薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 4 はじめに 薬剤師は 患者から処方せんを応需した際 処方内容を監査し 処方内容に疑問がある場合は 医師に疑義照会し疑問を解消してから適切に調剤 交付を行う 具体的な疑義内容として 用法用量 併用薬 副作用歴 禁忌投与 重複投与などが挙げられる 本事業では 疑義照会の事例についても報告の対象としており 薬局でエラーを発見し 疑義照会により処方内容を修正することの重要性を 講演会等を通じて特に情報発信してきた 疑義照会は医薬品の適正使用において薬剤師の担う重要な業務であり また 事例が継続的かつ増加傾向に報告されていることから 総合評価部会において 本年報のテーマとして 再びを取り上げることとした 薬局で発見された疑義照会の事例 及び疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例を集計 分析することは 薬局においても有用であるとともに 処方せんを作成している医療機関においても有用な情報を提供することが出来ると考えられる 平成 2 年年報から平成 23 年年報では 薬剤変更 分量変更 薬剤削除 について集計 分析した そこで本年報では これまでに分析してない変更内容である 用法変更 用量変更 について分析 集計を行った なお 用法変更 用量変更 は日本薬剤師会 平成 22 年度薬剤服用歴の活用 疑義照会実態調査報告書 ) において 疑義照会の内容として上位にランキングされている また 疑義照会を行った事例が 本年も多く報告される一方で 処方内容に誤りがあったが 疑義照会されることなく 交付された事例が継続的に報告されている 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例についても集計 分析した 87
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 Ⅰ 疑義照会に関する分析 ) 疑義照会の事例全体に関する分析 () 報告件数 平成 24 年 月 日から同年 2 月 3 日までに報告されたヒヤリ ハット事例のうち 事例の概要に ついて 疑義照会 が選択されていた事例は 730 件あり それらを疑義照会に関する事例 また は疑義照会の事例とした 疑義照会 の事例は ヒヤリ ハット全体の0.2% であり 平成 23 年年報の7.4% から増加していた 図表 4 Ⅰ 報告件数 報告件数 平成 24 年 平成 23 年 平成 22 年 ヒヤリ ハット事例 7,66(00.0%) 8,082(00.0%) 2,904(00.0%) 疑義照会の事例 730 (0.2%) 60 (7.4%) 656 (5.%) (2) 疑義があると判断した理由 薬剤師が処方に関して疑義を抱く過程では 処方せんを見て記載の誤りに気付く場合や 前回の 処方記録と照合して誤りに気付く場合 薬剤服用歴 ( 薬歴 ) の情報や 患者へのインタビューの中 で得られた情報により処方せんの誤りに気付く場合などがある そこで 疑義照会の事例について 疑義があると判断した理由 及び変更内容について分析した 図表 4 Ⅰ 2 疑義があると判断した理由 疑義照会の事例の報告件数 疑義があると判断した理由 平成 24 年 平成 23 年 平成 22 年 当該処方せんのみで判断 98(27.%) 97(32.8%) 304(46.3%) 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 38(52.2%) 276(45.9%) 94(29.6%) 上記以外で判断 5(20.7%) 28(2.3%) 58(24.%) 合計 730(00.0%) 60(00.0%) 656(00.0%) 割合については 小数点第 2 位を四捨五入したものであり 合計が 00.0 にならないことがある 疑義照会の事例のうち 疑義があると判断した理由 として 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 を選択した事例が52.2%(38/730 件 ) 上記以外で判断 を選択した事例が 20.7%(5/730 件 ) あり 合計で72.9%(532/730 件 ) であった 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 の割合は 平成 22 年年報では29.6% 平成 23 年年報では45.9% であり 平成 24 年の集計でも引き続きその割合は増加していた 88
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 (3) 疑義照会による処方変更内容 (ⅰ) 疑義照会の 変更内容 と 疑義があると判断した理由 疑義照会の結果 エラーが発見され 修正された場合は エラーの種類によって 薬剤が削除 変更されたり 処方の用法や用量が変更されたりすることとなる このように様々な種類や性質の変更が生じうる それらのエラーの種類に応じて 発生状況を詳細に分析することには意義があると考えられることから 疑義照会による変更内容を集計 分析した 図表 4 Ⅰ 3 疑義照会による処方変更内容 疑義照会の事例の報告件数 変更内容 平成 24 年 平成 23 年 平成 22 年 薬 剤 変 更 259 (35.5%) 82 (30.3%) 79 (27.3%) 用 法 変 更 67 (9.2%) 50 (8.3%) 78 (.9%) 用 量 変 更 33 (4.5%) 33 (5.5%) 74 (.3%) 分 量 変 更 02 (4.0%) 72 (2.0%) 04 (5.9%) 薬 剤 削 除 236 (32.3%) 27 (2.%) 96 (4.6%) そ の 他 33 (4.5%) 37 (22.8%) 25 (9.%) 合 計 730(00.0%) 60(00.0%) 656(00.0%) 割合については 小数点第 2 位を四捨五入したものであり 合計が00.0 にならないことがある 疑義照会の結果行われた変更内容の結果を集計すると 薬剤変更 を選択した事例が35.5% (259/730 件 ) と最も多かった 平成 22 年 平成 23 年年報においても 薬剤変更 が最も多 く 平成 24 年も同様の結果であった 次いで 薬剤削除 を選択した事例が32.3%(236/730 件 ) であり 平成 22 年年報以降 報告件数は増加傾向であった 一方 その他 を選択した事 例は4.5%(33/730 件 ) と減少していた 具体的な内容は疑義照会をしたことによる薬剤の追加 などであった (ⅱ) 変更内容 と 疑義があると判断した理由 変更内容 と 疑義があると判断した理由 を集計 分析した 図表 4 Ⅰ 4 変更内容 と 疑義があると判断した理由 別に見た報告件数 疑義があると判断した理由 当該処方せんのみで判断 変更内容 薬剤変更 用法変更 平成 24 年平成 23 年平成 22 年平成 24 年平成 23 年平成 22 年 63 (24.3%) 6 (33.5%) 76 (42.5%) 43 (64.2%) 3 6 (62.0%) (78.2%) 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 48 (57.%) 48 (8.5%) 87 (47.8%) 34 (8.7%) 67 (37.4%) 36 (20.%) 5 (22.4%) 9 (3.4%) 3 (26.0%) 6 (2.0%) 5 (6.4%) 2 (5.4%) 合 計 259 82 79 67 50 78 (00.0%) (00.0%) (00.0%) (00.0%) (00.0%) (00.0%) 89
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 疑義があると判断した理由 当該処方せんのみで判断 変更内容 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 合 計 用量変更 分量変更 平成 24 年平成 23 年平成 22 年平成 24 年平成 23 年平成 22 年 6 (48.5%) 7 (2.2%) 0 (30.3%) 3 (39.4%) 8 (24.2%) 2 (36.4%) 35 (47.3%) (4.9%) 28 (37.8%) 39 (38.2%) 52 (5.0%) (0.8%) 36 (50.0%) 28 (38.9%) 8 (.%) 64 (6.5%) 3 (29.8%) 9 (8.7%) 33 33 74 02 72 04 (00.0%) (00.0%) (00.0%) (00.0%) (00.0%) (00.0%) 疑義があると判断した理由 当該処方せんのみで判断 変更内容 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 合 計 薬剤削除 その他 平成 24 年平成 23 年平成 22 年平成 24 年平成 23 年平成 22 年 28 (.9%) 42 (60.2%) 66 (28.0%) 0 (7.9%) 86 (67.7%) 3 (24.4%) 27 (28.%) 42 (43.8%) 27 (28.%) 9 (27.3%) 7 (5.5%) 7 (2.2%) 46 (33.6%) 54 (39.4%) 37 (27.0%) 4 (32.8%) 38 (30.4%) 46 (36.8%) 236 27 96 33 37 25 (00.0%) (00.0%) (00.0%) (00.0%) (00.0%) (00.0%) 割合については 小数点第 2 位を四捨五入したものであり 合計が 00.0 にならないことがある 薬剤変更 の事例 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 次いで 当該処方せんのみで判断 が多く 疑義照会の事例全体の内訳と同じ傾向であった 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 の割合は平成 22 年年報以降 増加傾向であり 当該処方せんのみで判断 の割合は減少傾向であった 用法変更 の事例 当該処方せんのみで判断 が多く 疑義照会の事例全体の内訳と比較して多く 平成 23 年年報と比較すると割合は同程度であった 用量変更 の事例 当該処方せんのみで判断 が多く 疑義照会の事例全体の内訳と比較して多く 平成 23 年年報と比較すると割合は増えていた 分量変更 の事例 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 次いで 当該処方せんのみで判断 が多く 疑義照会の事例全体の内訳と同じ傾向であった 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 の割合は平成 22 年年報以降 増加傾向であり 当該処方せんのみで判断 の割合は減少傾向であった 薬剤削除 の事例 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 が多く 他の 変更内容 の 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 の割合と比較しても最も多かった 平成 23 年年報と比較すると割合は同程度であった 90
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 2) 疑義照会の結果 用法変更 となった事例に関する分析平成 2 年年報から平成 23 年年報では 薬剤変更 分量変更 薬剤削除 について集計 分析した そこで本分析では 用法変更 用量変更 について分析 集計を行った 用量変更 の分析については後述する () 用法変更の事例の報告件数 図表 4-Ⅰ 3 に示したように 平成 24 年の用法変更の事例は 67 件であり 疑義照会の事例中の 9.2% であった (2) 用法変更の事例で報告された 処方された医薬品の薬効及び疑義があると判断した理由 疑義照会により用法が変更される事例では 誤った用法で医師が処方した事例や 薬局で新たに判明した事実が疑義照会によって医師に伝えられることによって用法を変更する根拠が得られた事例がある このような事例の中で処方されている医薬品の薬効や 疑義を抱いた理由となった情報を分析するために 疑義の対象となった医薬品の販売名を入力する項目である 処方された医薬品 の販売名からその薬効を調べて集計 分析した 図表 4 Ⅰ 5 用法変更の事例で報告された 処方された医薬品の名称 薬効等及び疑義があると判断した理由 ( 単位 : 回 ) 医薬品の名称及び薬効等 当該処方せんのみで判断 疑義があると判断した理由 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 中枢神経系用薬 0 2 催眠鎮静剤 抗不安剤 3 ベンゾジアゼピン系製剤 ソラナックス 0.4mg 錠 0 0 2 抗てんかん剤 2 合計 3 その他の抗てんかん剤 2 リボトリール錠 0.5mg ラミクタール錠 25mg 0 0 0 0 2 解熱鎮痛消炎剤 3 3アニリン系製剤 ; メフェナム酸, フルフェナム酸等 3 カロナール錠 200 2 0 0 2 コカール錠 200mg 0 0 9
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 疑義があると判断した理由 医薬品の名称及び薬効等 当該処方せんのみで判断 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 合計 2 抗パーキンソン剤 3その他の抗パーキンソン剤 レキップ錠 mg 0 0 2 精神神経用剤 3その他の精神神経用剤 デパス錠 0.5mg 0 0 2 総合感冒剤 2 ピーエイ配合錠 2 0 0 2 末梢神経系用薬 2 鎮けい剤 3アトロピン系製剤 ブスコパン錠 0mg 0 0 感覚器官用薬 3 2 眼科用剤 3 眼科用抗生物質製剤 ; オキシテトラサイクリン眼軟膏剤 ベストロン点眼用 0.5% 0 0 2 耳鼻科用剤 2 3その他の耳鼻科用剤 2 ナゾネックス点鼻液 50μg56 噴霧用 0 0 アラミスト点鼻液 27.5μg56 噴霧用 0 0 循環器官用薬 3 2 不整脈用剤 3β- 遮断剤 アルマール錠 5 0 0 2 利尿剤 2 3その他の利尿剤 2 ラシックス錠 20mg 0 0 ラシックス錠 40mg 0 0 2 血圧降下剤 3 3その他の血圧降下剤 3 アーチスト錠 2.5mg 0 0 イルベタン錠 00mg 0 0 92
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 疑義があると判断した理由 医薬品の名称及び薬効等 当該処方せんのみで判断 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 合計 プレミネント配合錠 0 0 2 血管拡張剤 4 3 冠血管拡張剤 4 アダラートCR 錠 20mg 0 0 ノルバスク錠 2.5mg 0 0 ノルバスク錠 5mg 0 0 ミオコールスプレー 0.3mg 0 0 2 高脂血症用剤 3その他の高脂血症用剤 ローコール錠 30mg 0 0 2その他の循環器官用薬 2 サアミオン錠 5mg 0 0 ホスレノール顆粒分包 250mg 0 0 呼吸器官用薬 2 2 鎮咳剤 2 3デキストロメトルファン製剤 メジコン錠 5mg 0 0 3その他の鎮咳剤 フスタゾール糖衣錠 0mg 0 0 2 去たん剤 3 3システイン系製剤 2 C-チステン錠 250mg 0 0 ムコダインシロップ5% 0 0 3その他の去たん剤 ソロムコ錠 5mg 0 0 2 鎮咳去たん剤 3その他の鎮咳去たん剤 アスベリンシロップ0.5% 0 0 2 気管支拡張剤 4 3その他の気管支拡張剤 4 メプチンエアー 0μg 吸入 00 回 3 0 0 3 ホクナリンテープ2mg 0 0 2その他の呼吸器官用薬 2 シムビコートタービュヘイラー 60 吸入 0 2 93
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 疑義があると判断した理由 医薬品の名称及び薬効等 当該処方せんのみで判断 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 合計 消化器官用薬 8 2 止しゃ剤 整腸剤 3 活性生菌製剤 ミヤBM 細粒 0 0 2 消化性潰瘍用剤 2 3その他の消化性潰瘍用剤 2 セルベックスカプセル50mg 0 0 ムコスタ錠 00mg 0 0 2 制酸剤 3 無機塩製剤 ; 炭酸水素ナトリウム等 マグミット錠 250mg 0 0 2その他の消化器官用薬 4 3 他に分類されない消化器官用薬 4 ペラプリン錠 5mg 0 0 エリーテン錠 5mg 0 0 プリンペランシロップ0.% 0 0 ペリゼリン錠 0mg 0 0 ホルモン剤 ( 抗ホルモン剤を含む ) 3 2 甲状腺 副甲状腺ホルモン剤 3 抗甲状腺ホルモン製剤 プロパジール錠 50mg 0 0 2 卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤 3その他の卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤 プレマリン錠 0.625mg 0 0 2 混合ホルモン剤 3 卵胞ホルモン 黄体ホルモン混合製剤 プラノバール配合錠 0 0 外皮用薬 4 2 鎮痛 鎮痒 収斂 消炎剤 2 3その他の鎮痛 鎮痒 収斂 消炎剤 2 モーラステープL40mg 0 0 モーラスパップ60mg 0 0 94
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 疑義があると判断した理由 医薬品の名称及び薬効等 当該処方せんのみで判断 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 合計 2 寄生性皮ふ疾患用剤 3イミダゾール系製剤 アイコザールクリーム% 0 0 2その他の外皮用薬 3 他に分類されない外皮用薬 ディフェリンゲル0.% 0 0 ビタミン剤 2ビタミンA 及びD 剤 3 合成ビタミンD 製剤 エディロールカプセル0.75μg 0 0 その他の代謝性医薬品 9 2 解毒剤 2 3その他の解毒剤 2 キューカル細粒分包 2g 0 0 ユーゼル錠 25mg 0 0 2 糖尿病用剤 5 3スルフォニル尿素系製剤 アマリールmg 錠 0 0 3その他の糖尿病用剤 4 ベイスン錠 0.2 0 0 ベイスン錠 0.3 0 0 グルファスト錠 0mg 0 0 エクア錠 50mg 0 0 2 他に分類されない代謝性医薬品 2 3 他に分類されないその他の代謝性医薬品 2 フォサマック錠 5 0 0 ボナロン錠 35mg 0 0 95
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 疑義があると判断した理由 医薬品の名称及び薬効等 当該処方せんのみで判断 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 合計 腫瘍用薬 2 2 代謝拮抗剤 2 3 その他の代謝拮抗剤 2 ユーエフティ配合カプセル T00 0 0 ティーエスワン配合カプセルT20 0 0 アレルギー用薬 2 2 抗ヒスタミン剤 3その他の抗ヒスタミン剤 ペリアクチンシロップ0.04% 0 0 2その他のアレルギー用薬 タリオンOD 錠 0mg 0 0 漢方製剤 ツムラ抑肝散エキス顆粒 ( 医療用 ) 0 0 抗生物質製剤 6 2 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの 2 3ペニシリン系抗生物質製剤 ; 合成ペニシリン サワシリン錠 250 0 0 3セフェム系抗生物質製剤 フロモックス小児用細粒 00mg 0 0 2 主としてグラム陽性菌 マイコプラズマに作用するもの 4 3その他の主としてグラム陽性菌 マイコプラズマに作用するもの 4 クラリス錠 200 0 0 ジスロマック錠 250mg 2 0 0 2 ジスロマックSR 成人用ドライシロップ2g 0 0 化学療法剤 3 2 合成抗菌剤 2 3ピリドンカルボン酸系製剤 2 ジェニナック錠 200mg 0 0 グレースビット錠 50mg 0 0 2 抗ウイルス剤 バルトレックス顆粒 50% 0 0 96
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 疑義があると判断した理由 医薬品の名称及び薬効等 当該処方せんのみで判断 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 合計 寄生動物用薬 2 駆虫剤 3その他の駆虫剤 ストロメクトール錠 3mg 0 0 合 注 ) 計 48 7 4 79 上記以外で判断 の 上記 とは 疑義照会の事例の報告項目の選択肢のうちの 当該処方せんのみで判断 と 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 を示す : 作用部位 成分 2: 主たる薬効 3: 薬効を示す (60 ページ参照 ) 注 ) 疑義照会の対象となった医薬品の販売名を入力する項目である 処方された医薬品 に入力された販売名は複数入力することが可能であるため 合計 (79 回 ) は事例の件数 (67 件 ) と異なる (ⅰ) 薬効等別に見た疑義照会の変更内容が 用法変更 である事例疑義照会の変更内容が 用法変更 であった事例における医薬品の作用部位 成分で多かったものとして 循環器官用剤 が3 回と多かった 次いで 呼吸器官用剤 が2 回 中枢神経系用剤 が0 回 その他の代謝性医薬品 が9 回 消化器官用剤 が8 回などであった 疑義があると判断した理由 のうち 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 した事例における医薬品の作用部位 成分については 中枢神経系用薬 が5 回と最も多く 次いで 循環器官用薬 が4 回であった 上記以外で判断 した事例における医薬品の作用部位 成分については 循環器官用薬 が4 回と最も多かった 当該処方せんのみで判断 した事例における医薬品の作用部位 成分については 呼吸器官用薬 が9 回と最も多く 次いで その他の代謝性医薬品 が8 回であった ハイリスク薬は 糖尿病用剤 代謝拮抗剤 不整脈用剤 精神神経用剤 抗てんかん剤 で報告された ハイリスク薬全体では 疑義があると判断した理由 のうち 当該処方せんのみで判断 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 がそれぞれ5 回と多かった (ⅱ) 用法変更となった事例で報告された 主な処方された医薬品の販売名疑義照会の用法変更に関する事例において 処方された医薬品の販売名のうち 複数回報告された医薬品は メプチンエアー 0μg 吸入 00 回 が3 回 カロナール錠 200 ピーエイ配合錠 シムビコートタービュヘイラー 60 吸入 ジスロマック錠 250mg がそれぞれ2 回であり いずれもハイリスク薬ではなかった このように様々な医薬品について疑義照会が行われ 用法変更がなされていた なお先述した薬効等に関する分析の中で報告回数の多かった 呼吸器官用剤 には メプチンエアー 0μg 吸入 00 回 シムビコートタービュヘイラー 60 吸入 が 中枢神経系用剤 には カロナール錠 200 ピーエイ配合錠 が該当した 97
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 (3) 用法変更となった事例の発生要因 用法変更となった事例について 発生要因を集計した 図表 4 Ⅰ 6 注 ) 発生要因及び選択件数 発生要因用法変更となった事例疑義照会の事例確認を怠った 6 (3.9%) 4 (2.7%) 報告が遅れた ( 怠った ) 0 (0.0%) 3 (0.3%) 記録などに不備があった 3 (.3%) 65 (5.9%) 連携ができていなかった 5 (4.3%) 72 (6.5%) 患者への説明が不十分であった ( 怠った ) 3 (2.6%) 9 (.7%) 判断を誤った 2 (.7%) 2 (.9%) 知識が不足していた 20 (7.4%) 03 (9.3%) 技術 手技が未熟だった 0 (0.0%) 6 (.4%) 勤務状況が繁忙だった 2 (0.4%) 69 (6.2%) 通常とは異なる身体的条件下にあった (0.9%) 2 (0.2%) 通常とは異なる心理的条件下にあった 2 (.7%) 6 (0.5%) その他 ( ヒューマンファクター ) 6 (5.2%) 22 (.0%) コンピュータシステム 2 (0.4%) 7 (6.4%) 医薬品 3 (2.6%) 59 (5.3%) 施設 設備 0 (0.0%) 8 (0.7%) 諸物品 0 (0.0%) 3 (0.3%) 患者側 4 (3.5%) 77 (7.0%) その他 ( 環境 設備機器 ) 2 (.7%) 3 (2.8%) 教育 訓練 5 (4.3%) 33 (3.0%) 仕組み 0 (0.0%) 7 (.5%) ルールの不備 0 (0.0%) 5 (.4%) その他 9 (7.8%) 54 (3.9%) 合 計 5(00.0%),07(00.0%) 注 ) 発生要因 は複数回答が可能であるため 選択件数は事例数と一致しない 割合については 小数点第 2 位を四捨五入したものであり 合計が00.0 にならないことがある 発生要因としては 知識が不足していた が7.4%(20/5 件 ) 確認を怠った が3.9% (6/5 件 ) 記録などに不備があった が.3%(3/5 件 ) 勤務状況が繁忙だった コンピュータシステム がそれぞれ0.4%(2/5 件 ) であり多かった 疑義照会の事例全体では その他 その他 ( ヒューマンファクター ) を除くと 確認を怠った が2.7% 知識が不足していた が9.3% であり多かった 次いで 患者側 が7.0% 連携ができていなかった が6.5% などであった いずれも 知識が不足していた の件数が上位であったが 用法変更の事例ではその割合が多かった 確認を怠った の割合は同程度であった 98
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 主な事例の内容や発生要因 処方された医薬品の販売名等を以下に示す 発生要因販売名事例の内容等 事例 知識が不足していた シムビコートタービュヘイラー 60 吸入 メプチンエアー 0μg 吸入 00 回 ( 事例の内容 ) シムビコートタービュヘイラーが 定時吸入に加え 喘鳴時追加吸入指示があったにもかかわらず メプチンエアーも喘鳴時吸入で処方されていた 疑義照会後 シムビコートは定時吸入のみに変更し 喘鳴時にはメプチンエアーを使用することとなった シムビコートタービュヘイラーの 喘鳴時追加吸入が可能になったことにより メプチンエアーとの使い分けが徹底されていなかった シムビコートタービュヘイラー 本で 定時吸入と喘鳴時追加吸入出来ることを 再度医師と確認する 事例 2 2 連携ができていなかった勤務状況が繁忙だった 事例 3 その他 ( ヒューマンファクター ) ティーエスワン配合カプセルT20 セルベックスカプセル 50mg ( 事例の内容 ) ティーエスワンの用法について処方のコメントとして 本日夕方より となっていたが薬歴を確認すると通常 4 週服用 2 週休薬のところまだ 週間しかたっていないことに気づき本人に聞くがやはり休薬は 週間であることを確認したため処方医に問い合わせをしたところ もう 週間休薬して/ 夕方より服用するようにとの回答あり 本人にも伝えたことで事なきを得た ドクターが繁忙時であること また 本人にもスケジュールの意識が薄かったことが考えられた 薬歴によりスケジュールの管理することの必要性を改めて再確認し 本人にもスケジュールに対して強い関心を持って服用するよう指導した ( 事例の内容 ) 患者が歯の治療のため歯科受診した際 セルベックスカプセル 50mg3 カプセル分 3 毎食後で処方された 当該患者は別の医療機関から セルベックス細粒が分 2 朝夕食後で処方されている事をお薬手帳で確認したため 疑義照会したところ セルベックスカプセル50mg が分 昼食後処方に変更となった 患者は医院ではお薬手帳を提出していなかった事により 医師は重複に気付かなかった 又 その他の方法でも併用薬を伝えていなかったのではないかと考えられる 患者に お薬手帳は医院でも提出して頂き 有効活用していくために 声かけを行っていく 3 4 5 6 7 8 99
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 (4) 疑義があると判断する契機となった情報 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 と 上記以外で判断 を選択した事例には 薬剤服用歴 ( 薬歴 ) や前回処方歴の活用や 患者へのインタビューから得られた情報の活用等 処方せん以外の何らかの情報が契機となって疑義照会が行われた内容が報告されている そこで 疑義があると判断した理由 の項目で 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 または 上記以外で判断 が選択されていた24 件について 事例報告項目のテキスト情報である 事例の内容 背景 要因 改善策 の記述から 疑義があると判断する契機となった情報がわかるものを検索したところ23 件あった その内容を整理して次に示す 図表 4 Ⅰ 7 疑義があると判断する契機となった情報 疑義があると判断する契機となった情報 件数 通常とは異なる用法などを含む処方内容 9 患者が理解している用法と処方内容との相違 4 併用薬 4 薬局で管理している情報と処方内容との相違 3 患者の疾患 2 コンプライアンス 処方内容 副作用歴 合 注 ) 計 25 注 ) 通常とは異なる用法などを含む処方内容 と 患者の疾患 の両方に該当する事例をいずれにも計上しているため 合計 (25 件 ) は事例の件数 (23 件 ) と異なる 疑義があると判断する契機となった情報のうち 服用時点 回数が添付文書上の用法と異なる薬物動態から判断し服用時点変更を提案した事例など 通常とは異なる用法などを含む処方内容 が 9 件と最も多かった 次いで 患者が理解している用法と処方内容との相違 併用薬 がそれぞれ4 件 薬局で管理している情報と処方内容との相違 が3 件などであった 疑義があると判断する契機となった情報が記載されていた主な事例の内容や疑義があると判断した理由 処方された医薬品の販売名を併せて次に示す 200
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 疑義があると判断した理由 販売名事例の内容等 通常とは異なる用法などを含む処方内容 事例 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 アーチスト錠 2.5mg ( 事例の内容 ) アーチスト錠 2.5mg2T 分 朝食後で処方 患者からは Drより分 朝で服用するようにと訴えがあったが 添付文書上 2.5mg 錠は慢性心不全の適応しかなくその場合 日 2 回なので疑義照会 2T 日 回朝食後 日 2 回朝夕食後へ変更 記載なし 患者からの訴えがあっても 添付文書と異なる用法の場合は疑義照会する 事例 2 上記以外で判断 プレマリン錠 0.625mg プラノバール配合錠 ( 事例の内容 ) 患者との面談でプラノバール0 日服用後 プレマリン0 日服用するとの話だったが 薬効上 プレマリン服用後プラノバール服用が一般的と考えられたため 処方医に疑義照会した プレマリン服用後プラノバール服用が正しいと確認し 患者服用前に説明 記載なし 記載なし 患者が理解している用法と処方内容との相違 事例 3 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 イルベタン錠 00mg ノルバスク錠 2.5mg ( 事例の内容 ) 患者と話をしている時に 本人は夜服用だと話していたが 処方せんの用法では ノルバスク錠 2.5mg とイルベタン錠 00mg が朝食後となっていた 疑義照会により 朝食後となった 記載なし 処方からピッキングをする際 処方内容を検討しながら行う 薬の数だけを気にしながらだと どうしても処方内容を見落としがちになる 薬の数もそうだが 疑義照会すべき内容をしっかり見落とさないようしなければ 患者に対して重大な健康被害が起 こりうる 皆の自己意識の向上が必要である 20
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 疑義があると判断した理由 販売名事例の内容等 事例 4 上記以外で判断 併用薬 事例 5 上記以外で判断 事例 6 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 ラシックス錠 40mg ( 事例の内容 ) ラシックス40mg2T 2 朝昼食後 T 朝食後へ減量する予定が用法が2 朝昼食後のままであった 患者へ確認したら昼の薬をやめるという話だったので用法違いに気がついた 病院クラークが錠数を変更したのみで用法変更をしていなかった 記載なしクラリス錠 200 ( 事例の内容 ) 薬局で併用薬の確認をしたところ クラビット500 を服用中であることが判明 しかし 医師にはそれを伝えていなかった 同種の薬剤が処方されていたので疑義照会をした 患者さんが併用薬を医師に知らせていなかった 薬局では併用薬の確認を徹底 患者さんには手帳活用の促進に努める デパス錠 0.5mg( ハイ ( 事例の内容 ) リスク薬 ) デパスを他院で服用中だったが 患者がDrにお薬手帳を見せなかった ( 病院側も服用中の薬の確認できていなかった ) そのために重複して処方された 疑義照会により服用されていることを知り 服用方法などの変更に至った お薬手帳をきちんと病院 薬局に持参し管理すること 患者にも手帳の重要性を再度お話し 服用中の薬については申し出ること 薬局で管理している情報と処方内容との相違 事例 7 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 ラミクタール錠 25mg ( 事例の内容 ) ラミクタール錠 25mg3 錠 日 回夕食後で処方 前回 2 錠 日 2 回朝夕食後だったため 医師へ確認した その結果 ラミク タール錠 日 2 回朝食後 錠夕食後 2 錠へ用法変更された 記載なし 記載なし 202
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 疑義があると判断した理由 販売名事例の内容等 事例 8 上記以外で判断 ローコール錠 30mg ( 事例の内容 ) ローコールの用法間違い ( 正しいのは朝食後だが 夕食後に変わっていた コレステロールの薬は夕食後服用も多い 前回データの確認 患者の疾患 事例 9 上記以外で判断 サアミオン錠 5mg ( 事例の内容 ) パナルジン サアミオン錠 5mgが脳梗塞後から処方されている患者だった 今回の処方でパナルジンのみ4 日分少なく処方されていたため患者に確認すると 全身麻酔で開腹手術を予定しているため 術前 4 日前から中止することが分かった サアミオン錠 5mgも弱いながら出血傾向を増強するため処方医師へ確認したところ 術前 3 日前から中止となった 記載なし 薬局内でも術前の中止薬の意識が統一されていなかったため 表を配布して知識の統一を図る コンプライアンス 事例 0 上記以外で判断 フロモックス小児用細粒 00mg ミヤBM 細粒 アスベリンシロップ0.5% ムコダインシロップ5% ペリアクチンシロップ0.04% ( 事例の内容 ) 分 3で処方されていたが 幼稚園に行っている間はくすりを飲ませてもらえないとの申し出があり 分 2に変更を提案した 記載なし 記載なし 203
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 疑義があると判断した理由 販売名事例の内容等 処方内容 事例 当該処方せん シムビコートタービュ ( 事例の内容 ) と薬局で管理 ヘイラー 60 吸入 シムビコートタービュヘイラー 60 吸入を定期使用するよう説明 している情報 を受けている方で 用法が (2 吸入 / 日 ) と曖昧な指示 定時の で判断 内服処方日数と合わない 患者様からの聞き取りでは判別不可で あったので疑義照会 日 2 回 回 2 吸入 (4 吸入 / 日 ) へ変 更となった 処方せんは印字処方 医療機関事務が処方せん作成時に誤って 入力した可能性がある シムビコートは用量 用法の幅が広いので 投薬時に医師から どのような説明を受けているか必ず確認し はっきりしない場合 は疑義照会する また 医療機関へ用法指示の記載方法の改善を 申し入れる 副作用歴 事例 2 上記以外で判 マグミット錠 250mg ( 事例の内容 ) 断 マグミット錠 250mg 分 3で処方されていたが 下痢が続いて いたことが判明し 同薬 錠頓用に変更を提案した 記載なし 記載なし 上記以外で判断 の 上記 とは 疑義照会の事例の報告項目の選択肢のうちの 当該処方せんのみで判断 と 当 該処方せんと薬局で管理している情報で判断 を示す (5) 薬局から報告された主な改善策 薬局から報告があった改善策のうち主なものを整理して以下に示す (ⅰ) 薬局内での確認方法 どのような状況であっても まずは調剤 鑑査に集中 そこから処方意図 妥当性を考える 変更があるものは 特に注意し確認すること 再度認識をする 処方せんの内容がいつもと違う場合は 薬剤師に確認する習慣をつける 処方からピッキングをする際 処方内容を検討しながら行う 薬の数だけを気にしながらだと どうしても処方内容を見落としがちになる 薬の数もそうだが 疑義照会すべき内容をしっかり見落とさないようしなければ 患者に対して重大な健康被害が起こりうる 皆の自己意識の向上が必要である 204
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 (ⅱ) 患者に対する確認事項 シムビコートは用量 用法の幅が広いので 投薬時に医師からどのような説明を受けているか必ず確認し はっきりしない場合は疑義照会する (ⅲ) 患者への指導 患者に お薬手帳は医院でも提出して頂き 有効活用していくために 声かけを行っていく 患者にも手帳の重要性を再度お話し 服用中の薬については申し出ること 薬歴によりスケジュールを管理することの必要性を改めて再確認し 本人にもスケジュールに対して強い関心を持って服用するよう指導した (ⅳ) 知識の確認 習得 薬局内でも術前の中止薬の意識が統一されていなかったため 表を配布して知識の統一を図る (ⅴ) 医療機関に向けた対応策 喘息吸入薬の種類 分類等についての資料を医師に持参する シムビコートタービュヘイラー 本で 定時吸入と喘鳴時追加吸入出来ることを 再度医師と確認する 3) 疑義照会の結果 用量変更 となった事例に関する分析 () 用量変更の事例の報告件数図表 4-Ⅰ 3に示したように 用量変更の事例は33 件であり 疑義照会の事例中の4.5% であった (2) 用量変更の事例で報告された 処方された医薬品の薬効及び疑義があると判断した理由疑義照会により用量が変更される事例では 投与制限のある医薬品を医師が誤って処方した事例や 薬局で新たに判明した事実が疑義照会によって医師に伝えられることによって初めて用量を変更する根拠が得られた事例がある このような事例の中で処方されている医薬品の薬効の傾向や 疑義を抱いた理由となった情報を分析するために 疑義の対象となった医薬品の販売名を入力する項目である 処方された医薬品 の販売名からその薬効を調べて集計 分析した 205
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 図表 4 Ⅰ 8 用量変更の事例で報告された 処方された医薬品の名称 薬効等及び疑義がある と判断した理由 ( 単位 : 回 ) 疑義があると判断した理由 医薬品の名称及び薬効等 当該処方せんのみで判断 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 合計 中枢神経系用薬 3 2 催眠鎮静剤 抗不安剤 7 3 ベンゾジアゼピン系製剤 5 ハルシオン0.25mg 錠 0 0 ハルシオン0.25mg 錠 0 0 ロヒプノール錠 2 0 0 レンドルミン錠 0.25mg 0 0 ブロチゾラムOD 錠 0.25mg タイヨー 0 0 3その他の催眠鎮静剤 抗不安剤 2 マイスリー錠 0mg 0 0 ルネスタ錠 2mg 0 0 2 解熱鎮痛消炎剤 3 3その他の解熱鎮痛消炎剤 3 トラムセット配合錠 0 0 ノルスパンテープ5mg 0 2 2 精神神経用剤 3 3その他の精神神経用剤 3 リーゼ錠 5mg 2 0 0 2 エチカーム錠 0.5mg 0 0 末梢神経系用薬 2 骨格筋弛緩剤 3カルバメート系製剤 リンラキサー錠 25mg 0 0 感覚器官用薬 2 耳鼻科用剤 3その他の耳鼻科用剤 ストミンA 配合錠 0 0 206
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 疑義があると判断した理由 医薬品の名称及び薬効等 当該処方せんのみで判断 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 合計 循環器官用薬 6 2 利尿剤 3その他の利尿剤 ラシックス錠 20mg 0 0 2 血圧降下剤 3その他の血圧降下剤 ミカルディス錠 20mg 0 0 2 血管拡張剤 3 3 冠血管拡張剤 3 アムロジン錠 5mg 0 0 アムロジピン錠 5mg サワイ 0 0 アムロジピン錠 5mg 明治 0 0 2 高脂血症用剤 3その他の高脂血症用剤 リピトール錠 0mg 0 0 ホルモン剤 ( 抗ホルモン剤を含む ) 4 2 甲状腺 副甲状腺ホルモン剤 2 3 甲状腺ホルモン製剤 チラーヂンS 錠 25 0 0 3 抗甲状腺ホルモン製剤 メルカゾール錠 5mg 0 0 2 副腎ホルモン剤 3プレドニゾロン系製剤 プレドニゾロン錠 mg( 旭化成 ) 0 0 2 混合ホルモン剤 3 卵胞ホルモン 黄体ホルモン混合製剤 ルナベル配合錠 0 0 外皮用薬 2 2 鎮痛 鎮痒 収斂 消炎剤 2 3その他の鎮痛 鎮痒 収斂 消炎剤 2 モーラステープ20mg 0 0 ロキソニンパップ00mg 0 0 207
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 疑義があると判断した理由 医薬品の名称及び薬効等 当該処方せんのみで判断 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 合計 ビタミン剤 2 2ビタミンA 及びD 剤 3 合成ビタミンD 製剤 エディロールカプセル0.75μg 0 0 2ビタミンB 剤 3ビタミンB 誘導体製剤 25mg アリナミンF 糖衣錠 0 0 血液 体液用薬 3 2 止血剤 3カルバゾクロム系製剤 アドナ錠 0mg 0 0 2 血液凝固阻止剤 2 3ジクマロール系製剤 2 ワーファリン錠 mg 0 0 2 2 その他の代謝性医薬品 5 2 解毒剤 2 3その他の解毒剤 2 クレメジン細粒分包 2g 0 0 ユーゼル錠 25mg 0 0 2 他に分類されない代謝性医薬品 3 3 他に分類されないその他の代謝性医薬品 3 リウマトレックスカプセル2mg 0 0 フォサマック錠 35mg 0 0 ベネット錠 7.5mg 0 0 腫瘍用薬 2 代謝拮抗剤 3その他の代謝拮抗剤 ユーエフティ配合カプセル T00 0 0 アレルギー用薬 2 その他のアレルギー用薬 ジルテックドライシロップ.25% 0 0 208
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 疑義があると判断した理由 医薬品の名称及び薬効等 当該処方せんのみで判断 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 合計 漢方製剤 ツムラ釣藤散エキス顆粒 ( 医療用 ) 0 0 化学療法剤 2 抗ウイルス剤 ファルラックス錠 400 0 0 合 注 ) 計 8 0 3 4 上記以外で判断 の 上記 とは 疑義照会の事例の報告項目の選択肢のうちの 当該処方せんのみで判断 と 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 を示す : 作用部位 成分 2: 主たる薬効 3: 薬効を示す (60 ページ参照 ) 注 ) 疑義照会の対象となった医薬品の販売名を入力する項目である 処方された医薬品 に入力された販売名は複数入力することが可能であるため 合計 (4 回 ) は事例の件数 (33 件 ) と異なる (ⅰ) 薬効等別に見た疑義照会の変更内容が 用量変更 である事例疑義照会の変更内容が 用量変更 であった事例における医薬品の作用部位 成分は 中枢神経系用剤 が3 回であり最も多かった 次いで 循環器官用剤 が6 回 その他の代謝性医薬品 5 回などが多かった 疑義があると判断した理由 のうち 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 した事例における医薬品の作用部位 成分については ホルモン剤 ( 抗ホルモン剤を含む ) 中枢神経系用薬 がそれぞれ3 回と多かった 上記以外で判断 した事例における医薬品の作用部位 成分については 循環器官用薬 が4 回と多かった 当該処方せんのみで判断 した事例における医薬品の作用部位 成分については 中枢神経系用薬 が8 回と最も多かった ハイリスク薬は 副腎ホルモン剤 血液凝固阻止剤 代謝拮抗剤 精神神経用剤 他に分類されない代謝性医薬品 で報告された ハイリスク薬全体では 疑義があると判断した理由 のうち 上記以外で判断 が4 回と多かった (ⅱ) 用量変更となった事例で報告された 主な処方された医薬品の販売名疑義照会の用量変更に関する事例において 処方された医薬品の販売名のうち ノルスパンテープ5mg リーゼ錠 5mg ワーファリン錠 mg がそれぞれ2 回報告されており リーゼ錠 5mg ワーファリン錠 mg はハイリスク薬であった ノルスパンテープ5mg リーゼ錠 5mg の事例についてはそれぞれ2 件とも長期投与制限による用量変更であった 209
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 (3) 用量変更となった事例の発生要因 用量変更となった事例について 発生要因を集計した 図表 4 Ⅰ 9 注 ) 発生要因及び選択件数 発生要因 用量変更となった事例 疑義照会の事例 確認を怠った 0 (20.0%) 4 (2.7%) 報告が遅れた ( 怠った ) 0 (0.0%) 3 (0.3%) 記録などに不備があった 2 (4.0%) 65 (5.9%) 連携ができていなかった 3 (6.0%) 72 (6.5%) 患者への説明が不十分であった ( 怠った ) (2.0%) 9 (.7%) 判断を誤った 3 (6.0%) 2 (.9%) 知識が不足していた 7(4.0%) 03 (9.3%) 技術 手技が未熟だった (2.0%) 6 (.4%) 勤務状況が繁忙だった 3 (6.0%) 69 (6.2%) 通常とは異なる身体的条件下にあった 0 (0.0%) 2 (0.2%) 通常とは異なる心理的条件下にあった 0 (0.0%) 6 (0.5%) その他 ( ヒューマンファクター ) 3 (6.0%) 22 (.0%) コンピュータシステム 4 (8.0%) 7 (6.4%) 医薬品 (2.0%) 59 (5.3%) 施設 設備 (2.0%) 8 (0.7%) 諸物品 0 (0.0%) 3 (0.3%) 患者側 (2.0%) 77 (7.0%) その他 ( 環境 設備機器 ) 0 (0.0%) 3 (2.8%) 教育 訓練 2 (4.0%) 33 (3.0%) 仕組み 0 (0.0%) 7 (.5%) ルールの不備 (2.0%) 5 (.4%) その他 7(4.0%) 54 (3.9%) 合 計 50(00.0%),07(00.0%) 注 ) 発生要因 は複数回答が可能であるため 選択件数は事例数と一致しない 割合については 小数点第 2 位を四捨五入したものであり 合計が00.0 にならないことがある 発生要因としては その他 を除くと 確認を怠った が20.0%(0/50 件 ) 知識が不足していた が4.0%(7/50 件 ) であり多かった 次いで コンピュータシステム が8.0%(4/50 件 ) などが報告されていた 疑義照会全体の事例と用量変更の事例のいずれも 確認を怠った 知識が不足していた の件数が上位であり 同様の傾向が見られた 主な事例の内容や発生要因 処方された医薬品の販売名等を次に示す 20
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 発生要因販売名事例の内容等 事例 確認を怠った ファルラックス錠 400 ( 事例の内容 ) 知識が不足していた 施設 設備 教育 訓練 ファルラックス錠 400 が 日 0 錠 / 分 5で 日処方となっていた 他にカサールクリーム3%0g も処方されていた 患者からのインタビューから帯状疱疹と考えられるので 処方医に帯状疱疹なら7 日処方となる事を疑義照会した結果 7 日処方に変更と なった 単純疱疹と帯状疱疹では 回量や使用日数が異なるので 用 法 用量 処方日数には通常から気を付けている 処方せんからだけでなく 患者からのインタビューを含めて処 方の妥当性を判断する必要があると思われる 事例 2 連携ができていなかった ルネスタ錠 2mg ( 事例の内容 ) 新薬のルネスタ2mgが処方されたが4 日分までの制限があるのに2 日処方だった 患者に説明したのち疑義照会して4 日分に変更となった 多忙であったのと医師が新薬に気づかなかった 医療機関に連絡しルネスタは新薬で4 日処方制限であることを再確認した 事例 3 確認を怠った フォサマック錠 35mg ( 事例の内容 ) プレドニゾロン錠 mg Do 処方で他剤は 35 日分から今回 56 日分に変更になっていた ( 旭化成 )( ハイリスク 処方 プレドニゾロン錠 mg( 旭化成 ) 錠 日 回朝 薬 ) 食後 8 日分 処方 2 フォサマック錠 35mg 錠 日 回起床時 週 回起床時内服 56 日分 明らかに処方 と処方 2の投与日数が逆の可能性があった為 疑義照会した所 投与日数が逆に変更になった プレドニゾロン錠 mgは 前回 2 錠 / 日から 今回 錠 / 日に 減薬になっていたので その方に気が取られてしまったと思われ る 記載なし 2
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 (4) 疑義があると判断する契機となった情報 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 と 上記以外で判断 を選択した事例には 薬剤服用歴 ( 薬歴 ) や前回処方歴の活用や 患者へのインタビューから得られた情報の活用等 処方せん以外の何らかの情報が契機となって疑義照会が行われた内容が報告されている そこで 疑義があると判断した理由 の項目で 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 または 上記以外で判断 が選択されていた7 件について 事例報告項目のテキスト情報である 事例の内容 背景 要因 改善策 の記述から 疑義があると判断する契機となった情報がわかるものを検索したところ5 件あった その内容を整理して次に示す 図表 4 Ⅰ 0 疑義があると判断する契機となった情報 疑義があると判断する契機となった情報 疑義があると判断する契機となった情報のうち 受診状況 残薬 処方日数制限 がそれぞれ3 件で多かった 次いで 通常とは異なる用量などを含む処方内容 お薬手帳の内容と処方内容との相違 同時処方薬の処方日数 がそれぞれ2 件などであった 疑義があると判断する契機となった情報が記載されていた主な事例の内容や疑義があると判断し 件数 受診状況 3 残薬 3 処方日数制限 3 通常とは異なる用量などを含む処方内容 2 お薬手帳の内容と処方内容との相違 2 同時処方薬の処方日数 2 患者との会話 合 注 ) 計 注 ) 同時処方薬の処方日数 と 通常とは異なる用量などを含む処方内容 の両方に該当する事例をいずれにも計上しているため 合計 (6 件 ) は事例の件数 (5 件 ) と異なる 6 た理由を併せて以下に示す 22
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 疑義があると判断した理由 販売名事例の内容等 受診状況 事例 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 残薬 事例 2 上記以外で判断 アムロジピン錠 5mg ( 事例の内容 ) サワイ 初めて血圧の薬が4 日分出て お薬手帳を確認したところ 初めに医師と薬剤師に伝えた薬は 年以上前の薬で 現在は他病院にて血圧の薬が出ていた しかし 家には無いとのことだった 次回他病院にかかる予定までの5 日処方に変更をお願いした 本人への聞き取りに対して反応がほとんど無く 家族も薬が出ていることを知らなかった 本人だけでなく 家族にも服用している薬が分かるように お薬手帳は持っていただくようにする エチカーム錠 0.5mg ( 事例の内容 ) 4 日分の処方があったが 本人申し出により 残薬があること が発覚 8 日分の処方へ変更となった 記載なし 記載なし 処方日数制限 事例 3 当該処方せん マイスリー錠 0mg ( 事例の内容 ) と薬局で管理 ロヒプノール錠 2 マイスリー 0mgT ロヒプノール2mgT 日 回寝 している情報 る前 35 日分の処方 向精神薬 30 日投与日数制限あり 疑義照会 で判断 後 30 日分 + 頓服不眠時 5 回分へ変更となった 処方医の認識不足によるもの ( 投与日数制限の設けてある薬 ) 処方医へ投与日数制限の設けてある医薬品リストを提供する 薬局内にも掲示しておく 23
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 疑義があると判断した理由 販売名事例の内容等 通常とは異なる用量などを含む処方内容 事例 4 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 フォサマック錠 35mg ( 事例の内容 ) プレドニゾロン錠 mg Do 処方で他剤は 35 日分から今回 56 日分に変更になっていた ( 旭化成 )( ハイリスク処方 プレドニゾロン錠 mg( 旭化成 ) 錠 日 回朝薬 ) 食後 8 日分処方 2 フォサマック錠 35mg 錠 日 回起床時週 回起床時内服 56 日分 明らかに処方 と処方 2の投与日数が逆の可能性があった為 疑義照会した所 投与日数が逆に変更になった プレドニゾロン錠 mg は 前回 2 錠 / 日から 今回 錠 / 日 に減薬になっていたので その方に気が取られてしまったと思わ れる 記載なし お薬手帳の内容と処方内容との相違 事例 5 上記以外で判断 ラシックス錠 20mg ワーファリン錠 mg アムロジピン錠 5mg 明治 ( 事例の内容 ) 大学病院から紹介状を持参して転院された患者さんが かかりつけ医からの処方せんをだされた 患者さんの話と処方内容が異なっていたので 処方医に疑義照会したところ ラシックスは中止された薬とのことであった そのあと さらに疑義が残ったが 紹介状のとおりの内容ということで お薬手帳との比較を行ったところ 大学病院の退院時の処方でワーファリン錠 mg とアムロジピン錠 5mg の用量が異なっていた かかりつけ医から 直接大学病院の医師に確認してもらったところ 紹介状の記載ミスであることが分かった 他の病院からの転院時には 紹介状だけでなく お薬手帳も持参されることが重要だと考える 紹介状の記載ミスもこの方法で 確認できる場合が多く 重大な症状の変化を防ぐことができると 思われる 24
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 疑義があると判断した理由 販売名事例の内容等 同時処方薬の処方日数 事例 6 上記以外で判リウマトレックスカプ ( 事例の内容 ) 断セル2mg 普段は2 週間処方の患者 今回ほかの内服薬は4 週間分に変更 されたのに対し リウマトレックスは2 週間分のままだったため処方医に確認 リウマトレックスカプセル2mg 2カプセル 2 MA( 木曜日 ) 2 日分 4 日分に変更 記載なし 記載なし 患者との会話 事例 7 上記以外で判リンラキサー錠 25mg ( 事例の内容 ) 断リンラキサー錠はいつも7 日分しか処方されていなかった 他剤は28 日分 患者さんと医師の間で 調節服用するよう話がされていた 手書き処方せんのため字が分かりづらく 7 日分だろうと渡そうとしたところ 患者さんが今回は調子が悪いと話したため 念のため確認したら 28 日分だった 渡す前に気付けてよかった 思い込み 手書き処方せんの字の分かりづらさ 思い込みや 慣れは禁物だと認識する 手書き処方せんは特に注意深くみていく 上記以外で判断 の 上記 とは 疑義照会の事例の報告項目の選択肢のうちの 当該処方せんのみで判断 と 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 を示す (5) 薬局から報告された主な改善策薬局から報告があった改善策のうち主なものを整理して以下に示す (ⅰ) お薬手帳 ( 服薬記録 ) の活用 残薬がある場合 患者が手帳にメモして処方医に渡すか 薬局で残薬の日数調整を依頼するとよい 本人だけでなく 家族にも服用している薬が分かるように お薬手帳は持っていただくようにする 処方元での改善策は困難と思われる 薬局側でのワーファリン手帳による記載内容の確認は 誤処方の発見に有効であり 今後も徹底して実行したいと考える 他の病院からの転院時には 紹介状だけでなく お薬手帳も持参されることが重要だと考える 紹介状の記載ミスもこの方法で 確認できる場合が多く 重大な症状の変化を防ぐことができ 25
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 ると思われる (ⅱ) 表示等による注意喚起 休薬が必要な医薬品のリストを薬局の目に付く場所に掲示しておく 棚にいつから長期処方可能か記載した 処方医へ投与日数制限の設けてある医薬品リストを提供する 薬局内にも掲示しておく (ⅲ) 医療機関に向けた対応策 医療機関に連絡しルネスタは新薬で4 日処方制限であることを再確認した 処方医へ投与日数制限の設けてある医薬品リストを提供する 薬局内にも掲示しておく ( 再掲 ) (ⅳ) その他 処方せんからだけでなく 患者からのインタビューを含めて処方の妥当性を判断する必要があると思われる 思い込みや 慣れは禁物だと認識する 手書き処方せんは特に注意深くみていく 休薬が必要な医薬品については念のため確認を行う 4) 考察 () 疑義照会の事例全体に関する分析 (ⅰ) 疑義照会の事例の報告件数 平成 24 年 月 日から同年 2 月 3 日までに報告されたヒヤリ ハット事例のうち 事例の概要について 疑義照会 が選択されていた事例は730 件あった ヒヤリ ハット全体に占める割合は0.2% であり 平成 23 年年報の7.4% から増加していた 疑義照会は 医療機関で生じた処方せんのエラーを薬局が発見することができる重要な機能である 抗がん剤やインスリンなどのハイリスク薬を必要とする患者が増加し 併せて処方の機会も増加することが予想されることなどから 適切な疑義照会の実施による医療事故防止を図ることは重要である (ⅱ) 疑義があると判断した理由や処方変更の内容 ヒヤリ ハット事例の中で 疑義照会の事例のうち 疑義があると判断した理由 が処方せん以外の情報による事例は72.9% あり 多くのヒヤリ ハット事例で処方せん以外の情報を活用することによってエラーを実施することなく ヒヤリ ハットに留めていた これに該当する平成 23 年年報の結果は67.2% であり 平成 24 年年報では増加していた 今後もこのように 処方せん以外の情報が積極的に活用され 重大事故につながるエラーが修正されることが期待される 薬局において 処方せん以外の情報 例えば薬剤服用歴 ( 薬歴 ) に記載された処方歴や併用薬 26
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 副作用歴 また患者とのインタビューにより得られた情報等が活用されることにより 誤った処方を発見してヒヤリ ハットに留め 医療事故を防ぐことにつながると考えられる このように 処方せん以外の情報を活用することの重要性が示唆され また 経年的に活用が進んでいる実態があることが示された 疑義照会による処方の変更内容は 薬剤変更 が最も多かった 平成 2 年から平成 23 年年報においても同様であったことから 改めて 薬剤変更 となる事例の重要性が示唆された 次に多かったのは 薬剤削除 であり 平成 23 年年報から00 件以上報告件数が増加した一方 その他 の件数が大きく減少していた このように 疑義照会による変更内容の中には 経年的に変化の少ないものもあるが 薬剤削除 のように割合が変化する変更内容があった 薬剤変更 や 用法変更 などの変更内容と その変更に至る過程で確認された処方せんや処方せん以外の情報などの情報を見ると 変更内容により確認に使用された情報は様々であった 例えば 最も報告件数が多かった 薬剤変更 で確認に使用された情報は 疑義照会の事例全体の傾向と類似した割合であったが 用法変更 や 用量変更 などは処方せんのみで誤りが発見されていた事例が多く これは平成 22 年 平成 23 年年報と同様であった また 薬剤変更 分量変更 薬剤削除 は 処方せん以外の情報も多く活用して誤りが発見 修正されていた 特に 薬剤削除 になった事例では 処方せん以外の情報で確認された事例の割合が88.2% と最も多かった これは平成 22 年 平成 23 年年報と同様であった このことから 処方された薬剤を削除する場合には 処方せんの情報だけでなく それ以外の情報も活用し 一層慎重な確認がなされている可能性が示唆された このように 変更内容 によって 疑義があると判断した理由 の内容の割合は異なっていた また 変更内容 ごとに 疑義があると判断した理由 を経年的にみると 平成 22 年から平成 24 年を通じ 処方せんのみで誤りが確認された事例が多いものや 処方せん以外の情報も活用して誤りが確認された事例が多いものなどがあった (2) 疑義照会の結果 用法変更 となった事例に関する分析 平成 2 年年報から平成 23 年年報では 薬剤変更 分量変更 薬剤削除 について集計 分析した そこで本分析では 用法変更 用量変更 について分析 集計を行った (ⅰ) 疑義照会による変更内容が用法変更であった事例の内容等 用法変更の事例は67 件であり 疑義照会の事例に占める割合は9.2% であった また 平成 23 年年報の50 件 (8.3%) から件数と割合のいずれも増加していた 用法変更 の事例について 処方された医薬品の作用部位 成分を集計したところ 循環器官用剤 が最も多かった 通常とは異なる用法 ( 例 : 利尿剤が夕食後の服用となっているなど ) のために疑義をした事例などがあり 循環器官用剤はその特性について知識の習得が重要であると考えられた 疑義があると判断した理由 のうち 当該処方せんのみで判断 した事例で報告された処方された医薬品の作用部位 成分には 呼吸器官用剤 その他の代謝性医薬品 などがあった 処方せん以外の情報を活用し判断した事例で報告された処方された医薬品の作用部位 成 27
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 分は 中枢神経系用剤 循環器官用剤 などがあった ハイリスク薬は 糖尿病用剤 代謝拮抗剤 不整脈用剤 精神神経用剤 抗てんかん剤 で報告された ハイリスク薬全体では 疑義があると判断した理由 のうち 当該処方せんのみで判断 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 がそれぞれ5 回と多かった ハイリスク薬は特に慎重な取り扱いが必要な医薬品であることから 処方せん以外の情報も活用して疑義がないことを確認することが重要である 疑義照会の用法変更に関する事例において 処方された医薬品の販売名のうち 複数回報告された医薬品は メプチンエアー 0μg 吸入 00 回 が3 回 カロナール錠 200 ピーエイ配合錠 シムビコートタービュヘイラー 60 吸入 ジスロマック錠 250mg がそれぞれ2 回であり 特に多いものはなかった このように 様々な医薬品について疑義照会がなされ 用法変更が行われている実態があることが示唆された また それらはいずれもハイリスク薬ではない なお先述した薬効等に関する分析の中で報告回数の多かった 呼吸器官用剤 には メプチンエアー 0μg 吸入 00 回 シムビコートタービュヘイラー 60 吸入 が 中枢神経系用剤 には カロナール錠 200 ピーエイ配合錠 が該当した ハイリスク薬ではなくても 報告回数が多い医薬品名が明らかになることによって 効率的な対策を講じる点で有用であると考えられた 用法変更となった事例について発生要因を集計したところ 知識が不足していた が最も多く 次いで 確認を怠った 記録などに不備があった が多かった 疑義照会の事例全体における選択件数では その他 その他 ( ヒューマンファクター ) を除くと 確認を怠った が最も多く 次いで 知識が不足していた が多かった このように いずれも 知識が不足していた の割合が上位であったが 用法変更の事例では 疑義照会の事例全体と比較して 特にその割合が多かった これにより 用法変更の事例では 個々の医薬品の特徴についての知識習得が重要であると示唆された 報告された事例を 本分析の中で紹介した 先述した医薬品の知識不足以外にも 患者の服薬スケジュールに対する意識の低さ お薬手帳を医療機関に提示していなかったことなどが背景 要因として挙げられていた このように 患者の協力により医療安全が前進する余地があることが示唆された 用法変更に関する事例について 疑義があると判断する契機となった情報を分析したところ 服用時点 回数が添付文書上の用法と異なる 薬物動態から判断し服用時点変更を提案した事例のような 通常とは異なる用法などを含む処方内容 が特に多かった その他には 患者が理解している処方内容との相違 併用薬 などが挙げられた このように 医薬品についての知識の他に 患者へのインタビューによる情報収集の重要性が示唆された (ⅱ) 薬局から報告された改善策 薬局から報告された改善策としては 薬局内での確認方法 患者に対する確認事項 患者への指導 知識の確認 習得 医療機関に向けた対応策などに関する内容が報告された いずれも実施可能である改善策と考えられることから 参考にしていただきたい 28
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 (3) 疑義照会の結果 用量変更 となった事例に関する分析 (ⅰ) 疑義照会による変更内容が用量変更であった事例の内容等 用量変更の事例は33 件であり 疑義照会の事例に占める割合は4.5% であった また 平成 23 年年報の33 件 (5.5%) と同程度であった 用量変更 の事例について 処方された医薬品の作用部位 成分を集計したところ 中枢神経系用剤 が最も多かった 処方日数制限を超えた日数の処方のため 疑義照会を行った事例が多く 処方日数についての知識習得が重要であると考えられた 処方日数制限については 診療報酬改定 厚生労働省告示等で処方可能な日数が変更されることがあり 常に情報を収集する必要があると考えられた 疑義があると判断した理由 のうち 当該処方せんのみで判断 した事例で報告された処方された医薬品の作用部位 成分には 中枢神経系用剤 などがあった 処方せん以外の情報を活用し判断した事例で報告された処方された医薬品の作用部位 成分は ホルモン剤 ( 抗ホルモン剤含む ) 中枢神経系用剤 循環器官用剤 などがあった ハイリスク薬は 副腎ホルモン剤 血液凝固阻止剤 代謝拮抗剤 精神神経用剤 他に分類されない代謝性医薬品 で報告された ハイリスク薬全体では 疑義があると判断した理由 のうち 上記以外で判断 が4 回と多かった ハイリスク薬は特に慎重な取り扱いが必要な薬剤であることから 処方せん以外の情報も活用することは重要である 疑義照会の用量変更に関する事例において 処方された医薬品の販売名のうち ノルスパンテープ5mg リーゼ錠 5mg ワーファリン錠 mg がそれぞれ2 回報告されており リーゼ錠 5mg ワーファリン錠 mg はハイリスク薬であった 用量変更となった事例について発生要因を集計したところ 確認を怠った が最も多く 次いで 知識が不足していた が多かった これは疑義照会の事例全体と同様の傾向であった 報告された事例を 本分析の中で紹介した 通常の処方日数 処方日数制限の知識不足などが背景 要因として挙げられていた 上記についての知識の習得 情報共有の重要性が示唆された 用量変更に関する事例について 疑義があると判断する契機となった情報を分析したところ 受診状況 残薬 処方日数制限 が多かった その他には 通常とは異なる用量などを含む処方内容 お薬手帳の内容と処方内容との相違 同時処方薬の処方日数 などが挙げられた このように 処方せん以外からも疑義照会の契機となる情報の収集の重要性が示唆された (ⅱ) 薬局から報告された改善策 薬局から報告された改善策としては お薬手帳 ( 服薬記録 ) の活用 表示等による注意喚起 医療機関に向けた対応策などに関する内容が報告された いずれも実施可能である改善策と考えられることから 参考にしていただきたい 29
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 5) まとめ 平成 2 年から平成 23 年年報に引き続き 疑義照会のヒヤリ ハット事例を分析した 本年報では 特に疑義照会が行われた結果 用法変更 用量変更 となった事例を中心に分析した その中で 用法変更 用量変更 となった医薬品の薬効 報告回数の多い販売名を分析した 疑義があると判断した理由としては 用法変更 では 通常とは異なる用法などを含む処方内容 患者が理解している処方内容との相違 用量変更 では 受診状況 残薬 などがあり 薬局における普段の調剤業務に有用な情報と考えられた 本分析の結果を活用して処方のエラーによる医療事故の防止に継続して努めていくことが重要である 参考資料 ) 公益社団法人日本薬剤師会." 平成 22 年度薬剤服用歴の活用 疑義照会実態調査 報告書 ".20-3.htp://www.nichiyaku.or.jp/press/wp-content/uploads/20/0/027_.pdf,( 参照 203-7- 8). 220
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 Ⅱ その他の疑義照会に関する分析 ) 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例 () 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例の考え方 疑義照会に関する事例では 処方医に疑義照会した結果 医薬品が変更 削除された事例などを取り上げて分析しているが 疑義照会に関連して 疑義照会を行うべきであったが行わなかった事例も報告されている これは 調剤における監査のエラーであることから 事例収集項目の事例の概要は 疑義照会 ではなく 調剤 が選択され その内容は 処方せん監査間違い が選択される そこで それらの事例の中から 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例や 疑義照会の必要はないと判断したために疑義照会をしなかったが 調剤後に疑義照会すべきであったことがわかった事例を 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例 として事例を抽出し 分析を行った 具体的には 事例の概要 が 調剤 で 事例の内容 が 処方せん監査間違い を選択したヒヤリ ハット事例のうち 事例の内容 ( テキスト ) 背景 要因( テキスト ) 改善策 ( テキスト ) に上記の内容が記載されている あるいは上記の内容が読み取れる事例を抽出した (2) 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例の報告件数 (ⅰ) 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例の報告件数平成 24 年 月 日から同年 2 月 3 日までに報告されたヒヤリ ハット事例のうち 事例の概要 が 調剤 で 事例の内容が 処方せん監査間違い を選択したヒヤリ ハット事例に対し 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例を集計した 図表 4-Ⅱ- 報告件数 ( 単位 : 件 ) 事例の内容 処方せん監査間違い 事例の詳細 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例 あり 実施の有無 なし 合計 26 20 46 その他 68 2 89 合計 94 4 235 事例の内容 処方せん監査間違い 235 件中 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例は46 件 (62.%) であり 昨年と同様に過半数を占めていた 実施の有無を見ると 処方せん監査間違い 全体では 患者に医薬品を交付したことを示す 実施あり が82.6%(94/235 件 ) であったのに対して 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例では 実施あり が86.3%(26/46 件 ) であり昨年とほぼ同様の割合であった 22
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 (ⅱ) 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例の発生場面疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例として抽出した事例を発生場面ごとに整理して以下に示す 図表 4-Ⅱ-2 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例の発生場面 ( 単位 : 件 ) 発生場面 あり 実施の有無 なし 合計 内服薬調剤 0 2 22 外用薬調剤 2 3 注射薬調剤 3 0 3 その他の調剤に関する場面 2 6 8 合 計 26 20 46 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例を発生場面別に見ると 46 件中 内服薬調 剤 が22 件 (83.6%) 外用薬調剤 が3 件 (8.9%) 注射薬調剤 が3 件 (2.%) その他 の調剤に関する場面 が8 件 (5.5%) であり 内服薬調剤 が特に多かった 発生場面別に 実施あり の割合をみると 内服薬調剤 では90.2%(0/22 件 ) 外用 薬調剤 では 84.6%(/3 件 ) 注射薬調剤 では 00.0%(3/3 件 ) であり 注射薬 調剤 では全例が 実施あり であった (3) 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例の分析 (ⅰ) 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例で報告された関連医薬品 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例のうち 医薬品の報告項目である 関連医薬 品 に記載があった事例について 医薬品の名称及び薬効等を整理して以下に示す 図表 4-Ⅱ-3 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例で報告された関連医薬品の薬効等 ( 単位 : 回 ) 薬効等 販売名 合 計 中枢神経系用薬 27 2 催眠鎮静剤 抗不安剤 3 有機ブロム化合物製剤 ; ブロムワレリル尿素 ブロムカンフル系製剤 ブロバリン原末 3ベンゾジアゼピン系製剤 7 ロヒプノール錠 ソラナックス0.4mg 錠 2 トフィソパム細粒 0% CH エマンダキシン錠 50mg 222
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬効等 販売名 合 計 メイラックス錠 mg メイラックス錠 2mg 3その他の催眠鎮静剤 抗不安剤 3 アモバン錠 0 マイスリー錠 0mg ルネスタ錠 3mg 2 抗てんかん剤 3その他の抗てんかん剤 イーケプラ錠 250mg 2 解熱鎮痛消炎剤 6 3アニリン系製剤 ; メフェナム酸 フルフェナム酸等 2 カロナール細粒 20% 2 3その他の解熱鎮痛消炎剤 4 ブルフェン錠 00 ブルフェン錠 200 ロキソニン錠 60mg ソレトン錠 80 2 抗パーキンソン剤 3その他の抗パーキンソン剤 エフピー OD 錠 2.5 2 精神神経用剤 6 3その他の精神神経用剤 6 トリプタノール錠 0 エチセダン錠 0.5mg デプロメール錠 25 トレドミン錠 25mg ジプレキサ錠 5mg レクサプロ錠 0mg 2 総合感冒剤 2 PL 配合顆粒 ピーエイ配合錠 223
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬効等 販売名 合 計 末梢神経系用薬 2 2 自律神経剤 3 四級アンモニウム塩製剤 ; メタンテリンブロミド等 ベサコリン散 5% 2 鎮けい剤 3その他の鎮けい剤 セスデンカプセル30mg 感覚器官用薬 4 2 眼科用剤 4 3その他の眼科用剤 4 ミケランLA 点眼液 2% コリナコール点眼液 コソプト配合点眼液 デュオトラバ配合点眼液 循環器官用薬 24 2 不整脈用剤 4 3β- 遮断剤 2 セオノマール錠 5 アルマール錠 0 3その他の不整脈用剤 2 タンボコール ベプリコール錠 00mg 2 利尿剤 2 3その他の利尿剤 2 ラシックス錠 20mg ラシックス錠 0mg 2 血圧降下剤 8 3その他の血圧降下剤 8 アーチスト錠 0mg アーチスト錠 2.5mg ブロプレス錠 4 ブロプレス錠 8 ディオバン錠 60mg カルブロック錠 6mg 224
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬効等 販売名 合 計 レザルタス配合錠 HD ユニシア配合錠 HD 2 血管拡張剤 4 3 冠血管拡張剤 4 ニフェジピンCR 錠 20mg サワイ シグマート錠 5mg アムロジンOD 錠 2.5mg アムロジピンOD 錠 2.5mg アメル 2 高脂血症用剤 4 3その他の高脂血症用剤 4 リピトール錠 5mg リピトール錠 0mg クレストール錠 2.5mg ゼチーア錠 0mg 2その他の循環器官用薬 2 ニコ200 ソフトカプセル サアミオン 呼吸器官用薬 0 2 去たん剤 2 3システイン系製剤 2 ムコダイン錠 500mg ムコダインDS50% 2 気管支拡張剤 6 3キサンチン系製剤 2 テオドール錠 200mg ユニフィルLA 錠 200mg 3サルブタモール製剤 ベネトリン吸入液 0.5% 3その他の気管支拡張剤 3 ホクナリンドライシロップ0.% 小児用 ホクナリンテープ0.5mg ホクナリンテープmg 2 含嗽剤 アズノールうがい液 4% 225
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬効等 販売名 合 計 2その他の呼吸器官用薬 フルタイド50μgエアゾール20 吸入用 消化器官用薬 9 2 止しゃ剤 整腸剤 5 3タンニン酸系製剤 ; タンニン酸アルブミン等 タンナルビン ホエイ 3 活性生菌製剤 4 エンテロノン-R 散 ビオフェルミンR 散 ビオフェルミンR 錠 ラックビー微粒 N 2 消化性潰瘍用剤 0 3H2 遮断剤 3 カイロック錠 200 ファモチジン錠 0 サワイ ガスター D 錠 0mg 3その他の消化性潰瘍用剤 7 ムコスタ錠 00mg オメプラゾン錠 0mg ランソラールカプセル5 パリエット錠 0mg ネキシウムカプセル20mg 2 マーズレンS 配合顆粒 2 制酸剤 2 3 無機塩製剤 ; 炭酸水素ナトリウム等 2 マグラックス錠 250mg マグミット錠 500mg 2 下剤 浣腸剤 3その他の下剤 浣腸剤 ラキソベロン錠 2.5mg 2その他の消化器官用薬 3 他に分類されない消化器官用薬 ガスモチン錠 5mg 226
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬効等 販売名 合 計 ホルモン剤 ( 抗ホルモン剤を含む ) 0 2 脳下垂体ホルモン剤 3その他の脳下垂体ホルモン剤 デスモプレシン スプレー 0 協和 2 甲状腺 副甲状腺ホルモン剤 2 3 抗甲状腺ホルモン製剤 メルカゾール錠 5mg 3その他の甲状腺 副甲状腺ホルモン剤 フォルテオ皮下注キット600μg 2 副腎ホルモン剤 3プレドニゾロン系製剤 プレドニゾロン錠 タケダ 5mg 2その他のホルモン剤 ( 抗ホルモン剤を含む ) 6 3すい臓ホルモン剤 6 ノボリン30R 注フレックスペン ノボリンR 注フレックスペン ノボラピッド注ペンフィル ノボラピッド30 ミックス注ペンフィル ノボラピッド注フレックスペン ノボラピッド30 ミックス注フレックスペン 泌尿生殖器官及び肛門用薬 6 2その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬 6 バップフォー錠 0 2 ハルナールD 錠 0.2mg フリバス錠 25mg デトルシトールカプセル4mg ベタニス錠 50mg 外皮用薬 6 2 鎮痛 鎮痒 収斂 消炎剤 5 3 副腎皮質ホルモン製剤 3 リンデロン-V 軟膏 0.2% リンデロン-Vクリーム0.2% 227
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬効等 販売名 合 計 リドメックスコーワ軟膏 0.3% 3その他の鎮痛 鎮痒 収斂 消炎剤 2 ロマールテープ20 ファルケンテープ40mg 2その他の外皮用薬 3 他に分類されない外皮用薬 ディフェリンゲル0.% ビタミン剤 0 2ビタミンA 及びD 剤 7 3 合成ビタミンD 製剤 7 カルフィーナ カルフィーナ錠 0.5μg ロカルトロールカプセル0.5 エディロールカプセル エディロールカプセル0.75μg 3 2ビタミンB 剤 ( ビタミンB 剤を除く ) 3 3ビタミンB2 剤 3 メチコバール錠 500μg 2 ヨウコバール錠 血液 体液用薬 2 2 止血剤 3 3カルバゾクロム系製剤 2 アドナ錠 0mg アドナ錠 30mg 3 抗プラスミン剤 トランサミン錠 250mg 2 血液凝固阻止剤 5 3 ジクマロール系製剤 2 ワーファリン錠 mg 2 3 その他の血液凝固阻止剤 3 プラザキサカプセル75mg プラザキサカプセル0mg ヒルドイドソフト軟膏 0.3% 228
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬効等 販売名 合 計 2その他の血液 体液用薬 4 3 他に分類されない血液 体液用薬 4 チクロピジン塩酸塩錠 00mg タイヨー オパプロスモン錠 5μg オパルモン錠 5μg バイアスピリン錠 00mg その他の代謝性医薬品 20 2 痛風治療剤 3その他の痛風治療剤 フェブリク錠 20mg 2 酵素製剤 2 3その他の酵素製剤 2 リチーム錠 90mg エンピナース Pカプセル9000 2 糖尿病用剤 2 3スルフォニル尿素系製剤 2 グリミクロン錠 40mg グリメピリド錠 mg AA 3ビグアナイド系製剤 メトグルコ錠 250mg 3その他の糖尿病用剤 9 グルコバイ錠 50mg ベイスンOD 錠 0.2 ベイスンOD 錠 0.3 スターシス錠 90mg ピオグリタゾン錠 5mg トーワ ネシーナ錠 2.5mg ネシーナ錠 25mg グルベス配合錠 2 229
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬効等 販売名 合 計 2 他に分類されない代謝性医薬品 5 3 他に分類されないその他の代謝性医薬品 5 ラクツロース末 P アーチメント錠 00mg ネオーラル 25mg カプセル ネオーラル 50mg カプセル ビビアント錠 20mg アレルギー用薬 5 2 抗ヒスタミン剤 4 3フェノチアジン系製剤 メキタジン錠 3mg タイヨー 3その他の抗ヒスタミン剤 3 ポララミン錠 2mg ペリアクチン散 % インベスタンドライシロップ (0.%) 2その他のアレルギー用薬 セルテクトドライシロップ2% エバスチン錠 0mg 科研 エバステルOD 錠 エバステルOD 錠 0mg タリオン錠 0mg アレグラ錠 60mg 2 アレグラ錠 30mg 2 シングレア細粒 4mg クラリチンレディタブ錠 0mg 漢方製剤 6 ツムラ加味逍遙散エキス顆粒 ( 医療用 ) ツムラ小柴胡湯エキス顆粒 ( 医療用 ) ツムラ神秘湯エキス顆粒 ( 医療用 ) ツムラ麦門冬湯エキス顆粒 ( 医療用 ) 2 ツムラ麻杏甘石湯エキス顆粒 ( 医療用 ) 抗生物質製剤 5 2 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの 9 3ペニシリン系抗生物質製剤 ; 合成ペニシリン 2 サワシリン アモキシシリンカプセル250mg タツミ 230
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬効等 販売名 合 計 3セフェム系抗生物質製剤 6 セフゾンカプセル00mg 2 メイアクトMS 小児用細粒 0% フロモックス小児用細粒 00mg 2 フロモックス錠 00mg 3その他の主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの オラペネム小児用細粒 0% 2 主としてグラム陽性菌 マイコプラズマに作用するもの 4 3その他の主としてグラム陽性菌 マイコプラズマに作用するもの 4 クラリシッド錠 200mg クラリシッド ドライシロップ0% 小児用 ジスロマック細粒小児用 0% ジスロマック錠 250mg 2 主としてグラム陽性 陰性菌 リケッチア クラミジアに作用するもの 2 3テトラサイクリン系抗生物質製剤 2 ミノマイシンカプセル50mg ミノマイシンカプセル00mg 化学療法剤 9 2 合成抗菌剤 4 3ピリドンカルボン酸系製剤 4 シプロキサン錠 200mg トスキサシン錠 50mg クラビット細粒 0% クラビット 2 抗ウイルス剤 4 バルトレックス錠 500 タミフルカプセル75 タミフルドライシロップ3% レベトールカプセル200mg 2その他の化学療法剤 イトリゾールカプセル50 調剤用薬 2 軟膏基剤 3 油脂性基剤 ; ワセリン パラフィン等 プロペト 23
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬効等 販売名 合 計 アルカロイド系麻薬 ( 天然麻薬 ) 2あへんアルカロイド系麻薬 3コデイン系製剤 コデインリン酸塩散 0% タケダ 非アルカロイド系麻薬 2 合成麻薬 3その他の合成麻薬 フェントステープ mg 合 注 ) 計 98 : 作用部位 成分 2: 主たる薬効 3: 薬効を示す (60 ページ参照 ) 注 ) 医薬品の販売名を入力する項目である 関連医薬品 に入力された販売名は複数入力することが可能であるため 合計 (98 回 ) は事例の件数 (46 件 ) と異なる 報告が多かった 主たる薬効 は 糖尿病用剤 が2 回 その他のアレルギー用薬 催眠鎮静剤 抗不安剤 が各 回 消化性潰瘍用剤 が0 回 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの が9 回などであった ハイリスク薬を 薬効 別に示すと その他の糖尿病用剤 が9 回 その他の精神神経用剤 すい臓ホルモン剤 が各 6 回 その他の血液凝固阻止剤 が3 回 β- 遮断剤 その他の不整脈用剤 キサンチン系製剤 ジクマロール系製剤 スルフォニル尿素系製剤 他に分類されないその他の代謝性医薬品 が各 2 回 その他の抗てんかん剤 プレドニゾロン系製剤 ビグアナイド系製剤 が各 回 報告されていた (237 ページ (4)-(ⅱ) ハイリスク薬が処方されていた事例の内容 参照 ) (ⅱ) 疑義照会をすべきだった理由報告された事例の 事例の内容 背景 要因 改善策 の記述から 疑義照会をすべきだった理由を整理し 次に示す 図表 4-Ⅱ-4 調剤時に疑義照会をすべきだった理由 疑義照会をすべきだった理由 具体内容 件数 分量の確認が必要 通常量と異なる 前回まで処方されていた量と異なるため など 35 薬効重複 ( 同一医薬品を含む ) 他科で処方されている医薬品と薬効が重複しているため など 26 禁忌 合併症 併用薬などに対して禁忌であるため 7 規格の確認が必要 前回まで処方されていた規格と異なる 規格の未記載 など 5 処方された医薬品が正しいか確認が必要 中止 終了したはずの医薬品の処方 処方忘れ など 4 用法の確認が必要通常の用法と異なるため など 2 232
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 疑義照会をすべきだった理由 具体内容 件数 副作用 アレルギー歴 副作用 アレルギー歴があるため 0 用量の確認が必要 新薬 投与制限のある医薬品の日数超過 など 7 併用不可 注意 医薬品の相互作用のため 2 剤形の確認が必要 剤形の未記載 前回まで処方されていた剤形と異なるため 2 その他 処方せん期限切れ 処方せんに押印される医師印の誤りなど 6 合 計 46 (ⅲ) 疑義照会を行わなかった理由報告された事例の 事例の内容 背景 要因 改善策 の記述から 疑義照会を行わなかった理由が分かるものを整理し 次に示す 図表 4-Ⅱ-5 疑義照会を行わなかった理由疑義を生じなかった理由具体内容確認不足 用量 副作用などに気をとられ 添付文書の確認が不十分であった 調剤 投薬した薬剤師のお薬手帳の確認不足 窓口での 患者との確認不足 聞き取り不足 一般名処方で多数薬剤処方されており 商品名の確認に気がとられ規格の確認を怠った 思い込み いつもの処方の為 用量用法については 誤りは無いものとの思い込みで 調剤 鑑査 投薬に至ってしまった 処方せんの記載では薬剤を特定できないにもかかわらず 思い込みで調剤してしまった 処方医の傾向として抗生剤を重ねて処方する事がある事 妊婦であることは医師も承知の上だろうという思い込み 医師が併用して良いといわれたというのを 全く同じ薬ではないので何か併用する理由があると勝手に判断してしまった 知識不足 レザルタス HD にカルブロックが含有されているという事を知らなかった 医師 薬剤師共にフェブリク錠は0mg から服薬開始することを認識していなかった 長期投与に対する意識不足 その他 一方の薬剤の添付文書にしか 併用禁忌の旨の記載が無かった 233
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 (ⅳ) 誤りに気付いた理由報告された事例の 事例の内容 背景 要因 改善策 の記述から 誤りに気付いた理由が分かるものを整理し 次に示す 図表 4-Ⅱ-6 誤りに気付いた理由 誤りに気付いた理由交付後の確認薬歴記載時次回来局時の確認患者 患者家族等からの問い合わせ患者の副作用 アレルギーの情報その他 具体内容 入力確認時 その日のコンピュータ入力鑑査時に 他の薬剤師が気付き 医師に確認 添付文書の確認 患者の帰宅後 添付文書にて用量を確認したところ 少ないことが発覚 他職員の確認 調剤鑑査時に別の薬剤師が気づいて疑義照会 クレストールをローコールに変更となった 投薬後薬歴記入時に用法が食前になっている事に気づく 患者が帰ったあと 薬歴を書いているときに 緑内障ということに気が付き プレドニゾロン錠が原則禁忌であったため 主治医に問い合わせ中止になったことを 患者に伝えた 次回の来局時 処方せんのコンピュータ入力時に前回と違う規格になっている事に気付き 医療機関に確認した 今回再び間違った処方せんが発行された際に 間違いに気付き疑義照会し正しく入力したが 前回 (3ヶ月前) の処方せんを念のため確認したところ 間違っていたことに気付いた 患者本人から 今までインスリンを混ぜたことはなかったが と電話があり 処方ミスと確認ミスが発覚した 患者様の娘さんより後日 TEL あり ムコダインが定期と風邪薬のどっちにも入っているけど 一緒に飲んでもいいか 医師に連絡して 風邪薬のムコダインが中止になる 本人に発疹がでた 患者の便秘症状により発見した 医院への突合点検の報告で用量を超えている事が判明 ) 薬剤服用歴管理指導料の算定要件として 処方せんの受付後 薬を取りそろえる前に 患者等に服薬状況 併用薬 合併症 副作用 他科受診の有無など確認するよう努めることが記載されている 医薬品の調整を行う前に患者インタビューを行う業務手順とすることなどにより 適切に疑義照会を実施できるように努め 安全な医薬品の交付につなげることが望まれる 234
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について ( 保医発 0305 第 号平成 24 年 3 月 5 日 ) 別添 3 調剤報酬点数表に関する事項 より抜粋 < 薬学管理料 > 区分 0 薬剤服用歴管理指導料 (3) 薬剤服用歴管理指導料を算定する場合は 薬剤服用歴の記録に 次の事項等を記載する ア氏名 生年月日 性別 被保険者証の記号番号 住所 必要に応じて緊急時の連絡先等の患者についての記録イ処方した保険医療機関名及び保険医氏名 処方日 処方内容等の処方についての記録ウ調剤日 処方内容に関する照会の要点等の調剤についての記録エ患者の体質 アレルギー歴 副作用歴等の患者についての情報の記録オ患者又はその家族等からの相談事項の要点カ服薬状況キ残薬の状況の確認ク患者の服薬中の体調の変化ケ併用薬等 ( 一般用医薬品 医薬部外品及びいわゆる健康食品を含む ) の情報コ合併症を含む既往歴に関する情報サ他科受診の有無シ副作用が疑われる症状の有無ス飲食物 ( 現に患者が服用している薬剤との相互作用が認められているものに限る ) の摂取状況等セ後発医薬品の使用に関する患者の意向ソ手帳による情報提供の状況タ服薬指導の要点チ指導した保険薬剤師の氏名 (4)(3) のエからセまでの事項については 処方せんの受付後 薬を取りそろえる前に 患者等に確認するよう努めること 235
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 (4) 事例の紹介 (ⅰ) 軽微な治療を要した事例の内容疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例の中から軽微な治療を要した事例を紹介する 関連医薬品 事例の内容等 事例 コデインリン酸塩散 0 % タケダ 事例 2 ( 事例の内容 ) 便秘を起こした経験のある患者にコデインリン酸塩散 0% タケダ が処方されていたが 鑑査を逃して投薬した 患者の便秘症状により発見した 電子薬歴コンピューターの操作の不慣れにより 起こってしまったと考えられる 電子薬歴のコンピューターの操作の指導に加え 現在の薬歴によるチェックのみではなく レセコン入力時にもチェックが出来るように改善する トスキサシン錠 50mg ( 事例の内容 ) トスキサシンにてアレルギーがあったことが 薬歴に記載されていたのに見落としてしまった ご本人様に発疹がでた 薬歴確認をよくする 事例 3 サワシリン ( 事例の内容 ) 以前処方歴があったことで サワシリン等でかゆみ の電子薬歴記載とおくすり手帳のアレルギー歴のサワシリン記載を見逃し サワシリンを 7 日分投薬した 0 日後じんましんが出たと受診 アタラックス P が処方となった 定期薬が 8 種類ある方で そちらの確認が重点的になってしまい 前に出ている薬ということで アレルギー歴を十分確認せずに投薬したという確認不足が一番ではあるが 電子薬歴記載のルールが統一されていないことや 新患以外の 定期的にずっとかかっているような患者さんの使い込んでいるような手帳を前の方から確認ということはあまり行われていなかった. 薬剤アレルギーの対象薬は 電子薬歴を開いた時にポップアップをして必ず目に入るようにする 2. 電子薬歴のアレルギー歴記載部分の該当薬がある場合は目立つように上の方に記載するようにする 3. 普段よく来ている患者でも定期的に手帳の副作用 アレルギー歴を確認する 236
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 関連医薬品 事例の内容等 事例 4 マーズレン S 配合顆粒アズノールうがい液 4 % ( 事例の内容 ) 処方せんにはアズレンスルホン酸ナトリウム L グルタミン配合剤細粒 4g4 4 日分と記されていて同時にロキソプロフェン Na 錠 60mg2 錠 2 食後 5 日分の処方が出ていたため当事者である薬剤師はマーズレン S 配合顆粒が処方されていると思い込んだ しかし 投薬後薬剤師が再確認したところマーズレン S 配合顆粒の用法用量がおかしいことに気付き 病院に確認した すると実際病院が処方したかった薬は アズレンスルホン酸ナトリウム水和物であり そこで間違いが発覚した 直ちに患者さんに連絡をとり 患者さんからマーズレン S 配合顆粒を回収し 本来処方されるはずであった薬を交換した 記載なし 薬剤師は投薬前に薬のみではなく 用法用量の確認まできちんと行うよう心がける (ⅱ) ハイリスク薬が処方されていた事例の内容疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例の中からハイリスク薬が処方されていた事例を紹介する 事例 関連医薬品 事例の内容等 エチセダン錠 0.5mg ( 事例の内容 ) 緑内障の患者さまにエチセダンが新しく処方されたが 疑義照会及び患者様からの聞き取りを行わずそのままお渡ししてしまった 患者様から緑内障だがエチセダンを飲んでいいかとの問い合わせがあり 医師に疑義照会を行い服用 OK とのお返事を得て その旨患者様に伝えた 新規で薬がでたときの問診の確認不足だと思われる 入社間もない薬剤師のため他の薬剤師からのフォローが行うため鑑査 窓口は別の薬剤師対応が望ましい 特に 緑内障 前立腺肥大の病歴の有無は確認必須であることを周知徹底した 事例 2 ベタニス錠 50mg バップフォー錠 0 タンボコール ( 事例の内容 ) ベシケアOD5mgから変更でベタニス50mg が処方された患者さまだったが 併用禁忌であるタンボコールを他科で服用されていた それに気づかず 投薬し その後薬歴記載時併用薬にタンボコールがあることに気づき 処方医に疑義照会し バップフォー 0mg へ変更となる 薬歴からの併用薬確認ミス 処方医ともにベタニス50mg タンボコールの併用禁忌の把握漏れ 併用薬 薬歴の確認徹底と新薬等の併用禁忌理解 確認が必要であり 薬歴の活用法 ベタニスの件に関しては スタッフにミーティングにて周知 237
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 関連医薬品 事例の内容等 事例 3 ノボラピッド30 ミックス注フレックスペン ノボラピッド注フレックスペン 事例 4 ( 事例の内容 ) 処方せんの記載はノボラピッド30MIX 注フレックスペンだったので 30MI Xをピッキングし 処方せんと鑑査を行った 入力はノボラピッド注フレックスペンだったが 間違いに気づかず投薬した 帰宅後患者本人から電話があり 注射が違っている 処方せんはどうなっているか と問い合わせがあったので 前回までと注射の内容が変更になっていることを伝えると 前回と同じはずだからDRに確認してほしい と言われた 病院に確認すると前回までのノボラピッド注フレックスペンに変更してください との回答を得た 調剤時のスピードを気にする患者様であり 十分な確認がとれなかった 内服薬の増量や処方日数の異なる薬剤の確認も行ったが回答が無く 会計を急かされノボラピッドの確認は十分ではなかった 服薬指導時 十分な回答が得られなくても変更点はお互いに集中している状況で行う 薬歴に注射の注入部の色をつけ変更 確認を分かりやすく行う ユニフィルLA 錠 200 ( 事例の内容 ) mg 一般名記載の処方せんでテオフィリン徐放錠 200 の記載だったため 薬剤師はテオドール錠 200mg テオドール200 を調剤し 事務員はユニフィル LA 錠 200 を入力した そのため 薬情はユニフィルのまま 患者の手元に行ってしまい 患者より連絡があり 過誤が発覚した 一般名処方せんの場合 つい成分に問題がないかを確認し それで大丈夫だと安心してしまうことがある 今回も 処方せんの一般名と調剤されたものに矛盾がなかったため 見落としてしまった例である 一般名で初めての処方の場合は 必ず何を調剤するのか 事務に伝え かつ 薬情との照らし合わせを行う 238
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 (5) 共有すべき事例の紹介薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業では 特に重要で周知すべきと考えられる事例を 共有すべき事例 2) として 総合評価部会の委員による 事例のポイント を付して公表している 以下に共有すべき事例で取り上げられた 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例を紹介する 併用禁忌であった医薬品の組み合わせのうち一方のみの添付文書にしか併用禁忌の記載がなかったため医薬品を交付した事例 ( 事例番号 :000000022707) 事例の内容等 ( 事例の内容 ) ベプリコール錠 00mg の処方に対して 併用薬のイトリゾールカプセル50 を患者から確認した その後 ベプリコール錠 00mg の添付文書を確認し 問題なしと判断して投薬した 患者が帰った後 念のためイトリゾールカプセル50 の添付文書を確認したところ 併用禁忌の記載があった 医師に連絡したところ 医師より患者に連絡するとの返答があった その後 患者より感謝の電話があった 記載なし ( 薬局が考えた改善策 ) 併用薬について一方に禁忌の記載があり もう一方に記載がないということに驚いたため すぐに改善すべきと考える 事例のポイント 一方の薬剤の添付文書のみに 当該薬への併用禁忌の記載があった事例である 両剤ともに併用薬に留意する必要性がある薬剤である 薬剤師として十分な知識を必要とする部分もあるが 必要であれば製薬企業においても添付文書の記載内容等について検討していただく必要がある (6) 薬局から報告された主な改善策薬局から報告された改善策のうち 主なものを整理して以下に示す (ⅰ) 調剤 鑑査時の注意 どんな薬であっても ピッキング後の薬剤情報提供文書 調剤録との見直しを徹底する 漢方薬の鑑査は 包のg 数までチェックする習慣をつける 後で別の薬剤師が医薬品を詰める際も 再度処方せんと照らし合わせてチェックすることを心がける ジェネリック医薬品の場合 同じ主成分で数種類の商品が存在することがあるので 処方監査の確認を確実に行うことを徹底する 処方監査では 処方せんと入力が合っているかと 前回の処方を見て今回の処方は妥当で不備な箇所はないかを監査することを念頭に置き行う 相互作用は薬歴の監査システムのみに頼らず自分で確認を行う 239
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 (ⅱ) 患者への確認の徹底 疑問点等を患者から聞き出せるように 投薬時に 何か気になる事は ありませんか? 気になる事があれば いつでも連絡下さい 等の声かけを行う 初回の患者様に対しては問診表をきちんと確認することに加え 禁忌がある薬剤については必ず口頭で併用薬や現病歴などの確認を行うことを徹底する 処方変更があった場合必ず患者に確認してから渡す (ⅲ) 疑義照会に対する考え方 例え患者が急いでいる場合でも 疑義照会を怠らず 照会が必要な理由を患者に説明し疑義する 経験則として処方例があっても 基本に則って疑義照会する (ⅳ) 薬局の仕組みの改善 疑義照会を行う事が多い医薬品については薬歴に必ず疑義済と記入しておく 記入していない場合は行っていないとみなし疑義照会を行う 処方せん監査時に複数規格のあるものは をする 配合剤の一覧表を作成し鑑査台に貼付 すぐに確認しやすくした 処方日数制限のある薬剤に関しては一覧表にて注意を促す (7) 医療事故情報収集等事業に報告された疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例医療機関で発生している 疑義照会はしていないが処方内容を確認した医療事故やヒヤリ ハット事例を 薬局においても共有し 通常業務の中で同種の医療事故が起こらないように注意することは 薬局においても有用であると考えられるため 次に示す 事例 マイスタン細粒 % が分量間違いで処方されたが 疑義照会が行われなかった事例 ( 事故の内容 ) マイスタン細粒 %3.0mgを 2.5mg(0.25g) へ手書きで処方変更後 医事課で入力する際 2.5g と入力してしまい そのまま処方した 調剤した薬剤師は患者の年齢から少し量が多いとは思ったが 許容範囲量と判断し調剤した 調剤薬局の事務職員は 説明用紙の作成履歴から前回の処方内容と同じと思い そのまま患者さんへの説明用紙をプリントアウトした ( 前回処方せんは2.5mg と手書き 今回の処方せんは 2.5g と印字されていた ) 患者家族には 薬剤師から説明用紙と薬を渡したが 説明用紙の内容は確認しなかった 2 週間後 医師は処方時にその入力誤りに気付かず同じ内容の処方せんを出した その際 院外調剤薬局の薬剤師が用量の誤りに気付いて当院の薬剤科に疑義照会があった すぐに主治医が患者家族に電話をし謝罪 すでに0 日間服用していたが 痰が少し多くなった程度で 他の症状はなかった ( 事故の背景要因の概要 ) 処方せんは力価で記載されていたが パソコンに入力するときはグラム単位で入力しなくてはいけないため 2.5mgを 2.5g と入力してしまった 薬剤は 院外調剤薬局にて処方された 入力単位を把握して 力価計算することを徹底し 入力後のダブルチェックを実施する 医師においては 印字された処方内容に誤りがないか確認を徹底する 240
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 事例 2 ワーファリンが誤って削除され処方されたが 疑義照会が行われなかった事例 ( 実施した医療行為の目的 ) 院外処方せんRpのワーファリンとジゴキシンのうち ジゴキシンを中止としたが 誤ってワーファリンまで削除し処方した ( 電子カルテ 行削除 ではなく Rp 毎削除 を選択した ) そのため9 日よりワーファリンは服用していなかった ( 事故の内容 ) その後 2 時すぎ 突然言葉が出ない 右上肢麻痺 唾液が垂れるなどの症状が出現し救急外来受診 左前頭葉に新鮮脳梗塞あり 入院加療となった ラジカット アクチバシン開始 ( 事故の背景要因の概要 ) 9 日の診察の際 心不全原因の徐脈に気をとられジゴキシンを中止としたが 誤って同じRpにあるワーファリンまで削除になったことに気付かなかった ( Rp 毎削除 を選択した ) 処方後の確認 ( プリントアウトした後や記録画面 ) をしていない 院外薬局では 心拍数の低下があると言われ中止となった と患者が話しており 薬剤師の疑義照会はなかった 元々 4.5mg 服用している患者であるが 急に中止になることはあり得ず "4.5mg" の重要性理解ができていなかった 患者も ワーファリンも飲まなくていい と思っていた ワーファリン処方時は必ずRpの単独処方を行う 処方後の確認を必ず実施 ( プリントした処方せんや画面 ) 院外薬局へ情報公開を行い 再発防止策 薬剤師教育を依頼 事例 3 メソトレキセートが連日内服で処方されたが 疑義照会が行われなかった事例 ( 事故の内容 ) 定期外来受診の際に小児科外来において メソトレキセートを3 日分 ( 週 日のみ内服を3 週分 ) 処方するところ 2 日分 ( 連日内服 ) 処方した 院外薬局から医師に対して疑義照会はなかった 患児は処方せん通りに内服を続け 0 日間連日で内服した 受診から2 週間経った頃から口内炎が出現した 主治医は患児の母から口内炎が出現していることを電話で相談を受け メソトレキセートを中止するように指示した 同日夕方に主治医が処方したメソトレキセートが連日投与されていることに気付き すぐに母親に電話した その後 患児は発熱と口内炎が悪化し当科に受診し入院となった 入院時の血液検査にて白血球減少 血小板減少 CRP 高値を認めた 骨髄抑制と重症感染症と考え直ちに治療を開始した 入院翌日 内服状況を確認したところ 処方された翌日から0 日間連日内服し 以後は毎週月曜日に内服していたことが判明した すぐに採血を行いメソトレキセートの血中濃度を測定したところ0.04 であったため 骨髄抑制はメソトレキセートの過量投与によるものと考え メソトレキセートの排泄を促進するため大量輸液とロイコボリン投与を行った その後 患児は回復し退院した ( 事故の背景要因の概要 ) これまで通常 2 週間分 ( 週 日内服のため2 日分 ) 処方を行っていたものを今回は3 週間分 ( 週 日内服のため3 日分 ) の処方に変更した 電子カルテ上で前回の処方を参考にして処方する際 投薬期間を2 日分に一括指定したため他に処方されている内服薬と同じ日数の2 日分がメソトレキセートにも適用された メソトレキセートは3 日分と変更すべきであったが 2 日分としたままこれを正しく変更せずに処方した 通常 2 週間分の処方 :( 粉砕 ) メソトレキセート錠 2.5mg 6mg 分 2( 朝 夕 ) 食後 2 日分 今回の3 週間分処方 :( 粉砕 ) メソトレキセート錠 2.5mg 6mg 分 2( 朝 夕 ) 食後 2 日分 週に 回月曜日のみ内服 という形での処方を行っていなかった 休薬期間が必要です という警告が出ない設定であるメソトレキセートを処方していた メソトレキセートを2 日連日で内服するという明らかに過量と思われる処方せんであるにもかかわらず院外薬局から処方医に対して疑義照会がなされなかった 24
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 普段内服薬を管理している母親の体調が悪かったため 不慣れな父親が内服をさせていた 薬品をリウマトレックスカプセルに変更: リウマトレックスカプセル処方時に リウマトレックスカプセル2mg 連日投与禁止 週 5~6 日の休薬期間が必要です という警告メッセージが表示されるようにした 服用する曜日を入力: 曜日を入力することで 日数が多くなった場合にも 連日投与を防止することができる ( 医療事故情報収集等事業ホームページ 公開データ検索 3) より 事例検索して引用 ) (8) 考察 (ⅰ) 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例の報告件数 処方せん監査間違い の事例の中から テキストで記述された事例の内容 背景 要因 改善策を確認し 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例を抽出したところ 46 件であり 昨年度と同様 処方せん監査間違い の事例の過半数を占めていた 実施の有無 を見ると 処方せん監査間違い 全体では 患者に医薬品を交付したことを示す 実施あり が82.6%(94/235 件 ) であったのに対して 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例では 実施あり が86.3%(26/46 件 ) であり昨年とほぼ同様の割合であった 発生場面別に見ると 46 件中 内服薬調剤 が22 件 (83.6%) と多く そのうち 90.2% (0/22 件 ) で 実施あり であった 注射薬調剤 は3 件と報告数は少なかったが 全例が 実施あり であった (ⅱ) 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例の分析 疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例の関連医薬品で報告が多かった 主たる薬効 は 糖尿病用剤 が2 回 その他のアレルギー用薬 催眠鎮静剤 抗不安剤 が各 回 消化性潰瘍用剤 が0 回 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの が9 回などであった ハイリスク薬を 薬効 別に示すと その他の糖尿病用剤 が9 回 その他の精神神経用剤 すい臓ホルモン剤 が各 6 回 その他の血液凝固阻止剤 が3 回 β- 遮断剤 その他の不整脈用剤 キサンチン系製剤 ジクマロール系製剤 スルフォニル尿素系製剤 他に分類されないその他の代謝性医薬品 が各 2 回 その他の抗てんかん剤 プレドニゾロン系製剤 ビグアナイド系製剤 が各 回 報告されていた ハイリスク薬は特に確実な調剤や適切な疑義照会が実施されるように 業務手順やその中における確認のステップの設定 その方法の工夫を行うことなどが望まれる (ⅲ) 疑義照会をすべきだった理由 疑義照会を行わなかった理由 誤りに気付いた理由 疑義照会をすべきであった理由 誤った処方であってもそれに気付かなかった理由や 交付後などに誤りに気付いた理由を分析することは 誤った医薬品が交付され続けることによって医療事故に至ることを防ぐために有用であると考えられることから それらを分析し 整理して 242
薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 示した 疑義照会をすべきだった理由としては 分量の確認が必要であった 併用薬と薬効重複のため確認が必要であった 禁忌薬であった 規格の確認が必要であった などが多かった これらは決して後方視的な分析によって初めて見出された理由ばかりではなく 調剤時に気付くことが出来た理由も含まれていると考えられた 処方せんの内容の確認だけでは誤りに気付かない場合も多いことから 薬歴 お薬手帳 患者インタビューなどから得た情報から判断し 適切な医薬品の交付であるかを判断する必要があることが示唆された 疑義照会を行わなかった理由としては 確認不足 思い込み 知識不足が多かった 具体的には添付文書 お薬手帳の確認不足 患者との確認不足 いつもの処方のため 誤りはないであろうとの思い込み 医薬品についての知識不足などがあった 誤りに気付いた理由としては 交付後の確認 薬歴記載時に気付いた 次回来局時の確認 患者 患者家族等からの問い合わせで気付いた 患者の副作用 アレルギーの情報で気付いた などの事例が多かった 先述した点に留意することを業務手順に含めることなどにより 交付前の確認を一層確実なものにすれば 調剤時に疑義照会を行うことができた事例もあると考えられることから 業務の繁忙さなどの状況の影響を極力排し 慎重に業務手順を履行して処方監査を行うことが重要であると考えられた (ⅳ) 薬局から報告された主な改善策 薬局から報告された主な改善策としては 処方監査では 処方せんと入力が合っているかと 前回の処方を見て今回の処方は妥当で不備な箇所はないかを監査する 疑問点等を患者から聞き出せるように 声かけを行う 経験則として処方例があっても 基本に則って疑義照会する 疑義照会を行う事が多い医薬品については薬歴に必ず疑義済と記入しておく などが挙げられていた いずれも 実施可能な現実的な改善策と考えられることから 薬局において導入したり 実施している場合は継続的かつ確実に実施したりして行くことが望まれる (ⅴ) 医療事故情報収集等事業に報告された疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例 医療事故情報収集等事業においても 薬局において疑義照会はしていないが 処方内容を確認した事例が報告されている 本報告書では マイスタン細粒 % が分量間違いで処方されたが 疑義照会が行われなかった事例 ワーファリンが誤って削除され処方されたが 疑義照会が行われなかった事例 メソトレキセートが連日内服で処方されたが 疑義照会が行われなかった事例の3 事例を紹介した 医療事故情報収集等事業の事例は 疑義照会が適切に行われなかったことにより 患者の健康に及ぼす影響を現実的に理解することに有用である そこで これらの事例を薬局内で共有したり 教育 研修の機会に活用したりして 医療安全の確保のための適切な疑義照会の意義を常に認識しておくことが望まれる 243
薬局ヒヤリ ハット事例の分析薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 24 年年報 (9) まとめ本年報では 疑義照会はしていないが処方内容を確認したと考えられる事例を抽出し その報告件数をまとめ それらの事例で処方された医薬品について 薬効 販売名を整理し示した また具体的な事例の紹介とともに 疑義照会をすべきだった理由 疑義照会を行わなかった理由 誤りに気付いた理由を分析した さらにヒヤリ ハット事例の具体的な事例や 医療事故情報収集等事業に報告された事例を示した 薬剤師法第 24 条では 薬剤師は 処方せん中に疑わしい点があるときは その処方せんを交付した医師 歯科医師又は獣医師に問い合わせて その疑わしい点を確かめた後でなければ これによって調剤してはならない と規定されており 疑義照会は医薬品の適正使用において重要な業務である また医師が処方した処方せんを薬剤師がダブルチェックすることにより処方の誤りを発見することは 医薬分業の重要な意義の一つであり 適切な疑義照会の実施が必要である なお事例収集項目には 疑義照会はしていないが処方内容を確認したと考えられる事例 を抽出するための項目は設定されていないことから 前年度と同様に 記載された情報の不足から疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例と判断されなかった事例が存在している可能性もある 報告の質を高め 適切な分析を行い 分析結果を使用しヒヤリ ハット防止に活用いただくことが望まれる 参考資料 ) 厚生労働省保険局." 保医発 0305 第 号 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について ". 厚生労働省.200-3-5. htp://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken2/dl/index-029.pdf,( 参照 203-7-7). 2) 公益財団法人日本医療機能評価機構薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業." 共有すべき事例 ". htp://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/contents/sharing_case/index.html,( 参照 203-7-7). 3) 公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故情報収集等事業." 公開データ検索 ". htp://www.med-safe.jp/mpsearch/searchreport.action/,( 参照 203-7-7). 244