肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より

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ただ太っているだけではメタボリックシンドロームとは呼びません 脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子と TNF-αや IL-6 などという悪玉因子を分泌します 内臓肥満になる と 内臓の脂肪細胞から悪玉因子がたくさんでてきてしまい インスリン抵抗性につながり高血糖をもたらします さらに脂質異常症

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死亡率 我が国における疾病構造 生活習慣病は死亡割合の約 6 割を占めている 我が国の疾病構造は感染症から生活習慣病へと変化 死因別死亡割合 ( 平成 24 年 ) 生活習

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,995,972 6,992,875 1,158 4,383,372 4,380,511 2,612,600 2,612, ,433,188 3,330, ,880,573 2,779, , ,

宗像市国保医療課 御中


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大阪府医師国民健康保険組合 特定健康診査等実施第 2 期計画 ( 平成 25 年 7 月 1 日 ) 1. 計画策定の背景昭和 36 年の国民皆保険の成立により わが国の平均寿命は飛躍的に伸び 今や世界一の長寿国となった しかし 世界に冠たるこの国民皆保険制度は 平均寿命の伸びによる高齢化の急激な進

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データを正しく 活用していただくために 今回は 平成 23 年度に市町村国保で実施した特定健診結果のみ集計しています 今後 協会けんぽ沖縄支部の結果とあわせて 改めてデータ集を発行する予定です 1. 集計対象者 今回の集計対象者は 平成 23 年度に特定健康診査を受診した者 ( 市町村国保分のみ )

結果の概要

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調査の概要 本調査は 788 組合を対象に平成 24 年度の特定健診の 問診回答 (22 項目 ) の状況について前年度の比較から調査したものです 対象データの概要 ( 全体 ) 年度 被保険区分 加入者 ( 人 ) 健診対象者数 ( 人 ) 健診受診者数 ( 人 ) 健診受診率 (%) 評価対象者

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事象 :2 健診項目の中で特定健診必須項目に未受診の項目が存在する 返戻事由健診結果データ異常備考検査項目エラー返戻コード 03 特定健診で必須となっている健診項目に実施されていない項目が存在します 別表: 特定健診項目存在チェックシート を参考に健診結果を入力してください 事象 :3 生活機能評価

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特定健康診査及び特定保健指導に係る自己負担額の医療費控除の取扱いの一部変更について(厚生労働省健康局長、保険局長:H )

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このシートは 下記のから9のカテゴリーをチェック () することで 御社の健康づくりの現状と その先の取り組みを設定するための参考とすることができます 各カテゴリーの設問については できている 5 点 もう一歩 2 点 できていない 0 点で採点することで それぞれの項目における現状を点数で把握する

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SoftBank 301SI 取扱説明書

背景及び趣旨我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する法律に

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背景及び趣旨 我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する法律

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られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

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特定健康診査等実施計画

はじめに

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特定健康診査等実施計画 ( 第二期 ) 三重交通健康保険組合 平成 25 年 7 月

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Ⅰ 目標達成

はじめに第1章基本方針第2章岐阜市の現状第3章第4章第二次ぎふ市民健康基本計画の評価今後の取り組み第5章効果的な推進体制第6章参考資料7 第 3 章岐阜市の現状 1 岐阜市の人口統計 (1) 人口の推移 本市の人口は 昭和 60 年以降 減少傾向にあったものの 平成 18 年柳津町との合併により 一

わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

スライド 1

特定健康診査等実施計画

PowerPoint プレゼンテーション

日本の糖尿病患者数は増え続けています (%) 糖 尿 25 病 倍 890 万人 患者数増加率 万人 690 万人 1620 万人 880 万人 2050 万人 1100 万人 糖尿病の 可能性が 否定できない人 680 万人 740 万人

04-4-様式1-1★変更有

鳥取県特定健康診査・特定保健指導事業の手引1 事業目的 糖尿病、高血圧症、脂質異常症等の生活習慣病は、メタボリックシンド

特定健康診査等実施計画(案)

平成23年度国保連合会

(7)健診データの受領方法

結果の概要 Ⅱ 結果の概要第 1 部糖尿病等の状況 1. 糖尿病 表 1 解析対象者 ( 人 ) 総数 20~29 歳 30~39 歳 40~49 歳 50~59 歳 60~69 歳 70 歳以上 ( 再掲 )40-74 歳 総数 4, ,008 2,

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PowerPoint プレゼンテーション

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

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特定健康診査等実施計画 第二期 ( 平成 25 年度 ~ 平成 29 年度 ) 第一版 三菱鉛筆健康保険組合 平成 25 年 5 月

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Microsoft PowerPoint 田中先生資料.ppt

第三期 特定健康診査等実施計画 伊藤忠連合健康保険組合 平成 30 年 3 月

対象疾患名及び ICD-10 コード等 対象疾患名 ( 診療行為 ) ICD-10 等 1 糖尿病 2 脳血管障害 3 虚血性心疾患 4 動脈閉塞 5 高血圧症 6 高尿酸血症 7 高脂血症 8 肝機能障害 9 高血圧性腎臓障害 10 人工透析 E11~E14 I61 I639 I64 I209 I

第2章

高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に

メタボリックシンドローム診断基準 ウエスト周囲径 男性 85cm 以上女性 90cm 以上 ( 内臓脂肪面積が男女とも 100cm 2 以上に相当 ) 上記に加え 以下の 3 つのリスクのうち 2 つ以上のリスクを有する場合に メタボリックシンドロームと診断する 高トリグリセリド血症 150mg/

結果の概要

特定健康診査等実施計画

3 対象者への案内の方法 当該年度の特定保健指導対象者全員 ( 基準では非該当だが 医療保険者の判断で特定保健指導対象となる方 も含む ) に対して 参加案内を郵送して 結果説明会を実施するとともに 特定保健指導における初回時面接を行います また 初回時面接未参加者に対しても 再度 特定保健指導の参

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(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

1 疾患別医療費札幌市国保の総医療費に占める入院医療費では 悪性新生物が 21.2% 循環器疾患が 18.6% となっており 循環器疾患では 虚血性心疾患が 4.5% 脳梗塞が 2.8% を占めています 外来医療費では 糖尿病が 7.8% 高血圧症が 6.6% 脂質異常症が 4.3% となっています

Transcription:

平成 20 年 10 月 30 日 ( 木 ) 第 19 回上越地域職域健診懇談会 特定保健指導対象者を減少させるために

肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より

危険因子が重なるほど脳卒中 心疾患を発症しやすい 40 30 20 約 36 倍 10 0 0 1 2 3~4 危険因子 ( 内臓脂肪型肥満 糖尿病 高血圧症 高脂血症 ) の数 労働省作業関連疾患総合対策研究班の調査より : Nakamura et al.jpn Cric j,65:11,2001

ターゲットを絞った健診へ 個別疾患の早期発見 早期治療 内臓脂肪型肥満に着目した 早期介入 行動変容

メタボリックシンドロームと特定保健指導の基準値はどこが違うのでしょうか メタボ基準値 - 男 85 女 90 150 40 130 85 110 5.5 - 項目 BMI 腹囲 (cm) 中性脂肪 HDLコレステロール収縮期血圧拡張期血圧空腹時血糖 HbA1c タバコ 特定保健指導の基準値 25 男 85 女 90 150 40 130 85 100 5.2 吸う mg/dl.

いメタボリックシンドロームの診断基準 内臓脂肪型肥満へその周りが男性 85cm 以上 女性 90cm 以上 内臓脂肪面積が男女とも 100c m2以上に相当します はいいえ あなたはメタボリックシンドロームではありません! 健康診断結果について 下のうち 2 つ以上にあてはまる 血糖値 : 空腹時血糖値 110mg/dl 以上 1 つもあてはまらない 血中脂質 : 中性脂肪 150 mg/dl 以上 または かつ HDL コレステロール 40 mg/dl 未満 血圧 : 収縮期 ( 最大 ) 血圧 130mmHg 以上または かつ拡張期 ( 最小 ) 血圧 85mmHg 以上 はいあなたはメタボリックシンドロームです! 1 つだけにあてはまる あなたはメタボリックシンドローム予備軍です!

特定保健指導対象者の基準 追加リスク 対象 1 血糖 2 脂質 3 血圧 判定 空腹時血糖 100mg/dl 以上または HbA1c が 5.2% 以上 中性脂肪 150mg/dl 以上または HDL コレステロール 40mg/dl 未満 収縮期 130mmHg 以上または拡張期 85mmHg 以上 4 喫煙習慣 40~64 歳 65~74 歳 腹囲 BMI 男性 85 以上女性 90 以上 上記以外で BMI が 25 以上 2つ以上該当 1つ該当 3つ該当 2つ該当 1つ該当 問わないありなし問わないありなし問わない 積極的 積極的 動機付け 動機付け 糖尿病 脂質異常症 高血圧症の治療に係る薬剤を服用している場合は対象者から除く 65~74 歳については 積極的支援になった場合でも動機付け支援とする 積極的支援 初回面接後 3 ヶ月以上の継続的な支援 6 ヶ月後に評価 動機付け支援 初回面接後 6 ヵ月後に評価 厚生労働省保険局 特定健康診査 特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き より

BMI と腹囲は何が違うのでしょうか? BMI が 25 以上 BMI BMI= 体重 (kg) 身長 (m) 身長 (m) BMI が 25 未満 糖尿病 脂質代謝異常 高血圧 痛風 心筋梗塞 狭心症 脳梗塞 脂肪肝 睡眠時無呼吸症候群 変形性膝関節症 腰痛症等の整形外科疾患 月経異常のうち 1 つでもあてはまる 腹囲男性 85cm 以上 女性 90cm 以上 ない ある ない 単純性肥満 ある 肥満症 標準 腹囲男性 85cm 以上 女性 90cm 以上 あるない脂肪細胞の量的異常タイプ 内臓脂肪型肥満 BMI 単に肥満度をあらわす指標 内臓脂肪型肥満の指標ではない 腹囲内臓脂肪型肥満かどうかを調べるためには CT 検査で内臓脂肪断面積を求めることがより正確である しかし 簡易的にそれにかわる方法として腹囲測定を実施している 厚生労働省 保健指導における学習教材集 より

なぜ腹囲が重視されるのでしょうか? 男性 85cm 女性 90cm 内臓脂肪断面積 100c m2 内臓脂肪型肥満 内臓脂肪は付きやすいが 落としやすい ( 特に散歩等の有酸素運動が効果的!!) 皮下脂肪は付きにくいが 落としにくい ( つまめる脂肪 ) 高血圧 糖尿病 高脂血症 動脈硬化抑制の良いホルモンを減少 動脈硬化 脳卒中 心疾患 ( 心筋梗塞 狭心症 )

腹囲何 cm の人が多いのでしょうか?( 男性 ) 3500 25.2% 3000 2500 2427 受診 2000 者数(名)1500 1444 3188 2562 20.2% 1422 1000 500 0 599 523 241 90 95 69 65 未満 65-69 70-74 75-79 80-84 85-89 90-94 95-99 100-104 105-109 110 以上 腹囲 (cm) 当センターにおける人間ドック 定期健診結果より ( 平成 20 年 4 月 1 日 ~9 月 30 日に受診された男性 12,660 名 平均年齢 53.1 歳 )

腹囲何 cm の人が多いのでしょうか?( 女性 ) 2000 1800 数(名)1000 841 1600 1575 13.6% 1420 1400 1391 受診 1200 者 1007 800 600 480 6.5% 400 200 0 237 241 99 27 41 24 60 未満 60-64 65-69 70-74 75-79 80-84 85-89 90-94 95-99 100-104 105-109 110 以上 腹囲 (cm) 当センターにおける人間ドック 定期健診結果より ( 平成 20 年 4 月 1 日 ~9 月 30 日に受診された女性 7,383 名 平均年齢 52.4 歳 )

特定保健指導対象者数と発生率 特定保健指導の対象者の発生率 (%)= 対象者数 ( 名 )/ 受診者数 ( 名 ) 100 受診者数 ( 名 ) 対象者数 ( 名 ) 発生率 (%) 40~64 歳 男性 11,550 2,621 22.7 40~64 歳 女性 6,797 478 7.0 65~74 歳 男性 1,110 176 15.8 65~74 歳 女性 586 38 6.5 計 20,043 3,313 16.5 当センターにおいて平成 20 年 4 月 1 日 ~9 月 30 日に人間ドック 定期健診を受診された 20,043 名 ( 平均年齢は男性 40~64 歳男性 51.6 歳 40~64 歳女性 51.0 歳 65~74 歳男性 68.2 歳 65~74 歳女性 68.6 歳 )

腹囲を減少させた場合の対象者数の変化 (40~64 歳 男性 ) 100% とすると 3000 2621 対 2500 象者 2000 1500 数(名)23.1% 減少 30.8% 減少 2016 1813 1000 500 0 通常 3cm 減少 5cm 減少 当センターにおける人間ドック 定期健診結果より ( 平成 20 年 4 月 1 日 ~9 月 30 日に受診された 40~64 歳男性 11,550 名 )

腹囲を減少させた場合の対象者数の変化 (40~64 歳 女性 ) 200 100% とすると 7.1% 9.4% 減少減少 500 478 444 433 対象 400 者 300 100 0 通常 3cm 減少 5cm 減少 当センターにおける人間ドック 定期健診結果より ( 平成 20 年 4 月 1 日 ~9 月 30 日に受診された 40~64 歳女性 6,797 名 )

6 ヵ月後に 腹囲を 3cm 減少 させるには 7000kcal 減少 = 腹囲 1cm 減少 7000kcal 3cm=21,000kcal 6 ヶ月後に腹囲 3cm 減少を目指すには 21,000kcal 6 ヶ月 =1 ヶ月で 3,500kcal 3,500kcal 30 日 =1 日に 117 kcal 1 日に 117kcal 減少させると 6 ヵ月後には腹囲 3cm 減少させることができる!!

1 日に 117kcal 減少させるには プラン 1 食事で 7 割 運動で 3 割 毎日間食であんぱん1 個 (170kcal) まんじゅう1 個 (90kcal) 80kcal 減通勤や散歩で8 分普通歩き (12.8kcal) 8 分速歩 (51.2kcal) 38.4kcal 減 プラン 2 食事で 5 割 運動で 5 割 毎日ビール500ml(200kcal) ビール350ml(140kcal) 60kcal 減毎日 2 回 ( 朝と夕 ) 休憩時にラジオ体操 5 分間行う 64kcal 減 体重 80kg とする エネルギー (kcal) については 厚生労働省 保健指導における学習教材集 より

6 ヵ月後に 腹囲を 5cm 減少 させるには 7000kcal 減少 = 腹囲 1cm 減少 7000kcal 5cm=35,000kcal 6 ヶ月後に腹囲 5cm 減少を目指すには 35,000kcal 6ヶ月 =1ヶ月で5,833kcal 5,833kcal 30 日 =1 日で194 kcal 1 日に 194kcal 減少させると 6 ヵ月後には 腹囲 5cm 減少させることができる!!

1 日に 194kcal 減少させるには プラン 1 食事で 6 割 運動で 4 割 毎日間食でクッキーを 4 枚 (440kcal) 1 枚減らす (330kcal) 110kcal 減 毎日 15 分ウォーキング ( 早歩き ) をする 96kcal 減 プラン 2 食事で 5 割 運動で 5 割 缶コーヒー 1 日 2 本 (190kcal) 1 日 1 本にする (95kcal ) 95kcal 減通勤時自転車使用する (16 分 ) 102kcal 減 体重 80kg とする エネルギー (kcal) については 厚生労働省 保健指導における学習教材集 より

まとめ 腹囲数 cm の重要性 について 男性 腹囲の基準前後に集中している 数 cm の重み がある 女性 基準よりも 10cm 以上小さいところに集中している 対象者にならないように生活習慣の改善に努めることは心血管疾患 冠動脈疾患の予防の第一歩!! 今よりも腹囲を 1cm でも減少させるために無理なくできることから生活習慣の改善に取り組みましょう

以下参考資料

服薬治療中を対象者に含めると ( 男性 ) 特定保健指導の対象者の発生率 (%) = 対象者数 ( 名 )/ 受診者数 ( 名 ) 100 40~64 歳 65~74 歳 全国 ( 治療中は対象 通常 ( 治療中は対象 治療中も対象者に含 全国 ( 治療中は対象 通常 ( 治療中は対象 治療中も対象者に含 者から除外 ) 1 者から除外 ) 2 める 3 者から除外 ) 1 者から除外 ) 2 める 3 36.4% 22.7% 32.6% 27.6% 15.8% 35.0% 9.9% は治療中のため対象から外れた人 19.2% は治療中のため対象から外れた人 1 厚生労働省保険局 特定健康診査 特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き より 平成 16 年度国民健康 栄養調査等から推計された発生率 2 と 3 当センターにおける人間ドック 定期健診結果より ( 平成 20 年 4 月 1 日 ~9 月 30 日に受診された男性 40~64 歳 11,550 名 65~74 歳 1,110 名のデータ ) 3 糖尿病 脂質異常症 高血圧症の治療に係る薬剤を服用している場合も 対象者としてカウントした場合の発生率

服薬治療中を対象者に含めると ( 女性 ) 特定保健指導の対象者の発生率 (%) = 対象者数 ( 名 )/ 受診者数 ( 名 ) 100 40~64 歳 65~74 歳 全国 ( 治療中は対象 通常 ( 治療中は対象 治療中も対象者に含 全国 ( 治療中は対象 通常 ( 治療中は対象 治療中も対象者に含 者から除外 ) 1 者から除外 ) 2 める 3 者から除外 ) 1 者から除外 ) 2 める 3 16.2% 7.0% 10.7% 15.2% 6.5% 21.3% 3.7% は治療中のため対象から外れた人 14.8% は治療中のため対象から外れた人 1 厚生労働省保険局 特定健康診査 特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き より 平成 16 年度国民健康 栄養調査等から推計された発生率 2 と 3 当センターにおける人間ドック 定期健診結果より ( 平成 20 年 4 月 1 日 ~9 月 30 日に受診された女性 40~64 歳 6,797 名 65~74 歳 586 名のデータ ) 3 糖尿病 脂質異常症 高血圧症の治療に係る薬剤を服用している場合も 対象者としてカウントした場合の発生率

喫煙の対象者が全員禁煙をしたら 通常 ( 男性 ) 1831 名 (70%) 790 名 (30%) 禁煙 ( 男性 ) 通常 ( 女性 ) 1149 名 (44%) 147 名 (31%) 1472 名 (56%) 331 名 (69%) 積極的動機 禁煙 ( 女性 ) 122 名 (26%) 356 名 (74%) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 各支援が占める割合 男女ともに 40~64 歳における比較である (65 歳 ~74 歳は全員動機付け支援のため ) 当センターにおける人間ドック 定期健診結果より ( 平成 20 年 4 月 1 日 ~9 月 30 日に受診された男性 40~64 歳 11,550 名 女性 40~64 歳 6,797 名 )

階層化リスク別対象者割合 (40~64 歳 男性 ) 判定追加リスク喫煙習慣支援レヘ ル該当人数 受診者に占める割合 (%) 対象者の中での割合 (%) 平均年齢 260 2.3 9.9 50.8 336 2.9 12.8 51.3 284 2.5 10.8 53.3 261 2.3 10.0 50.6 210 1.8 8.0 51.8 274 2.4 10.5 48.3 177 1.5 6.8 50.7 261 2.3 10.0 52.8 190 1.6 7.2 49.1 252 2.2 9.6 51.7 8 0.1 0.3 52.3 8 0.1 0.3 48.9 4 0.0 0.2 49.0 9 0.1 0.3 49.1 3 0.0 0.1 53.0 8 0.1 0.3 52.3 5 0.0 0.2 47.0 22 0.2 0.8 51.4 32 0.3 1.2 48.7 17 0.1 0.6 53.6 2621 22.7 100.0 50.8 当センターにおける人間ドック 定期健診結果より ( 平成 20 年 4 月 1 日 ~9 月 30 日に受診された 40~64 歳の男性 11,550 名 )

階層化リスク別対象者割合 (40~64 歳 女性 ) 判定追加リスク喫煙習慣支援レヘ ル該当人数 受診者に占める割合 (%) 対象者の中での割合 (%) 平均年齢 14 0.2 2.9 55.2 34 0.5 7.1 53.5 54 0.8 11.3 52.2 14 0.2 2.9 53.3 11 0.2 2.3 52.1 5 0.1 1.0 48.6 7 0.1 1.5 49.1 91 1.3 19.0 52.7 30 0.4 6.3 50.1 76 1.1 15.9 51.0 6 0.1 1.3 54.8 0 0.0 0.0 2 0.0 0.4 45.0 0 0.0 0.0 16 0.2 3.3 53.6 14 0.2 2.9 52.4 5 0.1 1.0 47.4 46 0.7 9.6 51.0 20 0.3 4.2 52.8 33 0.5 6.9 52.1 478 7.0 100.0 51.5 当センターにおける人間ドック 定期健診結果より ( 平成 20 年 4 月 1 日 ~9 月 30 日に受診された 40~64 歳の女性 6,797 名 )

階層化リスク別対象者割合 (65~74 歳 男性 ) 判定追加リスク喫煙習慣支援レヘ ル該当人数 受診者に占める割合 (%) 対象者の中での割合 (%) 平均年齢 26 2.3 14.8 68.0 19 1.7 10.8 66.9 24 2.2 13.6 68.5 12 1.1 6.8 68.8 6 0.5 3.4 67.7 6 0.5 3.4 68.7 6 0.5 3.4 69.7 42 3.8 23.9 68.7 12 1.1 6.8 69.5 17 1.5 9.7 68.6 1 0.1 0.6 66.0 0 0.0 0.0 0 0.0 0.0 0 0.0 0.0 2 0.2 1.1 70.5 2 0.2 1.1 66.5 0 0.0 0.0 1 0.1 0.6 66.0 0 0.0 0.0 0 0.0 0.0 176 15.9 100.0 68.2 当センターにおける人間ドック 定期健診結果より ( 平成 20 年 4 月 1 日 ~9 月 30 日に受診された 65~74 歳の男性 1,110 名 )

階層化リスク別対象者割合 (65~74 歳 女性 ) 判定追加リスク喫煙習慣支援レヘ ル該当人数 受診者に占める割合 (%) 対象者の中での割合 (%) 平均年齢 1 0.2 2.6 69.0 3 0.5 7.9 66.0 7 1.2 18.4 69.0 1 0.2 2.6 68.0 0 0.0 0.0 0 0.0 0.0 0 0.0 0.0 11 1.9 28.9 68.5 3 0.5 7.9 67.7 5 0.9 13.2 70.4 2 0.3 5.3 69.5 0 0.0 0.0 0 0.0 0.0 0 0.0 0.0 1 0.2 2.6 65.0 0 0.0 0.0 0 0.0 0.0 3 0.5 7.9 69.0 0 0.0 0.0 1 0.2 2.6 67.0 38 6.5 100.0 68.1 65~74 歳の女性は受診者数が少ないため このデータについては信頼性が薄いと考えられる 当センターにおける人間ドック 定期健診結果より ( 平成 20 年 4 月 1 日 ~9 月 30 日に受診された 65~74 歳の女性 586 名 )

参考資料のまとめ 階層化のリスク別項目で多いパターン について 40~64 歳の男性階層化のリスク別項目にばらつきがある 内臓脂肪型肥満に加えて 3 つのリスクとも起こりやすい傾向 40~64 歳の女性 腹囲 + 血糖 腹囲 + 血圧 で対象となる場合が多い ( 治療条件を除いても同じ傾向 ) 65 歳以上男性では対象者の約 25% 女性では対象者の約 30% が 腹囲 + 血糖のみ で対象となっている ( 治療条件を除いても同じ傾向 ) 特定保健指導では 空腹時血糖や HbA1c の基準が厳しいため 該当になりやすいのではないかと考えられる 内臓脂肪型肥満に加え 血糖にターゲットを絞ると効果的