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本日の流れ 脂質の性質と吸収について トランス脂肪酸について 最新の情報 ( 参考 ) 海外の情報 2

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Microsoft PowerPoint トランス脂肪酸・スライト゛神奈川県消費者意見交換(最終)

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栄養表示に関する調査会参考資料①

脂質について知りたい! からだに必要なものを取り込んで生きていく営み ( 栄養 ) において 特に重要な成分は 炭水化物 たんぱく質 脂質 ビタミン ミネラルです 脂質は私たちのからだにとって重要な栄養素であり 食品にあっては食べ物をおいしくしたり 食べやすくしたりするなどの役割も担っています 私た

目次 栄養成分表示を知ろう! 栄養成分表示のことを知っていますか? 栄養成分表示のことを知って あなたの食生活に活用してみましょう エネルギーとたんぱく質 脂質 炭水化物のバランスについて 2 栄養成分表示をどのように活用したらいいの? 3 自分に必要なエネルギー及び栄養素の目標量を計算してみましょ

保健機能食品制度 特定保健用食品 には その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をすることができる 栄養機能食品 には 栄養成分の機能の表示をすることができる 食品 医薬品 健康食品 栄養機能食品 栄養成分の機能の表示ができる ( 例 ) カルシウムは骨や歯の形成に 特別用途食品 特定保健用

日本スポーツ栄養研究誌 vol 目次 総説 原著 11 短報 19 実践報告 資料 45 抄録

平成 24 年度内閣府食品安全委員会 食品健康影響評価技術研究 トランス脂肪酸による動脈硬化性疾患の 発生機序の解明と健康影響評価手法の確立 平田健一神戸大学大学院医学研究科内科学講座循環器内科学分野

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トランス脂肪酸やその他の脂質成分について

相模女子大学 2017( 平成 29) 年度第 3 年次編入学試験 学力試験問題 ( 食品学分野 栄養学分野 ) 栄養科学部健康栄養学科 2016 年 7 月 2 日 ( 土 )11 時 30 分 ~13 時 00 分 注意事項 1. 監督の指示があるまで 問題用紙を開いてはいけません 2. 開始の

食品安全委員会_メルマガ総集編001_2.indd

脂肪酸 1) 脂肪酸の分類脂肪酸は, 中性脂肪や複合脂質に結合しており, その構造は炭素鎖が連なるカルボン酸である 脂肪酸は炭素の鎖長 ( 長短 ) によっても分類され, 炭素数 2~4 個のものを短鎖脂肪酸 ( 低級脂肪酸 ),5 ~12 個を中鎖脂肪酸, それ以上の炭素数のものを長鎖脂肪酸 (

(2-3)脂質異常症 ポスター H

(1) トランス脂肪酸の生成トランス脂肪酸の生成については 次の四つの過程があることが示されています 1) 加工 調理段階で生成 1 植物油等の加工に際し 水素添加の過程において シス型の不飽和脂肪酸から生成 2 植物油等の精製に際し 脱臭の過程において シス型の不飽和脂肪酸から生成 3 油を高温で

し重症化すると黄色い塊 ( 黄色腫 ) が体のあちこちにできたり 血管が詰まって脳梗塞や心筋 梗塞を引き起こしたりする恐ろしい病気です それでは脂質異常症とはいったい何でしょう か? (1) 脂質異常症の原因 ( 食生活の乱れ 運動不足 ) 脂質異常症は 血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールが異常に

トランス脂肪酸に関するとりまとめ(参考資料)

dic s ヘルスコミュニケーション vol.6 美容と脂質の摂りかた

シトリン欠損症説明簡単患者用

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立石委員提出資料(トランス脂肪酸に関する意見書)

肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より

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食品には たんぱく質や脂質 炭水化物などの栄養成分が含まれています 私たちが健康な生活を送ることができるのは 食品から必要な栄養を必要な量とっているからです 食材を加熱すると 食材に天然に含まれている成分から新たな成分ができることがあります それによって 例えばパンを焼いたときの美味しそうな色 コー

栄養成分表示ハンドブック-本文.indd

栄養成分等の分析方法等及び「誤差の許容範囲」の考え方について

Microsoft PowerPoint - 100826上西説明PPT.ppt

(1) トランス脂肪酸の生成トランス脂肪酸の生成については 次の4つの過程があることが示されています 1) 加工 調理段階で生成 1 植物油等の加工に際し 水素添加の過程において シス型の不飽和脂肪酸から生成 2 植物油等の精製に際し 脱臭の過程において シス型の不飽和脂肪酸から生成 3 油を高温で

トランス脂肪酸のとりまとめ

生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ

1 ししつ脂質 いじょうしょう へ 高脂血症から 脂質脂質異常症 医療法人将優会クリニックうしたに 理事長 院長牛谷義秀 脂質異常症とは 血液中に含まれる LDL( 悪玉 ) コレステロールと中性脂肪中性脂肪のどちらか一方 あるいは両方が過剰の状態 または HDL( 善玉 ) コレステロールが少ない

カテゴリー別人数 ( リスク : 体格 肥満 に該当 血圧 血糖において特定保健指導及びハイリスク追跡非該当 ) 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 8190 リスク重なりなし BMI5 以上 ( 肥満 ) 腹囲判定値以上者( 血圧 (130 ) HbA1

山梨県生活習慣病実態調査の状況 1 調査目的平成 20 年 4 月に施行される医療制度改革において生活習慣病対策が一つの大きな柱となっている このため 糖尿病等生活習慣病の有病者 予備群の減少を図るために健康増進計画を見直し メタボリックシンドロームの概念を導入した 糖尿病等生活習慣病の有病者や予備

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Microsoft Word - 1 糖尿病とは.doc

hyoushi

脂質への高い関心と無理解 一般の人に健康意識調査を行うと あぶら ( 油脂 ) の摂取にたいへん高い関心があること がわかります その理由の多くは 肥満を意識したダイエットのためと 血清コレステロールや中性脂肪の値を心配してのことです しかし 脂質の栄養には健康にとってさらに本質的で重要な側面があり

ただ太っているだけではメタボリックシンドロームとは呼びません 脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子と TNF-αや IL-6 などという悪玉因子を分泌します 内臓肥満になる と 内臓の脂肪細胞から悪玉因子がたくさんでてきてしまい インスリン抵抗性につながり高血糖をもたらします さらに脂質異常症

日本の糖尿病患者数は増え続けています (%) 糖 尿 25 病 倍 890 万人 患者数増加率 万人 690 万人 1620 万人 880 万人 2050 万人 1100 万人 糖尿病の 可能性が 否定できない人 680 万人 740 万人

新技術説明会 様式例

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コレステロールの 善玉 と 悪玉 とは? LDL( 悪玉 ) コレステロール血液中でコレステロールを肝臓から抹消組織に運んでいますが 多すぎると血管の壁に入りこみ 動脈硬化を引き起こす一番の担い手になります HDL( 善玉 ) コレステロール血管壁に余ったコレステロールを肝臓へ戻し 動脈硬化を進行さ

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1 栄養成分表示を活用してみませんか? 媒体の内容 1 ページ 導入 ねらい : 栄養成分表示 とは 食品に含まれているエネルギー及びたんぱく質 脂質 炭水化物 食塩相当量などを表示したものであることを理解する 栄養成分表示を見たことがありますか? と問いかけ 普段から栄養成分表示を見ているか 見て

血糖値 (mg/dl) 血中インスリン濃度 (μu/ml) パラチノースガイドブック Ver.4. また 2 型糖尿病のボランティア 1 名を対象として 健康なボランティアの場合と同様の試験が行われています その結果 図 5 に示すように 摂取後 6 分までの血糖値および摂取後 9 分までのインスリ

Taro-4

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Umpolung Reactivity of Difluoroenol Silyl Ethers with Amines and Amino Alcohols

1-1 栄養素の代謝と必要量 : 糖質 炭水化物 1 糖質の消化吸収 デンプンは唾液中のα アミラーゼの作用により加水分解され かなりの部分が消化を受ける ヒト の唾液中に存在するデンプン消化酵素は α アミラーゼがほとんどである 胃では糖質の消化酵素は 分泌されないが 食道から胃内に流入した食塊が

2 脂肪 油 コレステロール飽和脂肪酸一価不飽和脂肪酸多価不飽和脂肪酸 基礎知識 脂肪とは? ヒトが動いたり 呼吸したりするには エネルギー が必要です エネルギーを作り出す栄養素は 糖質 脂質 タンパク質 で これらは 3 大栄養素と呼ばれています 3 大栄養素のなかでも特に高いエネルギーを作り出

2. 栄養管理計画のすすめ方 給食施設における栄養管理計画は, 提供する食事を中心とした計画と, 対象者を中心とした計画があります 計画を進める際は, それぞれの施設の種類や目的に応じて,PDCA サイクルに基づき行うことが重要です 1. 食事を提供する対象者の特性の把握 ( 個人のアセスメントと栄

2

( 国内流通製品 ) XMプロテインモリンガ +ホエイプロテインサプリメントシェイクタンパク質は アミノ酸の基本構成から成る複雑な分子です 人間のからだはこのタンパク質を必須アミノ酸に分解し 細胞に吸収させています その後 細胞内でアミノ酸が筋肉の構築や効果的な酵素反応を起こすタンパク質に再構築され

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動物の生活と生物の進化 消化と吸収 次の問いに答えなさい 液1 試験管を40 ぐらいの湯につけた理由を書きなさい (1) 図のように,~Dの₄ 本の試験管にデンプン溶液をとり,とに デンプン溶液だはだ液を,とDにはそれぞれ同量の水を入れ, 約 40 に保った 約 D 10 分後,とにはヨ

コレステロールは体内で細胞膜や胆汁酸 ( 消化液 ) 副腎皮質ホルモンや性ホルモン( 男性ホルモン 女性ホルモンなど ) ビタミンDの原料となります 人体を維持するのに無くてはならない構成成分です コレステロールには悪玉の LDL コレステロール (LDL) と善玉の HDL コレステロール (HD

市民公開講座(2011/04/16)

Taro-①概要.jtd

( 様式甲 5) 氏 名 忌部 尚 ( ふりがな ) ( いんべひさし ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲第 号 学位審査年月日 平成 29 年 1 月 11 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 Benifuuki green tea, containin

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動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2012 年版 ( 日本動脈硬化学会 ) ガイドラインの策定経緯 高脂血症診療ガイドライン :1997 年 動脈硬化性疾患診療ガイドライン 2002 年版 :2002 年 動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2007 年版 :2007 年 動脈硬化性疾患予防ガイドライン

Q1. あなたが 普段健康のために積極的に摂取している栄養成分 控えている栄養成分をお答えください ( 単数回答 ) n=1000 積極的に摂っている栄養成分 TOP5 積極的に摂っているどちらとも言えない摂取を控えている 水分 61.7% 34.1% 4.2% たんぱく質 44.7% 48.4%

脂質異常症はなぜ怖い 脂質異常症から動脈硬化へ 放 放 脂質異常症置動脈硬化置 心筋梗塞 脳梗塞 自覚症状は でないけれども QOL の低下 死亡 メタボリックシンドローム 不健康な生活習慣 遺伝素因 内臓脂肪蓄積 代謝異常 高血糖 高血圧 脂質異常 動脈硬化の進行心筋梗塞 脳卒中の発症 遺伝 体質

高脂血症とは? 高脂血症とは 血液中の脂質 具体的にはコレステロールや中性脂肪 ( 代表的なものはトリグリセリド ) が 多過ぎる病気のことです 血液中にはコレステロール 中性脂肪 リン脂質 遊離脂肪酸の4 種類の脂質がとけこんでいます ところが 血液中の脂肪が異常に増えても 普通自覚症状はないため

日本の高齢化と寿命 ~ 健康寿命とは ~ 健康寿命は 健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間 と定義されてい る 要約すると 自分の身のまわりのことを自分の力で行うことができる自立能力が備わっている期 間を表している 健康で生きていられる期間 人間誰しもこのような真の健康状態が継続

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2 11. 脂肪 蓄 必 12. 競技 引退 食事 気 使 13. 日 練習内容 食事内容 量 気 使 14. 競技 目標 達成 多少身体 無理 食事 仕方 15. 摂取 16. 以外 摂取 17. 自身 一日 摂取 量 把握 18. 一般男性 ( 性. 一日 必要 摂取 把握 19. 既往歴 図

次の 1~50 に対して最も適切なものを 1 つ (1)~(5) から選べ 1. 細胞内で 酸素と水素の反応によって水を生じさせる反応はどこで行われるか (1) 核 (2) 細胞質基質 (3) ミトコンドリア (4) 小胞体 (5) ゴルジ体 2. 脂溶性ビタミンはどれか (1) ビタミン B 1

大麦食品推進協議会 技術部会報告 (公財)日本健康・栄養食品協会で評価された   大麦由来β-グルカンの機能性について

2) エネルギー 栄養素の各食事からの摂取割合 (%) 学年 性別ごとに 平日 休日の各食事からのエネルギー 栄養素の摂取割合を記述した 休日は 平日よりも昼食からのエネルギー摂取割合が下がり (28~31% 程度 ) 朝食 夕食 間食からのエネルギー摂取割合が上昇した 特に間食からのエネルギー摂取

(3) 摂取する上での注意事項 ( 該当するものがあれば記載 ) 機能性関与成分と医薬品との相互作用に関する情報を国立健康 栄養研究所 健康食品 有効性 安全性データベース 城西大学食品 医薬品相互作用データベース CiNii Articles で検索しました その結果 検索した範囲内では 相互作用

Microsoft Word - Ⅲ-11. VE-1 修正後 3.14.doc

目次 < 栄養表示の特徴 > 栄養表示の特徴 1 < 健康 栄養政策と栄養表示の関係 > 健康 栄養政策と栄養表示基準 2 健康 栄養政策と栄養表示 3 健康 栄養政策と栄養表示の関係 4 21 世紀における国民健康づくり運動 ( 健康日本 21) の具体的な推進について 5 < 栄養表示の重要性の

青年期を対象とした携帯食事手帳システムの提供 目 次 1. 目的 1 2. 携帯食事手帳システムの概要 1 (1) システムの基礎データ 1 (2) 利用方法 1 (3) 確認できる情報 1 3. 携帯食事手帳利用の手引き 2 (1) 携帯食事手帳 (QRコード) 3 (2) 料理選択の仕方 4 (

本書の読み方 使い方 ~ 各項目の基本構成 ~ * 本書は主に外来の日常診療で頻用される治療薬を取り上げています ❶ 特徴 01 HMG-CoA 代表的薬剤ピタバスタチン同種同効薬アトルバスタチン, ロスバスタチン HMG-CoA 還元酵素阻害薬は主に高 LDL コレステロール血症の治療目的で使 用

経管栄養食 アイソカル RTU アイソカルプラス EX ネスレヘルスサイエンス ネスレヘルスサイエンス 1.0kcal/ml の流動食さらにやさしく より確かな安全を 1.5kcal/ml の高濃度流動食 アルギニン配合 アイソカルプラス アイソカル 1K ネスレヘルスサイエンス ネスレヘルスサイエ

“にがり”の成分や表示等についてテストしました

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標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

「中小企業・ベンチャー挑戦事業の内実用化研究開発事業」の進め方について

資料 1-3 合理的な方法に基づく表示値の設定 ( 平成 25 年 4 月 26 日 消費者委員会第 22 回食品表示部会 ) へのコメント -1 栄養成分の含有量を一定値で示す場合 収去検査による分析に基づく実績値が 表示値の規定された許容範囲内にあること 収去検査において規定された分析方法によっ

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6. 審査等の方法 栄養成分ごとに一定の規格基準を設け 規格を満たすもののみが栄養機能食品として認められる ( 自己認証 ) 製品ごとに事業者が特定保健用食品としての申請を行い その申請に対して 消費者委員会等の審議を踏まえ 消費者庁が個別許可を行う なお 特定保健用食品としての許可実績が十分である

2015 1,200 A B J 一般社団法人 J ミルク牛乳乳製品の知識改訂版 001

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結果の概要

旧制度からの主な変更点 1 加工食品と生鮮食品の区分の統一 JAS 法と食品衛生法において異なる食品の区分について JAS 法の考え方に基 づく区分に統一 整理 新たに加工食品に区分されるもの さん現行の食品衛生法では表示対象とはされていない 軽度の撒塩 生干し 湯通し 調味料等により 簡単な加工等

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缶コーヒーは悪魔の飲み物!病気や不調の9割は血糖値の問題「医者が教える食事術 最強の教科書」

第3類危険物の物質別詳細 練習問題

食品には たんぱく質や脂質 炭水化物などの栄養成分が含まれています 私たちが健康な生活を送ることができるのは 食品から必要な栄養を必要な量とっているからです 食材を加熱すると 食材に天然に含まれている成分から新たな成分ができることがあります それによって 例えばパンを焼いたときの美味しそうな色 コー

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

Microsoft PowerPoint - 補足資料(セット版-2).ppt

Transcription:

平成 26 年 8 月 4 日 食べたものはどこにいく? 過剰摂取のリスク ~ 脂質の例 ~ 委員山添康 1

脂質を過剰に摂ると からだの中に吸収され エネルギーとして使いきれなかった脂質は 中性脂肪として貯蔵される 脂質は重要な栄養素 脂質は一般に からだの外に出るのに時間がかかったり からだの中のどこかに留まることが多い ( 脂肪 副腎等への蓄積など ) 脂肪を取り過ぎると 肥満 高脂血症 高血圧などのリスクが高まる可能性がある 2

植物油からのトランス脂肪酸の摂取 植物油の食品利用 不飽和脂肪酸 ( 液体 : 炭素 - 炭素間の二重結合がある ) 液体と固体の問題 ( 不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸 ) ヤシ ( パーム ) 油など 不飽和脂肪酸を飽和化 ( 液体を固形に変化させる ) シス型 トランス型 トランス型はシス型よりもからだの中に吸収された後分解されにくいため 蓄積しやすい 飽和脂肪酸 ( 固体 : 炭素 - 炭素間の二重結合がない ) トランス脂肪酸の生成 3

さまざまな食用油に含まれるトランス脂肪酸 トランス脂肪酸 工業由来 ( 植物油由来等 ) 硬化油 ( 部分水素添加 ) 食用植物油 ( 脱臭操作 ) 反すう動物由来 胃の中で微生物により生成され 乳製品 肉に含まれる 低融点のシス型不飽和脂肪酸を高融点の飽和脂肪酸に変える時に生成される シス型不飽和脂肪酸を 200 以上の高温処理時に生成される 4

からだの中に入るもの 5

からだに入るものの大きさ 分子量が大きいもの ( ヒアルロン酸など ) は 腸管を超えないため吸収されず 分子量が小さいもののみ 腸管を超えて吸収される 腸管内 吸収 消化酵素 分子量小 分解 分子量大 6

グリセロールからだに入るものの性質 水に溶ける ---- 親水性 ( 糖 アミノ酸や無機イオン ) 油に溶ける ---- 親油性 ( 脂肪酸やグリセリド ) 脂質 油脂 脂肪酸グリセリド 脂肪酸 脂肪酸 脂肪酸 コレステロールなど トリグリセリド ( 血中の中性脂肪のほとんどを占める ) 7

からだに必要な栄養素とその性質 炭水化物 糖 脂肪 脂肪酸 タンパク アミノ酸 無機イオン ミネラル その他 ビタミン 水分 グルコースキシロースグリセリドオレイン酸アラキドン酸グリシンフェニルアラニンナトリウム鉄カルシウムビタミンA ビタミンC 親油性 親水性 8

親水性が大きい成分の吸収 親水性が大きい成分は 量と質ともに選択的に吸収される 水に溶け易い糖やアミノ酸は 腸管膜のトランスポーター ( 運び屋 ) が細胞のエネルギーをもらって取り込んでいる からだに必須なもの以外は取り込まない 水溶性ビタミンのように 一度に大量に小腸に達すると吸収能を超えてしまう成分もある 9

親油性が大きい成分の吸収 親油性が大きい成分は 量や質に係らずからだの中に吸収されやすい ほとんど水に溶けないトリグリセリドとコレステロール ( ステロイドホルモン原料や細胞膜の成分 ) は トランスポーターが取り込んでいる 中程度の親油性を持つ物質は 濃度勾配に従って つまり細胞膜 ( 脂質二重膜 ) に溶け込んで通過する ( ほとんどの異物はこの系路 ) 異物でも通過し 体内に入る 10

親油性成分の吸収 ( トリグリセリドの事例 ) グリセロール脂肪酸 脂肪酸 脂肪酸 トリグリセリド 分解 リパーゼ ( 消化酵素 ) ミセルイメージ 中鎖脂肪肪脈酸酸系へ長肪鎖脂酸ミセル再合ンセモパリノ成リ管ド門グへリリン脂質コレステロール胆汁酸 小腸上皮細胞 中鎖脂直接肝臓に運ばれ 効率よく分解されて エネルギーになる リンパ系に入り胸管から血液に移行 脂肪組織や筋肉 肝臓に運ばれて分解 または貯蔵される 11

トランス脂肪酸の摂取とリスク 12

多量のトランス脂肪酸摂取によるリスク 諸外国の研究結果では トランス脂肪酸 ( エライジン酸等 ) の過剰摂取は 冠動脈疾患 ( 心筋梗塞 狭心症等 ) を増加させる可能性が高いとされている 欧米のコホート研究 : トランス脂肪酸を多く摂取していた人で冠動脈疾患が増加 ( 最小と最大分位群を比較 最大分位群の摂取レベルは 総エネルギー摂取量の 2.8%~4.86% 以上 ) ただし 反すう動物由来のトランス脂肪酸 ( バクセン酸 ) についての研究では相対危険性の増加は見られないことから 反すう動物由来のトランス脂肪酸と冠動脈疾患の関係は低いと考えられる LDL- コレステロール ( 悪玉コレステロール ) の増加 HDL- コレステロール ( 善玉コレステロール ) の減少は 一般的に認められた動脈硬化症の危険因子 トランス脂肪酸は LDL/HDL 比を増加させる LDL- コレステロール 肝臓から体内の各部へコレステロールを運ぶ役割がある コレステロールを血管壁に沈着させる原因の一つ HDL- コレステロール 細胞内に蓄積したコレステロールを除去し 細胞内への LDL の取り込みを抑制する 13

食品中のトランス脂肪酸 飽和脂肪酸含有量の推移 ( 一般用 ) マーガリン ファットスプレッド注 1 ショートニング注 2 試料 18 年度 22 年度増減率 トランス脂肪酸 飽和脂肪酸 トランス脂肪酸 飽和脂肪酸 トランス脂肪酸 飽和脂肪酸 含有量はすべて 100 g 中の平均値 ( ) 内は各社のばらつき 5.90 g (0.36~12.3 g) 21.9g (17.0~29.4g) 4.97 g (1.92~7.76g) 21.3 g (8.0~56.6g) 21.1 g (11.0~31.2 g) 22.6 g (19.8 ~25.4g) 3.13 g (0.22~12.2g) 23.3g (16.8~30.5 g) 2.01 g (1.02~3.22 g) 25.8 g (7.9~53.3 g) 3.38 g (3.38 g) 47.3 g (47.3 g) 約 -47% 約 +6% 約 -60% 約 +21% 約 -84% 約 +109% 注 1: マーガリン類に属するもののうち 食用油脂の割合が 80% 未満のもの注 2: 常温で半固形状 ( クリーム状 ) の食用油脂 14

食品中のトランス脂肪酸 飽和脂肪酸含有量の推移 ( 業務用 ) マーガリン ファットスプレッド ショートニング 試料 18 年度 22 年度増減率 トランス脂肪酸 飽和脂肪酸 トランス脂肪酸 飽和脂肪酸 トランス脂肪酸 飽和脂肪酸 含有量はすべて 100 g 中の平均値 ( ) 内は各社のばらつき 9.04 g (1.80~13.5 g) 29.9 g (22.1~41.7 g) 6.77 g (0.99~9.98 g) 21.7 g (14.7~27.2 g) 13.1 g (1.15~26.4 g) 23.9 g (13.9~30.2 g) 0.82 g (0.37~1.20 g) 40.9 g (35.5~45.7g) 3.87 g (0.55~13.5 g) 25.1 g (13.6~33.6 g) 0.59 g (0.39~1.2 g) 45.4 g (27.8~53.6 g) 約 -91% 約 +37% 約 -43% 約 +16% 約 -95% 約 +90% トランス脂肪酸は製品によるばらつきがあるものの 全体としては減少している 不飽和脂肪酸の減少に伴い 飽和脂肪酸の割合が高くなる 15

日本人のトランス脂肪酸摂取量の推定結果 ( 平均値 ) (総エWHOの目標 ( 総エネルギー摂取量の1% 未満 ) ネルギー摂取量に占める割合)ランス脂肪酸摂取量(%) ト1.2 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 1~6 7~14 15~19 20~29 30~39 40~49 50~59 60~69 70 以上全年齢 年齢階級 ( 歳 ) 男性 女性 16

トランス脂肪酸の摂取に関するリスク評価 日本人の大多数は WHO の目標 ( 総エネルギー摂取量の 1% 未満 ) を下回っている 過剰摂取にはなっておらず 通常の食生活では 健康への影響は小さい 脂質に偏った食事をしている人は 留意が必要 トランス脂肪酸の平均摂取量 アメリカ イギリス 日本 摂取量 (g) 5.6-0.67 エネルギー比 (%) 2.2 1.2~1.3 0.3 17

飽和脂肪酸について 飽和脂肪酸については その過半数が摂取目標量の上限 ( ) を超える性 年齢階級があることから 今後とも留意が必要 日本人の食事摂取基準 (2015 年版 )( 厚生労働省 ) 成人の飽和脂肪酸摂取目標量をエネルギー比 7% 以下とした なお 小児の目標量の設定は見送った 日本人の飽和脂肪酸の年齢階層別摂取量中央値 ( エネルギー比 (%)) 1~6 歳 7~14 歳 15~19 歳 20~29 歳 30~39 歳 40~49 歳 50~59 歳 60~69 歳 70 歳以上 男性 (8.5) (8.8) (7.4) 6.8 6.4 6.1 5.8 5.4 5.5 女性 (8.5) (8.7) (8.0) 7.4 7.3 6.9 6.3 6.0 5.7 18

トランス脂肪酸について 一方 トランス脂肪酸については いずれの性 年齢階級においても 摂取量中央値は WHO の目標 ( ) を大幅に下回っている WHOの勧告( 目標 ) 基準トランス脂肪酸摂取を総エネルギー摂取量の1% 未満とする 日本人のトランス脂肪酸の年齢階層別摂取量中央値 ( エネルギー比 (%)) 1~6 歳 7~14 歳 15~19 歳 20~29 歳 30~39 歳 40~49 歳 50~59 歳 60~69 歳 70 歳以上 男性 0.40 0.39 0.31 0.27 0.24 0.23 0.21 0.19 0.19 女性 0.40 0.41 0.33 0.32 0.32 0.30 0.26 0.23 0.21 19

脂質を過剰に摂るとデメリット 飽和 不飽和 トランスいずれの脂肪酸であるかにかかわらず 脂質は一般に からだの外に出るのに時間がかかったり からだの中のどこかに留まることが多い ( 体脂肪 副腎等への蓄積など ) 脂肪を摂り過ぎると 肥満 高脂血症 高血圧などのリスクが高まる可能性がある 脂質は重要な栄養素 脂質の過剰摂取を避け バランスの良い食事を心がけることが大切 20

( 参考 ) 海外の動き 1 米国食品医薬品庁 (FDA) 加工食品中の人工トランス脂肪酸低減に向 けた措置について意見募集 (2013 年 11 月 7 日 ) 加工食品中の人工トランス脂肪酸の主な摂取源となる部分水素添加油脂の食品への使用は GRAS * ではないとする案について 意見募集を実施 *GRAS: 一般に安全とみなされる食品添加物 反すう動物由来のトランス脂肪酸は 今回の措置の対象外 21

( 参考 ) 海外の動き 2 ドイツ連邦リスク評価研究所 (BfR) ドイツではトランス脂肪酸の摂取による 健康影響はないとの意見書を公表 (2013 年 10 月 24 日 ) ドイツのほとんどの消費者のトランス脂肪酸の摂取量は食物エネルギー比の 1% 未満なので 心血管疾患のリスク要因とは考えられないと公表 22

( 参考 ) 海外の動き 3 英国保健省 (DH) 英国民の食事の飽和脂肪酸を大幅に低 減する取組を発表 (2013 年 10 月 26 日 ) 英国ではトランス脂肪酸よりも飽和脂肪酸の摂取量が多く 飽和脂肪酸低減対策を重視し 低減に向けた取組を発表 23

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