組織内CSIRT構築の実作業

Similar documents
組織内CSIRTの役割とその範囲

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド (PMBOK ガイド ) 第 6 版 訂正表 - 第 3 刷り 注 : 次の正誤表は PMBOK ガイド第 6 版 の第 1 刷りと第 2 刷りに関するものです 本 ( または PDF) の印刷部数を確認するには 著作権ページ ( 通知ページおよび目次の前 )

JIS Q 27001:2014への移行に関する説明会 資料1

はじめに 個人情報保護法への対策を支援いたします!! 2005 年 4 月 個人情報保護法 全面施行致しました 個人情報が漏洩した場合の管理 責任について民事での損害賠償請求や行政処分などのリスクを追う可能性がござい ます 個人情報を取り扱う企業は いち早く法律への対応が必要になります コラボレーシ

変更履歴 バージョン日時作成者 変更者変更箇所と変更理由 RIGHTS R ESER VED. Page 2

Japan Computer Emergency Response Team Coordination Center インシデントレスポンス概論 JPCERT コーディネーションセンター山賀正人 2003/11/ JPCERT/CC

ISO9001:2015内部監査チェックリスト

どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

<4D F736F F D F815B B E96914F92B28DB8955B>

管理区分 非管理版 文書番号 PMS-007 制定年月日 改訂年月日 改訂番号 1 購入希望の場合は P マークの取得及び更新に必須となる文書のサンプルです ページ最後の購入方法をご確認ください 修正可能なワードファイルで提供して

ISO9001:2015規格要求事項解説テキスト(サンプル) 株式会社ハピネックス提供資料

DumpsKing Latest exam dumps & reliable dumps VCE & valid certification king

WBS テンプレート 2009/8/4 NO 作業項目 計画分析設計開発 SA UI SS PS PG PT テスト IT ST 運用 OT 保守 OM 作業概要 成果物 計画 プロジェクト編成 * プロジェクト責任者 メンバー ( システム部門 現場部門 外

Microsoft PowerPoint - Map_WG_2010_03.ppt

スキル領域 職種 : ソフトウェアデベロップメント スキル領域と SWD 経済産業省, 独立行政法人情報処理推進機構

パラダイムシフトブック.indb

事業戦略の計画実践を支援する プロジェクト思考開発研修 リーダー研修概要 2004 年 本資料は以下の利用条件を十分ご確認の上ご利用ください 1. 本資料に関する著作権 商標権 意匠権を含む一切の知的財産権は株式会社スプリングフィールドに所属しています 2. 株式会社スプリングフィールドの事前の承諾

プロジェクトを成功させる見積りモデルの構築と維持・改善 ~CoBRA法による見積りモデル構築とその活用方法について~

目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標

要求仕様管理テンプレート仕様書

品質マニュアル(サンプル)|株式会社ハピネックス

Microsoft PowerPoint - CoBRA法の概要r1.pptx

変更要求管理テンプレート仕様書

15288解説_D.pptx

ログを活用したActive Directoryに対する攻撃の検知と対策

dc_h1

文書管理規程 1.0 版 1

レジリエンスの取り組みに 関わるディスカッション

dc_h1

1 情報セキュリティ評価について 情報セキュリティ対策ベンチマーク ISMS 適合性評価制度 情報セキュリティ監査は いずれも 組織が構築した情報セキュリティマネジメントを評価するものである 本項では これらの情報セキュリティ評価について その概要や特徴について述べる これら評価の準拠する規格は 情

ISO 9001:2015 改定セミナー (JIS Q 9001:2015 準拠 ) 第 4.2 版 株式会社 TBC ソリューションズ プログラム 年版改定の概要 年版の6 大重点ポイントと対策 年版と2008 年版の相違 年版への移行の実務

<4F F824F B4B8A B818E968D802E786C73>

評価することとしているか ( 特定 評価する頻度も含めたその検討プロセス及び結果含む ) 経営陣は 上記に基づき特定 評価した経営上のリスクに関して どのように経営計画及び経営管理に反映しているか ( その検討プロセス及び結果含む ) 財務の健全性を維持 検証するためにどのような社内管理態勢を構築し

<90528DB88EBF96E2955B2E786C73>

<4D F736F F D20939D8D87837D836A B B816996E BB8DEC8F8A816A F90BB8DEC E646F63>

情報及び情報システムの特性

上場会社監査事務所登録制度に係る規定要綱案

4.7.4 プロセスのインプットおよびアウトプット (1) プロセスへのインプット情報 インプット情報 作成者 承認者 備 考 1 開発に関するお客様から お客様 - の提示資料 2 開発に関する当社収集資 リーダ - 料 3 プロジェクト計画 完了報 リーダ マネージャ 告書 ( 暫定計画 ) 4

専門家の関わる企業が対象となることから 母集団の企業は国内の平均的な企業というよりも セキュ リティマネジメントに関して比較的意識の高い企業と推定されます 対象組織の産業分野

<4D F736F F F696E74202D F90C68EE390AB837D836C CC8CF897A689BB82F08E B782E94B454E47494E4582CC8FD089E

Oracle Un お問合せ : Oracle Data Integrator 11g: データ統合設定と管理 期間 ( 標準日数 ):5 コースの概要 Oracle Data Integratorは すべてのデータ統合要件 ( 大量の高パフォーマンス バッチ ローブンの統合プロセスおよ

Microsoft PowerPoint - メイテツコム事例(掲載用)

J-SOX 自己点検評価プロセスの構築

ISMS認証機関認定基準及び指針

障害管理テンプレート仕様書

授業計画書

なぜ社会的責任が重要なのか

スキル領域 職種 : マーケティング スキル領域と MK 経済産業省, 独立行政法人情報処理推進機構

5. 文書類に関する要求事項はどのように変わりましたか? 文書化された手順に関する特定の記述はなくなりました プロセスの運用を支援するための文書化した情報を維持し これらのプロセスが計画通りに実行されたと確信するために必要な文書化した情報を保持することは 組織の責任です 必要な文書類の程度は 事業の

<4D F736F F F696E74202D208AE98BC682CC8FEE95F1835A834C A CE8DF482C98AD682B782E98EC091D492B28DB895F18D908F DC58F49816A2E >

マイナンバー対策セミナー(実践編) 「マイナンバー対策マニュアル」を利用した具体的な対策方法について

Oracle Business Rules

IAF ID 2:2011 Issue 1 International Accreditation Forum Inc. 国際認定機関フォーラム (IAF) IAF Informative Document ISO/IEC 17021:2006 から ISO/IEC 17021:2011 への マネ

統合運用管理ソフトウェア Systemwalker 総合カタログ

エ事務部門 (9) 利用者 教職員 学生等及び臨時利用者で 本学情報システムを利用する者をいう (10) 教職員 本学に勤務する常勤又は非常勤の教職員 ( 派遣職員を含む ) をいう (11) 学生等 本学学則に定める学部学生 大学院学生 大学院研究生 科目等履修生及び聴講生 等をいう (12) 臨

Ⅰ バイタルリンク 利用申込書 ( 様式 1-1)( 様式 ) の手続 バイタルリンク を利用する者 ( 以下 システム利用者 という ) は 小松島市医師会長宛に あらかじ め次の手順による手続きが必要になります 新規登録手続の手順 1 <システム利用者 ( 医療 介護事業者 )>

【NEM】発表資料(web掲載用).pptx

内部統制ガイドラインについて 資料

Microsoft Word - ESxR_Trialreport_2007.doc

日本企業のCSIRT実例紹介

(2) 事業の具体的内容本事業は 次に示す 1~3 の内容について 経済産業省との協議の上 事業を実施する 1 インシデント対応等 企業等の組織内の情報の窃取やサービス運用妨害等を目的とするサイバー攻撃等のインシデントに関する対応依頼を受け付け 国内外の CSIRT 等と連携し 迅速かつ円滑な状況把

<4D F736F F F696E74202D2091E63389F15F8FEE95F1835A834C A CC B5A8F FD E835A835890A78CE C CC835A834C A A2E >

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

ベースのソフトウェア情報と突合するかといった点が重要になるが 実際には資産管理ツールだけでは解決できず 最終的に専門的な知識を有した人の判断が必要とされる この点の解決策としては 2012 年 5 月にマイクロソフトも対応を表明した ISO/IEC のソフトウェアタグに期待が集まって

個人依存開発から組織的開発への移行事例 ~ 要求モデル定義と開発プロセスの形式化 による高生産性 / 高信頼性化 ~ 三菱電機メカトロニクスソフトウエア ( 株 ) 和歌山支所岩橋正実 1

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

大塚製薬(株)佐賀工場

目次 1. 一般 目的 適用範囲 参照文書 用語及び定義 内部監査 一般 内部監査における観点 内部監査の機会 監査室

Bカリキュラムモデル簡易版Ver.5.0

高度サイバー攻撃 (APT) 先進的で (Advanced) 執拗な (Persistent) 脅威 (Threat) 先進的(A) 標的組織を徹底的に調査し 目的達成のために最適化された必要最小限のツールを使用する 執拗な(P) 標的組織のネットワークに繰り返しアクセスを図り 長期にわたって居座り

Microsoft PowerPoint - 23_電子制御情報の交換(配布用a).pptx

1 BCM BCM BCM BCM BCM BCMS

Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を

PwC IPO 情報システム Autofacts( オートファクツ ) PwC あらた有限責任監査法人 IPO ソリューション部マネージャー加藤誠 はじめに現在の情報システムは インターネットや無線通信の高速化 コンピュータシステムの高性能化 クラウドサービスの普及などにより 企業のさまざまな業務に

個人情報保護に関する規定 ( 規定第 98 号 ) 第 1 章 総則 ( 目的 ) 第 1 条学校法人トヨタ学園および豊田工業大学 ( 以下, 総称して本学という ) は, 個人情報の保護に関する法律 ( 平成 15 年法律第 57 号, 以下, 法律という ) に定める個人情報取り扱い事業者 (

Microsoft Word - ③調査仕様書.doc

Microsoft PowerPoint - IncidentResponce

作成履歴 バージョン日時作成者 変更者変更箇所と変更理由 年 4 月 17 日平成太郎新規作成 プロジェクト計画の全体概要 本書に記載するプロジェクト作業の概要を簡単に記述します 本書の内容の概要がこの部分で大まかに理解できます ] 本計画書の位置づけ プロジェクトにおいて本書

文書管理番号

AAプロセスアフローチについて_ テクノファーnews

目次序文 適用範囲 引用文書 用語と定義 一般要求事項 法的及び契約上の事項 法的責任 認証の合意 ライセンス, 認証書及び適合マークの使用... 5

2 マンション管理業界の課題マンション管理業界の課題理事会理事会理事会理事会とのとのとのとのコミュニケーションコミュニケーションコミュニケーションコミュニケーション管理員管理員管理員管理員とのとのとのとのコミュニケーションコミュニケーションコミュニケーションコミュニケーション学習学習学習学習 研磨研

リスクテンプレート仕様書

記 1. 適用対象本通知は 製造販売業者等が GPSP 省令第 2 条第 3 項に規定する DB 事業者が提供する同条第 2 項に規定する医療情報データベースを用いて同条第 1 項第 2 号に規定する製造販売後データベース調査を実施し 医薬品の再審査等の申請資料を作成する場合に適用する GPSP 省

JISQ 原案(本体)

Oracle TimesTenについて

IAF ID X:2014 International Accreditation Forum, Inc. 国際認定機関フォーラム (IAF) IAF Informative Document IAF Informative Document for the Transition of Food S

Sol-005 可視化とRCSA _ppt [互換モード]

ISO 9001:2015 から ISO 9001:2008 の相関表 JIS Q 9001:2015 JIS Q 9001: 適用範囲 1 適用範囲 1.1 一般 4 組織の状況 4 品質マネジメントシステム 4.1 組織及びその状況の理解 4 品質マネジメントシステム 5.6 マネジ

BIM/CIM 活用における 段階モデル確認書 作成マニュアル 試行版 ( 案 ) 平成 31 年 3 月 国土交通省 大臣官房技術調査課

スライド 1

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 利害関係者の特定 QMS 適用範囲 3. ISO 9001:2015への移行 リーダーシップ パフォーマンス 組織の知識 その他 ( 考慮する 必要に応

目次 1.ITの進歩が生み出すクラウドの機会と脅威 2. 現時点でのクラウドへの期待と不安 3. ではどのようにクラウドを利用すればよいか 4. クラウドの今後の行方は? 1

10 解説 p1 ⑵⑶ ⑷ 11

前文 ( システム管理基準の活用にあたって )... 1 システム管理基準の枠組み IT ガバナンスの定義 IT ガバナンスにおける EDM モデル IT ガバナンスにおける 6 つの原則 システム管理基準の前提となる組織体制... 3

MR通信H22年1月号

SGEC 附属文書 理事会 統合 CoC 管理事業体の要件 目次序文 1 適用範囲 2 定義 3 統合 CoC 管理事業体組織の適格基準 4 統合 CoC 管理事業体で実施される SGEC 文書 4 CoC 認証ガイドライン の要求事項に関わる責任の適用範囲 序文

する 研究実施施設の環境 ( プライバシーの保護状態 ) について記載する < 実施方法 > どのような手順で研究を実施するのかを具体的に記載する アンケート等を用いる場合は 事前にそれらに要する時間を測定し 調査による患者への負担の度合いがわかるように記載する 調査手順で担当が複数名いる場合には

標準化 補足資料

Transcription:

組織内 CSIRT 構築の実作業 一般社団法人 JPCERT コーディネーションセンター

概要 1. キックオフ スケジューリング 2. ゴールの設定とタスクの細分化 3. CSIRT 関連知識 ノウハウ等の勉強会 4. 組織内の現状把握 5. 組織内 CSIRT の設計 6. 組織内 CSIRT 設置に必要な準備 7. 組織内 CSIRT の設置 8. 組織内 CSIRT 運用の訓練 ( 参考 ) リスク許容度の評価 2

CSIRT 構築の流れについて 組織内に CSIRT を構築する場合は 以下のようなプロセスで構築することが望ましいが 組織の事業内容により 省略できるプロセスや順序が異なる場合がある キックオフ スケジューリング ゴールの設定とタスクの細分化 CSIRT 関連知識 ノウハウ等の勉強会 組織内の現状把握 組織内 CSIRT の設計 組織内 CSIRT 設置に必要な準備 組織内 CSIRT の設置 組織内 CSIRT 運用の訓練 3

1. キックオフ スケジューリング 組織内 CSIRT 構築活動の開始 構築プロセス全体の事前準備 組織内 CSIRT 構築担当者の選定 組織内 CSIRT 構築の担当者及び関係者の顔合わせと意識合わせ 本構築活動の目的 位置づけの共有 構築活動にかかるポリシー及び制約事項 プロジェクト体制の説明 プロジェクト活動内容の説明 プロジェクトの進め方に関する検討 詳細なゴール設定 プロセス 打ち合わせの頻度 工数 ( 期間 ) 構築プロセス全体の事前準備に 5~10 時間程度 (2~3 日程度 )+ 打ち合わせに 1~2 時間 (1 日程度 ) 担当者による文書作成後 関係者との打ち合わせ CSIRT 構築活動のためのプロジェクト憲章 (A4 縦型文書 1 ページ程度 ) 4

2. ゴールの設定とタスクの細分化 組織内 CSIRT 構築のための活動範囲の明確化 外部の組織内 CSIRT 構築経験者などのアドバイスを参考にしながら 以下の項目を決定 工数 ( 期間 ) 具体的な目的と目標の設定 マイルストーンの設定 構築活動に必要な作業の洗い出し 作業範囲の定義 作業計画の概要作成 打ち合わせに 2~3 時間程度 (1 日程度 )+ 事後作業 1~2 時間程度 (1 日程度 ) 関係者との打ち合わせ後 担当者による文書作成 CSIRT 構築活動のためのスコープ記述書 (A4 縦型文書 1 ページ程度 ) 5

3. CSIRT 関連知識 ノウハウの勉強会 組織内 CSIRT スタッフ候補者に対する CSIRT に関する理解の促進 CSIRT に関する歴史 CSIRT の基本的な枠組み CSIRT のサービス対象者 CSIRT のミッションステートメント CSIRT が提供するサービス ( 活動内容 ) CSIRT の組織内の位置づけと外部組織との連携 CSIRT の運用について ( 業務プロシージャについて ) 他の CSIRT の事例と現状の紹介 その他 CSIRT にかかるさまざまな情報の共有 工数 ( 期間 ) 事前準備に 5~10 時間程度 (2~3 日程度 ) + 勉強会に 2~3 時間 (1 日程度 ) 担当者のプレゼン資料作成後 関係者間の勉強会や議論の実施 CSIRT に関する資料 ( マテリアル ) 6

4. 組織内の現状把握 組織内 CSIRT の設立と活動に必要な情報の収集と整理 過去に組織内で発生したインシデントに関する対応履歴と問題点 現状のインシデント対応の流れと 意思決定要素の分析 各部署のインシデント対応の実態調査 組織内におけるインシデント対応に必要な連携 組織内の規則類の中のインシデント対応に関係する記述の調査と分析 組織内のインシデント対応に関する経営層からの期待 組織内におけるインシデント対応に関するサービス対象 ( 従業員等 ) からの要望の取りまとめ リスクアセスメント及びリスク許容度の評価の実施 ( スライド12を参照 ) 工数 ヒアリングに10~20 時間程度 (6~9 日程度 ) + まとめに6~9 時間程度 (2~ 3 日程度 ) 担当者による関係部署に対するヒアリング後 担当者による文書作成 構築に必要な現状把握 (A4 縦型文書 13 ページ程度 ) 7

5. 組織内 CSIRT の設計 インシデント対応に必要な 基本的な枠組みと CSIRT の活動の流れの設計 基礎的な CSIRT の枠組みの作成 ミッションステートメント サービス対象 組織内の位置づけ 他の部署 / 組織との連携 CSIRT の運用に必要な情報の作成 インシデント対応のためのポリシー及び手順 ( マニュアル ) の作成 工数 打ち合わせに 2~3 時間程度 (1 日 ) + まとめに 4~5 時間程度 (1 日 ) 関係者との打ち合わせ後 担当者による文書作成 CSIRT の基本的な枠組み (A4 縦型文書 3 ページ程度 ) CSIRT 記述書 (A4 縦型文書 8 ページ程度 ) インシデント対応のポリシー及びマニュアルの文書 8

6. 組織内 CSIRT 設置の準備 工数 経営層の理解の獲得 関係部署との調整に必要な情報源の整理 経営層の承認を得る 組織内 CSIRT 設置や活動継続のための予算の獲得 組織内 CSIRT に必要な設備等の準備 組織内 CSIRT のメンバ要員の確保 組織内 CSIRT メンバの役割と責任の定義 その他 組織内 CSIRT の設置に必要な準備のための活動 準備にかかる調整に 1~2 ヶ月間程度 + 打ち合わせに 4~5 時間程度 (2~3 日 ) 関係部署や関係者との打ち合わせ後 担当者による文書作成 組織内 CSIRT の設置に必要な文書 ( 稟議書 各見積書等 ) 9

7. 組織内 CSIRT の設置 CSIRT の設置 活動の開始 組織内外への組織内 CSIRT の設置に関する告知 工数 組織内の関係部署との連携と共通認識の確保 CSIRT の試行運用 他組織の CSIRT との連携や適切なコミュニティ等への参加 準備に 2~3 週間程度 関係部署やサービス対象への連絡及び関係者との打ち合わせ等 組織内 CSIRT 構築 を経営層やサービス対象者に対して説明するための概要資料 (A4 縦文書 3~4ページ程度 ) 10

8. 組織内 CSIRT 運用の訓練 CSIRT 運用訓練の企画と実施 セキュリティ基本方針 インシデント対応計画の検証 工数 演習の準備 演習の目的 スコープ 目標値 評価方法を定める 演習のタイプ 実施スケジュールを決定する 演習の参加者 役割 責任 権限の明確化 実施スケジュールの決定 事前告知するかを決定 結果を APT に対する能力評価とするか 関連する全部門を演習に関与させるよう企画 組織内外へ情報共有できるかの検証 演習後の対応 実施報告書の作成 セキュリティ基本方針 インシデント対応計画改善の検討 訓練 演習のタイプ 規模 実施内容等により大きく変動する 数週間から数か月程度 演習企画書 演習実施手順書 演習実施報告書 改善検討結果報告書 11

( 参考 ) 組織のリスク許容度の評価と管理策の実装 APT などの高度なサイバー攻撃に対応していくために 組織のプロファイル 攻撃がもたらすビジネスインパクト リスクを緩和するための管理策の実装状況について 現状分析と整理をおこない 組織がどこまでのリスクを許容できるかを把握しておく 組織の特徴 組織の規模 組織の複雑さ 保有する知的財産の価値 ITへの依存度 システムダウンが与える影響 システムエラーが与える影響 組織的な変化の度合い 多国籍企業かどうか 利害関係者/ 株主の期待の度合い 規制のレベル 評判への依存度 外部委託の依存度 事業所の地域的な不安定さ リスク判断 セキュリティ防衛能力 守るべき製品/ サービス 資産を防御する理由 潜在的なリスク - リスクの対処に必要なコスト - リスクによる減損の許容範囲 - 対処後の残存リスク 取り組み方法 組織の管理策の有効性/ 生産性を把握 組織の対外的な評価を維持/ 向上 企業の回復力を維持 内外を問わず悪意ある攻撃から防御 例外条件を極少化したアクセスコントロールリストを作成 ISO/IEC27001におけるセキュリティ管理策に準じて行動 予防的なログを保持 - DNSログ - プロキシログ - ファイアウォールログ - NetFlowログ - サーバログ - ホストログ 12