466 西川芙美恵 古川忠 荒牧貞幸 田中加奈子 になっている (Nishikawa ら,2007; 2017). これらの結果から, 花芽分化を制御する様々な因子の情報は CiFT に収束し,CiFT の発現量によって花芽分化の程度が決まり, 翌春のに反映されると考えられた. また,CiFT 発現

Similar documents
<4D F736F F D CA48B8690AC89CA8FEE95F E496D882CC8EED97DE82AA817582CD82E982DD817682CC90B688E781418EFB97CA814189CA8EC095698EBF82C98B7982DA82B789658BBF2E646F63>

隔年結果

緒言 カンキツ類では着果過多を防ぎ, 適度な着果とするため摘果は必須の作業である. その目的は隔年結果の防止, 品質向上などさまざまであるが, 最も大きなねらいは目標とする大きさの果実を生産することにある. 目標とする果実の大きさはカンキツの種類によって異なっており, それは市場で

スライド 1

< F2D8CA48B8695F18D C391BA816A2E6A7464>

Effects of Light and Soil Moisture Condition on the Growth of Seedlings for Quercus serrata and Quercus variabilis NISHIMURA, Naoyuki*, OTA, Takeshi**

Microsoft Word - 1 color Normalization Document _Agilent version_ .doc

Taro-01(1-8)天草坂梨.jtd

ñ{ï 01-65

1 UD Fig. 1 Concept of UD tourist information system. 1 ()KDDI UD 7) ) UD c 2010 Information Processing S

参考1中酪(H23.11)

Medical3

■リアルタイムPCR実践編

JUSE-StatWorks/V5 活用ガイドブック


6 三重県農業研究所報告 :33 号 (211) 試験 1: 開花時期の調査 24 年に ピンクス マンモス 8 年生 3 樹および同樹齢の ヒラリー ホワイト 1 樹を供試し, 両品種の開花時期を調査した. 開花が始まった5 月 26 日から, ほぼ終了した7 月 7 日の期間中に週 2 日程度の

Seasonal Variations in Fruit Characteristics and Relationships among Them in Keraji (Citrus keraji) Masashi YAMAMOTo1, Rumiko KouNo1, Keiko UENO1, Fum

2 The Bulletin of Meiji University of Integrative Medicine 3, Yamashita 10 11

2 94

表紙.indd

日本作物学会紀事 第77巻 第1号

PRESS RELEASE (2014/2/6) 北海道大学総務企画部広報課 札幌市北区北 8 条西 5 丁目 TEL FAX URL:

技術研究報告第26号

untitled

Time Variation of Earthquake Volume and Energy-Density with Special Reference to Tohnankai and Mikawa Earthquake Akira IKAMi and Kumizi IIDA Departmen

Microsoft Word - cap4-2013chugoku-hirosima

(\225\\\216\206color.xdw)

国土技術政策総合研究所 研究資料

PrimerArray® Analysis Tool Ver.2.2

論文

平成14年度研究報告

10生活環境研究報告.indd

Ⅱ 方法と対象 1. 所得段階別保険料に関する情報の収集 ~3 1, 分析手法

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

Page 1 of 6 B (The World of Mathematics) November 20, 2006 Final Exam 2006 Division: ID#: Name: 1. p, q, r (Let p, q, r are propositions. ) (10pts) (a


横浜市環境科学研究所

Weymouth,Bluetta,Earliblue,Duke,

解析法

Fig. 1 A: Effects of intramuscular injection of glucagon on the blood glucose levels (changes from basal, ƒ BG) as compared with effects of scopolamin

Ⅱ. 研究目的 Ⅲ. 研究方法 1. 対象者 J.. 2. 用具.... Ledraplastic GYMNIC cm 3. 大型ボールを用いたトレーニング内容 DVD DVD

研究紀要52号(よこ)人間科学☆/1.垂沢

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析

(2) (2) (3) (3) (4) ABI PRISM 7700 TaqMan (4) Roche LightCycler TM (5) BioFlux LineGene TaqMan (6) 1 RT-PCR (7) (9) (10) F. Hoffmann-La Roche Ltd. Roc

25 (2), Available online at 原著論文 サトウキビ育種のための系譜情報管理システムの開発 * 要旨 Web キーワード はじめに * Correspon

DNA 抽出条件かき取った花粉 1~3 粒程度を 3 μl の抽出液 (10 mm Tris/HCl [ph8.0] 10 mm EDTA 0.01% SDS 0.2 mg/ml Proteinase K) に懸濁し 37 C 60 min そして 95 C 10 min の処理を行うことで DNA

Taro-40-11[15号p86-84]気候変動

スポーツ教育学研究(2013. Vol.33, No1, pp.1-13)

異文化言語教育評価論 ⅠA 第 4 章分散分析 (3 グループ以上の平均を比較する ) 平成 26 年 5 月 14 日 報告者 :D.M. K.S. 4-1 分散分析とは 検定の多重性 t 検定 2 群の平均値を比較する場合の手法分散分析 3 群以上の平均を比較する場合の手法 t 検定

Microsoft PowerPoint - R-stat-intro_12.ppt [互換モード]

SD SD

00-Ł\”ƒ

(Microsoft Word - \216Q\215l\203f\201[\203^ docx)

TDM研究 Vol.26 No.2

Untitled

Ⅲ-2-(1)施設野菜

Microsoft Word doc

NODERA, K.*, TANAKA, Y.**, RAFAEL, F.*** and MIYAZAKI, Y.**** : Relationship between rate of success and distance of shooting on fade-away shoot in fe

Journal of Fisheries Technology, 3 2, , , , 2011 The Development of Artificial Spawning Grounds for Ayu, Plecoglossus altivelis

1. 多変量解析の基本的な概念 1. 多変量解析の基本的な概念 1.1 多変量解析の目的 人間のデータは多変量データが多いので多変量解析が有用 特性概括評価特性概括評価 症 例 主 治 医 の 主 観 症 例 主 治 医 の 主 観 単変量解析 客観的規準のある要約多変量解析 要約値 客観的規準のな

植物23巻2号

振動充填燃料の粒子焼結試験実施計画書

I

56 pp , 2005 * ******* *** ** CA CAMA

untitled

スプレーストック採花時期 採花物調査の結果を表 2 に示した スプレーストックは主軸だけでなく 主軸の下部から発生する側枝も採花できるため 主軸と側枝を分けて調査を行った 主軸と側枝では 側枝の方が先に採花が始まった 側枝について 1 区は春彼岸前に採花が終了した 3 区 4 区は春彼岸の期間中に採

semen quality or those without WBC in semen. In the patients with azoospermia and normal FSH levels (normogonadotropic azzospermia), the antibody (IgG

<4D F736F F D B95B6817A31362D30395F97D196D888E78EED835A E815B95698EED8A4A94AD8EC08E7B977697CC815B89D495B28FC791CE8DF495698EED>

所得の水準とばらつきの時系列的推移について-JGSSと政府統計の比較-

VOL.47 NO.5 Table 1. Susceptibility distribution of Ĉ- lactams against clinical isolates of MRSA MRSA: rnethicillin- resistant Staphylococcus aureus

Taro-08緊急間伐最終.jtd

強度のメカニズム コンクリートは 骨材同士をセメントペーストで結合したものです したがって コンクリート強度は セメントペーストの接着力に支配されます セメントペーストの接着力は 水セメント比 (W/C 質量比 ) によって決められます 水セメント比が小さいほど 高濃度のセメントペーストとなり 接着

化を明らかにすることにより 自閉症発症のリスクに関わるメカニズムを明らかにすることが期待されます 本研究成果は 本年 京都において開催される Neuro2013 において 6 月 22 日に発表されます (P ) お問い合わせ先 東北大学大学院医学系研究科 発生発達神経科学分野教授大隅典

304 Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi Vol. /., No.0, -*. -*3 (,**1) 58 * ** *** : * : ** *** Development of Sorting System Based on Potato Starch C

Bull. of Nippon Sport Sci. Univ. 47 (2) ) 1) 1) 1) 2) 1) 1) 2) The study of university and technical school freshmen in judo

The Effect of the Circumferential Temperature Change on the Change in the Strain Energy of Carbon Steel during the Rotatory Bending Fatigue Test by Ch

10-渡部芳栄.indd

Kumamoto University Center for Multimedia and Information Technologies Lab. 熊本大学アプリケーション実験 ~ 実環境における無線 LAN 受信電波強度を用いた位置推定手法の検討 ~ InKIAI 宮崎県美郷

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

(2) (2) (3) (3) (5) ABI PRISM 7700 (5) Roche LightCycler TM (7) BioFlux LineGene (9) 1 RT-PCR (10) (12) (13) F. Hoffmann-La Roche Ltd. Roche Molecular

11号02/百々瀬.indd

TaqMan MGB 遺伝子発現検出キットのご注文について 注文書の記入方法 2 ページ目以降が注文書になっています 注文書に日付とご氏名 ご所属 所在地 電話番号 FAX 番号をご記入下さい * 注文書が複数になる場合は 記入したものをコピーしてご使用下さい 注文するプローブについての情報をご記入



.w..01 (1-14)

44-2目次.indd

Microsoft Word - 1.1_kion_4th_newcolor.doc

steponeplus_bro_f-0912.indd

07-内田 fm



perature was about 2.5 Ž higher than that of the control irrespective of wind speed. With increasing wind speeds of more than 1m/s, the leaf temperatu

<95DB8C9288E397C389C88A E696E6462>

先端社会研究 ★5★号/4.山崎

研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する 免疫力の低下は感染を引き起こしやすくなり 健康を損ないやすくなる そこで 2 10W/kgのSARで電波ばく露を行い 免疫細胞

24 Depth scaling of binocular stereopsis by observer s own movements

_原著03_濱田_責.indd


日本消化器外科学会雑誌第29巻第9号

Ⅰ 収穫量及び作柄概況 - 7 -

Transcription:

園学研.(Hort. Res. (Japan)) 16 (4):465 470.2017. doi: 10.2503/hrj.16.465 原著 せとか および 不知火 における品種および台木の違いが花芽分化に及ぼす影響 西川芙美恵 1 * 古川忠 2a 荒牧貞幸 2b 2 田中加奈子 1 農研機構果樹茶業研究部門 424-0292 静岡県静岡市清水区興津中町 2 長崎県農林技術開発センター果樹 茶研究部門 856-0021 長崎県大村市鬼橋町 Effects of Scion Cultivar and Rootstock on Flowering in Setoka and Shiranuhi Fumie Nishikawa 1 *, Tadashi Furukawa 2a, Sadauki Aramaki 2b and Kanako Tanaka 2 1 Division of Citrus Research, Institute of Fruit Tree and Tea Science, NARO, Shiuoka 424-0292 2 Fruit Tree and Tea Research Division, Agricultural and Forestr Technical Development Center, Nagasaki Prefectural Government, Omura, Nagasaki 856-0021 Abstract In this stud, the effects of the scion cultivar and rootstock on reproductive growth were investigated with Setoka and Shiranuhi grafted on trifoliate orange (Poncirus trifoliata L. Raf.) or Hiru (Fling Dragon) for three or four ears. In November, which is the period of floral induction in citrus, epression of one of the flowering-related genes, citrus FLOWERING LOCUS T (CiFT), was quantified in stems of trees with each combination of scion cultivar and rootstock. In the analsis without distinction of the combination, the mrna level of CiFT was correlated with flower numbers in the following spring. In both Setoka and Shiranuhi, the average CiFT mrna level in each combination was markedl changed annuall when the trees were grafted on Hiru. Yields were about 3 kg m 3 ever ear in all combinations of the scion cultivar and rootstock, and there were no significant differences in each combination among ears. Two-wa ANOVA of the alternate bearing inde in each tree showed that the annual change in the CiFT mrna level was significant in trees grafted on Hiru. These results suggest that using Hiru as a rootstock makes flowering unstable in Setoka and Shiranuhi, although this instabilit has no impact on their ield. Ke Words:alternate bearing, CiFT, citrus, FT, Hiru キーワード :CiFT,FT, ヒリュウ, 隔年結果, カンキツ 緒 永年生の木本植物である果樹では, 豊作と不作を交互に繰り返す隔年結果現象が発生する. カンキツでも, 前年に着果が多いと花が着かず不作となり, 逆に前年に着果が少ないと花が多く着生し豊作となる. この隔年結果現象は, 着果が花芽分化を抑制することが主要な原因であると考えられている (Nishikawa, 2013). これまでに, 隔年結果を是正することを目的に, カンキツの花芽分化に関する栽培生理的な知見が多く蓄積されてきた. カンキツでは, 秋冬季の気温の低下に伴って花芽分化が誘導される. また, 過度の乾燥によってもその分化は誘導され, 着果や落葉, ジベレリン処理によって抑制されることが知られている (Nishikawa, 2013). 花芽分化の初期段階では, 高温 湿潤 言 2016 年 12 月 19 日受付.2017 年 4 月 7 日受理. * Corresponding author. E-mail: fumien@affrc.go.jp a 現在 : 長崎県立農業大学校 b 現在 : 長崎県農産園芸課 条件下で強制的に発芽させると花芽が着生するが, そのような条件下に置かれない限り形態的に分化しない. このような花芽分化を生理的花芽分化と呼ぶ ( 井上,1990). ウンシュウミカンの場合, 生理的花芽分化は 10 月頃から, また, 形態的な花芽分化は 1 月頃から進行し,3~4 月に発芽,5 月に開花に至る. 最近の研究では, カンキツの花芽分化に関する分子生物学的な研究が進み, 花成誘導遺伝子の一つである FLOWERING LOCUS T (FT) のカンキツホモログ CiFT がカンキツの花芽分化の鍵遺伝子となることが示唆されている. この CiFT を遺伝子組み換えによりカンキツで恒常的に発現させると花成が促進することが確認されている (Endo ら,2005). また,CiFT の発現は低温と乾燥によって誘導され, 着果や落葉, ジベレリン処理によって抑制されることが報告されている (Chica Albrigo, 2013; Muño- Fambuena ら,2012; Nishikawa, 2013; Nishikawa ら,2007, 2012, 2013, 2016). 自然条件下では, 秋冬季の生理的花芽分化の進行と一致して CiFT の発現量が増大し,11 月の CiFT 発現量が翌春のと密接に関連することが明らか 465

466 西川芙美恵 古川忠 荒牧貞幸 田中加奈子 になっている (Nishikawa ら,2007; 2017). これらの結果から, 花芽分化を制御する様々な因子の情報は CiFT に収束し,CiFT の発現量によって花芽分化の程度が決まり, 翌春のに反映されると考えられた. また,CiFT 発現量は生理的花芽分化を評価する指標として有用であると思われた. 近年, わい化効果の高い ヒリュウ を台木にして, 様々なカンキツ品種への適用が検討されている ( 古川 山下,2004; 神山ら,2009; 高原ら,2001; 矢羽田ら,2003; 米本ら,2005). 台木は地上部の樹勢とともに果実品質にも影響することが知られており, ウンシュウミカンでは, カラタチ台と比較して ヒリュウ 台で果実の糖含量が増加することが報告されている ( 小林ら,1995; 矢羽田ら, 2003). 一方, 中晩生カンキツのなかでも有望品種として注目されている せとか ( 松本ら,2003) および 不知火 ( 松本,2001) の施設栽培では, 限られた空間のなかで樹の拡大が行われることから, 密植により果実品質や生産量の低下が問題となる. また, 光熱費の高騰により燃料使用量が少ない作型で高品質果実を安定生産する技術が求められており, わい性台木の利用によるコンパクトな樹冠形成や高品質果実生産などが期待されている. しかし, カンキツ栽培で問題となる隔年結果性に関わる花芽分化について, 台木による影響を報告した例はない. そこで本研究では, カラタチ台あるいは ヒリュウ 台の せとか および 不知火 における CiFT 発現量と, 収量を調査し, 品種および台木の違いが花芽分化と果実生産量に及ぼす影響, また, 隔年結果性を評価する際に CiFT 発現量を利用することの有効性を検討した. 材料および方法 1. 供試材料実験には, 長崎県農林技術開発センター ( 長崎県大村市 ) で周年被覆型施設栽培をしている 7 年生 (2012 年時点 ) カラタチ ( 中葉系 ) 台あるいは ヒリュウ 台 せとか および 不知火 各 4 樹を使用した. 両品種ともカラタチ台は着果 3 年目, ヒリュウ 台は着果 2 年目のものを供試した. 植栽時, カラタチ台は株間 2 m, 畝幅 3 m で, ヒリュウ 台は株間 1.5 m, 畝幅 3 m とした. 冬期における温度管理は最低温度 5 C で管理し, 発芽とともに最低温度を徐々に上昇させ, 外気温 15 C 程度でサイドビニールを開放して自然夜温とした. 灌水は, 果実肥大期は週に 2 回,1 回当たり 10 20 t 程度行い,9 月中旬以降の成熟期には週 1 回,1 2 t 程度の灌水を行った. 摘果は 6 月中旬から 8 月に行った. 収穫は,2 月上旬に実施した. 肥料は, 長崎県中晩柑施肥基準に準じて ( 春 30%, 夏 30%, 初秋肥 20%, 晩秋肥 20%) 施用した. カラタチ台の場合, 年間施用窒素量は 7 年生 (2012 年 ) で 24 kg,8 年生 (2013 年 ) で 27 kg,9 年生 (2014 年 ) 以降は収量換算とし,30,33 kg をそれぞれ 9,10 年生で施用した. ヒリュウ 台は, カラ タチ台より 3 割増して施用した. 2.CiFT の発現解析 2012 年から 2014 年にわたって,11 月中旬に各樹の樹冠表面の中位部から 5 本の結果母枝を採取し, 冷蔵条件で農研機構果樹研究所口之津拠点 ( 長崎県南島原市 ) に輸送した. 口之津拠点到着後は速やかに春枝から葉を除去し, 5 本の結果母枝の茎組織をまとめて液体窒素で凍結し, 80 C で保存した. 組織が粉状になるまで摩砕後,RNeas Plant Mini Kit(Qiagen) とオンカラムDNase 処理により total RNA を抽出した.cDNA の合成は,0.4 μg の total RNA とランダムヘキサマー,High Capacit cdna Reverse Transcription Kits(Applied Biosstems) を用いて20 μl の反応系で行った.CiFT 遺伝子に特異的なPCR プライマー ( フォワードプライマー :5 -GCCTTAGGGAGTATTTGCAT TGG-3, リバースプライマー :5 -AAGCTGGCCCCTGTG GTT-3 ) と TaqMan MGB プローブ (Applied Biosstems,5 - TGGTGACTGATATTCC-3 ),TaqMan Universal PCR Master Mi (Applied Biosstems) を用いて,ABI PRISM 7000 システム (Applied Biosstems) により定量 PCR を行った. また, レファレンスにはTaqMan Ribosomal RNA Control Reagents VIC Probe(Applied Biosstems) を使用した.PCR 反応液は 900 nm プライマーと 250 nm TaqMan MGB probe, 2.5 μl cdna を含み, 反応は 95 C 10 分の後,95 C 15 秒, 60 C 60 秒のサイクルを 40 回繰り返した. 遺伝子発現量は ABI PRISM 7000 Sequence Detection Sstem ソフトウェア (Applied Biosstems) により解析し,10 3 から 10 7 ng μl 1 の CiFT プラスミド希釈系列により定量した. 定量値は, サンプルの希釈系列 (10 3 から 10 7 倍 ) を使って定量した 18S リボゾーマル RNA の値で割ることにより補正した. 発現量の差を把握しやすいように, 補正値に 10 5 を乗算し, 10 を底とする対数値を求めた (Nishikawa ら,2017). 定量 PCR はそれぞれのサンプルに対して 3 回繰り返し, それらの補正された相対量 対数値の平均値を統計解析などに用いた. 3. と収量の調査 2013 年から 2015 年の 3 年間, 出蕾前に 1 樹につき 20 本の前年無着果 ( 花 ) 枝を選びラベリングして, 満開前に節数,, 発芽数を調査した. 満開日は, せとか が 4 月 20 日前後, 不知火 が 4 月 15 日前後であった.2013 年から 2016 年までの 4 年間,2 月上旬に果実を収穫して 1 樹ごとに収穫果実重量を調査した. 収穫後に樹冠容積を 7 掛け法 ( 樹高 樹の縦幅 樹の横幅 0.7) により算出し, 単位樹容積当たりの果実重を求めた. 4. 年次変動指数の解析 CiFT 発現量と 100 節当たりの, 発芽数当たりのについては 3 年間の, 樹冠容積当たりの収量については 4 年間の結果をもとに, 各樹の年次変動指数を以下の式により算出した.

園学研.(Hort. Res. (Japan)) 16 (4):465 470.2017. 467 年次変動指数 = ( a 2 a 1 /(a 2 + a 1 ) + a 3 a 2 /(a 3 + a 2 ) + + a (n 1) a n /(a (n 1) + a n ))/(n 1) n は年数,a 1,a 2 a (n 1),a n は対応する年次のCiFT 発現量, あるいは収量を示す. 年次変動指数が 0 の場合は連年安定を,1 の場合は完全な隔年交互を示す (Monselise Goldschmidt, 1982). 5. 統計解析 CiFT 発現量ととの関連解析において, 回帰曲線の作成は SigmaPlot 13 (Sstat Software Inc.) を用いて行った. CiFT 発現量と 100 節当たりの, 発芽数当たりの, 収量において, 品種と台木の同じ組み合わせ内でテューキーの HSD 検定により年次間の多重検定を行った. また, CiFT 発現量,100 節当たりの, 発芽数当たりの, 収量および年次変動指数について, 品種と台木を要因とした 2 元配置分散分析を行った. 結果および考察 1.CiFT 発現量ととの関連性 CiFT 遺伝子には 3 種類のホモログがあり, そのうちの CiFT2 が生理的花芽分化の時期に誘導されるなど, 花芽分化の制御に関与していることが示唆されている (Shalom ら,2012). 我々の研究グループはこれまで,CiFT1 および CiFT2 の 2 種類を検出するプローブ プライマーを用いた研究から, ウンシュウミカンにおける 11 月茎組織の CiFT 発現量と翌春のは密接に関連し, その関連性は年次や地域で大きく異ならないことを報告している (Nishikawa ら,2017). また, 冷蔵条件で輸送した枝における CiFT 発現量を用いた場合でも同様の結果を得ている. このことから, 花芽分化に関与しないと思われる CiFT1 の 11 月中旬の発現は無視できるほど極めて小さい, あるいは外的 内的条件に関わらず一定であると考えられる. そこで, 本研究でも同じプローブ プライマーを用いて CiFT の発現を定量した. 本研究ではまず, ウンシュウミカンと栽培性が異なる中晩生カンキツにおいて,CiFT 発現量と翌春のとの関連を調査した. 品種や台木の区別なく解析した結果,3 年間の調査で得られた CiFT 発現量は翌春に観察された 100 節当たりのおよび発芽数当たりのと関連を示した ( 第 1 図 ). 11 月茎組織におけるCiFT 発現量と 100 節当たりのあるいは発芽数当たりのの関連は, それぞれ指数曲線あるいはシグモイド曲線に回帰した. また, それらの相関係数はそれぞれ 0.92 および 0.78 だった. これらの回帰曲線の種類は, ウンシュウミカンで報告したものと一致していた (Nishikawa ら,2017). また, 品種と台木の異なる組み合わせ間において,CiFT 発現量との関連性が大きく異なることはなかった. 異なる年次間でもこれらの関連性は類似していた ( データ省略 ). 2. 品種と台木が花芽分化に及ぼす影響次に, 品種や台木の種類によって花芽分化がどう変化す 第 1 図 11 月茎組織における CiFT 発現量と翌春の 100 節当たりの (A) あるいは発芽数当たりの (B) の関連 るかを明らかにするために,CiFT 発現量とに対して分散分析を行った.3 年分のデータについて解析した結果, 11 月の CiFT 発現量と 100 節当たりのは品種間で有意に異なっており, いずれも せとか で高かった (P < 0.05, 第 1 表 ). 発芽数当たりのでは, せとか で多くなる傾向にあったものの, 品種間で有意差は検出されなかった. 一方,CiFT 発現量やの平均値は ヒリュウ 台で高くなる傾向を示したが, 台木間で有意差は検出されなかった. これらの 3 か年分のデータについて分析した結果では, それぞれの樹の隔年結果パターンの違いを考慮したとき, 品種や台木の影響を正確に把握できていない可能性が考えられた. そこで, 連続する 2 年分のデータについても同様に解析した. その結果,CiFT 発現量および 100 節当たりのにおいて,3 年間の実験期間のうちの後半 2 年分の解析で品種間に有意差が検出された ( データ省略 ). また, 前半あるいは後半のいずれの 2 年分のデータセットに対しても,CiFT 発現量あるいはにおいて台木間で有意差が検出されることはなかった. これらの結果から, CiFT 発現量およびは せとか と 不知火 で異なることが示唆されたが, 台木の種類による影響は明らかにならなかった. 台木と品種の組み合わせが生殖成長の年次変化に及ぼす影響を明らかにするために, 品種と台木の各組み合わせに

468 西川芙美恵 古川忠 荒牧貞幸 田中加奈子 第 2 図品種と台木の各組み合わせにおける各年次の茎組織における CiFT 発現量 (A) と翌春の 100 節当たりの (B) あるいは発芽数当たりの (C) 垂線は標準誤差 (n = 4) 棒グラフ上部のアルファベットの異なる文字間には, 品種と台木の同じ組み合わせにおいてテューキーの HSD 検定による有意差あり (5%) ついて各年次の平均値を比較した ( 第 2 図 ). その結果, ヒリュウ 台 せとか とカラタチ台 不知火, ヒリュ ウ 台 不知火 では,2013 年 11 月の CiFT 発現量が前年 および翌年の CiFT 発現量より有意に低かった ( 第 2 図 A). CiFT 発現量の平均値の変動は, ヒリュウ 台 せとか で最も大きく, 次いで ヒリュウ 台 不知火 で大きかっ た.CiFT 発現定量実験を行った 2012 年から 2014 年の 3 年 間では, 温度や降水量などの気象条件に極端な違いが見られなかったことから, 施設内の環境条件も年次間で変わらなかったと推測される. このため,2013 年 11 月の CiFT の低発現は, 環境条件以外の要因によって引き起こされたと思われる.4 月の 100 節当たりのでは, いずれの組み合わせでも年次間に有意差は検出されなかったが, 両品種とも ヒリュウ 台で 2014 年 4 月のものが前年および翌年のものより極端に少ない傾向にあった ( 第 2 図 B). 発芽数当たりのでは, ヒリュウ 台の せとか および 不知火 において,2014 年 4 月のものが前年および翌年のものより有意に少なかった ( 第 2 図 C). このように,CiFT 発現量で観察された品種と台木の各組み合わせにおける年次間の差は, 翌春に観察されたに反映されていた. すなわち,CiFT 発現量の年次変動の程度が大きかった ヒリュウ 台では,100 節当たりおよび発芽数当たりのでも年次変動が激しかった. 以上の結果から, ヒリュウ 台では CiFT 発現量が不安定になりやすく, このことが翌春のに反映されると思われた. 3. 品種と台木が収量に及ぼす影響 4 年間の収量に対する品種と台木を要因とした分散分析では, いずれの要因においても有意差はなかった ( 第 1 表 ). 年次比較では, 台木と品種の各組み合わせにおいて, 有意差は検出されなかった ( 第 3 図 ). このように, 第 2 図で示したような台木による花芽分化の年次変化の違いは, 収量に反映されていなかった. 果実の肥大を抑えて糖の集積を図るために着果量を多く設定するウンシュウミカンでは, 花芽分化およびの多少が収量に現れやすい. これに対して, せとか および 不知火 では果実の肥大を促すために多くの果実を摘果して着果量を減らす. 本実験において,2014 年 4 月の着は ヒリュウ 台において極端に少なかった (100 節当たりのが せとか で 9.5, 不知火 で 2.8) ものの,2015 年 2 月において両品種とも平均で 2 kg m 3 以上の収量が確保されていた. このことは, せとか で 100 節当たり 9 花あるいは 不知火 で 2 花以上あればある程度の収量が見込めることを示唆している. これらの結果から, せとか および 不知火 では ヒリュウ 台の利用により花芽分化および着が不安定になるものの, 生理落果時期を過ぎても一定数が着果し続けると考えられた. 一方で, 収穫時 (2 月 ) の 第 1 表台木と品種の各組み合わせにおける CiFT 発現量, および収量 品種 台木 CiFT 発現量 100 節当たりの ( 相対量, 対数値 ) 発芽数当たりの 収量 (kg m 3 ) せとか カラタチ 3.26 70.15 0.44 3.01 ヒリュウ 3.31 172.77 0.60 3.49 不知火 カラタチ 2.96 21.70 0.40 3.03 ヒリュウ 2.99 45.97 0.59 3.09 有意差 品種 * * n.s. n.s. 台木 n.s. n.s. n.s. n.s. 交互作用 n.s. n.s. n.s. n.s. 3 年間の平均値 4 年間の平均値 二元配置分散分析により n.s.: 有意差なし,*:5% 水準で有意差有り

園学研.(Hort. Res. (Japan)) 16 (4):465 470.2017. 469 第 3 図品種と台木の各組み合わせにおける各年次の収量垂線は標準誤差 (n = 4) 着果量の年次変化は前年 11 月の CiFT 発現量に反映されて おらず, このことは CiFT 発現量が秋冬季の着果量以外の 要因によって制御されたことを示唆している. 前述したように, 着果は CiFT の発現を抑制する要因になり, 隔年結果は毎年の着果の多少が秋冬季の花芽分化および翌春の着に影響するために発生すると考えられている. 本実験ではいずれの組み合わせでも摘果により毎年 3 kg m 3 前後に着果量が調整されたにもかかわらず, 実験に供試した 2 品種の ヒリュウ 台における CiFT 発現量とは多いときと少ないときを 1 年ごとに交互に繰り返す傾向を示した. このことから, ヒリュウ 台ではカラタチ台に比べて着花量や摘果時期までの着果負担の違いが 11 月の CiFT の発現により強く影響した可能性が考えられた. 4. 品種と台木が生殖成長の年次変動指数に及ぼす影響第 2 および 3 図では, それぞれの組み合わせ 4 樹ずつの平均値について年次変動を比較した. しかし, 同じ組み合わせでもばらつきが大きい年次が見られ, このことが年次変動の比較を不明確にさせていると考えられた. そこで, 品種および台木の違いが CiFT 発現量, および収量の年次変動に及ぼす影響を明確に把握するために,1 樹ごとに年次変動指数を算出し, 分散分析により品種あるいは台木の影響を解析した. その結果,CiFT 発現量の年次変動指数は, ヒリュウ 台で有意に高かった ( 第 2 表 ). 一方, 100 節当たりの, 発芽数当たりのおよび収量では, 品種あるいは台木間で年次変動指数に有意な差はなかったが, では ヒリュウ 台で, 収量ではカラタチ台で高くなる傾向にあった. このように,CiFT 発現量の年次変動指数が ヒリュウ 台で有意に高かったことから, 台木の違いは 11 月の CiFT 発現量に影響すると考えられる. ヒリュウ 台ウンシュウミカンの葉の水ポテンシャルはカラタチ台に比べて低く ( 矢羽田ら,2003), CiFT の発現は乾燥によっても誘導されることから (Chica Albrigo, 2013), ヒリュウ 台では樹が継続的に乾燥ストレス状態におかれ,CiFT 発現量が増大しやすい状態にある可能性が考えられた. このことから, ヒリュウ 台では CiFT 発現量の増大がきっかけとなってが不安定になり,CiFT 発現量の年次変動が助長したと思われた. 一方, 年次変動指数における有意差は CiFT 発現量でのみ検出されたことから, CiFT 発現量はばらつきの大きいと比べてより明確に品種や台木の生殖成長に及ぼす影響を表すことができると考えられる. 通常, 隔年結果性は収量の年次変動により評価されるが, 摘果により着果量が調整される慣行栽培では, 収量を用いて品種や台木による隔年結果性の違いを評価するのは難しい. 本研究の結果から,CiFT 発現量は潜在的な隔年結果性の評価に有効な指標となることが示唆された. ウンシュウミカンでは, ヒリュウ 台の利用により着色や糖度といった果実品質の向上が報告されている ( 小林ら,1995; 高原ら,2001; 矢羽田ら,2003). ウンシュウミカンと同様, せとか および 不知火 でも, ヒリュウ 台を利用したときの果実品質はカラタチ台を利用したときのものと同等あるいはそれ以上となることがわかっている ( 未発表 ). 本研究の結果から, ヒリュウ 台では, 収量において明確な年次変動は観察されなかったものの, CiFT 発現量における年次変動指数はカラタチ台に比べて有意に高く, においても連続する年次間で有意に異なっていた. 以上のことから, せとか および 不知火 において, わい性台木 ヒリュウ の利用は果実の安定生産と省力化に寄与すると考えられるが, 栽培の際にはカラ 第 2 表台木と品種の各組み合わせにおける CiFT 発現量, および収量の年次変動指数, 品種台木 CiFT 発現量 100 節当たりの 発芽数当たりの 収量 せとか カラタチ 0.44 0.67 0.61 0.21 ヒリュウ 0.76 0.77 0.64 0.13 不知火 カラタチ 0.50 0.53 0.37 0.21 ヒリュウ 0.66 0.89 0.85 0.17 w 有意差 品種 n.s. n.s. n.s. n.s. 台木 * n.s. n.s. n.s. 交互作用 n.s. n.s. n.s. n.s. 相対量を用いて算出 3 年間の平均値 4 年間の平均値 w 二元配置分散分析により n.s.: 有意差なし,*:5% 水準で有意差有り

470 西川芙美恵 古川忠 荒牧貞幸 田中加奈子 タチ台より着花が不安定になりやすいことを考慮する必要があると思われた. 摘要カラタチ台あるいは ヒリュウ 台の せとか および 不知火 を用いて, 品種や台木が生殖成長に及ぼす影響を 3~4 年間調査した. カンキツの花芽分化時期である 11 月に花芽分化促進遺伝子 CiFT の発現を定量した結果,11 月の CiFT 発現量は翌春のと密接に関連していた. 両品種とも, ヒリュウ 台の CiFT 発現量とにおいて, 年次間の差が大きかった. 一方, 摘果により着果数が調整されたため, 収量はいずれの品種 台木の組み合わせでも毎年平均 3 kg m 3 前後だった.CiFT 発現量, および収量について年次変動指数を算出し分散分析を行ったところ, ヒリュウ 台における CiFT 発現量の年次変動指数がカラタチ台と比べて有意に高かった. 以上の結果から, せとか や 不知火 では, 収量には影響しないものの ヒリュウ 台の利用により花芽分化が不安定になることが示唆された. 引用文献 Chica, E. J. and L. G. Albrigo. 2013. Epression of flower promoting genes in sweet orange during floral inductive water deficits. J. Amer. Soc. Hort. Sci. 138: 88 94. Endo, T., T. Shimada, H. Fujii, Y. Kobaashi, T. Araki and M. Omura. 2005. Ectopic epression of an FT homolog from Citrus confers an earl flowering phenotpe on trifoliate orange (Poncirus trifoliata L. Raf.). Transgenic Res. 14: 703 712. 古川忠 山下義昭.2004. 青島温州 の早期安定生産のための幼木の結実管理事例. 園芸学会九州支部要旨.12: 10. 井上宏.1990. ウンシュウミカンの芽の休眠と花芽分化の温度条件.J. Japan. Soc. Hort. Sci. 58: 919 936. 神山光子 古川珠子 奥田良幸 猪原健一.2009. ヒリュウ 台カンキツ 清見, カワチバンカンおよび高しょう系ポンカンの特性並びに省力化. 熊本農研セ研報. 17: 47 52. 小林康志 大野文征 岡田正道.1995. ヒリュウ 台木が 青島温州 の生育 収量 果実品質に及ぼす影響. 静岡柑試研報.26: 23 30. 松本亮司.2001. 晩生カンキツ 不知火. 果樹試報.35: 115 120. 松本亮司 山本雅史 國賀武 吉岡照高 三谷宣仁 奥代直巳 山田彬雄 浅田謙介 池宮秀和 吉永勝一 内原茂 生山巖 村田広野.2003. カンキツ新品種 せとか. 果樹研報.2: 25 31. Monselise, S. P. and E. E. Goldschmidt. 1982. Alternate bearing in fruit trees. Hort. Rev. 4: 128 173. Muño-Fambuena, N., C. Mesejo, M. Gonále-Mas, D. Iglesias, E. Primo-Millo and M. Agustí. 2012. Gibberellic acid reduces flowering intensit in sweet orange [Citrus sinensis (L.) Osbeck] b repressing CiFT gene epression. J. Plant Growth Regul. 31: 529 536. Nishikawa, F. 2013. Regulation of floral induction in citrus. J. Japan. Soc. Hort. Sci. 82: 283 292. Nishikawa, F., T. Endo, T. Shimada, H. Fujii, T. Shimiu, M. Omura and Y. Ikoma. 2007. Increased CiFT abundance in the stem correlates with floral induction b low temperature in satsuma mandarin (Citrus unshiu Marc.). J. Ep. Bot. 58: 3915 3927. Nishikawa, F., M. Iwasaki, H. Fukamachi and T. Endo. 2013. Leaf removal suppresses citrus FLOWERING LOCUS T epression in satsuma mandarin. Bull. Natl. Fruit Tree Sci. 15: 1 6. Nishikawa, F., M. Iwasaki, H. Fukamachi and T. Endo. 2017. Predicting the number of flowers in satsuma mandarin (Citrus unshiu Marc.) trees based on citrus FLOWERING LOCUS T mrna levels. Hort. J. 86: 305 310. Nishikawa, F., M. Iwasaki, H. Fukamachi and H. Matsumoto. 2016. The effect of fruit bearing on low-molecular-weight metabolites in stems of satsuma mandarin (Citrus unshiu Marc.) Hort. J. 85: 23 29. Nishikawa, F., M. Iwasaki, H. Fukamachi, K. Nonaka, A. Imai, F. Takishita, T. Yano and T. Endo. 2012. Fruit bearing suppresses citrus FLOWERING LOCUS T epression in vegetative shoots of satsuma mandarin (Citrus unshiu Marc.). J. Japan. Soc. Hort. Sci. 81: 48 53. Shalom, L., S. Samuels, N. Zur, L. Shlierman, H. Zemach, M. Weissberg, R. Ophir, E. Blumwald and A. Sadka. 2012. Alternate bearing in citrus: Changes in the epression of flowering control genes and in global gene epression in on-versus off-crop trees. PLoS ONE 7: e46930. 高原利雄 緒方達志 藤澤弘幸.2001. ウンシュウミカン 白川 の生育 収量と果実品質に及ぼす各種台木の影響. 果樹試報.35: 99 107. 矢羽田第二郎 牛島孝策 松本和紀.2003. ヒリュウ 台ウンシュウミカン果実の発育 成熟過程における果汁の糖集積の特徴. 園学研.2: 39 44. 米本仁巳 高原利雄 奥田均 緒方達志.2005. カラタチとヒリュウ台木がカンキツ新品種 天草 と あまか 若齢樹の生育, 収量および果実品質に及ぼす影響. 園学研.4: 81 84.