ける発展が必要です 子宮癌肉腫の診断は主に手術進行期を決定するための子宮摘出によって得られた組織切片の病理評価に基づいて行い 組織学的にはいわゆる癌腫と肉腫の2 成分で構成されています (2 近年 子宮癌肉腫は癌腫成分が肉腫成分へ分化した結果 組織学的に2 面性をみる とみなす報告があります (1,

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1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後 予測因子および副作用発現の危険因子についての探索的研究 (JACCRO GC-07AR) という臨床研究について説明したものです この文書と私の説明のな かで わかりにくいと

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埼玉医科大学倫理委員会

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する 研究実施施設の環境 ( プライバシーの保護状態 ) について記載する < 実施方法 > どのような手順で研究を実施するのかを具体的に記載する アンケート等を用いる場合は 事前にそれらに要する時間を測定し 調査による患者への負担の度合いがわかるように記載する 調査手順で担当が複数名いる場合には

1)表紙14年v0

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(目的)

32 子宮頸癌 子宮体癌 卵巣癌での進行期分類の相違点 進行期分類の相違点 結果 考察 1 子宮頚癌ではリンパ節転移の有無を病期判定に用いない 子宮頚癌では0 期とⅠa 期では上皮内に癌がとどまっているため リンパ節転移は一般に起こらないが それ以上進行するとリンパ節転移が出現する しかし 治療方法

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学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

<303491E592B BC92B08AE02E786C73>

群馬大学人を対象とする医学系研究倫理審査委員会 _ 情報公開 通知文書 人を対象とする医学系研究についての 情報公開文書 研究課題名 : がんサバイバーの出産の実際調査 はじめに近年 がん治療の進歩によりがん治療後に長期間生存できる いわゆる若年のがんサバイバーが増加しています これらのがんサバイバ

外来在宅化学療法の実際

12_モニタリングの実施に関する手順書 

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臨床研究許可申請書の提出に際しての留意事項

3. 本事業の詳細 3.1. 運営形態手術 治療に関する情報の登録は, 本事業に参加する施設の診療科でおこなわれます. 登録されたデータは一般社団法人 National Clinical Database ( 以下,NCD) 図 1 参照 がとりまとめます.NCD は下記の学会 専門医制度と連携して

臨床研究実施計画書

別紙様式第1

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Microsoft Word - JONIE-TR 患者説明書.docx

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血液 尿を用いたライソゾーム病のスクリーニング検査法の検討 に関する説明書 一般財団法人脳神経疾患研究所先端医療研究センター 所属長衞藤義勝 この説明書は 血液 尿を用いたライソゾーム病のスクリーニング検査法の検討 の内容について説明したものです この研究についてご理解 ご賛同いただける場合は, 被

EBウイルス関連胃癌の分子生物学的・病理学的検討

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

ただし 対象となることを希望されないご連絡が 2016 年 5 月 31 日以降にな った場合には 研究に使用される可能性があることをご了承ください 研究期間 研究を行う期間は医学部長承認日より 2019 年 3 月 31 日までです 研究に用いる試料 情報の項目群馬大学医学部附属病院産科婦人科で行

70% の患者は 20 歳未満で 30 歳以上の患者はまれです 症状は 病巣部位の間欠的な痛みや腫れが特徴です 間欠的な痛みの場合や 骨盤などに発症し かなり大きくならないと触れにくい場合は 診断が遅れることがあります 時に発熱を伴うこともあります 胸部に発症するとがん性胸水を伴う胸膜浸潤を合併する

研究課題名 臨床研究実施計画書 研究責任者 : 独立行政法人地域医療推進機構群馬中央病院 群馬県前橋市紅雲町 1 丁目 7 番 13 号 Tel: ( 内線 )Fax: 臨床研究期間 : 年月 ~ 年月 作成日 : 年月日 ( 第 版

原発不明がん はじめに がんが最初に発生した場所を 原発部位 その病巣を 原発巣 と呼びます また 原発巣のがん細胞が リンパの流れや血液の流れを介して別の場所に生着した結果つくられる病巣を 転移巣 と呼びます 通常は がんがどこから発生しているのかがはっきりしている場合が多いので その原発部位によ

1-0 治験実施計画書の要約

43048腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約第1版 追加資料

性黒色腫は本邦に比べてかなり高く たとえばオーストラリアでは悪性黒色腫の発生率は日本の 100 倍といわれており 親戚に一人は悪性黒色腫がいるくらい身近な癌といわれています このあと皮膚癌の中でも比較的発生頻度の高い基底細胞癌 有棘細胞癌 ボーエン病 悪性黒色腫について本邦の統計データを詳しく紹介し

2. 研究の目的及び意義について目的 : 手根管症候群の臨床的な重症度と腱鞘滑膜に発現する炎症性のサイトカインやAGEsの関連を検討する事です 意義 : 手根管症候群の重症度と周囲組織の炎症の相関が明らかになれば 抗炎症作用を持つ薬剤が手根管症候群の治療に有用となる理由がより明らかとなると考えられま

臨床研究に参加される研究対象者の方へ 皮膚症状を呈する膠原病における炎症性サイトカインの病態への関与について に関する研究の説明 これは臨床研究への参加についての説明文書です 本臨床研究についてわかりやすく説明しますので 内容を十分ご理解されたうえで 参加するかどうか患者さんご自身の意思でお決め下さ

資料1_事業実施計画書


子宮頸がん 1. 子宮頸がんについて 子宮頸がんは子宮頸部に発生するがんです ( 図 1) 約 80% は扁平上皮がんであり 残りは腺がんですが 腺がんは扁平上皮がんよりも予後が悪いといわれています 図 1 子宮頸がんの発生部位 ヒトパピローマウイルス (HPV) 感染は子宮頸がんのリスク因子です

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の主要な治療薬として日本ならびに世界で広く使用されている MTX の使用により 関節リウマチの臨床症状の改善 関節破壊進行抑制 QOL 改善のみならず 生命予後の改善や心血管合併症リスクが軽減されることが示されており 現在の関節リウマチ治療においては必要不可欠な薬剤である 1990 年前後から MT

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 の相対生存率は 1998 年以降やや向上した 日本で

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094 小細胞肺がんとはどのような肺がんですか んの 1 つです 小細胞肺がんは, 肺がんの約 15% を占めていて, 肺がんの組 織型のなかでは 3 番目に多いものです たばことの関係が強いが 小細胞肺がんは, ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため, 手術 可能な時期に発見されることは少

9章 その他のまれな腫瘍

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は関連する学会 専門医制度と連携しており, 今後さらに拡大していきます. 日本外科学会 ( 外科専門医 ) 日本消化器外科学会 ( 消化器外科専門医 ) 消化器外科領域については, 以下の学会が 消化器外科データベース関連学会協議会 を組織して,NCD と連携する : 日本消化器外科学会, 日本肝胆

手順書03

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

9 中止基準 ( 研究対象者の中止 研究全体の中止について ) 10 研究対象者への研究実施後の医療提供に関する対応 通常の診療を超える医療行為 を伴う研究を実施した場合 研究実施後において 研究対象者が研究の結果より得られた利用可能な最善の予防 診断及び治療が受けられるように努めること 11 研究

料 情報の提供に関する記録 を作成する方法 ( 作成する時期 記録の媒体 作成する研究者等の氏名 別に作成する書類による代用の有無等 ) 及び保管する方法 ( 場所 第 12 の1⑴の解説 5に規定する提供元の機関における義務 8 個人情報等の取扱い ( 匿名化する場合にはその方法等を含む ) 9

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6. 研究が終わった後 血液を他の研究に使わせてください 詳しくは ページへ 病には未解決の部分がまだ多く残っています 今後のさらなる研究のため ご協力をお願いいたします ( 必要に応じて ) バンク事業へのご協力をお願いします 遺伝子を扱う研究を推進するため 多くの人の遺伝子の情報を集めて研究に使

限局性前立腺がんとは がんが前立腺内にのみ存在するものをいい 周辺組織やリンパ節への局所進展あるいは骨や肺などに遠隔転移があるものは当てはまりません がんの治療において 放射線療法は治療選択肢の1つですが 従来から行われてきた放射線外部照射では周辺臓器への障害を考えると がんを根治する ( 手術と同

診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

2. 転移するのですか? 悪性ですか? 移行上皮癌は 悪性の腫瘍です 通常はゆっくりと膀胱の内部で進行しますが リンパ節や肺 骨などにも転移します 特に リンパ節転移はよく見られますので 膀胱だけでなく リンパ節の検査も行うことが重要です また 移行上皮癌の細胞は尿中に浮遊していますので 診断材料や

が 6 例 頸部後発転移を認めたものが 1 例であった (Table 2) 60 分値の DUR 値から同様に治療後の経過をみると 腫瘍消失と判定した症例の再発 転移ともに認めないものの DUR 値は 2.86 原発巣再発を認めたものは 3.00 頸部後発転移を認めたものは 3.48 であった 腫瘍

15 氏 名 し志 だ田 よう陽 すけ介 学位の種類学位記番号学位授与の日付学位授与の要件 博士 ( 医学 ) 甲第 632 号平成 26 年 3 月 5 日学位規則第 4 条第 1 項 ( 腫瘍外科学 ) 学位論文題目 Clinicopathological features of serrate

北里大学病院モニタリング 監査 調査の受け入れ標準業務手順 ( 製造販売後臨床試験 ) 第 1 条 ( 目的 ) 本手順書は 北里大学病院において製造販売後臨床試験 ( 以下 試験とする ) 依頼者 ( 試験依頼者が業務を委託した者を含む 以下同じ ) が実施する直接閲覧を伴うモニタリング ( 以下

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33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

付表 登録数 : 施設 部位別 総数 1 総数 口腔咽頭 食道 胃 結腸 直腸 ( 大腸 ) 肝臓 胆嚢胆管 膵臓 喉頭 肺 骨軟部 皮膚 乳房 全体

4. 結果はお返ししない予定です [ 結果を開示しない場合 ] 今すぐに診療に役立てることができないため結果をお返ししない予定です ご理解く ださいますようお願いいたします 詳しくは ページへ ( 必要に応じて )5. 親権者の承諾のもと 未成年者の参加をお願いしています 詳しくは ページへ 6.

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 ): 施設 UICC-TNM 分類治療前ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 原発巣切除 ): 施設 UICC-TNM 分類術後病理学的ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 UIC

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配偶子凍結終了時 妊孕能温存施設より直接 妊孕能温存支援施設 ( がん治療施設 ) へ連絡がん治療担当医の先生へ妊孕能温存施設より妊孕能温存治療の終了報告 治療内容をご連絡します 次回がん治療の為の患者受診日が未定の場合は受診日を御指示下さい 原疾患治療期間中 妊孕能温存施設より患者の方々へ連絡 定

再発小児 B 前駆細胞性急性リンパ性白血病におけるキメラ遺伝子の探索 ( この研究は 小児白血病リンパ腫研究グループ (JPLSG)ALL-B12 治療研究の付随研究として行われます ) 研究機関名及び研究責任者氏名 この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示す通りです 研究代表者眞田昌国立病院

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6. 研究対象者として選定された理由 当科を受診された各種慢性肝疾患の方が研究対象者に含まれます 7. 研究対象者に生じる利益 負担および予想されるリスクノベルジン錠の国内臨床試験に置ける安全性評価対象例 74 例中 23 例 (31.1%) に副作用が認められ 主な自覚症状では悪心 4 例 (5.

B型肝炎ウイルスのキャリアで免疫抑制・化学療法を受ける患者さんへ

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44 4 I (1) ( ) (10 15 ) ( 17 ) ( 3 1 ) (2)

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I II III 28 29

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【1

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( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans

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5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

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子宮癌肉腫の組織成分が予後に与える影響 主研究責任者氏名 : 松尾高司 所属 : 南カリフォルニア大学産婦人科婦人科腫瘍部門 職名 : Assistant Professor 主研究者連絡先 : Koji Matsuo, MD, PhD, Assistant Professor Division of Gynecologic Oncology, Department of Obstetrics and Gynecology, Los Angeles County Medical Center, University of Southern California 2020 Zonal Avenue, IRD520, Los Angeles, CA90033, USA Tel: +1-323-226-3416, Fax: +1-323-226-3427 Email: koji.matsuo@med.usc.edu 国立がん研究センター中央病院内研究責任者氏名 : 温泉川真由 所属 : 国立がん研究センター中央病院乳腺 腫瘍内科 職名 : 医員 1. 背景子宮肉腫は子宮悪性腫瘍の 5-6% を占める希な腫瘍ですが 2013 年度のアメリカ合衆国の癌統計では 子宮悪性腫瘍による死亡者数全体の 30% を占める難治性の疾患でもあります (1-2 子宮癌肉腫は子宮肉腫においては最も代表的な組織型の一つですが 年間人口 100 万に対し 5.1-6.9 という極めて希な頻度であるために予後に寄与するための十分な研究が行われていません (3 他の組織型の子宮肉腫や高度異形成型の子宮体癌と比較しても 子宮癌肉腫ではリンパ節転移率が高く 患者予後は悪いとする報告があります (2,4-8 子宮癌肉腫の治療法は多岐にわたり 手術療法 放射線療法 全身化学療法が行われています 子宮癌肉腫は現在の診断検索で明らかとならない微小リンパ節転移が高頻度で認められ (9 病期 Ⅰ-Ⅲ の子宮癌肉腫症例では予後改善のためリンパ節郭清を推奨する報告もあります 10 (11-12 補助放射線療法は早期症例や播種 転移結節が不明瞭な症例において局所再発を抑制する役割があるとされていますが (13 遠隔再発が一般的である子宮癌肉腫においては 多くの研究で生存期間の改善に関した報告はされていません カルボプラチン シスプラチン イフォスファミドやパクリタキセルといった様々な化学療法が評価されてきていますが悪性度の高い子宮癌肉腫における治療効果は十分とはいえません (16-18 子宮癌肉腫に対して推奨される効果的な治療法は現時点では未だ不明確であり 今後の治療法にお

ける発展が必要です 子宮癌肉腫の診断は主に手術進行期を決定するための子宮摘出によって得られた組織切片の病理評価に基づいて行い 組織学的にはいわゆる癌腫と肉腫の2 成分で構成されています (2 近年 子宮癌肉腫は癌腫成分が肉腫成分へ分化した結果 組織学的に2 面性をみる とみなす報告があります (1,19-22 これらの組織学的 臨床学的背景から 2009 年に International Federation of Gynecology and Obstetrics (FIGO) は子宮体癌と同様に子宮癌肉腫の病期に対する取り扱い規約を改訂しました (23 多数の研究によって肉腫成分ではなく癌腫成分が子宮癌肉腫の悪性 進展度と関連しており 主要な予後決定因子であると報告されています 24-28 癌肉腫を構成する癌腫成分は子宮外進展や遠隔転移部位の組織成分として主に認められ (14,29-30 子宮筋層内への深い浸潤 リンパ 脈管侵襲や子宮頸部浸潤との関連があるとされています (31-32 さらに漿液性腺癌や明細胞腺癌が癌腫成分の構成組織型であることが予後不良因子と位置づける報告もあります (28,30-31,33 子宮癌肉腫における主な癌腫成分の構成組織型は類内膜腺癌であり漿液性腺癌や明細胞腺癌は希です (31,34 対照的に いくつかの研究では癌腫成分は予後と関連せず (35-36 肉腫成分で特に異所性と呼ばれる子宮に存在しない組織を起源とする成分のものが子宮癌肉腫の予後不良に影響すると結論づけている報告もあります (37-38 総じて予後に関連する因子が癌腫成分なのか肉腫成分なのかはっきりしていないのが現状です (39 加えて子宮癌肉腫が希な疾患であるがゆえに 癌腫成分 肉腫成分が予後にもたらす影響に関した研究規模は限られており ( 過去になされた報告での中間症例数は44で 25-118 の範囲 ) (24-28,31-32,35-38 これらの少ない症例数に基づく解析結果を一般普遍集団にあてはめる事は困難です また 組織型に基づいた術後療法についての重要性を評価する報告は未だなされていません 2. 目的子宮癌肉腫の術後療法には数多くの選択肢があるが 治療結果が一定ではないことから 子宮癌肉腫の管理において治療効果を反映した組織成分を吟味した戦略が最も重要であると考えました 大規模な症例集団を解析することで患者予後に関連した子宮癌肉腫の組織型の同定が本研究の目的です 3. 研究の対象について 3-1 選択基準 1. 子宮癌肉腫 I-IV 期 2. 女性 3. 年齢 18 歳以上とする 4. 入院加療にて子宮全摘出を行った症例 (1993 年 1 月 1 日 -2013 年 12 月 31 日 )

3-2 除外基準 1. 病理診断に使用された組織スライドの無い症例 3-3 中止基準 1. 被験者 ( および代諾者 ) より参加拒否の申し入れがあった場合 2. 共同研究施設 研究責任者または研究者が研究の中止が妥当と判断した場合 4. 試料 ( 資料 ) の概要 4-1 試料 ( 資料 ) の詳細について国立がん研究センター中央病院で生検または外科的手術により採取された患者組織で 病理診断として使用されたスライド切片を本研究に使用します ヘマトキシリン エオジン染色や免疫染色が行われた組織病理スライドを検索し これらを顕微鏡下に評価します 4-2 試料 ( 資料 ) の管理について これら病理スライドは国立がん研究センター中央病院の規定に基づいて保存されています 5. 試料 ( 資料 ) の収集方法病理スライドは病理医によりが本研究方法に沿い確認を行います 子宮癌肉腫についての診断確認にあたり 癌腫構成成分と肉腫構成成分の組織型や異型度 リンパ 脈管侵襲のある症例ではどの組織型成分が浸潤しているか 子宮外進展を伴う子宮癌肉腫症例では遠隔転移をきたしている部位の組織型成分 骨盤リンパ節 傍大動脈リンパ節の転移陽性リンパ節の個数 再発例においては再発腫瘍の組織型成分を確認します これらは通常診療内で行われる病理評価に準じて行われ 別の目的のために過去に採取している資料は使用しません 6. 観察方法 6-1 観察 検査 評価項目の詳細及び実施時期について対象となる研究該当症例では診療録から以下の情報を抽出します :(i) 患者背景因子 (ii) 組織病理学データ (iii) 治療内容 及び (iv) 生存予後 実施時期は 1993 年 1 月 1 日 -2013 年 12 月 31 日の間で 国立がん研究センター中央病院にて手術 生検により子宮癌肉腫の診断を受けた方です 参加機関 : 本研究は日本と米国の多施設で行われる 研究の主機関は米国の南カリフォルニア大学産 婦人科 ( 松尾高司代表 ) です

A. 主機関 : 南カリフォルニア大学 B. 共同機関 : 米国 6 施設 ( 南カリフォルニア大学ロサンゼルス郡立病院 ケック病院 テキサス大学サウスウェスタン病院 ボルチモア マーシー病院 オレゴン大学 ピッツバーグ大学マギー病院 南フロリダ大学モフィット病院 ) 日本 10 施設 ( 徳島大学 京都大学 大阪大学 新潟大学 埼玉大学国際医療センター 愛知医科大学 兵庫癌センター 大阪労災病院 北野病院 国立がん研究センター中央病院 ) 7. 予測される利益及び起こり得る危険 不利益について本研究は過去の患者診療録を後方視的に扱い また個人を同定するものではいため 心身等の負担 費用負担が生じる事は無いと考えています また 本研究に参加する研究者全てに利益相反はありません 8. 統計解析 本研究は 子宮癌肉腫における癌腫成分の組織型および肉腫成分の構成要素とその予後 および治療効果との相関を解析します 9. 同意の取得について 9-1 同意取得の方法本研究は通常診療内で取得したデータのみを用いて行う研究ですので, 個別での文書による同意は行いません 従って, 本研究の実施についての情報を公開し, 被験者となることを拒否できるようにさせていただきます 9-2 説明文書及び同意書の作成本研究は通常診療内で取得したデータのみを用いて行う研究ですので, 説明文書及び同意書の代わりにこの情報公開用文書を掲示させていただきます この情報公開用文書は, 研究責任者が作成し, 国立がん研究センター中央病院臨床研究倫理審査委員会において承認を受けたものです 10. 被験者の個人情報保護について 被験者を被験者識別コードで特定する等, 被験者のプライバシーは保護されます 本研究 の結果を公表する場合も同様に被験者のプライバシーを保護いたします 11. 健康被害補償 本研究は通常診療内で取得したデータのみを用いて行う研究であるので, 本研究に起因 する健康被害が起こる可能性はありません

12. 研究の変更 終了 中止 中断 実施体制を含め, 実施計画書等の内容を変更 終了 中止 中断する場合には, 変更箇 所を病院長へ文書で報告し許可を得た後に継続いたします 13. 必須文書の保管記録の保管責任者は国立がん研究センター中央病院医員温泉川真由とし, 国立がん研究センター中央病院医員室デスクトップコンピュータで研究の中止又は終了後 5 年の間, 本研究に係わる必須文書を厳重に保存します 14. 公表に関する取り決め 本研究の未発表データ等の情報及び本研究の結果の一部又は全部を学会, 雑誌等外部に 発表する場合には, 研究責任者の責任のもと取り扱います 15. 研究の実施状況に関して 承認された研究は研究者主導臨床研究状況報告書により 1 年毎に病院長に報告します