平成 28 年症例からみた届出エラーとその対策 エラーのない届出のために 平成 29 年度全国がん登録説明会 ( 担当者向け講習会 ) 宮城県対がん協会がん登録室 本日の話 1. 届出エラーとは? 2. PDFを 確定 せずに届出し エラー 3. データ形式や内容 ( 単項目 ) のエラー 4. データ内容 ( 複数項目の組み合わせ ) によるエラー 1 2 1. 届出エラーとは 電子届出ファイル (PDF) の 確定 を押さずに保存し届出る 届出データの形式が合わない状態のまま届出る 届出内容に矛盾がある状態のまま届出る 2. PDF を 確定 せずに届出し エラー 届出不可 これで届出 当室での登録処理ができない 届出施設に対してデータの確認と修正が必要となり 皆様の負担も増えることになってしまいます 3 4
3. データ形式や内容 ( 単項目 ) のエラーについて ここからは 本日の配布資料全国がん登録届出情報作成時の注意事項について資料 1 [ 届出情報についてのチェック項目一覧 ] の内容を一つずつご説明します 全ての項目 チェック項 No.1 CSVのみ 届出データの項目数 項目順が全国がん登録届出マニュアル付録 [5] 電子ファイルによる全国がん登録への提出形式 に沿っていない場合はエラー 5 6 届出マニュアル付録 [5] 後ろから 4 枚目 ~6 枚目 項目数は 29 項目 チェック項 No.1 全ての項目 チェック項 No.2 CSVのみ 項目数 項目順の不一致はエラー 届出データの形式が 全国がん登録届出マニュアル付録 [5] 電子ファイルによる全国がん登録への提出形式 に沿っていない場合はエラー 7 8
届出マニュアル付録 [5] 形式の不一致はエラー チェック項 No.2 全ての項目 チェック項 No.2 CSVのみ よくある間違い 全角の項目に半角で入力またはその逆 桁数の不一致 ファイル形式は 値をダブルクォーテーション ( ) で囲ったカンマ区切りの CSV CSV ファイルの場合は必ずこの形式で! ( オンライン届出 USB メモリ届出両方 ) 届出形式に沿ったCSVファイルの作成方法は 本日の配布資料資料 4 届出形式のCSVファイル作成方法 をご覧ください 9 10 CSV ファイルの形式 ( 例 ) 全ての項目 チェック項 No.3 CSVのみ 届出形式に沿っている " 診療録番号 "," カナ氏名 "," 氏名 ", " その他の治療の有無 "," 死亡日 "," 備考 " "131301000"," ツキジテスト "," 築地てすと ",,"2","77777777"," 転院 届出形式に沿っていない = 届出できない 診療録番号, カナ氏名, 氏名,, その他の治療の有無, 死亡日, 備考 131301000, ツキジテスト, 築地てすと,,2,77777777, 転院 データに未入力がある場合はエラー ( ただし 死亡日 と 備考 は除く ) 11 12
7 診断時住所 チェック項 No.4 郡 町 大字 字 丁目の過不足や入力ミスはエラー 基本情報は 同一人物の複数のデータを一つにまとめる際に 重要な項目です 入力ミスの無いようご注意ください 住所の不足 よくある間違い 宮城県仙台市青葉区上杉 7-30 宮城県利府町字赤沼 宮城県宮城郡利府町赤沼 入力や変換間違いが ケ の ノ 館 舘 檀 壇 郡 群など 同じ文字を複数入力宮城県仙台市青葉区上杉上杉 5-7-30 チェック項 No.4 何丁目の不足 郡 の不足 字 の不足 13 14 ちなみに 7 診断時住所 12 治療施設 チェック項 No.18 診断施設が 2. 他施設診断 の場合は 当該腫瘍初診時の住所を届出る 例他施設でH27 年に胃癌と診断された仙台市青葉区の患者さんが 平成 28 年に石巻へ転居し 自施設にフォロー目的で初診した 診断時住所 : 宮城県仙台市青葉区 宮城県石巻市 15 治療施設 8. その他 は安易に選択しない 基本 : 死体解剖で初めて診断された場合のみ例外 : セカンドオピニオン 例外については国立がん研究センターが出しているQ&A 届出対象患者および腫瘍についてのQ15を参照 死体解剖はほとんど行われることがないため 当室から問い合わせることがあります 16
治療施設の選択 チェック項 No.18 通常の診療のときは 1~4 を選択する (8 は死体解剖のとき ) 4. データ内容 ( 複数項目の組み合わせ ) によるエラーについて 17 18 複数項目の組み合わせによる エラーの原因 6 生年月日 14 診断日26死亡日 チェック項 No.5 単純な入力ミス 解釈の違いによる選択ミス どの項目が間違っているのか確認が必要 各日付に矛盾のある場合はエラー 死亡日が不明確な場合はエラー 当室への届出日より未来の日付はエラー 日付の原則 生年月日 < 診断日 死亡日 < 届出日 19 20
よくある間違い チェック項 No.5 8 側性 9 原発部位 局在コード チェック項 No.6 診断日より死亡日が早い ( 例 : 診断日 20160801, 死亡日 20160701) 他院での死亡日を入力したが 正確な日がわからず 99 を使用 ( 例 :20160599) 自施設で死亡した場合のみ死亡日を入力 他院死亡例は空欄で可 21 側性のある臓器で 7. 側性なし はエラー 側性のない臓器で 1. 右側 2. 左側 3. 両側 9. 不明 はエラー 側性のある臓器 ない臓器は 1 届出マニュアル29ページ 2 本日配布の資料 2 臓器の側性コードについて を参照 22 1. 右側 2. 左側 9. 不明を選択できるのはこの臓器のみ チェック項 No.6 3. 両側を選択できるのはこの 3 つの場合のみ よくある間違い 右甲状腺癌 ( 局在コード :C73.9) 側性 1( 右 ) 7( 側性なし ) 原発不明癌 ( 局在コード :C80.9) 側性 9( 不明 ) 7( 側性なし ) チェック項 No.6 カルテに左右が記載されていても 一覧を確認し側性を選択 原発不明 9. 不明 上記の臓器以外は 7. 側性なし 23 肺癌 ( 局在コード :C34.9) で側性が分からない場合側性 7( 側性なし ) 9( 不明 ) 24
9 原発部位 局在コード 16 進展度 治療前 17 進展度 術後病理学的 原発部位 局在コードが C42.0 血液 C42.1 骨髄 の場合 チェック項 No.7 進展度 治療前と進展度 術後病理学的は 777. 該当なし を選ぶ それ以外は 777. 該当なし を選べません 25 よくある間違い 原発部位 局在コード C42.0 血液 C42.1 骨髄 以外の場合で 自施設で手術を施行していない進展度 術後病理学的 777 660 院内がん登録実施施設において UICC TNM に該当しない臓器のがん ( 原発不明癌 脳腫瘍 胸腺腫など ) 進展度 術後病理学的 777( 該当なし ) これ以外を選ぶ チェック項 No.7 ( 該当なし ) ( 手術なし ) 26 10 病理診断 形態コードとは? ICD-O-3 という国際的なルールに基づき 扁平上皮癌や腺癌などの癌組織を 6 桁の数字で表現したもの 例 組織 / 細胞型 4 桁の数字で特定された組織型を示す 0 良性 1 良性 悪性の別不詳性状 2 上皮内癌 3 悪性 原発部位 ( 浸潤癌 ) 分化度 814039 組織 / 細胞型性状分化度 今回は省略 腺癌 ICD O 3 27 10 病理診断 形態コードとは? 電子届出票や Hos-CanR Lite を利用した場合 病理診断 を選択すると 自動的に入力されます 例 電子届出票で腺癌を選択 8140/3( 自動 ) つまり 以降の [10 病理診断 形態コード ] についてのエラーは すべての届出施設で起こり得ます 28
届出の対象 原則として 悪性の場合のみ届出対象病理診断 形態コードは /3 /2 < 例外 > 脳 脊髄 脳神経 中枢神経に発生した腫瘍 卵巣腫瘍 ( 一部 ) 消化管間質腫瘍 詳細は届出マニュアル付録 [4] 29 9 原発部位 局在コード 10 病理診断 形態コード チェック項 No.8 CSVのみ 原発部位 局在コードと病理診断 形態コードの性状コードの (5 桁目 ) 組み合わせが 全国がん登録届出対象外となる場合はエラー 30 よくある間違い チェック項 No.8 10 病理診断 形態コード 13 診断根拠 チェック項 No.9 CTで肝腫瘍 ( 血管腫 ) の診断病理診断 形態コード : 8000/1 ( 良性悪性不詳の腫瘍 ) 届出対象外のため削除 診断根拠が 4. 部位特異的腫瘍マーカー で病理診断 形態コードが下記の 4 つ以外はエラー 8170( 肝細胞癌 ) 9100( 絨毛癌 ) 9500( 神経芽細胞腫 ) 9761( ワルテ ンストレームマクロク ロフ リン血症 ) 31 32
よくある間違い チェック項 No.9 10 病理診断 形態コード 17 進展度 術後病理学的 チェック項 No.10 腫瘍マーカーの血清 PSAが高値にて 前立腺癌と診断しホルモン療法を開始した 診断根拠 4. 部位特異的腫瘍マーカー 5. 臨床検査 33 性状コード (5 桁目 ) が 3. 浸潤癌 の場合に進展度 術後病理学的が 400. 上皮内 はエラー 上皮内の時は性状コード (5 桁目 ) が 2 性状コード (5 桁目 ) が 2. 上皮内癌 の場合に 進展度 術後病理学的が 400. 上皮内 以外はエラー 上皮内癌 浸潤癌 410. 限局 420. 所属リンパ節転移 430. 隣接臓器浸潤 440. 遠隔転移 777. 該当なし 34 表面 ( 浅い ) 上皮内癌と浸潤癌 ( 大腸の場合 ) よくある間違い チェック項 No.10 上皮内癌 S 状結腸癌に対し S 状結腸切除術施行 術後病理結果 : 腺癌 SM( 癌組織は粘膜層を越えて粘膜層粘膜下層まで浸潤している ) SM: 粘膜下層 ( 深い ) 浸潤癌 35 病理診断 形態コード :81403( 腺癌 ) 進展度 術後病理学的 : 400 410 ( 上皮内 ) ( 限局 ) 36
10 病理診断 形態コード 16 進展度 治療前21外科的 鏡視下 内視鏡的治療の範囲 ( 観血的治療の範囲 ) チェック項 No.11 10 病理診断 形態コード 16 進展度 治療前21外科的 鏡視下 内視鏡的治療の範囲 ( 観血的治療の範囲 ) チェック項 No.12 病理診断 形態コードの性状コードが 2. 上皮内癌 で 観血的治療の範囲が 6. 観血的治療なし の場合 進展度 治療前が 400. 上皮内 499. 不明 以外はエラー 上皮内癌 病理診断 形態コードの性状コードが 3. 浸潤癌 で 観血的治療の範囲が 6. 観血的治療なし の場合 進展度 治療前が浸潤癌 400. 上皮内 はエラー 37 38 よくある間違い チェック項 No.11,12 例 1 上皮内扁平上皮癌 チェック項 No.11 例 1 病理診断 形態コード : 上皮内扁平上皮癌 (80702) 観血的治療の範囲 :6. 観血的治療なし進展度 治療前 : 440( 遠隔転移 ) 400( 上皮内 ) 例 2 病理診断 形態コード : 浸潤性導管癌 (85003) 観血的治療の範囲 :6. 観血的治療なし進展度 治療前 : 400( 上皮内 ) 400, 777 以外 ( 該当なし ) 上皮内癌 上皮内扁平上皮癌 400を選択 8070/2 性状コードは 2. 上皮内癌 39 40
例 2 浸潤性導管癌 チェック項 No.12 12 治療施設 17 進展度 術後病理学的 チェック項 No.13 浸潤性導管癌 8500/3 400, 777 以外を選択 性状コードは 3. 浸潤癌 41 治療施設が以下の場合 進展度 術後病理学的は 660. 手術なし を選ぶ 1. 自施設で初回治療をせず その後経過不明 4. 他施設で初回治療を終了後に自施設に受診 自施設で観血的治療を行った場合のみ 660. 手術なし 以外が選べる 例外 777. 該当なし C42.0 血液 C42.1 骨髄 42 よくある間違い チェック項 No.13 治療施設 1, 4 の場合 チェック項 No.13 自施設で診断のみ行い 他施設に紹介 治療施設 :1. 自施設で初回治療せず その後経過不明進展度 術後病理学的 : 410( 限局 ) 660( 手術なし ) 他施設にて初回治療終了後自施設でフォロー 治療施設 :4. 他施設で初回治療を終了後に自施設受診進展度 術後病理学的 : 430( 隣接臓器浸潤 ) 660( 手術なし ) 43 44
12 治療施設 18~20, 22 ~ 25初回治療の有無 治療施設が以下の場合 18 外科的治療 19 鏡視下治療 20 内視鏡的治療 22放射線治療23化学療法24内分泌療法25その他治療 2. 自施設で施行なし を選ぶ の有無は チェック項 No.14 1. 自施設で初回治療をせず その後の経過不明 4. 他施設で初回治療を終了後に自施設に受診 8. その他 45 よくある間違い 自施設で診断後 他施設にて外科的手術 チェック項 No.14 治療施設 :1. 自施設で初回治療せず その後の経過不明外科的治療の有無 : 1( 施行あり ) 2( 施行なし ) 他施設で化学療法終了後 自施設にてフォロー 治療施設 : 4. 他施設で初回治療を終了後に自施設受診化学療法の有無 : 1( 施行あり ) 2( 施行なし ) 46 治療施設 1, 4, 8 の場合 チェック項 No.14 チェック項 No.15 17 進展度 術後病理学的21外科的 鏡視下 内視鏡的治療の範囲 ( 観血的治療の範囲 ) 47 観血的治療の範囲が 6. 観血的治療なし の場合 進展度 術後病理学的は 660. 手術なし を選ぶ 例外 777. 該当なし C42.0 血液 C42.1 骨髄 48
よくある間違い チェック項 No.15 観血的治療の範囲が 6. 観血的治療なし の場合 チェック項 No.15 他施設にて外科的手術後 自施設に転院 観血的治療の範囲 :6. 観血的治療なし進展度 術後病理学的 : 410 660 ( 限局 ) ( 手術なし ) 原発不明癌の緩和治療目的で自施設入院 660 を選択 例外で C42.0 血液 C42.1 骨髄 は 777 を選択 観血的治療の範囲 :6. 観血的治療なし進展度 術後病理学的 : 499 660 ( 不明 ) ( 手術なし ) 49 50 チェック項 No.16 18 外科的 19 鏡視下 20 内視鏡的治療の有無21外科的 鏡視下 内視鏡的治療の範囲 ( 観血的治療の範囲 ) 外科的 ~ 内視鏡的治療のいずれかが 1. 自施設で施行 の場合観血的治療の範囲が 6. 観血的治療なし はエラー 51 チェック項 No.16 18 外科的 19 鏡視下 20 内視鏡的治療の有無21外科的 鏡視下 内視鏡的治療の範囲 ( 観血的治療の範囲 ) 外科的 ~ 内視鏡的治療のすべてが 2. 自施設で施行なし の場合観血的治療の範囲が 1. 原発巣切除 4. 姑息的な観血的治療 9. 不明 はエラー 52
よくある間違い チェック項 No.16 他施設で癌と診断され 自施設にて外科的手術を施行外科的治療 :1. 自施設で施行観血的治療の範囲 : 6. 観血的治療なし 6 以外 他施設にて鏡視下手術を施行し 癌の遺残なし その後当院にてフォロー外科的 ~ 内視鏡的治療 :2. 自施設で施行なし観血的治療の範囲 : 1. 原発巣切除 6. 観血的治療なし 53 外科的 ~ 内視鏡的治療のいずれかが 1. 自施設で施行 の場合 6 は選択しない チェック項 No.16 54 外科的 ~ 内視鏡的治療のすべてが 2. 自施設で施行なし の場合 チェック項 No.16 6. 観血的治療なしを選択 55 9 原発部位 局在コード 13 診断根拠 原発部位 局在コードが C80.9 原発部位不明 の場合 診断根拠が 1. 原発巣の組織診 はエラー チェック項 No.17 ( 原発巣が不明なのに 原発巣の組織診は矛盾するから ) 56
原発部位不明の場合 その他原発部位不明 原発巣の組織診だと矛盾するのでそれ以外を選択 チェック項 No.17 C80.9 11 診断施設 12 治療施設 診断施設が 1. 自施設診断 で 治療施設が下記 2 つはエラー チェック項 No.18-1 3. 他施設で初回治療を開始後に 自施設に受診して初回治療を継続 4. 他施設で初回治療を終了後に 自施設に受診 57 58 よくある間違いチェック項 No.18-1 自施設で胃癌と診断し 治療目的に他施設へ紹介 他施設で治療終了し 経過観察のため当院へ逆紹介 診断施設 :1. 自施設診断治療施設 : 4. 他施設で初回治療終了後に 受診 1. 自施設で初回治療せず 経過不明 59 11 診断施設 12 治療施設 16 進展度 治療前 チェック項 No.19 診断施設が 2. 他施設診断 かつ治療施設が 4. 他施設で初回治療終了後に自施設に受診 の場合 進展度 治療前は 499. 不明 とする 前医からの紹介状等により 進展度に関する情報が判明していても登録できません 例外 777. 該当なし C42.0 血液 C42.1 骨髄 60
よくある間違い チェック項 No.19 他院で胃癌 肝転移の診断にて経過観察後 当院で経過観察継続のため入院 診断施設 :2. 他施設診断治療施設 :4. 他施設で初回治療終了後に自施設に受診進展度 治療前 : 440( 遠隔転移 ) 499( 不明 ) 61 9 原発部位 局在コード 10 病理診断 形態コード 13 診断根拠 診断根拠が顕微鏡的 ( 病理学的 ) 診断以外の場合 病理診断 形態コードを届出マニュアル P32 に掲載がないものを選択するとエラー ( 警告 ) 顕微鏡的 ( 病理学的 ) 診断以外とは 4. 部位特異的腫瘍マーカー 5. 臨床検査 6. 臨床診断 9. 不明 チェック項 No.20 顕微鏡的 ( 病理学的 ) 診断とは 1. 原発巣の組織診 2. 転移巣の組織診 3. 細胞診 詳細は届出マニュアル 32,35 ページ 62 届出マニュアル 32 ページ チェック項 No.20 よくある間違いその 1 チェック項 No.20 表にある形態コード 組織診断名は診断根拠が 4. 部位特異的腫瘍マーカー 5. 臨床検査 6. 臨床診断 9. 不明の場合でも選択できる 表にない形態コード 組織診断名は診断根拠が 1. 原発巣の組織診 2. 転移巣の組織診 3. 細胞診の場合にしか選択できない CT 検査の結果で右肺小細胞癌の診断 診断根拠 :5. 臨床検査病理診断 形態コード : 8041/3 8000/3 届出マニュアル P32 の一覧表に掲載のないコード ( 小細胞癌 ) ( 悪性腫瘍 ) 診断根拠が 1~3 の場合のみ 8041 のコードが選択可能 届出マニュアル 2017 年改訂版で追加 ( 国立がん研究センターがん情報サイトよりダウンロード可能 ) 63 64
よくある間違いその 2 チェック項 No.20 よくある間違いその 3 チェック項 No.20 他施設からの紹介状に 悪性リンパ腫 とはあるが 詳細な情報は不明であった 病理診断 形態コード :8000/3 9590/3 ( 悪性腫瘍 ) ( 悪性リンパ腫 ) 他施設からの紹介状に 胃管状腺癌 の記載あり 胃の生検で診断がついた との情報がある 診断根拠 : 9. 不明 1. 原発巣の組織診病理診断 形態コード :8211/3( 管状腺癌 ) 届出マニュアル P32 の一覧表に掲載されているコード 診断根拠は全経過を通じて選択可能 ( 届出マニュアル P35) 65 66 チェック項 No.20 よくある間違いその 4 例外 チェック項 No.20 自施設の CT 検査で肺癌の診断となり 手術目的で他施設へ紹介 他施設で肺切除術を施行し 病理診断は 腺癌 との返信が届いた 診断根拠 : 1. 原発巣の組織診 5. 臨床検査病理診断 形態コード : 8140/3 8000/3 ( 腺癌 ) 治療施設 :1( 自施設で初回治療せず ) の場合は 他施設へ紹介した時点までが 全経過です ( 悪性腫瘍 ) 67 原発部位 局在コードが C42.0 血液 または C42.1 骨髄 は 診断根拠についての情報が不明な場合でも 診断根拠は 3. 細胞診 とする 国立がん研究センターに確認済 (H29.8.31) 68
これまでの説明で パターン化できる 入力の組み合わせ 9 原発部位 C42.0 血液 C42.1 骨髄 の場合 白血病 骨髄 血液白血病 骨髄 ( マクログロブリン血症を除く ) C42.1 69 70 12 治療施設 1 または 4 の場合 C42.0 血液 C42.1 骨髄 を除く 11 診断施設 2 12 治療施設 4 の場合 C42.0 血液 C42.1 骨髄 を除く 71 72
国立がん研究センターがん情報サービス http://ganjoho.jp/reg_stat/can_reg/national/hospital/qa/index.html 最後に 情報提供とお願い 質問の追加 表現の一部修正 回答の変更 73 74 回答の変更点 届出内容について Q6(2017/10/27 更新 ) Q6 経過観察 ( 緩和ケアを含む ) は 決定した時点で初回治療は終了したとみなすので 決定施設 = 初回治療施設となり 紹介先が治療施設となることはない? つまり Q6 の回答は A 病院 がんの診断 経過観察決定 紹介 届出は 診断施設 1. 自施設診断 治療施設 1. 自施設で初回治療をせず他施設に紹介 回答経過観察の方針決定だけでは治療施設とはならない 経過観察を治療として開始した施設が治療施設になる B 病院 経過観察開始 届出は 診断施設 2. 他施設診断 治療施設 2. 自施設で初回治療を開始 75 76
ちなみに A 施設で経過観察を実施後 B 病院で経過観察継続の場合 A 病院 がんの診断 経過観察決定と実施 紹介 届出は 診断施設 1. 自施設診断 治療施設 2. 自施設で初回治療を開始 届出対象の抽出 ( 注意点 ) 届出対象者のリストアップ ( ケース ファインディング ) B 病院 経過観察継続 届出は 診断施設 2. 他施設診断 治療施設 4. 他施設で初回治療を終了後に自施設を受診 届出対象年の 1 月 1 日 ~12 月 31 日までの期間のみで抽出すると 届出漏れが発生します! 77 78 届出対象の抽出 ( 注意点 ) 例 ) 届出対象年 :H28 年外来にてH28 年 12 月に診断され H29 年 1 月に入院した場合 入院日でH28 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日で抽出した場合には リストアップされない 期間を長めにみることが大事 他の情報源も組み合わせて確認してください 当室からのお願い ~ 備考欄について 1~ 氏名 氏名に外字が含まれる場合は 可能な限り Shift_JIS の範囲の異体字に置き換えを! また 置き換えた場合には 正式な漢字の参考情報の入力をお願いします 例 ) 辻 正しくは 一点しんにょう 届出時の姓が診断時とは異なる場合も入力例 ) 新姓 : 高橋 79 80
当室からのお願い ~ 備考欄について 2~ 住所 届出時の最新住所が診断時住所とは異なる場合は入力例 ) 最新住所 : 宮城県仙台市青葉区上杉 5-7-30 当室からのお願い ~ 備考欄について 3~ 既往のがん がんの既往がある場合 罹患年 癌の詳細 どの病院でどんな治療をしたかを入力 例 )55 歳頃 胃癌を A 病院にて手術 H10 年頃 肺癌 B 病院にて化学療法 紹介元病院 紹介先病院等も入力 81 82 届出内容でご不明な点は当室までお気軽にお問合せください ご清聴ありがとうございました 83