平成 26 年 4 月の消費税率引上げ正式決定 平成 25 年 10 月 1 日に 安倍内閣は平成 26 年 4 月からの消費増税を正式に決定しました はじめに 平成 25 年 10 月 1 日に 安倍内閣は平成 26 年 4 月からの消費増税を正式に決定しました ここでは 消費増税への対応として投

Similar documents
所得拡大促進税制および 雇用促進税制適用における留意点 平成 25 年度の税制改正において 個人所得の 拡大を目的とした所得拡大促進税制が新たに 設けられました 平成 25 年度の税制改正において 個人所得の拡大を目的とした所得拡大促進税制が新たに設けられ さらなる雇用の確保を支援する雇用促進税制の

中小企業に対する減税の廃止 縮小を検討 中小企業を支援する政策減税のうち 平成 26 年度末に期限が来る措置を 原則として 廃止 縮小することが検討されています その内容について解説します 中小企業を支援する政策減税のうち 平成 26 年度末に期限が来る措置を 原則として 廃止 縮小することが検討さ

平成 26 年度の税制改正に 関する要望について 各府省庁からの平成 26 年度の税制改正要望に 関する内容が明らかになりました 主な府省庁 の税制改正要望事項について解説します 中小企業庁からの要望 中小企業庁からの税制改正要望のうち 主なものは以下の通りです 1 中小企業投資促進税制 による 3

2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

交際費などに含まれる飲食 費の 50% が損金に! 交際費などに含まれる飲食費について 大企業 であっても 50% 相当額を損金に算入できるこ ととなりました 平成 26 年度の税制改正大綱においては 消費活性化の観点から 資本金 1 億円超の法人の飲食のための支出 ( 社内接待費を除く ) につい

適用税率を間違っている請求書への対応 売上側から適用税率の認識を誤った請求書が 送付された場合の対策法について解説します 消費税率引上げから約 2 か月が経過しようとしています 施行日前 後の取引に関する処理が混在しているため 売上側から適用税率の認識を誤った請求書が送付されてくることもあるようです

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

平成 25 年 3 月決算で 注意すべき税制改正項目 1 平成 25 年 3 月決算では 平成 23 年 12 月改正 と平成 24 年改正の 2 つの税制改正の影響を受 けることになるため 注意が必要です 年改正の 2 つの税制改正の影響を受けることになるため 注意が必要です ここでは 平成 25

Microsoft PowerPoint - 【別添1】23税制改正の概要.pptx

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

所得拡大促進税制の要件緩和 平成 25 年度の税制改正で所得拡大促進税制が 創設されましたが 改正により適用要件の見直 しが行われます 雇用の一層確保と個人所得の拡大を図り 消費需要の回復を通じた経済成長を達成するために 所得拡大促進税制が平成 25 年度税制改正で創設されました しかし 改正により

PowerPoint プレゼンテーション

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

改正 ( 事業年度の中途において中小企業者等に該当しなくなった場合等の適用 ) 42 の 6-1 法人が各事業年度の中途において措置法第 42 条の6 第 1 項に規定する中小企業者等 ( 以下 中小企業者等 という ) に該当しないこととなった場合においても その該当しないこととなった日前に取得又

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

平成23年度税制改正の主要項目

(0830時点)PR版

HPのトップページ更新原稿

< F31322D89FC90B390C C18F578D8692C7985E5B315D2E6A74>

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

決 算 で 注 意 すべき 復 興 特 別 所 得 税 今 年 1 月 以 降 に 決 算 期 末 を 迎 える 事 業 年 度 の 法 人 税 の 申 告 では 所 得 税 と 復 興 特 別 所 得 税 の 切 り 分 けが 必 要 となります 今 年 1 月 以 降 に 決 算 期 末 を 迎

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

PowerPoint プレゼンテーション

Ⅰ 法人関連税制 1 減価償却制度 2 年連続の大改正になった背景 減価償却制度については 平成 19 年度税制改正により 残存価額および償却可能限度額の取扱いが廃止される大改正が行われ 定率法はいわゆる 250% 定率法 と呼ばれる従来にない新しい計算の仕組みが採用されました そして平成 20 年

期末現在の資本金等の額 次に掲げる法人の区分ごとに それぞれ次に定める金額を記載します (1) 連結申告法人以外の法人 ((3) に掲げる法人を除きます ) 法第 292 条第 1 項第 4 号の 5 イに定める額 (2) 連結申告法人 ((3) に掲げる法人を除きます ) 法第 292 条第 1

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

役 員 の 退 職 金 を 支 払 う 場 合 の 注 意 点 役 員 に 対 する 退 職 金 はよく 節 税 目 的 で 利 用 さ れますが トラブルの 多 い 項 目 の 一 つとなって いるため 注 意 が 必 要 です 役 員 に 対 する 退 職 金 を 支 払 う 場 合 の 注 意

<4D F736F F D2095BD90AC E937890C590A789FC90B382C98AD682B782E D5F E646F63>

生産性向上設備投資促進税制の Q&A 公表 7 月 1 日 経済産業省が生産性向上設備投資促進税制についての Q&A を公表しました Q&A は合計 60 問にもおよびます その中で多くの照会が寄せられた件について解説します 7 月 1 日 経済産業省が生産性向上設備投資促進税制についての Q&A

平成 28 年度税制改正の概要 1. 復興特区関係 * (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の5 年延長及び要件の緩和 * 要件緩和 : 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造でも対象となるよう緩和 (2) 被災雇用者等を雇

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

< F2D E738BC794B A C8892E >

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

平成19年度 法人の減価償却制度の改正のあらまし

電子申告の達人 で行う 所得税の達人 の電子申告 < 申告編 > 東京地方税理士会データ通信協同組合 2019 年 2 月 1

Microsoft PowerPoint - 総務省「自動車関係税制のあり方に関する検討会」ヒアリング説明資料(自動車総連) [互換モード]

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

<4D F736F F F696E74202D2095BD90AC E937888D38CA98F F D8E968D80816A5F8DC58F492E >

第 7 章 間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 52ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期

<4D F736F F D FC194EF90C C98AD682B782E >

目次 1 調査概要 P2~P4 2 平成 29 年度の販売見込みについて ( 住宅事業者 ) P5~P6 3 平成 29 年度の住宅の買い時感について ( 一般消費者 ) P7 4 住宅で重視するポイントは?( 住宅事業者 一般消費者 ) P8~P9 5 建物の性能で重視する事項は?( 住宅事業者

サービス業 5 千万円以下 100 人以下政令指定業種固定資産税のゼロ特例や国補助金の優先採択を受けることができます! 1 先端設備等導入計画 の概要 中小企業等が 計画期間内に 労働生産性を一定程度向上させるため 先端設備等を導入する計画を策定し その計画が北九州市の 導入促進基本計画 等に合致す

各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

Microsoft PowerPoint - ‡g‡o„´“e†iH18’Å’§›ü’³†j0403

4. 土地 住宅用建物に係る不動産取得税の特例の延長土地や住宅に対する投資を促進し 都市や地域の活力を高める観点から 土地及び住宅用建物に係る軽減税率 3%( 本則 4%) 及び宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準の特例 ( 固定資産税評価額の 1/2) の適用期限 ( 平成 27 年 3

Microsoft Word 役立つ情報_税知識_.doc

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

新今回の要望に合関理連性する事項設 拡充又は延長を必要とする理中小企業は地域の経済や雇用を支え 我が国経済全体を発展させる重要な役割を担っている 中小企業の設備投資を促進し 成長の底上げに不可欠な設備や IT 化等への投資の加速化や生産性の向上を図る ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 昨今の中小企業の

現段階での状況に基づく内容になりますので今後変更の可能性がありえます 項目内容回答 ( 対応方針 ) 説明先今後の備考 8 対象者 本税制の対象となる法人に制限はあるのか 青色申告書を提出する法人であれば 業種 資本金規模を問わずに対象となる予定です 本税制の対象となる設備は ソフトウェア 器具備

<4D F736F F D CF E90948FC897DF89FC90B38AD68C572E646F63>

配偶者居住権の相続税評価額について 2018/12/28 田口税理士事務所 平成 30 年の民法改正により 配偶者の居住権を保護するために配偶者居住権が新設されましたが 相続税の評価にどう影響させるかについて 今回の税制改正大綱に記載されています まず 前提となる配偶者居住権について 説明します 1

目次 ページ はじめに 奄美群島の税制特例制度 ( 国税 ) の概要 対象となる業種 対象となる設備投資 事業者 設備投資の規模等の要件 他の国税の優遇措置との比較 ( 例 : 過疎税制 ) 奄美群島の税制特例制度 ( 地方税 ) の概要奄美群島税制まとめ

交際費課税と役員給与 交際費に隣接する費用の中には役員給与として認定される可能性がある取引もあります 交際費課税と役員給与の関係性について解説します 法人の交際費をめぐる相次ぐ税制改正により 交際費に関 わる法人税務は緩和の一途をたどっています しかし 交際費に隣接する費用の中には役員給与として認

PowerPoint プレゼンテーション

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

<4D F736F F D20837A815B B83578C668DDA BD90AC E937890C590A789FC90B382C98AD682B782E D81762E646F63>

(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

従業員の健康診断費用を 負担する場合の注意点 健康診断費用を負担する場合など福利厚生の ための費用を支払う場合の注意点について解 説します 新入社員を迎え入れ その健康診断費用を負担する会社もあると思います ここでは 健康診断費用を負担する場合など福利厚生のための費用を支払う場合の注意点について解説

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

平成18年度地方税制改正(案)について

の各種税制優遇を受けやすくする見直しが行われ 入居までに耐震基準に適合するという証明があれば 1 住宅ローン減税 2 住宅取得資金に関する贈与税の非課税措置 3 中古住宅に関する不動産取得税の特例措置の適用が可能となる 耐震基準に適合しない中古住宅を取得し 耐震改修工事を実施した後に入居するような場

3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

労働基準法が改正されます

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

H 株式会社 A が 会社の業績不振と X の能力が期待値 ( 本人の申告 ) より低かったことを理由として X を普通解雇 H H H Xがハローワークで紹介されたYの求人に対して応募 XがYに対してメールで提出した履歴書および職務経歴書に

消費税率引上げ時期の変更に伴う対応について 消費税関係 資料 1 税率引上げ関係 軽減税率関係 軽減税率財源確保関係 転嫁対策 改正前 1 税率引上げ時期 : 平成 29 年 4 1 ( 税制抜本改 法で規定 ) 2 請負契約等に係る経過措置の指定 : 平成 28 年 軽減税率実施時期

源 泉 所 得 税 の 支 払 に 注 意 いる 会 社 は1 年 に2 回 しかないイベントですので 納 付 手 続 きを 忘 れないようにしなければなりません いる 会 社 は 1 年 に 2 回 しかないイベントですので 納 付 手 続 きを 忘 れないようにしなければなりません 源 泉 所

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

法人税 faq

士 人 月 革 月 鹿鹿 身 鹿鹿 立立 月 鹿鹿 士 人 立立 月 人 士 人 月 田 田 立立 士 一 入 月 士 谷 口 入 月 士 入 月 田 立立 士 子 入 月 立立 月 立立 立立

て 1.6 兆円程度の減税措置を講じることになります なお このうち 昨年 10 月に消費税率引上 げに伴う対応として決定した税制措置による減収額は 国 地方合わせて 1 兆円程度になります ( 参考 ) 平成 26 年度の税制改正 ( 内国税関係 ) による増減収見込額 ( 単位 : 億円 ) 改

以下本人の給与収入速報 平成 29 年度税制改正解説所得課税 ~ 配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し 2 配偶者の給与収入が 万円超 15 万円以下の場合の改正案の控除額及び改正前後の影響について 配偶者特別控除 配偶者の給与収入 万円超 15 万円 15 万円以上 11 万円 11 万円以上 1

女性が働きやすい制度等への見直しについて

目次 1. 達人 Cubeに対する準備 2. 申告のお知らせの確認 3. 電子申告までの流れ 4. 所得税の達人で作成する帳票 5. 所得税の電子申告 6. その他 2

投資信託の種類を理解しよう インデックス型とアクティブ型の 2 種類があります インデックス型 ( パッシブ型 ) 特定の指数 例えば 日経平均株価や原油などの値動きに連動するように設計された投資信託 アクティブ型 インデックス型以上の投資収益 ( リターン ) を目標として運用するタイプの投資信託

スライド 1

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月


平成19年度分から

間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 53ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期間 5 年間

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

< F2D BD90AC E937889FC90B38E968D8088EA C92E8816A CC94C5816A81698E4F89DB91E58D6A94BD A2E6A7464>

PowerPoint プレゼンテーション

平成20年2月

商業 サービス業環境関連投資得拡大各要件の計算方法 まず 前事業年度 の つの事業年度について確認します 月末決算の会社の場合 月末以外の決算の場合 平成 年 大企業の場合 ( 月末以外の決算 ) 適用 1 年目 平成 年 平成 年 平成 年 < 要件 1> 雇用者給与等支給額がより一定割合増加して

1 設備投資をして生産性を高めたい! ~ 中小企業経営強化税制の創設 ~ ~ 固定資産税特例の拡充 ~ 利用できるのは 法 人 個人事業主 法人税 所得税固定資産税 省力化のため セルフレジ ( 複数台合計で約 1,500 万円 ) を導入したい! 何か使える支援策はないかしら? 経営力を向上させる

経営強化法の執行について

第6回税制調査会 総6-3

調査概要 調査期間 : 2013 年 5 月 23 日 ~2013 年 6 月 17 日 調査対象 : 住宅購入検討者 スーモカウンター新築マンション に2012 年 7 月以降に来場した利用者 2,356 名 スーモカウンター注文住宅 に2012 年 7 月以降降に来場した利用者 5,308 名

2. 省エネ改修工事 耐震改修工事をした場合の所得税額の特別控除に係る工事範囲の拡充 (1) 改正の趣旨 背景 新築の長期優良住宅の認定基準制度に加え 平成 28 年 2 月 増改築による長期優良住宅の認定基準が制定された 長期優良住宅であると認定されることで 税制上様々な優遇措置を受けることができ

忘年会シーズンに向けて飲 食費 5,000 円基準の再確認 今年も残すところあとわずか 忘年会のシーズンが近づいてきました これからのシーズンに多く質問が寄せられる 1 人当たり 5,000 円以下の交際費 について 解説します 今年も残すところあとわずか 忘年会のシーズンが近づいてきました これか

第 6 章介護保険料の考え方 したがって 第 6 期においては今後 3 年間の保険給付総額の 22% を賄うよう 第 1 号被保険者の保険料水準を定めなければなりません ( 調整交付金の減額分を除く ) (2) 調整交付金 標準給付費における国の負担割合のうち5%( 全国平均 ) は調整交付金として

Transcription:

ニュースレター 2013 年 11 月号 Nov. 2013 11 YOSHIKAWA TAX JOURNAL 平成 26 年 4 月の 消費税率引上げ正式決定 注目トピックス 01 平成 26 年 4 月の消費税率引上げ正式決定平成 25 年 10 月 1 日に 安倍内閣は平成 26 年 4 月 1 日からの消費増税を正式に決定しました ここでは消費増税への対応として投資減税措置などを定めた 経済政策パッケージ の概要について解説します 特集 02 投資減税措置の内容ここでは 経済政策パッケージ で明らかにされた投資減税措置の内容を具体的に解説します 話題のビジネス書をナナメ読み 04 日本の雇用と労働法 ( 日本経済新聞出版社 ) 欧米など日本以外の先進産業社会の間では 日本と雇用システムの概念が大きく異なります 著者は日本の雇用システムのあり方と 現代日本の労働法制がどのように雇用システムの上に構築されたかを説きます 03 非嫡出子に関する税務平成 25 年 9 月 4 日に 非嫡出子の法定相続分は嫡出子の 2 分の 1 とする民法の規定が 最高裁判所で違憲とされました ここでは非嫡出子をめぐる税務について解説します

平成 26 年 4 月の消費税率引上げ正式決定 平成 25 年 10 月 1 日に 安倍内閣は平成 26 年 4 月からの消費増税を正式に決定しました はじめに 平成 25 年 10 月 1 日に 安倍内閣は平成 26 年 4 月からの消費増税を正式に決定しました ここでは 消費増税への対応として投資減税措置などを定めた 経済政策パッケージ の概要を解説します 消費増税の閣議決定と今後の動向 消費増税の法律案は 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律 として平成 24 年 8 月 10 日に成立しており 平成 26 年 4 月以後の消費増税が実施されることが 今回の閣議決定で決定しました 安倍内閣は この消費増税に伴う経済対策と成長力強化のための総合的な政策として 投資減税措置などを定めた 経済政策パッケージ を閣議決定しました 経済政策パッケージ には 設備投資減税を中心に 1 兆円規模の減税措置を含む 総額 5 兆円規模の歳出増を伴う新たな経済政策が盛り込まれる予定です 投資減税措置とは企業の設備投資額の一定部分を特別償却または税額控除する措置等のことで 民間の投資を促進するために創設された優遇措置のことです この措置については次章で詳細に解説します 設備投資減税とは企業が指定期間内に所定の要件を満たす固定資産を取得をした場合には その事業年度において普通償却の他に特別償却を認める措置等のこと 上記の特別償却の適用を受けないときは 取得価額の一定額を法人税額から控除できます 経済政策パッケージの概要 経済政策パッケージ は 以下の 7 つの項目から構成さ れます また 復興特別法人税の 1 年前倒しでの廃止につ いては 12 月中に結論を得る と明記されています 1. 成長戦略関連の施策及び投資減税措置等を内容とす る成長力底上げのための政策 2. 所得拡大促進税制の拡充 復興特別法人税の一年前倒 しでの廃止を盛り込んだ 政 労 使 の連携による 経済の好循環の実現 3. 競争力強化策の新たな経済対策の策定 例 : 中小企業に重点を置いた投資補助金などの設備投 資支援策など 4. 低所得者対策としての簡素な給付措置 5. 住宅取得等に係る給付措置 6. 消費税の転嫁対策 7. 復興の加速など 民間投資活性化等のための税制改正大綱 例年 12 月にまとめられる平成 26 年度の税制改正大綱と は別に 今回は前倒しで 民間投資活性化等のための税制 改正大綱 がまとめられました 生産性向上設備投資促進税制 事業再編促進税制 既 存建築物の耐震改修投資促進税制 が創設されました ま た 中小企業投資促進税制の延長 拡充 や 少額減価償 却資産の特例の延長 研究開発促進税制 についても 現 行制度の拡充などがまとめられています 具体的な制度の内容については次章で解説します

投資減税措置の内容 経済政策パッケージ で明らかにされた投資 減税措置の内容を具体的に解説します はじめに 前章において 安倍内閣のまとめた 経済政策パッケージ の概要を解説しました ここでは 経済政策パッケージ で明らかにされた投資減税措置の内容について具体的に 解説します 生産性向上設備投資促進税制の創設 生産性向上設備投資促進税制 とは 先端設備 生産ラ イン オペレーションの改善に貢献する設備などの取得等 をした場合には 特別償却 ( 即時償却 ) または税額控除が できるという制度です 先端設備とは 最新モデルかつ生産性向上要件 ( 旧モデル 比で年平均生産性 1% 以上向上 ) を満たすもの です 生産ラインやオペレーションの改善に貢献する設備とは 投資計画上の投資利益率が 15% 以上 ( 中小企業者等は 5% 以上 ) であることを経済産業局から確認を受けたもの です 建物 構築物 機械装置 建物 構築物 機械装置 ~ 平成 28 年 3 月 31 日 即時償却または 3% の税額控除 即時償却または 5% の税額控除 ~ 平成 29 年 3 月 31 日 25% 特別償却または 2% の税額控除 50% 特別償却または 4% の税額控除 創業促進のための登録免許税の負担軽減措置の創設 平成 28 年 3 月 31 日までに新たに株式会社を設立する場 合には 株式会社の設立登記に対する登録免許税の税率が 1,000 分の 3.5( 最低税額 7 万 5 千円 ) に軽減されます 中小企業の投資活性化策 平成 29 年 3 月 31 日までに取得した特定機械装置などが 生産性向上設備投資促進税制の対象設備である場合には 即時償却または 7%( 資本金 3,000 万円以下の中小企業 者等は 10%) の税額控除が認められます 特定機械装置等とは 下記のようなものを言います 1 160 万円以上の機械装置 2 120 万円以上の一定の工具 器具備品 3 70 万円以上の一定のソフトウェア 4 車両総重量 3.5t 以上の貨物自動車 5 内航海運業の用に供される船舶 既存建築物の耐震改修投資促進税制の創設 平成 27 年 3 月 31 日までに耐震改修促進法の耐震診断結 果の報告を行った事業者が 下記のいずれかの条件を満た した場合取得価額の 25% の特別償却を認める制度です 平成 26 年 4 月 1 日から報告を行った日以後 5 年を 経過する日までに 耐震改修対象建築物の部分につい て行う耐震改修により取得した場合 平成 26 年 4 月 1 日から報告を行った日以後 5 年を 経過する日までに 耐震改修対象建築物を建築した場 合 ここに記載したもの以外にも 17 年ぶりの消費税率引上 げに伴い 法人減税を中心とした大規模な減税措置が盛り 込まれています 安倍内閣のまとめた 経済政策パッケージ についての不 明点は 当事務所までお問い合わせください

非嫡出子に関する税務 平成 25 年 9 月 4 日に 非嫡出子の法定相続分 は嫡出子の 2 分の 1 とする民法の規定が 最高 裁判所で違憲とされました 概要 非嫡出子 とは 法律上の婚姻関係がない男女の間に生まれた子どものことをいいます 一方で 法律上の婚姻関係がある男女の間にうまれた子どものことを 嫡出子 といいます 嫡出子は配偶者と同じように相続権があります しかし 非嫡出子は認知されていない場合には 相続権が認められていません また認知されている場合でも 相続権は認められますが 法定相続分は嫡出子の 2 分の 1 しか認められていませんでした 例 ) 法定相続人が配偶者 嫡出子 嫡出子の 3 人のみの場合法定相続分は下記の分配になります 配偶者 :2 分の 1 嫡出子 :3 分の 1 非嫡出子 :6 分の 1 最高裁による決定 概要にも記載した通り これまで認知された非嫡出子の法定相続分は嫡出子の 2 分の 1 でしたが 平成 25 年 9 月 4 日に 最高裁判所はこれを違憲とする判断を下しました この決定により 今まで申告した相続税額の総額が減少する場合も考えられます ただし 相続開始日や申告期限などに関わらず 申告や処分で税額が確定したのが平成 25 年 9 月 5 日以後か 9 月 4 日以前かで取扱いが異なります つまり 相続税の計算における非嫡出子の相続分を 現行民法か それとも最高裁決定に基づくものにするかで 取扱いが異なる旨が示されました 9 月 5 日以後に申告をする場合 平成 25 年 9 月 5 日以後に相続税の申告をする場合は 最高裁決定に基づき 嫡出子と非嫡出子の相続分は同等に 相続税額を計算します 相続開始の日 遺産分割の日 法定申告期限が平成 25 年 9 月 4 日以前の場合でも 申告が平成 25 年 9 月 5 日以後であれば 最高裁決定に基づく相続税額計算ができます 既に申告をした場合 平成 25 年 9 月 5 日以後に 現行民法に基づいて非嫡出子の相続分を 嫡出子の 2 分の 1 として 既に申告をした場合には 平成 25 年 9 月 5 日以後に法律関係が確定したことになるため 最高裁の違憲判断の影響を受けます そのため このような場合に 非嫡出子の相続分 を 嫡出子の相続分 と同等のものとして計算することで 相続税額が減額するのであれば 更正の請求によって相続税額の減額を申し出ることができます 平成 25 年 9 月 4 日以前に既に相続分を申告していても 法定申告期限が平成 25 年 9 月 4 日より後である場合には 期限内であれば申告をやり直すことができ 最後に申告したものが有効となるため 申告し直すことで嫡出子と非嫡出子の相続分は同等なものとして 相続税額を計算できますのでご注意ください 非嫡出子をめぐる税務についてのご相談は 当事務所までお気軽にお問合せください

日本の雇用と労働法濱口桂一郎著 単行本 :241 ページ 出版 : 日本経済新聞出版社 価格 :1,050 円 ( 税込 ) 日本型雇用システムとは 日本型雇用システム ( 以下 日本型 と記述します ) とは 企業の中の労働を職務ごとには切り出さずに 職務の定めのない雇用契約 を行うことです このような雇用契約は一種の地位設定契約 あるいはメンバーシップ契約と考られます 労働者の長期雇用慣行 年功賃金制度 企業別組合などは すべてこのコロラリー ( 論理的帰結 ) として導き出されます 欧米社会のように職務を特定して雇用契約を締結する場合 ( 以下 ジョブ型 と記述します ) は その職務に必要な人員のみを採用して その職務が減少すれば雇用契約を解除します ジョブ型では労働条件は職務ごとに決定できるため 労働条件に関する団体交渉も職務ごとに行われますが 日本型では労働組合は企業別に組織されて 企業別に総人件費の増分を巡って交渉を行います 採用と退職そして人事異動 日本型はメンバーシップの維持に最重点がおかれるため 採用における新規学卒者の定期採用と退職における定年制が特徴的です また 労働者が定期的に職務を変わっていく 定期人事異動制度 という日本型特有の制度があります 欧米社会では特定の職務に熟練することによってより高い賃金で他の企業に就職することが可能になりますが 定期人事異動制はこの可能性を縮小します 一方 年齢賃金制度によって年齢が高くなるほど労働コストが高まってくるので どこかで一律に退職させる必要があります その仕組みが定年制です 長期勤続者を極端に優遇する退職金制度も諸外国にあまり例がない制度です 日本型雇用システムの法的構成 日本の労働法制の基本的な枠組 みは労働基準法と労働組合法で す そして 日本型と労働法制 の隙間を埋めるのが戦後に裁判 所の判決で確立してきた判例法 理です それが積み重なって 確立するにつれ 日本の労働社 会を規律するのは六法全書に書かれたジョブ型雇用契約 の原則ではなく 個々の判決文に書かれたメンバーシップ 型雇用契約になってきました 2007 年に制定された労働契約法もその 1 つです その結 果 日本の労働法制は ジョブ型雇用契約 と メンバー シップ型に修正された判例法理とそれを前提とする政策 立法 が同居する状況になっています 日本型雇用システムの今後 著者は日本型雇用システムの現状を下記の様に分析して います 賃金問題を切り離して 物理的労働時間をどう規制するか を議論ができない状態になっていることが問題である 現在までのところ 日本の労働時間法政策は依然として残 業代の割増率にばかり集中して 実労働時間規制は政策課 題にあまり上がっていません 著者は日本型雇用システムと 職務 ( ジョブ ) を中心に考 える欧米などの雇用システムとの違いを文中で指摘してい ます 現代日本の労働法制を理解して労働問題を総合的に 考えるために役立つ 1 冊です