団体信用生命保険の保険料はどのように支払うのですか? 質問住宅ローンを組む際 同時に団体信用生命保険に加入することになると聞きました が 保険料はどのような形で支払うのでしょうか 民間の金融機関では通常 住宅ローンを組むと同時に団体信用生命保険に強制加入となりますが ほとんどの場合 保険料は最初から金利に含まれています 一方 住宅金融支援機構などの公的金融機関では任意加入となり 保険料は毎年ローン残高に対して支払うことになります この場合 保険料は返済方法 借入額と借入期間によって決定されます 団体信用生命保険料の支払にあたっては 以下の点に注意しましょう 民間金融機関の住宅ローン商品については 保険料は金利に含まれているので別途負担はありません ただし 民間金融機関で取扱っている フラット 35 については 団体信用生命保険は別途任意加入となります 公的金融機関では 保険料は年払い 翌年からは毎年借入実行の応当月に引き落とされます ( 初年度保険料は最終受取融資金から差し引かれます ) 保険料は毎年借入残高に対してかかるので 残高が減るほど少なくなります ただし 支払ったあとに繰上返済をしても 支払済保険料は戻りません 保険料の引落しがされずに猶予期間( 融資実行月の翌々月 ) までに支払が行われない際には保険期間は終了します 団体信用生命保険料は年末調整の生命保険料控除の対象となります 6
団体信用生命保険はどんなときに免責となりますか? 質問団体信用生命保険に加入しても 保険金が支払われないケースもあると聞きまし た どのような場合に保険金の支払が免責となるのですか 住宅ローン契約者に万一のことがあった際には 団体信用生命保険に加入していれば通常はローン残額は保険金で完済できますが 以下のように 一定期間内の自殺や健康状態についての告知で事実を告げなかったなどのケースでは 死亡や高度障害の保険金が支払われないことがありますので注意が必要です 契約者が死亡したが保険金が支払われない場合 1 申込書の告知欄に 告知日現在または過去の健康状態につき 事実と異なる告知をした もしくは事実を告げたことで契約解除がされた場合 2 資金受取日より 1 年以内に自殺があった場合 ( 一般の生命保険では 2 年以内にしているところも増えています ) 3 詐欺行為で契約者の地位を得ていた場合 4 戦争その他の変乱による死亡の場合 ( ただし規模によって保険金の一部または全額が支払われることがあります ) 契約者が高度障害になったが保険金が支払われない場合 1 申込書の告知欄に 告知日現在または過去の健康状態につき 事実と異なる告知をした もしくは事実を告げたことで契約解除がされた場合 2 資金受取日より前に受けた傷害や病気で高度障害になった場合 3 詐欺行為で契約者の地位を得ていた場合 4 戦争その他の変乱が原因で高度障害になった場合 ( ただし規模によって保険金の一部または全額が支払われることがあります ) 5 契約者の故意で高度障害になっていた場合 特に 告知事項については 花粉症や動物アレルギー等で薬を服用しているなど 自分ではたいしたことではないと思うようなことでも免責の根拠となり得ますので きちんと告知しておいたほうがよいでしょう 高度障害では 発病あるいはケガをしてから日が浅く 症状が安定していないと保険金が出ないので それ以上症状が進まないところまで安定してから申請することになります 7
団体信用生命保険に加入できなかった場合どうなりますか 質問住宅ローンを組みたいのですが 健康上の理由で団体信用生命保険に加入できなか った場合 どのように対応すればよいですか 住宅ローンでは ローン借入者に万が一のことがあった場合に ローン残額を完済してもらえる団体信用生命保険制度がありますが この団体信用生命保険に加入するには健康に関して一定の基準を満たす必要があり 以前大きな病気をした 現在病気を治療中である など健康上の告知事項によっては 生命保険会社の審査により加入できないことがあります もしも加入できなかった場合には 団体信用生命保険への加入が任意である住宅ローン商品を利用するか 連帯保証人をつけることによって融資を受けることになります ただし 団体信用生命保険に加入できない場合には 一般の生命保険にも加入できないのが通常ですので すでに加入している生命保険がなければ 申込者が高度障害になった場合や死亡した場合にローン返済を継続できるかを事前にシミュレーションしておく必要があります いずれにせよ 万が一のことがあった場合の その後のローン返済をどのようにするかという対策を考えたうえで借入することが必要でしょう ちなみに団体信用生命保険への加入が任意なのは 住宅金融公庫商品やフラット 35 など公的金融機関住宅ローン商品です 民間金融機関では 連帯保証人をつけることで団体信用生命保険への加入を必須としないところも中にはありますが 実際のところほとんどが加入を条件としています また 民間金融機関では最近 健康上の基準を緩和したタイプのものが開発されていますが そのリスク分が金利に上乗せされることになります また 財形住宅融資では 保険会社より不承諾になった場合に 団体信用生命不加入による承諾書兼融資実行依頼書 の提出により融資が可能になるケースもあります ただし万一の場合には 相続人が一括返済することが条件となるので 予め相続人には確認しておくことも重要です 8
団体信用生命保険は夫婦で加入できますか? 質問夫婦の収入を合わせて住宅ローンを組んだ際 団体信用生命保険についても夫婦共 有名義で加入することはできますか 団体信用生命保険は 住宅ローン借入者が死亡 高度傷害になった際にその時点での残債相当を保険金として支払う仕組みですが フラット 35 では 申込者と連帯債務者が夫婦である場合には 申込者だけでなく連帯債務者も団体信用生命保険に加入することができます フラット 35 では 収入合算でローンを組んだ場合には連帯債務者の扱いとなります 公庫団体信用生命保険では 連帯債務者と夫婦であれば 本来申込者しか加入できなかった団体信用生命保険に夫婦で加入 ( デュエット ) することができます デュエットには 夫婦のうちどちらか一方が死亡 高度障害状態になった場合 住宅の名義や持ち分にかかわらず 残った住宅ローンの全額が支払われるというメリットがあります つまり 夫婦共働きで返済するつもりで住宅ローンを組んだ場合には 連帯債務者の収入がなくなると返済が困難になるため連帯債務者の死亡リスクにも備えることができるのです 特約料は 単独加入の場合の約 1.55 倍になりますが 2 人分の保険料を 1.55 倍程度の保険料でまかなえると考えれば 連帯債務者を被保険者とした保険に別途加入するよりはかなり割安です 仮に連帯債務者が仕事を辞め 保証が不必要になった場合には脱退することもできますが その際 連帯債務者の返済分を契約者が代わりに返済すると肩代わり分を贈与とみなされたりすることもあるので 住宅の名義や持ち分を実態に合わせて変更するなど注意が必要です 連帯債務者が配偶者でないケースや民間金融機関の商品では 連帯保証人や連帯債務者が団体信用生命保険に加入することはできないので 保証が必要な場合には別々にローンを組むか 民間の生命保険で対応することになります 9
住宅ローンを組んだあと 生命保険の見直しは必要ですか? 質問住宅ローンを組んで団体信用生命保険に加入した場合 すでに加入している生命保 険についてはどのように考えればよいのでしょうか 住宅ローンを組む際には通常 団体信用保険に加入します 団体信用保険に加入していれば 大黒柱である世帯主 ( 住宅ローンの借入者 ) が死亡した場合でも住宅ローンが完済され その後の居住費は維持費以外には必要なくなります そのため すでに加入している生命保険の保障額については減額することが可能です 賃貸住宅かつ妻が専業主婦の場合 万が一世帯主が死亡したときのリスクを回避するため 一般的には生活費や教育費とは別に 今まで支払っていた住居費分の保険に加入しておく必要があります 一方 住宅ローンで自宅を購入すると ローン残債は団体信用保険で補填されるので その後の遺族の居住費は固定資産税などの ( マンションであれば管理費や修繕費も含む ) 住居維持費のみで良いことになります つまり 下図のように その後の必要遺族保障は 教育費と生活費と住居維持費となり 必要な死亡保障は必要遺族保障から貯蓄やその他収入を控除した金額となります 住居費 + 維持費生活費教育費 必要な遺族保障 生活費 教育費 住居維持費のみ 賃貸住宅のケース ローン持ち家のケース このように ローンで持ち家を購入することによって 遺族の住居に対する世帯主リスクは大幅に軽減されます ただし 就労不能 ケガや病気 失業など収入減少による住宅ローン破綻リスクが新たに生じることに注意が必要です 10