鉄道建築ニュース用原稿 「シャッター」 070928   (社)日本シヤッター・ドア協会

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東京都建築安全条例(昭和二十五年東京都条例第八十九号)新旧対照表(抄)

さいたま市消防用設備等に関する審査基準 2016 第 4 渡り廊下で接続されている場合の取り扱い 155 第 4 渡り廊下で接続されている場合の 取り扱い

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工場立地法の概要

東京都建築安全条例の見直しの考え方

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目次 ( )

耐火クロス製防火/防煙スクリーンエレベーター前専用の防火防煙スクリーンです 耐火クロス製防火 / 防煙スクリーン製品体系 巻取り式 区画王 Ⅲ スタンダード型 避難口無し 開口幅 W=1.0~13m 開口高さ =0.5~6m ウォークスルー型 避難口付き ( 避難口は最大 3 カ所 ) 開口幅 W=

ポリカーボネート板に関する建築物の屋根への適用状況

保育所の設備及び運営に関する基準 保育室等 屋外 遊戯場 設備 ( 必置 ) 面積設備 ( 必置 ) 面積 調理室 便所 0 1 歳児 乳児室及びほふく室 医務室 2 歳以上児 保育室又は遊戯室 乳児室 ほふく室 3.3m2 / 人 保育室 遊戯室 1.98m2 / 人屋外遊戯場 近隣の都市公園を代

2-21 踊場を共有する階段 令第 23 条令第 121 条府条例第 33 条 図 -1 図 -2 図 -3 UP DN UP DN 3F A 2F 1F DN UP DN UP w w w w 上図のような階段形式のものについては次の通り取り扱う ただし 図 -3 においては 縦方向に A の範囲

資料 5-1 防耐火に係る基準 資料の素案 第 1 章総則 ( 設計基準 ) 1.2 用語の定義 主要構造部 : 建築基準法第 2 条第 5 号による 耐火構造 : 建築基準法第 2 条第 7 号による 準耐火構造 : 建築基準法第 2 条第 7 の 2 号による 防火構造 不燃材料 : 建築基準法

松山市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例施行規則平成 26 年 10 月 27 日規則第 65 号 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は, 松山市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例 ( 平成 26 年条例第 52 号 以下 条例 という ) の施行に関し必要な事

番号

都市計画変更素案に関する説明会 建築規制の変更に関する説明会 特定整備路線補助 29 号線 井 東 込区間 (JR 横須賀線 区界 ) 沿道 日時 : 平成 29 年 8 3 ( ) 場所 : 品川区 伊藤 学校 前方右側に手話通訳者を配置しております 必要な方はお近くの席にお移り願います 1 本日

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新千里西町B団地地区地区計画

Microsoft Word - 法第43条第2項第2号許可基準

申請者等の概要 ( 第二面 ) 1. 申請者 氏名又は名称のフリガナ 氏名又は名称 郵便番号 住所 電話番号 2. 代理者 氏名又は名称のフリガナ 氏名又は名称 建築士事務所名 郵便番号 住所 電話番号 3. 建築主 氏名又は名称のフリガナ 氏名又は名称 郵便番号 住所 電話番号 4. 設計者 資格

新旧対照表 (1/15)

資料2 保育所における屋外階段設置要件について

消防用設備・機械器具等に係る最近の検討状況等

第 Ⅱ ゾーンの地区計画にはこんな特徴があります 建築基準法のみによる一般的な建替えの場合 斜線制限により または 1.5 容積率の制限により 利用できない容積率 道路広い道路狭い道路 街並み誘導型地区計画による建替えのルール 容積率の最高限度が緩和されます 定住性の高い住宅等を設ける

178 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 2016 小規模特定用途複合防火対象物 ( 政令別表第 1⒃ 項イに掲げる防火対象物のうち 特定用途に供される部分の床面積の合計が当該部分が存する防火対象物の延べ面積の10 分の1 以下であり かつ 300m2未満であ

1600 mm 1200 mm 1200 mm 1600 mm 2200 mm 1200 mm 大阪市建築基準法取扱い要領 2-30 特別避難階段の付室の取扱い 令第 123 条第 3 項 (1) 付室の最小幅員下記のような特別避難階段の付室内の最小幅員は 法定の廊下幅及び階段幅以上とする 非常用

第4 避難施設

日影許可諮問(熊野小学校)

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(2) 路地街区 ア路地街区の内部で 防火性の向上と居住環境の改善を図るため 地区施設等に沿った建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定めることにより 道路斜線制限を緩和し 3 階建て耐火建築物の連続した街並みを形成する イ行き止まりの路地空間では 安全性の確保のため 2 方向の避難を目的とし

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(5) 第 1 号から前号までの規定により住宅用防災警報器が設置される階以外の階のう ち 次に掲げるいずれかの住宅の部分 ア床面積が 7 平方メートル以上である居室が 5 以上存する階の廊下 イアに規定する階に廊下が存しない場合にあっては 当該階から直下階に通ずる 階段の上端 ウアに規定する階に廊下

建築基準法第 43 条第 2 項第 2 号の規定による許可の同意の取扱い基準 平成 18 年 6 月 1 日東広島市建築審査会 建築基準法 ( 以下 法 という ) 第 43 条第 2 項第 2 号の規定により許可を行う場合, 次 に定める基準のいずれかに該当する建築物の敷地については, 建築審査会

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建築基準法第43条第1項ただし書に係る一括同意基準

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民泊の安全措置の手引き ~ 住宅宿泊事業法における民泊の適正な事業実施のために ~ 平成 29 年 12 月 26 日 ( 平成 30 年 3 月 29 日改訂 ) 国土交通省住宅局建築指導課

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建築基準法第 86 条第 1 項 第 2 項の規定に基づく一団地の総合的設計制度及び連担建築物設計制度等の運用について 建築基準法第 86 条第 1 項 第 2 項及び法第 86 条の2 第 1 項の規定に基づく認定の運用は 平成 11 年 4 月 28 日付け建設省住街発第 48 号局長通達による

第3 防火区画

第 28 条 居室の採光及び換気 屋外廊下に面した開口部の採光について 屋外階段前の開口部の採光について 採光補正係数 (1) 106 変更 81 採光補正係数 (2) 採光補正係数 (3) 線路敷の取扱い 109 削除 - 換気に有効な部分

法適合性チェックシートVer.2.1

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としてまとめました 準備実験では 試験体の内外に 518 カ所の温度センサー ( 熱電対 ) と 41 カ所の熱流センサー ( 熱流束計 ) を設置して計測を行ったほか ビデオカメラを試験体内に 13 台 試験体外に 9 台設置して火災の様子を観察しました 2.2 準備実験より得られたこと木造 3


4. エレベータホール ( 設置する場合 ) 5. エレベーター ( 設置する場合 ) 6. 共用廊下 共用階段 ること 共用玄関等からの見通しが確保されていない場合には 見通しを補完する対策が講じられていること 照明設備 1 共用メールコーナーの照明設備は 床面において50ルクス以上の平均水平面照

名前 第 1 日目 建築基準法 2 用途規制 1. 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において 当該敷地の過半が工業地域内であると きは 共同住宅を建築することができる 2. 第一種低層住居専用地域内においては 高等学校を建築することができるが 高等専門学校を建築する ことはできない

申請者等の概要 1. 申請者 氏名又は名称のフリガナ 氏名又は名称 住所 電話番号 2. 代理者 氏名又は名称のフリガナ 氏名又は名称 住所 電話番号 3. 建築主 氏名又は名称のフリガナ 氏名又は名称 住所 電話番号 4. 設計者 資格 ( ) 建築士 ( ) 登録 号 氏名 建築士事務所名 (

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1 届出の趣旨工事中に建築物を使用する場合は, 建築基準法に基づいて当該建築物に設置されている避難施設等の機能に支障を来たすことがよくあります もとより建築基準法は, 建築物の最低限の安全性能を定めたものですから, 避難施設等の機能に支障が生じているときに出火したりすれば, 大災害につながるおそれが

Data RC 環境の時代

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申請者等の概要 1. 申請者 氏名又は名称のフリガナ 電話番号 2. 代理者 氏名又は名称のフリガナ 電話番号 3. 建築主 氏名又は名称のフリガナ 電話番号 設計者 資格 ( 1 級 ) 建築士 ( 建設大臣 ) 登録 号 氏名 建築士事務所名 ( 1 級 ) 建築

[ 例 1] 敷地の分割例 1270 m2の敷地を 135 m2ずつに分割する場合 270 m2 135 m2 135 m m2の敷地を 140 m2と 130 m2に分割する場合 270 m2 140 m2 130 m2 2

隣地境界線126 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 消防用設備等の設置単位消防用設備等の設置単位は 建築物 ( 屋根及び柱又は壁を有するものをいう 以下同じ ) である防火対象物については 特段の規定 ( 政令第 8 条 第 9 条 第 9 条の

条例解説6~11条

線路敷 河川道路敷地道路久留米市建築確認申請の手引き (2016 年版 ) 制限の緩和等 ( 公園 水面 線路敷 道路 等 )(2/4) 関係条文法第 2 条第 1 項第六号 令第 20 条第 2 項 法第 42 条第 2 項 法第 53 条第 3 項第二号 市細則 17 条 令第 134 条 令第

(1) 家庭的保育事業 項目 国基準 区分 保育業者 家庭的保育者 市町村長が行う研修を修了した保育士 保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市町村長が認める者 家庭的保育補助者 市町村長が行う研修を修了した者 数 0~2 歳児 3:1( 家庭的保育補助者を置く場合 5:2) 保育を行う専用居室

金沢都市計画地区計画の変更

27_建築確認(幼保連携)通知

2016年9月●日

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第2章第2節 第4~6

大臣認定と異なる製品を販売していた製品差異リスト

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(2) 届出内容の確認方法について 建築計画内容を確認するために 委員会でチェックしやすい届出の 様式を作成しておくと便利です チェックしやすい様式としてチェックシートがあります 建築協定で定めている建築物に関する基準の項目を一覧表にし 建築主や代理者が建築計画の内容を記入できるものにしましょう 数

計画書 阪神間都市計画防災街区整備地区計画の変更 ( 尼崎市決定 ) 都市計画今福 杭瀬寺島地区防災街区整備地区計画を次のように変更する 名称 位置 面積 地区計画の目標 区域の整備 開発及び保全に関する方針土地利用の方針 地区施設及び地区防災施設の整備の方針 建築物等の整備の方針 その他当該区域の

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認可保育所の整備について

南部地区 地区の名称 南部地区建築物の用途の制限 ( ほなみ町 桜新町 ) 敷地面積の最低限度 ( 東原町 苗津町 長者町の各一部 ) 22.5ha 沿道業務地区 17.6ha 合計 40.1ha 建築物等の形態又は意匠の制限 沿道業務地区には 次に掲げる建物は建築してはならない マージャン屋 ぱち

第2章 事務処理に関する審査指針

国土技術政策総合研究所 研究資料

旧(現行)

スライド 1

消防法施行規則等の一部を改正する省令等の公布について ( 参考資料 ) 別紙 1 1 改正理由 (1) 背景住宅宿泊事業法 ( 平成 9 年法律第 65 号 ) が平成 30 年 6 月 15 日に施行され 住宅宿泊事業に係る事前の届出が同年 3 月 15 日に開始された ( 住宅宿泊事業法の施行期

2 病院次のいずれにも該当する病院のうち 相当程度の患者の見守り体制を有するもの ( 火災発生時の消火活動を適切に実施することができる体制を有するものとして総務省令で定めるもの ) 以外のもの ( ア ) 特定診療科名を有するもの ( イ ) 一般病床又は療養病床を有する病院 火災発生時の延焼を抑制


大谷周辺地区 及び 役場周辺地区 地区計画について 木原市街地 国道 125 号バイパス 役場周辺地区 (43.7ha) 美駒市街地 大谷周辺地区 (11.8ha) 地区計画の概要 地区計画とは住民の身近な生活空間である地区や街区を対象とする都市計画で, 道路や公園などの公共施設の配置や, 建築物の

(4) 区域は 境界が明確であること (5) 区域は 道路に 4m 以上接していること ただし 次に掲げる場合は この限りでない ア路地状区域の場合は 道路に 2.7m 以上接すること イ小規模路地状区域の場合は 道路に 2m 以上接すること (6) 区域は 区域内の敷地を細分化する建築行為を含まな

調布都市計画深大寺通り沿道観光関連産業保護育成地区の概要

建築基準法第85条第4項の仮設建築物の許可基準

1 目的 建築基準法第 68 条の 5 の 5 第 1 項及び第 2 項に基づく認定に関する基準 ( 月島地区 ) 平成 26 年 6 月 9 日 26 中都建第 115 号 建築基準法 ( 昭和 25 年法律第 201 号 以下 法 という ) 第 68 条の 5 の 5 第 1 項 及び第 2

第二面 1. 建築物の位置 延べ面積 構造 設備及び用途並びに敷地面積に関する事項 建築物に関する事項 1. 地名地番 2. 敷地面積 m2 3. 建築面積 m2 4. 延べ面積 m2 5. 建築物の階数 地上 階 地下 階 6. 建築物の用途 一戸建ての住宅 共同住宅等 非住宅建築物 複合建築物

習志野市一団地の総合的設計制度認定基準 第 1 目的この基準は 建築基準法 ( 以下 法 という ) 第 86 条第 1 項又は第 86 条の2 第 1 項 ( 第 86 条第 1 項に係る部分に限る 以下同じ ) の規定による認定に関し必要な事項を定め 一団地の総合的設計制度の適用により良好な市街

第 3 倉庫に係る防火安全対策 1 目的この基準は 近年 倉庫が大規模化し また 作業所的要素が出てくるなど特殊化する傾向が見られることから 倉庫に係る出火防止 延焼拡大防止 避難の安全確保等に係る具体的基準を定めたものである 2 指導対象この基準に基づき指導する防火対象物の範囲は次に掲げるものとす

第2章

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第2 令別表第1の取扱い

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2 3 階施設 建築基準法第 2 条第 9 号の2に規定する耐火建築物又は同条第 9 号の3に規定する準耐火建築物であること 保育室等が設けられている次の表の欄に掲げる区分ごとに それぞれ同表の右欄に掲げる施設又は設備が1 以上設けられていること 区分施設又は設備 1 建築基準法施行令第 123 条

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第 21 換気設備等製造所等の換気設備及び排出設備の基準については 次による 1 換気設備 (1) 換気設備は 室内の空気を有効に置換するとともに 室温を上昇させないためのものであり 下記のものがある ア自然換気設備 ( 給気口と排気口により構成されるもの ) イ強制換気設備 ( 給気口と回転式又は

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Ⅱ. 性能及び関連法規 1. シャッターに求められる性能主な性能としては < 表 1>に示すように遮炎性能 遮煙性能 耐風圧性能 遮音性能 開閉繰返し性能です まず 遮炎性能及び遮煙性能は 建築基準法で規定された性能であり 外壁開口部で必要な場合と建物内部の防火区画で必要な場合があります 遮煙性能は防火区画で必要な場合があります 詳しくは 後述するシャッターと建築法規との関連で説明します 耐風圧性能ついては 外壁開口部に設置するシャッターについては必須条件となり 設置環境による必要強度の確認が不可欠です 遮音性能は さらに気密材を付加するなどして遮音性能を高めたものです また 開閉繰返し性能は 一般の管理用シャッターでは 1 万回程度とされていますが 建物内部に設置するシャッターの場合 開閉は 万一の火災発生時 または点検時もしくは火災訓練の際などに限られるため 開閉繰返し性能への要求は 一般のものにくらべると低いものといえます 一方 表には掲載しておりませんが 管理用として使用されるシャッターには防犯性能が必要です 但し 従来 防犯性能に関しては公的な性能基準がなく数値で表現できるものがありませんでした このことから 2004 年 警察庁 経済産業省 国土交通省 民間の関連団体からなる官民合同会議が設置され 公的な認定を行うことになりました 防犯認定試験では 対象となる建材に対し侵入試験を行い その結果 5 分以上の抵抗性を有したものについては 防犯性能の高い建物部品 として認定されることになりました 重量シャッターに関しては シャッターカーテンやカーテン両側のガイドレールの鋼板板厚が 1.5 mm以上ある管理用シャッター 屋外用防火シャッター 遮音シャッター等が防犯性能の高い建物部品となります なお いずれもスイッチボックスを屋外側に設置する場合には スイッチボックス自体も防犯性能の高い建物部品として認められたものを使用しなければなりません ここでは触れませんが 軽量シャッターや住宅用窓シャッター オーバースライディングドアについても 同様に防犯の認定が行われています 防犯性能の高い建物部品に貼付される 地下街の重量シャッター CP マク 1

< 表 1> シャッターと性能 : 特に性能として認められるもの : 手動式の場合 性能が劣るもの 設置部位種類 管理用防火用遮炎遮煙耐風圧遮音開閉繰り返し 外壁開口部管理用シャッター 外壁用防火シャッター グリルシャッター パネルシャッター 排煙シャッター 遮音シャッター 建物内部屋内用防火シャッター 耐火クロス製防火 / 防煙スクリーン 用途 防煙シャッター パネルシャッター 電動式は適しているが 手動式は管理用として適していない 性能 2. シャッターの機能シャッターの機能については < 表 2>に示すように 開閉機能や排煙 / 通風機能などがあります 開閉機能については 電動開閉時 感知連動閉鎖時 非常 ( 火災 ) 時随時閉鎖となります また 外壁開口部に設置される外壁用防火シャッターは 隣接する建物が火災時には商用電源を使って電動で閉鎖することになります また シャッターが防火区画用途に設置される場合は 感知器連動閉鎖と非常 ( 火災 ) 時随時閉鎖がありますが いずれも火災の際 停電でも作動することが 建築基準法によって定められています 排煙通風機能については 外壁開口部に排煙窓があり その外側にシャッターを設置する場合 もしくは室内において通風の必要な場合の機能です 排煙 / 通風機能は シャッターカーテンの上部にあるグリル部分を煙などが通過することによって機能を果たします 閉店後も店内が見えるパネルシャッター 排煙シャッター 2

< 表 2> シャッターと開閉機能 ( 電動式の場合 ) : 機能を持っているも 設置部位種類 管理用防火用電動開閉感知器連動閉鎖 外壁開口部管理用シャッター 外壁用防火シャッター グリルシャッター パネルシャッター 非常 ( 火災 ) 時随時閉鎖 排煙シャッター 遮音シャッター 建物内部屋内用防火シャッター 1 耐火クロス製防火 / 防煙スクリーン 用途 防煙シャッター 1 パネルシャッター 1 手動式などで 管理用として使用できない製品がある 開閉機能 排煙 / 通風機能 3. シャッターと建築基準法シャッターは 防火設備とされているものが建築基準法の適用を受ける対象となります 防火設備以外の一般重量シャッターなどは とくに建築基準法での規制はありません 防火設備については 表 -3に示すように 外壁開口部は 外壁用防火シャッターを設置することになります 外壁開口部は 建物が耐火建築物もしくは準耐火建築物で延焼の恐れのある開口部に設置する場合 または 防火地域もしくは準防火地域において 延焼の恐れがある開口部に設置する場合の2 通りがあります 延焼の恐れのある部分とは < 図 1>に示すように隣地との境界線 道路中心線 同一敷地の他の建築物との外壁間の中心線から 1 階部分で水平距離が 3m 以下 2 階以上の部分で水平距離が 5m 以下の部分が該当します 3

< 表 3> シャッターと建築基準法上の規制 : 使用できるもの 設置部位種類 外壁開口部 管理用シャッター 用途区分 管理用 外壁用防火シャッター 建築基準法上の区分 防火区画 防火用外壁防火 面積区画 竪穴区画 異種用途区画 グリルシャッターパネルシャッター排煙シャッター遮音シャッター 建物内部屋内用防火シャッター 1 耐火クロス製防火 / 防煙スクリーン 防煙シャッター 1 パネルシャッター 1 手動式などで 管理用として使用できない製品がある 建築物 3 階 建築物 i 境界線 / 中心 4 階 3 階 5m 線 j 5m 2 階 2 階 1 階 3m 3m 1 階 地面 網がけ部分に開口部がある場合 防火設備を設ける < 図 1> 延焼の恐れのある部分 4

防火区画は 大きく分けて面積区画 竪穴区画 異種用途区画の3タイプがあります 防火区画における建築物の条件や防火設備の設置基準は< 表 4>に示します 面積区画は防火区画している面積が一定の基準を超える場合には 財産保護の観点から延焼拡大をしないよう一定の面積以内で区画します 竪穴区画は 避難階段 吹き抜け エレベーター昇降路やエスカレーター昇降路などの竪穴において3 階以上の連続した空間がある場合に 火災時の煙の拡大を防ぐことで避難者の安全を確保するために設けるものです 異種用途区画は 複合用途の建物においては管理形態が異なるため区画するもので 火災の拡大防止と火災による煙の拡大を防ぐことで避難者の安全を確保することを目的としています 面積区画には 遮炎性能のある屋内用防火シャッター 耐火クロス製防火 / 防煙スクリーン又は防煙シャッターなどが設置の対象となっており 竪穴区画と異種用途区画には 遮炎性能および遮煙性能のある防煙シャッターもしくは耐火クロス製防火 / 防煙スクリーンが対象となります 建築基準法で定められた防火設備には 国土交通大臣が構造方法を示した告示に適合するもの ( 以下 例示仕様という ) と 国土交通大臣の認定を受けたものとの2 種類があります 外壁防火に用いる外壁用防火シャッターは 一般的に例示仕様となります 防火区画に用いる屋内用防火シャッターと防煙シャッターについても例示仕様になりますが 防煙シャッターで開口幅が 5mを超える場合には大臣認定の対象となります また 耐火クロス製防火 / 防煙スクリーンは 例示仕様に該当しないため 防火区画で使用するためには 表 5に示すEA CAT CASの大臣認定を取得する必要があります なお CAS 認定には 製品単体としての認定と エレベーターロビー部分で設置する場合に必要な複合防火設備認定とがあります 後者はエレベーターロビー部の床 壁 防火設備 ( 開口部 ) で構成された立体的な空間を防火設備として扱ったものとなっております 5

< 表 4> 防火区画における防火設備の主な設置基準 防火区画種類 建築物の条件 設置基準 防火設備 設置箇所例 面積区画 耐火建築物又は準耐火建築物 一定面積ごとに区画 事務室室内工場作業場内物販店舗の売り場内 たて穴区画 主要構造を準耐火構造とした建築物で地階又は 3 階以上の階に居室を有するもの 連続した縦方向空間の区画 メゾネットの住戸吹きぬき部分直通階段出入り口エレベーターの昇降路エスカレーターの昇降路 異種用途区画 特殊建築物用途と別用途との境界を区画 特殊建築物とは 用途が特殊な建物 ( 例 : 劇場 病院 学校 百貨店 ) 劇場用途と百貨店用途ホテル用途と映画館用途 < 表 5> 大臣認定と建築基準法上の区分 大臣認定種類 大臣認定の記号 外壁防火 建築基準法上の区分 防火区画 面積区画竪穴区画異種用途区画 特定防火設備 EA 熱感知器連動自動閉鎖 CAT 煙感知器連動自動閉鎖 CAS 煙感知器連動自動閉鎖 ( 複合防火設備 ) エレベーターロビーにおける防火区画の場合にのみ適用 6