2016 年 11 月 29 日一般財団法人日本不動産研究所 第 7 回 国際不動産価格賃料指数 (2016 年 10 月現在 ) の調査結果 日本不動産研究所は 第 7 回 国際不動産価格賃料指数 (2016 年 10 月現在 ) の調査結果を次のとおり公表いたします ( 調査方法などの概要は末尾参照 ) なお 詳細な調査結果は 国際不動産価格賃料指数 / 詳細調査 として有料にてご提供しておりますので 末尾のお問合わせ先までご連絡ください 調査結果 ( 前回調査との比較を中心に )(( 変動率は全て 2016 年 4 月から 2016 年 10 月までの数値 ) オフィス市場 オフィス価格の上昇率が最も大きかったのは前回調査に続き 東京 (+3.4%) 次いで 大阪 (+2.9%) ソウル (+2.9%) であった 東京 は国際的な主要都市と比べても価格上昇が大きいが 金融環境の緩和等を背景とした旺盛な投資需要により全般的に投資利回りが低下したことが主因である しかし 昨今の日本の不動産投資市場の踊り場感等を反映し 上昇幅は前回と比較して縮小した オフィス賃料は ホーチミン の上昇率が最も大きかった ASEAN の中でも堅調なベトナム経済を追い風に 国内企業や外資企業等の賃貸需要が賃料上昇を牽引した Brexit で注目される ロンドン は 賃料は微減に留まったが 一部の投資家の中には先行きに対する不透明感から投資を控える動きがみられ 前回と比較し価格は -5.8% と下落した マンション市場 マンション価格の上昇率が最も大きかったのは 北京 (+19.7%) 次いで 上海 (+12.4%) であ った 中国の一線級都市では元々旺盛であった需要が中国当局の景気刺激策等により顕在化し さら に都心部の供給不足も相まって 北京 上海 など都心所在物件を中心に価格が急激に伸びた 一方 ロンドン は 2016 年 4 月に実施された住宅取得税等の増税や同年 6 月の Brexit による今後の影響への不透明感などから マンション市場は価格 賃料ともに微減となった オフィス価格変動率 オフィス賃料変動率 マンション価格変動率 マンション賃料変動率 都市名 変動率 都市名 変動率 都市名 変動率 都市名 変動率 東京 +3.4% ホーチミン +2.2% 北京 +19.7% 北京 +8.3% 大阪 +2.9% ハ ンコク +2.0% 上海 +12.4% 上海 +3.4% ソウル +2.9% 大阪 +1.8% 香港 +6.9% ハ ンコク +0.8% ホーチミン +2.8% 上海 +1.5% ソウル +2.8% 香港 +0.7% ハ ンコク +2.1% 東京 +1.1% 大阪 +1.8% ニューヨーク +0.7% 上海 +1.2% ニューヨーク +1.1% シ ャカルタ +1.6% 東京 +0.6% ニューヨーク +0.7% ソウル +0.8% 東京 +1.4% ホーチミン +0.6% 北京 +0.6% 台北 +0.6% ハ ンコク +0.8% 大阪 +0.2% シ ャカルタ +0.5% 北京 +0.4% ホーチミン +0.8% 台北 -0.1% 香港 +0.4% 香港 +0.4% ニューヨーク +0.3% ソウル -0.3% 台北 -0.2% ロント ン -0.6% ロント ン -0.3% ロント ン -0.6% KL -1.0% KL -1.1% KL -0.4% KL -0.8% シンカ ホ ール -1.3% シ ャカルタ -2.6% シンカ ホ ール -1.7% シ ャカルタ -2.6% ロント ン -5.8% シンカ ホ ール -5.0% 台北 -2.5% シンカ ホ ール -2.7% 1
1. 各都市の不動産市場トレンド 1-1. オフィス価格指数 対前回変動率 (2016 年 4 月から 2016 年 10 月まで ) 図表 1-1は オフィス価格指数の各都市 対前回変動率 今回 (2016 年 10 月現在 ) 対前回変動率が最も高かったのは 東京 の +3.4% 次いで 大阪 +2.9% ソウル +2.9% の順であった 一方 Brexit で注目された ロンドン は対前回変動率で-5.8% の下落であった ( 図表 1-1)[ オフィス価格指数 対前回変動率の比較 ] 6% 2016.04 2016.10 4% 2% 0% -2% -4% -6% -8% 東京大阪ソウル北京上海香港台北 シンカ ホ ール クアラルンフ ール ハ ンコクシ ャカルタホーチミンニューヨークロント ン 2016.04 4.3% 3.1% 0.4% 2.7% 1.4% 0.7% 0.5% -0.6% 0.3% 1.3% 0.4% 2.1% 1.0% 2.1% 2016.10 3.4% 2.9% 2.9% 0.6% 1.2% 0.4% -0.2% -1.3% -1.0% 2.1% 0.5% 2.8% 0.7% -5.8% 1-2. オフィス賃料指数 対前回変動率 (2016 年 4 月から 2016 年 10 月まで ) 図表 1-2は オフィス賃料指数の各都市 対前回変動率 今回 (2016 年 10 月現在 ) 対前回変動率が最も高かったのは ホーチミン +2.2% 次いで バンコク +2.0% であった 一方 オフィスの供給過多により賃貸市場が低迷している シンガポール は-5.0% の下落であった ( 図表 1-2)[ オフィス賃料指数 対前回変動率の比較 ] 6% 4% 2% 0% -2% -4% -6% -8% 2016.04 2016.10 東京大阪ソウル北京上海香港台北 シンカ ホ ール クアラルンフ ール ハ ンコクシ ャカルタホーチミンニューヨークロント ン 2016.04 1.0% 0.6% 0.4% 0.8% 3.1% 0.7% 0.5% -6.1% 0.3% 1.3% -2.4% 1.7% 1.3% 1.8% 2016.10 1.1% 1.8% 0.8% 0.4% 1.5% 0.4% 0.6% -5.0% -1.1% 2.0% -2.6% 2.2% 1.1% -0.6% 2
1-3. マンション価格指数 対前回変動率 (2016 年 4 月から2016 年 10 月まで ) 図表 1-3は マンション価格指数の各都市 対前回変動率 今回 対前回変動率が最も高かったのは 北京 +19.7% 次いで 上海 +12.4% であった 一方 2016 年 5 月の政権交代後も当局の住宅価格抑制策が続く台北は-2.5% の下落であった ( 図表 1-3)[ マンション価格指数 対前回変動率の比較 ] 20% 2016.04 2016.10 15% 10% 5% 0% -5% -10% 東京大阪ソウル北京上海香港台北 シンカ ホ ール クアラルンフ ール ハ ンコクシ ャカルタホーチミンニューヨークロント ン 2016.04 2.7% 1.8% 0.8% 8.3% 11.0% -9.3% -5.6% -1.4% -0.2% 0.4% 2.2% 0.6% 0.8% 1.2% 2016.10 1.4% 1.8% 2.8% 19.7% 12.4% 6.9% -2.5% -1.7% -0.4% 0.8% 1.6% 0.8% 0.3% -0.3% 1-4. マンション賃料指数 対前回変動率 (2016 年 4 月から2016 年 10 月まで ) 図表 1-4は マンション賃料指数の各都市 対前回変動率 今回 対前回変動率が最も高かったのは 北京 +8.3% 次いで 上海 +3.4% であった 一方 対前回変動率がマイナスとなったのは シンガポール ジャカルタ クアラルンプール ロンドン ソウル 台北 の 6 都市であった ( 図表 1-4)[ マンション賃料指数 対前回変動率の比較 ] 20% 15% 2016.04 2016.10 10% 5% 0% -5% -10% 東京大阪ソウル北京上海香港台北 シンカ ホ ール クアラルンフ ール ハ ンコクシ ャカルタホーチミンニューヨークロント ン 2016.04 0.8% 0.2% -0.4% 5.3% 5.5% -2.4% 0.1% -2.4% -0.8% 0.3% 2.2% 0.5% 0.7% 0.9% 2016.10 0.6% 0.2% -0.3% 8.3% 3.4% 0.7% -0.1% -2.7% -0.8% 0.8% -2.6% 0.6% 0.7% -0.6% 3
2. 価格 賃料指数 (2010 年 10 月 =.0) ( 図表 2-1)[ 各都市のオフィス価格指数 賃料指数 ](2010 年 10 月 =.0) 東京 大阪 1 1 137.3 119.7 111.0 102.6 ソウル 北京 197.7 1 1 166.5 130.8 108.0 上海 香港 1 1 150.7 147.2 143.3 126.6 台北 シンガポール 1 1 148.3 114.2 109.8 95.7 4
( 図表 2-1)[ 各都市のオフィス価格指数 賃料指数 ](2010 年 10 月 =.0) クアラルンプール バンコク 1 1 130.0 115.6 111.2 116.7 ジャカルタ 197.3 ホーチミン 1 1 155.8 145.4 105.8 1 ニューヨーク 187.4 1 ロンドン 172.8 150.1 138.3 5
( 図表 2-2)[ 各都市のマンション価格指数 賃料指数 ](2010 年 10 月 =.0) 1 東京 1 大阪 113.1 112.1 102.8.4 1 ソウル 1 北京 177.6 168.6 98.5 97.9 1 上海 163.8 1 香港 149.7 134.9 124.2 1 台北 1 シンガポール 114.6 115.9 113.9 93.8 6
( 図表 2-2)[ 各都市のマンション価格指数 賃料指数 ](2010 年 10 月 =.0) 1 クアラルンプール 1 バンコク 141.8 119.3 107.1 109.4 1 ジャカルタ 175.2 1 ホーチミン.0 87.5 83.2 1 ニューヨーク 154.6 1 ロンドン 164.9 124.3 114.3 7
3. 各都市の価格 賃料水準の都市間比較 (2016 年 10 月現在 ) 3-1. オフィス / 都心地区 (CBD)/ 最上位の価格水準比較図表 3-1は 東京 / 丸の内 大手町地区所在 / 最上位オフィスの価格 (1 棟の賃貸可能面積あたりの床価格単価 ) を.0 とした場合の各都市との比較指数である なお 比較指数の作成にあたっては 価格時点において現地通貨等で評価したものをその価格時点で円換算のうえ指数化した ( 以下同じ ) ( 図表 3-1)[ オフィス / 都心地区 (CBD)/ 最上位のオフィス価格水準の比較 ] 148.3 (2016 年 10 月時点の東京 / 丸の内 大手町地区 =.0).0 60 40 41.7 26.8 31.4 44.4 50.9 37.0 43.7 60.9 20 7.9 6.2 12.3 10.5 0 東京大阪ソウル北京上海香港台北シンカ ホ ールクアラルンフ ールハ ンコクシ ャカルタホーチミンニューヨークロント ン ( ) 都心地区 (CBD) に所在する最上位オフィスを前提とした床価格単価の各都市比較指数 (2016 年 10 月の東京 丸の内大手町地区 =.0) 3-2. オフィス / 都心地区 (CBD)/ 最上位の賃料水準比較 図表 3-2 は 東京 / 丸の内 大手町地区所在 / 最上位オフィスの賃料 ( 基準階の賃貸可能面積あた りの賃料単価 ) を.0 とした場合の各都市との比較指数である ( 図表 3-2)[ オフィス / 都心地区 (CBD)/ 最上位のオフィス賃料水準の比較 ] 250 (2016 年 10 月時点の東京 / 丸の内 大手町地区 =.0) 158.9 150.0 90.7 111.5 50 44.7 49.3 56.4 63.6 30.4 51.3 17.6 14.8 30.0 34.4 0 東京大阪ソウル北京上海香港台北シンカ ホ ールクアラルンフ ールハ ンコクシ ャカルタホーチミンニューヨークロント ン ( ) 都心地区 (CBD) に所在する最上位オフィスを前提とした賃料単価の各都市比較指数 (2016 年 10 月の東京 丸の内大手町地区 =.0) 8
3-3. マンション / 高級住宅 ( ハイエンドクラス ) の価格水準比較図表 3-3は 東京 / 港区元麻布所在 / 高級住宅 ( ハイエンドクラス ) のマンション価格 (1 戸の専有面積あたりの分譲単価 ) を.0 とした場合の各都市との比較指数である なお 比較指数の作成にあたっては 価格時点において現地通貨等で評価したものをその価格時点で円換算のうえ指数化した ( 以下同じ ) ( 図表 3-3)[ マンション / 高級住宅 ( ハイエンドクラス ) の価格水準の比較 ] 250 (2016 年 10 月時点の東京 / 港区元麻布地区 =.0) 171.8 216.7 150 50.0 52.6 61.0 79.9.1 111.9 106.2 24.4 21.3 20.4 9.5 124.2 0 東京大阪ソウル北京上海香港台北シンカ ホ ールクアラルンフ ールハ ンコクシ ャカルタホーチミンニューヨークロント ン ( ) 各都市の高級住宅 ( ハイエンドクラス ) のマンションを前提とした分譲単価の各都市比較指数 (2016 年 10 月の東京 元麻布地区 =.0) 3-4. マンション / 高級住宅 ( ハイエンドクラス ) の賃料水準比較 図表 3-4 は 東京 / 港区元麻布所在 / 高級住宅 ( ハイエンドクラス ) のマンション賃料 (1 戸の専有 面積あたりの賃料単価 ) を.0 とした場合の各都市との比較指数である ( 図表 3-4)[ マンション / 高級住宅 ( ハイエンドクラス ) の賃料水準の比較 ] 350 300 (2016 年 10 月時点の東京 / 港区元麻布地区 =.0) 250 217.4 237.7 158.7 150 50.0 88.0 52.9 61.7 70.7 57.5 123.4 33.7 36.6 56.1 21.7 0 東京大阪ソウル北京上海香港台北シンカ ホ ールクアラルンフ ールハ ンコクシ ャカルタホーチミンニューヨークロント ン ( ) 各都市の高級住宅 ( ハイエンドクラス ) のマンションを前提とした賃料単価の各都市比較指数 (2016 年 10 月の東京 元麻布地区 =.0) 9
4. 国際不動産価格賃料指数 / 詳細調査 ( 有料版 ) のご案内 (1) 内容 第 7 回国際不動産価格賃料指数調査 (2016 年 10 月現在 ) に基づく各種投資指標等の詳細データ集 (2) 掲載データ等 1) オフィス 1 各都市の価格指数 賃料指数 2 各都市の平均 NOI 利回りと国債利回りとの比較 3 都心地区 (CBD) 最上位オフィスの価格 賃料水準比較 4 各都市のオフィス市況概要など データ集サンプル ( 例 ) 2) マンション 1 各都市の価格指数 賃料指数 2 各都市の平均 NOI 利回りと国債利回りとの比較 3 高級住宅 ( ハイエンドクラス ) の価格 賃料水準比較 4 各都市のマンション市況概要など 国際不動産価格賃料指数国際的な主要都市の不動産市場動向を調査するため 対象都市の調査物件について 日本不動産研究所の不動産鑑定士が評価した価格 賃料を指数化したもの 調査の概要 対象都市 : 東京 大阪 ソウル 北京 上海 香港 台北 シンガポール クアラルンプール バンコク ジャカルタ ホーチミン ニューヨーク ロンドンの 14 都市 対象用途 : オフィス マンション 物件数 : 1 都市あたり 6 物件 ( オフィス 3 物件 マンション3 物件 ) 調査内容 : 価格時点 ( 各年 4 月 1 日 10 月 1 日 ) において 対象物件の新築 新規契約を前提とした 1 m2あたりの価格 賃料を評価し 指数化 お問い合わせ先 一般財団法人日本不動産研究所研究部 : 愼 平井 中野 (TEL:03-3503-5335) http://www.reinet.or.jp/ 本資料の記載内容 ( 図表 文章を含む一切の情報 ) の著作権を含む一切の権利は一般財団法人日本不動産研究所に属します また記載内容の全部又は一部について 許可なく使用 転載 複製 再配布 再出版等をすることはできません 本資料は作成時点で 日本不動産研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが その正確性 完全性に対する責任を負うものではなく 今後の見通し 予測等は将来を保証するものではありません また 本資料の内容は予告なく変更される場合があり 本資料の内容に起因するいかなる損害や損失についても当研究所は責任を負いません 10