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法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日)

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学報_台紙20まで

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かし この技術に必要となる遺伝子改変技術は ヒトの組織細胞ではこれまで実現できず ヒトがん組織の細胞系譜解析は困難でした 正常の大腸上皮の組織には幹細胞が存在し 自分自身と同じ幹細胞を永続的に産み出す ( 自己複製 ) とともに 寿命が短く自己複製できない分化した細胞を次々と産み出すことで組織構造を

分子マシンを架橋剤に使用することで 高分子ゲルの伸張性と靱性が飛躍的に向上 人工筋肉などのアクチュエータやソフトマシーン センサー 医療への応用も可能に 名古屋大学大学院工学研究科 ( 研究科長 : 新美智秀 ) の竹岡敬和 ( たけおかゆ きかず ) 准教授の研究グループは 東京大学大学院新領域創

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学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 松尾祐介 論文審査担当者 主査淺原弘嗣 副査関矢一郎 金井正美 論文題目 Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a mur

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を確認しました 本装置を用いて 血栓形成には血液中のどのような成分 ( 白血球 赤血球 血小板など ) が関与しているかを調べ 血液の凝固を引き起こす トリガー が何であるかをレオロジー ( 流れと変形に関わるサイエンス ) 的および生化学的に明らかにすることとしました 2. 研究手法と成果 1)

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日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す

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Xcell Biosciences WHIITEPAPER EX VIVO と IN VIVO の結果が相反する時 : 何故 従来からの細胞培養法が不正確な 物学的結果を導くのか バイオ関連ラボでの検体数が増えているのもかかわらず 従来からのインキュベーターでは 細胞が増殖する本来の微小環境を正確に

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1 抗体に代るペプチドを用いた分子認識材料 ( ペプチドアプタマー ) の迅速な創製 埼玉大学 大学院理工学研究科物質科学部門 准教授根本直人

難病 です これまでの研究により この病気の原因には免疫を担当する細胞 腸内細菌などに加えて 腸上皮 が密接に関わり 腸上皮 が本来持つ機能や炎症への応答が大事な役割を担っていることが分かっています また 腸上皮 が適切な再生を全うすることが治療を行う上で極めて重要であることも分かっています しかし

のと期待されます 本研究成果は 2011 年 4 月 5 日 ( 英国時間 ) に英国オンライン科学雑誌 Nature Communications で公開されます また 本研究成果は JST 戦略的創造研究推進事業チーム型研究 (CREST) の研究領域 アレルギー疾患 自己免疫疾患などの発症機構

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バイオ医薬品は生物を用いて製造されます 通常 細菌や動物細胞などの生体の中で目的とするタンパク質を産生させます バイオ医薬品の特性は製造プロセスの状態に依存するところが大きく しばしば プロセスが製品 と喩えられます 事実 製造プロセスにおける小さな変更でも 最終製品の違いにつながる可能性があります

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報道発表資料 2005 年 8 月 2 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人京都大学 ES 細胞からの神経網膜前駆細胞と視細胞の分化誘導に世界で初めて成功 - 網膜疾患治療法開発への応用に大きな期待 - ポイント ES 細胞の細胞塊を浮遊培養し 16% の高効率で神経網膜前駆細胞に分化させる系

サイズ排除クロマトグラフィー SIZE EXCLUSION CHROMATOGRAPHY TSKgel SuperMultiporeHZ シリーズ 細孔多分散型有機系セミミクロ SEC カラム 特長 主な対象物質 技術資料 細孔多分散型充塡剤を用いています 合成高分子 オリゴマー S/R 較正曲線の

(修正)資料1_野地PM_研究開発プログラム説明資料(提出版)ver4_2_2 (1)

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中間水含有ポリマーを用いた細胞機能操作技術 山形大学大学院理工学研究科プロジェクト教員 ( 准教授 ) 干場隆志 山形大学大学院理工学研究科教授田中賢

バイオ産業の例 医療産業 ( 医療器具の開発 ) 例 1) ステント : 血管等の閉塞に対する治療 例 2) 人工臓器 : 人工血管等 医療産業 ( 再生医療産業 ) 体外循環型人工臓器 ( 人工心肺 人工肝臓等 ) 製薬産業 ( 新薬の開発 製造 ) 例 3) 細胞を用いた薬効 副作用の試験 癌細胞 肝細胞 薬の薬効判定 薬の副作用評価 例 4) バイオリアクター バイオ産業は大きな広がりを見せている 有用タンパク質の産生 ( アルブミン 血液凝固因子 )

バイオ産業における細胞機能制御の重要性 細胞増殖 ( 産業化に向けた細胞数の確保 ) 細胞接着 ( 人工血管等の医療器具開発 再生医療への応用 ) 薬物応答能 ( 薬剤試験への応用 ) その他の細胞特異的機能発現 タンパク質産生能 ( バイオリアクターへの応用 ) バイオ産業の確立には様々な細胞機能の制御が重要

主な細胞機能制御の方法 1) 遺伝子操作 遺伝子導入 機能発現 ( 利点 ) 強力に機能誘導 ( 欠点 ) 臨床応用が困難 複雑な機能発現は困難な場合もある 2) 液性因子 ( ホルモン等 ) の利用 液性因子 機能発現 ( 利点 ) 強力に機能誘導 ( 欠点 ) 液性因子が困難 機能発現が一過的

培養基板の重要性 培養基板 = 細胞が付着するための単なるの足場? 液性因子への応答 細胞死 臓器特異的な機能発現 接着 接着脱離 生存 増殖 培養基板 形態変化 細胞機能を制御できる培養基板の開発は重要

従来の高分子培養基板 例 利点 欠点 生体高分子 合成高分子 タンパク質の塗布 生理活性物質の修飾 組織培養用ポリスチレン (TCPS) ポリ -L- リシン ポリスチレン 細胞機能を強く誘導できる 生体内の細胞を囲む微小環境に近づけることができる 高価 保存が困難 大量調製が困難 ロット差が大きい 大量調製が可能 安価で安定した質が期待できる ロット差が小さい 生理活性物質の修飾が容易 細胞機能を強く誘導できない 生理活性物質の修飾は合成に手間 高価 成高分子の利点を生かしながら 細胞機能を強く誘導したい

中間水含有ポリマー 中間水含有ポリマーポリ (2- メトキシエチルアクリレート ) 細胞 - 培養基板間界面の模式図 タンパク質表面 ポリ (2- メトキシエチルアクリレート ) (PMEA) 吸着 / 細胞接着 吸着タンパク質 高分子鎖 脱離 中間水 高分子鎖に弱く結合 独自の 中間水理論 により タンパク質の吸着挙動 血小板粘着を制御できることを見出した 人工心肺へのフルコーティング材として利用 ( 世界シェア No.1)

中間水含有ポリマーの優位性 優れた血液適合性 低毒性 簡便 低コストに合成 粘着性 透明性 水不溶性 医療器具へのフルコーティング可能 厚生労働省 FDA 認可 (PMEA) 医療デバイスへの応用に大きな利点 PMEA をもとにした中間水含有ポリマーによる細胞機能の制御例を紹介しながら 応用の可能性をご説明いたします

中間水含有ポリマーによる細胞機能制御の例 1 ~ 血液中の細胞の接着制御 問題点 ~ 期待されるシーン 1 血液接触環境下での細胞の利用 ( 血液中からの希少細胞の単離 細胞センシング 細胞を用いた医療機器 ) 問題点 1: 血液接触環境において 特定の細胞を接着させるには 細胞接着部位の提示が必須 ( 作製に手間 コスト上昇 ) 非血液細胞 血液細胞 血液細胞 ポリエチレンテレフタレート等 ポリエチレングリコール等 従来の解決方法 接着部位 Y Y Y Y 非血液細胞 ポリエチレングリコール等 従来の培養基板はすべての細胞を接着させるか 完全に接着を抑制させるものだけ

PET を 1 とした時の細胞接着数 中間水含有ポリマーによる細胞機能制御の例 1 ~ 血液中の細胞の接着制御 ~ 中間水含有ポリマーの利点 1: 細胞接着部位の提示をしなくても 血液細胞は接着させずに非血液細胞を接着できる ( 作製が簡便 ) 3 2.5 2 1.5 1 0.5 0 従来の細胞接着基板 白 : 癌細胞青 : 血小板 PET PMEA PTHFA PHEMA 中間水含有ポリマー 従来の細胞接着抑制基板 応用例 1 バイオ人工血管 バイオ人工肝臓血中循環癌細胞 / 血管内皮前駆細胞の採取デバイス開発 干場隆志 田中賢ら特願 2012-123228 原理等 : T. Hoshiba, et al., Adv Healthcare Mater, 2014

中間水含有ポリマーによる細胞機能制御の例 2 ~ 細胞の接着による選別 問題点 ~ 期待されるシーン 2 複数種の細胞が混合した懸濁液からの細胞の選別 問題点 2: a) 抗体などの細胞認識素子の利用 ( バイアス 細胞の変性 ) b) フローサイトメトリー法の利用 ( 抗体と同じ問題 高価な装置 ) c) サイズの違いを利用 ( 分離能が低い ) a) 細胞認識素子の利用 b) フローサイトメトリー法 c) サイズの違いの利用 細胞 B フローサイトメーター 細胞 A 認識素子 Y Y Y Y ポリエチレングリコール等 Y Y 回収

接着した細胞数の比 (HT-1080/HepG2) 中間水含有ポリマーによる細胞機能制御の例 2 ~ 細胞の接着による選別 ~ 中間水含有ポリマーの利点 2: 抗体フリー 認識素子フリー ( バイアスかかりにくい 変性しにくい ) 細胞接着依存的な選別 ( 高価な装置不要 ) 4 3 2 1 0 線維肉腫 : 肝がん細胞 70 : 30 PBA PTHFA PMEA 線維肉腫 : 肝がん細胞 = 50 : 50 中間水量 PMe3A PMe2A 応用例 2 分化した幹細胞の選別 (= 再生医療への応用 ) 性質の変化した細胞の選別 (= 細胞の品質管理 ) カラム技術 マイクロ流路技術等との融合 分離能の向上が期待 原理等 :T. Hoshiba, et al., 投稿中

中間水含有ポリマーによる細胞機能制御の例 3 ~ 接着した細胞の回収 問題点 ~ 特許出願準備中のため 配布資料はございません 当日 口頭でご説明申し上げます

中間水含有ポリマーによる細胞機能制御の例 4 ~ 肝細胞の肝機能発現 問題点 ~ 期待されるシーン 4 肝細胞の医療 バイオ産業への応用 問題点 4: a) 肝細胞を生体外で培養すると機能を喪失 b) 肝細胞は培養基板に接着しないと生存性が低下 肝細胞だけの 医療 バイオ産業への応用は困難 c) 血液接触環境下で用いることができるものが少ない これまでの主な解決法 あ ) スフェロイド培養 い ) マトリゲル上での培養 う ) 細胞認識型高分子の利用 問題点 ) 低操作性内部の細胞の壊死 マトリゲル腫瘍細胞由来 ( 安全性 ) 非常に高価 高分子基板 糖鎖高分子等 肝細胞の特異的接着により共培養不可

中間水含有ポリマーによる細胞機能制御の例 4 ~ 肝細胞の肝機能発現 ~ の発現 中間水含有ポリマーの利点 2: 肝細胞が接着し 肝機能の維持が期待血液接触環境下で使用でき 安全 安価な合成高分子 肝機能 (HNF4α) 40 30 20 10 0 肝機能 UP! 従来の培養基板 PMEA PTHFA 中間水含有ポリマー 考えられる応用例 細胞と材料を組み合わせたハイブリッド型人工肝臓 アルブミン 血液凝固因子産生のためのバイオリアクター 新薬開発のための培養システム 細胞アレイ 干場隆志 田中賢ら 特願 2014-214456 Day1 Day2 Day4

中間水含有ポリマーによる細胞機能制御の例 5 ~ 幹細胞の分化制御 問題点 ~ 期待されるシーン 5 再生医療 バイオ産業への応用 問題点 5: a) タンパク質等の生理活性物質の培養基板への修飾 高価 長期保存が困難 ロット差の問題 b) 形状 トポロジー制御 作製に手間 (= 高価 ) 分化誘導試薬 培養基板 培養基板の改良による分化誘導効率の向上 生理活性物質 形状制御 Y Y Y Y Y 培養基板 培養基板 ( 問題点 ) 高価 長期保存が困難 ロット差 ( 問題点 ) 作製に手間 (= 高価 )

中間水含有ポリマーによる細胞機能制御の例 5 ~ 幹細胞の分化制御 ~ 脂肪細胞への分化 中間水含有ポリマーの利点 5: 生理活性物質の培養基板への修飾は不要培養基板に塗布するだけで幹細胞の分化制御が可能 (Fasn の発現量 ) 6 5 4 3 2 1 0 従来の培養基板 PTHFA PMEA PMe3A PMe2A 考えられる応用例 幹細胞を用いた再生医療 バイオ産業 脂肪分化促進 中間水含有ポリマー 干場隆志 田中賢ら 特願 2014-214456

中間水含有ポリマーによる細胞機能制御の可能性 ~ まとめ ~ 適切な量の中間水を有する中間水含有ポリマーの選択により 様々な細胞の接着 / 機能制御 様々なバイオ産業への応用の可能性 用途例 1: バイオ人工臓器用途例 2: 癌の診断用デバイス ( 血中循環癌細胞の単離 ) 用途例 3: 非侵襲的な有用細胞の選別用途例 4: 培養細胞の品質管理用途例 5: 新薬評価のための細胞培養系用途例 6: バイオリアクター用培養基板用途例 7: 再生医療

実用化に向けた課題と企業への期待 ( 実用化に向けた課題 ) 1) デバイス化 マイクロ流路 カラム技術との融合 ( 細胞選別 ) アレイ化 ( 肝細胞チップ 幹細胞チップ ) 2) 簡便な検出技術の開発 細胞接着の検出 ( 高速スキャン 電気的検出等 ) 細胞死の検出 ( 高速スキャン等 ) 細胞の状態把握 ( 細胞の非侵襲的評価 ) ( 企業への期待 ) 安価かつ安定した性能のバイオ産業 再生医療用デバイスの開発を目指す企業は中間水含有ポリマーの培養基板への利用が有効と期待される デバイス化 細胞接着 細胞機能の検出技術の組み合わせによる製品開発

本技術に関する知的財産権 発明の名称 : 細胞培養用支持体と それを用いた細胞培養方法 出願番号: 特願 2014-214456 出願人 : 山形大学 発明者 : 干場隆志 田中賢ら

お問い合わせ先 山形大学 大学院理工学研究科干場隆志 TEL:0238-26-3116 FAX:0238-26-3116 e-mail :thoshiba@yz.yamagata-u.ac.jp 大学院理工学研究科田中賢 e-mail :tanaka@yz.yamagata-u.ac.jp