第68回税理士試験 消費税法 模範解答(理論)

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第一問 -50 点 - 問 1 (25 点 ) (1) について (15 点 ) 概要 次の規定の適用を受ける場合には 納税義務が課されることとなる 1. 課税事業者の選択 2. 特定期間における課税売上高による納税義務の免除の特例 3. 新設法人の納税義務の免除の特例 4. 特定新規設立法人の納税

2 その他 H26 中間申告義務のない事業者が 届出 012 書を提出した場合には 自主的に中間申告 納付することができる旨を 検討したか ( 平成 26 年 4 月 1 日以 後開始課税期間より適用 ) 本則課税の場合科目等 No. 主な項目チェック摘要 1 課税事業者 H26 課税期間の基準期間

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1 検査の背景 (1) 簡易課税制度の概要課税売上げに係る消費税額から控除できる課税仕入れに係る消費税額は 原則として 課税売上げに対応する課税仕入れに係る消費税額とされている ( 以下 課税売上げに係る消費税額からこの課税売上げに対応する課税仕入れに係る消費税額を控除して納付消費税額を算出する計算

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14_消費税法等の改正

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

(消費税)確定申告書作成(簡易課税)編

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(消費税)確定申告書作成(簡易課税)編

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(消費税)確定申告書作成(簡易課税)編

はじめに 会社の経営には 様々な判断が必要です そのなかには 税金に関連することも多いでしょう 間違った判断をしてしまった結果 受けられるはずの特例が受けられなかった 本来より多額の税金を支払うことになってしまった という事態になり 場合によっては 会社の経営に大きな影響を及ぼすこともあります また


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2 財政健全化目標との関係や平成 30 年度の 経済 財政再生計画 の中間評価を踏まえつつ 消費税制度を含む税制の構造改革や社会保障制度改革等の歳入及び歳出の在り方について検討を加え 必要な措置を講ずる (3) 対象品目及び適用税率軽減税率の対象品目は 1 酒類及び外食を除く飲食料品 2 定期購読契

第62回税理士試験 消費税法 模範解答(計算)

平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税務上の措置 ( 手続 )FAQ 平成 30 年 7 月広島国税局 平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税制上の措置 ( 手続 ) 等につきまして 照会の 多い事例を取りまとめましたので 参考としてください 目次 Ⅰ 災害にあった場

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Ⅲ 納付 [Q6] 申告 納付等の期限の延長が認められた場合 延滞税 利子税はどのようになりますか また 加算税は賦課されますか 7 [Q7] 今般の熊本地震災害により被害を受けましたが 納税の猶予はどのような場合に受けることができますか 8 [Q8] 納税の猶予の 相当の損失 とはどの程度の損失を

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本則課税の場合科目等 No. 主な項目チェック摘要 1 課税事業者 H27 課税期間の基準期間における課税売上高を確 の判定 014 認したか H27 事業年度を変更している場合等 前々事業年 015 度が1 年未満の場合の基準期間を確認したか ( 法人の場合 ) H27 基準期間が1 年でない場合

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

用語の意義 この FAQ において使用している用語の意義は 次のとおりです 用語 意義 所得税法 ( 所法 ) 所得税法 ( 昭和 40 年法律第 33 号 ) をいいます 所得税法施行令 ( 所令 ) 所得税法施行令 ( 昭和 40 年政令第 96 号 ) をいいます 改正所令 所得税法施行令の一

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

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⑴ ⑵ ⑶

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(消費税)確定申告書作成(一般課税)編

⑴ ⑵ ⑶

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第11 源泉徴収票及び支払調書の提出




⑴ ⑵ ⑶ ⑷ 1

Ⅲ 納付 [Q10] 申告 納付等の期限の延長が認められた場合 延滞税 利子税はどのようになりますか また 加算税は賦課されますか 7 [Q11] 今般の北海道胆振東部地震により被害を受けましたが 納税の猶予はどのような場合に受けることができますか 8 [Q12] 納税の猶予の 相当の損失 とはどの

(消費税)確定申告書作成(一般課税)編

作成する申告書 還付請求書等の様式名と作成の順序 ( 単体申告分 ) 申告及び還付請求を行うに当たり作成することとなる順に その様式を示しています 災害損失の繰戻しによる法人税 額の還付 ( 法人税法 805) 仮決算の中間申告による所得税 額の還付 ( 法人税法 ) 1 災害損失特別勘

5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

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2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

( 相続時精算課税適用者の死亡後に特定贈与者が死亡した場合 ) (6) 相続時精算課税適用者 ( 相続税法第 21 条の9 第 5 項に規定する 相続時精算課税適用者 をいう 以下 (6) において同じ ) の死亡後に当該相続時精算課税適用者に係る特定贈与者 ( 同条第 5 項に規定する 特定贈与者

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1. 改正内容 事業者が 以下 (1) 又は (2) の期間中に調整対象固定資産 1 の課税仕入れを行い かつ その仕入れた日の属する課税期間 ( 以下 取得課税期間 といいます ) の消費税の確定申告を一般課税で行った場合には 取得課税期間の初日から原則として 3 年間は免税事業者になることができ

⑵ ⑶ ⑷ ⑸ ⑴ ⑵

松戸市市税条例等の一部を改正する条例 ( 松戸市市税条例の一部改正 ) 第 1 条松戸市市税条例 ( 平成 27 年松戸市条例第 12 号 ) の一部を次のように改正する 第 11 条中 及び第 2 号 を 第 2 号及び第 5 号 に それぞれ当該各号 を 第 1 号から第 4 号まで に改め 掲

問題 1 1 問題 1 1 納税義務者 相続税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 一 ) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの

己建設設高額特定資資産にあっては その建設設等が完了した日の属する課税期間 ) の初日以後 3 年を経過する日日の属する課課税期間までの各課税期間間における課課税資産の譲譲渡等及び特定定課税仕入れについては 納税義義務は免除されない ⑴ 高額特定資産 (⑵を除く ) 課税仕入れ等等を行った日 ( 特

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(消費税)確定申告書作成(一般課税)編

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所得税関係 ( 住宅ローン控除の特例 ) の改正 ⑵ 震災税特法の制度 ( 適用期間の特例 ) の概要東日本大震災によって被害を受けたことにより 住宅ローン税額控除の適用を受けていた家屋 ( 以下 従前家屋等 といいます ) を居住の用に供することができなくなった居住者については その居住の用に供す


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平成19年12月○日

検査の背景 (1) 事業者免税点制度消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の課税の趣旨等の観点からは 消費税の納税義務を免除される事業者 ( 以下 免税事業者 という ) は極力設けないことが望ましいとされている 一方 小規模事業者の事務処理能力等を勘案し 課税期間に係る基準期間 ( 個人事業者で


目次 改正の趣旨 1 改正の概要 1 申請に当たっての留意点 3 具体的な事例に基づく記載例 事例 1 定時株主総会の招集時期を特定の月とする場合 4 事例 2 定時株主総会の招集時期を議決権の基準日から3 月以内とする場合 6 略 語 法 所得税法等の一部を改正する等の法律 ( 平成 29 年法律


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消費税法における個別対応方式と一括比例配分方式 河野惟隆 1 はじめに本稿の課題は 個別対応方式と一括比例配分方式とで 課税仕入れ等の税額の合計額が如何よう になるか つまり その大小関係は如何ようになるか ということを 明らかにすることである これを 次のように 条件を追加しながら 次のような順序

2 ( 178 9)

第 5 章 N

281

第63回税理士試験 消費税法 解説


●租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案

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に限る ) は その追徴すべき不足税額 ( 当該減額更正前に賦課した税額から当該減額更正に基因して変更した税額を控除した金額 ( 還付金の額に相当する税額を含む ) に達するまでの部分に相当する税額に限る 以下この項において同じ ) については 次に掲げる期間 ( 令第 4 8 条の9の9 第 4

改正後第 2 章通関業 第 1 節許可 新旧対照表 別紙 3 通関業法基本通達( 昭和 47 年 3 月 1 日蔵関第 105 号 ) ( 注 ) 下線を付した箇所が改正部分である 改正前第 2 章通関業第 1 節許可 3-8 削除 ( 譲渡 相続 合併又は分割の場合における通関業の許可の効果 )

Z-64-A 簿記論〔第一問〕-解 答-

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申告書の作成手順 ( 特定課税仕入れがない場合 ) 申告書の作成は 次の手順で行います 課税標準額及び消費税額の計算 控除対象仕入税額等の計算 付表 2 の作成 納付 ( 還付 ) 税額の計算 納税地 欄等及び 付記事項 欄等の記載 ( 注 ) 経過措置により旧税率 (3% 又は 4%) が適用され

税務調査      業種別・狙われるポイント

新規文書1

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

申告書の作成手順 申告書の作成は 次の手順で行います 課税標準額及び消費税額の計算 控除対象仕入税額等の計算 付表 5 の作成 納付 ( 還付 ) 税額の計算 納税地 欄等及び 付記事項 欄等の記載 Ⅰ ( 注 ) 経過措置により旧税率 (3% 又は4%) が適用された取引がある場合は 付表 5では

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事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

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2 消費税軽減税率の対象となる新聞 軽減税率の対象は全ての新聞ではなく 一定の要件を満たす新聞のみです ( 図 2) 新聞販売所は定期購読契約の新聞のほか 即売 週 1 回以下の発行などさまざまな形態の新聞を扱っています このため 区分けには慎重な対応が必要です 図 2 軽減税率が適用される新聞の譲


⑴ ⑵ ⑶

収益事業開始届出 ( 法人税法第 150 条第 1 項 第 2 項 第 3 項 ) 1 収益事業の概要を記載した書類 2 収益事業開始の日又は国内源泉所得のうち収益事業から生ずるものを有することとなった時における収益事業についての貸借対照表 3 定款 寄附行為 規則若しくは規約又はこれらに準ずるもの

富士見市都市計画税条例 ( 昭和 46 年条例第 40 号 ) 新旧対照表 ( 第 1 条による改正 )( 専決 ) 新 旧 附則 附則 ( 改修実演芸術公演施設に対する都市計画税の減額の規定の適用を受けようとする者がすべき申告 ) 6 法附則第 15 条の11 第 1 項の改修実演芸術公演施設につ

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産業廃棄物税は 最終処分される産業廃棄物に課されるものであり 排出事業者から中間処理に委託された廃棄物すべてに課税されるわけではありません 中間処理業者の方が排出事業者から処理料金に含めて受け取る税相当額は 中間処理によって減量化されたり リサイクルされた分を除いた中間処理後に最終処分される産業廃棄

1 章 事業者免税点制度の適用要件の見直し の改正内容 前々期の課税売上高が 1,000 万円以下であっても 前期の事業年度開始の日から 6 ヵ月間の課税売上高 ( 2) が 1,000 万円を超えた場合は 当期から 課税事業者となります 適用時期 : 平成 25 年 1 月 1 日以降に開始する事

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第 68 回税理士試験消費税法 第一問 ( 理論 ) 解答 問 1(25 点 ) ⑴について 1. 概要納税義務が課される規定は 課税事業者の選択 特定期間の特例 新設法人の特例 特定新規設立法人の特例 高額特定資産の特例 である 2. 内容次のそれぞれに定める課税期間について 納税義務が課される ⑴ 課税事業者の選択 (2 点 ) 小規模事業者に係る納税義務の免除の規定が適用されることとなる事業者が その基準期間における課税売上高が 1,000 万円以下である課税期間につき 課税事業者選択届出書を納税地の所轄税務署長に提出した場合には その提出日の属する課税期間の翌課税期間以後の課税期間 ⑵ 特定期間の特例 (2 点 ) 個人事業者のその年又は法人のその事業年度の基準期間における課税売上高が 1,000 万円以下である場合において その個人事業者又は法人のうち 特定期間における課税売上高が 1,000 万円を超えるときは その年又はその事業年度 ⑶ 新設法人の特例 1 内容 (2 点 ) 新設法人については その基準期間がない事業年度に含まれる各課税期間 2 調整対象固定資産の仕入れ等を行った場合 (2 点 ) 新設法人が その基準期間に含まれる各課税期間 ( 簡易課税制度の適用を受ける課税期間を除く ) 中に調整対象固定資産の仕入れ等を行った場合には その仕入れ等の日の属する課税期間からその課税期間の初日以後 3 年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間 ⑷ 特定新規設立法人の特例 1 内容 (2 点 ) 特定新規設立法人については その基準期間がない事業年度に含まれる各課税期間 2 調整対象固定資産の仕入れ等を行った場合 (2 点 ) 特定新規設立法人が その基準期間がない事業年度に含まれる各課税期間 ( 簡易課税制度の適用を受ける課税期間を除く ) 中に調整対象固定資産の仕入れ等を行った場合には その仕入れ等の日の属する課税期間からその課税期間の初日以後 3 年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間 (1)

問 1( 続き ) ⑸ 高額特定資産の特例 (4 点 ) 事業者 ( 免税事業者を除く ) が 簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に高額特定資産の仕入れ等を行った場合 ( 自己建設高額特定資産にあっては 建設等に要した一定の費用の額が 1,000 万円以上となった場合 ) には 次に定める日の属する課税期間の翌課税期間からその仕入れ等の日の属する課税期間 ( 自己建設高額特定資産にあっては その建設等が完了した日の属する課税期間 ) の初日以後 3 年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間 1 2 高額特定資産 (2 を除く ) 仕入れ等を行った日 自己建設高額特定資産 仕入れを行った場合に該当することとなった日 (2)

問 1( 続き ) ⑵について 1. 原則 (2 点 ) 事業者 ( 免税事業者を除く ) は 課税期間ごとに その課税期間の末日の翌日から2 月以内に 一定の事項を記載した申告書を税務署長に提出しなければならない 2. 個人事業者の特例 (1 点 ) 個人事業者のその年の 12 月 31 日の属する課税期間に係る確定申告書の提出期限は その年の翌年 3 月 31 日とする 3. 個人事業者が死亡した場合の特例 (2 点 ) 次の ⑴ 又は ⑵ の場合には 相続人は その相続の開始があったことを知った日の翌日から 4 月を経過した日の前日までに 税務署長に確定申告書を提出しなければならない ⑴ 確定申告書を提出すべき個人事業者がその課税期間の末日の翌日から申告書の提出期限までの間に確定申告書を提出し ないで死亡した場合 ⑵ 個人事業者が課税期間の中途で死亡した場合において その課税期間分の消費税について確定申告書を提出しなければ ならない場合 4. 法人の残余財産が確定した場合の特例 (2 点 ) 清算中の法人につき残余財産が確定した場合には その確定した日の属する課税期間の末日の翌日から1 月以内 ( その翌日から1 月以内に残余財産の最後の分配等が行われる場合には その行われる日の前日まで ) に確定申告書を提出しなければならない 5. 国等の特例 (2 点 ) 国若しくは地方公共団体の特別会計又は別表第三に掲げる法人のうち一定のものの確定申告書の提出期限については 原 則にかかわらず 次に掲げる期間内とする ⑴ ⑵ ⑶ ⑷ 国 5 月以内地方公共団体 (⑶を除く) 6 月以内地方公共団体の経営する企業 3 月以内税務署長の承認を受けた一定の法人 6 月以内で税務署長が承認する期間内 (3)

問 1( 続き ) (4)

問 2(25 点 ) ⑴について 1. 取扱い (2 点 ) 港湾施設内に臨時の輸出物品販売場を開設するには まず輸出物品販売場の許可を受けなければならない そのため A は輸出物品販売場許可申請書を提出し 承認を得なければなければならない その後に 事前承認港湾施設の承認を得るために 事前承認港湾施設承認申請書を提出し 事前承認港湾施設に係る臨時販売場設置届出書を 臨時販売場の設置日の前日までに提出する必要がある 2. 内容 ⑴ 輸出物品販売場の申請 (1 点 ) 輸出物品販売場の許可を受けようとする販売場を経営する事業者は 一定の事項を記載した申請書に一定の書類を添付して 納税地の所轄税務署長に提出しなければならない ⑵ 事前承認港湾施設承認申請書 (1 点 ) 事前承認港湾施設の承認を得ようとする事業者は 事前承認港湾施設承認申請書に一定の書類を添付して その納税地の所轄税務署長に提出しなければならない ⑶ 事前承認港湾施設内の臨時販売場 (2 点 ) 事前承認港湾施設内に臨時販売場を設置しようとする事業者 ( 輸出物品販売場を経営する事業者に限る ) が 設置日の前日までに 所定の事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出したときは 一定期間に限り その臨時販売場を輸出物品販売場とみなして 輸出物品販売場における免税の規定を適用する (5)

問 2( 続き ) ⑵について 1. 取扱い (2 点 ) Bは 消費者向け電気通信利用役務の提供を行っており 国内の課税事業者がそのサービスの提供について仕入税額控除を受けることができるようにするためには Bが登録国外事業者に該当する必要がある しかし 登録国外事業者は課税事業者であることが前提であり Bは基準期間における課税売上高が 1,000 万円以下であるため まず 課税事業者選択届出書を提出しなければならない この場合には 平成 30 年において国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始しているため 平成 30 年 12 月 31 日までに提出しなければならない その後 登録国外事業者申請書を提出し 承認を得なければならない 2. 内容 ⑴ 課税事業者の選択 (1 点 ) 小規模事業者に係る納税義務の免除の規定が適用されることとなる事業者が その基準期間における課税売上高が 1,000 万円以下である課税期間につき 課税事業者選択届出書を納税地の所轄税務署長に提出した場合には その提出日の属する課税期間の翌課税期間以後の課税期間中に国内において行う課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては 消費税の納税義務は免除されない ⑵ 登録国外事業者 (2 点 ) 1 国外事業者の登録 電気通信利用役務の提供を行い 又は行おうとする国外事業者 ( 免税事業者を除く ) は 国税庁長官の登録を受ける ことができる 2 申請書の提出 上記 1 の登録を受けようとする者は 一定の事項を記載した申請書に一定の書類を添付して その納税地の所轄税務 署長を経由して 国税庁長官に提出しなければならない (6)

問 2( 続き ) ⑶について 1. 取扱い (2 点 ) 半年分の売上げ 仕入れ等 取引金額に応じた納税を行うためには 中間申告対象期間を一課税期間とみなして仮決算による中間申告書を提出する必要がある この場合には 六月中間申告対象期間の末日の翌日から2 月以内である 今年の8 月 31 日までに提出しなければならない しかし Cの前年の納税額が30 万円であるため 仮決算による中間申告を行うためには まず 任意の中間申告を提出する旨の届出書を今年の6 月 30 日までに提出し 任意の中間申告を適用しなければならない 2. 内容 ⑴ 任意中間申告 (2 点 ) 六月中間申告書を提出することを要しない事業者が 六月中間申告書を提出する旨を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出した場合には その提出日以後に最初に到来する六月中間申告対象期間の末日以後の期間については 一定の事項を記載した申告書を税務署長に提出しなければならない なお 六月中間申告書を提出することを要しない事業者とは その課税期間の直前の課税期間の確定申告書に記載すべき消費税額でその期間の末日までに確定したものをその直前の課税期間の月数で除し これに6を乗じて計算した金額が 24 万円以下である場合の事業者をいう ⑵ 仮決算による中間申告 (2 点 ) 中間申告書を提出すべき事業者が 中間申告対象期間を一課税期間とみなしてその期間の課税標準額 課税標準額に対する消費税額 控除税額及び確定税額を計算した場合には その提出する中間申告書に 前課税期間の実績による中間申告に係る事項に代えて これらの金額を記載することができる (7)

問 2( 続き ) ⑷について 1. 取扱い (2 点 ) 火災により被害を受けた課税期間において簡易課税制度の適用をやめるには 災害等による消費税簡易課税制度選択不適用届出に係る特例承認申請書及び消費税簡易課税制度選択不適用届出書を あわせて提出しなければならない この場合における提出期限は 火災のやんだ日から2 月以内である また 翌課税期間以後において改めて簡易課税制度の適用を受けるため 3 月 31 日までに消費税簡易課税制度選択届出書を提出する必要がある 2. 内容 ⑴ 選択不適用届出書に係る特例 1 内容 (3 点 ) 災害その他やむを得ない理由が生じたことにより被害を受けた事業者 ( 簡易課税制度の適用を受ける事業者に限る ) がその被害を受けたことにより そのやむを得ない理由の生じた日の属する課税期間 ( 以下 不適用被災課税期間 という ) につき簡易課税制度の適用を受けることの必要がなくなった場合において その納税地の所轄税務署長の承認を受けたときは 簡易課税制度選択不適用届出書をその不適用被災課税期間の初日の前日にその税務署長に提出したものとみなす 2 申請書の提出 (1 点 ) 上記 1の承認を受けようとする事業者は 所定の事項を記載した申請書を 災害その他やむを得ない理由のやんだ日から2 月以内に その納税地の所轄税務署長に提出しなければならない ⑵ 簡易課税選択の届出 (2 点 ) 事業者 ( 免税事業者を除く ) が その納税地の所轄税務署長にその基準期間における課税売上高が 5,000 万円以下である課税期間について簡易課税制度選択届出書を提出した場合には その提出した日の属する課税期間の翌課税期間以後の課税期間については 課税標準額に対する消費税額から控除することができる課税仕入れ等の税額の合計額は 原則の規定にかかわらず 一定の方法により計算した金額とする この場合において その金額はその課税期間における仕入れに係る消費税額とみなす (8)