佐野市子ども読書活動推進計画 ( 三期計画 ) 素案 子どもに本と出会う機会を ~ 楽しく読める環境づくり ~ 平成 30 年 2 月 栃木県佐野市
はじめに 子どもは大人へと成長していく中で たくさんのことを学び 体験し その積み重ねによって人格を形成していきます その中で 多くの大人との巡り会いが 時には その子にとって人生に大きな影響を与えます それは 1 冊の本にも同じことが言えます 本は知らず知らずのうちに考えさせます 想像させます 集中させます そこから 子どもは自らの世界を一気に広めることができます そして その本とのより良い出会いに導いていけるのが 家庭や地域 学校の大人でもあります 大人自身が本のよさに気づいていてほしい 良い本を欲していてほしい そのことが 子どもたちが自然と本に触れる後ろ盾になると確信しております 佐野市では平成 20 年 3 月に 佐野市子ども読書活動推進計画 を 平成 25 年 2 月に二期計画を策定し 子どもたちには たくさんの読書体験をしてほしい 読書の喜びを感じてほしいとの思いから 子どもの読書活動の推進に取り組んできました 過去 10 年間の様々な取組を通して 本を読むことが好きな子供の増加など 子どもの読書活動の一定の成果が得られましたが 今後も継続して事業を実施するとともに 新たな取組を推進していく必要があります このたび 一期 二期計画における成果や課題などを検証し 新たな 佐野市子ども読書活動推進計画 ( 三期計画 ) 子どもに本と出会う機会を~ 楽しく読める環境づくり~ を策定しました 特に 感性豊かな中 高生の時代に 良書に巡り会う機会を増やし 本を読むことの喜びを感じてほしいと 今回の計画にも盛り込みました 本計画に基づき 家庭 地域学校等における取組の一層の充実を図り さらに子ども読書活動推進に取り組んでまいります 最後になりましたが 子ども読書活動推進計画策定懇談会及び策定委員会委員の皆様をはじめ アンケート調査にご協力下さった方々 パブリック コメントで貴重なご意見をお寄せ下さった多くの皆様に お礼を申し上げます 平成 30 年 2 月 佐野市長岡部正英
佐野市子ども読書活動推進計画 ( 三期計画 ) の概念図 基本目標 子どもに本と出会う機会を ~ 楽しく読める読書環境づくり ~ 基本方針 Ⅰ 子どもが読書に親しむ機会の提供 Ⅱ 子どもの読書環境の整備 充実 Ⅲ 子どもの読書活動推進体制の整備 Ⅳ 子どもの読書に関する啓発 広報活動の推進 推進体制 家庭 学校 連携 協力 地域 幼稚園 保育園認定こども園公民館小 中学校児童館等高等学校等ボランティア 支援 行政
目 次 第 1 章佐野市子ども読書活動推進計画 ( 三期計画 ) の概要 1 計画策定の趣旨及び経緯 1 2 計画の対象 2 3 計画の期間 2 4 二期計画の取組と成果 課題 2 第 2 章基本的な考え方 1 基本目標 3 2 計画の指標 3 3 基本方針 5 4 施策の体系 6 第 3 章子ども読書活動推進のための施策 第 1 節子どもが読書に親しむ機会の提供 1 家庭における子ども読書活動の推進 7 2 地域における子ども読書活動の推進 10 3 学校における子ども読書活動の推進 12 4 幼稚園 保育園 認定こども園における子ども読書活動の推進 16 5 における子ども読書活動の推進 18 第 2 節子どもの読書環境の整備 充実 1 学校の整備 充実 22 2 等の整備 充実 24 第 3 節子どもの読書活動推進体制の整備 1 関係機関との連携 協力 2 施設 企業との連携 協力 26 26 3 ボランティアグループ等との連携 協力 26 4 による学校への支援の充実 26 第 4 節子どもの読書に関する啓発 広報活動の推進 1 子ども読書の日 を中心とした啓発 広報 27 2 文字 活字文化の日 を中心とした啓発 広報 27 3 情報の収集と提供 27
第 1 章佐野市子ども読書活動推進計画 ( 三期計画 ) の概要 1 計画策定の趣旨及び経緯 (1) 子どもの読書活動の意義子どもの読書活動は 子どもが言葉を学び 感性を磨き 表現力を高め 創造力を豊かなものにし 人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないもの ( 子どもの読書活動の推進に関する法律 第 2 条 ) です 子どもは 読書により未知の世界を知り 自分自身の考えを深め 自ら考え 判断し 表現する力や他人を思いやる心を養っていきます 子どもと本の出会いのためには 本がいつでもどこでも 身近なところにあることと 子どもと本を結びつける大人の働きが重要です 保護者はもとより 子どもをとりまく大人が読書に親しみ その意義を理解し 子どもたちが読書に楽しく向き合えるような働きかけと環境づくりが必要です (2) 国や県の動き 国の動き 平成 13 年 12 月 子どもの読書活動の推進に関する法律 公布 施行 平成 14 年 8 月 子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画 閣議決定 平成 17 年 7 月 文字 活字文化振興法 公布 施行 平成 20 年 3 月 第二次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画 閣議決定 平成 24 年 12 月 の設置及び運営上の望ましい基準 改正 平成 25 年 5 月 第三次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画 閣議決定 平成 26 年 6 月 学校法の一部を改正する法律 公布 施行 県の動き 平成 16 年 2 月 栃木県子どもの読書活動推進計画 策定 平成 21 年 3 月 栃木県子どもの読書活動推進計画 ( 第 2 期 ) 策定 平成 26 年 3 月 栃木県子どもの読書活動推進計画 ( 第 3 期 ) 策定 佐野市では 平成 13 年に制定された 子どもの読書活動の推進に関する法律 を受け 平成 20 年 3 月に 佐野市子ども読書活動推進計画 を策定して以来 平成 25 年には二期計画を策定し 様々な事業を展開してまいりましたが 子どもをとりまく読書活動推進の取組はまだ十分とはいえません そこで 児童 生徒や 就学前児童の保護者を対象とした読書に関するアンケート調査を行い 現状を把握し 二期計画の見直しを図りました 家庭 地域 学校等が連携し 社会全体で子どもの読書活動の推進を図っていくという一期 二期計画の考え方を受け継ぎながら 新たに三期計画を策定することにより さらなる子どもの読書活動の推進を行おうとするものです また 佐野市総合計画 や 佐野市生涯学習推進基本計画 その他の行政計画との整合性を図りながら 施策の総合的かつ計画的な推進を図るものです 1
2 計画の対象 0 歳から 18 歳までとします なお 子どもをとりまく大人が子どもに与える影響も大きいことから 保護者や子どもの読書活動の推進にかかわる団体等の大人も対象とします 3 計画の期間平成 30 年度から平成 33 年度までの 4 年間とします 4 二期計画の取組と成果 課題二期計画では下記の様々な施策に取り組んできました Ⅰ 子どもが読書に親しむ機会の提供にて平成 27 年 7 月より 読書通帳 の配布を始めました また 平成 27 年度に未登録の全児童対象に利用者カードの登録を学校を通じて行い その後も毎年度当初に新 1 年生の登録の申込の受付を行い や移動の利用の機会を作るよう努めました Ⅱ 子どもの読書環境の整備 充実葛生の新館開設時には読書室 お話コーナーの整備を行いました また 市立の小中学校では 新しいシステムを導入し 資料整理の効率化を図りました Ⅲ 子どもの読書活動推進体制の整備小 中教研部会の研修会に職員が協力するなど 連携を図る取組を始めました Ⅳ 子どもの読書に関する啓発 広報活動の推進では 様々な機会に 絵本や児童書の展示を行いました このように 一定の成果がみられるものの 平成 29 年 1 月に実施した読書に関するアンケート調査の結果からも 依然として学齢が上がるごとに読書から遠ざかっていることが分かり 年代にあった読書推進の取組みが必要と考えられます また 読書環境の整備 充実はまだ十分とはいえません 特に高校生や未就学児の保護者を対象にした取組みが必要と考えられます 2
第 2 章基本的な考え方 1 基本目標子どもたちが 読書の楽しさに触れ 自発的な読書習慣を身に付けることを目的に 一期 二期計画での さまざまな読書の機会を提供すること 読書環境の整備 を発展させ継承します 子どもに本と出会う機会を ~ 楽しく読める環境づくり ~ を三期計画の目標とします 2 計画の指標計画の基本目標の実現に向けて 次の指標を設定します 読書状況 (1) 子どもの 1 か月の読書冊数 区分 平成 28 年度 平成 33 年度 ( 目標 ) 参考栃木県 (H28) 実績 小学 5 年生 6.8 冊 (5.3) 8 冊 7.78 冊 中学 2 年生 3.1 冊 (2.8) 4 冊 3.02 冊 高校 2 年生 2.6 冊 (1.6) 3 冊 1.47 冊 平成 28 年度の数値は平成 29 年 1 月読書に関するアンケート調査より ( ) 内は平成 23 年度調査結果 栃木県の数値は 栃木県子どもの読書活動に関する実態調査結果より (2) 子どもの不読率 区分 平成 28 年度 平成 33 年度 ( 目標 ) 参考栃木県 (H28) 実績 小学 5 年生 11.0%(15.9) 4% 4.1% 中学 2 年生 12.2%(14.3) 10% 19.8% 高校 2 年生 36.2%(40.2) 32% 39.9% 平成 28 年度の数値は平成 29 年 1 月読書に関するアンケート調査より ( ) 内は平成 23 年度調査結果 上記アンケートにおいて 読まない ほとんど読まない と答えた子ども の割合 栃木県の数値は 栃木県子どもの読書活動に関する実態調査結果より 3
(3) 市内のの児童書と学校の貸出冊数 区分 平成 28 年度 平成 33 年度 ( 目標 ) 232,084 冊 300,000 冊 小学校 中学校 233,510 冊 (1 人あたり 40 冊 ) 31,700 冊 (1 人あたり 9 冊 ) 270,000 冊 (1 人あたり 50 冊 ) 35,000 冊 (1 人あたり 12 冊 ) 合計 497,294 冊 605,000 冊 参考高等学校 市内 6 校の高校の合計冊数 7,632 冊 (1 人あたり 2 冊 ) 中学校の数値は 公立及び私立中学校分の合計である 家庭における読書環境について (4) 子どもに読み聞かせをしている家庭の割合平成 33 年度区分平成 28 年度 ( 目標 ) 未就学児の家庭 82.3%(88.9) 94% 平成 28 年度の数値は平成 29 年 1 月読書に関するアンケート調査より ( ) 内は平成 23 年度調査結果 (5) 家の人がよく読書をしていると回答した割合 ( 平均 ) 区分 平成 28 年度 平成 33 年度 ( 目標 ) 小学 5 年生中学 2 年生高校 2 年生 46.8%(54.1) 55% 平成 28 年度の数値は平成 29 年 1 月読書に関するアンケート調査より ( ) 内は平成 23 年度調査結果 4
3 基本方針二期計画を踏襲し 引き続き次の 4 つを基本方針とします Ⅰ 子どもが読書に親しむ機会の提供読書の楽しさ 必要性を理解できるよう 家庭 地域 学校 などで 子どもが読書に親しむ機会を提供していきます また 子どもの発達の段階に応じた取組みを行い 子どもが読書を継続的に楽しむことができる力を育てます Ⅱ 子どもの読書環境の整備 充実質 量ともに図書資料の充実を図り 学校や その他の様々なところで 本に触れられる環境整備を行っていきます また 子どもの読書活動を支える読み聞かせボランティア等の研修の機会を作り 育成を図ります また 司書 司書教諭 学校事務職員等のスキルアップに努めます Ⅲ 子どもの読書活動推進体制の整備家庭 地域 学校 など 子どもの読書活動に関係するすべての人が連携 協力し 社会全体で子どもの読書活動を推進する体制を整備していきます Ⅳ 子どもの読書に関する啓発 広報活動の推進保護者や教職員 保育士など 子どもをとりまく大人に対しても 広く 読書の楽しさや必要性について 啓発 広報活動を行います 5
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第 3 章子ども読書活動推進のための施策 第 1 節子どもが読書に親しむ機会の提供 1 家庭における子ども読書活動の推進 現状と課題 絵本をとおしての親子の触れ合いは 言葉や知識の獲得 愛情の確認など 親子ともに大きな意味を持つものです 成長するにつれ 読書が生活の一部となっていくには 子どもの生活の基礎である家庭が 大きな影響力を持ちます 読書に関するアンケートでは 約 78% の子どもが読み聞かせをしてもらっており その多くが父母を含む家族からとなっております また 保護者の約 82% の方が 子どもに読み聞かせを行ったことがあり 概ね 読書の大切さを理解しているといえます 現在 子どもの読書習慣の定着に向けて 乳幼児期から絵本に親しむなど 家庭における読み聞かせや読書活動の重要性への理解を深めるよう啓発を行っていますが これまで以上に保護者に働きかける必要があります 7
小さいときに 本を読んでもらいましたか 1.8% 小学 5 年生 中学 2 年生 高校 2 年生 37.7% 35.8% 35.7% 31.9% 40.2% 42.7% 9.3% 11.1% 3.6% 6.3% 11.6% 1.4% 18.1% 12.9% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% よく読んでもらった あまり読んでもらわなかった 覚えてない 時々読んでもらった 読んでもらわなかった 主に誰から本を読んでもらいましたか 父母 61.3% 63.3% 74.6% 家族 ( 祖父母 兄や姉など ) 31.5% 24.9% 27.5% 保育園や幼稚園の先生 39.6% 43.0% 40.1% 学校の先生 3.2% 4.9% 7.2% 読み聞かせボランティア 28.4% 19.0% 25.3% 覚えてない 1.4% 0.7% 1.7% その他 0.2% 0.0% 0.8% 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 小学 5 年生 中学 2 年生 高校 2 年生 子どもに本を読んであげたことはありますか よく読んでいる 22.4% 時々読んでいる 59.9% あまりない 16.5% 読んだことはない 0.4% その他 0.8% 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 平成 29 年 1 月読書に関するアンケート調査より 8
施策の方向性 保護者の読書活動への意識の醸成乳幼児健康診査や ブックスタート事業などの場で また 幼稚園 保育園 認定こども園 学校などから ブックリストや情報誌等を配布し 保護者への情報提供 啓発を行っていきます 主な取組 事業名 概要 関係機関等 ブックスタート事業 継続 その他の健康診査時の啓発 継続 おはなし会 継続 9 か月児健康診査時に ブックスタートボランティアや員による絵本の読み聞かせとともに ブックスタートパック ( 絵本 1 冊と 0 歳児向け読書啓発資料のセット ) を配布し 保護者の啓発を行う 4ヶ月 6ヶ月 1 歳 6ヶ月 3 歳児健康診査時に 家庭での絵本の読みきかせの状況を聞いたり 該当月齢にあった絵本のパンフレットの配布を行う 年齢ごとのおはなし会 絵本の読み聞かせをとおして保護者の啓発を行う 健康増進課 健康増進課 児童館 子育て情報誌による啓発 継続 家庭への情報発信 継続 毎年発行する 子育て情報誌 での情報提供により 保護者の啓発を行う 家庭への通信の中で保護者へ読書に関する情報提供 啓発を行う こども課 幼稚園 保育園 認定こども園 学校 9
2 地域における子ども読書活動の推進 現状と課題 公民館 子育て支援センター 児童館 こどもの国 こどもクラブ 保健センターなど 子どもや保護者が多く集まる施設では 現在 本の読み聞かせや催し物をとおして 子どもが本に出会う機会が少しでも多くなるよう活動しています また 読書に関するアンケート結果において 読み聞かせボランティアから読んでもらったとの回答が多いことから 読み聞かせボランティアの存在は大きいと言えます 現在 たくさんのボランティアが 様々な施設で絵本の読み聞かせなど読書活動推進のための活動を行っていますが 社会が一体となって読書活動の推進を図るためには 今後も地域のボランティアとの協働は不可欠といえます ボランティアの活動の場を広げていくとともに ボランティアの育成 スキルアップも課題です 施策の方向性 本を媒介とした催しの実施公民館 子育て支援センター 児童館 こどもの国 こどもクラブ 保健センターなどで 絵本の読み聞かせや 本を媒介とした催し物など 一層の充実を図ります 保護者への啓発活動の実施各施設で保護者への啓発を継続して行っていきます ボランティアとの協働ボランティアの活動の場を広げ 協働することにより子どもの読書活動の推進を図ります ボランティアの育成 スキルアップボランティアの発掘 育成や スキルアップのための研修を行っていきます 10
11 主な取組 事業名概要関係機関等絵本等の読み聞かせ 継続 絵本や紙芝居の読み聞かせ 絵本の選び方のアドバイスなどを行い 読書活動の推進を行う 児童館こどもクラブ子育て支援センタ公民館健康増進課読書活動推進の啓発 継続 子育て情報誌 により読書活動の推進を行う ( 再掲 ) 子育て支援室 ぴよぴよルーム において読書活動の推進を行う こども課保育課親と子のふれあい活動 継続 親と子のふれあい活動 において読書活動の推進を行う 公民館集会所子ども学習会開催事業 継続 集会所子ども学習会 において 読み語り の学習などをとおして 読書活動の推進を行う 生涯学習課乳幼児健康診査事業 継続 乳幼児健康診査の際に 年齢に応じた推奨図書を掲載したブックリストを配布し 保護者への啓発を行う 健康増進課ボランティアの育成 継続 ボランティア団体等の活動の手助けをしたり 必要な情報等をお知らせする 生涯学習課ボランティアのスキルアップ 新規 絵本の読み聞かせや ブックトークなど 子どもの読書に関する技術や知識の習得のため研修会を開催する 生涯学習課ブックスタートボランティアの育成 継続 ブックスタート事業で絵本の読み聞かせを行うボランティアを育成する 健康増進課
3 学校における子ども読書活動の推進 現状と課題 現在 市内の全小中学校において全校一斉読書の時間を設けており 児童 生徒の集中力を高め 読書に対する興味を持たせるのに役立っています 読書に関するアンケートでは 小学 5 年生の約 90% が本を読むことを 好き どちらかといえば好き と答えていますが 中学 2 年生では約 88% 高校 2 年生では約 84% と 成長するにしたがって その割合は減少しています また 小学 5 年生では 89% の子どもが 本を 毎日読んでいる ときどき読んでいる のに対し 高校 2 年生では約 64% となり 学齢が上がるにつれ 部活動等で忙しくて読書の時間が取れない現状がわかります さらに 学校の図書室で本を借りる割合は 小学 5 年生が約 97% 中学 2 年生が約 58% 高校 2 年生が約 17% となっています 自発的な読書のためには 本は楽しい と思えることが必要です さらに 1 日の大半を過ごし 様々な知識を得 経験をする学校での取組みは 子どもに大きな影響があると言えます 今後も引き続き 全校体制での取組みや それぞれの発達の段階に応じた取組 指導 支援を行っていく必要があります 12
本を読むことが好きですか 小学 5 年生 58.5% 32.0% 7.5% 1.9% 中学 2 年生 54.3% 33.8% 9.3% 2.6% 高校 2 年生 49.0% 34.8% 11.4% 4.8% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 好きどちらかといえば好きどちらかといえば嫌い嫌い どれくらい本を読んでいますか 小学 5 年生 31.3% 57.7% 9.8% 1.2% 中学 2 年生 47.4% 40.4% 9.9% 2.3% 高校 2 年生 12.9% 51.0% 25.2% 11.0% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 毎日読んでいるときどき読んでいるほとんど読まない読まない 学校の図書室で本を借りますか 平成 29 年 1 月読書に関するアンケート調査より 小学 5 年生 96.8% 3.2% 中学 2 年生 57.9% 42.1% 高校 2 年生 16.7% 83.3% 0% 20% 40% 60% 80% 100% はい いいえ 平成 29 年 1 月読書に関するアンケート調査より 13
施策の方向性 読書習慣の確立 校内一斉読書活動 や 読書週間 の催しなどをとおして 読書の習慣が身に付くよう指導します 自主的に本に向き合うような指導小学生以下を対象に読み聞かせやブックトーク 中高生を対象にビブリオバトルなどを通して 読書に興味を持つ機会を提供し 子どもが自主的に本に向き合うような 発達の段階に応じた指導をします 言語に関する能力の育成論理的思考やコミュニケーション 感性 情緒の基盤となる 言語に関する能力 を高めるため 読書の推進を図ります 学校の利用促進平成 29 年 1 月に行ったアンケートでも 小学校 5 年生の約 97% が 中学校 2 年生では約 58% が学校の図書室で本を借りていると回答しています このことからも 児童 生徒にとって日常的に利用できるところとして その重要性は欠くことができないものです また 学習指導要領の各教科の項目においても 学校を活用した教育活動の展開が大切であるとしています 様々な教科で広く利用できる場として環境を整え 読書活動の推進を図ります 家庭との連携 学校だより や 学校だより などで 保護者へ読書に関する情報提供 啓発を行い 保護者の読書に対する意識の高揚を図ります 14
主な取組 事業名 概要 関係機関等 朝の一斉読書 ( 校内一斉読書 ) 継続 読書週間や読書に関わる催しの実施 継続 学校だより の発行 継続 学校独自の 推薦図書 の選定 継続 読み聞かせ 継続 全校一斉に読書の時間を設け 集中力を高め 読書に親しむ機会を設ける 読書週間や読書に関わる催し ( 家読読書 ビブリオバトル 多読者の表彰等 ) の実施をとおして 読書への興味 関心を高め 読書に親しむ機会を設ける 学校だより の発行により 児童生徒や保護者へ読書に関する情報提供 啓発を行い 読書に対する意識の高揚を図る 学校独自に推薦図書を設定するなど 幅広く読書に親しもうとする意欲を育てる 教職員や保護者 地域ボランティアなど 様々な人からの読み聞かせを通して 読書への興味 関心 意欲を高める また 小学校高学年 中学生 高校生は 下級生への読み聞かせをすることにより 読書への興味 関心 意欲を高める 学校 学校 学校 学校 学校 ブックトーク : ある主題に関連する数冊の本を集め その本の魅力について語りながら 本の紹介を行う ビブリオバトル : 数名が お勧めの本を持寄り それぞれの本を紹介し合い 一番読みたくなった本を参加者の多数決で決定する書評会 15
4 幼稚園 保育園 認定こども園における子ども読書活動の推進 現状と課題 幼稚園 保育園 認定こども園では 日々 本を媒介とした教育 保育などに取り組んでいます 就学前の自我の目覚め始める時期の本へのアプローチは 子どもにとって大きな意味を持つといえます 保護者に対する読書に関するアンケートでは すでにほとんどの方が読書の重要性を理解していますが 継続して保護者に対しての情報発信などを行っていく必要があります あなた ( 保護者 ) は 読書は大切だと思いますか 思う 77.6% どちらかといえばそう思う 21.4% どちらかといえばそう思わない 思わない 0.6% 0.4% 平成 29 年 1 月読書に関するアンケート調査より 16
施策の方向性 本を媒介とした教育 保育絵本の読み聞かせなど 本を媒介とした日々の教育 保育をとおして 楽しみながら本に親しみ 読書に関心を持てるよう 読書活動の推進を図ります 家庭との連携 園だより などで 保護者へ読書に関する情報提供 啓発を行い 保護者の読書に対する意識の高揚を図ります 主な取組 事業名 概要 関係機関等 読み聞かせ 継続 日常の教育 保育の中で 本に親しむ機会を広げていく 幼稚園 保育園 認定こども園 園だより 等による情報提供 啓発 継続 園だより などで保護者に対する情報提供 啓発を行う 幼稚園 保育園 認定こども園 17
5 における子ども読書活動の推進 現状と課題 は たくさんの本と出会えるところです おはなし会 読書感想画の募集 展示 など や本が好きになるような参加型の催しを実施しています 読書に関するアンケートの結果からは 市内ので本を借りる割合は 小学 5 年生では約 62% であるが 中学 2 年生では約 30% 高校 2 年生では約 21% であり 学齢が上がるほど から遠ざかっている傾向がみられるため 発達の段階に応じたの利用促進に努める必要があります また 子どもの読書活動推進の拠点として 活動を展開していく必要があります 市内ので本を借りますか 小学 5 年生 61.7% 38.3% 中学 2 年生 29.9% 70.1% 高校 2 年生 21.1% 78.9% 0% 20% 40% 60% 80% 100% はい いいえ 平成 29 年 1 月読書に関するアンケート調査より 18
施策の方向性 の魅力が発見できる事業の充実や情報の提供 子どもの読書週間 や 読書週間 での催しや 職場体験学習をとおして や本の魅力を感じられる事業の実施や 情報の提供をします 発達の段階に応じた読書支援定例的におはなし会を実施し また ブックスタート事業のフォローアップとしての小さな子のおはなし会を行っていきます また たくさんある本の中から 読みたいと思う本のきっかけづくりや 0 歳児から高校生まで 発達に応じた本の紹介などをしていきます 学校 幼稚園 保育園 認定こども園への読書支援団体貸出を充実させ 学校や幼稚園 保育園への読書支援を行います 館外サービスに足を運ぶ人は市民の中の一部です から出張しておはなし会やブックトークを行い 子どもが本にふれる機会を広げていきます 中 高生向けの事業の充実中学生 高校生が読書に関心を持てるような魅力的なイベント等を実施していきます また ホームページを活用した情報提供 啓発を行います 19
主な取組 事業名 概要 関係機関等 職場体験学習の受入れ 継続 利用推進事業 継続 おはなし会 継続 中高生の職場体験学習を受け入れ を身近なものに感じてもらう 主に小学 3 4 年生を対象に の利用の仕方 での調べ学習の仕方などを教え 本やに興味を持ってもらう 定例的におはなし会を実施し 本やに興味を持ってもらう 小さな子のおはなし会 継続 おすすめ本のリストの作成 充実 ブックトーク 充実 0 歳 ~3 歳児とその保護者を対象におはなし会を実施し 保護者への啓発を行う 0 歳から高校生まで年齢に応じたおすすめの本のリストを作成し 本への興味を喚起する おすすめの本の紹介を行うことにより 本に興味を持ってもらう 読書感想画の募集 展示 継続 子ども向けの情報提供 継続 館外サービス 継続 読んだ本の感想を絵に描くことにより また 応募作品を展示 観覧することで 気軽に読書を楽しむ機会をつくる 館内 OPACの こども用 バージョンの整備を行い 子どもでもわかりやすい案内を行う おはなし会やブックトークを出張して行う 中高生向けイベント 新規 ホームページでの情報提供 啓発 新規 ビブリオバトル等の中高生が読書に興味を持てるようなイベントを行う 中高生がに関心を持てるような情報発信を行う 20
読書通帳 継続 読書習慣の育成を図るため 小学生にオリジナルの読書通帳の配布を行う 移動 継続 団体貸出 継続 小学生の司書体験 継続 希望する小学校 保育園 幼稚園 認定こども園 こどもクラブへ巡回し から遠距離にある地域へのサービスを行う 教科書に対応する図書の収集 また 学校やこどもクラブに向け団体貸し出しを行い 調べ学習などの支援を行う 小学生高学年を対象にの司書の仕事を体験し に親しむ機会を作る 館内 OPAC( オーパック ): 利用者用の蔵書検索端末で 利用者が自由に操作できるものをいう 21
第 2 節子どもの読書環境の整備 充実 1 学校の整備 充実 現状と課題 学校蔵書冊数調査では 現在 市内ほとんどの小中学校は国の基準を上回る蔵書を所蔵しています しかしながら 古い本等も 書架に並べられていることもある状況なので 計画的に整備していく必要があります 学校を管理する人的環境整備として 司書教諭は平成 29 年 4 月 1 日現在 21 校に配置されています また 学校事務職員は 12 名おり 21 校に配置されています 今後も 市内のなどとも連携し 研修会を行い スキルアップに努めていく必要があります 平成 28 年度に市立全小中学校で 資料の電算管理システムの更新を行いました さらにシステムの利活用を図っていく必要があります 図書の修理 配架 整理などは 保護者や地域のボランティアの力によるところが大きい学校もあります ボランティアの受入体制をさらに整える必要があります 施策の方向性 資料の充実と計画的な整備新たに購入するとともに 古い本や汚損本などを廃棄し 資料を計画的に整備していきます ボランティアとの協働の推進保護者だけでなく 地域のボランティアなど広く受け入れる体制を整備します 適正な人的配置とスキルアップ司書教諭及び学校事務職員の配置については 子どもたちの読書活動の推進のためにはまだ十分とは言えません 業務内容の充実 スキルアップを図れる体制づくりに努めます 22
主な取組 事業名 概要 関係機関等 学校及び学級文庫図書の整備 継続 学校事務職員研修 充実 ボランティアによる支援 充実 学校との連携 継続 古い本 汚損本などの整備を行う の学校支援図書貸出制度やリサイクル本を活用し 学級文庫の充実を図る 学校事務職員の研修を行い スキルアップと共に 各種情報の共有を図る 地域のコーディネーターやボランティアと連携し の整備を行う 学校の調べ学習や授業のために 学校の要望に応じて 資料の貸出や 資料準備の相談を受ける 行事への講師派遣や助言等の協力も行う 学校 教育総務課 学校生涯学習課 学校生涯学習課 23
2 等の整備 充実 現状と課題 市立の児童書蔵書数は147,531 冊 (H29.3.31 現在 ) です 子どもにとって魅力のある本 子どもたちに読ませたい本 伝えたい本 大人が読み聞かせをしてあげたい本 さらには子育て支援の本など 子どもだけでなく 大人も利用したいと思う本をそろえていく必要があります また 平成 28 年度に葛生が開設され 建物内に授乳室が設置され おはなしコーナーなどの整備を行うことができました 現在 佐野 田沼 生の 3 館とも あかちゃんの駅 に登録されています 今後さらに 利用者からの要望も多く寄せられている児童用の洋式トイレの設置等 乳幼児とその保護者や児童生徒が 気持ち良く利用できる環境を整えて 足を運びたくなるようなにしていく必要があります また 市内の子育て支援のための各施設やこどもクラブ 幼稚園 保育園 認定こども園 公民館には 図書コーナーや図書室が設けられています 引き続き魅力ある読書環境づくりに取り組む必要があります 施策の方向性 資料の充実学校等関係機関と協力して多種多様な資料を揃えます 学校支援資料を拡充します YA 向け資料を充実させ 読書離れの始まる世代に働きかけます ボランティアの養成と活動の場の提供読み聞かせボランティアやボランティアなどの養成を図り その活動の場を提供します また 中高生ボランティアを育成し 連携して若者が利用しやすいづくりをしていきます 気軽に利用できるづくり乳幼児連れでも利用しやすい施設づくりを目指します 適切な人的配置とスキルアップ専門職員の適切な配置と職員のスキルアップを目指します 必要な本を選書する力と 子どもと本を結びつける様々な技術を身につけ の活動に活かして行きます 24
各施設内の図書コーナーの充実児童館などの子育て支援施設やこどもクラブ 幼稚園 保育園 認定こども園 公民館の図書コーナーや図書室を整備 充実していきます 主な取組 事業名 概要 関係機関等 学校支援資料の充実 継続 YA 資料の充実 充実 調べ学習支援や読書支援の資料を充実する YA 世代のニーズを的確にとらえた選書と配架展示の工夫を行う 資料の整備 継続 ボランティアの養成と活動の場の提供 充実 職員のスキルアップ 継続 ロングセラーのものなど 計画的な買い替えや補充に努めるとともに 新しい良い資料の発見に努力する 中高生を含むボランティアを養成し 活動の場を広げる また 研修の機会や必要な情報の周知を行う 各種研修会に積極的に参加する YA( ヤングアダルト ): 中学高校生世代の青少年 では この世代向けの資料を YA 資料 という 25
第 3 節子どもの読書活動推進体制の整備 1 関係機関との連携 協力 学校 こどもクラブ 幼稚園 保育園 認定こども園 児童館 子育て支援センタ 保健センター 公民館など 子どもの読書活動に携わるすべての関係機関が連携 協力し 総合的に子ども読書活動の推進を図ります 2 施設 企業との連携 協力市内の社会教育施設 ( 美術館 化石館等 ) や市の他の部署 企業とも連携 協力し 子どもが本に関心を持てるような取り組みをしていきます 3 ボランティアグループ等との連携 協力のボランティア 各学校のボランティア 各施設のボランティア 地域のボランティアコーディネーターなど 子どもの読書活動に携わるすべてのボランティアが連携 協力し 情報の共有化 情報交換などを行い 子ども読書活動の推進を図ります 4 による学校への支援の充実と学校の交流をさらに進め は学校活動を支援していきます 26
第 4 節子どもの読書に関する啓発 広報活動の推進 1 子ども読書の日 を中心とした啓発 広報毎年 4 月 23 日の 子ども読書の日 さらに 4 月 23 日から 5 月 12 日の こどもの読書週間 にあわせて 子どもが参加できる行事等を実施し 読書への関心を高められるよう 啓発に努めます 2 文字 活字文化の日 を中心とした啓発 広報毎年 10 月 27 日の 文字 活字文化の日 を中心に 10 月 27 日から 11 月 9 日の 読書週間 に合わせて 子どもだけでなく 大人も参加できる行事等を実施することによって 子どもと子どもをとりまく大人も 読書への関心を高められるよう啓発を行います 3 情報の収集と提供や学校では 子どもの読書活動の推進を目指す先進事例などの情報収集を図り さらにそれらの情報を各施設 ボランティアなどに提供していきます だより や ホームページ 市の広報などを利用して 広く市民の方に情報を発信していきます 27