Microsoft Word - 概要版②.doc

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○新潟県高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行細則

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便所 縮尺 福祉型便房のある便所の構造 福祉型便房並びに腰掛便座及び手すりの 設けられた便房の構造並びに床置式の小便器の構造 手すり 縮尺 外形 両端部及びわん曲部の構造並びに傾斜路及び階段の両端部の構造 視覚障害者用 床材 縮尺 視覚障害者用床材及び周囲の床材の仕上げ材料 仕上げ方法 色及び形 状

1 以上の出入口を適合させる ( 段を併設する場合は 90 以上 ) ( 傾斜路の高さ 16 以下の場合は 1/8 以下 ) ( ウ ) 踊場 ( 踏幅 150 以上 ) の設置 ( 高さ 75 以内ごとに設置 ) ( エ ) 傾斜路の手すりの設置 ( オ ) 壁のない傾斜路には 左右の縁端部には脱

Microsoft Word - seibikijun

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Microsoft Word - 2部2章-2.06EV・エスカレーター

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Microsoft Word koumoku-kenchiku.doc

1. Tokyo 2020 アクセシビリティ ガイドライン ( 以下 ガイドライン ) とは 国際パラリンピック委員会 ( 以下 IPC) が定める IPC アクセシビリティガイド ( 以下 IPC ガイド ) の技術仕様や大会関係者向けトレーニングに関する項目と 国内関係法令等に基づき アクセシビ

既存施設のアクセシビリティ改修について

非常時のための設備 乗降ロビー 制御装置 かご内に設ける制御装置 ( 車いす使用者が利用しやすい位置及びその他の位置に制御装置を設ける場合にあっては 当該その他の位置に設けるものに限る ) に 停電等の非常の場合に外部の対応の状況を表示する聴覚障害者に配慮した装置を設けること 乗降ロビーは 高低差が

移動等円滑化経路を構成するエレベーターの規定である ( 停止階の規定やかご及び昇降路の出入口に関する規定など ) 適合義務の対象となる建築物のうち床面積の合計が 500 m2以上の建築物については エレベーター等の設置義務が発生する (500 m2未満の建築物における任意設置するエレベーターに対して

用に供するものをいう ) の昇降路の出入口に接するは 水平とすること ( ウ ) 壁面には 突出物を設けないこと ただし やむを得ず突出物を設ける場合にあっては 視覚障害者の通行の安全上支障が生じないよう必要な措置を講ずること ( エ ) 特定施設を利用する者の休憩の用に供するための設備を適切な位置

用語集

手すり かご内の左右両面の側板に 手すりを設けること 手すり取り付け高さは 75cm~ 85cm 程度とする 非常時のための設備 乗降ロビー 制御装置 標識 ( 再掲 ) かごの大きさ 制御装置 音声案内 ( 戸の閉鎖 ) 制御装置の点字表示等 音声案内 ( 昇降方向 ) 制御装置の形状点状ブロック

別紙 1 整備基準チェックリスト 太枠の中を記入してください 施設の名称主要用途 施設の所在地 記入者の氏名電話番号 整備適用の別 整備箇所整備基準設計概要 1アプローチ (1) 道路から建物入口まで歩行者通路を設ける (2) 歩行者通路と自動車通行路は原則分離 (3) 通路に段差を設けない ( 段

15 共同浴室等 非常呼び出しボタン 非常呼び出しボタンを 浴槽からも手の届く位置に設ける (1) 浴室は 高齢者 障害者等にとって転倒など危険の大きな場所であり 特に安全面での配慮が必要です (2) また 障害の種類 程度 介助者の有無など様々な利用の態様を考慮し 脱衣室 洗い場 浴槽への一連の動

 

別紙 1-2 移乗介助 ロボット技術を用いて介助者による抱え上げ動作のパワーアシストを行う非装着型の機器 移乗開始から終了まで 介助者が一人で使用することができる ベッドと車いすの間の移乗に用いることができる ( ベッドと車いすの間の移乗における使い勝手は ステージゲート審査での評価対象となる点に留

設計内容説明書 ( バリアフリー性 : 等級 3 対応 ) 専用部分 ( 第二面 ) 手すり 通路及び出入口の幅員 ( 日常生活空間 ) 寝室 便所及び浴室 ( 日常生活空間 ) 廊下階段 ( 開放されている側 ) 転落防止 手すり子 通路 出入口 ( バルコニー勝手口を除く ) 浴室 便所 特定寝


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Microsoft Word - 0部0章-01表紙案

B-1 多機能トイレ 2 便房の きさ 図 Ⅰ- 42 図 Ⅰ- 44 多機能トイレは 原則としてトイレ内の出入口付近に設け 車いすで回転できるスペース ( 直径 150cm の円が内接できる程度 ) を確保する 便房の広さは 内法寸法 200cm 200cm 以上を標準とする 建築物の規模により十

ガイドライン分割5

新潟県福祉のまちづくり条例

三視覚障害者誘導用ブロック視覚障害者に対する誘導又は段差の存在等の 警告若しくは注意喚起を行うために路面に敷設されるブロックをいう 第二章歩道等 ( 歩道 ) 第三条道路 ( 自転車歩行者道を設ける道路を除く ) には 歩道を設けるものとする ( 有効幅員 ) 第四条歩道の有効幅員は 道路構造令第十

高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)

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Ⅰ. 公共建築物 B. 施設設備 B-7 客室 寝室 整備の基本的な考え方 (1) 宿泊機能を持つ施設においては 高齢者や障害者などに配慮した客室 寝室を設ける その他の客室においても 出 の段差解消等基本的な整備を う (2) 視覚障害者や聴覚障害者への施設利 案内 ( 緊急時 非常時を含む )

大阪府福祉のまちづくり条例ガイドライン平成 29 年 12 月 4-1 障がい者等の便所内の動作例 杖使用者 ( 片マヒ ) 脳血管障がいなどにより 身体の片側の機能がマヒしている場合 姿勢保持のために体を預けられる手すりが有効です 1 便器に近づき 手すりのそばに杖を置きます POINT 便器の前

議案第146号~第172号

はじめに 本書の特徴と使い方 本格的な基本テキスト 容易に内容が分かるように平易な文章で要点を整理し また多くのイラスト 表 写真などを載せてヴィジュアルなものにした 用語 メモ 太字 はじめに 本書の特徴と使い方 3

この冊子の見方 事例についての提案 についての バリアフリー法により適合が課せられている整備基準 バリアフリー法により整備が求められている整備基準 整備基準の詳細は, バリアフリー法, バリアフリー条例を確認してください

ウ エ ( エ ) ホーム上に車両ドアの位置を表示する点状ブロックを設置してほしいとの要望があります ( オ ) ホーム上にあるエレベーターの案内サインが少なく, 位置が分かりにくいことが現地調査の 結果, 課題 問題点として挙げられます ( カ ) ホームに設置されている電光式の列車運行案内表示板

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目次 本書に関して P 2 大阪府福祉のまちづくり条例 の構成 概要 P 2 基準への適合義務について P 5 手続きの流れ( 建築物 ) P 6 条例改正( 平成 21 年 10 月改正 ) について P 6 条例改正( 平成 27 年 7 月改正 ) について P 6 特別特定建築物 ( 政令第


2) 行政機能ゾーニングについて新庁舎の整備において 各部署の庁内配置については 来庁舎の利便性と職員の業務効率の向上等の観点から以下のように考えます 1 町民の利用頻度が高い部署の考え方 相談 窓口 情報提供 の機能を有する町民の利用頻度が高い部署は 町民の利便性と来庁のしやすさに配慮して 1 階

4. エレベータホール ( 設置する場合 ) 5. エレベーター ( 設置する場合 ) 6. 共用廊下 共用階段 ること 共用玄関等からの見通しが確保されていない場合には 見通しを補完する対策が講じられていること 照明設備 1 共用メールコーナーの照明設備は 床面において50ルクス以上の平均水平面照

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大分市条例第 70 号 大分市移動等円滑化のために必要な道路の構造に関する基準を定める条例目次第 1 章総則 ( 第 1 条 第 2 条 ) 第 2 章歩道等 ( 第 3 条 第 10 条 ) 第 3 章立体横断施設 ( 第 11 条 第 16 条 ) 第 4 章乗合自動車停留所 ( 第 17 条

14 補助金算出表

国等の庁舎におけるバリアフリー推進に関する行政相談 ~石川行政苦情処理委員会の意見を踏まえたあっせんに対する回答~

事業案内 障害のある方や高齢者の自立生活や社会参加を支援します 自分らしい生活を送るために必要な福祉用具や住宅改修などの相談 支援を行います 具体的な技術支援を必要とされる方には リハビリテーションセンターの専門職が医療 保健 福祉関係機関と連携して相談 支援に対応します 相談内容 身体状況の確認日


Microsoft Word - 0部0章-01表紙案

公共サインガイドライン策定の基本的な考え方

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第 3 部施設別技術指針 第 6 章駐車場

ド ベッドの だから んなに さし ド ント ン ンド ent ント ド ド ベッドの だから んなに さし の に れ ベッドが の を さしく ます す の も くします ベッド に く 起きあがり 立ちあがりなどの動作を助けます ベッド の き がり がりな の を します ベッドから き が


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移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準 ( 案 ) 基準の ( 案 ) 参考とすべき基準類型 移動等円滑化のために必要な特定公園施設の 移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準 ( 案 ) 設置に関する基準を定める省令 - ( 趣旨 ) ( 趣旨 ) 第一条高齢者

1 目的 建築基準法第 68 条の 5 の 5 第 1 項及び第 2 項に基づく認定に関する基準 ( 月島地区 ) 平成 26 年 6 月 9 日 26 中都建第 115 号 建築基準法 ( 昭和 25 年法律第 201 号 以下 法 という ) 第 68 条の 5 の 5 第 1 項 及び第 2

多様な利用者に配慮したトイレの整備方策に関する調査研究 報告書

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平成 31 年 3 月 22 日北海道管区行政評価局 道の駅 の運営 管理等に関する調査 調査結果に基づく改善通知 北海道管区行政評価局では 道の駅 に求められている各種機能の効果的な発揮を推進する観点から 道の駅 の運営 管理の実態等を調査し その結果を取りまとめ 必要な改善措置について北海道開発

許可及び認定申請等

岐阜県手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関 する条例 目次前文第一章総則 ( 第一条 - 第八条 ) 第二章基本的施策の推進 ( 第九条 - 第十六条 ) 附則 ( 前文 ) 手話が言語であることは 障害者の権利に関する条約において世界的に認められており わが国においても

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江東区 「自転車条例」の手引

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補助の対象者 ( 申請者 ) 市内に自らが所有し 居住する住宅を改修する方 現在はまだ居住していないけれど 市内に所有している住宅を改修して居住する方 市税の滞納がない方に限ります 補助の対象となる住宅 バリアフリー改修工事の場合 一戸建ての住宅 併用住宅 ( 住宅部分 ) 長屋 共同住宅 ( 専有

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Q2 日本の観光地および移動にかかる周辺施設について どのように整備されていると また訪れやすくなる と思いますか?( 複数回答 ) 52.7% 45.3% 44.7% 39.3% 32.7% 3.% 26.% 26.% 22.% 2.7% 無料で利用できる公衆無線 LAN スポットが多い トイレが

条例解説6~11条

住所 : 若林区連坊二丁目 地先 住所 : 若林区白萩町 地先 住所 : 若林区卸町一丁目 1-7 地先 住所 : 若林区六丁の目中町 1-26 地先 荒井駅住所 : 若林区荒井字沓形 85-1 地内 ( 地上 2 階 地下 1 階 ) 3. 昇降機設備昇降機設備は エレベー

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第 1 はじめに 1 ガイドライン策定の目的安全で安心なまちづくりを進める上で 近年 防犯カメラの設置は広く有用であると認められており 市内においても防犯カメラの設置が進んでいます しかし その一方で 知らないうちに自分の姿が撮影され 目的外に利用されること等に不安を感じる市民の方もいます そこで

Microsoft Word - 【河原町】基本構想.doc

- 目次 - 1. 基本構想策定の趣旨と役割 1 2. 交通バリアフリー法 2 3. 焼津市移動円滑化基本構想策定体制及び上位計画との関連 4 4. 重点整備地区及び特定経路について 6 5. 地区別の現状把握 整備の目標 心のバリアフリー 24 参考資料 1. 人口と高齢者

第 Ⅱ ゾーンの地区計画にはこんな特徴があります 建築基準法のみによる一般的な建替えの場合 斜線制限により または 1.5 容積率の制限により 利用できない容積率 道路広い道路狭い道路 街並み誘導型地区計画による建替えのルール 容積率の最高限度が緩和されます 定住性の高い住宅等を設ける


Microsoft Word - 鉄道表示.doc

○新宿区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例

国土技術政策総合研究所 研究資料

目 次 第 1 はじめに 2 1 ガイドライン策定の目的 2 2 ガイドラインの対象となる防犯カメラ 2 3 防犯カメラで撮影された個人の画像の性格 2 第 2 防犯カメラの設置及び運用に当たって配慮すべき事項 3 1 設置目的の設定と目的外利用の禁止 3 2 設置場所 撮影範囲 照明設備 3 3

ESG 投資の普及促進に向けた認証制度のあり方について (1) 概要 働く人の健康性 快適性等に関するオフィスビルの認証制度 評価の対象 : オフィスビル ( 自社ビル 賃貸ビル )( 新築 既存 ) 申請者 : ビルオーナーによる申請を基本とする ( 区分所有者等又はビルオーナーとテナントの両者等

高齢化率 2015 年 4 人に 1 人 2008 年 22% 離島 2005 年 33% 2

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010国語の観点

視覚障害のある教員の合理的配慮について

モデル避難所整備指針(案)

1

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自立活動の内容

資料 1-6 認知症高齢者グループホーム等に係る消防法令等の概要 1 消防法令の概要 主な消防用設備等の設置基準消防用設備等の種別消火器屋内消火栓設備スプリンクラー設備自動火災報知設備消防機関へ通報する設備誘導灯 設置基準規模 構造にかかわらずすべて延べ面積 700 m2以上延べ面積 275 m2以

訪問介護事業所の役割 1 訪問介護計画や手順書への記載居宅サービス計画に通院介助及び院内介助の必要性が位置付けられている場合に限り 訪問介護サービスとして 介助が必要な利用者が 自宅から病院 受診手続きから診察 薬の受け取り 帰宅までの一連の行為を円滑に行うために訪問介護員が行うべき援助内容を訪問介

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いずれも 日常の何気ない場面で転倒事故が起きています 家電の位置を変えたり カーペットがめくれないように固定したり 床に物を置かないなど 自分の動線を整理 工夫することで 転倒のリスクを減らすことができます 暮らしの点検高齢者の転倒予防というとすぐに住宅改修を検討しがちですが 住宅改修をする前に 暮

改札口誘導鈴案内装置 バリアフリー機能 視覚障がいをお持ちの方を安全に改札口に誘導するための音声誘導装置で 誘導チャイム 誘導鈴とも呼ばれます 改札口では一定間隔で ピ ンポーン と音がします 幅広自動改集札機 基本機能 バリアフリー機能 改札機の基本的な通路幅は 550 mmですが 大きなお荷物を

技術的助言

パー ( 以下 リフォームヘルパー という ) の助言を受けなければならない (1) 住宅改良工事計画書及び工事図面 (2) 工事見積書 (3) 前条第 2 項の規定による業者の承諾書 (4) 改良前の住宅状況を示す写真 (5) 給付を受けようとする者が その世帯を事実上主宰し 生計維持の中軸となる

Transcription:

6. エスカレーター エスカレーターは運送力が大きい上下移動のための設備であるが 利用者が転倒しやすい危険な箇所である 原則 エスカレーターのみの対応は避け エレベーターで対応する エスカレーターを設置する場合は 安全性に十分配慮する 危険防止のため 進入の可否の表示や音声による案内を行う 階段 エレベーターと見通しよく設置されたエスカレーター整備例 [ 表示 ( 共通 )] 上り又は下り専用のエスカレーターの場合 上端及び下端に近接する通路の床面等において 進入の可否 ( 矢印や進入禁止を示すマークなど ) を示す 分かりやすい空間づくり 所在などを分かりやすくするため 施設内でエスカレーターの仕様や各階での配置を統一する 安全な空間づくり エスカレーターの速度を遅くする (20 m/ 分 ) ことや 乗降口に手すりを設置することなどにより安全性を高める 注意喚起のため エスカレーターの上端 下端に視覚障害者誘導用ブロック ( 点状ブロック ) を敷設する エスカレーターの整備例 移動手段を選択できるよう エスカレーターは エレベーターや階段と見通しよく設置する [ 設備 備品等 ( 共通 )] 踏段の端部に縁取りを行う等により 踏段相互の認知をしやすくする [ その他 ( 共通 )] 高齢者等の利用に配慮し 速度を遅くすることもできる調整機能を備えたものとする [ 設置位置 ( 共通 )] 階段やエレベーターと経路選択しやすいよう 見通しよく設置する 10

7. 便所 便所は 生活する上で必要不可欠な設備であり 高齢者や障害者等が積極的に街に出て行くためには すべての人が利用できる便所の整備が必要である 便所の所在や内部レイアウトを分かりやすくし 様々な障害に配慮した設備や空間スペースの確保が必要である その一つに 様々な障害に配慮し 多様な機能を特定の便房に集約する多機能便房を整備する手段もあるが 近年多機能便房へ利用者が集中している等の傾向を踏まえ 多機能便房における機能分散を促し 車いす使用者の利用上の不便さの軽減にも配慮する必要がある 手すりと洋式便器を設置した一般便房の整備例 ボタンや手すりの設置位置 便器の様式など高齢者等の利用に配慮したものとする (JIS S 0026 の基づく配置 ) 一般の便所においても 空間にゆとりを持たせるなど 車いす使用者や乳幼児連れが使用できるように整備する [ 設置数 ( 共通 )] 各便所のできるだけ多くの便房は便座を洋式とし 手すりを設ける ( 整備基準では 1 以上 ) [ 設備 備品等 ( 共通 )] 便房に設ける手すりは垂直水平に設ける [ 一般便所 ( 共通 )] 便房は幅 1.1m 奥行き 1.8m 以上の有効寸法とし便器への接近を考慮する ( 整備基準では 便座の大きさは車いす使用者が利用できる空間を確保 ) 車いす使用者も利用可能な一般便房の整備例 車いす使用時の便座に対してのアプローチ あるいは介助者による場合などをし 便座の周囲に十分な広さを確保する [ 寸法 ( 車いす使用 )] 便房の大きさは電動車いす使用者が円滑に利用できる車いす回転スペースとして直径 1.8mの円が内接できる空間を確保し 間口 奥行きを 2.2m 以上とする ( 整備基準では 車いす使用者が円滑に利用できる十分な空間の確保 ) 分かりやすい空間づくり 配慮した内容が分かるように 便所の入 11

口や案内図にマークなどにより表示する 使いやすい空間づくり 介助者の性別によらず 介助 おむつ交換 幼児の利用などができるように考慮する 8. 客席 客席は観劇 音楽鑑賞 スポーツ観戦等ができるよう劇場やホール 体育館などに設けた観覧等のためのスペースである このため 多様な障害に対応した客席を設けることが必要である 座席は通路側の肘掛を跳ね上げ式とし 通路壁面に手すりを設けたり 上演時間以外は照度を確保するなど 高齢者 障害者等の利用に配慮する 多機能な便房の整備例 安全な空間づくり 転倒や体調の変化に対応するため緊急通報ボタンを設置する 救出しやすくするなど考慮する [ 設備 設置等 ( 共通 )] 音 光等で押した状態を確認できる緊急通報ボタンを設ける 緊急通報ボタンは 便座に腰掛けた状態で使用可能な位置と床に転倒したときに操作できる位置に設置する [ その他 ( 共通 )] 通路側の座席の肘掛は 高齢者 障害者等が利用しやすいよう跳ね上げ式や水平可動式とする 視覚障害への配慮として 視覚情報を補う音声情報を提供する [ 設備 ( 視覚障害 )] 視覚障害者向けに音声で舞台やスクリーンの状況を案内する装置等を設ける 車いす使用者が見やすく 避難しやすい位置に 十分な広さと安全性に配慮した観覧スペースを設置する また 介助者が同行する場合があることも考慮する [ 寸法 ( 車いす使用 )] 1 席あたり間口 90 cm以上 奥行 1.5m 程度とする 多機能便所の整備例 12

[ 大きさ ( 車いす使用 )] 1 台の場合は 幅員 5m 以上とし 車体スペースの両側に 1.4m 以上の乗降用スペースを設置する [ 表示 ( 車いす使用 )] 標識や表面に国際シンボルマークを塗装するなど車いす使用者用である旨を明示する 乗降用スペースは 斜線で表示する 車いす使用者の利用できる観覧スペース 聴覚障害の聴力や情報受信の方法は 人によって様々である 利用者に応じて集団補聴設備 手話通訳 要約筆記が選択できるよう整備する 9. 駐車場 駐車場は自動車を運転して目的地を訪れ 施設を利用する際に 自動車の駐車 乗降のために必要となるスペースである 高齢者や障害者等の社会参加を促進する上で 自動車は有効な移動手段の一つである このため 駐車場を設置する際には すべての人が円滑に 安全に利用できる駐車施設を確保する 駐車場の整備例 すべての駐車施設を車いす使用者の利用やベビーカーを使用する場合の利用に配慮した駐車施設とすることをめざす すべての駐車施設を車いす使用者等の利用に配慮した駐車施設としない場合は 車いす使用者用駐車施設を別途設置する 分かりやすい空間づくり 車いす使用者用駐車施設は その旨を分かりやすく表示し案内 誘導する 駐車場の整備例 使いやすい空間づくり 多くの車いす使用者は 自ら傘をさして車いすを操作できず 自動車の乗降に時間がかかるので 雨に濡れないよう配慮する 13

[ 通路の構造 ( 車いす使用 )] 車と建物出入口までの間を雨にぬれない構造とする 安全な空間づくり 視覚障害への情報提供は 視覚的な情報のかわりに音声や点字 触知案内により行う 聴覚障害への情報提供は 聴覚を通しての音声情報のかわりに文字や光 振動などで提供することが原則である 車いす使用者が安全に乗降できる車寄せを設ける 10. 案内表示 案内表示は 位置や誘導 規制等の情報を正確に伝えるための提供手段であり 非常に重要な役割を担っている 見やすさや設置位置などを工夫するとともに 障害により情報の受発信には様々な制限があるため 多様な方法で情報を提供する 空間の中で案内表示の位置を認識しやすくするようデザインする 目線から表示が見える位置に案内表示を大きく表示するなど 身長や視力 ( 弱視等 ) によらず分かりやすいものとする [ 仕様 ( 共通 )] 太線の大きめの文字や図を用いるなど分かりやすいデザインとし 背景色とのコントラストに配慮する [ 設置高さ 位置 ( 共通 )] 掲出高さは 視点からの見上げ角度が小さく かつ視点の低い車いす使用者等にも見やすい高さとする [ 設備 備品等 ( 聴覚障害 )] 呼び出しなど音声による案内を行うところでは 文字情報表示設備を設ける ( 整備基準では官公庁 銀行等への設置は努力義務 ) 視覚障害者に配慮した誘導音付の誘導灯 分かりやすい空間づくり 知的障害者や児童等にも分かりやすい文字 大きさ 言葉の統一を行う 施設によってはルビを打つなどの対応も行う 外国語を併記するなど 国際化に対応する [ 表示 ( その他 )] 施設の用途により主要な案内板 表示板等には外国語を併記する 外国語を併記するときも 日本語表示が小さくならないよう配慮する ひらがなを併記する 案内表示整備例 14

使いやすい空間づくり 車いす使用者に配慮した設備 スペース オストメイト対応 乳幼児用ベッドの設置された便所など 配慮した内容について案内表示する [ 設備 備品等 ( 共通 )] 手すりは水平及び垂直に配置する 特に洗い場 浴槽間の移動の動作を考慮して 浴槽近くには垂直タイプの手すりを設置する [ 表示 ( 車いす使用 )] 車いす使用者用便房のある便所は 当該便所の出入口又は付近に そして館内案内板等にその案内表示をする ( 整備基準では 当該便所の出入り口又は付近に表示 ) p88 車いす対応の浴室例 車いす使用者用便房の案内表示 11. 浴室等 浴室等は脱衣室 洗い場 浴槽からなり 脱衣から着衣に至る一連の入浴動作を想定し 整備することが必要である 十分な空間を確保し 手すりなどを設けて一連の動作に対応する また 高齢者や障害者等にとって転倒等の発生しやすい危険な場所であるため 安全性に配慮する 容易に安全に利用できるよう 浴室等には段を設けないようにするとともに 床仕上げや出入口の構造に留意し 手すりを設置する 使いやすい空間づくり 介助者が異性の場合に利用できるよう 別途更衣室を用意するなど配慮する 安全な空間づくり 車いす使用者が利用できるシャワー室 更衣室の整備例 転倒や体調の変化に対応するため緊急通報ボタンを設置する 車いす使用者が円滑に利用できるよう浴槽 シャワー 手すり等を適切に配置し 介助がある場合も含め十分な空間を確保した浴室を整備する 15

12. 客室 客室はベッド等を備えた宿泊 休憩のための施設である 街のバリアフリー化が進み 高齢者や障害者等が 積極的に観光等の目的で外出できるようになってきているため 客室においても すべての人が安心して利用できるよう配慮した整備が必要である 聴覚障害に配慮し 客室内にいても外部との音声によらないコミュニケーションを可能にする [ 設備 備品等 ( 聴覚障害 )] 文字 光や振動により 情報伝達 注意喚起 ドアノックの認知ができる設備を設ける 客室は段差をなくし 空間にゆとりをもたせるなど 車いす使用者が利用できる客室とする [ 寸法 ( 共通 )] 客室の出入口の有効幅員は 90 cm以上とする ( 整備基準では 80cm 以上 ) 分かりやすい空間づくり 視覚障害に配慮し 鍵の操作やスイッチ類の位置 家具の配置など分かりやすいものとする 13. カウンター等 カウンター 記載台 公衆電話台は台上で手続き等を行う場所であり すべての人が利用できるよう カウンター等の高さや照度に留意する また 視覚 聴覚障害等に配慮したものとする 車いすでの利用や子どもの利用に配慮し 高さを低くしたカウンター等も設置する また 車いすが寄り付けるような空間を周囲に確保する 車いす対応の客室例 ( 浴室部分 ) [ 共通 ] カウンターの高さは 70 cm程度とし 下部スペースは高さ 65 cm程度 奥行き 50~60 cm程度とする 車いす対応の客室例 カウンターの整備例 16

呼び出しは 音声と視覚により行う 特に 聴覚障害者は音声を聞くことはできないので 聴覚以外の方法で呼び出しを行う 使いやすい空間づくり 高齢者や弱視者が書類記入などの受付作業を円滑に行えるよう カウンター上の照度を確保する 授乳やおむつ替えの場所の整備例 [ 視覚障害 ] 視覚障害者には明るい方が見やすい人 反対に暗い方が見やすい人もいるため 机上の照度を調節できる手元照明を設ける 14. 授乳室等 授乳室やおむつ替えの場所は 乳幼児連れにとって 外出先で非常に重要となる 乳幼児連れが利用する施設では 授乳室やおむつ替えの場所を設置し 他者を気にせずゆったりと子どもの世話ができるように配慮する また おむつ替えは性別によらず利用されることも考慮する 仕切りなどを設け プライバシーの確保に配慮し 世話をする人の性別によらず授乳やおむつ交換ができるようにする [ 設備 ( 共通 )] 授乳専用の区画を設けてプライバシーを確保しながら複数の親子で同時に利用できるようにする 給湯や哺乳ビンの消毒ができる設備を備えるか それらができる場所や方法を案内する 授乳室の整備例 視覚障害者が授乳室等を利用できるよう 必要な案内を点字等により行う 使いやすい空間づくり 授乳室を整備する場合 授乳とおおむつ替えの両方ができる部屋とし あわせて荷物置き場を設置するなど使いやすさに配慮する [ 設備 ( 共通 )] 授乳のためのスペースの周辺には 荷物置き場を設ける 17

15. 手すり 手すりは 高齢者や障害者等にとって 安全確保 ( 転倒防止 ) 立上がり補助 ( 身体支持 ) 移動補助 また視覚障害の誘導のために必要な設備である そのため 目的にあわせて適切な場所に使いやすい手すりを設置する 傾斜路や段のあるところでは連続して手すりを設置する 施設の用途により 誘導用手すりを設ける必要があるが 設置できない場合にあっては 手すりに代わる案内を設ける 手すりの端部等には 現在位置と誘導内容等を点字表示する [ 表示 ( 視覚障害 )] 階段手すり及び廊下等の手すりの端部 曲がり角部分等には 現在位置と誘導内容等を点字表示する 高齢者 障害者等が主に利用する施設においては 致命的な転倒を防止する観点から 階段や傾斜路に加え 玄関ポーチ 玄関 廊下 エスカレーター等にも連続して手すりを設置する 身長によらず利用しやすいよう 2 段手すりを設置する [ 高さ ( 共通 )] 手すりの高さ ( 通路 廊下 傾斜路 階段 ) は以下の通りとする ( 註 : 手すりの高さは 手すりの上端の高さを示す ) 1 本の場合 H=75~85 cm程度 2 本の場合 H=75~85 cm程度 H=60~65 cm程度 点字と墨字による案内表示の例 1 点字と墨字による案内表示の例 2 使いやすい空間づくり 階段の 2 段手すり 握りやすい形状 快適に使用できる素材など使いやすいものとする 便所に手すりを設ける際には 洗浄ボタン等との位置関係に気を付ける 将来新たな手すりをつけることが可能なよう下地を設けるなどする 18

安全な空間づくり 袖の引掛りを避けるために 端部を処理するなどを行い 危険性のないものとする [ 形状 ( 共通 )] 端部は 衝突時の危険性を少なくし 服の袖の引掛りを避ける等のため 曲げて納める 手すりの端部の例 19

発行第 1 版平成 20 年 1 月第 2 版平成 26 年 7 月愛知県建設部建築局住宅計画課街づくり事業グループ郵便番号 460-8501 住所名古屋市中区三の丸 3-1-2 電話 052-954-6590 ( ダイヤルイン ) F A X 052-961-8145 E - mail jutakukeikaku@pref.aichi.lg.jp 20

不特定多数の人等が利用する施設の新築等の際には 人にやさしい街づくりの推進に 関する条例 に基づき 工事着手 30 日前までに整備計画の届出が必要です! 21