2018 年度県内新入社員の 入社半年後の意識調査 企業との認識のズレが明確に 入社半年後の新入社員の意識と採用した側の企業の考えを比較したところ そこから見えてき たものは 調査では栃木県内の企業の 2 割近くですでに新入社員が退社しており さらに 転職を考える新入社員の半数近くが 5 年以内の転職を考えていることがわかった 新入社員が転職したい理由は 自己の成長のため だが 企業側は仕事や会社の雰囲気との不一致が原因と捉えており そこには大きな認識のズレがあった 新入社員は残業の多さや仕事の忙しさは想像以上であったものの 半数以上が やりがいがある と答えており現状にはおおむね満足している様子 転職を考える理由は現状への不満というより将来の働き方への不安などからで キャリアアップとして転職を考えている姿が窺える 企業側には職場全体の処遇の改善 若手社員への成長につながるキャリアパスの提示などが求められている < 調査概要 > 新入社員向け 入社半年後の意識調査 ( 以下新入社員調査 ) 調査期間 :2018 年 10 月 2 日 ~18 日 調査対象 : あしぎん新入社員フォローセミナー受講生 新入社員向け出張研修受講生 ( セミナー開催回数栃木県 4 回 出張研修 2 回 ) 調査方法 : セミナーにてアンケート方式 有効回答数 :219 名 ( 回答率 10%) 内訳 男性 女性 合計 有効回答数 98 121 219 回答率 44.7% 55.3% 10% < 調査概要 > 企業向け 新入社員及び採用に関するアンケート調査 ( 以下企業調査 ) 調査期間 :2018 年 8 月下旬 ~10 月上旬 調査対象 :2018 年あしぎん新入社員セミナー及び 2017 年同フォローセミナー受講企業 調査方法 : 郵送によるアンケート方式 有効回答数 :71 社 ( 回答率 39.9%) 内訳 製造業 建設業 サービス業 卸売 小売業 合計 有効回答数 21 14 13 10 13 71 回答率 29.6% 19.7% 18.3% 14.1% 18.3% 10% 1
1. 仕事が始まって今の状況はどうか ( 新入社員調査 ) やりがいがある が過半数を超え 1 位 (52.8%) 続いて 仕事が難しい (30.3%) 仕事 が楽しい (2%) の順で 順調な様子が窺える 仕事が始まって今の状況はどうですか?(3 つまで ) < 新入社員調査 : 全体 > 0 20 40 60 仕事が楽しいやりがいがある思ったより厳しい想像どおり厳しい仕事がつらい体がきつい仕事がつまらない仕事が難しい思っていた仕事 会社と違う 8.7 11.9 12.4 16.1 21.6 2 2 30.3 52.8 2. 就職してみて想像と違った点 ( 新入社員調査 ) < 想像より良かった点 > 1 位は 確実な休日取得 (34.4%) 次いで 人間関係 (31.1%) 給料 (29.2%) の順となった 給料 については想像より悪かった点の 3 位にも上がっており 男女の受け止め方が違っている 想像より 給料が良かった では男性 22.8% 女性 34.2% に対し 悪かった では男性 31.0% 女性 16.5% となり 女性は給料に満足し男性は不満に感じている様子がわかる < 想像より良かった点 > 3 つまで < 新入社員調査 : 全体 > 0 10 20 30 40 給料確実な休日取得有給休暇の取りやすさ残業の状況仕事の内容仕事の忙しさ会社の雰囲気人間関係上司や先輩とのコミュニケーション会社の業績職場環境福利厚生多様な働き方 ( 勤務体系など ) 女性や若手の活躍評価 昇格制度指導や教育体制 3.3 5.7 5.7 14.8 16.7 1 12.4 8.6 8.1 22.0 24.9 27.8 29.2 31.1 34.4 2
< 想像より悪かった点 > 1 位は 残業の状況 (38.2%) 次いで 仕事の忙しさ ( 25.6%) 3 位は 給料 と 有給休暇の取りやすさ ( 各 22.6%) となっている 男女差が大きいのは 給料 人間関係 確実な休日取得 給料 では男性が女性を大きく上回り 逆に 人間関係 確実な休日取得 では ともに女性が男性より高い割合となった 特に 人間関係 については 良かった点の 3 位にもなっており 女性にとって 人間関係 は微妙なようである < 想像より悪かった点 > 3つまで < 新入社員調査 : 男女別 > 0 10 20 30 40 22.6 給料 31.0 16.5 13.6 確実な休日取得 8.3 17.4 22.6 有給休暇の取りやすさ 25.0 20.9 38.2 残業の状況 36.9 39.1 17.1 仕事の内容 2 13.9 25.6 仕事の忙しさ 28.6 23.5 14.1 会社の雰囲気 17.9 11.3 17.1 人間関係 10.7 21.7 11.1 上司や先輩とのコミュニケーション 9.5 12.2 会社の業績 9.5 5.2 11.6 職場環境 8.3 13.9 福利厚生 4.8 8.7 多様な働き方 ( 勤務体系など ) 7.1 2.5 女性や若手の活躍 1.2 3.5 6.5 評価 昇格制度 7.1 6.1 15.1 指導や教育体制 15.5 14.8 全体男性 1.0 1.2 女性 0.9 3
3. 転職等について < 入社半年までの退職率 >( 企業調査 ) 退職率については 0% が 82.6% と 8 割以上の企業では退職者なしとなった しかし すでに入社半年で新入社員が退職している企業が 12 社 (17.4%) あり 中には半数近くの新入社員が退社してしまったという企業もあった この春採用した新入社員 ( 転職者を含む ) の退職率はいかがですか? 0 20 40 60 80 100 0% 82.6 1%~10% 未満 7.2 10%~20% 未満 20%~30% 未満 30%~40% 未満 40%~50% 未満 50%~60% 未満 60%~70% 未満 70%~80% 未満 80%~90% 未満 90%~100% 未満 100% < 今後の転職等について >( 新入社員調査 ) 新入社員に対して今後の転職等について尋ねたと ころ 今の会社で 定年まで働きたい は 3 割以下 (28.6%) となり春の調査から激減 替わっ て ぜひ転職したい (12.4%) いずれは転職したい してもよい (41.9%) などが増え 入 社半年で転職を考える新入社員が過半数の 5% となった ( 今の会社で ) 定年まで働きたい ぜひ転職したい いずれは転職したい してもよい ぜひ独立したい いずれは独立したい いずれは家庭に ( 専業主婦 夫に ) 入りたい 勤務 転職等についてどう考えますか?(1 つを選択 ) <2018 年度春 秋比較 > < 新入社員調査 : 全体 > 0 20 40 60 1.6 0.5 4.0 5.5 9.1 6.5 3.5 4.6 12.4 25.6 28.6 41.9 全体 (2018 春 ) 全体 (2018 秋 ) 5 上記の質問で ぜひ転職したい いずれは転職したい してもよい と答えた人にその時期 を聞いたところ 5 年以内 までを選んだ人が計 44.0% と半数近い 一方 良い転職先があれ ばいつでも転職する は 13.8% となっている いつ頃 転職したいですか?(1つを選択) < 新入社員調査 : 男女別 > 0 20 40 60 80 100 全体 8.6 7.8 1 14.7 13.8 37.1 5.2 男性 6.0 8.0 8.0 18.0 24.0 26.0 1 女性 10.6 7.6 16.7 12.1 6.1 45.5 1.5 1 年以内 2 年以内 3 年以内 5 年以内良い転職先があればいつでも転職する特に時期は決めていない 4
< 企業調査 : 離職した理由 / 社員調査 : 転職したい理由 > 企業調査では 新入社員の離職の理由 1 位は 思っていた仕事と違った (63.2%) 一方 新入社員調査では 今後転職したい理由として 思っていた仕事と違った と回答した割合は 10.8% で 企業調査と 52.4 ポイントという大きな差が開いた 次の 会社の雰囲気と合わない ( 企業 26.3% 新入社員 7.2%) 上司や先輩とのコミュニケーション不足 ( 企業 21.1% 新入社員 3.6%) も企業が思うほど新入社員は理由に挙げておらず 両者の差が大きい 一方 新入社員の転職したい理由 1 位は 自己の成長のため で 30.6% に上がったのに対し 企業側は % 2 位 残業が多い ( 企業 5.3% 新入社員 17.1%) 3 位 休みが取れない 欲しい ( 企業 % 新入社員 16.2%) 4 位 賃金への不満 ( 企業 % 新入社員 %) といった処遇に対する不満も企業との差が大きい 企業は新入社員自身の現状への不満を離職理由と考えているが 新入社員は自己の成長と将来の働き方を見据えて転職を考えていることがわかる 新入社員が離職した理由は何だと思いますか?(3 つまで ) < 新入社員調査 : 全体 > 転職したい理由は何ですか?(3 つまで ) 0 20 40 60 80 そもそも入りたい会社 やりたい仕事ではなかった思っていた仕事と違った仕事がきつい仕事が合わない能力不足やりがいがない残業が多い休みが取れない 欲しい賃金への不満福利厚生が不十分 多様な働き方 ( 勤務体系など ) ができる環境がない 人間関係 会社の雰囲気と合わない 上司や先輩とのコミュニケーション不足 女性や若手が活躍できない 指導や教育体制が不十分 自己の成長のためもっと条件の良い会社があった家庭の事情体調不良 病気 15.8 10.8 10.8 21.1 12.6 5.3 5.4 10.8 5.3 17.1 16.2 2.7 5.4 15.8 26.3 7.2 21.1 3.6 3.6 30.6 15.8 0.9 63.2 企業側 社員側 5
女性 男性 全体 < 企業の離職防止策 >( 企業調査 ) 新入社員が転職したい理由に 自己の成長 残業が多 い 休みが取れない 賃金への不満 を挙げる中 企業が必要と考える離職防止策は 上司や 先輩とのコミュニケーションの充実 ( 39.1%) 職場の雰囲気の改善 (36.2%) 研修など人 材育成の充実 (34.8%) でややズレている印象がある 新入社員が転職したい理由から考えると やりがいの創出 (27.5%) 長時間労働の是正 (20.3%) ( 有休など ) 休日取得促進 (31.9%) 初任給 賃金の引き上げ (13.0%) について対策を検討する必要がありそうだ 新入社員の定着率を高めるためにどんなことが必要だと思いますか?(3 つまで ) 長時間労働の是正 20.3 ( 有休など ) 休日取得促進 31.9 育児や介護制度の導入促進 職場の雰囲気の改善 36.2 研修など人材育成の充実 34.8 初任給 賃金の引き上げ 13.0 多様な働き方 ( 勤務体系など ) の環境整備 福利厚生の充実 14.5 会社のブランド力向上 11.6 評価制度の明確化 昇格昇進制度の明確化 女性や若手の活躍推進 ていねいな指導 15.9 適材適所の配置 10.1 やりがいの創出 27.5 上司や先輩とのコミュニケーションの充実 39.1 ( 上司や先輩向け ) 部下指導や OJT の研修 10.1 特にない 4. 出世について ( 新入社員調査 ) 入社時と入社半年を経過した 10 月の時点で比較すると 全体では 平社員のままでいい (26.9% 35.0%) 係長ぐらい (16.1% 17.8%) が増え 逆に上位職である 課長 店長な どリーダー職ぐらい 部長ぐらい 役員以上 が減る結果となった 男女別では若干傾向が違い 男性は 部長ぐらい を目指す人が増加 女性は 平社員のまま でいい が大幅に増え それ以外はすべて減少している ( 最終的に ) どのくらいまで出世したいですか?(1つを選択) <2018 年度春 秋比較 > < 新入社員調査 : 男女別 > 0 20 40 60 80 100 全体 (2018 春 ) 26.9 16.1 26.9 14.5 1 3.7 全体 (2018 秋 ) 35.0 17.8 20.1 14.0 5.6 7.5 男性 (2018 春 ) 12.5 12.8 30.1 21.2 19.2 4.2 男性 (2018 秋 ) 13.4 16.5 22.7 27.8 9.3 10.3 女性 (2018 春 ) 女性 (2018 秋 ) 43.2 53.0 19.9 18.8 23.3 17.9 6.9 2.6 3.5 3.2 2.6 5.1 平社員のままでいい係長ぐらい課長 店長などリーダー職ぐらい部長ぐらい役員以上 6
5. 企業の採用状況 ( 企業調査 ) 4 割以上の企業が 2019 年度の新入社員の採用を増やす計画にも関わらず 採用状況は 例年より悪い が約 4 割 (37.7%) の回答となった 企業側の意見として 合同説明会 セミナーでの学生動員力が目に見えて落ち込んでいる ( サービス業 ) 積極的に前に出ていかないと採用できない 工夫が必要 ( 製造業 ) などがあった 特に建設業は 専門性があり入社希望者がなかなか現れない 土木職などの技術職の採用に苦慮している と厳しい状況のようだ < 来春の採用予定数 > 来春 (2019 年度入社 ) の新入社員の採用予定数は前年に比べてどうですか?(1 つだけ ) 増やしている減らしている変わらない採用予定はない 8.6 15.7 3 4 < 来春の採用状況 > 来春 (2019 年度入社 ) の新入社員の採用状況は例年と比べてどうですか?(1 つだけ ) 例年より良い 20.8 例年より悪い 37.7 変わらない 34.0 7.5 < 強化した取り組み > 採用のために強化した取り組みはありますか?(3 つまで ) 自社ホームページの刷新就職関連サイトの利用学校との連携合同説明会や就職フェアへの参加人材紹介会社の利用インターンシップの受け入れ特にない 5.7 1 3 3 3 35.7 4 以上 7