改正前改正案速報 5. 改正の内容 (1) 研究開発税制の見直し ( 大企業の場合 ) 総額型 上乗せ措置 税額控除額 = 試験研究費の総額 税額控除率 (6%14%: 試験研究費の増減割合に応じて ) 控除上限額 法人税額 25% 高水準型 税額控除額 = 試験研究費の額のうち平均売上金額 10%

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研究開発投資にかかる政府目標 安倍政権が 新 3 本の矢 の 1 つとして掲げた 2020 年頃の名目 GDP600 兆円達成 の目標や 日本再興戦略 2016( 閣議決定 ) 等に基づく 今後 5 年間での民間企業の研究開発投資の対 GDP 比 3% 目標の達成には 民間企業の研究開発投資を年平均

試験研究費 9,, 7,, Check7 14,, 14,, Check8 7,, 2,, 14,, 6,, 6,, 税務弘報

2017年度税制改正 年度税制改正

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法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

2019年度 文部科学省税制改正の概要

平成30年3月期決算の留意事項(税務)

研究開発税制の概要

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(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

平成20年2月

資料8-2 平成29年度文部科学関係税制改正事項

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

平成30年3月決算における税務上の留意事項

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

HPのトップページ更新原稿

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

Ⅰ 法人関連税制 1 減価償却制度 2 年連続の大改正になった背景 減価償却制度については 平成 19 年度税制改正により 残存価額および償却可能限度額の取扱いが廃止される大改正が行われ 定率法はいわゆる 250% 定率法 と呼ばれる従来にない新しい計算の仕組みが採用されました そして平成 20 年

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所得税法等の一部を改正する法律案 について 平成 31 年 2 月財務省 消費税率の引上げに際し 需要変動の平準化等の観点から 住宅と自動車に対する税制上の支援策等を講ずるとともに デフレ脱却と経済再生を確実なものとするため 研究開発税制の見直し等を行う あわせて 国際的な租税回避により効果的に対応

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

改正 ( 事業年度の中途において中小企業者等に該当しなくなった場合等の適用 ) 42 の 6-1 法人が各事業年度の中途において措置法第 42 条の6 第 1 項に規定する中小企業者等 ( 以下 中小企業者等 という ) に該当しないこととなった場合においても その該当しないこととなった日前に取得又

はじめに 会社の経営には 様々な判断が必要です そのなかには 税金に関連することも多いでしょう 間違った判断をしてしまった結果 受けられるはずの特例が受けられなかった 本来より多額の税金を支払うことになってしまった という事態になり 場合によっては 会社の経営に大きな影響を及ぼすこともあります また

法人税 faq

以下本人の給与収入速報 平成 29 年度税制改正解説所得課税 ~ 配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し 2 配偶者の給与収入が 万円超 15 万円以下の場合の改正案の控除額及び改正前後の影響について 配偶者特別控除 配偶者の給与収入 万円超 15 万円 15 万円以上 11 万円 11 万円以上 1

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

目 次 < 子ども 子育て > 1 < 健康 医療 > 2 < 医療保険 > 4 < 介護 > 4 < 雇用 > 5 < 年金 > 5 < 生活衛生 > 5 < その他 > 7 * 印を付している項目は他省庁が主管で要望をしている項目

労働基準法が改正されます

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平成 31 年度 税制改正 平成 31 年 4 月 財務省

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給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

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Q1 法人事業税の負担変動の軽減措置とは どのような制度ですか? A. 平成 27 年度税制改正により導入された 外形標準課税の拡大 ( 所得割の税率引き下げ及び付加価値割 資本割の税率引き上げ ) によって生じる税負担の変動の影響を緩和する措置で 付加価値額が一定以下の法人を対象に税負担の増加につ

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

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中小企業等経営強化法の概要

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公益法人の寄附金税制について

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平成 31 年度 税制改正 ( 案 ) のポイント このパンフレットは 平成 31 年度税制改正の大綱 ( 平成 30 年 12 月 21 日閣議決定 ) 及び 所得税法等の一部を改正する法律案 ( 平成 31 年 2 月 5 日閣議決定 ) の内容を分かりやすくまとめたものです 法案成立前の内容で

2020 年度税制改正に関するアンケート 公益財団法人全国法人会総連合 平成 31 年度税制改正では 消費税率の引上げに際し 需要変動の平準化等の観点から 住宅に対する税制上の支援策が講じられるとともに 車体課税について 地方の安定的な財源を確保しつつ大幅な見直しが行われました さらに デフレ脱却と

(1) 改正の内容 内容 現行制度 特例制度 納税猶予対象株式 納税猶予税額 発行済議決権株式総数の 3 分の 2 に達するまでの株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係る贈与税の全額 相続の場合 : 納税猶予対象株式に係る相続税の 80% 取得した全ての株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係

平成 28 年 12 月 農林水産省 平成 29 年度税制改正主要事項 1. 新規 拡充事項 (1) 生産資材価格の引下げ及び農産物の流通加工構造の改革のための法整備を前提とした次の措置の創設 ( 所得税 法人税 登録免許税 ) 1 同法の認定を受けた事業再編事業者が事業再編計画に記載された機械装置

租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) 第十条の二 第四十二条の五 第六十八条の十 租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) ( 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除 ) 第十条の二青色申告書を提出する個人が 平成三十年四月一日 ( 第二号及

平成23年度税制改正の主要項目

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

2. 改正の趣旨 背景の等控除は 給与所得控除とは異なり収入が増加しても控除額に上限はなく 年金以外の所得がいくら高くても年金のみで暮らす者と同じ額の控除が受けられるなど 高所得の年金所得者にとって手厚い仕組みとなっている また に係る税制について諸外国は 基本的に 拠出段階 給付段階のいずれかで課

第 7 章 間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 52ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期

要件① 雇用者給与等・・・・ (ざっくり) 平成24年度の給与総額と比べて、平成25年以降毎年、一定割合以上給与総額が増えていること。 <雇用者給与等支給額とは> <一定割合とは>

新しい非居住者債券所得非課税制度の概要 < 平成 22 年度税制改正前の制度の概要 > 非居住者等が受ける振替国債及び振替地方債のについては 一定の手続要件を満たせば非課税とされていました しかし 非居住者等が受ける振替社債等のについては 原則 15% の税率により源泉徴収課税がなされていました 非

第5回基礎問題小委員会 礎5-4

望の内容平成 30 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) ( 経済産業省中小企業庁経営支援部創業 新事業促進課 ) 制度名 産業競争力強化法に基づく創業支援事業計画の認定自治体における登録免許税の軽減措置の延長 税 目 登録免許税 ( 租税特別措置法第 80 条第

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平成 28 年度税制改正の概要 1. 復興特区関係 * (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の5 年延長及び要件の緩和 * 要件緩和 : 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造でも対象となるよう緩和 (2) 被災雇用者等を雇

法人税制改正詳解 CONTENTS はしがき 第 1 章平成 23 年 12 月改正 第 1 節 法人税率の引下げ 2 1 改正の趣旨及び内容 2 2 税率引下げの必要性 5 3 実効税率の計算への改正の影響 7 4 適用関係 8 5 実効税率と復興特別法人税との関係 8 6 法

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

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新今回の要望に合関理連性する事項設 拡充又は延長を必要とする理中小企業は地域の経済や雇用を支え 我が国経済全体を発展させる重要な役割を担っている 中小企業の設備投資を促進し 成長の底上げに不可欠な設備や IT 化等への投資の加速化や生産性の向上を図る ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 昨今の中小企業の

寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

て 1.6 兆円程度の減税措置を講じることになります なお このうち 昨年 10 月に消費税率引上 げに伴う対応として決定した税制措置による減収額は 国 地方合わせて 1 兆円程度になります ( 参考 ) 平成 26 年度の税制改正 ( 内国税関係 ) による増減収見込額 ( 単位 : 億円 ) 改

はしがき 配偶者控除 と 配偶者特別控除 は 昭和 36 年と昭和 62 年の税制改正で導入された歴史ある制度です ここ数年 配偶者控除の改正について様々な議論が行われてきましたが 平成 29 年度税制改正において 就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点から配偶者控除と配偶者特別控除の見直し

消費税 : 課税の適正化について 1 ( これまでの取組み等 ) 1. 総論 社会保障 税一体改革成案 ( 平成 23 年 6 月 30 日政府 与党社会保障改革検討本部決定 ) においては 消費税制度の信頼性を確保するための一層の課税の適正化を行う こととされている ( 参考 ) 平成 23 年度

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1 給与所得控除額を算出する計算式は給与収入金額によって異なります 今回は給与収入金額 3,600,000 円以上 6,599,999 円以下の場合の式を用いています 2 調整控除額は合計課税所得金額 2,000,000 円超と 2,000,000 円以下で算出方法が異なります 今回は 2,000,

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

日税研メールマガジン vol.143 ( 平成 31 年 2 月 15 日発行 ) 公益財団法人日本税務研究センター Article 平成 31 年度税制改正大綱の解説 ( 2) 税理士金井恵美子 * 本稿では 前号 ( vol.142) に引き続き 平成 31 年度税制改正の大綱 に示された改正事

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参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

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1. 指定運用方法の規定整備 今般の改正により 商品選択の失念等により運用商品を選択しない者への対応として あらかじめ定められた指定運用方法 に係る規定が整備されます 指定運用方法とは 施行日(2018 年 5 月 1 日 ) 以降 新たに確定拠出年金制度に加入された方が 最初の掛金納付日から確定拠

与党の平成 29 年度税制改正大綱 ( 平成 28 年 12 月 8 日 ) に記載された事項 森林吸収源対策の財源確保に係る森林環境税 ( 仮称 ) の創設について 第一 平成 29 年度税制改正の基本的考え方 6 森林吸収源対策 2020 年度及び2020 年以降の温室効果ガス削減目標の達成に向

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

事業承継関連税制について 関東経済産業局 平成 30 年 6 月 中小企業金融課

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テキスト編 第 1 章相続税 贈与税とはなにか 目次 1 相続税が課税される理由 1 2 どれくらいの遺産がある場合 相続税は課税されるか 2 3 贈与税が課税される理由 3 4 相続税と贈与税の関係 4 第 2 章相続人と相続分 1 相続人と相続順位 5 2 相続の承認と放棄 14 3 相続人の相

各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

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住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

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速報 1. 改正の概要 (1) 総額型 1 研究開発投資の質と量の向上を促すため 研究開発を行う一定のベンチャー企業について 控除税額の上限を法人税額の 40%( 改正前 25%) に引き上げる 2 インセンティブを強化する観点から総額型の税額控除率が見直され 試験研究費の増減率が +0%+8% の範囲の場合は税額控除率は 試験研究費の増減率が 25%0% の範囲の場合は税額控除率は減少 3 制度の簡素化の観点から上乗せ措置である 平均売上金額の10% を超える試験研究費に係る税額控除 ( 高水準型 ) が改組され 税額控除率を一定程度割増しする措置を加え 総額型に統合される (2) オープンイノベーション型質の高い研究開発に対する支援を強化する観点から 対象範囲の拡充と控除税額の上限の引き上げを行う 1 対象範囲を拡充し 研究開発型ベンチャー企業の共同研究 委託研究や 要件を満たす民間企業等 ( 大企業を想定 ) への委託研究を対象範囲に追加する 大企業が有する知見を活用した委託研究が可能になる 2 控除税額の上限を法人税額 10%( 改正前 5%) へ引き上げる 2. 適用時期 2019 年 4 月 1 日以後開始事業年度から適用される 3. 実務上の留意点 1 インセンティブがさらに高められており 試験研究費が減少する場合には 税額控除率の減少幅が大きくなる 4. 今後の注目点 増減試験研究費割合税額控除率改正による税額控除率の最大増減 +0%+8% の範囲改正により増減割合 :+5.0% のとき 税額控除率 :+0.3% 25%+0% の範囲改正により減少増減割合 : 約 14.2% のとき 税額控除率 : 1.0% 1 研究開発を行う一定のベンチャー企業 の考え方 2 特別試験研究費のうち大学等との共同研究に係るプロジェクトマネジメント業務等を担う者の人件費の明確化 3 新設の分割承継法人等に係る調整計算等の適正化の具体的内容 1

改正前改正案速報 5. 改正の内容 (1) 研究開発税制の見直し ( 大企業の場合 ) 総額型 上乗せ措置 税額控除額 = 試験研究費の総額 税額控除率 (6%14%: 試験研究費の増減割合に応じて ) 控除上限額 法人税額 25% 高水準型 税額控除額 = 試験研究費の額のうち平均売上金額 10% 超の部分 超過税額控除割合 ( 1) 選択適用 左記総額型の控除上限額上乗せ措置 ( 2) オープンイノベーション型 税額控除額 = 特別試験研究費 20% 又は 30% 控除上限額 法人税額 5% ( 1) ( 試験研究費割合 -10%) 0.2 総額型 税額控除額 = 試験研究費の総額 税額控除率 (A+B= 下限 6% 上限 14%) A: 試験研究費の増減割合に応じて (6%14%) ( 計算式の見直し ) ( 1) 上乗せ措置 ( 3) B: A 控除割増率 ( 2) ( 高水準型の統合 ) 控除割増率 =( 試験研究費割合 -10%) 0.5 ( 控除割増率は 10% を上限とする ) オープンイノベーション型 対象範囲を拡充税額控除額 = 特別試験研究費 20% 又は 25% 又は 30% 控除上限額 法人税額 25% ( 4) 上乗せ措置 ( 3) 左記総額型の控除上限額上乗せ措置 ( 2) ( 1) 税額控除率の計算式については次頁参照 ( 3) 上乗せ措置については 高水準型を廃止した上で 適用期限を 2 年延長する ( 4) 控除上限額について 研究開発を行う一定のベンチャー企業は 40% 2

速報 (1) 研究開発税制の見直し ( 大企業の場合 ) 総額型の 増減試験研究費割合 > 5% : 9% + ( 増減試験研究税額控除率の見直し費割合 - 5%) 0.3 増減試験研究費割合 5% : 9% - (5% - 増減試験研究費割合 ) 0.1( 下限 :6%) 設立事業年度であるとき 又は 比較試験研究費の額が零であるとき : 8.5% 税額控除率の上限は14%(2 年間の時限措置終了後は10%) 増減試験研究費割合 = 増減試験研究費の額 比較試験研究費 増減試験研究費の額 = 試験研究費の額 - 比較試験研究費 比較試験研究費 = 過去 3 年間の試験研究費の額の平均額税内容改正前改正案 増減試験研究費割合 > 8% : 9.9% + ( 増減試験研究費割合 - 8%) 0.3 増減試験研究費割合 8% : 9.9% - (8% - 増減試験研究費割合 ) 0.175( 下限 :6%) 設立事業年度であるとき 又は 比較試験研究費の額が零であるとき : 8.5% 税額控除率の上限は 14%(2 年間の時限措置終了後は 10%) 増減試験研究費割合 = 増減試験研究費の額 比較試験研究費 増減試験研究費の額 = 試験研究費の額 - 比較試験研究費 比較試験研究費 = 過去 3 年間の試験研究費の額の平均額 14% 14% 額控除率9.9% 9.0% 8.5% 6.0% 25% 減少 ±0% 5.0% 8.0% 増減試験研究費割合 約 21.7% 上乗せ措置の見直し < 高水準型 > 高水準型又は総額型の控除上限額に下記を上乗せ ただし 総額型の控除上限額の上乗せについては法人税額 10% を上限とする 額控除率9.9% 8.5% 7.0% 6.0% 減少約 14.2% 減少税±0% 8.0% 増減試験研究費割合 左記 高水準型を廃止し 以下のとおり改組 < 上乗せ措置 > 総額型の税額控除率に下記を上乗せ控除割増率 =( 試験研究費割合 -10%) 0.5 ただし 控除割増率は 10% を上限とする 総額型の控除上限額に下記を上乗せ ( 改正前と同様 ) ただし 総額型の控除上限額の上乗せについては法人税額 10% を上限とする 25% 減少 約 21.7% 3

増減5 試%験研究費割合超の場増減5 %試験研究費割合正前以下の場改正( 4) 控除上限額について 研究開発を行う一定のベンチャー企業は40% 速報 (2) 研究開発税制の見直し ( 中小企業者等 ( 適用除外事業者を除く ) の場合 ) 改 中小企業技術基盤強化税制 税額控除額 = 試験研究費の総額 税額控除率 (12%17%: 試験研究費の増減割合に応じて ) >5% の場合 控除上限額 法人税額 25% 増減試験研究費割合 5% の場合 控除上限額 法人税額 25% 高水準型 税額控除額 = 試験研究費の額のうち平均売上金額 10% 超の部分 超過税額控除割合 ( 1) 選択適用 左記総額型の控除上限額上乗せ措置 法人税額 10% 高水準型 税額控除額 = 試験研究費の額のうち平均売上金額 10% 超の部分 超過税額控除割合 ( 1) 選択適用 左記総額型の控除上限額上乗せ措置 ( 2) 合増減試験研究費割合 ( 3) 合上乗せ措置 オープンイノベーション型 税額控除額 = 特別試験研究費 20% 又は 30% 控除上限額 法人税額 5% ( 1) ( 試験研究費割合 -10%) 0.2 中小企業技術基盤強化税制 増減試験研究費割合上乗せ措置 ( 3) 超税額控除額 = >8% の場合の 左記総額型の控除上限額上乗せ措置 試験研究費の総額 税額控除率 (A+B= 下限 12% 上限 17%) 法人税額 25%( 4) A: 試験研究費の増減割合に応じて増( 計算式の見直し )( 1) 増減試験研究費割合 8 %案 8% の場合 左記総額型の控除上限額上乗せ措置 以( 2) 割下B: A 控除割増率 ( 2) ( 高水準型の統合 ) 控除上限額 合控除割増率 =( 試験研究費割合 -10%) 0.5 法人税額 25%( 4) ( 控除割増率は10% を上限とする ) オープンイノベーション型 対象範囲を拡充税額控除額 = 特別試験研究費 20% 又は25% 又は30% ( 1) 税額控除率の計算式については次頁参照 ( 3) 上乗せ措置については 高水準型を廃止した上で 適用期限を 2 年延長する 増減試験研究費割合8 %場合上乗せ措置 ( 3) 減試験研究費の場合 4

税額控除率額控除率速報 (2) 研究開発税制の見直し ( 中小企業者等 ( 適用除外事業者を除く ) の場合 ) 内容改正前改正案 中小企業技術基盤強化税制における下記の見直し 1 税額控除率 2 控除上限額 1 税額控除率 :12% 試験研究費の増減試験研究費割合 >5% の場合 : 12%+ ( 増減試験研究費割合 - 5%) 0.3 控除率の上限は 17%(2 年間の時限措置終了後は 12%) 1 税額控除率 :12% 試験研究費の増減試験研究費割合 >8% の場合 : 12%+ ( 増減試験研究費割合 - 8%) 0.3 控除率の上限は 17%(2 年間の時限措置終了後は 12%) 税額控除率を一定程度割増しする措置あり 2 控除上限額 :25% 試験研究費の増減試験研究費割合 >5% の場合法人税額 35% 上乗せ措置である高水準型との選択適用 試験研究費の増減試験研究費割合 5% の場合法人税額 25% + 上乗せ措置である高水準型との選択適用 2 控除上限額 :25% 試験研究費の増減試験研究費割合 >8% の場合法人税額 35% 上乗せ措置である高水準型を廃止 試験研究費の増減試験研究費割合 8% の場合法人税額 25% + 上乗せ措置である高水準型を廃止税17% 12% 17% 12% 5% 約 21.7% 試験研究費の増減試験研究費割合 試験研究費の増減試験研究費割合 8% 約 24.7% 5

速報 (3) オープンイノベーション型 質の高い研究開発に対する支援を強化する観点から 対象範囲の拡充と控除税額の上限の引き上げを行う 1 対象となる特別試験研究費の範囲に以下を加える ( 対象範囲の拡充 ) 共同研究 委託研究 ( 2) 対象 税額控除率 研究開発型ベンチャー企業 ( 1) 25% 研究開発型ベンチャー企業 ( 1) 25% 要件を満たす民間企業等 20% 特定用途医薬品等に関する試験研究 20% 研究開発型ベンチャー企業 ( 1) 企業等 企業等 ( 大企業を含む ) ( 拡充 ) 共同研究 ( 拡充 ) 委託研究 ( 2) ( 拡充 ) 委託研究 ( 2) ( 1) 研究開発型ベンチャー企業 とは 産業競争力強化法の新事業開拓事業者でその発行する株式の全部又は一部が同法の認定ベンチャーファンドの組合財産であるものその他これに準ずるものをいう ( 2) 一定の要件を満たす企業間の委託研究である必要があり 委託して行う試験研究が委託法人の基礎研究又は応用研究であること又は委託して行う試験研究が受託者の知的財産権等を利用するものであること その他の要件を満たす必要がある < 要件を満たす民間企業等に対する委託研究に関する留意点 > 委託する試験研究が委託法人の工業化研究に該当する場合には その試験研究が受託者の知的財産等を利用するものである必要がある 改正前では大企業への委託研究は対象外とされているが 一定の要件を満たせば大企業に対する委託研究も対象範囲となる 2 特別試験研究費の控除税額の上限を法人税額 10%( 改正前 5%) へ引き上げる 6