( 株 ) オージースポーツ様 寄贈いただいたパソコンの活用報告書 ~ フィリピン山奥の学校にパソコンを届けるプロジェクト ~ NPO 法人 Class for Everyone
#01 寄贈いただいた 12 台のパソコンについて 今回のパソコン寄贈の流れ オージースポーツ様から提供いただいた 12 台のパソコンは ガーナの Mary Star of the Sea International という学校へ 7 台 フィリピンの Camp 3 Elementary School と Torre Elementary School へ 5 台寄贈しました ガーナへは 7 月に航空便で フィリピンは 8 月に同じく航空便で輸送し 代表の手によって直接現地の学校に運び込みました 7 台 ガーナへ (7 月 ) 合計 12 台のパソコン 5 台 フィリピンへ (8 月 ) ガーナでの 7 台の活用について 7 台のパソコンについては ガーナのグレートアクラという地域にある Mary Star of the Sea International へ寄贈しました こちらはJICAの青年海外協力隊員が勤務する学校であり 今後 2 年間に渡り現地の先生と協力隊員によるICT 教育が展開される予定です 現地からのレポートがまだ届いてない状況でありまして 詳細につきましてはまた別途ご報告できればと思います フィリピンでの 5 台の活用について 5 台のパソコンについては フィリピンの山奥にある学校にパソコンを届けるキャンペーンで寄贈した12の学校のうちの 2 校に届けました 内訳としてはTubaという地域のCamp 3 Elementary School へ3 台と鉱山近くにあるTorre Elementary Schoolへ2 台になります どちらも今まで学校にパソコンがなかった学校で 今回で初めてのパソコン導入になります 今後は先生のスキルアップを図りながら 生徒達がパソコンに触れる機会を少しでも多くしていけるようにプログラムを作成していく予定です
#02 プロジェクトの実施内容 ( フィリピン ) 寄贈いただいたパソコンの利用状況 Tuba Itogon 1, 実施日時 2013 年 8 月 1 日 ~10 月 31 日 2, 実施場所フィリピン共和国 Tuba Itogon フィリピンの首都メトロマニラからバスで 7 時間 ジープニーで 1 時間ほどの Tuba という地域が今回のターゲットでした ここでは Philex Mining Corporation という鉱山経営会社が街そのものを作っており 学校や病院などの公共施設はもちろん 様々なサービスを従業員や家族のために提供しています 3, 具体的な実施内容今回のプロジェクトでは Philex グループの 1 つである Philex Foundation から 彼らが運営する 12 の学校にパソコン環境を整えたいという依頼があり メディアなどを使って主に個人からパソコンを集めて寄贈するという企画を実行しました 8 月にまず 35 台を寄贈し これを各学校に均等に配分する手はずだったのですが ちょうど大型の台風が直撃するというタイミングだったこともあり 1 つの施設に 12 校の先生と生徒を集めて寄贈式と簡単なインターネット講座を行いました 5 つのグループを作り 各グループに WI-FI 完備のパソコンを 2 台ずつ提供して 興味のある日本文化 というお題で各グループで発表資料作成とイラストを描いてもらいました これは Google などの検索エンジンを活用して欲しい情報を取得するという基礎スキルを学んでもらうためで 寿司や生け花など日本独自の文化を調べて発表してもらいました 10 月には追加で 15 台を寄贈し これを各学校に届けました 各学校でのヒアリングをした結果 そもそもパソコンが学校にない状態というのは小学校で顕著であり 今後は小学校における環境を整えることが急務であると感じました また 小学校の先生が放課後などを使って簡単なパソコンの使い方を教えているものの 先生に対する教育マニュアルを作る必要性があると再認識しました 小学校における当面の目標は 生徒達が高校に進学した際に宿題の提出などに支障が出ない程度のスキルを 小学校の間に身につけられる環境を作ることではないかと考えています
#03 現地からの声 寄贈した小学校訪問でのエピソード Tuba の鉱山地帯 1, 先生に聞くパソコンが使えることの重要性小学生の段階でパソコンを使える必要性がどのくらいあるのかということを先生にうかがった際に 一番言われたことが高校に進学した際に必要になるため 小学生のうちに基礎的なスキルを教えたいということでした フィリピンの高校では 宿題作成や生徒同士のプロジェクトなど パソコンを使って作業する時間が増えてきます プレゼン資料はパワーポイントをばっちり使いますし そのようなスキルがないと取り残されてしまいます 実際に 家が貧しくインターネットショップでパソコンが使えないために学校に行きづらくなってしまうこともあるらしく スキル学習やインフラ面での環境をもっと整える必要性があると考えられます 2, 生徒に聞くパソコンの使い方放課後の学校を訪問すると 先生が子ども達相手にパソコンを教えている光景に出くわすことができました 授業外の時間を使って定期的にパソコンの使い方を教えているそうで 楽しそうに Word で文書を作ってました 彼女の名は April 小学校 5 年生の 11 歳で 好きな科目は算数 パソコンを触るのは初めてではないものの インターネットが日常的に使える環境にはないので 普段はほとんどパソコンを使わないらしい もしインターネットが使えたら何がしたいと聞いたら Facebook!! と即答 コミュニケーション大好きなフィリピン人にとって Facebook はピッタリのサービスだと改めて感じました オフラインで使うときに楽しいことは何って聞いたら まだ Word しか使えないと恥ずかしそうに言っていたのが印象的でした でも キーボードの場所はしっかり把握しており 名前や年齢を打ち込んでみてって頼んだらスムーズに打ってくれました また デコレーションに興味があるらしく Word の縁を色々なデザインに加工して自慢気に見せてくれました
#04 小学校での特別授業 みんなにとって HOPE と LOVE とは何? 1, パソコンで行う いつもとは違う形の授業パソコンを使って授業を行うと言えば パソコンの使い方を教えることがまず頭に浮かぶと思いますが 今回はパソコンを使って生徒達の内面を探りたいと思い TED の講演を見てから夢や幸せについて考える時間を生徒と作りました 幸福度指数においてフィリピンは世界でも上位の国に入りますが その源泉がどこにあるのかを再確認したいという思いと共に 子ども達がこれから大人になっていく過程でそれらを失ってほしくないという意味を込めてこのテーマを選びました 内容は少し難しかったと思いますが プロジェクターを使って講演を聴くという初めての形の授業に生徒も集中してくれて 結果としては彼らに新しい形での授業を提供できたと感じています 2, それぞれの夢と幸せな時間まず夢についてですが 実に様々な夢を彼らが持っているということを知ることができました 学校の先生やお医者さんなどから フライトアテンダントやウェブエンジニアなどという回答もあり 彼らがどうしてその夢を持ったのか興味深かったです 生徒の一人が先生になりたいと言っていたのですが その理由が世界には学校に行けない子ども達がいっぱいいるから 自分はそんな子ども達のために読み書きを教えたいと力強くみんなの前で発表してくれました 彼は英語も非常に流暢で 責任感が強い優秀な生徒なんだと感じさせてくれました また どんなときが幸せかということについては 全員が家族や友達 学校の先生など身の回りの人々と一緒にいる時間ということを絵で書いてくれました これこそフィリピンの幸せの源泉であり 彼らが持っている文化であると感じます 家族やコミュニティという存在があり 自分を愛してくれる人々がいっぱいいると実感できる国がフィリピンであり それを他の人にもすすんで与えようとできる心こそが フィリピンがホスピタリティで世界一と言われる所以であると感じます
EPILOGUE #00 今後も継続したプログラムを展開するために 一緒に活動を発展させていきましょう 最後に 改めまして 今回はパソコンを寄贈いただき誠にありがとうございました おかげさまで設立 2 年目にして多くの皆様からパソコンを寄贈していただけるようになり フィリピンのみならずアジア アフリカなどの途上国の学校を中心に 活動の輪が広がっています 今後は 各学校に寄贈するだけでなく どのような使い方をどの年齢層に行うことが有効なのかを考え 現地で学校の先生が行うプログラムを確立していきます また ご質問やご意見などございましたら 遠慮なく代表の高濱までご連絡ください 今後とも何卒宜しくお願い致します NPO 法人 Class for Everyone 代表理事高濱宏至