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第1号様式(第9条第1項関係)

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間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 53ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期間 5 年間

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(9) 耐震シェルター等設置工事耐震診断の結果又は既存住宅性能評価により 倒壊の危険性があると判断された既存木造住宅における耐震シェルター等の設置工事 ( 第 10 号に規定する低所得者等が所有する木造住宅について 別表第 3に定める耐震基準を確保するために行うものに限る ) をいう (10) 低所

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資料 4 マンションの 耐震設計の手法について 平成 28 年 10 月 31 日作成 ( 注 ) 耐震化補助制度の内容は 作成時点のものとなります 1

設計手法 地震の原因とプレートの配置 地震の原因 地球の表面は何枚かの岩盤 ( プレート ) にて構成されている それぞれのプレートが運動することで境界部にひずみが生じる 蓄積したひずみが限界に達し それが解放されたものが地震となる プレートテクトニクス理論 2

設計手法 地震動の分析 地震動について 3

設計手法 建物の固有周期 建物の固有周期について 建物がそれぞれ持っている揺れやすいリズムのこと 低層 < 固有周期 > 短い 大 中層 小 高層 長い 遅 速 4

設計手法 強度型の設計 固有周期の短い中低層建物の耐震設計のコンセプトは 強度型 荷重 速度は速いが幅は小さい 揺れに耐える 強い壁の量を十分に配置し 建物を強固につくる ここの範囲内で地震に耐えられるよう設計 荷重 - 変位曲線 変位 5

設計手法 固有周期の長い建物の耐震設計のコンセプトは じん性型 じん性型の設計 荷重 速度は遅いが幅は大きい 揺れに耐える 徐々に壊れながら 大きなエネルギーを吸収する ここの範囲内で地震に耐えられるよう設計 荷重 - 変位曲線 変位 6

設計手法 じん性型の設計 7 写真出典 : 一般財団法人消防防災科学センター

設計手法 じん性型の設計 8 写真出典 : 一般財団法人消防防災科学センター

設計手法 新耐震と旧耐震の違い 建築基準法の耐震基準の違い 1950 年 ( 昭和 25 年 ) 建築基準法制定 1981 年 6 月 1 日 ( 昭和 56 年 ) 耐震基準改正 < 旧耐震基準 > 中地震に対して 壊れない こと < 新耐震基準 > 中地震に対して 壊れない 大地震に対して 倒れない こと 大地震に対する検討がされていない 9

横浜市のマンション 耐震化補助制度について 平成 28 年 10 月 31 日作成 ( 注 ) 耐震化補助制度の内容は 作成時点のものとなります 10

マンション補助制度 1 対象要件 補助事業の対象となるマンション ( 次の全てを満たすもの ) 1 昭和 56 年 5 月以前に着工されたもの 2 区分所有されたマンションで 以下のいずれかに該当 住戸数の半分以上に区分所有者本人が居住するもの 階数が3 以上で かつ延べ面積 1,000m2以上のもの 3 店舗等が併設されている場合 延べ面積の過半が共同住宅 11

マンション補助制度 対象となる事業 流れ 2 対象事業 診 断 精密診断の必要性あり 改 耐震改修の必要性あり 修 全体の改修 一部を先行実施 12

マンション補助制度 3 補助内容 耐震診断 図面や現状のマンションの調査結果を基に 現状のマンションが地震に対してどの程度の強度をもっているのか確認する事業 図面がない場合は 調査量が増え 費用負担が増えるが 耐震診断は行うことができる 対象要件 1 予備診断の結果 精密な診断の必要性あり と判断されたマンション ( 平成 27 年度までに予備診断を実施したマンションのみ ) 2 耐震判定機関等に 診断の結果の妥当性について評価を受けるマンション 本診断費用の 2/3 を補助 13

マンション補助制度 3 補助内容 本診断実施のフロー 管理組合 市に事前相談 設計事業者から見積もりの取得 総会により耐震診断の実施の決議 設計事業者と契約( 業務着手 ) コア抜き 現地調査 耐震診断 設計者 耐震判定機関等の評価を取得 補助金の受領手続き 管理組合内で耐震診断結果の情報共有 市に補助金の申請 様式 添付書類あり詳しくは市に問合せ 市に完了報告 管理組合 耐震性 OK! 耐震改修設計へ 14

マンション補助制度 3 補助内容 耐震改修設計 耐震診断の結果 地震に対して倒壊する危険性があると判断されたマンションを 大地震時に対して 壊れない ものになるよう改修する計画をたてる事業 対象要件 1 本診断の結果 耐震改修の必要性あり と判断されたマンション 2 耐震改修設計実施の際に 次のA~Cのいずれかを取得するもの A 耐震改修促進法第 17 条の認定及び耐震判定機関等による評定 B 建築基準法 86 条の全体計画の認定 C 建築基準法 6 条の確認申請 耐震改修設計費用 の 2/3 を補助 15

マンション補助制度 3 補助内容 耐震改修設計実施のフロー 管理組合 管理組合 市に事前相談 設計事業者から見積もりの取得 総会により耐震改修設計の実施の決議 設計事業者と契約( 業務着手 ) 耐震改修設計( 管理組合と調整 ) 設計内容に合わせた評定 認定 確認の取得 設計者 改修工事に係る積算書の作成 補助金の受領手続き 管理組合内で情報共有 市に補助金の申請 様式 添付書類あり詳しくは市に問合せ 市に完了報告 管理組合 改修工事へ 16

マンション補助制度 3 補助内容 耐震改修工事耐震改修設計時にたてた計画に基づき 耐震改修工事を行う マンションを大地震時に対して 壊れない ものにする 改修工事 ( 全体改修 ) 改修工事 ( 段階改修 ) 耐震改修工事に係る 工事監理費用の 2/3 を補助 耐震改修工事費用の 1/3 or 下表の限度額を補助 マンションによっては 2/3 となる場合があります (1 回目 2 回目 ) 耐震改修工事に係る工事監理費用の2/3を補助 (1 回目 ) 耐震改修工事費用の1/3 or ( 下表の限度額 1/2) を補助 (2 回目 ) 耐震改修工事費用の1/3 or ( 下表の限度額 -1 回目の補助額 ) を補助 表延べ面積ごとの限度額 延べ面積 5,000 m2未満 5,000 m2以上 10,000 m2未満 10,000 m2以上 限度額 2,000 万円 3,500 万円 5,000 万円 17

マンション補助制度 3 補助内容 耐震改修工事実施のフロー 管理組合 市に事前相談 工事事業者 設計事業者から見積もりの取得 総会により耐震改修工事の実施の決議 工事事業者と契約( 業務着手 ) 耐震改修工事実施( 数回現場検査あり ) 市に補助金の申請 様式 添付書類あり詳しくは市に問合せ 工事業者 設計者 補助金の受領手続き 耐震改修済証の発行 耐震改修を実施すると受けられる税金の減免手続き 市に完了報告 管理組合 耐震化 OK! 18

マンション補助制度 補助金の算出例 1 階数 7 階建て 延床面積 4,500m2 構造 鉄筋コンクリート造 住戸数 50 戸 3 補助内容 事業耐震診断耐震改修設計耐震改修工事耐震改修工事監理 事業費 350 万円 500 万円 1,800 万円 120 万円 の場合 19

マンション補助制度 補助額 ( 算出例 1 の場合 ) 3 補助内容 事業 事業費 補助率 補助額 管理組合 負担額 1 住戸あたりの負担額 耐震診断 3,500,000 円 2/3 2,333,000 円 1,167,000 円 23,340 円 耐震改修設計 耐震改修工事 耐震改修工事監理 5,000,000 円 2/3 3,333,000 円 1,667,000 円 33,340 円 18,000,000 円 1/3 6,000,000 円 12,000,000 円 240,000 円 1,200,000 円 2/3 800,000 円 400,000 円 8,000 円 全て行った場合 管理組合の負担額は 15,234,000 円 1 住戸あたりの負担額は 304,680 円 20

マンション補助制度 補助金の算出例 2 階数 延床面積 10 階建て 8,000 m2 構造鉄筋コンクリート造 + 鉄骨鉄筋コンクリート造住戸数 90 戸 3 補助内容 事業耐震診断耐震改修設計耐震改修工事耐震改修工事監理 事業費 800 万円 960 万円 1 億 3200 万円 300 万円 の場合 21

マンション補助制度 3 補助内容 補助額 ( 算出例 2 の場合 ) 事業 事業費 補助率 補助額 管理組合 負担額 1 住戸あたりの負担額 耐震診断 8,000,000 円 2/3 5,333,000 円 2,667,000 円 29,633 円 耐震改修設計 耐震改修工事 耐震改修工事監理 9,600,000 円 2/3 6,400,000 円 3,200,000 円 35,555 円 132,000,000 円 1/3 35,000,000 円 ( 面積限度額 を超えるため ) 97,000,000 円 1,077,777 円 3,000,000 円 2/3 2,000,000 円 1,000,000 円 11,111 円 全て行った場合 管理組合の負担額は 103,867,000 円 1 住戸あたりの負担額は 1,154,076 円 22

マンション補助制度 4 事例 マンションの代表的な耐震改修方法 1 建物の外側にフレームを取り付ける 下の図のように 強度の向上を目的として 建物の外側にフレームやブレースを取り付ける工法 改修前 改修後 23

マンション補助制度 4 事例 マンションの代表的な耐震改修方法 2 耐震スリット ( 隙間 ) を設置する バランスの改善や柱の粘り強さの向上を目的として 下図のように 柱に取付く腰壁やそで壁と柱の間にスリット ( 隙間 ) を設ける工法 改修前 改修後 24

マンション補助制度 4 事例 マンションの代表的な耐震改修方法 3 鉄筋コンクリート造の壁を増設する 強度の向上を目的として 下図のように RC 造の耐力壁を増設する工法 ピロティ形式の解消に有効 改修中 改修後 25

マンション補助制度 4 事例 マンションの代表的な耐震改修方法 4 炭素繊維を柱に巻きつけ補強する 柱の粘り強さの向上を目的として 炭素繊維を柱に巻きつけ補強する方法 既存柱 エポキシ樹脂で接着 炭素繊維シート イラスト 写真出典 ; 国土交通省 マンション耐震化マニュアル 26

マンション補助制度 補助制度に関する問い合わせ 横浜市建築局建築防災課 231-0012 横浜市中区相生町 3-56-1 JN ビル 12 階 TEL: 045-671-2943 FAX: 045-663-3255 27