金については贈与税を課さない制度 4/5

今回取り上げた税制改正大綱の詳細な解説は 次回以降に掲載していく予定です 上記の内容に係らず 会計 税務に関する疑問点 不明点等がありましたら お気軽にお問い合わせ下さい 参考文献 平成 5 年度税制改正大綱 連絡先 ネクストウィル コンサルティング株式会社 / 西田公認会計士事務所電話 :03-3568-1977 FAX:03-3568-1979 E-mail: info@nextwill.co.jp 担当者 : パートナー西田誠 / シニア コンサルタント武山洋介 事業概要 法人アドバイザリー事業法人税務顧問サービス 社外 CFO サービス 記帳代行 / 事務代行サービス 個人アドバイザリー事業所得税 相続税 贈与税等の税務申告サービス 相続 事業承継対策サービス 財務アドバイザリー事業 M&A アドバイザリー業務 財務デューデリジェンス業務企業価値評価業務 事業再生支援業務 5/5