茨城県住生活基本計画

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栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 二期計画 ) 概要版 1 計画の目的と背景 高齢化が急速に進行する中 平成 24 年 3 月に県土整備部と保健福祉部が連携のもと高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく 栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 以下 現計画 という ) を策定し 高齢者が安心して快適に暮

第 2 章高齢者を取り巻く現状 1 人口の推移 ( 文章は更新予定 ) 本市の総人口は 今後 ほぼ横ばいで推移する見込みです 高齢者数は 増加基調で推移し 2025 年には 41,621 人 高齢化率は 22.0% となる見込みです 特に 平成 27 年以降は 後期高齢者数が大幅に増加する見通しです

Microsoft Word - 高齢者居住安定確保計画(最終案)

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Microsoft Word - 【資料3】表紙

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四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

計画の今後の方向性

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青森県高齢者居住安定確保計画 ( 案 ) 平成年月 青森県

高齢者居住安定確保計画とは 高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律 [ 平成 年 8 月 9 日施行 ] 高齢者の居住の安定の確保を一層推進するため 基本方針の拡充 都道府県による高齢者の居住の安定の確保に関する計画の策定 高齢者生活支援施設と一体となった高齢者向け優良賃貸住宅の供給


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高齢者の居住安定確保プラン 第2章 東京の高齢者を取り巻く状況

3改正住まいプラン

目 次 第 1 章計画の背景 目的 1 計画の背景 計画の目的 計画の期間... 1 第 2 章高齢者をとりまく状況と課題 1 山梨県の高齢者をとりまく状況 人口 世帯等 高齢者の所得 就業 高齢者の住まい... 9

相模原市住宅基本計画 概要版

平成25年住宅・土地統計調査 集計項目別統計表一覧

2 基本理念と基本目標 本市のまちづくりの指針である 第 2 次柳井市総合計画 は 平成 29 年 3 月に策定 されました この総合計画では すべての市民が健康で安心して暮らせる 人にやさ しいまちづくり を健康 福祉分野の基本目標に掲げ その実現を目指しています これは 高齢者も含めた全ての市民

高齢者住宅施策の現状と今後の方向性

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

マンション棟数密度 ( 東京 23 区比較 ) 千代田区中央区港区新宿区文京区台東区墨田区江東区品川区目黒区大田区世田谷区渋谷区中野区杉並区豊島区北区荒川区板橋区練馬区足立区葛飾区江戸川区

3 高齢者 介護保険を取り巻く現状 1 人口 高齢化率本市は高齢化率が 45% を超えており 本計画の最終年度である 2020( 平成 32) 年度には 高齢化率 48.0% 2025( 平成 37) 年度には高齢化率 49.7% まで増加することが推計されます また 2018( 平成 30) 年以

PowerPoint プレゼンテーション


表紙

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

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一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市

(2) 金沢市の世帯数の動向 350, , ,000 ( 人 世帯 ) ( 人 / 世帯 ) 世帯数 世帯人員 , , , , ,1

高齢者を取り巻く状況 将来人口 本市の総人口は 今後も減少傾向で推移し 平成32年 2020年 には41,191人程度にまで減少し 高齢 者人口については 平成31年 2019年 をピークに減少に転じ 平成32年 2020年 には15,554人程度 になるものと見込まれます 人 第6期 第7期 第8

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

定住意向で 今後も住み続けたい が過半数 ( 約 60%) を占めている 高齢者 障がい者対策で 身近なデイサービスの拡充 道路 公共施設のバリアフリー 相談窓口 等を求める意見が多い 子育て支援では 公園 保育所 児童館の整備 が多い 3) 周辺環境について より広い 地区単位の区分では以下のよう

住まい まちづくりの基本目標と基本的施策の展開方向 1. 住まい まちづくりの理念と基本目標 だれもが安心して住み続けたいと感じる魅力ある とだ の住まい まちづくり を政策の基本理念とし これを実現するために次の 3 つを基本目標として総合的な施策を図るものとします 基本目標 -Ⅰ 多様なニーズに

3章.xdw

高齢者の住まいに係る社会背景 高齢化が急速に進む中で 高齢者の単身者や夫婦のみの世帯が急増しており 介護 医療と連携して 高齢者を支援するサービスを提供する住宅を確保することが重要である 一方 高齢者住宅の供給は 欧米各国に比べて立ち後れている状況である 国土交通省 厚生労働省共管の制度として 高齢

地域住宅計画 計画の名称千葉市地域 (3 期 ) 都道府県名千葉県作成主体名計画期間平成 27 年度 ~ 31 年度 千葉市 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 千葉市は千葉県のほぼ中央部に位置し 人口は約 96 万人 世帯数は約 42 万世帯の地域で地域面積は k m2である 本市では

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(2) 高齢者の福祉 ア 要支援 要介護認定者数の推移 介護保険制度が始まった平成 12 年度と平成 24 年度と比較すると 65 歳以上の第 1 号被保険者のうち 要介護者又は要支援者と認定された人は 平成 12 年度末では約 247 万 1 千人であったのが 平成 24 年度末には約 545 万

北多摩南部圏域 東京都 武蔵野市 三鷹市 府中市 調布市 施設 36% 小金井市 狛江市 凡例 円グラフの大きさ 1,百万円未満 延べ 5百人未満 施設 居住系 1% 在宅 51% 在宅 71% 居住系 13% 大 中 小 1,百万円以上 1,百万円未満 1,百万円以上 5百人以上 1,百人未満 1

区西北部圏域 豊島区 北区 板橋区 練馬区 1,000百万円未満 500百人未満 居住系 在宅 51% 在宅 71% 居住系 13% 大 中 施設 19% 施設 36% 凡例 円グラフの大きさ 小 東京都 1,000百万円以上 10,000百万円未満 10,000百万円以上 500百人以上 1,00

神奈川県における高齢者を取り巻く状況 1 総人口の推移 ( 人口減少時代へ ) 本県における総人口は 平成 27 年度に約 915 万人となり その5 年後までには 人口のピークから人口減少時代へ入っていくことが予測されています 本県における総人口の推移 注 1 平成 22 年度までは 国勢調査によ

福岡市居住支援協議会 福岡市居住支援協議会の概要 目 的 住宅困窮者の状況及び民間賃貸住宅市場の動向に関する情報 を共有するとともに, 民間賃貸住宅を活用した住宅困窮者の円滑 入居支援策の効果的な推進を図る 根拠法令 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律 ( 住宅セーフティネット

サービス付き高齢者向け住宅の登録制度の概要 バリアフリー化や居住者への生活支援の実施等の基準を満たす住宅について都道府県等が登録を実施 サービス付き高齢者向け住宅の登録制度は 高齢者の居住の安定確保に関する法律 ( 高齢者住まい法 ) の改正により 平成 23 年 10 月に創設 料金やサービス内容

親世帯全員が暴力団員でないこと 親世帯のいずれかが介護保険施設 在宅とされる施設及びこれに準ずる施設に入所又は入居していないこと 4) 町内業者加算 施工業者が建築工事業の建設業許可を受けた町内に本店を有する事業者であること 対象住宅の要件 1) 新築住宅の場合 平成 2 9 年 4 月 1 日以降

まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

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居住面積水準 住生活基本計画 (H28.3 閣議決定 ) において 最低居住面積水準及び誘導居住面積水準を定めている 最低居住面積水準は 健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積の基準である 誘導居住面積水準は 豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要


78 成蹊大学経済学部論集第 44 巻第 1 号 (2013 年 7 月 ) % % 40%

Microsoft Word - 沖縄県住生活基本計画(概要版)1101

基本理念 第 6 期計画では 高齢者が住み慣れた地域で健康でいきいきと充実した生活を送ることができる地域社会の構築をめざしてきました 第 7 期計画においても 第 6 期計画の基本理念を継承し 総合計画における高齢者福祉の施策の実現をめざして 住んでよかった亀岡 老後も楽しい亀岡 を本計画の基本理念

Microsoft Word - ●【本編】おおた高齢者施策推進プラン180313 《最終校正》

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平成17年度社会福祉法人多花楽会事業計画(案)

大規模住宅団地の現状と活性化・再生の進め方

平成20年 住宅・土地統計調査から見た       美濃加茂

2-5 住宅の設備

Microsoft PowerPoint - 資料2 国交省提出資料

1 防災機能 東海地震防災対策強化地域 東南海 南海地震防災対策推進地域に指定され 大規模地震の危険性の高い地域となっています 平成 19 年度の住宅の耐震化率は 77% です 4m 未満の狭あい道路に接する住宅は 概ね 40% 前後で推移しています 近隣市と比較すると西尾市に次いで高く 2m 未満

平成24年度 団塊の世代の意識に関する調査 経済状況に関する事項

< 目次 > 資料編... 第 1 章 長崎県高齢者居住安定確保計画について 計画の背景と目的 計画の位置付けと計画期間... 第 2 章 長崎県の高齢者を取り巻く現状と課題 高齢者の状況 高齢者の住まい等の状況 高齢者を取りまく課題...

板橋区版 AIP の構築に向けた取組に関する検討報告書 < 概要版 > 平成 28 年 2 月 板橋区

平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

01 【北海道】

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用への助成を除くと 住宅に関する融資や助成制度等の情報提供の充実 との回答割合が高い( 子育て住み替え意識調査 ) 以上のことから 住宅が手狭であることを理由に市外へ転出する若い世代が相当数存在し また その傾向が強まっていることがうかがえる また 住み替え後は4LDKの間取りを中心とした持ち家 (

別表 有料老人ホームの類型及び表示事項 類型介護付有料老人ホーム ( 一般型特定施設入居者生活介護 ) 介護付有料老人ホーム ( 外部サービス利用型特定施設入居者生活介護 ) 住宅型有料老人ホーム ( 注 ) 健康型有料老人ホーム ( 注 ) 類型の説明介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設で

①基本計画_ xbd

各論第 3 章介護保険 保健福祉サービスの充実

資料編... < 目次 > 第 1 章 長崎県高齢者居住安定確保計画について 計画の背景と目的 計画の位置付けと計画期間... 第 2 章 長崎県の高齢者を取り巻く現状と課題 高齢者の状況 高齢者の住まい等の状況 高齢者を取りまく課題...

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計画の概要 太田市地域福祉計画 太田市地域福祉活動計画とは? 太田市地域福祉計画市民のみなさまからご意見を伺いながら作成した 今後の地域福祉の方向性 将来像を示した太田市の計画です 太田市地域福祉活動計画社会福祉法人太田市社会福祉協議会が策定した 地域の社会福祉を推進するための具体的な活動計画です

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2

1章 静岡市住生活基本計画の目的

第3章 住宅政策上の課題(基本的課題)

地域住宅計画 計画の名称高岡地域 (H27-31) 都道府県名富山県作成主体名高岡市 計画期間 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 平成 27 年度 ~ 31 年度 高岡地域は富山県の西部に位置し 人口約 17 万 6 千人 世帯数約 6 万 6 千世帯 (H26.12 月住民基本台帳 ) の地域で

地域包括ケアシステムの構築について 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年を目途に 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 医療 介護 予防 住まい 生活支援が包括的に確保される体制 ( 地域包括ケアシステム ) の構築を実現 今後

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

2010

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

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公的な住宅改修制度について


[ いきいき支援センターの運営方針 ] いきいき支援センターについて 以下の方針に基づいた運営に努めます 高齢者の保健福祉に関する総合相談等を実施し 高齢者が地域において自立した日常生活を営むことができるよう支援します 認知症に関する総合相談窓口としての役割を担うとともに 認知症高齢者を介護する家族

2-1 沖縄県の住宅事情 (1) 人口 世帯数及び住宅ストックの状況 1 平成 22 年 ~42 年に人口 2.7% 増 ( 全国 :8.9% 減 ) 世帯数 13.0% 増 ( 全国 :5.9% 減 ) 推計によると 本県は人口 世帯数ともに平成 37 年まで増加する ( 全国では人口 H22 世

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Microsoft Word - ◆概要版.doc

相続財産の評価P64~75

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つくば市高齢者居住安定確保計画 平成 28 年 1 月 つくば市

目 次 第 1 章計画の策定... 1 1-1 計画の目的 期間... 2 (1) 計画の背景と目的... 2 (2) 計画の期間... 2 1-2 計画の位置づけ... 3 第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題... 5 2-1 社会環境の変化... 6 (1) 高齢者人口の推移... 6 (2) 高齢者世帯数の推移... 8 (3) 日常生活圏域別の高齢者の状況... 9 (4) 要介護認定者数の推移... 10 (5) 要介護認定者数の推計... 11 2-2 高齢者の居住状況... 12 (1) 住まいの所有関係... 12 (2) 住まいの建築時期... 13 (3) 住まいの広さ... 14 (4) 住まいのバリアフリー化... 15 (6) 子との居住状況 ( 茨城県 )... 17 (7) 借家家賃... 18 (8) 高齢期における住み替え 改善の意向 ( 茨城県 )... 19 (9) 介護が必要になった場合に希望する暮らし方... 20 (10) 民間賃貸住宅市場における入居制限の状況 ( 全国 )... 21 2-3 高齢者向け住宅 施設の立地状況... 22 2-4 高齢者の居住を取り巻く課題... 23 (1) 高齢者人口の増加と高齢者のみの世帯の増加... 23 (2) 住まいのバリアフリー化... 23 (3) 民間賃貸住宅市場での入居敬遠... 23 (4) 高齢者の住まいに関するニーズと事業者の質の向上... 23 (5) 親と子の同居 近居... 23 第 3 章基本的方針... 25 3-1 基本理念と基本目標... 26 (1) 高齢者の居住安定の確保に関する施策の理念... 26 (2) 基本目標... 27 3-2 施策の体系... 29 第 4 章推進する施策... 31

4-1 住み続けられる住まい まちづくり... 32 (1) 住まいのバリアフリー化の促進... 32 (2) 地震等災害に強い住まいづくり... 33 (3) 民間賃貸住宅の情報提供... 33 4-2 高齢者のニーズに応じた居住の場の確保... 34 (1) 高齢者向け住宅の供給目標の考え方... 34 (2) 高齢者向け住宅の供給目標... 34 (3) 介護保険施設の計画的整備... 35 4-3 高齢者の住宅セーフティネットの構築... 36 (1) 市営住宅における生活支援機能... 36 (2) 市営住宅のバリアフリー化... 36 (3) 高齢者への市営住宅の供給... 36 4-4 地域支援体制の構築... 37 (1) 介護サービス基盤の強化... 37 (2) 高齢者世帯への居住支援... 37 (3) 情報提供 相談窓口の整備... 37 第 5 章計画の実現に向けて... 39 5-1 計画の推進体制... 40 (1) 市民や関係機関等との連携強化... 40 (2) 市役所内部局間の連携強化... 40 5-2 計画の進行管理... 40

第 1 章計画の策定 1-1 計画の目的 期間 1-2 計画の位置づけ 1

第 1 章計画の策定 1-1 計画の目的 期間 (1) 計画の背景と目的高齢者が安心して豊かな暮らしを営むためには, 住宅政策と福祉政策が連携して高齢者の住まいの確保に取り組むとともに, 高齢者を地域で支える体制を構築する必要があります つくば市は, 茨城県から平成 25 年に有料老人ホーム, 平成 26 年に県内で初めてサービス付き高齢者向け住宅に係る事務権限の移譲を受け, 高齢者に適した良好な居住環境の整備に取り組んでいます 現在, サービス付き高齢者向け住宅については, 入居する高齢者の安全性 快適性の向上を図るため, 市独自に設備構造 運営に係る基準を明確化した設置運営指導指針, 事務取扱要綱を定め指導を行っているところです 今後, 高齢者のみの世帯などが一層増加することが予想されるため, 高齢者の住まいの適正な質及び量の確保について十分に検討し, 長期的に高齢者の居住の安定確保を図ることが重要となります このような背景のもと, 高齢者の住まいに係る施策を体系化し, 総合的かつ計画的に展開することを目的として, 高齢者の居住の安定確保に関する法律 ( 高齢者住まい法 ) 第 4 条で定められた茨城県高齢者居住安定確保計画に基づき, つくば市高齢者居住安定確保計画を策定します 持ち家 住宅施策 賃貸住宅 市営住宅 高齢者の住まい 介護保険施設 有料老人ホーム 福祉施策 サービス付き高齢者向け住宅 (2) 計画の期間 本計画の計画期間は, 茨城県高齢者居住安定確保計画及びつくば市高齢者福祉計画の 改定時期を踏まえ, 平成 27 年度から平成 29 年度までの 3 年間とします 2

第 1 章計画の策定 1-2 計画の位置づけ本計画は, 茨城県住生活基本計画, 茨城県高齢者居住安定確保計画及びつくば市高齢者福祉計画との調和を図りながら, 住宅施策と福祉施策が連携して施策に取り組むことにより, 高齢者の多様なニーズに対応した住居や福祉サービスを選択できるように住宅 住環境を整備することを目指すものです つくば市高齢者福祉計画は, 老人福祉法に基づく 老人福祉計画 と, 介護保険法に基づく 介護保険事業計画 の2つの法定計画の総称です 特別養護老人ホーム等の介護保険施設及び認知症高齢者グループホーム等の居住系サービスの供給目標や, 居宅サービスなど介護給付等サービスの量の見込みを定めています このため, 本計画で設定する高齢者の住まいに係る供給目標は, 高齢者福祉計画と整合を図ることが求められます つくば市高齢者居住安定確保計画の位置づけ 茨城県総合計画 いきいきいばらき生活大県プラン 茨城県住生活基本計画 平成 23 年度 ~ 平成 32 年度 いばらき高齢者プラン 21 平成 27 年度 ~ 平成 29 年度 茨城県高齢者居住安定確保計画 つくば市高齢者居住安定確保計画 つくば市高齢者福祉計画 3

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第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 2-1 社会環境の変化 2-2 高齢者の居住状況 2-3 高齢者向け住宅 施設の立地状況 2-4 高齢者を取り巻く課題 5

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 2-1 社会環境の変化 (1) 高齢者人口の推移平成 26 年 10 月 1 日現在,65 歳以上の高齢者数は3 万 9 千人であり, 市の人口およそ 22 万人のうち 17.9% を占めています 高齢者人口の推移をみると, 一貫して増加傾向となっており, 平成 29 年には, 高齢者数 4 万 3 千人, 高齢化率 18.8% になると推計されています つくば市の高齢者人口推移と推計 高齢者数 ( 人 ) 50,000 45,000 40,000 35,000 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 18.6 18.8 18.3 17.9 17.2 16.5 35,656 37,494 39,312 40,832 42,207 43,337 H24 H25 H26 H27 H28 H29 19 18.5 18 17.5 17 16.5 16 15.5 15 高齢化率 ( % ) 資料 : 住民基本台帳 ( 各年 10 月 1 日現在 ) 6

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 100 歳以上 90-94 80-84 70-74 60-64 50-54 40-44 30-34 20-24 10-14 0-4 4,748 6,196 6,206 6,153 6,587 8,116 9,792 9,334 8,587 7,679 8,198 5,859 5,770 6,007 5,949 つくば市の人口ピラミッド 男性 9 73 331 1,214 2,107 3,142 55 女性 312 1,234 65 歳以上 2,462 男性 17,820 人 3,078 3,549 女性 21,492 人 4,734 6,068 6,405 5,871 6,024 7,251 9,148 8,731 7,787 6,818 6,708 5,277 5,394 5,517 5,655 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 資料 : 住民基本台帳 ( 平成 26 年 10 月 1 日現在 ) つくば市の人口割合の推移 (%) 80 70 68 67.3 66.5 66.2 65.9 65.8 60 50 40 30 20 10 0 16.5 17.2 17.8 18.3 18.6 18.8 15.5 15.6 15.5 15.5 15.5 15.4 H24 H25 H26 H27 H28 H29 生産年齢人口 (16 歳 ~64 歳 ) 高齢者人口 (65 歳以上 ) 年少人口 (15 歳未満 ) 資料 : 住民基本台帳 ( 各年 10 月 1 日現在 ) 7

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 (2) 高齢者世帯数の推移平成 26 年 10 月 1 日現在, 高齢単身世帯が6 千 5 百世帯, 高齢夫婦世帯が5 千 7 百世帯です 市内の一般世帯数 9 万 2 千世帯のうち,13.3% が高齢者世帯 ( 高齢単身世帯, 高齢夫婦世帯 ) となっています つくば市の高齢者世帯数の推移 ( 世帯 ) (%) 7,000 13.3 14.0 12.3 6,584 11.5 6,012 5,767 6,000 12.0 10.6 5,533 10.1 5,294 9.7 4,835 5,000 4,743 5,068 10.0 4,417 4,400 3,922 4,172 4,000 8.0 3,000 6.0 2,000 4.0 1,000 2.0 0 H21 H22 H23 H24 H25 H26 高齢者単身世帯高齢者夫婦世帯高齢者世帯比率 0.0 高齢単身世帯 :65 歳以上の単身世帯 高齢夫婦世帯 : 夫 65 歳以上, 妻 60 歳以上の夫婦のみの世帯 資料 : 住民基本台帳 ( 各年 10 月 1 日現在 ) 8

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 (3) 日常生活圏域別の高齢者の状況高齢化率については, 筑波地区 茎崎地区において 30% を超える高い割合となっており, 一方で, 桜地区 谷田部東地区では9~12% 程度と若い世帯が多くなっています 高齢者人口に占める要介護認定者数の割合では, 筑波地区は 20.3% で最も高くなっている一方で, 茎崎地区が 12.4% で最も低くなっており, その他の市中央に位置する圏域はいずれも 16% 前後の割合となっています 日常生活圏域別の高齢者状況一覧 大穂地区 総人口 19,560 高齢者人口 3,769 ( 高齢化率 ) 19.3% 認定者数 659 ( 対高齢者人口割合 ) 17.5% 筑波地区 総人口 19,254 高齢者人口 6,056 ( 高齢化率 ) 31.5% 認定者数 1,231 ( 対高齢者人口割合 ) 20.3% 豊里地区 総人口 16,506 高齢者人口 3,601 ( 高齢化率 ) 21.8% 認定者数 640 ( 対高齢者人口割合 ) 17.8% 谷田部西地区 総人口 33,744 高齢者人口 6,458 ( 高齢化率 ) 19.1% 認定者数 1,088 ( 対高齢者人口割合 ) 16.8% 桜地区 総人口 50,492 高齢者人口 6,202 ( 高齢化率 ) 12.3% 認定者数 994 ( 対高齢者人口割合 ) 16.0% 谷田部東地区 総人口 56,259 高齢者人口 5,468 ( 高齢化率 ) 9.7% 認定者数 857 ( 対高齢者人口割合 ) 15.7% 茎崎地区 総人口 24,321 高齢者人口 7,758 ( 高齢化率 ) 31.9% 認定者数 965 ( 対高齢者人口割合 ) 12.4% 資料 : 住民基本台帳 ( 平成 26 年 10 月 1 日現在 ) 認定者は住所地特例を除く 9

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 (4) 要介護認定者数の推移市の要支援 要介護認定者数は, 平成 21 年から平成 25 年にかけて 1,161 人 ( 22.9%) の増加となっています 特に, 要支援 1から要介護 1の比較的軽度の認定者が顕著に増加しています つくば市の要支援 要介護度別の認定者数の推移 ( 人 ) 7000 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 542 708 997 1,106 960 608 709 929 1,170 1,083 615 725 947 1,178 668 795 919 1,246 671 862 985 1,296 1,200 1,228 1,358 491 537 563 624 655 269 337 403 442 407 H21 H22 H23 H24 H25 要介護 5 要介護 4 要介護 3 要介護 2 要介護 1 要支援 2 要支援 1 H21 H22 H23 H24 H25 H21 H25 増減率 要支援 1 269 337 403 442 407 51.30% 要支援 2 491 537 563 624 655 33.40% 要介護 1 960 1,083 1,200 1,228 1,358 41.50% 要介護 2 1,106 1,170 1,178 1,246 1,296 17.20% 要介護 3 997 929 947 919 985 1.2% 要介護 4 708 709 725 795 862 21.80% 要介護 5 542 608 615 668 671 23.80% つくば市計 5,073 5,373 5,631 5,922 6,234 22.90% 茨城県 89,302 93,221 97,632 102,968 109,346 22.50% 全国 4,773,942 4,980,595 5,203,525 5,460,577 5,762,087 20.70% 資料 : 介護保険事業状況報告 ( 各年 9 月末現在 ) 10

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 (5) 要介護認定者数の推計要支援 要介護認定者数の見込は, 将来の高齢者人口の推計を基に推計した結果, 平成 27 年の 6,972 人から, 平成 29 年度には 7,725 人と 753 人 (10.8%) の増加が見込まれます つくば市の要支援 要介護認定者数の推計 ( 人 ) 8000 7000 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 714 709 702 900 884 862 1,306 1,225 1,141 1,435 1,504 1,569 1,546 1,665 1,780 689 711 742 597 652 714 H27 H28 H29 要介護 5 要介護 4 要介護 3 要介護 2 要介護 1 要支援 2 要支援 1 H27 H29 H27 H28 H29 増減率 (%) 平成 32 年平成 37 年 要支援 1 597 652 714 19.6 844 1,071 要支援 2 689 711 742 7.7 840 1,033 要介護 1 1,546 1,665 1,780 15.1 2,044 2,601 要介護 2 1,435 1,504 1,569 9.3 1,771 2,201 要介護 3 1,141 1,225 1,306 14.5 1,502 1,849 要介護 4 862 884 900 4.4 978 1,232 要介護 5 702 709 714 1.7 763 916 つくば市計 6,972 7,350 7,725 10.8 8,742 10,903 資料 : 介護保険事業状況報告 ( 各年 9 月末見込み ) 11

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 2-2 高齢者の居住状況 (1) 住まいの所有関係高齢者世帯の住宅を所有関係別にみると, 高齢単身世帯が 84.20%( 茨城県平均 75.5%), 高齢夫婦世帯が 92.93%( 茨城県平均 94.2%) 持家に居住しており, 主世帯全体と比較して持家に居住している比率が高い つくば市の所有関係別世帯比率 世帯数 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 主世帯全体 (90,000 世帯 ) 50.48% 2.14% 38.53% 4.24% 4.60% 高齢単身 (3,480 世帯 ) 高齢夫婦 (5,940 世帯 ) 84.20% 92.93% 0.86% 6.03% 7.76% 1.15% 4.38% 2.02% 0.67% 持家 公営 都市再生機構 公社の借家 民営借家給与住宅不詳 単位 : 戸 持家 公営 都市再生機構 公社の借家 民営借家給与住宅不詳 合計 ( 世帯 ) 主世帯全体 45,430 1,930 34,680 3,820 4,140 90,000 高齢単身 2,930 210 270 30 40 3,480 高齢夫婦 5,520 120 260 0 40 5,940 資料 : 平成 25 年住宅 土地統計調査 12

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 (2) 住まいの建築時期高齢者のいる世帯の持ち家の建築時期をみると, 持ち家全体に比べて, 高齢者のいる世帯は建築時期の古い住宅に住んでいる傾向があります また, 昭和 55 年にまでに建築された住宅に居住している世帯は 38.04% となっており, 昭和 56 年の耐震基準を満たしていない住宅に居住している比率が高いことから, 耐震改修などによる耐震性の確保が課題となっています つくば市の建築時期別比率 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 持ち家総数 (45,430 世帯 ) 24.13% 1.14% 7.73% 16.40% 19.28% 18.51% 30.95% 5.99% 高齢者のいる世帯 (21,900 世帯 ) 38.04% 2.01% 13.15% 24.89% 23.88% 18.63% 14.70% 2.74% 昭和 45 年以前昭和 46 ~55 年 昭和 56 ~ 平成 2 年 平成 3 ~12 年 平成 13 ~22 年 平成 23 ~25 年 9 月 不詳 資料 : 平成 25 年住宅 土地統計調査 13

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 (3) 住まいの広さ高齢者世帯の居住面積水準達成状況をみると, 高齢単身世帯では 88.51%( 茨城県平均 78.7%), 高齢夫婦世帯では 89.39%( 茨城県平均 88.1%) が誘導居住面積水準を達成しており, 比較的十分な広さの住宅に居住している世帯が多くなっています 一方, 高齢単身世帯の 2.01%( 茨城県平均 5.2%) は, 健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅面積である最低居住面積水準を達成できていない つくば市の居住面積水準別比率 0% 20% 40% 60% 80% 100% 主世帯全体 (90,000 世帯 ) 4.94% 33.08% 57.37% 4.61% 高齢単身 (3,480 世帯 ) 2.01% 8.33% 88.51% 1.15% 高齢夫婦 (5,940 世帯 ) 0.00% 10.10% 89.39% 0.51% 最低居住面積水準未満 最低以上誘導未満 誘導居住面積水準達成 不詳 資料 : 平成 25 年住宅 土地統計調査 誘導居住面積水準, 最低居住面積水準 ( 抄 ) (1) 一般型誘導居住面積水準 ( 都市の郊外及び都市部以外の一般地域における戸建住宅居住 ) 1 高齢単身世帯 55m2 2 高齢夫婦世帯 75m2 (2) 都市居住型誘導居住面積水準 ( 都市の中心及びその周辺における共同住宅居住 ) 1 高齢単身世帯 40m2 2 高齢夫婦世帯 55m2 (3) 最低居住面積水準 1 高齢単身世帯 25m2 2 高齢夫婦世帯 30m2注 ) 次の場合には, 上記の面積によらないことができる 適切な規模の共用の台所及び浴室があり, 各個室に専用のミニキッチン, 水洗便所及び洗面所が確保され, 上記の面積から共用化した機能 設備に相当する面積を減じた面積が個室部分で確保されている場合資料 : 茨城県住生活基本計画 14

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 (4) 住まいのバリアフリー化 1 高齢者等のための設備状況高齢者のいる世帯における高齢者等のための設備の設置状況をみると, 手すりの設置に比べ, またぎやすい高さの浴槽, 車いすで通行可能な廊下の幅, 屋内の段差の解消などの整備が遅れています 高齢者の居住する借家においては, 持ち家に比べてバリアフリー化が遅れており,62.77%( 茨城県平均 70.8%) は高齢者等のための設備はないという状況となっています つくば市の高齢者のいる世帯における高齢者等のための設備の設置状況( 設備別 ) 0.00% 10.00% 20.00% 30.00% 40.00% 50.00% 60.00% 70.00% 高齢者等のための設備がある [ 手すりの設置場所 ] 手すりがある 階段 浴室 トイレ 玄関 廊下 脱衣室 居住室 その他 まだきやすい高さの浴槽 廊下などが車いすで通行可能な幅 段差のない屋内 道路から玄関まで車いすで通行可能 高齢者等のための設備はない 37.23% 21.17% 34.65% 37.05% 5.11% 29.42% 30.75% 16.06% 28.05% 29.01% 18.25% 12.63% 12.79% 14.60% 7.75% 8.27% 0.00% 3.47% 3.48% 1.46% 1.41% 1.55% 0.00% 1.50% 1.65% 0.00% 31.01% 32.44% 12.41% 22.06% 23.04% 13.14% 22.06% 23.79% 0.00% 13.75% 14.15% 11.68% 36.96% 35.31% 62.70% 64.69% 53.92% 56.18% 62.77% 高齢者のいる世帯高齢者のいる持家高齢者のいる借家 資料 : 平成 25 年住宅 土地統計調査 15

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 2 バリアフリー化水準高齢者が居住している住宅の 一定のバリアフリー化 (2か所以上の手すり設置又は屋内の段差解消 ) 高度のバリアフリー化(2か所以上の手すり設置, 屋内の段差解消及び車いすで通行可能な廊下幅 ) の状況をみると, 高齢者のいる世帯全体では, 一定のバリアフリー化が達成されているのは 41.88%( 茨城県平均 36.6%), うち, 高度のバリアフリー化が達成されているのは 9.25%( 茨城県平均 7.6%) となっています 高齢者が居住している住宅を所有関係別にみると, 持家では 44.24%( 茨城県平均 38.6%), 借家では 18.25%( 茨城県平均 18.4%) が一定のバリアフリー化を達成しています 一方, 借家では高齢者等のための設備がない住宅が 62.77%( 茨城県平均 70.8%) と高くなっています 高齢者が居住している住宅を建築時期別にみると, 建築時期が古い住宅ほどバリアフリー化の実施が低い状況となっています つくば市のバリアフリー化水準( 専用住宅 ) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 所有関係 建て方別 建築時期別 高齢者のいる世帯 (23,350 世帯 ) 持家 (21,270 世帯 ) 借家 (1,370 世帯 ) 一戸建 (20,630 世帯 ) 長屋建 (240 世帯 ) 共同住宅 (1,850 世帯 ) 昭和 55 年以前 (8,670 世帯 ) 昭和 56 年 ~ 平成 2 年 (5,780 世帯 ) 平成 3 年 ~12 年 (4,290 世帯 ) 平成 13 年 ~22 年 (3,390 世帯 ) 平成 23 年 ~25 年 9 月 (600 世帯 ) 12.50% 13.86% 13.11% 36.96% 35.31% 37.13% 8.33% 36.76% 44.52% 39.97% 33.80% 7.67% 0.00% 62.77% 20.81% 20.45% 21.28% 10.81% 19.58% 46.61% 60.66% 32.63% 34.27% 18.98% 32.28% 79.17% 37.30% 23.30% 29.07% 35.90% 9.25% 0.34% 9.97% 0.00% 0.00% 18.25% 0.00% 8.92% 0.39% 0.00% 0.00% 15.14% 0.00% 28.37% 3.81% 0.00% 28.72% 2.25% 0.00% 10.72% 0.00% 31.86% 26.23% 0.00% 0.00% 高齢者等のための設備はない 何らかの設備がある ~ 一定のバリアフリー化以下 一定のバリアフリー化 ~ 高度のバリアフリー化以下 高度のバリアフリー化 不詳 資料 : 平成 25 年住宅 土地統計調査 一定のバリアフリー化 :2 か所以上の手すり設置又は屋内の段差解消 高度のバリアフリー化 :2 か所以上の手すり設置, 屋内の段差解消及び車いすで通行可能な廊下幅 16

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 (6) 子との居住状況 ( 茨城県 ) 茨城県内における高齢者世帯の子との居住状況は, 子が片道 15 分未満に住んでいるという高齢単身世帯が 22.3%, 高齢夫婦世帯は 29.4% となっています 一方, 子がいない世帯を含め, 約半数の高齢者世帯では, 子が 1 時間未満の範囲に居住していないこととなり, 地域での見守り等の居住支援が求められています また, 高齢期における親と子の住まい方の意向をみると, 自分が高齢期になった時に子と同居または同一敷地内に住むことを希望しているのは 34.4%, 親が高齢者になった時に親と同居または同一敷地内に住むことを希望しているのは 28.0% となっています 全国の結果では, それぞれ 24.4%,25.5% であり, 茨城県では, 親と子の同居意向が高いことに特徴がみられます つくば市の子の居住地別比率( 普通世帯 ) 高齢者単身世帯 (2,600 世帯 ) 6.1 6.1 9.6 25.3 25.0 27.6 高齢者夫婦世帯 (5,230 世帯 ) 5.7 5.9 15.1 30.5 32.5 10.1 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 一緒に住んでいる ( 同じ建物又は敷地内 ) 片道 15 運未満 片道 1 時間以上 徒歩 5 分程度 片道 1 時間未満 子はいない 茨城県の高齢期の親と子との近居意向 資料 : 平成 25 年住宅 土地統計調査 資料 : 平成 20 年住生活総合調査 17

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 (7) 借家家賃高齢者単身世帯が居住している借家の月額家賃をみると, 借家世帯全体と比較して, 4 万円未満の住宅に居住している比率が高くなっています 平均家賃を比較すると, 借家世帯全体 ( 高齢者世帯以外を含む ) では平均約 5 万円, 高齢単身世帯では約 4 万 3 千円, 高齢夫婦世帯では約 6 万 4 千円となっています つくば市の家賃別借家世帯比率 借家世帯全体 (40,420 世帯 ) 平均 50,057 円 高齢単身借家世帯 (510 世帯 ) 平均 43,519 円 7.94% 高齢夫婦借家世帯 (390 世帯 ) 平均 64,172 円 0.00% 5.13% 0.00% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 4.70% 19.61% 19.17% 0.00% 35.90% 31.37% 29.79% 27.45% 43.59% 25.11% 0.00% 9.80% 0.00% 8.86% 2.15% 9.80% 1.96% 15.38% 10,000 円未満 1 万円 ~2 万円 2 万円 ~4 万円 4 万円 ~6 万円 6 万円 ~8 万円 8 万円 ~10 万円 10 万円以上不詳 2.28% 0.00% 資料 : 平成 25 年住宅 土地統計調査 18

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 (8) 高齢期における住み替え 改善の意向 ( 茨城県 ) 茨城県の高齢期における住み替え 改善の意向をみると, 特に考えていない が 67.6% と最も多くみられます 続いて, リフォームなどを行い住み続ける が 20.8%, 住宅を購入する, 借りる, 施設に入るなどして住み替える が 4.9% となっています 多くの茨城県民が高齢期においても, 住み替えよりも, 現在の住まいに居住し続ける意向を持っているとみられます 茨城県の高齢期における住み替え 改善の意向 不明 3.3% 住宅を購入する, 借りる, 施設に入るなどして住み替える 4.9% 住宅の建て替えを行い住み続ける 3.4% リフォームなどを行い住み続ける 20.8% 特に考えていない 67.6% 資料 : 平成 20 年住生活総合調査 19

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 (9) 介護が必要になった場合に希望する暮らし方第 6 期つくば市高齢者福祉計画策定のために実施したアンケート調査によると,65 歳以上の方が介護が必要になった場合に暮らしたい場所は, 自宅が最も多く 44.9% となりました 次いで, 特別養護老ホーム 8.2%, 有料老人ホームが 4.7% となっています 介護が必要になった場合に希望する暮らし方 自宅で 主に家族や親族に介護してもらいたい 自宅で 主に介護サービスなどを利用したい 子供や親族等の家に住み替え 介護してもらいたい 特別養護老人ホームに入所したい 介護型有料老人ホームに入居したい 住宅型有料老人ホームに入居して 外部の介護サービスを利用したい サービス付き高齢者向け住宅に住み替えて 外部の介護サービスを利用したい 病院に入院したい その他 わからない 無回答 17.9 10.8 17.9 20.2 23.8 38.5 27 30.5 27 27.5 25.9 15.4 1.3 1 1.3 1.7 2.1 1.5 8.2 7.6 11 9.9 3.5 4.6 4.4 4.4 3.5 4.7 全体 (n=1287) 6.3 6.2 65~69 歳 (n=407) 0.3 0.2 70~74 歳 (n=374) 0.5 0.4 75~79 歳 (n=233) 0 80~84 歳 (n=143) 2.7 2 85 歳以上 (n=65) 2.7 3.9 2.8 1.5 2.5 2.2 2.7 2.6 2.8 1.5 1 0.5 1.6 0.9 1.4 0 14.5 16.5 12.3 14.2 13.3 13.8 20.1 24.3 19.5 14.2 18.2 16.9 0 10 20 30 40 % 資料 : 第 6 期つくば市高齢者福祉計画策定のためのアンケート調査 ( 平成 26 年 2 月 ) 調査時に年齢に無回答だった方も全体に含む 20

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 (10) 民間賃貸住宅市場における入居制限の状況 ( 全国 ) 民間賃貸住宅市場においては, 全国的に単身の高齢者や高齢者のみ世帯の入居を制限していることが指摘されています 平成 18 年と平成 22 年を比較すると, 単身の高齢者の入居制限は 8.4% から 8.0% へ, 高齢者のみ世帯は 7.1% から 6.8% と改善傾向はみられますが, 入居制限の理由をみると, 居室内での死亡事故等に対する不安 が 48.4% から 53.9% へと大きく増加していることなどから, 高齢者の入居に対する不安は増加しているものとみることができます 民間賃貸住宅市場における入居制限の状況 ( 全国 ) 入居制限の対象単身の高齢者は不可外国人は不可高齢者のみ世帯は不可生活中心者が離職中の世帯は不可 (H22のみ) 障害者のいる世帯は不可小さい子どものいる世帯は不可母子 ( 父子 ) 世帯は不可その他 0 5 10 15(%) 8.4 8.0 11.6 7.7 7.1 6.8 0 6.0 3.1 4.0 1.9 1.3 1.1 1.3 0.4 0.1 平成 18 年 4 月 平成 22 年 11 月 入居制限の理由家賃の支払いに対する不安居室内での死亡事故等に対する不安他の入居者 近隣住民との協調性に対する不安習慣 言葉が異なることへの不安住宅の使用方法に対する不安入居者以外の者の出入りへの不安生活サイクルが異なることへの不安その他 0 10 20 30 40 50 60 70(%) 39.1 48.4 59.6 53.9 45.3 50.6 59.4 47.2 39.1 40.4 18.8 19.1 17.2 16.9 1.3 4.5 平成 18 年 4 月 平成 22 年 11 月 資料 : 民間賃貸住宅の管理状況調査実施主体 : 国土交通省, 一般社団住まい まちづくり担い手支援機構 (H22), ( 財 ) 日本賃貸住宅管理協会 (H18) 調査対象 :( 財 ) 日本賃貸住宅管理協会で賃貸住宅管理業に携わる会員 21

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 2-3 高齢者向け住宅 施設の立地状況 本市には, 有料老人ホーム, 軽費老人ホームの定員数とサービス付き高齢者向け住宅の戸数を合わせて 584 人 戸立地しています 介護保険施設である介護老人福祉施設, 介護老人保健施設は合わせて定員数 1,490 床あります 高齢者向け住宅の立地状況 ( 平成 27 年 4 月 1 日現在 ) 定員又は戸数有料老人ホーム 355 人軽費老人ホーム 36 人サービス付き高齢者向け住宅 193 戸計 584 人 戸 介護保険施設の立地状況 ( 平成 27 年 4 月 1 日現在 ) 病床数介護老人福祉施設 732 床介護老人保健施設 758 床計 1,490 床 平成 27 年 4 月 1 日現在, 本市の高齢者人口は県内で3 番目に多くなっておりますが, 高齢者人口の多い他市に比べ, 高齢者人口に対する施設等の定員数 戸数の割合は, 比較的高い状況となっています 高齢者人口に対する施設等の定員割合によると, 県内でも施設等の整備が進んでいるといえます 高齢者人口に対する施設等の定員割合 ( 県内高齢者人口上位 5 市 ) ( 平成 27 年 4 月 1 日現在 ) 市名 ( 高齢化率 ) 高齢者人口 (A) 施設等 ( ) の 合計定員数 (B) 割合 (B/A 100) 水戸市 (24.6%) 65,556 人 3,978 人 戸 6.06% 日立市 (29.2%) 53,473 人 1,908 人 戸 3.56% つくば市 (18.7%) 40,827 人 2,038 人 戸 4.99% 土浦市 (26.5%) 37,257 人 2,251 人 戸 6.04% 古河市 (25.1%) 35,376 人 1,243 人 戸 3.51% 介護老人福祉施設, 介護老人保健施設, 有料老人ホーム, サービス 付き高齢者向け住宅 (H27.4.1 時点で登録済の住宅 ) の合計定員 22

第 2 章高齢者の居住を取り巻く現状と課題 2-4 高齢者の居住を取り巻く課題 (1) 高齢者人口の増加と高齢者のみの世帯の増加急速な高齢化の進行と核家族化により, 高齢単身世帯 高齢夫婦世帯等高齢者のみの世帯が増加しています 地域によっては, 若い世代が著しく減少しているところもあり, 地域を支える人材が不足していることが指摘されています このため, 高齢者世帯が地域で孤立しないよう, 高齢者の生活支援体制づくりが求められています (2) 住まいのバリアフリー化借家に居住する高齢者, 建築時期が古い住宅に居住する高齢者の多くが一定のバリアフリー化水準以下の住宅に居住しています 高齢化に伴い, 身体の機能が低下すると, 日常の動作を負担に感じたり, 転倒などの事故に遭ったりするおそれがあるため, 高齢期の生活に配慮した住まいのバリアフリー改修を行うことが求められています (3) 民間賃貸住宅市場での入居敬遠民間賃貸住宅市場において, 事故発生の不安などから, 高齢であることを理由に単身高齢者などに対する入居敬遠が行われている可能性が指摘されています 入居敬遠を行わない住宅の確保や地域での見守りなど, 高齢者が円滑に民間賃貸住宅に入居でき, 安心して生活できる仕組みづくりが求められています (4) 高齢者の住まいに関するニーズと事業者の質の向上高齢者は, 一人ひとりの住まいに関するニーズが異なることから, それぞれのニーズにきめ細かに対応した高齢者向け住宅の確保と高齢者が自らのニーズに応じたサービスを選択するための情報提供が求められています また, 今般, 住宅運営事業者による入居者への独占的な介護サービスの提供等が問題視されているため, 住宅運営の適切な指導による事業者の質の向上が求められています (5) 親と子の同居 近居親世帯と子世帯が歩いていける距離で暮らす近居は, 子世帯の子育て期の協力, 親世帯が高齢化した際の介護など双方にとってメリットのある居住形態として注目されています 第 2 章 2-2(6) で示している高齢期の親と子の近居意向 (P.17 参照 ) においても茨城県は全国に比べて, 同居 近居を希望している傾向があり, 同居 近居を実現できる仕組みづくりが求められています 23

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第 3 章基本的方針 3-1 基本理念と基本目標 3-2 施策の体系 25

第 3 章基本的方針 3-1 基本理念と基本目標 (1) 高齢者の居住安定の確保に関する施策の理念本計画は, つくば市高齢者福祉計画と理念を共通のものとし 高齢者と介護者が生きがいを持ち, 住み慣れた地域で安全で安心して暮らせるまちづくり とします 高齢者福祉計画は, 高齢者 介護者 地域 の3つの視点から, 高齢者の支援施策を定めた高齢者福祉に関する総合的な計画であり, 本計画においては, 主に高齢者の 住まい に焦点を当て, 高齢者の居住の安定確保について目標及び具体的な施策を定めています この共通理念のもと, 高齢者が住み慣れた自宅や地域で安全, 安心して暮らせるよう, 市民と行政との協働 連携 共生による福祉社会の実現を目指します 基本理念 高齢者と介護者が生きがいを持ち, 住み慣れた地域で 安全で安心して暮らせるまちづくり 26

第 3 章基本的方針 (2) 基本目標基本理念に基づき, 高齢者の居住の安定確保のため, 次の目標を掲げます 目標の設定にあたっては, 先に抽出した課題を踏まえ, 高齢者が現在の住まいに居住し続けることが可能な施策展開を第一とし, 必要に応じて希望する住まいに住み替えることができる施策展開を想定しています 基本目標 Ⅰ 住み続けられる住まいづくり 基本理念 高齢者と介護者が生きがいを持ち, 住み慣れた地域で安全で安心して暮らせるまちづくり 基本目標 Ⅱ 高齢者のニーズに応じた居住の場の確保 基本目標 Ⅲ 高齢者の住宅セーフティネットの構築 基本目標 Ⅳ 地域支援体制の構築 基本目標 Ⅰ 住み続けられる住まいづくり市民が, 高齢者となっても, それまで住み慣れてきた地域でずっと過ごせるよう, 住まいのバリアフリー化や生活支援等により安心して住み続けられる社会の実現を目指します また, 高齢者世帯が孤立しないよう, 高齢者を支える地域の活力の維持や, バリアフリーによる住まいづくり等安全で安心して暮らすことの出来る生活環境の実現を目指します 基本目標 Ⅱ 高齢者のニーズに応じた居住の場の確保加齢等により, 新たな住まいに居住することを希望する高齢者が, 一人ひとりの心身の状況に合わせた居住の場を確保できるよう, 高齢者向けの住宅や施設を市内のニーズに合わせ, バランスの取れた供給を目指します 27

第 3 章基本的方針 基本目標 Ⅲ 高齢者の住宅セーフティネットの構築住宅の確保に配慮を要する高齢者世帯が, 安心して住生活を送れるよう, バリアフリー化がなされた公営住宅の供給とその他の公的賃貸住宅や民間賃貸住宅を活用した重層的な住宅セーフティネットの構築を目指します 基本目標 Ⅳ 地域支援体制の構築地域や福祉施策による高齢者世帯への介護支援 見守り支援等により, 高齢者の豊かな住生活の実現を目指します また, 高齢者世帯が居住継続のための適切な支援を受けられるよう, 関係部局や関係団体等と連携し, 情報提供や相談体制の構築を目指します 28

第 3 章基本的方針 3-2 施策の体系 基本理念の 高齢者と介護者が生きがいを持ち, 住み慣れた地域で安全で安心して暮らせるまちづくり の実現を目指して4つの基本目標に基づき, 推進する住宅施策と具体的な施策内容を以下のように定めます 基本目標 Ⅰ 住み続けられる住まいづくり (1) 住まいのバリアフリー化の促進 (2) 地震等災害に強い住まいづくり (3) 民間賃貸住宅の情報提供 バリアフリーリフォームの促進 ユニバーサルデザインによる住まいづくりの普及啓発 耐震改修に関する情報提供 簡易な耐震器具の普及 民間賃貸住宅の情報提供 住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業の調査 研究 基本目標 Ⅱ 高齢者のニーズに応じた居住の場の確保 (1) 高齢者向け住宅の供給 (2) 介護保険施設の計画的整備 サービス付き高齢者向け住宅 有料老人ホームの適正な供給 住宅資産を活用した住み替え制度等の情報提供 介護保険施設の計画的整備 基本目標 Ⅲ 高齢者の住宅セーフティネットの構築 (1) 市営住宅における生活支援機能 高齢者生活支援施設の併設の検討 (2) 市営住宅のバリアフリー化 市営住宅のバリアフリー化 (3) 高齢者への市営住宅の供給 真に住宅に困窮する高齢者世帯への市営住宅の 供給 基本目標 Ⅳ 地域支援体制の構築 (1) 介護サービス基盤の強化 (2) 高齢者世帯への居住支援 (3) 情報提供 相談窓口の整備 各種サービスが連携した包括的な支援の推進 地域の見守り支援活動の促進 在宅医療の促進 介護支援専門員等に対する指導 相談 情報のネットワーク化 相談窓口の充実 29

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第 4 章推進する施策 4-1 住み続けられる住まいづくり 4-2 高齢者のニーズに応じた居住の場の確保 4-3 高齢者の住宅セーフティネットの構築 4-4 地域支援体制の構築 31

第 4 章推進する施策 4-1 住み続けられる住まいづくり (1) 住まいのバリアフリー化の促進 1 バリアフリーリフォームの促進第 2 章 2-2(4) で示している つくば市のバリアフリー化水準 ( 専用住宅 ) (P.16 グラフ参照 ) では建築時期の古い住宅ほど, バリアフリー化の実施率が低いことが分かります そこで, 高齢者が安心して快適な住生活を営むことができるよう, 既存住宅のバリアフリーリフォームを促進します 加齢に伴い必要となるバリアフリー改修や, 福祉用具等の導入を促進するため,( 一財 ) 茨城県建築センター,( 一社 ) 茨城県建築士会等のリフォーム相談を通して, 高齢者に対して介護保険制度による住宅改修等の情報提供を行います 高齢者と日々接している介護支援専門員 ( ケアマネジャー ) や介護保険制度での高齢者に対する相談窓口としての機能を果たしているつくば市地域包括支援センター 等と連携し, 高齢者に対し, リフォーム相談の周知を行うなど高齢者が安心してバリアフリーリフォームができる環境の整備を行います ( 一財 ) 茨城県建築センター, 建築士会等を通して, 介護保険制度による住宅改 修等の周知 リフォーム相談窓口の紹介 2 ユニバーサルデザインによる住まいづくりの普及啓発 高齢者にとっても, 安全 安心で快適に暮らすことのできる住宅の実現を目指し, 住 まいのユニバーサルデザインの考え方や, これらを実現するための技術や施工例等を紹 介する等普及啓発を行います ユニバーサルデザインの 7 原則 1 だれにも公平に使いやすいものであること 2 使用する際に自由度が高いこと 3 使い方が簡単で分かりやすいこと 4 必要な情報が効果的に伝わるようにすること 5 間違った動作が危険につながらないデザインであること 6 身体的負担が少なく, 楽に使用できること 7 アクセスや操作がしやすいスペースと大きさがあること ユニバーサルデザインによる住まいづくりの考え方の普及啓発 つくば市地域包括支援センター 高齢者の心身の健康の維持, 保健 福祉 医療の向上, 生活の安定のために必要な援助, 支援を包括的に行う中核機関として市が設置している機関 32

第 4 章推進する施策 (2) 地震等災害に強い住まいづくり 1 耐震改修に関する情報提供第 2 章 2-2(2) で示している つくば市内の建築時期別比率 ( P.13 グラフ参照 ) では高齢者のいる世帯の 38.04% が昭和 55 年以前に建築された旧耐震基準により設計された住宅に居住しており, 木造住宅耐震診断士の派遣や木造住宅耐震改修費補助により耐震改修の促進を図ります 木造住宅耐震診断士派遣事業の実施 木造住宅耐震改修費補助の実施 2 簡易な耐震器具の普及 高齢者が地震時に安全性を確保できるよう, 家具等の転倒防止器具や耐震シェルター 等簡易な耐震器具に関する情報提供を行います 簡易な耐震器具に関する情報提供 (3) 民間賃貸住宅の情報提供 1 つくば市民間賃貸住宅情報提供事業 ( 公社 ) 茨城県宅地建物取引業協会土浦 つくば支部と協定を締結し, 高齢者のみの世帯など, 住宅に困窮する者に対し, 低額家賃の民間賃貸住宅の情報を提供します 2 住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業 の調査 研究平成 27 年度に創設された事業であり, 居住支援協議会を中心とした住宅確保要配慮者及び民間賃貸住宅の賃貸人双方の支援体制の構築等についての調査や研究を行っていく 住宅に困窮している低所得の高齢者, 障害者, 子育て世帯の居住の安定確保に向け, 居住支援協議会等との連携や適切な管理の下で, 空き家等を活用し一定の質が確保された賃貸住宅の供給を図るため, 空き家等のリフォームやコンバージョンに対して支援する事業 33

第 4 章推進する施策 4-2 高齢者のニーズに応じた居住の場の確保 (1) 高齢者向け住宅の供給目標の考え方市民の高齢期に備えた住み替えの希望や加齢に伴う生活スタイルの変化に対応するため, 高齢者が安心して長く住み続けることができる住まいとして, 多様な生活支援サービスや高齢者向けに配慮された設備 構造を備えた居住の場の供給を誘導します なお, 住宅供給にあたっては, 真に介護が必要な高齢者の居住の場として介護保険施設の計画的整備を推進し, 住まいと介護保険施設とのバランスのとれた居住環境を整備します (2) 高齢者向け住宅の供給目標 1 サービス付き高齢者向け住宅の供給サービス付き高齢者向け住宅の市民ニーズの把握を行い, ニーズに応じた住宅供給を行うことを目標とします 住宅運営事業者は, つくば市サービス付き高齢者向け住宅事業の登録に係る事務取扱要綱 及び つくば市サービス付き高齢者向け住宅設置運営指導指針 を遵守するものとし, さらに, 住宅の安定的かつ継続的な事業運営を確保するため, より質の高い運営に向け努力するよう市が指導 助言を行います つくば市サービス付き高齢者向け住宅事業の登録に係る事務取扱要綱の運用つくば市サービス付き高齢者向け住宅設置運営指導指針の運用の徹底市内サービス付き高齢者向け住宅の情報提供運営実態把握のための立入検査 2 有料老人ホームの供給サービス付き高齢者向け住宅の供給と同様に, 市民ニーズに応じた住宅供給を行うことを目標とします 運営事業者は, つくば市有料老人ホーム設置運営指導要項 及び つくば市有料老人ホーム設置運営指導指針 を遵守するものとし, さらに, 安定的かつ継続的な事業運営を確保するため, より質の高い運営に向け努力するよう市が指導 助言を行います つくば市有料老人ホーム設置運営指導要項の運用 つくば市有料老人ホーム設置運営指導指針の運用の徹底 34

第 4 章推進する施策 市内有料老人ホームの情報提供 運営実態把握のための立入検査 3 住宅資産を活用した住み替え制度等の情報提供 高齢者が所有する住宅資産を活用し, 希望する高齢者向け住宅等に住み替えるための 情報提供や相談事業を行います ( 一社 ) 移住 住みかえ支援機構によるマイホーム借上げ制度の情報提供 ( 独 ) 住宅金融支援機構の高齢者向け返済特例制度の情報提供 (3) 介護保険施設の計画的整備市の介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう, 関係部局と相互に適切な情報共有を行います また, 介護保険施設について市内圏域ごとの需要を把握し, 介護保険施設の整備量を調整します つくば市高齢者福祉計画の運用 介護保険施設のニーズの適切な把握 35

第 4 章推進する施策 4-3 高齢者の住宅セーフティネットの構築 (1) 市営住宅における生活支援機能市営住宅入居者の高齢化に対応するため, 将来的な建替え等の際に団地敷地 周辺への生活相談 情報提供窓口, 食事 健康維持施設, 介護関連施設等高齢者生活支援施設の併設を検討します (2) 市営住宅のバリアフリー化 市営住宅への手すりの設置, 屋内の段差解消等により, 高齢者が安心して居住できる よう, 市営住宅のバリアフリー化を推進します 既存市営住宅の個別改善によるバリアフリー化 (3) 高齢者への市営住宅の供給真に住宅に困窮する高齢者世帯に対しては, 市営住宅抽選時の優遇措置などにより, 高齢者世帯等の居住の安定確保に努めます また, 高齢者単身世帯の増加に備えるため, 建替えなどの際に,2DK 以下の住宅を整備することを検討します 36

第 4 章推進する施策 4-4 地域支援体制の構築 (1) 介護サービス基盤の強化医療, 介護, 予防, 住まい, 生活支援サービスが包括的かつ切れ目なく継続的に提供されるよう, 保健 医療 福祉の関係団体及び専門職相互の連携, ボランティア等の住民活動等を含め地域の様々な資源を統合し, 地域包括ケアシステムの構築に努めます 地域における包括的なケア体制の構築 保健 医療 福祉関係団体等との調整や情報提供 啓発 (2) 高齢者世帯への居住支援 1 地域の見守り支援活動の促進つくば市在宅福祉事業を推進し, 高齢者の居宅における日常生活を支援します また, 地域住民や地域団体等による一人暮らしの高齢者等の安否確認や買い物支援等地域ぐるみで行われている高齢者見守り活動について広く情報提供します つくば市在宅福祉事業の周知及び利用促進 高齢者の居住支援活動を行っている地域団体等の情報提供 2 在宅医療の促進医療ニーズの高い高齢者が自宅で医療サービスを受けることができるよう, 在宅医療等の効率的な提供を促進するとともに, 介護職員等が在宅でたん吸引等医療行為を行うための人材育成について情報提供します 介護事業者への情報提供による複合的なサービスの提供促進 介護職員等のたん吸引等研修の推進 (3) 情報提供 相談窓口の整備 1 介護支援専門員等に対する日常的個別指導 相談介護保険サービスにおけるケアマネジメント等の向上のため, 介護支援専門員のネットワーク構築を支援し, 介護支援専門員に対する日常的個別指導, 困難事例等の相談を実施します 37

第 4 章推進する施策 主任介護支援専門員連絡会と連携した研修会等の開催 居宅介護支援事業所連絡会の開催による連携強化 2 情報のネットワーク化 相談窓口の充実 介護支援専門員, 高齢者, 地域団体等が高齢者向け住宅 施設や, 地域支援サービス の情報等必要な情報を容易に入手できるように努めます 高齢者向け住宅 施設や地域支援に関する情報提供 居宅介護支援事業所, 在宅介護支援センター, 認知症よろず相談所に登録して いるグループホーム等の相談窓口に関する情報 38

第 5 章計画の実現に向けて 5-1 計画の推進体制 5-2 計画の進行管理

第 5 章計画の実現に向けて 5-1 計画の推進体制 (1) 市民や関係機関等との連携強化 市民, 関連団体, 地域団体等, 民間事業者, 県等と連携を強化し, 幅広く意見を収集 しながら事業の実施を行う体制を構築します (2) 市役所内部局間の連携強化本計画における多部局に渡る施策を着実に実施していくため, 市役所内では住宅施策と福祉施策が中心となり, 関係部局との連携を図りながら着実に取り組みを進めていきます 5-2 計画の進行管理本計画は, 来る高齢社会において, 高齢者と介護者が生きがいを持ち, 住み慣れた地域で安全で安心して暮らせるまちづくり を目指し, 平成 29 年度までの住宅施策 福祉施策等を設定しています 今後, 高齢者を取り巻く環境の変化や, 施策の実施状況を確認し, 平成 29 年度末までに次期計画の策定を行います つくば市高齢者居住安定確保計画 平成 27 年度 ~ 平成 29 年度 国の政策動向 社会環境の変化 関連計画との調和 いばらき高齢者プラン 21 茨城県住生活基本計画 茨城県高齢者居住安定確保計画 つくば市高齢者福祉計画 平成 29 年度末までに見直し 高齢者の居住状況施策の実施状況 40

つくば市高齢者居住安定確保計画 平成 27 年度 ~ 平成 29 年度 平成 28 年 1 月発行 編集 福祉部高齢福祉課 建設部営繕 住宅課 住所 305-8555 つくば市研究学園一丁目 1 番地 1 電話 029-883-1111 URL http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/