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目次 1. はじめに 1 2. 協議会の構成 2 3. 目的 3 4. 概ね5 年間で実施する取組 4 5. フォローアップ 8

Microsoft Word 最終【資料-4】.docx

目 次 桂川本川 桂川 ( 上 ) 雑水川 七谷川 犬飼川 法貴谷川 千々川 東所川 園部川 天神川 陣田川

あおぞら彩時記 2017 第 5 号今号の話題 トリオ : 地方勤務の先輩記者からの質問です 気象庁は今年度 (H 29 年度 )7 月 4 日から これまで発表していた土砂災害警戒判定メッシュ情報に加え 浸水害や洪水害の危険度の高まりが一目で分かる 危険度分布 の提供を開始したというのは本当ですか

平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

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気象庁技術報告第134号表紙#.indd

水防法改正の概要 (H 公布 H 一部施行 ) 国土交通省 HP 1

避難開始基準の把握 1 水害時の避難開始基準 釧路川では 水位観測所を設けて リアルタイム水位を公表しています 水位観測所では 災害発生の危険度に応じた基準水位が設定されています ( 基準となる水位観測所 : 標茶水位観測所 ) レベル水位 水位の意味 5 4 ( 危険 ) 3 ( 警戒 ) 2 (

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PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 栃木県土地改良区運営強化推進計画(最終版)

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

Microsoft PowerPoint - 参考資料 各種情報掲載HPの情報共有

( 参考資料 ) 緊急速報メールを活用した 洪水情報のプッシュ型配信 国土交通省四国地方整備局松山河川国道事務所平成 29 年 3 月

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平成 26 年 3 月 28 日 気象庁 特別警報の認知度等に関する調査結果 ( 概要 ) I 調査の概要 1 目的 国民の特別警報に対する認知度 理解度を把握し 今後の特別警報の運用や利活用の促進 当庁 の周知 広報活動に資するための資料の収集 2 調査内容 (1) 特別警報の認知状況 (2) 特


(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図


Microsoft Word - 4_居住誘導区域_170222

平成16年度 台風災害調査報告書(WEB).indd

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管路リスク 管路の老朽化のリスクです 経年劣化による腐食や破損などにより管路に不具合が生じるかどうかを評価するリスクです 管路に 不具合が生じると トイレが使えなくなったり 道路陥没の原因となることがあります 破損した管路 管路の破損による道路陥没 リスク評価結果 リスク評価は 下水道台帳の情報や改

東日本大震災における施設の被災 3 東北地方太平洋沖地震の浸水範囲とハザードマップの比較 4

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スライド 1

Microsoft Word 【洪水予報】報道発表資料_熊谷地台.doc

はじめに 近年 局地的な集中豪雨や想定を超える大規模な洪水の発生により 家屋の床上浸水や河川施設などの被害が頻発しています 特に 平成 16 年 10 月 20 日から 21 日にかけて岐阜県を直撃した台風 23 号は 長良川中上流域の豪雨による記録的な出水と その支流河川の福富川や十道川の出水があ

5-2 居住誘導区域の設定 居住誘導の基本方針を踏まえ 以下の居住誘導区域の設定の考え方に基づき 居住誘導区域を設 定します 居住誘導区域の設定の考え方 (1) 居住誘導区域に含めるエリア 居住誘導区域に含めないエリア 居住誘導区域に含めるエリア 1 都市機能誘導区域 居住誘導区域に含めないエリア

Microsoft PowerPoint - ◯06_出水期における防災体制

鬼怒川緊急対策プロジェクト 鬼怒川下流域 茨城県区間 において 水防災意識社会 の再構築を目指し 国 茨城県 常総市など 7市町が主体となり ハードとソフトが一体となった緊急対策プロジェクトを実施 ハード対策 事業費合計 約600億円 ソフト対策 円滑な避難の支援 住民の避難を促すためのソフト対策を

(100817)

22年5月 目次 .indd

第 2 回久留米市街地周辺内水河川連絡会議 議事次第 1. 開会 2. 出席者紹介 3. 挨拶 4. 議事 前回連絡会議での確認事項〇各支川の浸水被害のメカニズム〇地域防災力の向上について〇その他 5. 閉会

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

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(2) 金沢市の世帯数の動向 350, , ,000 ( 人 世帯 ) ( 人 / 世帯 ) 世帯数 世帯人員 , , , , ,1

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第8章 災害復旧計画

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( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6

宮城県総合防災情報システム(MIDORI)

PowerPoint Presentation

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避難を促す緊急行動 被災した場合に大きな被害が想定される国管理河川において 以下を実施 1. 首長を支援する緊急行動 ~ 市町村長が避難の時期 区域を適切に判断するための支援 ~ できるだけ早期に実施 トップセミナー等の開催 水害対応チェックリストの作成 周知 洪水に対しリスクが高い区間の共同点検

国土技術政策総合研究所 研究資料

災害復旧制度の目的と沿革 目的 自然災害により被災した公共土木施設を迅速 確実に復旧する 対象施設 河川 海岸 砂防設備 林地荒廃防止施設 地すべり防止施設 急傾斜地崩壊防止施設 道路 港湾 漁港 下水道 公園 沿革 古くは明治 14 年より予算補助の形での国庫補助 明治 32 年 災害準備基金特別

Microsoft Word - 計画書160801(最終)<HP用>

資料1-4気象庁資料

市からのお知らせについて 市からのお知らせについて 西宮市では 市民のみなさまに市政への理解と関心を深めてもらうために 市政ニュー スやホームページなどさまざまな媒体を活用して情報発信をしています みなさまからい ただいたご意見を踏まえ より効果的で分かりやすい情報提供に努めてまいります 問 22

重ねるハザードマップ 大雨が降ったときに危険な場所を知る 浸水のおそれがある場所 土砂災害の危険がある場所 通行止めになるおそれがある道路 が 1 つの地図上で 分かります 土石流による道路寸断のイメージ 事前通行規制区間のイメージ 道路冠水想定箇所のイメージ 浸水のイメージ 洪水時に浸水のおそれが

試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 30 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

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Microsoft Word - 03.【参考】新旧対照表(中防災).docx

スライド 1

はじめに 都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域は 都市再生特別措置法 ( 平成 14 年 4 月 5 日公布 平成 14 年 6 月 1 日施行 以下 法 という ) に基づき 国が政令で指定するものです 1 都市再生緊急整備地域 趣旨 都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上を図るため

H29 審議会次第

江南市雨水流出抑制基準

ダムの運用改善の対応状況 資料 5-1 近畿地方整備局 平成 24 年度の取り組み 風屋ダム 池原ダム 電源開発 ( 株 ) は 学識者及び河川管理者からなる ダム操作に関する技術検討会 を設置し ダム運用の改善策を検討 平成 9 年に設定した目安水位 ( 自主運用 ) の低下を図り ダムの空き容量

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試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 29 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

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土砂災害警戒情報って何? 土砂災害警戒情報とは 大雨警報が発表されている状況でさらに土砂災害の危険性が高まったときに, 市町村長が避難勧告等を発令する際の判断や住民の方々が自主避難をする際の参考となるよう, 宮城県と仙台管区気象台が共同で発表する防災情報です 気象庁 HP より :

p00-00_6-1(修正済み)

第3 復興整備計画 参考様式集

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米原市における開発に伴う雤水排水計画基準

浸透側溝長尺 U 字溝 [KUSDC KURDC] 茨城県規格の長尺 U 字溝 [KUS KUR] の側壁部及び底版部に排水孔 ( 開口 ) を設けた浸透用側溝です 近年 都市化の進展により建物や道路などの不浸透域が拡大して ゲリラ豪雨による河川増水やその流域の浸水被害等 集中豪雨による都市の排水機

の洪水調節計画は 河川整備基本方針レベルの洪水から決められており ダムによる洪水調節効果を発揮する 遊水地案 は 遊水地の洪水調節計画は大戸川の河川整備計画レベルの洪水から決めることを想定しており 遊水地による洪水調節効果が完全には発揮されないことがある 瀬田川新堰案 は 瀬田川新堰の洪水調節計画は

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Microsoft Word - H 記者発表_名張川3ダム演習_ .doc

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計画書

一太郎 10/9/8 文書

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フィリピン周辺で高く 太平洋高気圧とチベット高気圧が強まり 日本付近で偏西風が北寄りに蛇行したことが 各地の豪雨の原因であると分析している このような現象は テレコネクション( 遠く離れた場所の気象データが相関を持って変動する現象 ) と呼ばれ 世界各地の異常気象と関連し ていると考

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土砂災害防止法よくある質問と回答 土砂災害防止法 ( 正式名称 : 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関 する法律 ) について よくいただく質問をまとめたものです Ⅰ. 土砂災害防止法について Q1. 土砂災害は年間どれくらい発生しているのですか? A. 全国では 年間約 1,00

資料6 (気象庁提出資料)

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - RM最前線 doc

近畿地方整備局 資料配付 配布日時 平成 23 年 9 月 8 日 17 時 30 分 件名土砂災害防止法に基づく土砂災害緊急情報について 概 要 土砂災害防止法に基づく 土砂災害緊急情報をお知らせします 本日 夕方から雨が予想されており 今後の降雨の状況により 河道閉塞部分での越流が始まり 土石流

<4D F736F F F696E74202D E9197BF A90EC95D390EC8EA CE8DF488C42E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

1. はじめに 平成 27 年 9 月関東 東北豪雨災害により 鬼怒川の下流部では堤防が決壊するなど 氾濫流による家屋の倒壊 流失や広範囲かつ長時間の浸水が発生した また これらに避難の遅れも加わり 近年の水害では類を見ないほどの多数の孤立者が発生した このようなことから 国土交通大臣から社会資本整

「(仮称)姫路市地域IT基本計画」の概要について

Q3 現在の川幅で 源泉に影響を与えないように河床を掘削し さらに堤防を幅の小さいパラペット ( 胸壁 ) で嵩上げするなどの河道改修を行えないのですか? A3 河床掘削やパラペット ( 胸壁 ) による堤防嵩上げは技術的 制度的に困難です [ 河床掘削について ] 県では 温泉旅館の廃業補償を行っ

141210_資料1-2_内水浸水対策について(送付版).pptx

はじめに 平成 20 年 8 月 26 日 ~31 日にかけて当地域に大きな被害をもたらした大雨は 平成 20 年 8 月末豪雨 と命名された 近年の降雨の特徴を過去 5 年の7-9 月期の気象状況から振り返ってみると 平成 18 年 7 月豪雨 や平成 16 年 7 月の 新潟 福島 福井豪雨 な

2. 急流河川の現状と課題 2.1 急流河川の特徴 急流河川では 洪水時の流れが速く 転石や土砂を多く含んだ洪水流の強大なエネルギー により 平均年最大流量程度の中小洪水でも 河岸侵食や護岸の被災が生じる また 澪筋 の変化が激しく流路が固定していないため どの地点においても被災を受ける恐れがある

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

新川水系新川 中の川 琴似発寒川 琴似川洪水浸水想定区域図 ( 計画規模 ) (1) この図は 新川水系新川 中の川 琴似発寒川 琴似川の水位周知区間について 水防法に基づき 計画降雨により浸水が想定される区域 浸水した場合に想定される水深を表示した図面です (2) この洪水浸水想定区域図は 平成

ハザードマップポータルサイト広報用資料

再販入札⇒先着順物件調書

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第 1 章治水対策の概要 本市の治水対策に係る事業は それぞれの事業部でハード整備 ソフト対策を 実施をしてきました 治水対策に関係のある事業部 ( 郡山市組織概要抜粋 ) 部 担当課 事業概要 総務部 防災危機管理課 消防に関すること ( 消防団など ) 災害対策 ( 防災訓練など ) 危機管理に関すること 河川課 河川 水路 ( 側溝 溝渠を除く ) に関すること 水防対策 ( ハザードマップなど ) 道路建設課 道路に関すること ( 市道の新設 改良など ) 建設交通部 市道及び橋りょうの管理 維持補修に関すること道路維持課 水路の維持補修に関すること 建築課 市有建築物の工事の設計 監督に関すること 下水道総務課 下水道事業の総合企画 浄化槽に関すること 下水道部 下水道建設課 下水道施設の建設に関すること 下水道施設の維持管理に関すること 下水道維持課 浸水対策施設の助成に関すること ( 止水板 雨水貯留施設に対する補助 ) 都市計画課 都市計画に関すること 区画整理課 土地区画整理事業に関すること 都市整備部 公園緑地課 公園の整備 使用許可等に関すること 都市緑化事業 開発建築指導課 建築に関すること ( 建築基準法等における認定指導など ) 開発行為に関すること 農業政策課 農業制度資金に関すること 中山間 山村振興に関すること 農林部 農地課 土地改良事業 農道に関すること 林業振興課 林業の振興に関すること 林道 森林の保護に関すること ( 森林公園など ) ハード整備事業 (1) 排水施設のつながり 住宅地に降った雨は 道路側溝などの排水施設から下水道管 ( 雨水幹線 ) や大き な排水路などに流れ 中小の河川を経由して最終的には阿武隈川へと流れていきま す ( 阿武隈川水系の場合 ) このとき 河川に流れ出る前に発生する浸水を 内水氾濫 といい 河川に流れ 出た後に発生する浸水 ( 洪水 ) を 外水氾濫 といいます 道路側溝 道路側溝 河川 河川の整備 雨水幹線や排水ポンプ場等の整備 排水路などの整備は 各施設の管理者がそれぞれの基準にのっとり整備をしてきましたが 前述のように近年の気候変動や都市化の進展に伴う浸水被害は 今までの計画基準をはるかに上回るものであり 施設整備 ( ハード ) だけでは浸水被害を抑制できない状況が発生しています そこで ハード施設の整備に加えて ソフト対策を効果的に組み合わせていくことで浸水被害の軽減を目指していきます 雨 道路側溝 下水道 ( 雨水幹線 ) 阿武隈川 内水氾濫外水氾濫 - 11 - - 12 -

(2) 河川の概要 市内には 164 の河川があり その延長は 609 kmあります 管理者別には 国 県 市が管理する河川があり 河川法に基づく 1 級河川及び準用河川と 法的な位置づけのない普通河川があります 郡山市の河川の状況は 下図のとおりです 郡山市域の河川 : 1 級河川 ( 国土交通省管理 ) : 1 級河川 ( 福島県管理 ) : 準用河川 ( 郡山市管理 ) : 普通河川 ( 郡山市管理 ) 市内の河川整備は 優先順位等を検討しながら国 県 市の各河川管理者が計画的 に整備を進めております 管理者別河川整備状況 整備率 備 考 国 58 % 堤防の量的整備率 ( 阿武隈川 ) H24.3 時点 県 39 % 郡山圏域の河川改修率 (H18.4 時点 ) 市 53.9 % 準用河川改修率 (H28.3 時点 ) 16.3 % 普通河川改修率 (H28.3 時点 ) 河川の整備は 堤防を高くすることで川から水が溢れ出ないようにして 洪水被害を防いできましたが 洪水 ( 外水氾濫 ) が減少する一方で 内水の排除が滞ることで起きる内水氾濫への対応が 新たな課題となっています そこで 雨水を早く下流域に流すだけでなく 一時的に雨水を溜める対策も重要となってきます 管轄 河川数 延長 km 国 3 24 県 29 241 市 132 準 ) 14 344 準 ) 39 普 )118 普 )305 < 用語の解説 > がい 外 ない 内 すい水 : 河川側の流出水 外水氾濫 : 河川の水位が上昇して 河川の水が溢れたり 堤防が破壊されることで発生 する被害のこと 洪水 すい水 : 河川の堤防を境に内陸側の降雨に由来する流出水 内水氾濫 : 雨水の量が排水施設の処理能力を超えたり 河川の水位が上昇して内水の 排水が滞ることなどにより発生する被害のこと 合計 164 609-13 - - 14 -

(3) 下水道の概要 浸水被害を減らすためには 内水対策も重要であります 内水は 主に下水道施設によって排除されることから 本市の下水道事業 ( 雨水 ) は 被害が多い地区から順次 雨水幹線や雨水ポンプ場の整備を進めるとともに 雨水の流出抑制として 浄化槽の貯留槽転用や浸透桝の設置支援なども進めています しかし 雨水幹線や雨水ポンプ場 大規模な雨水貯留施設などの整備には 多くの費用と期間を要するため より効率的な浸水対策に取り組む必要があります なお 下水道施設は 都市計画区域の市街化区域を基本として施設の整備を進めています 現在 本市における下水道事業計画区域は 5,501ha あり その内 1,948ha の 整備が完了しています また 雨水幹線は 87,610m の整備計画延長の内 50,302m の 整備が完了しています 雨水幹線 計画 整備実績 面積ベース 5,501 ha 1,954.7 ha 延長ベース 87.6 km 50.6 km H27 年度末 下水道施設の整備状況 整備率備考 雨水幹線 35.5 % 雨水ポンプ場 6 箇所 面積ベースの整備状況 (H27 年度末時点 ) 梅田ポンプ場 水門町ポンプ場 古川ポンプ場 横塚ポンプ場 古坦ポンプ場 五百淵ポンプ場 くまっち 郡山市下水道中期ビジョン : 下水道全体計画区域 マスコットキャラクター : 雨水幹線 ( 整備済 ) - 15 - - 16 -

ソフト対策事業 (1) 啓発活動 郡山市浸水ハザードマップ ( 紙媒体 ウェブサイト閲覧 ) (2) 情報発信 郡山市からの情報伝達 ( わが家の防災ハンドブック 2 ヘ ーシ ) 防災ウェブサイトコミュニティFM 放送 浸水ハザードマップは 浸水が予想される範囲とその深さ及び避難場所などを明示しています 避難の際や地域の防災活動などに役立てられるように 有事に備えて作成しています 防災行政無線 SNS( フェイスブック ツイッター ) 緊急速報メール 電話ガイダンス 迅速できめ細かい情報伝達を行います メールマガジン テレビ ( 地上デジタル放送 ) 郡山市 3 次元浸水ハザードマップ ( ウェブサイト閲覧 ) わが家の防災ハンドブック ( 紙媒体 ウェブサイト閲覧 ) わが家の防災ハンドブックは 災害への日頃からの備えや災害時の注意点 そして市内の避難所などを掲載しています 一人ひとりが各種災害への備えを再確認し 被害を少なくすることを目指しています 3 次元浸水ハザードマップは ゲリラ豪雨等により発生が予想される市街地の浸水状況についてシミュレーション解析を行い コンピューターグラフィックスを用いて立体的に表現したものです 時間の経過に伴う浸水の発生状況を 立体的な映像で見ることができるので 2 次元のハザードマップより多くの情報が提供できます 郡山市防災ウェブサイト避難場所浸水ハザードマップ 3 次元浸水ハザードマップ土砂災害ハザードマップ緊急時の連絡先安否確認防災メールマガジン防災こおりやまフェイスフ ック防災こおりやまツイッター防災無線 ライフライン気象情報 こおりやま減災プロジェクト 雨雲と河川水位情報 X R A I N ( エックスレイン ) 福島地方気象台 防災情報提供センター 福島河川国道事務所 ウェザーニュース - 17 - - 18 -

現状と課題 (1) 降雨形態の変化 近年の集中豪雨は 限られた地域で短時間に激しい雨が降る傾向が見られます 気象庁では 1 時間あたりの降水量が 50mm 以上の雨の発生回数 ( アメダス観測 ) について 増加傾向が明瞭に現れている と発表しています また 同じ条件で福島県内における降雨実績を比べても 同様の傾向が表れています ( 下図参照 ) (2) 都市化の進展 都市化の進展に伴い 雨水が地表面から地中に浸透する割合が減少し 短い時間で排水施設へ集まるようになりました これにより 既存の排水施設の流下能力を超えてしまった雨水が溢れ出て 道路冠水や床上 床下などの浸水被害が以前より発生しやすくなっています 福島県内の 50 mm /h 以上の降雨発生状況 < 都市化の進展のイメージ図 > S59~H5 H6~H15 H16~H25 平均 1.7 回 / 年 平均 3.8 回 / 年 平均 4.7 回 / 年 都市化が進むとこんなこともあるのかぁ 福島県内気象庁観測所 (55 カ所 ) データから集計 表地目別土地面積割合の推移 やっぱり 雨の降り方が変わってきているんだなぁ - 19 - - 20 -

(3) 地域における活動の停滞 水害による被害を減らしていくには 地域の力を合わせながら水防活動や避難行動をとる必要があります しかし 昔ながらの近所付き合いは年々希薄になり地域の結束力は低下しています 本市においてもその傾向が顕著に表れており 町内会の加入率は年々減少しています (4) その他の課題 1 危機意識の低下 河川改修や雨水排水路が整備されることで地域の安全度が向上する一方で 住民の危機意識が薄くなってしまうことも懸念されます また 大規模な自然災害等は発生のサイクルが長いため人々の記憶から薄れやすく 危機意識を維持しにくい状況にあります 町内会加入率 2 適切な費用の確保 74.0 72.0 70.0 68.0 66.0 71.8 71.0 70.6 69.6 68.8 68.2 67.5 68.1 67.4 66.9 65.8 65.0 本市における雨水の流下先は 阿武隈川などの大河川であるため そこに至るまでの排水施設を下流側から継続的に整備していく必要があります また 河川の流下能力を確保するには 立木の伐採や堤防の除草などの適切な維持管理が不可欠であることから そのための費用を安定的に確保する必要があります 64.0 62.0 60.0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 出典 : グラフ郡山 データブック 2016 3 河川水位上昇の抑制河川の水位が上昇すると内水の排除が滞ることから 河床を下げる河道の掘削や 遊水地の整備なども併せて進め 河川水位の上昇を抑制していく必要があります 4 確実な情報伝達の環境有事の際には 気象や避難に関する情報を確実に住民に伝える必要があります その地域が水害に対して脆弱であれば 治水対策が地域全体の課題となるため 防災 を地域共通の目的として さまざまな防災活動を実施しながら 併せて地域の 活性化にもつながる展開を検討していきます 全ての住民に一様に情報を伝えることは非常に難しく 特に高齢や単身の世帯などは 情報を取得しにくい傾向があるため さまざまな手段によって情報の格差が生じない ように情報伝達の環境を整備する必要があります 年代別インターネット利用率 0 20 40 60 80 100 10 代 75 5 8 8 2 3 20 代 70 13 6 6 0 6 30 代 65 9 9 4 3 9 40 代 60 18 13 21 6 50 代 38 12 7 5 2 36 60 代以上 8 3 7 5 4 73 ほぼ毎日週に 3~5 回週に 1~2 回月に 2~3 回月に 1 回以下利用していない 出典 : グラフ郡山 データブック 2016 資料 : 高度情報化計画策定に係るアンケートより (2014 年 ) - 21 - - 22 -

浸水対策事業のイメージ (1) これまでの対策 これまでの浸水対策事業は 雨水を速やかに流下させることで被害を無くす努力をしてきました その結果 雨水は一気に水路や河川に流れ込み 施設の流下能力 ( 許容量 ) を超えてしまう状況も引き起こしています 加えて 市街地部では都市化の進展に伴い 地表面がアスファルトやコンクリートで覆われることで雨水が地中に浸み込みにくくなり 浸水被害の発生を助長しています (2) これからの対策 前述のように 雨水が道路側溝や河川などに一気に流れ込むことで排水施設の流下能力を超えて浸水が発生してしまいます そこで 排水施設へ流れ込む雨水の量を低減させるために 地中に浸透させたり 一時的に溜めたりして 排水施設への負担を減らしていきます 今後は 流す 溜める 浸透させる をバランス良く組み合わせて浸水対策を進めていきます 1 地中に浸透する雨水の量を増やす 2 一時的に雨水を溜めておく施設を整備する 3 速やかに流す 都市化が進み 地表面がアスファルトやコンクリートに覆われることで 雨が地中に浸み込みにくくなる 流出量が 一気に増大 1 地中に雨が浸み込むようにする 2 一時的に雨水を溜めておく 流出量を抑える 3 速やかに流す 降雨による雨水の流出が 短時間に集中しないような対策の検討が必要! また 都市部を流れる河川は 自然が残された貴重なオープンスペースであるため ハード整備事業では 自然環境の保護も考慮して治水対策とのバランスをとりなが ら 安全で住みやすい都市環境の整備を目指していきます - 23 - - 24 -

市民の意向調査 市民の治水に関する意識を把握し 今後の施策展開に反映させるために 郡山市 まちづくりネットモニター の制度を活用して市民意向の把握に努めました モニター調査の概要対象 ( モニター ): 郡山市在住の 18 歳以上の方 (300 名程度 ) 調査方法 : インターネットによるアンケート調査 < 治水対策に関係のあるアンケート > 郡山市の雨水対策について 平成 26 年度第 8 回アンケート 郡山市の浸水対策について 平成 27 年度第 5 回アンケート 郡山市の下水道について 各年 防災行政無線等災害情報伝達手段について 平成 26 年度第 1 回アンケート 詳細なアンケート結果については 郡山市公式ウェブサイト まちづくりネットモニター に掲載しています.. 問大雨等によって あなたの地域に 避難勧告 が出た場合 どのような行動をとりますか? 1 つ選択 (H27 問 10) 高齢の方など避難に時間がかかる場合は早めの行動を! 問さらに状況が悪化し あなたの地域に.. 避難指示 が出た場合 どのような行動を とりますか? 1 つ選択 (H27 問 11) 避難勧告 31.0% 避難指示 80.4% 主な市民の意識 意向の調査結果 問以前に比べて 雨の降る量が増えた あるいは雨の降り方が強くなったと感じま すか? 1 つ選択 (H27 問 1) 問あなたは 集中豪雨で避難をする場合 どこに避難をするか知っていますか? 1 つ選択 (H26 問 11) 9 割近くの方が 雨の降り方が強くなったと感じているんだぁ 知らない 知っている みんな避難場所は事前に確認した方がいいよね! 88.1% 問あなたは 水害 ( 災害 ) に備えて 何か事前の準備をしていますか? 複数選択可 (H27 問 9) - 25 - 過半数の方が 何も準備をしていない もっと防災意識を高めていかないとね 本市は 過去に幾度となく水害に見舞われてきたので市民の方々の災害 ( 水害 ) に関する意識は高いと思いますが 時間が経つにつれ危機感は薄れてしまいます 水害等による被害を減らしていくためには 住民の防災意識を高く保つことが必要なので 住民の意識 意向を的確に把握し さまざまな施策に反映しながら効果的な治水対策の推進に繋げていきます - 26 -