フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

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国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

Taro-① 平成30年度全国学力・学習状況調査の結果の概要について

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(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

1

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

2 全国 埼玉県 狭山市の平均正答率 ( 教科に関する調査の結果 ) ( 単位 %) (1) 小学校第 6 学年 教科ごとの区分 教科 狭山市 埼玉県 全国 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 学習指導要領の

①H28公表資料p.1~2

H

(4) ものごとを最後までやりとげて, うれしかったことがありますか (5) 自分には, よいところがあると思いますか

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

平成 20 年度全国学力 学習状況調査回答結果集計 [ 児童質問紙 ] 松江市教育委員会 - 児童 小学校調査 質問番号 (1) 朝食を毎日食べていますか 質問事項 選択肢 その他 無回答 貴教育委員会 島根県 ( 公

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

(4) ものごとを最後までやり遂げて, うれしかったことがありますか (5) 難しいことでも, 失敗を恐れないで挑戦していますか

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

(3) 将来の夢や目標を持っていますか 平成 29 年度 平成 28 年度 平成

小学校国語について

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

(4) 学校の規則を守っていますか (5) いじめは, どんな理由があってもいけないことだと思いますか

M28_回答結果集計(生徒質問紙<グラフ>)(全国(地域規模別)-生徒(公立)).xlsx

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

1-1 小学校国語 A( 調査時間 20 分 ) 基礎的 基本的な言語活動や言語事項に関する知識 技能が身に付いているかどうかをみる問題 で 12 設問で構成されている 本町の結果は 全国の平均正答率 栃木県の平均正答率とほぼ同じであった この調査では 学習指導要領の領域等として 話すこと 聞くこと

設別調査結果 [ 算数 A: 主として知識 ] 分類 全国鳥取県大山町県との差 数と計算 量と測定 学習指導要領の領域図形 評価の観点 題形式 全体 区分 数量関係 65

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県和歌山市 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

( 中学校調査 ) 1 時限目 2 時限目 3 時限目 4 時限目 5 時限目 国語 A (45 分 ) 国語 B (45 分 ) 数学 A (45 分 ) 数学 B (45 分 ) 生徒質問紙 (2 分程度 ) (6) 集計児童生徒 学校数 1 集計基準児童生徒に対する調査について, 平成 29

2 調査結果 (1) 教科に関する調査結果 全体の平均正答率では, 小 5, 中 2の全ての教科で 全国的期待値 ( 参考値 ) ( 以下 全国値 という ) との5ポイント以上の有意差は見られなかった 基礎 基本 については,5ポイント以上の有意差は見られなかったものの, 小 5 中 2ともに,

瑞浪市調査結果概略(平成19年度全国学力・学習状況調査)

Microsoft PowerPoint - syogaku [互換モード]

小学校の結果は 国語 B 算数 A で全国平均正答率を上回っており 改善傾向が見られる しかし 国語 A 算数 B では依然として全国平均正答率を下回っており 課題が残る 中学校の結果は 国語 B 以外の教科で全国平均正答率を上回った ア平成 26 年度全国学力 学習状況調査における宇部市の平均正答

平成 25 年度学力定着状況確認問題の結果について 概要版 山口県教育庁義務教育課 平成 2 6 年 1 月 1 実施概要 (1) 目 的 児童生徒の客観的な学力状況の経年的な把握と分析を通して 課題解決に向けた 指導の工夫改善等の取組の充実を図る全県的な検証改善サイクルを確立し 県内す べての児童

H30全国HP

1. 調査結果の概況 (1) の児童 ( 小学校 ) の状況 < 国語 A> 今年度より, ( 公立 ) と市町村立の平均正答率は整数値で表示となりました < 国語 B> 4 国語 A 平均正答率 5 国語 B 平均正答率 ( 公立 ) 74.8 ( 公立 ) 57.5 ( 公立 ) 74 ( 公立

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

<4D F736F F D AA90CD E7792E88D5A82CC8FF38BB5816A819A819B2E646F63>

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

平成 3 年度花乃井中のあゆみ 調査結果から 成果と課題 学力調査では すべての項目において平均値を上回っているが 平均値では若干下回っている教科もある 平均正答率を平均と比べると 国語 A は - ポイント 国語 B は -2.2 ポイント 数学 A は +6.9 ポイント 数学 B は +6.

はじめに道教委では 今年 4 月 18 日に実施した 平成 29 年度全国学力 学習状況調査 の調査結果を 8 月末に公表しました 教育委員会では 本町の調査結果について 道教委が作成した における調査結果 に沿って概要を取りまとめました 今年で 11 回目となります本調査は 昨年度と同様に悉皆調査

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる さらに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイ

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

平成 30 年度全国学力 学習状況調査の苫小牧市における調査結果 1 調査の概要 1 小学校国語科 2 小学校算数科 3 小学校理科 4 中学校国語科 4 中学校数学科 5 中学校理科 6 平成 30 年度全国学力 学習状況調査児童質問紙 ( 小学 6 年児童 ) 調査の結果と考察 7 自己肯定感

国語 B では 話すこと 聞くこと 領域において 全国及び県平均を上回っているが 他の三つの領域においては 全国及び県平均を下回っている 活用する力を育成する取組のさらなる充実が必要である 設問 1 の目的に応じて 話し合いの観点を整理する力は身についてきている 設問 3 の二つの詩を比べて読み 自

平成18年度「島根県学力調査」の調査結果

小学校における県平均正答率との比較 市と県の平均正答率の差を比べると 国語 A B 算数 A B 理科のすべての教科 領域 区分で 5ポイント以上の差のものはなくなった 国語 A 市 :68.2% 県 :70.1% 差 :-1.9ポイント 国語 B 市 :49.6% 県 :53.6% 算数 A 市

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

平成 25 年度の全国学力 学習状況調査の下野市の全体の結果 ( 国語, 算数 数学 ) は, 小学校, 中学校ともに, すべての領域で, 全国平均正答率を上回る結果となった 小学校の全国学力調査全体結果について 小学校は国語 AB, 算数 AB ともに, 数ポイント全国平均正答率を上回っていた 小

<H19 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平成 23 年度は震災のため中止となりました 豊能町立小学校全国学力学習状況調査結果 ( 平均正答率全国を 1 として ) H19 H20 H21 H

(4) ものごとを最後までやり遂げて, うれしかったことがありますか (5) 難しいことでも, 失敗を恐れないで挑戦していますか

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の苫小牧市における調査結果 1 調査の概要 1 小学校国語科 2 小学校算数科 3 中学校国語科 4 中学校数学科 5 平成 29 年度全国学力 学習状況調査児童質問紙 ( 小学 6 年児童 ) 調査結果 6 基本的な生活習慣 6 自己肯定感 7 家庭生活 (

2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

算数でも 知識 (A) 問題 活用 (B) 問題とも 全領域で全国平均を上回りました A 問題では 14 問中 12 問が全国平均を上回り うち8 問が5ポイント以上上回りました 下回った2 問は 直径と円周の長さの関係理解 と 除法で表す2 量関係の理解 でした B 問題では 10 問中 9 問が

<4D F736F F D AA90CD82545F315F81758AEE AC89CA82C689DB91E8819A2E646F63>

平成 30 年度全国学力 学習状況調査の結果について ( 速報 ) 1. 調査の概要 実施日平成 30 年 4 月 17 日 ( 火 ) 調査内容 1 教科に関する調査 ( 国語 A 国語 B 算数 数学 A 算数 数学 B 理科 (3 年に 1 回 )) A 問題 : 主として知識に関する問題 B

Water Sunshine

領域別レーダーチャート 教科の領域別に全国を 100 とした場合の全道及び根室市の状況をレーダーチャートで示したもの 小学校 : 国語 小学校 : 算数 国語 A( 話すこと 国語 B( 読むこと ) 聞くこと ) 国語 A( 書くこと

2 経年変化 ( 岡山平均との差の推移 ) (1) 中学校 1 年生で比較 ( 昨年度まで中学校 1 年生のみの実施のため ) 平成 26 年度平成 27 年度平成 28 年度平成 29 年度 国 数 語 学 基 礎 活 用 基 礎

小学校においては 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B の全ての調査において 全国平均正答率を 0.5 から 1.2 ポイント下回っている 中学校においては 国語 B で 1 ポイント下回った以外は 全国平均正答率を 0.1 から 1.4 ポイント上回って いる 文部科学省によると 全国的には 以

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国語 A では, 領域別, 観点別, 問題形式別に見て, どの区分においても全国平均を上回り, 高い正答率でした しかし, 設問別でみると全国および新潟県平均正答率を下回った設問が, 15 問中 1 問, 新潟県の平均正答率を下回った設問は,15 問中 1 問ありました 設問の概要関屋小新潟県全国

指導方法等の改善計画について

Taro-H20第二段階全国学力・学

平成 30 年度全国学力 学習状況調査 北見市の結果等の概要 Ⅰ 調査の概要 1 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析するとともに教育施策の成果と課題を検証し その改善を図り 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等

平成 22 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 22 年 4 月 20 日 ( 火 )AM8:50~11:50 平成 22 年 9 月 14 日 ( 火 ) 研究主任山口嘉子 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (105 名 )

平成19年度全国学力・学習状況調査_調査結果のポイント

平成25年度全国学力・学習調査 報告書 クロス集計|国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research

中学 3 年生の平均正答率 ( 正答数 / 問題数 ) 国語 A 国語 B 数学 A 数学 B 74.5 (23.8/32) 67.4(6.1/9) 60.6 (21.8/36) 43.4 (6.5/15) 福島県 77.6 (24.8/32) 71.9 (6.5/9) 62.8 (22.6/36)

< 中学校 A B 問題 > ( 単位 %) 教科富士見市埼玉県全国 国語 A 国語 B 数学 A 数学 B < 中学校国語 A> ( 単位 %) 話すこと 聞くこと

(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

< 中学校 3 年生 > [ 国語 ] 主として 知識 に関する題 主として 活用 に関する題 ともに, 全国平均をやや上回る状況でした [ 数学 ] 主として 知識 に関する題 は全国平均をやや上回り, 主として 活用 に関する題 はやや下回る状況でした 数学 A 資料の活用 の領域は, 全国平均

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依然として課題 問題例 記述式の問題について 依然として課題が見られる が見られる問題 小学 3 年国語平均正答率 46.0% 書くことが苦手 というように 漠然とした課題把 握では 課題改善はなかなか進みませんね 今後の指導 算数 数学科においては 算数 数学的用語を用いて 事実 方法 理由や根拠

4 調査結果について (1) 教科に関する調査の結果 ( 公立 ) の平均正答率を % として換算した市内の領域 観点 問題形式別正答率 グラフの途切れは, 問題が出題されなかった項目 < 小学校 > : 概要 : 課題 : 今後の学習ポイント国語 A( 基礎 ) 国語 B( 活用 ) 話すこと聞く

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

Microsoft PowerPoint - H22 分析結果2003版(ホームページ用).ppt

平成 30 年度 全国学力 学習状況調査の結果概要について 吉野川市教育委員会 文部科学省が実施している 全国学力 学習状況調査 における吉野川市の結果の概要についてお知らせします なお, 本調査により測定できるのは, 特定教科の学力の一部分や教育活動の一側面です 1 はじめに 全国学力 学習状況調

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

スライド 1

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平成 30 年度全国学力 学習状況調査質問紙調査報告書 目 次 1. 調査の概要 1 2. 質問紙調査の結果 7 (1) 質問紙と学力のクロス分析及び質問紙間のクロス分析 1 主体的 対話的で深い学びの視点からの授業改善に関する取組状況 < 児童生徒質問紙と学力のクロス分析 > 8 < 学校質問紙と

Taro-H29結果概要(5月25日最終)

町全体の状況を把握 分析するとともに 平均正答率については 全国 全道との比較を数値以外の文言で表現します また 質問紙調査の結果や 課題解決に向けた学力向上の取組を示します (3) 学校ごとの公表小規模校において個人が特定される恐れのあることから 学校ごとの結果公表はしません (4) 北海道版結果

HP用【通常版:しばりなし】H27調査結果概要

201509_H27全国学力学習状況_H1_P1-22.indd

平成 26 年度生徒アンケート 浦和北高校へ入学してよかったと感じている 1: 当てはまる 2: だいたい当てはまる 3: あまり当てはまらない 4: 当てはまらない 5: 分からない 私の進路や興味に応じた科目を選択でき

3 教科に関する調査から見える成果と課題 成果 小学校国語 A B 算数 A B ともに全国平均正答率を超えました 小学校では 平成 19 年の調査実施以来初めて国語 算数のすべての調査 ( 知識 活用 ) で全国平均正答率を超えました 各小学校において 児童が話し合ったり自分の考えを書いたりする等

(Microsoft Word H29 \221\254\225\361\202\314\212T\227v.docx)

本調査では 学習時間を十分に取っている子どもほど学業成績がよいという結果が明らかになりました 学習の 量 と 成績 は ある程度比例します この意味で 一定の学習時間を確保することは 学力を高めるのに重要な要素といえます しかし一方で 相対的に短い学習時間でも 学習方法の工夫によって成果を上げること

< 中学校 3 年生 > [ 国語 ] 全体としては, 全国平均とほぼ同じ状況でした 主として 知識 に関する問題 では, 話すこと 聞くこと が全国平均をやや上回り, 他の領域はやや下回る状況でした 主として 活用 に関する問題 では, 話すこと 聞くこと 書くこと 読むこと が全国平均とほぼ同じ

国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)のポイント

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

Transcription:

学習に対する関心 意欲等についてのデータ分析 平成 25 年度全国学力 学習状況調査質問紙調査から 教科教育部 要旨平成 25 年度 全国学力 学習状況調査 の学習に対する関心 意欲等に関する質問項目に対する本県の児童生徒の回答状況について 統計処理ソフトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し分析したところ 国語の学習に対する意識と算数 数学の学習に対する意識に校種間で違いがあることが分かった キーワード : 勉強は好き 勉強は大切 授業は分かる 相関関係 1 はじめに平成 19 年度から実施されている 全国学力 学習状況調査 の結果は 教育委員会や学校が 児童生徒の学力や学習の状況 課題等を把握するとともに 学習指導の改善 充実等に取り組む際に役立てるものとして これまで多方面で分析 活用されてきた その分析においては 各都道府県と全国との平均値の比較や経年での比較を中心になされ 課題解決や授業改善等に活用されている 本県においても 児童生徒質問紙中 学習に対する関心 意欲等に関する質問について 平成 25 年度は 次のような分析が試みられている 国語の勉強は好きですか の質問について 好き どちらかといえば好き と肯定的に答えた児童生徒の割合は 平成 24 年度の調査結果と比べて減少したが 算数 数学の勉強は好きですか の質問について 好き どちらかといえば好き と肯定的に答えた児童生徒の割合は 平成 24 年度の調査結果と比べて増加している また 国語 算数 数学の勉強が大切だと思いますか の質問について 思う どちらかといえばそう思う と肯定的に答えた児童生徒の割合は 平成 24 年度の調査結果と比べて 小 中学校の国語 中学校の数学で減少したが 小学校の算数では0.5ポイント増加している 全国との比較では 国語 算数 数学の勉強は好きですか の質問について 好き どちらかといえば好き と肯定的に答えた児童生徒の割合は 小学校の国語で 全国平均を 0.3ポイント上回ったが それ以外は全国平均を下回っている また 国語 算数 数学の勉強が好き な児童生徒の割合が 国語 算数 数学の勉強が大切 と思う児童生徒の割合を20ポイント以上下回る状況は 平成 24 年度の調査結果と同様であり 国語 算数 数学の勉強が好き な児童生徒を育てることが課題である ( 平成 25 年 8 月 27 日奈良県教育委員会事務局学校教育課報道発表資料 ) さらに 教育研究所としては 上記分析結果のエビデンスの精度を高めるために 学習に対 する関心 意欲等に関する質問項目に対する本県の児童生徒の回答状況について 統計処理ソ - 1 -

フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対する関心 意欲等に関する本県の児童生徒の回答データを用い 質問項目間の相関関係に着目し分析と考察を行う 4 研究内容 (1) 調査の概要 本研究のデータとした平成 25 年度全国学力 学習状況調査について 本県の実施状況は次 のとおりである ア 実施日 平成 25 年 4 月 24 日 ( 水 ) ただし 中学校 2 校は学校行事のため 後日実施 イ 調査対象 小学校第 6 学年 中学校第 3 学年の全児童生徒 ウ 参加状況 小学校 205 校 中学校 105 校 特別支援学校 ( 小学部 )1 校 同 ( 中学部 )3 校 エ サンプル数 児童 12,255 名 生徒 11,517 名 (2) 調査結果の分析対象 ア 対象とした質問 児童質問紙並びに生徒質問紙 ⅠからⅢに共通する以下の項目を研究の対象とした 国語について 国語の勉強は好きだ 国語の勉強は大切だ 国語の授業の内容はよく分かる 読書は好きだ 国語の授業で学習したことは 将来 社会に出たときに役に立つ 国語の授業で目的に応じて資料を読み 自分の考えを話したり 書いたりしている 国語の授業で意見などを発表するとき うまく伝わるように話の組み立てを工夫している 国語の授業で自分の考えを書くとき 考えの理由が分かるように気を付けて書いている 国語の授業で文章を読むとき 段落や話のまとまりごとに内容を理解しながら読んでいる 算数 ( 数学 ) について 算数 ( 数学 ) の勉強は好きだ - 2 -

算数( 数学 ) の勉強は大切だ 算数( 数学 ) の授業の内容はよく分かる 算数の授業で新しい問題に出合ったとき それを解いてみたい( 数学ができるようになりたい ) 算数( 数学 ) の問題の解き方が分からないときは 諦めずにいろいろな方法を考える 算数( 数学 ) の授業で学習したことを普段の生活の中で活用できないか考える 算数( 数学 ) の授業で学習したことは 将来 社会に出たときに役に立つ 算数( 数学 ) の授業で問題を解くとき もっと簡単に解く方法がないか考える 算数( 数学 ) の授業で公式やきまりを習うとき そのわけ ( 根拠 ) を理解するようにしている 算数( 数学 ) の授業で問題の解き方や考え方が分かるようにノートに書いている イデータの処理法各質問項目について 統計的処理を行うために 得点化を行った それぞれの回答について 当てはまる を4 点 どちらかといえば 当てはまる を3 点 どちらかといえば 当てはまらない を2 点 当てはまらない を1 点とした また 分析には IBM 社のSPSS21を使用した 5 集計結果と考察 (1) 集計結果データの集計を行った後 研究対象の各項目間の相関分析を行い ピアソンの積率相関係数を算出した その結果は 表 1から表 4のとおりである 表 1 小学校国語の基礎統計量と相関係数 - 3 -

表 2 小学校算数の基礎統計量と相関係数 表 3 中学校国語の基礎統計量と相関係数 - 4 -

表 4 中学校数学の基礎統計量と相関係数 (2) 考察 4つの表の比較からうかがえる傾向と考察を次に記す ア 勉強は好き と 勉強は大切 と よく分かる について研究の対象とした項目のうち 国語 ( 算数 数学 ) の勉強は好きだ ( 以下 勉強は好き という ) 国語 ( 算数 数学 ) の勉強は大切だ ( 以下 勉強は大切 という ) 国語 ( 算数 数学 ) の授業の内容はよく分かる ( 以下 よく分かる という ) の3 項目に着目すると 小学校及び中学校の国語及び算数 数学において 勉強は好き と よく分かる の相関係数 ( 小学校国語 :r=.450 小学校算数:r=.598 中学校国語:r=.529 中学校算数 :r=.617 p<.001) が相対的に高い数値を示した また 次に相対的に高い数値を示しているのは 勉強は大切 と よく分かる ( 小学校国語 :r=.376 小学校算数:r=. 440 中学校国語:r=.419 中学校算数:r=.491 p<.001) である このことから この3 項目の中で よく分かる 授業をすることが 勉強は好き 勉強は大切 と思う児童生徒を育てることに関係している可能性があると言える イ国語及び算数 数学について上記アで取り上げた 勉強は好き 勉強は大切 よく分かる の 3 項目 ( 以下 3 項目 という ) について 教科間で相関係数を比較すると 小学校 中学校ともに国語よりも算数 数学のほうが相対的に高い数値を示している このことは 国語については 例えば 本を読むのは好きだけれど作文は嫌い といった 学習活動 学習内容によって興味 意欲に差が出るのに対して 算数 数学については 学習活動や学習内容が積み上 - 5 -

ウ げ型であり 国語よりも系統性 連続性が強く意識されるため 項目間の相関が強くなるのではないかと推察される また 3 項目と他の項目との相関の中では 小学校 中学校ともに 勉強は大切 と 国語 算数 数学の授業で学習したことは 将来 社会に出たときに役に立つと思う との間の相関が相対的に高くなっている ( 小学校国語 :r=.480 小学校算数:r=.539 中学校国語 :r=.580 中学校数学:r=.676 p<.001) 将来役に立つと思うかどうかがその教科の大切さの尺度となっていることがうかがえる 児童生徒の学習意欲を高めるためには 学習内容と社会生活を関連させ 具体例や将来像等を示しながら指導することが 有効だと言える 教科別に特徴を見てみると 国語では 読書は好きだ という質問項目と 勉強は好き との相関が 小学校 中学校とも 3 項目の中では相対的に高い 国語好きには読書好きが多い とはよく聞かれる言であるが 分析結果からもその傾向は示唆された また国語では 目的に応じて資料を読み 自分の考えを話したり 書いたりしている 意見などを発表するとき うまく伝わるように話の組み立てを工夫している 自分の考えを書くとき 考えの理由が分かるように気を付けて書いている 文章を読むとき 段落や話のまとまりごとに内容を理解しながら読んでいる の4つの質問項目と よく分かる との相関が 小学校 中学校とも相対的に高くなっている 当然のことではあるが 授業に取り組む姿勢と理解度には関係性があると言える 国語科の 話すこと 聞くこと 書くこと 読むこと の指導に当たっては めあてやねらいを児童生徒に意識させ 目的を明確にした学習活動を促すことが 理解度を高める上で有効だと言える 算数 数学では 授業で公式やきまりを習うとき その根拠を理解するようにしている という項目と よく分かる との相関が 小学校 中学校とも相対的に高くなっている 計算ドリルなど機械的な反復学習に偏らないよう留意することが 児童生徒の理解度を高める上でも大切であると言えよう 小学校と中学校について 3 項目について 校種間で相関係数を比較すると 国語 算数 数学ともに小学校よりも中学校の方が相対的に高い数値を示している データの分布のばらつきについての詳細な分析が必要ではあるが 教科に対する印象は 学年が上がるにつれて集約されていく傾向にあることを示唆している 好きだけれどよくわからない 嫌いだけれど大切だと思う など 印象が混在する状態から 好き - 大切 -よく分かる 嫌い - 不要 - 分からない という両極への集約化が進むと推察される 学年が進むにつれて自分の学習成績を自覚させられる機会が増えること等が 影響を与えているのかもしれない 3 項目以外の項目について見てみると 国語については全関係において 算数 数学については質問項目 4を除く同じ質問項目間の関係において 小学校よりも中学校の方が相対的に高い数値を示している 教科に対する印象だけでなく 授業態度や学習意欲についても 成長とともに集約化 固定化が進む傾向にあるのかもしれない 以上のことから 生徒の興味 関心 意欲に変化が生じると思われる中学校段階での 指導法 授業づくりの工夫が重要だと言える 6 まとめと課題 本研究結果から 児童生徒の学習に対する関心 意欲等を高めるうえで 留意すべき点を以 - 6 -

下にまとめ 提言としたい 児童生徒が よく分かる 授業を行うこと 学習内容が実社会 実生活と関連付けられるよう 指導法を工夫すること 学習のめあてやねらいを明確にし 児童生徒にわかりやすく示すこと 教科の指導内容について 系統性 連続性を考慮すること 子どもに学習することの意義や必要性を実感させるよう留意すること 発達段階を考慮し 子どもの興味 関心等を生かす指導を行うこと 本研究では 国語及び算数 数学の学習に対する関心 意欲等に関する相関関係に着目した分析となったが 今後 更に詳細なアンケート調査を実施し 因子分析等の統計手法を用いて分析することで 例えば 学習意欲に影響を与える因子を分析したり 学習意欲のモデル化を試みたりするなど 児童生徒の学習意欲の向上につながる授業改善のエビデンスを創出できる可能性があると思われる - 7 -