第 3 章住宅施策の理念と基本方針
基本理念 基本方針 具体的施策 住みたいまち 住み続けたいまち 20万人都市松江の住まいづくり1. 基本理念 基本理念 住みたいまち 住み続けたいまち 20 万人都市松江の住まいづくり 豊かな自然と 多様な歴史性に恵まれ発展してきた本市は 魅力ある地域特性を生かし 島根県の県都として また 山陰の中核都市としての役割を担うことが求められています 新たな 松江市総合計画 では 人口 20 万人都市を目指しています このマスタープランのみでその実現が図れるものではありませんが 住宅施策は人口定住の受け皿として大きな役割を担っています そのため 総合計画に掲げる目標との整合性を図り このマスタープランにおいてもその数値目標の実現を目指します 市民生活の質的向上には暮らしの器である住宅施策が大きな役割を担っていますが 生活利便性の一層の向上のためには近隣にコンビニエンスストアや食料品店などの日々の暮らしを支える商業機能が立地することや高齢者を支える生活介護や医療機能の存在も欠かせない要素となっています 市民生活を総合的な視点で捉えその充実向上のためには この住宅マスタープランとまちづくりの基本となる都市計画マスタープラン等との連携と整合性を十分に図るとともに 市民の暮らしにゆとりと潤いをもたらす良好な景観を有する地区形成を促進することが必要となっています そのため 安心 安全で快適な居住環境を創出し 誰もが住みたいまち 住み続けたいまちの住環境をつくっていくため 本計画の基本理念を 住みたいまち 住み続けたいまち 20 万人都市松江の住まいづくり と定めます 定住人口の増加をめざす住まいづくり 安心 安全な居住環境づくり 市民協働の住まいづくり まちなか居住の推進安価 優良宅地の供給定住住宅供給の支援公的住宅の充実地域別施策の推進空き家対策の推進職住近接の推進防災 老朽化対策居住性能向上対策高齢者 障害者対策福祉 保健 医療等との連携伝統的街なみを活かした住まいづくり住まいづくりの情報支援住民主体の住まいづくり まちづくり多様な主体の連携 21
2. 基本方針 (1) 定住人口の増加をめざす住まいづくり 定住人口の増加を図る住まいづくりを推進します 関連する諸分野の施策と連携しながら 空洞化が進行している中心市街地の人口の回復を目指し まちなか居住の推進を図ります 居住性が良く 安価な宅地 優良な宅地の供給を計画的に推進します 新婚世帯や子育て世帯を支援するための施策を検討するなど 安心して子供を生み育てられる住環境の整備を推進します 合併による広域化に対応した公営住宅の整備 維持管理の方針について統一化を図り 計画的な新設 建て替え 大規模改修などを実施します 居住環境の豊かなストックの活用を図りながら 市街地中心部 近郊部 郊外部など地域特性にふさわしい住まいづくり 多様なニーズに応える住まいづくりを推進します 増加する空き家に対し 情報提供及び積極的活用を図ります 企業との連携により 就職や住宅等の情報提供を行いながら 就業と居住の両面から支援を図り 安心して就業 居住できる環境づくりを推進します (2) 安心 安全な居住環境づくり 耐震診断や耐震化改修を促進するための支援( 耐震改修促進計画の策定等 ) を実施するなど 防災性能の強化を目指した住まいづくりを推進します 長寿命住宅などの老朽化対策や居住性能向上対策を行います 高齢者や障害者をはじめ 誰もが安心して暮らせる安全な居住環境づくりを推進します 福祉 保健及び医療施策との連携した住まいづくりを推進します (3) 市民協働の住まいづくり 市民協働により 伝統的街なみを活かした住まいづくりを推進します 連携 協働に必要な情報提供を行い 住まいづくり まちづくり活動を促進します 住まいづくり まちづくりのため 地域住民の主体的参加による組織づくり等を支援します 市民 民間業者 行政が相互に協力 連携し お互いが知恵と力を出し合い 市民協働の住まいづくりを推進します 22
3 施策展開の体系 23 23
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4. 計画のフレーム 基本的な施策の展開を図るため 目標年次における数値目標を設定します (1) 人口 世帯数の設定 松江市の将来人口は 総合計画において 平成 28 年 (2016 年 ) に 20 万人を目標にしています 本計画においても 総合計画と同様 20 万人を目標人口とします 将来世帯数は 世帯人員を国勢調査 ( 平成 7 年から 17 年 ) のトレンドにより推計し 目標年次の目標人口を除して算出した結果 平成 27 年 (2015 年 ) では 78,400 世帯と推計されます よって 目標年次の人口は 200,000 人 世帯数は 78,400 世帯と設定します 将来人口 ( 単位 : 人 ) 区分平成 7 年平成 12 年平成 17 年平成 27 年 実績値 195,353 199,289 196,603 - 目標値 - - - 200,000 人 210,000 205,000 200,000 195,000 190,000 185,000 180,000 H7 H12 H17 H22 H27 年 将来世帯数 ( 単位 : 世帯 ) 区分平成 7 年平成 12 年平成 17 年平成 27 年 実績値 66,639 72,189 73,717 - 推計値 - - - 78,400 参考世帯人員 2.93 人 / 世帯 2.76 人 / 世帯 2.67 人 / 世帯 2.55 人 / 世帯 注 ) 世帯人員については 対数回帰式による推計値を採用している 90,000 85,000 80,000 75,000 70,000 65,000 60,000 55,000 50,000 H7 H12 H17 H22 H27 年 25
(2) 住宅に住む世帯数の設定 目標年次における世帯数をもとに 住宅に住む世帯数を住宅施策の基本方針や近年の動向等を勘案するとともに 若者の定住など借家の役割等を考慮して以下のように設定します 持ち家( 戸建住宅 分譲住宅 マンション ) 世帯は 近年 5 ヶ年に約 2,000 世帯 (43,842 世帯 -41,786 世帯 =2,056 世帯 ) 増加しており この傾向から見ると 平成 17 年から目標年次の平成 27 年の 10 年間で約 4,100 世帯 (2,056 世帯 /5 年 10 年 =4,112 世帯 ) の増加が想定されます 目標年次の持ち家世帯数は 近年の傾向が継続すると仮定した場合 約 48,000 世帯 (43,842 世帯 +4,112 世帯 =47,954 世帯 ) になりますが 持ち家率の上昇は直接定住につながることから 政策として持ち家率の向上を目指し 平成 17 年度より 2 ポイントアップを目標とし 48,280 戸に設定します 借家世帯は 近年 5 ヶ年に約 760 世帯 (27,074 世帯 -27,832 世帯 =-758 世帯 ) 減少しており この傾向から見ると 平成 17 年から目標年次の平成 27 年の 10 年間で約 1,500 世帯 (760 世帯 /5 年 10 年 =1,520 世帯 ) の減少が想定されます しかし 目標年次に向けた人口 世帯数の増加 持ち家との割合を勘案するとともに 多様なライフステージ ( 住み替え ) への対応や住まいの情報提供等の施策展開により増加を見込んで 民営の借家及び公営の借家 ( 市営住宅 県営住宅 公的資金住宅で約 100 戸 ) での供給を目指します 持ち家や借家以外の間借りやその他( 施設等 ) の世帯は 現状数の確保を基本としています 目標年次における住宅に住む世帯数 区 総 分 数 住宅に住む一般世帯 持ち家借家 実績値 目標値 平成 7 年 平成 12 年 平成 17 年 平成 27 年 世帯数 割合 世帯数 割合 世帯数 割合 世帯数 割合 66,639-72,189-73,717-78,400-65,340 100.0% 70,485 100.0% 71,557 100.0% 76,240 100.0% 39,406 60.3% 41,786 59.3% 43,842 61.3% 48,280 63.3% 25,264 38.7% 27,832 39.5% 27,074 37.8% 27,320 35.8% 公営の借家 4,029 6.2% 4,147 5.9% 4,213 5.9% 4,310 5.7% 民営の借家 17,449 26.7% 19,811 28.1% 19,677 27.5% 19,830 26.0% 給与住宅 3,786 5.8% 3,874 5.5% 3,184 4.4% 3,180 4.2% 間借り 670 1.0% 867 1.2% 641 0.9% 640 0.8% その他 1,299-1,704-2,160-2,160 - 注 )* 実績値は国勢調査 * 持ち家は分譲住宅 マンションも含まれる * 公営の借家は県営又は市営の住宅 アパート 公団 公社の賃貸住宅 アパートが含まれる * 給与住宅は勤務先の会社又は雇主が借りている一般住宅に住んでいる場合も含まれる * その他は施設等 ( 寮 寄宿舎 病院 療養所 社会施設 ) が含まれる 備 考 26
(3) その他の目標とする指標の設定 人口 世帯数等以外の目標とする指標を住宅施策の基本方針や国及び県計画をもとに以下のように設定します 備考区分現状目標 ( 県の目標 ) 高齢者向け優良賃貸住宅 ( 安心ハウス ) の 51 戸 240 戸 32 戸 470 戸整備現在 160 戸の供給を計画をしているが 今後高齢化の進展が予想されるため 目標を 240 戸とする 老朽公営住宅の建替 ( 平成 5 年度以降 ) 267 戸 469 戸 801 戸 2,300 戸 昭和 45 年以前に建設された 簡易耐火平屋建及び簡易耐火二階建住宅 202 戸の建て替えを目標とする 特定公共賃貸住宅の整備 ( 小浜アパート及 64 戸 100 戸 439 戸 500 戸びチェリーハイツ ) 特定公共賃貸住宅は中堅所得者用の住宅であり 今後公営住宅法施行令の改正が予想され公営住宅入居資格の所得を越える中堅所得者の増加が見込まれるため 100 戸を目標とする 1,103 戸 若者向け賃貸住宅 ( 定住促進住宅 ) の整備 82 戸 118 戸 1,400 戸 若者定住施策の一環として 定住促進住宅の目標 118 戸とする 公営住宅のバリアフリー化率 15.8% 50% 34.9% 50.9% 今後 東朝日町アパート全面改善及び高齢者向け改善等を行い バリアフリー化を推進していく 最低居住面積水準未満率 3.1% ( 住調より ) 早期に解消 約 2.4% 早期に解消 世帯人員に見合う居住面積への住替えの情報提供により 最低居住面積水準の改善を図る 新耐震基準 ( 昭和 56 年基準 ) が求める耐震性を有する住宅ストックの比率 50.9% 90% 64% 90% 建替え及びリフォームにより 耐震性を有する住宅ストックの向上を図る 老朽住宅の解消 ( 昭和 25 年以前に建築された住宅ストックの比率 ) 建替え及びリフォームにより 老朽住宅の解消を図る 幅員 4m 以上の道路への未接道住宅ストックの比率 8.0% ( 住調より ) 54.1% ( 住調より ) 狭隘道路の解消を推進し 地域の防災性能の向上を図る 7% 15% 9% 45% 56% 45% がけ地近接等危険住宅移転事業の取り組 76 戸 100 戸 26 戸 100 戸み戸数がけ地近接等の危険住宅については 災害による危険性の周知を図り 安全な場所への移転を促進する 注 )* 住調は平成 15 年住宅 土地統計調査 27
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